(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034690
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】検出システム、検出方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06V 20/17 20220101AFI20240306BHJP
【FI】
G06V20/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139110
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】川上 和也
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096CA05
5L096HA08
(57)【要約】
【課題】画像を用いた対象物の検出を効率よく行える検出システム、検出方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】検出システム10は、取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170を備える。取得部110は、第1画像と、第2画像とを取得する。第2画像は第1画像よりも狭い範囲を撮像した画像である。地図生成部130は、第1画像を用いて地図情報を生成する。特定部150は、地図情報における対象領域を特定する。検出部170は、対象領域を撮像した第2画像を解析することにより、対象物を検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて地図情報を生成する地図生成手段と、
前記地図情報における対象領域を特定する特定手段と、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する検出手段とを備える
検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検出システムにおいて、
前記取得手段は、前記第1画像および前記第2画像を、移動体に搭載された一以上のカメラから取得する
検出システム。
【請求項3】
請求項2に記載の検出システムにおいて、
前記移動体および前記一以上のカメラをさらに備える
検出システム。
【請求項4】
請求項2に記載の検出システムにおいて、
前記第1画像は前記一以上のカメラのうちの第1カメラで撮像される画像であり、前記第2画像は前記一以上のカメラのうちの前記第1カメラとは異なる第2カメラで撮像される画像である
検出システム。
【請求項5】
請求項2または3に記載の検出システムにおいて、
前記移動体は飛行体である
検出システム。
【請求項6】
請求項2または3に記載の検出システムにおいて、
前記移動体および前記一以上のカメラを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記地図情報に基づいて前記移動体を移動させ、
前記一以上のカメラのうち少なくともいずれかに前記対象領域を撮像させることにより、前記第2画像を生成させる
検出システム。
【請求項7】
請求項1または2に記載の検出システムにおいて、
前記検出手段は、
前記取得手段が取得した複数の前記第2画像から、解析すべき前記第2画像を抽出し、
抽出された前記第2画像を解析することにより、前記対象物を検出する
検出システム。
【請求項8】
請求項1または2に記載の検出システムにおいて、
前記特定手段は、前記地図情報と、予め保持された参照地図情報との差を検出し、その検出結果に基づいて前記対象領域を特定する
検出システム。
【請求項9】
1以上のコンピュータが、
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得し、
前記第1画像を用いて地図情報を生成し、
前記地図情報における対象領域を特定し、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する
検出方法。
【請求項10】
コンピュータを検出装置として機能させるプログラムであって、
前記検出装置は、
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて地図情報を生成する地図生成手段と、
前記地図情報における対象領域を特定する特定手段と、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する検出手段とを備える
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出システム、検出方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローン等で撮像した画像を用いて対象物の検出を行う技術の開発が進められている。そのような技術はたとえば、災害現場での捜索活動に利用される。
【0003】
特許文献1には、移動体がカメラで周囲を観察しながら探索範囲内を移動し、カメラの観察画像に予め定めた特徴部分を検出した場合、被探索体を検出したと判断することが記載されている。
【0004】
特許文献2には、移動体に搭載されたカメラにより撮影された移動体の周囲画像等を用いて無人航空機飛行のための立体地図データを作成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-163511号公報
【特許文献2】特開2022-47756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1においては、カメラで観察している画像に人の顔が検出された場合に、当該観察画像の静止画の画像データを取り込む処理が行われていたため、全ての画像を人の顔が検出可能な精度で得て処理する必要があり、効率が高められないという問題点があった。特許文献2の技術は、対象物を検出するものではなかった。
【0007】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、画像を用いた対象物の検出を効率よく行える検出システム、検出方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて地図情報を生成する地図生成手段と、
前記地図情報における対象領域を特定する特定手段と、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する検出手段とを備える
検出システムが提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、
1以上のコンピュータが、
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得し、
前記第1画像を用いて地図情報を生成し、
前記地図情報における対象領域を特定し、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する
検出方法が提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、
コンピュータを検出装置として機能させるプログラムであって、
前記検出装置は、
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて地図情報を生成する地図生成手段と、
前記地図情報における対象領域を特定する特定手段と、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する検出手段とを備える
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、画像を用いた対象物の検出を効率よく行える検出システム、検出方法、およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る検出システムの概要を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る第1画像および第2画像の撮像について説明するための図である。
【
図3】第1の実施形態に係る検出システムの機能構成を例示するブロック図である。
【
図4】取得部、地図生成部、特定部、および検出部を実現するための計算機を例示する図である。
【
図5】第1の実施形態に係る検出方法の概要を示す図である。
【
図6】第2の実施形態に係る検出システムの機能構成を例示するブロック図である。
【
