(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034687
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139101
(22)【出願日】2022-09-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兼子 祐次郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 季世
(72)【発明者】
【氏名】宮田 憲人
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 祐子
(72)【発明者】
【氏名】山口 浩司
(72)【発明者】
【氏名】石田 菜奈
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】企業グループの2社以上のサービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザに関連付けられる複数の加算フラグと処理対象期間の複数の特典付与条件とを記憶部から取得するステップと、複数の特典付与条件のうちの第1の特典付与条件に基づいて、複数の加算フラグのうちの第1の加算フラグ及び第2の加算フラグを特定するステップと、第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する第1の加算フラグ及び第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、第1の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、第1の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、算出された第1の共通ポイントで記憶部の共通ポイントを加算処理する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する処理を行う情報処理装置であって、
記憶部及び制御部を備え、
前記制御部は、
前記ユーザに関連付けられる複数の加算フラグと処理対象期間の複数の特典付与条件とを前記記憶部から取得するステップと、
前記複数の特典付与条件のうちの第1の特典付与条件に基づいて、前記複数の加算フラグのうちの第1の加算フラグ及び第2の加算フラグを特定するステップと、
前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記第1の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、前記算出された第1の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記複数の特典付与条件のうちの第2の特典付与条件に基づいて、前記複数の加算フラグのうちの第3の加算フラグ及び第4の加算フラグを特定するステップと、
前記第2の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第3の加算フラグ及び前記第4の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第2の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記第2の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第2の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第2の共通ポイントを算出し、前記算出された第2の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
をさらに実行するように構成されている、請求項1の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値ではないという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与不可であることを示す値をセットするステップ
をさらに実行するように構成されている、請求項1の情報処理装置。
【請求項4】
外部ネットワークと通信するための通信部をさらに備え、
前記第1の加算フラグは、第1のシステムから前記通信部を介して受信され、
前記第1の加算フラグは、複数の文字列を含んでおり、前記複数の文字列の第1の文字は、前記第1のシステムに格納されている前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容のうちの対応する第1の契約情報、及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態のうちの対応する第1の取引情報に基づいて決定され、前記複数の文字列の第2の文字列は、前記第1のシステムに格納されている前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容のうちの対応する第2の契約情報、及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態のうちの対応する第2の取引情報に基づいて決定される、
請求項1の情報処理装置。
【請求項5】
外部ネットワークと通信するための通信部をさらに備え、
前記制御部は、
第1のシステムから前記通信部を介して受信された前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態を受信するステップと、
前記第1の契約内容及び/または前記第1の取引実態に基づいて、前記第1の特典付与条件を生成するステップと
をさらに実行するように構成されている、請求項1の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の契約内容及び/または前記第1の取引実態を分析して前記ユーザがあまり行っていない1つ以上の取引を抽出することによって、前記第1の特典付与条件を生成する、請求項5の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、企業グループの方針に基づいて前記第1の特典付与条件を生成する、請求項5の情報処理装置。
【請求項8】
サービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する処理を行う情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、記憶部及び制御部を備え、
