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  • 特開-送り込みローラ及び粉砕機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003468
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】送り込みローラ及び粉砕機
(51)【国際特許分類】
   B27L 11/00 20060101AFI20240105BHJP
   B02C 18/14 20060101ALI20240105BHJP
   B02C 18/22 20060101ALI20240105BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20240105BHJP
【FI】
B27L11/00 D
B02C18/14 A ZAB
B02C18/22
B09B3/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102643
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】597041747
【氏名又は名称】アグリテクノサーチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中司 和志
【テーマコード(参考)】
2B241
4D004
4D065
【Fターム(参考)】
2B241CB33
2B241DA14
2B241DA32
4D004AA12
4D004BA04
4D004CA04
4D004CB13
4D004CB42
4D065CA06
4D065DD05
4D065EB11
4D065EB20
4D065ED02
4D065ED06
4D065ED16
4D065EE02
4D065EE07
4D065EE13
(57)【要約】
【課題】被粉砕物をカッターへ向けて搬送するとともに、被粉砕物に傷を付けることができる送り込みローラを提供する。
【解決手段】送り込みローラ3は、カッター4により切断される被粉砕物を、カッター4へ向けて搬送するローラである。送り込みローラ3は、第1ローラ31と、第1ローラ31と間隔を有して対向して配置される第2ローラ32とを備える。第2ローラ32は、第1送りローラ324を有する。第1送りローラ324は、周方向に沿って配置され外周から径方向外側へ突出する複数の第1突起33を有する。第1突起33は、第2ローラ32の回転方向下流側端に、90°以下の角部334を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッターにより切断される被粉砕物を、前記カッターへ向けて搬送する送り込みローラであって、
第1ローラと、前記第1ローラと間隔を有して対向して配置される第2ローラとを備え、
前記第2ローラは、周方向に沿って配置され外周から径方向外側へ突出する複数の突起を有し、
前記突起は、前記第2ローラの回転方向下流側端に、90°以下の角部を有する、
ことを特徴とする送り込みローラ。
【請求項2】
前記角部は、前記第2ローラの回転軸方向に断続的に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の送り込みローラ。
【請求項3】
前記第2ローラは、前記突起を有する送りローラと、スペーサとを有し、
前記第2ローラの回転軸方向に前記送りローラと前記スペーサとが交互に積層される、
ことを特徴とする請求項2に記載の送り込みローラ。
【請求項4】
前記送りローラは、前記突起としての第1突起を有する第1送りローラと、前記第1突起よりも突出量が小さい前記突起としての第2突起を有する第2送りローラとを有し、
前記第2ローラの回転軸方向において、前記第2送りローラ、前記第1送りローラ、前記第2送りローラ、前記スペーサの順で積層される、
ことを特徴とする請求項3に記載の送り込みローラ。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の送り込みローラと、
前記被粉砕物を切断するカッターと、
前記被粉砕物の搬送方向において、前記送り込みローラと前記カッターとの間に配置され、先端が前記第1ローラと前記第2ローラとの間に位置する爪とを備え、
前記爪は、先端が基端よりも前記カッター側に位置し、前記搬送方向に対して傾斜した姿勢で配置される、
ことを特徴とする粉砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送り込みローラ及び粉砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