図7】第2の実施形態に係る検出システムの処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図8】第3の実施形態に係る検出システムの構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る検出システム10の概要を示す図である。検出システム10は、取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170を備える。取得部110は、第1画像と、第2画像とを取得する。第2画像は第1画像よりも狭い範囲を撮像した画像である。地図生成部130は、第1画像を用いて地図情報を生成する。特定部150は、地図情報における対象領域を特定する。検出部170は、対象領域を撮像した第2画像を解析することにより、対象物を検出する。
【0015】
この検出システム10によれば、画像を用いた対象物の検出を効率よく行える。
【0016】
以下、検出システム10の詳細例について説明する。
【0017】
本実施形態に係る検出システム10では、画像を用いて対象物を検出する。対象物は特に限定されないが、対象物の例には人等の生物、無生物、および静物が含まれる。対象物が人である場合、対象物は、任意の人であってもよいし、特定の属性の人、または特定の個人等であってもよい。検出システム10は、人を検出することにより、たとえば山での遭難や、災害等での行方不明者捜索に利用できる。そのほか、対象物は人の所持品であってもよい。検出システム10は、危険物等、人の所持品を検出することにより、不審者等に対する警備に利用できる。対象物は特定の人の顔であってもよい。そうすることで、たとえば特定の行方不明者や、犯罪者等を検出できる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る第1画像および第2画像の撮像について説明するための図である。本実施形態に係る第1画像はたとえば、移動体20に搭載されたカメラ210で撮像された画像である。また、第2画像はたとえば、移動体20に搭載されたカメラ210で撮像された画像である。ただし、第1画像および第2画像の少なくとも一方は、移動体20に搭載されたカメラ210で撮像された画像でなくてもよい。たとえば第1画像および第2画像の少なくとも一方は、位置が固定されたカメラ210で撮像された画像であってもよいし、人が持ち歩くカメラ210で撮像された画像であってもよい。以下では第1画像および第2画像がいずれも移動体20に搭載されたカメラ210で撮像された画像である例について説明する。
【0019】
図2の例において、移動体20は飛行体である。
図2の例において、移動体20は具体的にはドローンである。ただし、移動体20は飛行体に限定されず、地面を走行する車両等であってもよい。移動体20が移動している間に、カメラ210が移動体20の周りの画像を撮像できる。カメラ210は、探索する領域内の全体を撮像できるよう、移動体20が移動している間に、連続して複数の画像を撮像することが好ましい。複数のカメラ210間の撮像タイミングの関係は、任意である。
【0020】
移動体20の移動は操縦者により制御されていてもよいし、自動制御されていてもよい。移動体20の移動が操縦者により制御される場合、移動体20は遠隔操縦されてもよいし、移動体20に乗り込んだ操縦者により操縦されてもよい。移動体20の移動が自動制御される場合、たとえば、移動体20が移動すべき領域またはルートを設定しておく。なお、移動すべき領域を設定することで、自動的にルートが設定されてもよい。また、カメラ210による撮像に関する制御は、カメラ210の操作者により行われてもよいし、移動体20の移動に連携して自動で行われてもよい。カメラ210による撮像に関する制御がカメラ210の操作者により行われる場合、カメラ210は遠隔操作されもよいし、移動体20に乗り込んだ操作者により操作されてもよい。
【0021】
図2の例において、移動体20には、一以上のカメラ210および制御部220が搭載されている。制御部220は、移動体20の移動および、カメラ210を制御することができる。
【0022】
上述した通り、第2画像は第1画像よりも狭い範囲を撮像した画像である。第1画像と第2画像は、同一のカメラ210において、互いに異なる撮像条件で撮像された画像であり得る。または、第1画像と第2画像とは互いに異なるカメラ210で撮像された画像であってもよい。
【0023】
第2画像を撮像するカメラ210の画角は第1画像を撮像するカメラ210の画角よりも小さく設定されている。たとえば、撮像された同一の領域について比較すると、第2画像の方が第1画像よりも精細に撮像されている。第2画像は、第1画像よりも狭い範囲を撮像した画像である一方、より高精度に対象物を検出できる画像であるといえる。
【0024】
一般に、より小さい画角で狭い範囲を撮像した画像は、対象をより高精細に写している。ただし、このような画像では、撮像できる範囲が狭くなる。そのため、広い捜査領域の中から対象物を検出しようとする際に、多くの画像を処理する必要があり、効率を高めることが難しい。
【0025】
本実施形態に係る検出システム10では、第1画像を用いて注目すべき対象領域が特定され、その対象領域を撮像した第2画像を解析することにより、対象物が検出される。したがって、全ての領域の第2画像を解析する場合に比べて効率よく対象物を検出できる。
【0026】
移動体20に一以上のカメラ210が搭載される場合、この一以上のカメラ210は、第1カメラ210と、第2カメラ210を含むことができる。第1カメラ210と第2カメラ210とは互いに異なるカメラである。そして、第1カメラ210で撮像される画像を第1画像とし、第2カメラ210で撮像される画像を第2画像とすることができる。なお、第1画像および第2画像はそれぞれ、動画を構成する画像、すなわちフレーム画像であってもよい。
【0027】
第1カメラ210はたとえば、大きな画角で遠くの画像を撮像することに適している。第1カメラ210は、遠距離用カメラであると言うこともできる。第1カメラ210の画角は180°以上であってもよく、360°であってもよい。第2カメラ210は、第1カメラ210よりも小さな画角で、近くの画像を撮像することに適している。第2カメラ210は、近距離用カメラであると言うこともできる。第1カメラ210の焦点距離は第2カメラ210の焦点距離より長くてもよい。第1カメラ210と第2カメラ210は、隣接して配置されていてもよいし、離れて配置されていてもよい。第1カメラ210の撮像方向と第2カメラ210の撮像方向とは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0028】
移動体20には、移動体20の前後を撮像可能な状態で、複数のカメラ210が搭載されていることが好ましく、移動体20の前後左右を撮像可能な状態で、複数のカメラ210が搭載されていることがより好ましい。そうすれば、移動体20が移動しながら、周囲の物体を複数の方向から撮像できるからである。移動体20に第1カメラ210および第2カメラ210が搭載されている場合、移動体20には、移動体20の前後を撮像可能な状態で、複数の第1カメラ210が搭載されていることが好ましく、移動体20の前後左右を撮像可能な状態で、複数の第1カメラ210が搭載されていることがより好ましい。また、移動体20には、移動体20の前後を撮像可能な状態で、複数の第2カメラ210が搭載されていることが好ましく、移動体20の前後左右を撮像可能な状態で、複数の第2カメラ210が搭載されていることがより好ましい。移動体20が飛行体である場合、移動体20には、さらに移動体20の下方を撮像可能な状態で、一以上のカメラ210が搭載されていることが好ましい。
【0029】
カメラ210で撮像される各画像には、撮像位置を示す情報、および撮像方向を示す情報が関連付けられる。また、各画像には、撮像日時を示す情報がさらに関連付けられてもよい。移動体20が飛行体である場合、各画像には、高度を示す情報がさらに関連付けられる。移動体20または各カメラ210には、GNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機が備えられており、制御部220はGNSSを利用して撮像位置を示す情報(緯度および経度等)を取得し、各画像に関連付ける。また、移動体20または各カメラ210には方位センサが備えられており、制御部220は撮像方向(方位等)を示す情報を方位センサから取得し、各画像に関連付けることができる。移動体20には高度センサが備えられており、制御部220は高度を示す情報を高度センサから取得し、各画像に関連付けることができる。ただし、撮像位置を示す情報、撮像方向を示す情報、撮像日時を示す情報、および高度を示す情報は、各カメラ210内で画像に関連付けられてもよい。