前記情報処理方法は、
前記制御部が、前記ユーザに関連付けられる複数の加算フラグと処理対象期間の複数の特典付与条件とを前記記憶部から取得するステップと、
前記制御部が、前記複数の特典付与条件のうちの第1の特典付与条件に基づいて、前記複数の加算フラグのうちの第1の加算フラグ及び第2の加算フラグを特定するステップと、
前記制御部が、前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記制御部が、前記第1の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、前記算出された第1の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
を備える情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
サービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する処理を行う情報処理装置であって、
記憶部、制御部、及び外部ネットワークと通信するための通信部を備え、
前記制御部は、
前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態に基づいて特典付与可能と第1のシステムによって判定された前記ユーザの識別情報を前記第1のシステムから前記通信部を介して受信するステップと、
前記ユーザの識別情報に基づいて特典付与可能であることを示す値を第1の特典付与条件に格納するステップと、
前記第1の特典付与条件に格納されている前記特典付与可能であることを示す値に基づいて、前記第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、前記算出された第1の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
を実行するように構成されている情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の会社を抱える企業グループの2社以上のサービスを利用しているユーザのサービス利用状況及び/または契約内容などに基づいて、ユーザにサービスのクロスユースをレコメンドし、グループ各社で共通に利用可能な共通ポイントなどの特典を付与する処理を行う情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関係の近い金融機関、例えば、銀行、カード会社、信託銀行、証券会社、リース会社、消費者金融会社などが金融持ち株会社の下に集まり、金融グループが形成されている。また、企業グループは、これらの金融機関と複数の事業会社が企業グループを形成することもある。このような企業グループが形成された後でも、各金融機関は、それぞれ個別に顧客向けのサービスを提供し続けており、事業会社も個別に顧客向けのサービスを提供し続けている。例えば、銀行は、インターネットバンキングのシステムを顧客に提供し、カード会社は、カード会員向けのインターネットサービスを提供し、証券会社は、顧客向けのオンライン証券サービスを提供している。
【0003】
グループ企業同士の連携は、業務面では多く見られるものの、システム面での連携は進んでいないこと多く、一部で、金融グループの中の会社同士がサービス連携している動きが見られる程度であった(特許文献1、2)。特許文献1には、銀行口座と証券取引口座を連携させるための契約申込方法が開示されている。特許文献2には、証券管理システム及び銀行システムがそれぞれ、顧客マスタを管理することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-048844号公報
【特許文献2】特開2016-149008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、企業グループ全体でのサービス提供により顧客に対してより利便性の高い顧客体験を提供する動きが出てきている。企業グループの各社は、業務面だけでなく、システム面でも連携を深めることにより、顧客に対してシームレスな総合サービスを提供しようとしている。
【0006】
顧客がシームレスな総合サービスを享受するためには、それぞれの企業のシステムのユーザIDを使い分けてそれぞれのサービスを利用するのではなく、1つのユーザIDで複数の会社が提供するサービスを利用できるようになる必要がある。また、グループの各社のいずれのサービスを利用したとしても、どのサービスにも共通で利用できるポイントサービスなどの特典に対するニーズも高まっている。
【0007】
従来のカード決済に係るポイント付与率は、カードのステータス(例えば、ゴールドカード、プラチナカードなど)に応じて一律に決まる硬直的なものであった。また、カード会社は自社のサービスを利用したことによるポイントアップなどの特典付与を行っていた。しかしながら、自社のサービスを利用したことにより他社のサービスでも利用可能な特典付与やグループの2つ以上の会社のサービスを利用したことによる特典付与は本格的には行われていなかった。そのため、グループ内のサービスをクロスユースするユーザに対するポイントアップなどの特典サービスを実現するための仕組みは知られていなかった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、企業グループの2社以上のサービスを利用しているユーザのサービス利用状況及び/または契約内容などに基づいて、ユーザにサービスのクロスユースをレコメンドし、サービスのクロスユースに基づく、グループ各社で共通に利用可能な共通ポイントなどの特典を付与する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様である情報処理装置は、サービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する処理を行う情報処理装置であって、
記憶部及び制御部を備え、
前記制御部は、
前記ユーザに関連付けられる複数の加算フラグと処理対象期間の複数の特典付与条件とを前記記憶部から取得するステップと、
前記複数の特典付与条件のうちの第1の特典付与条件に基づいて、前記複数の加算フラグのうちの第1の加算フラグ及び第2の加算フラグを特定するステップと、