農業や家庭菜園などで発生した枝葉、剪定枝を減容・減量させる粉砕機は、上下のローラが回転する隙間に被粉砕物を入れて送り込み、回転刃(カッター)で切断する構造が一般的である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-289453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
資源循環サイクルの実現のため、農業や家庭菜園などで発生した残渣を堆肥にし、農地へ還元する取り組みがなされている。例えば、粉砕機で切断した残渣を生ゴミ処理機で堆肥にする場合、粉砕機のカット長がおよそ20~50mmということもあり、乾燥や発酵に長時間を要するという問題がある。そのため、より乾燥や発酵が早く進む時短策が求められている。
【0005】
そこで本発明は、被粉砕物をカッターへ向けて搬送するとともに、被粉砕物に傷を付けることができる送り込みローラを提供することを目的とする。また、その送り込みローラを備えた粉砕機を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する送り込みローラ及び粉砕機は、以下の特徴を有する。
【0007】
即ち、送り込みローラは、カッターにより切断される被粉砕物を、前記カッターへ向けて搬送する送り込みローラであって、第1ローラと、前記第1ローラと間隔を有して対向して配置される第2ローラとを備え、前記第2ローラは、周方向に配置され外周から径方向外側へ突出する突起を有し、前記突起は、前記第2ローラの回転方向下流側端に、90°以下の角部を有する。
【0008】
これにより、送り込みローラは、被粉砕物をカッターへ向けて搬送するとともに、角部で被粉砕物の表面に傷を付けることができる。
【0009】
また、前記角部は、前記第2ローラの回転軸方向に断続的に配置される。
【0010】
これにより、被粉砕物の様々な位置に傷を付けることができる。
【0011】
また、前記第2ローラは、前記突起を有する送りローラと、スペーサとを有し、前記第2ローラの回転軸方向に前記送りローラと前記スペーサとが交互に積層される。
【0012】
これにより、スペーサを用いることで、送りローラの角部同士を第2ローラの回転軸方向に断続的に配置することができる。
【0013】
また、前記送りローラは、前記突起としての第1突起を有する第1送りローラと、前記第1突起よりも突出量が小さい前記突起としての第2突起を有する第2送りローラとを有し、前記第2ローラの回転軸方向において、前記第2送りローラ、前記第1送りローラ、前記第2送りローラ、前記スペーサの順で積層される。
【0014】
これにより、第1突起の角部同士、第2突起の角部同士、第1突起の角部と第2突起の角部が、それぞれ第2ローラの回転軸方向に断続的に配置されるため、被粉砕物の様々な位置に傷を付けることができる。
【0015】
また、粉砕機は、上記の送り込みローラと、前記被粉砕物を切断するカッターと、前記被粉砕物の搬送方向において、前記送り込みローラと前記カッターとの間に配置され、先端が前記第1ローラと前記第2ローラとの間に位置する爪とを備え、前記爪は、先端が基端よりも前記カッター側に位置し、前記搬送方向に対して傾斜した姿勢で配置される。
【0016】
これにより、粉砕機において、送り込みローラで被粉砕物をカッターへ向けて搬送するとともに、その角部で被粉砕物の表面に傷を付けることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、送り込みローラで被粉砕物をカッターへ向けて搬送するとともに、被粉砕物に傷を付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態の粉砕機の模式断面図である。
図2】送り込みローラ、ガイド部材及びレーキ部材の斜視図である。
図3】送り込みローラ、ガイド部材及びレーキ部材の部分後面図である。
図4】第2ローラの一部分解斜視図である。
図5図3のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。以下の説明では、図1における右側及び左側を、それぞれ粉砕機1の前側及び後側と規定し、図1における紙面手前側及び紙面奥側を、それぞれ粉砕機1の左側及び右側と規定する。また、図1における上側及び下側を、それぞれ粉砕機1の上側及び下側と規定する。
【0020】
[粉砕機]
図1は、一実施形態の粉砕機1の模式断面図である。粉砕機1は、農業や家庭菜園などで発生した枝葉、剪定枝などの被粉砕物Mを粉砕(切断)して減容・減量させる装置である。粉砕機1で20~50mm程度に切断された被粉砕物Mは、例えば生ゴミ処理機で堆肥にすることができる。
【0021】