【0030】
図3は、本実施形態に係る検出システム10の機能構成を例示するブロック図である。
図3の例において、検出システム10は、移動体20および一以上のカメラ210をさらに備えている。また、
図3の例において、検出システム10は、取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170を備える検出装置100を備える。移動体20のカメラ210および制御部220の少なくとも一方と、検出装置100とは無線接続または有線接続により通信可能である。ただし、検出システム10の構成は本例に限定されない。
【0031】
以下、検出システム10の各機能構成部について、詳しく説明する。
図3の例では、検出システム10は、第1画像記憶部101および第2画像記憶部102をさらに備える。ただし、第1画像記憶部101および第2画像記憶部102は検出システム10の外部に設けられていてもよい。取得部110は、取得した第1画像を第1画像記憶部101に保持させる。また、取得部110は、取得した第2画像を第2画像記憶部102に保持させる。なお、第1画像と第2画像の両方を一つの記憶部に保持させてもよい。取得部110は、カメラ210で第1画像または第2画像が生成されるたびに生成された画像を取得してもよいし、複数の画像をまとめて取得してもよい。
【0032】
取得部110は、第1画像および第2画像をたとえば一以上のカメラ210から取得できる。ただし、取得部110は、第1画像および第2画像の少なくとも一方を、他の装置や記憶部から取得してもよい。取得部110は、少なくとも第2画像を複数取得する。取得部110は、第1画像も複数取得することが好ましい。以下に説明する通り、本実施形態に係る検出部170は、取得部110が取得した複数の第2画像から、解析すべき第2画像を抽出する。そして、検出部170は、抽出された第2画像を解析することにより、対象物を検出する。
【0033】
地図生成部130は、第1画像を用いて物体の種類および位置の情報を含む地図情報を生成する。
図3の例において、検出システム10は物体記憶部103をさらに備える。物体記憶部103には、予め、所定の特徴量が物体の種類ごとに保持されている。物体の種類には、たとえば建物、木、人、動物等の物のほか、川、崖、山等の地形も含まれてよい。また、物体の種類には靴やカバン等の品物が含まれてもよい。地図生成部130は、第1画像記憶部101から第1画像を読み出し、物体記憶部103に保持された各特徴量を用いて、第1画像に対してマッチング処理を行う。そして、最も一致度が高かった物体の種類をその第1画像に含まれる物体の種類として特定する。
【0034】
また、地図生成部130は、物体の種類を特定した第1画像内の物体の、地図上の位置を特定する。地図生成部130は、その第1画像に関連付けられた撮像位置を示す情報、撮像方向を示す情報、第1画像を撮像したカメラ210の画角、第1画像内でのその物体の位置および大きさを用いて、物体の地図上の位置を特定できる。地図生成部130は、取得部110が取得した各第1画像についてこのような処理を行い、物体の種類および位置を特定する。地図生成部130は、特定した一以上の物体の種類および位置を、マッピングした地図情報を生成する。なお、地図生成部130は、予め準備された参照地図情報を取得し、その参照地図情報に特定した一以上の物体の種類および位置の情報を追加したり、参照地図情報を修正したりすることにより地図情報を生成してもよい。
図3の例において、検出システム10は地図記憶部104をさらに備えており、地図生成部130は地図記憶部104に予め保持された参照地図情報を読み出して用いることができる。参照地図情報は、二次元の地図情報であってよい。
【0035】
また、予め検出すべき対象物に関連する物体(人の服装、遺留物等)がターゲットとして定められる場合、そのターゲットの特徴量を物体記憶部103に保持させておくことができる。そして、地図生成部130は、ターゲットの特徴量を用いて第1画像にマッチング処理を行う。マッチング処理の結果、ターゲットの特徴量に対する一致度が予め定められた基準以上である物体に対し、地図生成部130は、ターゲットの可能性が高いことを示す情報を地図情報にて付与してもよい。
【0036】
また、地図生成部130は、時系列の複数の第1画像について処理を行うことにより、各物体が動いているか否かを判定することができる。たとえば、上述のように特定された物体の地図上の位置が、時間の経過に伴って変化している場合、その物体が動いていると判定する。また、地図生成部130は時系列の複数の第1画像について処理を行うことにより、各物体の形状が変化しているか否かを判定する。地図生成部130は、時間の経過に伴って物体の形状が変化している場合、その物体が動いていると判定する。一方、特定された物体の地図上の位置や形状が、時間の経過に伴って変化しない場合、その物体が動いていないと判定する。地図生成部130は、たとえば、動いていると判定された物体に対し、動いている可能性が高いことを示す情報を地図情報にて付与してもよい。
【0037】
なお地図生成部130は、機械学習によって予め生成されたモデルを用いて、物体の種類および位置を特定してもよい。たとえば地図生成部130は、モデルに第1画像およびその第1画像に関連付けられた情報を入力し、モデルの出力として、その第1画像に含まれる一以上の物体の種類および位置を取得する。
【0038】
なお、地図生成部130は、第1画像に含まれる各物体について、「物体の種類の確からしさ」を導出してもよい。地図生成部130が上述したマッチング処理を行って物体の種類を特定する場合、マッチング処理における一致度が「物体の種類の確からしさ」であると言える。また、地図生成部130が機械学習によって生成されたモデルを用いて物体の種類を特定する場合、出力に物体の種類ごとの尤度が含まれるモデルを用い、その尤度を「物体の種類の確からしさ」として扱うことができる。なお、この尤度は、その種類の物体が第1画像に含まれる尤度である。地図生成部130は、種類および位置を特定した各物体について、特定した種類の確からしさを示す情報をさらに地図情報に含ませる。
【0039】
さらに、「物体の種類の確からしさ」が低い物体が第1画像に含まれる場合、その第1画像について、報知が行われてもよい。具体的には、地図生成部130は、導出した「物体の種類の確からしさ」が所定の基準より低い場合、その物体が含まれる第1画像を、ユーザが直接チェックすべき画像としてユーザが視認可能なディスプレイ等に出力する。表示画像においては、「物体の種類の確からしさ」が低い物体が他の物体と識別可能な状態で示される。ユーザは、その物体の種類を判断し、検出システム10に対して入力する。地図生成部130は、入力された種類をその物体の種類であるとして地図情報に含める。
【0040】
特定部150は、地図生成部130が生成した地図情報を取得する。そして、その地図情報における対象領域を特定する。対象領域は、特に対象物の検出処理を行う優先度が高い領域である。具体的には、対象領域の例には、対象物が存在する可能性が高い領域、早く対象物を発見すべき領域(たとえば二次災害が懸念される領域)、人が直接行って対象物を探すことが難しい領域が挙げられる。特定部150が対象領域を特定する方法の第1例から第5例について、以下に説明する。特定部150は、第1例から第5例の方法のうちいずれか一つのみを用いてもよいし、二つ以上方法を組み合わせて用いてもよい。すなわち、特定部150は、第1例から第5例の方法のうち、少なくともいずれかの方法で対象領域と判断される領域を、対象領域として特定してよい。また、特定部150は、複数の対象領域を特定してもよい。ただし、対象領域を特定する方法は、第1例から第5例に限定されない。
【0041】
<第1例>
第1例では特定部150は地図情報と、予め保持された参照地図情報との差を検出し、その検出結果に基づいて対象領域を特定する。参照地図情報はたとえば地図情報提供サービスのサーバ等から通信ネットワークを通じて取得されて地図記憶部104に保持される。特定部150は、地図記憶部104から参照地図情報を読み出して用いることができる。第1画像を用いて地図生成部130で生成された地図情報は、参照地図情報よりも新しい情報であると言える。ここでたとえば、参照地図情報に示された建物が、地図生成部130で生成された地図情報には含まれない場合、災害等でその建物が崩れた可能性がある。また、参照地図情報で山であることが示された場所について、地図情報では木が存在しない場合、その場所で地すべりが起きた可能性がある。このように、地図生成部130で生成された地図情報と参照地図情報とに違いがある領域は、災害や遭難等に伴う捜索の場面で特に注目すべき領域であるといえる。第1例では、特定部150は、予め保持された参照地図情報との差を検出し、差が検出された領域を対象領域として特定する。