前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記第1の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、前記算出された第1の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
を実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、企業グループの2社以上のサービスを利用可能な共通IDを保有しているユーザに対して、2社以上のサービスのクロスユースを促すようにレコメンドし、当該クロスユースに伴う追加の特典を付与しやすくなる。これにより、企業グループは、グループのクロスセルの最大化を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
【
図1】本発明に係る情報処理装置10を含むシステム全体の構成図である。
【
図2】本発明に係る情報処理装置10のシステム構成図である。
【
図3】ユーザマスタ106のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ別特典付与条件107のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】加算フラグとユーザ別に設定可能な特典付与条件とに基づいてユーザに共通ポイントを付与する処理を説明するフロー図である。
【
図6】ユーザの取引実態及び/またはサービス契約内容に基づいてユーザ別の特典付与条件を設定する処理を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(全体構成)
本明細書では、企業グループ各社のサービスを利用可能な共通IDを保有しているユーザの各社サービスに対するクロスユースの状況に応じて特典を付与する情報処理装置についての実施形態を説明する。ユーザには、企業グループ各社のサービスを利用するための個別ID以外にも、それぞれのサービスをシームレスに利用可能となる共通IDが割り当てられている。このため、ユーザは、共通IDを利用して各社のサービスにログインし、様々なサービスを利用できる。
【0013】
企業グループ各社のシステム内のデータは、ユーザの個別ID以外にも共通IDと関連付けられており、例えば、銀行システムは、共通IDに基づいて入出金明細を取得し、ユーザの契約情報を取得でき、あるいは、カード会社システムは、共通IDに基づいてカード決済明細を取得できる。このため、グループ各社のシステムは、個別ID及び共通IDをユーザマスタ内に含んでおくことが可能であり、このような構成により、ユーザの各社サービスに対するクロスユースの達成状況は、情報処理装置10によって識別され得る。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10、ユーザ端末11、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14(Nは2よりも大きい自然数)を含むシステム全体の構成図である。情報処理装置10及びユーザ端末11は、任意のネットワーク15を介して相互に通信可能に接続されている。情報処理装置10と、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14とは、任意のネットワーク16を介して相互に通信可能に接続されている。
【0015】
図1では、ユーザ端末11は、1つしか表示されていないが複数存在し得る。
図1では、企業グループ各社のシステムとして、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14が示されているが、本発明は3つのシステムのみに適用されるものではなく、任意の数のシステムに対して適用され得る。ネットワーク15及びネットワーク16には、インターネット、イントラネット、専用線、任意のネットワークシステムなどが含まれるが、特定のネットワークに限定されることはない。
【0016】
情報処理装置10は、グループ各社のサービスの入り口となるホーム画面をユーザ端末11に提供する。ホーム画面は、ブラウザによりアクセス可能なWebサイトとして、またはスマートフォンやタブレット型端末などからアクセス可能なアプリケーションとして提供されてよい。情報処理装置10は、ホーム画面における所定の操作に応答して、グループ各社が提供する個々のサービスを対応するそれぞれのシステムとともに連携して提供できる。個々のサービスは、例えば、インターネットバンキング、カード会員向けのインターネットサービス、及びオンライン証券サービスなど、グループの各社が提供するサービスであってよい。本明細書では、情報処理装置10は、特定の会社のシステム内に存在する態様で記載されていないが、他の実施形態では、情報処理装置10がグループ内の特定の会社のサーバで実装されるように構成されても構わない。また、実際のサービス提供の画面はそれぞれの企業のサーバによって提供され得る。
【0017】
情報処理装置10は、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14から、ポイントアップ(PU)などの特典付与処理に使用される加算フラグを受信し、マージして格納する。情報処理装置10は、加算フラグとユーザ別に設定可能な特典付与条件とに基づいて共通ポイントを算出できる。あるいは、情報処理装置10は、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14から、ポイントアップ(PU)などの特典付与処理を行える条件を満たしたユーザの情報(例えば、ユーザ識別子)を受信して、そのユーザに対して共通ポイント付与などの特典付与処理を行うこともできる。本明細書では、ユーザによるクロスユースの結果付与される特典の例として共通ポイントを例として説明するが、付与される特典は共通ポイントに限定されることなく、預金の金利優遇、各種手数料の優遇などの他の特典であっても構わない。情報処理装置10は、ホーム画面に共通ポイントを表示するとともに、PU条件などの特典付与条件についての説明をユーザ端末11に提供できる。
【0018】
情報処理装置10は、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14から、ユーザのサービス利用状況及び契約内容の情報を取得し、1つ以上の特典付与条件を設定できる。特典付与条件は、グループ各社によって提供されるサービスのクロスユースを促進することに関連する条件であってよく、例えば、A社のクレジットカード決済とB社のデビットカード決済を両方利用することが条件となったり、B社で給与受取契約締結とC社の証券売買代金の支払口座としてB社の口座を指定することが条件となったりしてよい。