粉砕機1は、筐体2と、送り込みローラ3と、カッター4と、ガイド部材5と、レーキ部材6とを備えている。筐体2は、送り込みローラ3、カッター4、ガイド部材5、及びレーキ部材6を収容する箱体である。筐体2は、供給口21と、排出口22と、供給トレイ23と、排出トレイ24とを有している。
【0022】
供給口21は、筐体2の前面に設けられ、被粉砕物Mを粉砕機1内に供給するための開口である。排出口22は、筐体2の後面に設けられ、切断された被粉砕物Mを粉砕機1外に排出するための開口である。供給トレイ23は、供給口21に設けられ、被粉砕物Mを支持するとともに、被粉砕物Mを送り込みローラ3に供給するトレイである。排出トレイ24は、排出口22に設けられ、排出口22から排出される切断された被粉砕物Mを支持するトレイである。
【0023】
送り込みローラ3は、カッター4により切断される被粉砕物Mを、カッター4へ向けて搬送するものである。本実施形態において、送り込みローラ3は、被粉砕物Mを供給トレイ23からカッター4へ向けて搬送するとともに、被粉砕物Mに傷を付けることができる一対のローラである。送り込みローラ3は、図示しないモータによって駆動される。送り込みローラ3の詳細については後述する。
【0024】
カッター4は、被粉砕物Mを切断するものである。カッター4は、周方向に沿って配置される複数枚の刃41と、刃41の左右両端を支持する2枚の円板42と、円板42の中心に設けられ筐体2に回転可能に支持される軸部43とを有している。本実施形態においては、刃41は径方向において対向する位置に2枚設けられている。カッター4は、図示しないモータによって駆動される。カッター4は、ガイド部材5に支持された状態の被粉砕物Mのうち、ガイド部材5から突出した部分を回転する刃41で切断する。
【0025】
ガイド部材5は、被粉砕物Mを送り込みローラ3からカッター4へ案内する部材である。ガイド部材5は、被粉砕物Mの搬送方向(本実施形態では後方向)において送り込みローラ3とカッター4との間に配置され、筐体2に支持されるL字型断面の板状部材である。ガイド部材5は、送り込みローラ3からカッター4へ向かって略水平に延びる第1板部51と、第1板部51の後端から下方へ延びる第2板部52とを有している。
【0026】
レーキ部材6は、被粉砕物Mに前後方向の傷を付ける部材である。レーキ部材6は、被粉砕物Mの搬送方向(本実施形態では後方向)において送り込みローラ3とカッター4との間であって、ガイド部材5の上方に配置される。本実施形態においてレーキ部材6は、左右両端でガイド部材5とともに筐体2にボルトで共締めされている。レーキ部材6の詳細については後述する。
【0027】
このような粉砕機1によれば、モータの駆動により、送り込みローラ3及びカッター4が、それぞれ図1に示す矢印の方向に所定速度で回転する。この状態で供給トレイ23に被粉砕物Mが投入されると、被粉砕物Mが供給トレイ23上を滑り、送り込みローラ3に供給される。被粉砕物Mは、送り込みローラ3によって後方へ搬送され、ガイド部材5とレーキ部材6の間を通ってカッター4で切断される。切断された被粉砕物Mは、落下しながら後方へ搬送され、排出口22を通じて排出トレイ24上に積載される。
【0028】
[送り込みローラ]
図2は、送り込みローラ3、ガイド部材5及びレーキ部材6の斜視図、図3は、送り込みローラ3、ガイド部材5及びレーキ部材6の部分後面図、図4は、第2ローラ32の一部分解斜視図、図5は、図3のA-A断面図である。
【0029】
送り込みローラ3は、第1ローラ31と、第1ローラ31と間隔を有して対向して配置される第2ローラ32とを有している。本実施形態においては、第1ローラ31が上側、第2ローラ32が下側に配置されているが、逆に配置される構成であってもよい。
【0030】
図2図3図5に示すように、第1ローラ31は、左右方向に延びる略円柱状の部材である。第1ローラ31は、筐体2に回転可能に支持される軸部311と、外周から径方向外側へ突出するとともに左右方向に延びる8つの突条部312とを有している。図5に示すように、突条部312は、回転方向上流側から順に、上流側面313、頂面314、下流側面315を有している。
【0031】
上流側面313は、回転方向上流側から回転方向下流側に向かって径方向外側へ傾斜した傾斜面である。頂面314は、上流側面313の回転方向下流側端から回転方向下流側へ周方向に沿って延びる円弧面である。下流側面315は、頂面314の回転方向下流側端から径方向内側へ延び、隣接する突条部312の上流側面313の回転方向上流端に滑らかに繋がる面である。なお、第1ローラ31の形状には特に限定はなく、被粉砕物Mの形状や大きさに合わせた形状とすることができる。また、第1ローラ31は、後述する第2ローラ32と同構成であってもよい。
【0032】