【0042】
<第2例>
第2例では、地図生成部130は、上述したように、第1画像に含まれる各物体について、「物体の種類の確からしさ」を導出する。特定部150は、第1画像を用いて特定された「物体の種類の確からしさ」に基づいて、対象領域を特定する。たとえば、地すべりが起きたことにより、第1画像に含まれる山の色が木の色ではなく黄土色である場合、それが山である確からしさは低くなると考えられる。また、火災などにより、第1画像において建物に炎や煙が重なっている場合、それが建物である確からしさは低くなると考えられる。このように、地図生成部130で導出される「物体の種類の確からしさ」が低い物体において、またはその周辺において、何らかの非常状態が生じている可能性が高い。したがって、第2例のように、第1画像を用いて特定された「物体の種類の確からしさ」に基づいて、対象領域を特定することが有効である。
【0043】
第2例では、特定部150は、地図情報に示された各物体の種類の確からしさが所定の基準よりも低いか否かを判定する。物体の種類の確からしさが所定の基準よりも低い場合、特定部150は、その物体を含む領域を対象領域として特定する。物体の種類の確からしさが所定の基準以上である場合、特定部150は、その物体を含む領域を対象領域として特定しなくてよい。
【0044】
<第3例>
第3例では、地図生成部130は上述したように、各物体が動いているか否かを判定する。そして、特定部150は、動いている物体の有無に基づいて対象領域を特定する。特定部150は、地図情報において動いている可能性が高いことを示す情報が付された物体を含む領域を、対象領域として特定することができる。そうすることで、移動している人や、助けを求めて手を振っている人を含む対象領域を特定できる。
【0045】
<第4例>
第4例では、上述したように予めターゲットが定められており、ターゲットの可能性が高いことを示す情報が地図情報にて付与されている。そして特定部150は、地図情報においてターゲットの可能性が高いことを示す情報が付された物体を含む領域を、対象領域として特定する。そうすることで、たとえば、特定の服装の人、靴等の遺留物等、注目すべきターゲットの周りを効率よく探索できる。
【0046】
<第5例>
第5例では、特定部150は、地図情報に基づいて、人が行くことが困難な場所を対象領域として特定する。たとえば、崖の下、森の奥等、所定の物体の種類と、その物体との位置関係とを示す情報が予め定められている。そして、特定部150は、地図情報からその所定の種類の物体を特定し、その物体に対して定められた位置関係にある領域を、対象領域として特定する。そうすることで、人が行くことが困難な場所を、画像を用いて優先的に探索できる。
【0047】
なお、上記の各例において、対象領域の大きさおよび形は任意である。例として対象領域の大きさは、1m2以上25m2以下とすることができる。また、例として対象領域の形は正方形、長方形、または円形である。なお、対象領域の特定方法ごとに、対象領域の大きさや形は異なっていてもよい。
【0048】
検出部170は、対象領域を撮像した第2画像を解析することにより、対象物を検出する。以下に詳しく説明する。検出部170は、特定部150から、対象領域を示す情報を取得する。そして、本実施形態において、検出部170は、第2画像記憶部102に保持された第2画像のうち、その撮像領域の少なくとも一部と対象領域の少なくとも一部が重なる第2画像を抽出する。検出部170は複数の第2画像を抽出してよい。検出部170は、各第2画像に関連付けられた撮像位置を示す情報、および撮像方向を示す情報、および第2画像を撮像したカメラ210の画角を用いて、地図情報における第2画像の撮像領域を特定できる。そして、検出部170は、その第2画像の撮像領域の少なくとも一部と対象領域の少なくとも一部が重なるか否かを判定する。
【0049】
検出部170は、検出システム10に対して予め入力された対象物の情報を用いて、第2画像内の対象物を検出する処理を行う。対象物の情報は、たとえば対象物の特徴量でもよいし、対象物の画像でもよい。検出部170は、たとえば、対象物の情報を用いて第2画像にマッチング処理を行うことで、対象物を検出する。
【0050】
なお、検出部170は、抽出した第2画像について、検出処理(解析)を行った後に、抽出されなかった第2画像について、さらに検出処理(解析)を行ってもよい。その場合でも、対象領域を撮像した第2画像を優先的に解析することにより、早期に対象物を検出できる可能性が高まる。
【0051】
検出部170は、第2画像において対象物が検出されると、その第2画像をユーザが視認可能なディスプレイに出力する。ここで検出部170は、検出された対象物を囲う図形を重ねた第2画像を、ディスプレイに表示させてもよい。検出部170はさらに、検出された対象物の位置を示す情報、たとえばマップを、ユーザが視認可能なディスプレイに出力してもよい。さらに、検出部170は、対象物を検出したことを示す報知音を出力させてもよい。
【0052】
検出システム10は、地図生成部130で生成された地図情報をさらに表示させるよう、ディスプレイに出力してもよい。ここで、地図情報は、参照地図情報と異なる部分が、その他の部分とは識別可能な状態で、ディスプレイに表示されてもよい。また、第1画像のみにより撮像された領域と、第2画像で撮像された領域とが異なる色で表示されてもよい。
【0053】
検出システム10のハードウエア構成について以下に説明する。検出システム10の取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170は、取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170のそれぞれを実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、検出システム10の取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170のそれぞれがハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0054】
図4は、取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170を実現するための計算機1000を例示する図である。計算機1000は任意の計算機である。例えば計算機1000は、SoC(System On Chip)、Personal Computer(PC)、サーバマシン、タブレット端末、またはスマートフォンなどである。計算機1000は、検出装置100を実現するために設計された専用の計算機であってもよいし、汎用の計算機であってもよい。
【0055】
取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170は、一つの計算機1000で実現されてもよいし、複数の計算機1000の組み合わせにより実現されてもよい。取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170が一つの計算機1000で実現される場合、その計算機1000は移動体20に搭載されていてもよいし、移動体20から離れて設けられていてもよい。また、取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170が複数の計算機1000の組み合わせにより実現される場合、その複数の計算機1000のうち一以上は移動体20に搭載されていてもよい。また、その複数の計算機1000のうち一以上は移動体20から離れて設けられていてもよい。移動体20に設けられる計算機1000は、後述する制御部220を実現する計算機1000を兼ねていてもよい。
【0056】
計算機1000は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、およびネットワークインタフェース1120を有する。バス1020は、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、およびネットワークインタフェース1120が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1040などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ1040は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、または FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ1060は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス1080は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、または ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0057】