【0019】
ユーザ端末11は、有線または無線環境において動作可能な任意のタイプのデバイス(例えば、PC、スマートフォン、タブレット型端末など)であり、情報処理装置10によって提供されるホーム画面にアクセス可能な端末である。ユーザ端末11は、企業グループ各社のサービスを利用でき、共通IDを割り当てられているユーザによって使用され得る。ユーザ端末11は、ネットワーク15を介して情報処理装置10にアクセスし、本明細書で説明するような操作を行うことができる。
【0020】
第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14は、企業グループ各社のサービスを提供するシステム、及び/または事業会社のサービスを提供するシステムである。例えば、第1のシステム12は、銀行システムであり、インターネットバンキングのサービスを提供し得る。第2のシステム13は、カード会社システムであり、カード会員向けのインターネットサービスを提供し得る。第Nのシステム14は、顧客向けオンライン証券サービスを提供し得る。別の例では、第Nのシステム14は、小売企業のシステムであり、購入額に応じたポイントサービスを提供し得る。
【0021】
第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14は、それぞれ、ユーザに関連付けられるサービス利用状況及び/またはサービス契約内容に基づいて加算フラグを生成し、情報処理装置10に送信する。それぞれの加算フラグは、情報処理装置10においてマージされて格納される。
【0022】
第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14は、それぞれ、ユーザに関連付けられるサービス利用状況及び/またはサービス契約内容を情報処理装置10に送信できる。
【0023】
本明細書では、情報処理装置10が、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14とは独立した装置である前提で説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、グループ内のカード会社がカード決済時にユーザに対してポイントを付与しているケースでは、カード会社のシステム(例えば、第2のシステム13)内に情報処理装置10を含めるように構成されても構わない。これにより、カード会社のシステムは、従来行っていたポイント付与に加えて、クロスユースに伴う追加の特典を付与できるようになる。
【0024】
上記では、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14が、それぞれ、ユーザに関連付けられるサービス利用状況及び/またはサービス契約内容に基づいて加算フラグを生成し、情報処理装置10に送信することを説明したが、本発明はこの実施形態に限定されない。第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14が、それぞれ、ユーザが特典付加の対象となるかどうかを判定し、対象となるユーザの情報(例えば、共通ID)を情報処理装置10に送信して、情報処理装置10が、そのユーザの情報に基づいて特典付与処理を行うように構成されてもよい。
【0025】
(システム構成)
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10のシステム構成図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、一般的なコンピュータと同様に、バス120などによって相互に接続された制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、インターフェース(IF)部104、及び出力部105を備える。情報処理装置10は、ファイル/データベースなどの形式で、ユーザマスタ106及びユーザ別特典付与条件107を備える。
【0026】
制御部101は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、情報処理装置10の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部103に格納されている各種プログラムを主記憶部102に読み出して実行する。主記憶部102は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令及び当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。補助記憶部103は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する。
【0027】
図2の実施形態は、制御部101、主記憶部102及び補助記憶部103を同一のコンピュータの内部に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、情報処理装置10は、制御部101、主記憶部102及び補助記憶部103を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、情報処理装置10のための複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部103を共有する実施形態にすることも可能である。
【0028】
IF部104は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部105は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供する。
【0029】
ユーザマスタ106は、企業グループ各社のシステムで利用可能な共通IDを割り当てられているユーザの情報を格納する。
図3は、本発明の実施形態に係るユーザマスタ106のデータ構造の一例を示す図である。ユーザマスタ106は、共通ID301、認証情報302、ユーザ情報303、第1の加算フラグ304、第2の加算フラグ305、第Nの加算フラグ306、及び共通ポイント307を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。例えば、後述するように、ユーザマスタ106は、グループ各社のシステムを利用する際のそれぞれの個別IDを有するように構成されていてもよい。この場合、ユーザマスタ106は、グループ会社の数だけ個別IDを有することができる。