図2から図5に示すように、第2ローラ32は、左右方向に延びる略円柱状の部材であり、2枚の円板321と、4本の支柱322と、8本のボルト323と、複数の第1送りローラ324及び複数の第2送りローラ325で構成される送りローラ326と、複数のスペーサ327とを有している。第2ローラ32と第1ローラ31との間隔は、数mmとすることができ、本実施形態では4mmである。
【0033】
円板321は、第2ローラ32の左右両端部に配置される部材であり、その中心には筐体2に回転可能に支持される軸部328を有している。支柱322は、左右方向に延びる円柱状の部材であり、第1送りローラ324と第2送りローラ325とスペーサ327との溝にそれぞれ内嵌して、第1送りローラ324と第2送りローラ325とスペーサ327とを位置決めし、支持する部材である。ボルト323は、支柱322の左右両端に円板321を固定するボルトである。
【0034】
第1送りローラ324は、略円環状の円板部材である。第1送りローラ324は、周方向に沿って配置され外周から径方向外側へ突出する複数の第1突起33を有している。本実施形態においては、8つの第1突起33が周方向に沿って配置されている。図5に示すように、第1突起33は周方向に沿って延出するように形成されており、回転方向上流側から順に、上流側面331、頂面332、下流側面333を有している。
【0035】
上流側面331は、回転方向上流側から回転方向下流側に向かって径方向外側へ傾斜した傾斜面である。頂面332は、上流側面331の回転方向下流側端から回転方向下流側へ周方向に沿って延びる円弧面である。本実施形態において、頂面332の周方向長さは第1ローラ31の頂面314の周方向長さよりも長い。下流側面333は、頂面332の回転方向下流側端から径方向内側へ延び、隣接する第1突起33の上流側面331の回転方向上流端に滑らかに繋がる面である。
【0036】
ここで、頂面332と下流側面333との接合部分は角部334を構成している。角部334は、90°以下の角度を有していればよく、本実施形態では90°である。よって、角部334は、第1突起33における第2ローラ32の回転方向下流側端に位置している。第2ローラ32が回転して角部334が第1ローラ31に最も近づく位置に位置するとき、角部334と第1ローラ31の頂面312とが対向するように、第1ローラ31及び第1送りローラ324の回転方向の位置が設定されている。これにより、角部334と頂面312との間に挟まれた被粉砕物Mの表面に角部334で左右方向の傷を付けることができる。
【0037】
図2から図4に示すように、第2送りローラ325は、略円環状の円板部材である。第2送りローラ325は、周方向に沿って配置され外周から径方向外側へ突出する複数の第2突起34を有している。本実施形態においては、8つの第2突起34が周方向に沿って配置されている。第2突起34は、第1突起33よりも径方向外側への突出量が小さい突起である。第2突起34は周方向に沿って延出するように形成されており、回転方向上流側から順に、上流側面341、頂面342、下流側面343を有している。
【0038】
上流側面341は、回転方向上流側から回転方向下流側に向かって径方向外側へ傾斜した傾斜面である。頂面342は、上流側面341の回転方向下流側端から回転方向下流側へ周方向に沿って延びる円弧面である。本実施形態において、頂面342の周方向長さは第1ローラ31の頂面314の周方向長さよりも長い。下流側面343は、頂面342の回転方向下流側端から径方向内側へ延び、隣接する第1突起33の上流側面331の回転方向上流端に滑らかに繋がる面である。
【0039】
ここで、頂面342と下流側面343との接合部分は角部344を構成している。角部344は、90°以下の角度を有していればよく、本実施形態では90°である。よって、角部344は、第2突起34における第2ローラ32の回転方向下流側端に位置している。第2ローラ32が回転して角部344が第1ローラ31に最も近づく位置に位置するとき、角部334と第1ローラ31の上流側面313とが対向するように、第1ローラ31及び第2送りローラ325の回転方向の位置が設定されている。これにより、角部344と上流側面313との間に挟まれた被粉砕物Mの表面に角部344で左右方向の傷を付けることができる。
【0040】
スペーサ327は、突起を有していない円環状の円板部材である。スペーサ327の外径は、第1送りローラ324及び第2送りローラ325の外径よりも小さい。スペーサ327を用いることにより、後述する積層構成において、第2突起34の角部344同士を第2ローラ32の回転軸方向に断続的に配置することができる。
【0041】