入出力インタフェース1100は、計算機1000と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース1100には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置が接続される。入出力インタフェース1100が入力装置や出力装置に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0058】
ネットワークインタフェース1120は、計算機1000をネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1120がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0059】
ストレージデバイス1080は、検出システム10の取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170のそれぞれを実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0060】
また、第1画像記憶部101、第2画像記憶部102、物体記憶部103、および地図記憶部104がそれぞれ検出システム10の内部に設けられる場合、例えば第1画像記憶部101、第2画像記憶部102、物体記憶部103、および地図記憶部104は、ストレージデバイス1080を用いて実現される。ただし、第1画像記憶部101、第2画像記憶部102、物体記憶部103、および地図記憶部104のうち一以上は検出システム10の外部に設けられてもよい。
【0061】
移動体20の制御部220を実現する計算機のハードウエア構成は、取得部110、地図生成部130、特定部150、および検出部170と同様に、例えば
図4によって表される。ただし、本実施形態の制御部220を実現する計算機1000のストレージデバイス1080には、本実施形態の制御部220の機能を実現するプログラムモジュールがさらに記憶される。
【0062】
図5は、本実施形態に係る検出方法の概要を示す図である。本実施形態に係る検出方法は、1以上のコンピュータにより実行される。本実施形態に係る検出方法は、取得ステップS101、生成ステップS102、特定ステップS103および検出ステップS104を含む。取得ステップS101では、第1画像と、第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とが取得される。生成ステップS102では、第1画像を用いて地図情報が生成される。特定ステップS103では、地図情報における対象領域が特定される。検出ステップS104では、対象領域を撮像した第2画像を解析することにより、対象物が検出される。
【0063】
本実施形態に係る検出方法は、本実施形態に係る検出システム10によって実現されうる。
【0064】
以上、本実施形態によれば、地図生成部130は、第1画像を用いて地図情報を生成する。特定部150は、地図情報における対象領域を特定する。そして検出部170は、対象領域を撮像した第2画像を解析することにより、対象物を検出する。したがって、画像を用いた対象物の検出を効率よく行える。
【0065】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る検出システム10の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態に係る検出システム10は、以下に説明する点を除いて第1の実施形態に係る検出システム10と同じである。第2の実施形態に係る検出システム10は、移動体20および一以上のカメラ210を制御する制御部220を備える。制御部220は、地図情報に基づいて移動体20を移動させる。また、制御部220は、一以上のカメラ210のうち少なくともいずれかに対象領域を撮像させることにより、第2画像を生成させる。
【0066】
図6の例において、取得部110、地図生成部130、特定部150、第1画像記憶部101、第2画像記憶部102、物体記憶部103、および地図記憶部104は移動体20に搭載されている。そして、検出部170は、移動体20とは別途設けられた検出装置100に備えられている。検出装置100と移動体20の制御部220とは、無線接続または有線接続により通信可能である。ただし、本実施形態に係る検出システム10の構成は本例に限定されない。
【0067】
本実施形態に係る検出システム10において、取得部110は、第1画像および第2画像を、移動体20に搭載された一以上のカメラ210から取得する。
図6の例において、検出システム10はカメラ210として第1カメラ210aと第2カメラ210bとを備えている。第1カメラ210aおよび第2カメラ210bは、第1の実施形態で説明した第1カメラ210および第2カメラ210とそれぞれ同様である。以下において、検出システム10が第1カメラ210aと第2カメラ210bを備える例について説明するが、第1の実施形態で上述した通り、同じカメラ210の撮像条件を切り替えることにより第1画像と第2画像が撮像されてもよい。
【0068】
図7は、本実施形態に係る検出システム10の処理の流れを例示するフローチャートである。本実施形態に係る移動体20は、制御部220により移動ルートが制御される。移動体20ではまず第1カメラ210aで第1画像が撮像され、撮像された第1画像を取得部110が取得する(S201)。そして、第1の実施形態において説明したのと同様に、地図生成部130が第1画像を用いて地図情報を生成し(S202)、特定部150が対象領域を特定する(S203)。対象領域が特定されると、制御部220は、地図情報に基づいて、第2カメラ210bで対象領域を撮像可能なように、移動体20の移動ルートを決定する(S204)。そして、制御部220は決定した移動ルートの通りに移動体20を移動させるよう、移動体20を制御する。移動体20が第2カメラ210bで対象領域を撮像可能な位置に到着すると、制御部220は、第2カメラ210bで対象領域を含む第2画像を撮像する(S205)。取得部110は撮像された第2画像を取得し、検出部170は取得部110で取得された第2画像を解析して対象物を検出する(S206)。
【0069】
このように、本実施形態に係る制御部220は、地図情報に基づいて移動体20を移動させる。また、制御部220は、一以上のカメラ210のうち少なくともいずれかに対象領域を撮像させることにより、第2画像を生成させる。したがって、予め決まったルートで無作為に撮像が行われる場合に比べて、対象領域を効果的に撮像した第2画像をより得やすい。すなわち、対象領域を特定した後にその対象領域の撮像が行われるため、所望の数の第2画像を得ることが可能であるほか、対象領域をもれなく撮像することも可能となる。
【0070】
図6を参照し、本実施形態に係る検出システム10について、以下に詳しく説明する。
【0071】
本実施形態に係る検出システム10では、まず、制御部220は、予め決められたルートを移動させる。予め決められたルートは、たとえば、探索領域内をラスタスキャンするようなルートである。そして、制御部220は、移動体20を移動させながら第1カメラ210aに第1画像を撮像させる。より多くの画像を得るために、第1画像に加えて第2カメラ210bで第2画像が撮像されてもよいが、第2画像はこのとき撮像されなくてもよい。
【0072】
取得部110は、第1カメラ210aから第1画像を取得し、第1画像記憶部101に保持させる。第1画像に加えて第2画像が撮像されている場合、取得部110は第2カメラ210bから第2画像を取得して第2画像記憶部102に保持させてもよい。
【0073】
第2の実施形態に係る地図生成部130および特定部150が行う処理は、第1の実施形態に係る地図生成部130および特定部150と同じである。
【0074】