【0030】
共通ID301は、グループ各社のサービスを利用しているユーザを識別する識別子である。共通ID301は、情報処理装置10によって提供されるホーム画面、及び情報処理装置10と関連付けられるグループ各社のシステムのログインIDとして利用され得る。認証情報302は、グループ各社のシステムに対する認証情報(個別ID、パスワードなど)を示す。ユーザ情報303は、ユーザに関連付けられる情報、例えば、共通IDのパスワード、氏名、生年月日、連絡先(電話、メール、SNSなど)、決済口座、カード番号、決済手段識別番号、証券口座番号などの情報を示す。ユーザ情報303は、事業会社のシステムを利用する際に特有の情報を含むように構成されてもよい。
【0031】
第1の加算フラグ304は、第1のシステム12によって生成された加算フラグを格納する。加算フラグは、第1のシステム12に格納されているユーザに関連付けられるサービス利用状況及び/またはサービス契約内容に基づいて生成される。加算フラグは、任意の桁数の文字列であり、それぞれの桁の値が特定のサービス利用状況及び契約内容のいずれかを示すように構成されている。すなわち、加算フラグは、その桁数によって1つまたは複数のサービス利用状況及び/または契約内容を示すことができる。第2の加算フラグ305及び第Nの加算フラグ306は、それぞれ、第2のシステム13及び第Nのシステム14によって生成された加算フラグを格納する。それぞれの加算フラグは、生成元のシステムを識別する情報を含むことができる。共通ポイント307は、加算フラグとユーザ別に設定可能なPU条件などの特典付与条件とに基づいて算出されたポイントを示す。なお、本実施形態では、これらのデータ項目がユーザマスタ106内に存在することを説明したが、システム構成によっては、一部の構成を別々のサーバ上に分散させてもよい。
【0032】
図2に再び戻って説明する。ユーザ別特典付与条件107は、ユーザ別に設定した特典付与条件の情報を格納する。
図4は、本発明の実施形態に係るユーザ別特典付与条件107のデータ構造の一例を示す図である。ユーザ別特典付与条件107は、共通ID301、対象期間401、第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び第Nの特典付与条件404を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0033】
共通ID301は、上述したように、グループ各社のサービスを利用しているユーザを識別する識別子である。対象期間401は、特典付与処理を行う対象となる期間を示す。期間は、1ヶ月単位、複数月単位、月の途中から途中までといった任意の期間を示すことができる。対象期間401があることにより、情報処理装置10は、所定の期間で特典付与の内容を変更できるようになる。
【0034】
第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び第Nの特典付与条件404は、グループ各社のサービスのクロスユースを促進することに関連する条件、当該条件を達成した際に付与される特典内容、及び特典付与可否を示すことができる。特典付与条件は、例えば、銀行のあるサービスと証券会社のあるサービスを共に契約していること、特定の加盟店でカード決済を行うとともに銀行で給与振込を申込済であること、など、企業グループの複数の会社のサービス利用に関連するものであってよい。本発明の一実施形態では、グループ各社のシステムが条件を満たしたユーザの情報(例えば、共通ID)を情報処理装置10に送信することができるが、かかる場合、情報処理装置10は、特典付与可を示す情報を第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び第Nの特典付与条件404に格納してもよい。
【0035】
図4では、特典付与条件は3つ示されているが、本発明で設定可能な数はこれに限定されない。特典付与条件の数は、グループ各社のシステムにおける、ユーザに関連付けられるサービス利用状況及び/またはサービス契約内容に基づいて任意に設定可能である。例えば、ユーザが利用しているグループ各社のサービスが3つ(例えば、インターネットバンキング、カード会員向けのインターネットサービス、及び顧客向けオンライン証券サービス)であったとしても、特典付与条件の数は3つより多くてもよい。
【0036】
以下、情報処理装置10によって実行されるいくつかの処理を説明する。
図5を参照しながら、各システム12~14によって生成された加算フラグを受信し、マージして記憶しておき、加算フラグとユーザ別に設定可能な特典付与条件とに基づいてユーザに共通ポイントを付与する処理を説明する。
図6を参照しながら、各システム12~14から受信した取引条件及び/または取引実態に基づいてユーザ別の特典付与条件を設定する処理を説明する。
【0037】
(処理フロー:共通ポイントを付与する処理フロー)
図5は、各システム12~14によって生成された加算フラグを受信し、マージして記憶しておき、加算フラグとユーザ別に設定可能な特典付与条件とに基づいてユーザに共通ポイントを付与する処理を説明するフロー図である。この例では、共通ポイントを特典の一例として説明するが、本発明の要旨は他の特典に対しても適用可能である。
【0038】
S501にて、情報処理装置10は、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14から、ポイントアップ(PU)などの特典付与処理に使用される加算フラグを受信し、マージしてユーザマスタ106に格納する。より詳細に言えば、情報処理装置10は、第1のシステム12から受信した第1の加算フラグをユーザマスタ106の第1の加算フラグ304に格納し、第2のシステム13から受信した第2の加算フラグをユーザマスタ106の第2の加算フラグ305に格納し、第Nのシステム14から受信した第Nの加算フラグをユーザマスタ106の第Nの加算フラグ306に格納する。
【0039】
ここで、第1のシステム12において実行される第1の加算フラグの生成処理について説明する。第1のシステム12は、例えば、銀行システムであり、ユーザに関連付けられる契約情報、及び/または、ユーザの口座の入出金明細(サービス利用状況)を有している。第1のシステム12は、所定のタイミング(例えば、月1回の予め定められた日)で、給与振込、デビットカード、住宅ローン、投資信託などの予め定められた契約情報を読み出す。第1のシステム12は、読み出した契約情報に基づいて、それぞれの契約有無を示す値をフラグにセットする。例えば、契約や設定が存在すれば値「1」をフラグにセットし、存在しなければ値「0」をフラグにセットする。第1のシステム12は、それぞれのフラグを予め定められた順番で結合し、第1の加算フラグを生成する。第1の加算フラグは、例えば、a桁(aは自然数)の文字列であり、1桁目が給与振込の有無、2桁目がデビットカード申込の有無、3桁目が住宅ローン申し込みの有無、などを示し得る。すなわち、第1の加算フラグ304、第2の加算フラグ305、及び第Nの加算フラグ306にそれぞれ格納されている文字列は、それぞれの桁がどの条件に対応するかを示し得る。