図3及び図4に示すように、第2ローラ32は、その回転軸方向において、第2送りローラ325、第1送りローラ324、第2送りローラ325、スペーサ327の順で積層されて構成されている。第1送りローラ324において周方向に沿って配置される複数の第1突起33の位置は回転軸方向に揃っており、第2送りローラ325において周方向に沿って配置される複数の第2突起34の位置は回転軸方向に揃っている。そして、第1送りローラ324に形成される第1突起33の位置と、第2送りローラ325に形成される第2突起34の位置は回転軸方向にずれている。
【0042】
よって、第2ローラ32の回転軸方向に積層される第1突起33の角部334同士は、第2ローラ32の回転軸方向に断続的に配置されている。また、第2ローラ32の回転軸方向に積層される第2突起34の角部344同士は、第2ローラ32の回転軸方向に断続的に配置されている。そして、第1突起33の角部334と第2突起34の角部344も第2ローラ32の回転軸方向に断続的に配置されている。その結果、被粉砕物Mの様々な位置に傷を付けることができる。
【0043】
このような第1ローラ31及び第2ローラ32により、送り込みローラ3に供給された被粉砕物Mは、第1ローラ31及び第2ローラ32の回転によって後方へ搬送されるとともに、第1突起33及び第2突起34によって左右方向の傷が付けられる。
【0044】
なお、第2ローラ32における第1送りローラ324、第2送りローラ325、スペーサ327の積層順は、上記以外の順序であってもよい。
【0045】
上述した第2ローラ32の構成は一実施形態であり、上記の構成に限定されることはない。すなわち、第2ローラは、周方向に配置され外周から径方向外側へ突出する突起を有し、突起は、第2ローラの回転方向下流側端に、90°以下の角部を有していればよい。また、第2ローラの回転軸方向に送りローラとスペーサとが交互に積層されていてもよい。また、第1送りローラ324の頂面332及び第2送りローラ325の頂面342は、鋸刃状であってもよい。
【0046】
[レーキ部材]
図2図3図5に示すように、レーキ部材6は、ガイド板61と、複数の爪62とを有している。ガイド板61は、略矩形の平板部材であり、左右両端は第1ローラ31及び第2ローラ32の左右両端と同位置に位置し、前端は第1ローラ31に近接し、後端はカッター4の近傍、かつ前端より下方に位置している。つまり、ガイド板61は後方へ向かって下がるように所定角度だけ傾斜している。本実施形態において、所定角度は20°である。ガイド板61が後方へ向かって下がっていることにより、送り込みローラ3から搬送される被粉砕物Mがガイド板61に沿って爪62に案内される。
【0047】
爪62は、ガイド板61の後端から後下方へ延びる略三角形状の爪である。爪62の先端の前後方向の位置は、ガイド部材5の後端の位置と同じであり、カッター4の近傍に位置している。爪62は、ガイド板61の後端に沿って左右両端まで複数設けられている。本実施形態において、爪62はガイド板61に対して20°下方へ傾斜している。
【0048】
爪62の先端は、上下方向において、第1ローラ31と第2ローラ32との間に位置している。本実施形態においては、爪62の先端は第2ローラ32の上端から2mm上方の位置に位置している。つまり、爪62の先端は第1ローラ31と第2ローラ32との中間に位置している。
【0049】
上記の構成をまとめると、爪62は、被粉砕物Mの搬送方向において、送り込みローラ3とカッター4との間に配置され、先端(後端)が第1ローラ31と第2ローラ32との間に位置しているといえる。加えて、爪62は、先端(後端)が基端(前端)よりもカッター4側に位置し、搬送方向に対して傾斜した姿勢で配置されているといえる。
【0050】
このようなレーキ部材6により、送り込みローラ3に供給された被粉砕物Mは、第1ローラ31及び第2ローラ32の回転によって後方へ搬送されるとともに、爪によって前後方向の傷が付けられる。
【0051】
よって、粉砕機1によれば、被粉砕物Mは、送り込みローラ3によって後方へ搬送されるとともに、表面に角部334、344で左右方向の傷が付けられる。続いて、被粉砕物Mは、ガイド部材5とレーキ部材6の間を通って、表面に爪62で前後方向の傷が付けられる。その後、被粉砕物Mは、カッター4で切断される。その結果、切断された被粉砕物Mは、表面に縦方向及び横方向の傷が付けられたものとなる。したがって、粉砕機1で切断した被粉砕物Mを生ゴミ処理機で堆肥にする場合、表面に縦方向及び横方向の傷が付いていることで表面積が大きくなっているため、乾燥や発酵に要する時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 粉砕機
3 送り込みローラ
4 カッター
31 第1ローラ
32 第2ローラ
33 第1突起
34 第2突起
62 爪
324 第1送りローラ
325 第2送りローラ
326 送りローラ
327 スペーサ
334、344 角部
M 被粉砕物
図1
図2
図3
図4
図5