制御部220は、生成された地図情報と特定された対象領域に基づいて、移動体20の次の移動ルートを決定する。具体的には、地図情報における対象領域の位置と範囲を特定し、対象領域に向かって移動体20が移動し、対象領域内または対象領域の周囲を移動体20が移動するように、移動ルートを決定する。ここで、対象領域内に立体的な物体(木や建物など)がある場合、その物体を複数の方向から撮像できるよう、その物体の周りを一周以上するように移動ルートを決定することが好ましい。また、立体的な物体に沿って高さ方向にも移動するように、移動ルートを決定することが好ましい。そうすることで、対象領域内の撮像漏れを減らすことができる。移動体20が飛行体である場合、たとえば制御部220は、第1の実施形態で説明した対象領域を特定する方法の第1例から第5例において、対象領域を特定する要因となった物体の周りを螺旋状に移動させるよう、移動ルートを決定してもよい。また、対象領域を特定する要因となった物体を中心として、物体の周りを周回しつつ、徐々に物体から離れるように移動ルートを決定してもよい。
【0075】
移動ルートが決定されると制御部220は、その移動ルートに従って移動体20を移動させる。そして、第2カメラ210bに対象領域を撮像させる。対象領域内の撮像漏れをできるだけ無くすよう、制御部220は第2カメラ210bに複数の第2画像を撮像させることが好ましい。
【0076】
取得部110は第2カメラ210bが対象領域を撮像した第2画像を取得する。そして、特定部150は、第1の実施形態で説明したように、第2画像を解析して対象物を検出する。
【0077】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。加えて、本実施形態に係る制御部220は、地図情報に基づいて移動体20を移動させる。また、制御部220は、一以上のカメラ210のうち少なくともいずれかに対象領域を撮像させることにより、第2画像を生成させる。したがって、予め決まったルートで無作為に撮像が行われる場合に比べて、対象領域を効果的に撮像した第2画像をより効率よく得られる。
【0078】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る検出システム10は、以下に説明する点を除いて第1および第2の実施形態の少なくともいずれかに係る検出システム10と同じである。本実施形態に係る検出システム10では、地図生成部130が、第2画像を用いて、物体の三次元形状を特定し、地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する。以下に詳しく説明する。
【0079】
図8は、本実施形態に係る検出システム10の構成を例示するブロック図である。
図8の例において、検出システム10は、測距装置230を備える。測距装置230は、たとえば赤外線レーダー、LiDAR(Light Detection And Ranging)、ステレオカメラであり、移動体20に搭載されている。測距装置230によれば、移動体20から物体表面の各点までの距離測定が可能であり、物体の三次元情報が得られる。検出システム10は複数の測距装置230を備えてもよい。ただし、本実施形態に係る検出システム10は、必ずしも測距装置230を備えなくてもよい。また、検出装置100は表示部190を備える。表示部190はたとえばディスプレイである。
【0080】
本実施形態に係る取得部110は、測距装置230による測定結果をさらに取得する。地図生成部130は、測距装置230による測定結果を用いて物体の三次元形状と距離の少なくとも一方を特定し、地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する。
【0081】
たとえば移動体20が飛行体である場合、木などの物体を避けながら三次元に飛行することにより、効率よく第2画像が得られる。一方で、ある程度は物体に接近しつつ撮像することにより、対象物検知に適した第2画像が得られるとも言える。これらの両立のためには、物体の三次元形状をできるだけ正確に把握することが好ましい。本実施形態によれば、三次元地図情報が生成されることにより、移動体20が安全に行ける場所と行けない場所がより明確になる。ひいては、移動体20が安全に行ける場所に精度良く移動して、有効な第2画像をより多く撮像できる。また、移動体20が行けない場所を、たとえば人が直接確認する必要がある場所として把握することができる。
【0082】
本実施形態に係る地図生成部130は、第1画像を用いて特定された物体の三次元形状を、第2画像を用いて特定する。ここで地図生成部130が三次元形状の特定に用いる第2画像は、第1の実施形態のように対象領域を特定する前に撮像された画像でもよいし、第2画像のように特定した対象領域に基づくルートで移動体20が移動することにより、撮像された画像でもよい。たとえば、複数の対象領域が特定された場合、各対象領域についての第2画像が得られるたびに地図生成部130が三次元地図情報を更新する。そして、更新された地図情報に基づいて、次の対象領域についての移動ルートを決定する。そうすることで、移動ルートの精度を高めることができる。
【0083】
また、本実施形態において制御部220は、三次元形状を特定すべき物体を撮像するように移動体20および第2カメラ210bを制御することにより、第2画像を得てもよい。三次元形状を特定すべき物体は、地図生成部130により種類が特定された物体の全て、または、地図生成部130により種類が特定された物体のうち、所定の種類の物体であってよい。たとえば制御部220は、三次元形状を特定すべき物体の周りを螺旋状に移動させるよう、移動体20の移動ルートを決定してもよい。また、対象領域を特定する要因となった物体を中心として、物体の周りを周回しつつ、徐々に物体から離れるように移動体20の移動ルートを決定してもよい。そして制御部220は、決定した移動ルートで移動体20を移動させつつ、第2カメラ210bに三次元形状を特定すべき物体を含む第2画像を撮像させることができる。また、このように撮像された第2画像に対しても、検出部170が対象物を検出するための解析を行ってもよい。
【0084】
地図生成部130が物体の三次元形状を特定する方法の例について、以下に説明する。たとえば、地図生成部130は、複数の方向から物体を撮像した第2画像を用いて、その物体の形状および大きさを特定する。たとえば物体が木である場合、三次元形状として、その大きさや枝ぶりが特定される。また、測距装置230からは、物体の表面における複数の点の三次元位置を示す点群データが得られる。地図生成部130は、測距装置230から点群データを取得し、地図情報に示された物体の位置および種類に基づいて、その物体に対応する点データを抽出する。そして、抽出した点データがその物体の表面に含まれるように、物体の三次元形状を特定する。
【0085】
地図生成部130は、特定した各物体の三次元形状を示す情報を、地図情報に加えることにより、三次元地図情報を生成する。ここで地図生成部130は、「第2画像に写った領域」、すなわち第2画像により状況が確認された領域と、「第2画像に写っていない領域」とを識別するための情報を三次元地図情報に含めてもよい。たとえば、移動体20が入り込んでいくことが難しく、撮像することができなかった木の陰などが、いわゆる死角であり、第2画像に写っていない領域となる。
【0086】
図8の例において、検出システム10は表示部190をさらに備える。表示部190はたとえばディスプレイである。
図8の例において、表示部190は、検出装置100に備えられているが、表示部190は、検出装置100とは別途設けられていてもよい。表示部190は、地図生成部130で生成された三次元地図情報を表示する。なお、表示部190は、第2画像に写った領域と、写っていない領域とを識別可能な状態で三次元地図情報を表示してもよい。たとえば、第2画像に写った領域を、写っていない領域とは異なる色味で表示させてもよい。このような表示を確認したユーザは、画像によって確認できていない領域を把握することができ、必要に応じて、人が直接確認に行くなど、他の方法を講じることができる。
【0087】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1または第2の実施形態と同様の作用および効果が得られる。加えて、本実施形態に係る地図生成部130は、第2画像を用いて、物体の三次元形状を特定し、地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する。したがって、移動体20が安全に行ける場所と行けない場所がより明確になる。ひいては、移動体20が安全に行ける場所に精度良く移動して、有効な第2画像をより多く撮像できる。また、移動体20が行けない場所を、たとえば人が直接確認する必要がある場所として把握することができる。