【0040】
第2のシステム13及び第Nのシステム14においても同様の処理が行われる。例えば、第2のシステム13は、カード会社システムであり、ユーザに関連付けられるサービス契約情報及び/またはカード決済情報(サービス利用状況)を有しているので、予め定められた条件に基づいて第2の加算フラグを生成できる。第2の加算フラグについても、それぞれの桁の値がどの条件に対応するかが示され得る。また、第1の加算フラグ、第2の加算フラグ、及び第Nの加算フラグのそれぞれの桁数は同じ桁数であってもよいし、異なる桁数であってよく、サービス契約情報及び利用状況に応じて決定され得る。
【0041】
S502にて、情報処理装置10は、ユーザの共通ID301に基づいてユーザマスタ106に問い合わせを行い、当該ユーザの共通IDに関連付けられる第1の加算フラグ304、第2の加算フラグ305、及び第Nの加算フラグ306を取得する。また、情報処理装置10は、ユーザの共通ID301及び処理対象期間に基づいてユーザ別特典付与条件107に問い合わせを行い、処理対象期間の第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び第Nの特典付与条件404を取得する。
【0042】
情報処理装置10は、取得した第1の特典付与条件402に基づいて、対象となる第1の加算フラグ304及び第2の加算フラグ305を特定する。第1の特典付与条件402には、クロスユースの対象となるシステム(例えば、第1のシステム12(銀行システム)と第2のシステム13(カード会社システム))の情報が含まれているので、情報処理装置10は、その情報に基づいて対象となる加算フラグを特定することができる。上述したように、それぞれの加算フラグは、生成元のシステムを識別する情報を含んでいる。
【0043】
S503にて、情報処理装置10は、第1の特典付与条件402で指定されている条件に対応するそれぞれのフラグの値が第1の値(例えば、「1」)となっているかどうかを判定する。第1の値になっている場合には、情報処理装置10は、第1の特典付与条件402に特典付与可であることを示す値をセットする。
【0044】
情報処理装置10は、第2の特典付与条件403及び第Nの特典付与条件404についても同様の判定処理を行い、第1の値になっている場合には、第2の特典付与条件403及び第Nの特典付与条件404についても特典付与可であることを示す値をセットする。一方、判定処理の結果、第1の値になっていない(例えば、第2の値になっている)場合には、情報処理装置10は、第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403及び第Nの特典付与条件404に特典付与不可であることを示す値をセットする。
【0045】
S504にて、情報処理装置10は、第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び/または第Nの特典付与条件404が特典付与可を示す値を含んでいる場合、それぞれの特典内容(例えば、ポイント1倍分加算など)に基づいて共通ポイントを算出し、共通ポイント307の値を更新(加算処理)する。
【0046】
上述した処理により、情報処理装置10は、特典付与条件ごとに、企業グループの各社のシステムにおける契約情報や取引実態に応じて生成される加算フラグのそれぞれを組み合わせて判断することにより、ユーザにさらに付与すべき特典(例えば、共通ポイント)を算出できる。
【0047】
本発明の一実施形態では、第1のシステム12、第2のシステム13及び第Nのシステム14が、それぞれ、ユーザのサービス利用状況及び/または契約内容に基づいてユーザの特典付与可否を判定し、特典付与可と判定したユーザの共通IDを情報処理装置10に送信するように構成されることもできる。かかる場合、情報処理装置10は、受信したユーザの共通IDに基づいて特典付与可であることを示す値を第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び第Nの特典付与条件404に格納することができる。その後、情報処理装置10は、第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び/または第Nの特典付与条件404が特典付与可を示す値を含んでいる場合、それぞれの特典内容(例えば、ポイント1倍分加算など)に基づいて共通ポイントを算出し、共通ポイント307の値を更新(加算処理)することができる。
【0048】
(処理フロー:特典付与条件を設定する処理フロー)
図6は、各システム12~14から受信したユーザの取引実態及び/またはサービス契約内容に基づいてユーザ別の特典付与条件を設定する処理を説明するフロー図である。
【0049】
S601にて、情報処理装置10は、ユーザの共通IDに基づいて第1のシステム12に問い合わせを行ったことに応じて、第1のシステム12から、第1のシステム12内に格納されている当該ユーザの取引実態及び/またはサービス契約内容の情報を受信する。また、情報処理装置10は、共通IDに基づいて第2のシステム13及び第Nのシステム14に問い合わせを行ったことに応じて、第2のシステム13及び第Nのシステム14から、それぞれのシステム内に格納されているユーザの取引実態及び/またはサービス契約内容の情報を受信する。
【0050】
本明細書では、第1のシステム12内に格納されているユーザの取引実態の情報を第1の取引実態と呼び、第1のシステム12内に格納されているユーザのサービス契約内容の情報を第1の契約内容と呼ぶこととする。同様に、第2のシステム13及び第Nのシステム14にそれぞれ格納されている対応する情報についても、第2の取引実態、第2の契約内容、第Nの取引実態、及び第Nの契約内容と呼ぶこととする。これらの情報はいずれも個々のユーザに関連付けられている。
【0051】