【0088】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0089】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0090】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1-1. 第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて地図情報を生成する地図生成手段と、
前記地図情報における対象領域を特定する特定手段と、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する検出手段とを備える
検出システム。
1-2. 1-1.に記載の検出システムにおいて、
前記取得手段は、前記第1画像および前記第2画像を、移動体に搭載された一以上のカメラから取得する
検出システム。
1-3. 1-2.に記載の検出システムにおいて、
前記移動体および前記一以上のカメラをさらに備える
検出システム。
1-4. 1-2.または1-3.に記載の検出システムにおいて、
前記第1画像は前記一以上のカメラのうちの第1カメラで撮像される画像であり、前記第2画像は前記一以上のカメラのうちの前記第1カメラとは異なる第2カメラで撮像される画像である
検出システム。
1-5. 1-2.から1-4.のいずれか一つに記載の検出システムにおいて、
前記移動体は飛行体である
検出システム。
1-6. 1-2.から1-5.のいずれか一つに記載の検出システムにおいて、
前記移動体および前記一以上のカメラを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記地図情報に基づいて前記移動体を移動させ、
前記一以上のカメラのうち少なくともいずれかに前記対象領域を撮像させることにより、前記第2画像を生成させる
検出システム。
1-7. 1-1.から1-5.のいずれか一つに記載の検出システムにおいて、
前記検出手段は、
前記取得手段が取得した複数の前記第2画像から、解析すべき前記第2画像を抽出し、
抽出された前記第2画像を解析することにより、前記対象物を検出する
検出システム。
1-8. 1-1.から1-7.のいずれか一つに記載の検出システムにおいて、
前記地図生成手段は、前記第1画像を用いて、物体の種類および位置の情報を含む前記地図情報を生成する
検出システム。
1-9. 1-8.に記載の検出システムにおいて、
前記地図生成手段は、前記第2画像を用いて、前記物体の三次元形状を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
検出システム。
1-10. 1-8.または1-9.に記載の検出システムにおいて、
前記取得手段は、測距装置による測定結果をさらに取得し、
前記地図生成手段は、前記測距装置による測定結果を用いて前記物体の三次元形状と距離の少なくとも一方を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
検出システム。
1-11. 1-9.または1-10.に記載の検出システムにおいて、
前記三次元地図情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記第2画像に写った領域と、写っていない領域とを識別可能な状態で前記三次元地図情報を表示する
検出システム。
1-12. 1-8.から1-11.のいずれか一つに記載の検出システムにおいて、
前記特定手段は、前記第1画像を用いて特定された前記物体の種類の確からしさに基づいて、前記対象領域を特定する
検出システム。
1-13. 1-1.から1-12.のいずれか一つに記載の検出システムにおいて、
前記特定手段は、前記地図情報と、予め保持された参照地図情報との差を検出し、その検出結果に基づいて前記対象領域を特定する
検出システム。
2-1. 1以上のコンピュータが、
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得し、
前記第1画像を用いて地図情報を生成し、
前記地図情報における対象領域を特定し、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する
検出方法。
2-2. 2-1.に記載の検出方法において、
前記1以上のコンピュータは、前記第1画像および前記第2画像を、移動体に搭載された一以上のカメラから取得する
検出方法。
2-3. 2-2.に記載の検出方法において、
前記第1画像は前記一以上のカメラのうちの第1カメラで撮像される画像であり、前記第2画像は前記一以上のカメラのうちの前記第1カメラとは異なる第2カメラで撮像される画像である
検出方法。
2-4. 2-2.または2-3.に記載の検出方法において、
前記移動体は飛行体である
検出方法。
2-5. 2-2.から2-4.のいずれか一つに記載の検出方法において、
前記1以上のコンピュータはさらに、前記移動体および前記一以上のカメラを制御し、
前記1以上のコンピュータは、前記移動体および前記一以上のカメラの制御において、
前記地図情報に基づいて前記移動体を移動させ、
前記一以上のカメラのうち少なくともいずれかに前記対象領域を撮像させることにより、前記第2画像を生成させる
検出方法。
2-6. 2-1.から2-4.のいずれか一つに記載の検出方法において、
前記1以上のコンピュータは、
取得した複数の前記第2画像から、解析すべき前記第2画像を抽出し、
抽出された前記第2画像を解析することにより、前記対象物を検出する
検出方法。
2-7. 2-1.から2-6.のいずれか一つに記載の検出方法において、
前記1以上のコンピュータは、前記第1画像を用いて、物体の種類および位置の情報を含む前記地図情報を生成する
検出方法。
2-8. 2-7.に記載の検出方法において、
前記1以上のコンピュータは、前記第2画像を用いて、前記物体の三次元形状を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
検出方法。
2-9. 2-7.または2-8.に記載の検出方法において、
前記1以上のコンピュータは、
測距装置による測定結果をさらに取得し、
前記測距装置による測定結果を用いて前記物体の三次元形状と距離の少なくとも一方を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
検出方法。
2-10. 2-7.から2-10.のいずれか一つに記載の検出方法において、
前記1以上のコンピュータは、前記第1画像を用いて特定された前記物体の種類の確からしさに基づいて、前記対象領域を特定する
検出方法。
2-11. 2-1.から2-10.のいずれか一つに記載の検出方法において、
前記1以上のコンピュータは、前記地図情報と、予め保持された参照地図情報との差を検出し、その検出結果に基づいて前記対象領域を特定する
検出方法。
3-1. 第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて地図情報を生成する地図生成手段と、
前記地図情報における対象領域を特定する特定手段と、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する検出手段とを備える
検出装置。
3-2. 3-1.に記載の検出装置において、
前記取得手段は、前記第1画像および前記第2画像を、移動体に搭載された一以上のカメラから取得する
検出装置。
3-3. 3-2.に記載の検出装置において、
前記第1画像は前記一以上のカメラのうちの第1カメラで撮像される画像であり、前記第2画像は前記一以上のカメラのうちの前記第1カメラとは異なる第2カメラで撮像される画像である
検出装置。
3-4. 3-2.または3-3.に記載の検出装置において、
前記移動体は飛行体である
検出装置。
3-5. 3-2.から3-4.のいずれか一つに記載の検出装置において、
前記移動体および前記一以上のカメラを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記地図情報に基づいて前記移動体を移動させ、
前記一以上のカメラのうち少なくともいずれかに前記対象領域を撮像させることにより、前記第2画像を生成させる
検出装置。
3-6. 3-1.から3-4.のいずれか一つに記載の検出装置において、
前記検出手段は、
前記取得手段が取得した複数の前記第2画像から、解析すべき前記第2画像を抽出し、
抽出された前記第2画像を解析することにより、前記対象物を検出する
検出装置。
3-7. 3-1.から3-6.のいずれか一つに記載の検出装置において、
前記地図生成手段は、前記第1画像を用いて、物体の種類および位置の情報を含む前記地図情報を生成する
検出装置。
3-8. 3-7.に記載の検出装置において、
前記地図生成手段は、前記第2画像を用いて、前記物体の三次元形状を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
検出装置。
3-9. 3-7.または3-8.に記載の検出装置において、
前記取得手段は、測距装置による測定結果をさらに取得し、
前記地図生成手段は、前記測距装置による測定結果を用いて前記物体の三次元形状と距離の少なくとも一方を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
検出装置。
3-10. 3-8.または3-9.に記載の検出装置において、
前記三次元地図情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記第2画像に写った領域と、写っていない領域とを識別可能な状態で前記三次元地図情報を表示する
検出装置。
3-11. 3-7.から3-10.のいずれか一つに記載の検出装置において、
前記特定手段は、前記第1画像を用いて特定された前記物体の種類の確からしさに基づいて、前記対象領域を特定する
検出装置。
3-12. 3-1.から3-11.のいずれか一つに記載の検出装置において、
前記特定手段は、前記地図情報と、予め保持された参照地図情報との差を検出し、その検出結果に基づいて前記対象領域を特定する
検出装置。
4-1. コンピュータを検出装置として機能させるプログラムであって、
前記検出装置は、
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて地図情報を生成する地図生成手段と、
前記地図情報における対象領域を特定する特定手段と、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する検出手段とを備える
プログラム。
4-2. 4-1.に記載のプログラムにおいて、
前記取得手段は、前記第1画像および前記第2画像を、移動体に搭載された一以上のカメラから取得する
プログラム。
4-3. 4-2.に記載のプログラムにおいて、
前記第1画像は前記一以上のカメラのうちの第1カメラで撮像される画像であり、前記第2画像は前記一以上のカメラのうちの前記第1カメラとは異なる第2カメラで撮像される画像である
プログラム。
4-4. 4-2.または4-3.に記載のプログラムにおいて、
前記移動体は飛行体である
プログラム。
4-5. 4-2.から4-4.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記検出装置は、前記移動体および前記一以上のカメラを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記地図情報に基づいて前記移動体を移動させ、
前記一以上のカメラのうち少なくともいずれかに前記対象領域を撮像させることにより、前記第2画像を生成させる
プログラム。
4-6. 4-1.から4-4.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記検出手段は、
前記取得手段が取得した複数の前記第2画像から、解析すべき前記第2画像を抽出し、
抽出された前記第2画像を解析することにより、前記対象物を検出する
プログラム。
4-7. 4-1.から4-6.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記地図生成手段は、前記第1画像を用いて、物体の種類および位置の情報を含む前記地図情報を生成する
プログラム。
4-8. 4-7.に記載のプログラムにおいて、
前記地図生成手段は、前記第2画像を用いて、前記物体の三次元形状を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
プログラム。
4-9. 4-7.または4-8.に記載のプログラムにおいて、
前記取得手段は、測距装置による測定結果をさらに取得し、
前記地図生成手段は、前記測距装置による測定結果を用いて前記物体の三次元形状と距離の少なくとも一方を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
プログラム。
4-10. 4-7.から4-9.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記特定手段は、前記第1画像を用いて特定された前記物体の種類の確からしさに基づいて、前記対象領域を特定する
プログラム。
4-11. 4-1.から4-10.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記特定手段は、前記地図情報と、予め保持された参照地図情報との差を検出し、その検出結果に基づいて前記対象領域を特定する
プログラム。
5-1. プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記プログラムは、コンピュータを検出装置として機能させ、
前記検出装置は、
第1画像と、前記第1画像よりも狭い範囲を撮像した第2画像とを取得する取得手段と、
前記第1画像を用いて地図情報を生成する地図生成手段と、
前記地図情報における対象領域を特定する特定手段と、
前記対象領域を撮像した前記第2画像を解析することにより、対象物を検出する検出手段とを備える
記録媒体。
5-2. 5-1.に記載の記録媒体において、
前記取得手段は、前記第1画像および前記第2画像を、移動体に搭載された一以上のカメラから取得する
記録媒体。
5-3. 5-2.に記載の記録媒体において、
前記第1画像は前記一以上のカメラのうちの第1カメラで撮像される画像であり、前記第2画像は前記一以上のカメラのうちの前記第1カメラとは異なる第2カメラで撮像される画像である
記録媒体。
5-4. 5-2.または5-3.に記載の記録媒体において、
前記移動体は飛行体である
記録媒体。
5-5. 5-2.から5-4.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記検出装置は、前記移動体および前記一以上のカメラを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記地図情報に基づいて前記移動体を移動させ、
前記一以上のカメラのうち少なくともいずれかに前記対象領域を撮像させることにより、前記第2画像を生成させる
記録媒体。
5-6. 5-1.から5-4.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記検出手段は、
前記取得手段が取得した複数の前記第2画像から、解析すべき前記第2画像を抽出し、
抽出された前記第2画像を解析することにより、前記対象物を検出する
記録媒体。
5-7. 5-1.から5-6.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記地図生成手段は、前記第1画像を用いて、物体の種類および位置の情報を含む前記地図情報を生成する
記録媒体。
5-8. 5-7.に記載の記録媒体において、
前記地図生成手段は、前記第2画像を用いて、前記物体の三次元形状を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
記録媒体。
5-9. 5-7.または5-8.に記載の記録媒体において、
前記取得手段は、測距装置による測定結果をさらに取得し、
前記地図生成手段は、前記測距装置による測定結果を用いて前記物体の三次元形状と距離の少なくとも一方を特定し、前記地図情報に追加することにより、三次元地図情報を生成する
記録媒体。
5-10. 5-7.から5-19.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記特定手段は、前記第1画像を用いて特定された前記物体の種類の確からしさに基づいて、前記対象領域を特定する
記録媒体。
5-11. 5-1.から5-10.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記特定手段は、前記地図情報と、予め保持された参照地図情報との差を検出し、その検出結果に基づいて前記対象領域を特定する
記録媒体。
【符号の説明】
【0091】
10 検出システム
20 移動体
100 検出装置
101 第1画像記憶部
102 第2画像記憶部
103 物体記憶部
104 地図記憶部
110 取得部
130 地図生成部
150 特定部
170 検出部
190 表示部
210 カメラ
210a 第1カメラ
210b 第2カメラ
220 制御部
230 測距装置
1000 計算機
1020 バス
1040 プロセッサ
1060 メモリ
1080 ストレージデバイス
1100 入出力インタフェース
1120 ネットワークインタフェース