S602にて、情報処理装置10は、受信した第1の取引実態、第2の取引実態、第Nの取引実態、第1の契約内容、第2の契約内容、及び/または第Nの契約内容に基づいて、それぞれのユーザにレコメンドする取引内容のセットとそれに伴う特典とを決定する。後述するように、決定された取引内容のセットとそれに伴う特典は、第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び第Nの特典付与条件404のうちのいずれかに格納されることとなる。ユーザにレコメンドする取引内容は、ユーザがあまり行っていない取引や企業グループとして推進したい取引に基づいて決めてよい。
【0052】
情報処理装置10は、ユーザに関連付けられるそれぞれの取引実態及び/または契約内容を分析し、ユーザがあまり行っていない1つ以上の取引を抽出できる。例えば、ユーザがデビットカード契約をしているにも関わらずデビットカード決済の実績がほとんどない場合には、情報処理装置10は、デビットカード決済をレコメンドするべき取引内容と判定することができる。例えば、ユーザのクレジットカードの明細情報に電気、ガスなどの公共料金の決済データが存在しない場合、情報処理装置10は、公共料金のクレジットカード決済申込をレコメンドするべき取引内容と判定することができる。
【0053】
情報処理装置10は、このように判定されたレコメンドするべき取引内容のうち、異なる会社のシステムにそれぞれ関連付けられる取引内容のセットを決定し、それに伴う特典を所定の基準に基づいて決定する。取引内容のセットは、例えば、上述の例で挙げたデビットカード決済と公共料金のクレジットカード決済申込であってよく、かかる場合、銀行システムとクレジットカード会社のシステムという異なる会社のシステムにそれぞれ関連付けられる取引内容のセットが決定されている。
【0054】
追加で、あるいは代替で、情報処理装置10は、企業グループの方針に基づいてユーザにレコメンドする取引内容のセットとそれに伴う特典とを判定することもできる。企業グループの方針は、例えば、取扱高を伸ばしたい取引(例えば、振込や振替、カード決済など)、グループ会社間の利便性を高める取引(例えば、銀行口座と証券口座間の資金移動など)、外部企業との契約(例えば、特定のコンビニエンスストアでの利用促進など)などに基づいていてもよい。
【0055】
S603にて、情報処理装置10は、S602にて決定された取引内容のセット及びそれに伴う特典のそれぞれをユーザ別特典付与条件107の第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び第Nの特典付与条件404に格納する。
図4では、特典付与条件は3つしか示されていないが、本発明はこれに限定されることはない。情報処理装置10は、S602にて決定された取引内容のセット及びそれに伴う特典の組み合わせの数だけ、ユーザ別特典付与条件107に格納できる。
【0056】
(ユーザ端末11に表示されるホーム画面及び特典説明画面)
情報処理装置10は、ホーム画面700をユーザ端末11に提供できる。ホーム画面700は、ユーザに関連付けられる銀行口座の情報、各種カードの情報、証券口座の情報、及び共通ポイントなどの特典情報を表示できる。
図7は、ホーム画面700の一例を示す図である。
図7は、ホーム画面700は、銀行口座情報701、カード情報702、及び特典情報703を示している。情報処理装置10は、第1のシステム12、第2のシステム13、及び第Nのシステム14に問い合わせを行い、ホーム画面700に表示すべき情報を取得してホーム画面700に表示できる。情報処理装置10は、ユーザ端末11によってカード情報702の下部が選択された操作に応答して、特典説明画面710をユーザ端末11に提供できる。情報処理装置10は、ユーザ別特典付与条件107に問い合わせを行い、第1の特典付与条件402、第2の特典付与条件403、及び第Nの特典付与条件404の情報を読み出し、特典説明画面710に読み出した情報を表示できる。
【0057】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成及び細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 情報処理装置
11 ユーザ端末
12 第1のシステム
13 第2のシステム
14 第Nのシステム
15、16 ネットワーク
101 制御部
102 主記憶部
103 補助記憶部
104 インターフェース(IF)部
105 出力部
106 ユーザマスタ
107 ユーザ別特典付与条件
700 ホーム画面
710 特典説明画面
【手続補正書】
【提出日】2023-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する処理を行う情報処理装置であって、
記憶部、制御部、及び外部ネットワークと通信するための通信部を備え、
前記記憶部は、前記ユーザに関連付けられる複数の加算フラグと処理対象期間の複数の特典付与条件とを格納しており、
前記制御部は、
第1のシステムから前記通信部を介して、前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態を受信するステップと、
前記第1の契約内容及び/または前記第1の取引実態を分析して前記ユーザがあまり行っていない1つ以上の取引を抽出することによって、第1の特典付与条件を生成して前記記憶部に格納するステップと、
前記記憶部から取得した前記第1の特典付与条件に基づいて、前記記憶部から取得した前記複数の加算フラグのうちの第1の加算フラグ及び第2の加算フラグを特定するステップと、
前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記第1の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、前記算出された第1の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記複数の特典付与条件のうちの第2の特典付与条件に基づいて、前記複数の加算フラグのうちの第3の加算フラグ及び第4の加算フラグを特定するステップと、
前記第2の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第3の加算フラグ及び前記第4の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第2の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記第2の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第2の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第2の共通ポイントを算出し、前記算出された第2の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
をさらに実行するように構成されている、請求項1の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値ではないという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与不可であることを示す値をセットするステップ
をさらに実行するように構成されている、請求項1の情報処理装置。
【請求項4】
外部ネットワークと通信するための通信部をさらに備え、
前記第1の加算フラグは、前記第1のシステムから前記通信部を介して受信され、
前記第1の加算フラグは、複数の文字列を含んでおり、前記複数の文字列の第1の文字は、前記第1のシステムに格納されている前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容のうちの対応する第1の契約情報、及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態のうちの対応する第1の取引情報に基づいて決定され、前記複数の文字列の第2の文字列は、前記第1のシステムに格納されている前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容のうちの対応する第2の契約情報、及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態のうちの対応する第2の取引情報に基づいて決定される、
請求項1の情報処理装置。
【請求項5】
サービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する処理を行う情報処理装置であって、
記憶部、制御部、及び外部ネットワークと通信するための通信部を備え、
前記記憶部は、前記ユーザに関連付けられる複数の加算フラグと処理対象期間の複数の特典付与条件とを格納しており、
前記制御部は、
第1のシステムから前記通信部を介して、前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態を受信するステップと、
前記第1の契約内容及び/または前記第1の取引実態を分析して企業グループとして推進したい所定の取引を抽出することによって、第1の特典付与条件を生成して前記記憶部に格納するステップと、
前記記憶部から取得した前記第1の特典付与条件に基づいて、前記記憶部から取得した前記複数の加算フラグのうちの第1の加算フラグ及び第2の加算フラグを特定するステップと、
前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記第1の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、前記算出された第1の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項6】
サービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する処理を行う情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、記憶部、制御部、及び外部ネットワークと通信するための通信部を備え、
前記記憶部は、前記ユーザに関連付けられる複数の加算フラグと処理対象期間の複数の特典付与条件とを格納しており、
前記情報処理方法は、
前記制御部が、第1のシステムから前記通信部を介して、前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態を受信するステップと、
前記制御部が、前記第1の契約内容及び/または前記第1の取引実態を分析して前記ユーザがあまり行っていない1つ以上の取引を抽出することによって、第1の特典付与条件を生成して前記記憶部に格納するステップと、
前記制御部が、前記記憶部から取得した前記第1の特典付与条件に基づいて、前記記憶部から取得した前記複数の加算フラグのうちの第1の加算フラグ及び第2の加算フラグを特定するステップと、
前記制御部が、前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記制御部が、前記第1の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、前記算出された第1の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
を備える情報処理方法。
【請求項7】
サービスのクロスユースに基づく共通ポイントをユーザに付与する処理を行う情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、記憶部、制御部、及び外部ネットワークと通信するための通信部を備え、
前記記憶部は、前記ユーザに関連付けられる複数の加算フラグと処理対象期間の複数の特典付与条件とを格納しており、
前記情報処理方法は、
前記制御部が、第1のシステムから前記通信部を介して、前記ユーザに関連付けられる第1の契約内容及び/または前記ユーザに関連付けられる第1の取引実態を受信するステップと、
前記制御部が、前記第1の契約内容及び/または前記第1の取引実態を分析して企業グループとして推進したい所定の取引を抽出することによって、第1の特典付与条件を生成して前記記憶部に格納するステップと、
前記制御部が、前記記憶部から取得した前記第1の特典付与条件に基づいて、前記記憶部から取得した前記複数の加算フラグのうちの第1の加算フラグ及び第2の加算フラグを特定するステップと、
前記制御部が、前記第1の特典付与条件によって指定されている条件に対応する前記第1の加算フラグ及び前記第2の加算フラグのそれぞれの値が第1の値であるという判定に応じて、前記第1の特典付与条件に特典付与可であることを示す値をセットするステップと、
前記制御部が、前記第1の特典付与条件が特典付与可であることを示す値を含む場合、前記第1の特典付与条件に関連付けられる特典内容に基づいて、第1の共通ポイントを算出し、前記算出された第1の共通ポイントで前記記憶部の共通ポイントを加算処理するステップと
を備える情報処理方法。
【請求項8】
請求項6に記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項7に記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム。