(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034710
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】スパウトパウチ供給機構
(51)【国際特許分類】
B65B 43/16 20060101AFI20240306BHJP
B65G 47/86 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B65B43/16
B65G47/86 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139152
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】390029090
【氏名又は名称】靜甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】前野 房枝
(72)【発明者】
【氏名】梶山 直登
(72)【発明者】
【氏名】井▲柳▼ 篤
【テーマコード(参考)】
3E030
3F072
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BB05
3E030DA06
3E030GA05
3F072AA30
3F072GG03
3F072KA06
3F072KD01
3F072KD12
(57)【要約】
【課題】 搬送装置に対するスパウトパウチの補充作業を簡便なものとし、さらに、その供給作業に関する作業者の負担を軽減しつつ、生産性を向上させることができるスパウトパウチ供給機構を提供すること。
【解決手段】
搬送装置20のパウチ供給口21に一対のガイドレール22,22の上流端を臨ませるとともに、スパウトパウチ11を搬送経路に整列させるストッカ基板31と、前記搬送経路の両側方においてストッカ基板31上に整列されたスパウトパウチ11の辺部を挿入支持する複数のガイド部32が表面に設けられた一対のサイドベルト装置34,34とを有するストッカ30を、前記搬送経路から搬出される各スパウトパウチ11のフランジ14が一対のガイドレール22,22に受け渡され、懸架されるように配置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパウトをパウチ本体に備える包装用袋であるスパウトパウチを各作業工程へ1つずつ搬送する搬送装置に対し、ストッカから前記スパウトパウチを供給するスパウトパウチ供給機構であって、
前記スパウトパウチが供給される搬送装置のパウチ供給口は、前記スパウトに形成されたフランジを懸架させて摺動可能に形成された一対のガイドレールの上流端を臨ませて形成されており、
前記ストッカは、スパウトを鉛直に位置させるとともにパウチ本体の辺部を搬送方向の両側方に位置させた状態でスパウトパウチを搬送経路に整列させるストッカ基板と、前記搬送経路の両側方において前記ストッカ基板上に整列された前記スパウトパウチの辺部を挿入支持する複数のガイド部がサイドベルト表面に設けられた一対のサイドベルト装置とを有しており、前記一対のサイドベルト装置の互いに対向するガイド部でスパウトパウチを支持した状態で前記一対のサイドベルトを互いに逆方向に回転させ、前記ガイド部間に支持したスパウトパウチをストッカ基板上の搬送経路に沿って搬送可能に形成され、かつ、前記搬送経路から搬出される各スパウトパウチのフランジが前記一対のガイドレールに受け渡され、懸架されるように配置されていることを特徴とするスパウトパウチ供給機構。
【請求項2】
各ガイド部は、サイドベルトの高さ方向において上方に配置された上部ガイドと、下方に配置された下部ガイドを有し、上部ガイドは、平板状で長尺な上部前方板と上端を搬送方向後方へ拡開するように曲げ形成された上部後方板、下部ガイドは、上端を搬送方向前方へ拡開するように曲げ形成された下部前方板と上端を搬送方向後方へ拡開するように曲げ形成された下部後方板を有することを特徴とする請求項1に記載のスパウトパウチ供給機構。
【請求項3】
各サイドベルトは、上部ガイドがベルト表面に配列された上部サイドベルトと、下部ガイドがベルト表面に配列された下部サイドベルトとを有し、上部サイドベルトと下部サイドベルトは、各サイドベルトのプーリ軸に対して高さ位置を調整可能に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のスパウトパウチ供給機構。
【請求項4】
前記ストッカ基板は高さ変更手段によって前記搬送装置のパウチ供給口に対する上下方向の高さ位置を調整可能に配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスパウトパウチ供給機構。
【請求項5】
前記一対のサイドベルト装置のそれぞれは幅変更手段によって互いの間隔を離接調整可能に配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスパウトパウチ供給機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパウトパウチを後の作業工程へ1つずつ所定間隔で搬送する搬送装置に対して空のスパウトパウチを補充・供給するための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
包装材料の一種であるパウチは例えば、飲料、食品、日用品、トイレタリーなどの様々な分野において液体容器として用いられている。昨今では、可撓性の軟包材プラスチックフィルムを基材とする単体または積層体から構成され、液状等の内容物を収容する袋状のパウチ本体と、プラスチック樹脂から構成され、パウチ本体に取付けられてその内部と外部を連通させる注入口や注出口となる管状体のスパウトとを備えて形成されているスパウトパウチが多く利用されている。
【0003】
スパウトパウチのスパウトはキャップがネジ式で嵌められるため、管状のスパウト本体の外側面上部にネジ山が形成されており、外側面中央部には外方に突き出たフランジが形成されている。そして、スパウト本体のフランジの下方はパウチ取付け部とされ、パウチ本体が熱融着により固定されている。
【0004】
このように構成されたスパウトパウチに内容物の液体等を充填するなどの作業工程において、スパウトパウチはフランジを利用してパウチ本体を吊り下げた状態で、各作業工程の装置内や各装置間を搬送装置によって搬送される。
【0005】
例えば、特許文献1に示すように、スパウトパウチを滅菌し、開栓し、内容物を充填し、シールでスパウトの開口にシールした後で、キャップを嵌めるという作業工程を経て製品を製造する場合にも、スパウトパウチはフランジを利用してパウチ本体を吊り下げられた状態で装置内や各装置間を搬送され、連続的に各作業工程の処理が施される。
【0006】
そのため各作業工程における処理が中断されないように、スパウトパウチの消費と連動させて新たな空のスパウトパウチの供給を継続的且つ適切なタイミングで行なう必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、スパウトパウチを連続的に搬送する搬送手段においては、従来より、フランジを利用してパウチ本体を吊り下げた状態とするように、断面コ字状をなしたガイドレールをスパウトパウチの搬送方向の両側に凹みを対向させて配置し、その一対のガイドレールに上流側端部から差し入れてスパウトパウチのフランジを懸架させ、開口を上方へ指向させた状態のスパウトをガイドレール間に摺動させ、下流側へ案内することがなされている。
【0009】
そして、ガイドレールの上流側端部から空のスパウトパウチを差し入れ一対のガイドレールのコ字状の部分にスパウトパウチのフランジを懸架させる供給作業は、ガイドレールのコ字状の部分とスライトパウチのフランジとの位置合わせが難しい作業であるため、熟練の作業者の手を介して行われることも多く、さらには、作業者の不注意等によって空袋が適切なタイミングで空のスパウトパウチが供給されない場合には、各作業が中断してしまい、処理効率が低下してしまうという虞れもあるため、作業者の負担が非常に大きいものであった。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、後の作業工程へ1つずつ所定間隔で搬送する搬送装置に対するスパウトパウチの補充作業を簡便なものとし、さらに、その供給作業に関する作業者の負担を軽減しつつ、生産性を向上させることができるスパウトパウチ供給機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明のスパウトパウチ供給機構は、スパウトをパウチ本体に備える包装用袋であるスパウトパウチを各作業工程へ1つずつ搬送する搬送装置に対し、ストッカから前記スパウトパウチを供給するスパウトパウチ供給機構であって、前記スパウトパウチが供給される搬送装置のパウチ供給口は、前記スパウトに形成されたフランジを懸架させて摺動可能に形成された一対のガイドレールの上流端を臨ませて形成されており、前記ストッカは、スパウトを鉛直に位置させるとともにパウチ本体の辺部を搬送方向の両側方に位置させた状態でスパウトパウチを搬送経路に整列させるストッカ基板と、前記搬送経路の両側方において前記ストッカ基板上に整列された前記スパウトパウチの辺部を挿入支持する複数のガイド部がサイドベルト表面に設けられた一対のサイドベルト装置とを有しており、前記一対のサイドベルト装置の互いに対向するガイド部でスパウトパウチを支持した状態で前記一対のサイドベルトを互いに逆方向に回転させて前記ガイド部間に支持したスパウトパウチをストッカ基板上の搬送経路に沿って搬送可能に形成され、かつ、前記搬送経路から搬出される各スパウトパウチのフランジが前記一対のガイドレールに受け渡され、懸架されるように配置されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のスパウトパウチ供給機構は、一対のサイドベルトを回転させない状態において、ストッカ基板の搬送経路に前記一対のサイドベルト装置の互いに対向するガイド部間にスパウトパウチを支持させて配列させ、その状態で前記一対のサイドベルトを互いに逆方向に回転させる。これにより、前記ガイド部間に支持したスパウトパウチはストッカ基板上の搬送経路に沿って搬送され、前記搬送装置のパウチ供給口に臨む一対のガイドレール間に各々のフランジを移載させることにより、搬送装置に供給される。
【0013】
このように構成されたスパウトパウチ供給機構によれば、ストッカのスパウトパウチの搬送経路を挟んで対向するガイド部間にパウチ本体を支持させていく作業を纏めて行っておけば、搬送装置のパウチ供給口へのフランジの投入作業は、一対のサイドベルトを互いに逆方向に回転させて、スパウトパウチを搬送することで自動的に行われる。従来のように一対のガイドレール間に1つ1つのスパウトパウチのフランジを懸架させる作業は、スパウトパウチを水平方向へ動かして、ガイドレールとフランジの高さ位置を合わせながらの作業であったが、本発明の場合は、スパウトパウチをストッカの上方からガイド部へ挿入するという、垂直方向の動きとなり、作業者の作業も簡便なものとなる。
【0014】
スパウトパウチは搬送装置に対し、一度に複数枚を流し込むことができるので、スパウトパウチ1枚毎の搬送装置への補充に要する時間は短くなる。搬送装置内における所定間隔での搬送に待機している貯留されたスパウトパウチが無くなる前に、ストッカに、次の搬送分を準備すればよく、従来の作業よりも作業者の負担も削減させることができる。
【0015】
また、各ガイド部は、サイドベルトの高さ方向において上方に配置された上部ガイドと、下方に配置された下部ガイドを有し、上部ガイドは、平板状で長尺な上部前方板と上端を搬送方向後方へ拡開するように曲げ形成された上部後方板、下部ガイドは、上端を搬送方向前方へ拡開するように曲げ形成された下部前方板と上端を搬送方向後方へ拡開するように曲げ形成された下部後方板を有することを特徴とする。
【0016】
このように構成されたスパウトパウチ供給機構によれば、スパウトパウチをストッカの上方からガイド部へ挿入する際に、パウチ本体を底部から上部ガイドの上部前方板に沿わせるようにして下方へ滑らせ、上部ガイドの上部前方板と上部後方板との間のV字状に広がった上端から上部ガイド内へ挿入し、さらに、下部ガイドの下部前方板と下部後方板との間のV字状に広がった上端から下部ガイド内へ挿入して、パウチ本体の底部をガイド基板の搬送経路上に着坐させるとともに、側辺をガイド部で支持して、スパウトを搬送装置のパウチ供給口に臨む一対のガイドレール間に案内可能にセットすることができる。
【0017】
さらに、各サイドベルトは、上部ガイドがベルト表面に配列された上部サイドベルトと、下部ガイドがベルト表面に配列された下部サイドベルトとを有し、上部サイドベルトと下部サイドベルトは、各サイドベルトのプーリ軸に対して高さ位置を調整可能に配設されていることを特徴とする。
【0018】
このように構成されたスパウトパウチ供給機構によれば、前述のようにストッカにスパウトパウチをセットする際に、ガイド部によって各スパウトパウチの辺部を支承する高さ位置の変更を簡便に行うことが可能となり、ガイド部材で支承するパウチ本体の座屈を防止して、各スパウトパウチのスパウトフランジの高さ位置と前記搬送装置のパウチ供給口に臨む一対のガイドレールの位置との位置合わせを確実なものとすることができる。
【0019】
そして、ストッカのストッカ基板は高さ変更手段によって前記搬送装置のパウチ供給口に対する上下方向の高さ位置を調整可能に配設されていることを特徴とする。
【0020】
このように構成されたスパウトパウチ供給機構によれば、高さ変更手段によりストッカ基板の前記搬送装置のパウチ供給口に対する上下方向の高さ位置を調整し、ストッカ基板上に整列する各スパウトパウチのスパウトフランジの高さ位置を前記搬送装置のパウチ供給口に臨む一対のガイドレールの位置に合わせることが可能となる。
【0021】
またさらに、前記一対のサイドベルト装置のそれぞれは幅変更手段によって、互いの間隔を離接調整可能に配設されていることを特徴とする。
【0022】
このように構成されたスパウトパウチ供給機構によれば、各スパウトパウチのパウチ本体の幅寸法に応じて、搬送経路を挟んで対向するガイド部の位置をそれぞれに調整し、ストッカ基板上に整列する各スパウトパウチのスパウトフランジの位置を前記搬送装置のパウチ供給口に臨む一対のガイドレールの位置に合わせることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明のスパウトパウチ供給機構によれば、スパウトパウチの補充作業を簡便なものとし、その供給作業に関する作業者の負担を軽減しつつ、各作業工程における処理の中断を未然に防止して、生産性を向上させることができるという優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るスパウトパウチ供給機構の一実施形態を説明する要部平面図
【
図2】
図1のスパウトパウチ供給機構の一実施形態の要部正面図
【
図3】
図1のスパウトパウチ供給機構の一実施形態のガイド部とスパウトパウチを示す要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るスパウトパウチ供給機構1の実施形態について、
図1乃至
図3を参照して説明する。なお、本実施形態において説明するスパウトパウチ11は、有底で平面形状矩形のパウチ本体13を有しており、スパウト12はパウチ本体13の上部で幅方向中央に取り付けられているものとする。
【0026】
スパウトパウチ11が供給される搬送装置20は、
図1に示すように、スパウトパウチ11に対して液体を充填する充填工程や、スパウト12にネジ式のキャップを嵌める栓嵌工程を、スパウトに形成されているフランジ14を利用してパウチ本体13を吊り下げた状態で1つずつ所定間隔で搬送するように構成されており、搬送装置20のパウチ供給口21は、スパウト12に形成されたフランジ14を懸架させて摺動可能に形成された一対のガイドレール22,22の上流端を臨ませて形成されている。なお、本実施形態において、パウチ供給口21に臨む一対のガイドレール22,22は、搬送方向下流側を下方へ傾斜させて形成されている。
【0027】
そして、本実施形態のスパウトパウチ供給機構1は、搬送装置20のパウチ供給口21へ複数個のスパウトパウチ11毎に一度の駆動で供給するためのストッカを備えている。
【0028】
ストッカ30は、スパウト12を鉛直に位置させるとともにパウチ本体13の側辺部を搬送方向の両側に位置させた状態でスパウトパウチ11を搬送経路に整列させるストッカ基板31と、搬送経路の両側方においてストッカ基板31上に整列されたスパウトパウチ11の側辺部を挿入支持する複数のガイド部32がサイドベルト33の表面に設けられた一対のサイドベルト装置34,34とを有している。
【0029】
ストッカ基板31は、
図2に示すように、スパウトパウチ11が搬送経路に整列させる面を上方へ指向させた板状部材からなり、搬送装置20のパウチ供給口21に対する上下方向の高さ位置を高さ変更手段36によって調整可能に配設されている。本実施形態において、高さ変更手段36は、スパウトパウチ供給機構1のベース2とストッカ基板31の下面との間に配設したレベルアジャスター37を用いている。
【0030】
また、一対のサイドベルト装置34,34は公知の構成であり、駆動軸38に配設された駆動プーリ(不図示)と、回転軸39に配設された従動プーリ40とに巻回されたサイドベルト33を備え、駆動軸38を回転させるサーボモータ41の電源のON/OFF操作により、互いに逆方向に回転駆動して、スパウトパウチ11を搬送するように構成されている。
【0031】
本実施形態において、各サイドベルト装置34,34は、ベース2上に配設されたスライドプレート3に前記駆動プーリと従動プーリ39のそれぞれを回転可能に垂設させて配設されており、前記駆動プーリが接続されるサーボモータ41から回転力が伝達されるように構成されている。
【0032】
スライドプレート3は、スパウトパウチ11の搬送経路の両側方において、前記搬送経路に直交する方向、すなわち、スパウトパウチ11の幅方向に、ベース2に配設されたスライドガイド4に沿ってスライド可能に配設され、幅変更手段として、互いの間隔を離接調整可能に配設されている。
【0033】
本実施形態において、各ガイド部32は、
図3に示すように、サイドベルト33の高さ方向において上方に配置された上部ガイド32Aと、下方に配置された下部ガイド32Bを有し、上部ガイド32Aは、平板状で長尺な上部前方板32Aaと上端を搬送方向後方へ拡開するように曲げ形成された上部後方板32Ab、下部ガイド32Bは、上端を搬送方向前方へ拡開するように曲げ形成された下部前方板32Baと上端を搬送方向後方へ拡開するように曲げ形成された下部後方板32Bbを有して形成されている。
【0034】
また、サイドベルト33は、上部ガイド32Aが表面に配列された上部サイドベルト33Aと、下部ガイド32Bが表面に配列された下部サイドベルト33Bとを有し、上部サイドベルト33Aと下部サイドベルト33Bは、各サイドベルト33A,33Bの前記駆動プーリ、従動プーリ40に回転力を伝えるプーリ軸(駆動軸38、回転軸39)に対して高さ位置を調整しつつ配設可能とされている。
【0035】
このように構成されたストッカ30は、一対のサイドベルト装置34,34の互いに対向するガイド部32でスパウトパウチ11を支持した状態で一対のサイドベルト33,33を互いに逆方向に回転させ、対向するガイド部32間に支持したスパウトパウチ11をストッカ基板31上の搬送経路に沿って搬送可能とされ、かつ、前記搬送経路から搬出される各スパウトパウチ11のフランジ14が20搬送装置の一対のガイドレール22,22に受け渡され、懸架されるように、前記搬送経路の下流端を搬送装置20のパウチ供給口21に臨む一対のガイドレール22,22の下方に延出させて配置されている。
【0036】
次に、本実施形態のスパウトパウチ供給機構1の作用・効果について説明する。
【0037】
作業者は、まず、搬送するスパウトパウチ11の高さ寸法・幅寸法に合わせて、高さ変更手段36としてのレベルアジャスター37によりストッカ30のストッカ基板31の搬送装置20のパウチ供給口21に対する上下方向の高さ位置を調整し、スパウト12のフランジ14の高さ位置を搬送装置20のパウチ供給口21に臨む一対のガイドレール22,22の位置に合わせて調整する。また、幅変更手段としてのスライドプレート3をスライドガイド4に沿って移動させて、両サイドベルト装置34,34間の幅寸法を、各サイドベルト33に配設され、対向しているガイドの先端同士が接触せず、パウチ本体13の側辺を各前方板32Aa,32Baと後方板32Ab,32Bbとの間に介在させて支承可能に調整する。さらに、上部サイドベルト33と下部サイドベルト33は、各サイドベルト33のプーリ軸38,39に対して高さ位置を調整し、それぞれに配設された各ガイド32A,32Bが各スパウトパウチ11の側辺を支承し、各スパウトパウチ11の座屈を防止することができる高さに位置するように調整する。このとき、上部サイドベルト33は、上部ガイド32Aが搬送装置20のパウチ供給口21において一対のガイドレール22,22の下方を通過移動する高さ位置となるように調整する。
【0038】
そして、一対のサイドベルト装置34,34の駆動をOFFとした状態において、ストッカ基板31の搬送経路において一対のサイドベルト装置34,34の互いに対向するガイド部32間にスパウトパウチ11を支持させて配列させる作業を行う。
【0039】
具体的には、スパウトパウチ11をストッカ30の上方からガイド部32へ挿入する。その際、パウチ本体13を底部から上部ガイド32Aの上部前方板32Aaに沿わせるようにして下方へ滑らせ、上部前方板32Aaと上部後方板32Abとの間のV字状に広がった上端から上部ガイド32A内へ挿入し、さらに、下部前方板32Baと下部後方板32Bbとの間のV字状に広がった上端から下部ガイド32B内へ挿入して、パウチ本体13の底部をストッカ基板31の搬送経路上に着座させる。このとき、パウチ本体13が多少斜めに挿入されても、パウチ本体13の底部が上部後方板32Ab、下部前方板32Ba、下部後方板32Bbのそれぞれの上端の拡開するように曲げ形成された部分に当接することで下方へ案内され、最終的には、所望の形で一対のサイドベルト装置34,34の互いに対向するガイド部32間に収まる。
【0040】
そして、複数のスパウトパウチ11を、各パウチ本体13の側辺をガイド部32で支承して、スパウト12を搬送装置20のパウチ供給口21に臨む一対のガイドレール22,22の高さ位置に合わせて支持した状態で、一対のサイドベルト装置34,34のサーボモータ41の駆動をONとして、互いに逆方向に回転させる。
【0041】
これにより、各ガイド部32間に支持したスパウトパウチ11はストッカ基板31上の搬送経路に沿って、搬送装置20のパウチ供給口21へ向けて搬送され、そこに臨む一対のガイドレール22,22間に各々のフランジ14を移載させることにより、搬送装置20に供給される。
【0042】
このとき、
図1に示すように、搬送装置20のパウチ供給口21に臨む一対のガイドレール22,22間にフランジ14を移載させた後、一対のサイドベルト装置34,34は従動プーリ40の周りを回って反転する。その際、ガイド部32は支承していたパウチ本体13の側辺から外れ、スパウトパウチ11を一対のガイドレール間へ押し出すようにして開放することとなる。
【0043】
パウチ供給口21において搬送装置20へ受け渡されたスパウトパウチ11は一対のガイドレール22,22を搬送方向下流側へ向かって順次、後続のスパウトパウチ11に押し遣られ、搬送装置20における搬送に供される。
【0044】
このように、本実施形態のスパウトパウチ供給機構1によれば、ストッカ30のスパウトパウチ11の搬送経路を挟んで対向するガイド部32間にパウチ本体13を支持させていく作業を纏めて行っておけば、搬送装置20のパウチ供給口21へのフランジ14の投入作業は、一対のサイドベルト33を互いに逆方向に回転させて、スパウトパウチ11を搬送することで自動的に行われる。従来のように一対のガイドレール22,22間に1つ1つのスパウトパウチ11のフランジ14を懸架させる作業は、スパウトパウチ11を水平方向へ動かして、ガイドレール22,22とフランジ14の高さ位置を合わせながらの作業であったが、本発明の場合は、スパウトパウチ11をストッカ30の上方からガイド部32へ挿入するという、垂直方向の動きとなり、作業者の作業も簡便なものとなる。
【0045】
スパウトパウチ11は搬送装置20に対し、一度に複数枚を流し込むことができるので、スパウトパウチ11、1枚毎の搬送装置20への補充に要する時間は短くなる。搬送装置20内における所定間隔での搬送に待機している貯留されたスパウトパウチ11が無くなる前に、ストッカ30に、次の搬送分を準備すればよく、従来の作業よりも作業者の負担も削減させることができる。
【0046】
本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。例えば、スパウト12のパウチ本体13に対する取り付け箇所は特に限定されない。また、高さ変更手段36や幅変更手段3も、前述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、幅変更手段3はベース2に配設せずに、平板状のストッカ基板31の表面に配設する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 スパウトパウチ供給機構
2 ベース
3 スライドプレート(幅変更手段)
4 スライドガイド
11 スパウトパウチ
12 スパウト
13 パウチ本体
14 フランジ
20 搬送装置
21 パウチ供給口
22 ガイドレール
30 ストッカ
31 ストッカ基板
32 ガイド部
32A 上部ガイド
32Aa 上部前方板
32Ab 上部後方板
32B 下部ガイド
32Ba 下部前方板
32Bb 下部後方板
33 サイドベルト
33A 上部サイドベルト
33B 下部サイドベルト
34 サイドベルト装置
36 高さ変更手段
37 レベルアジャスター
38 駆動軸(プーリ軸)
39 回転軸(プーリ軸)
40 従動プーリ
41 サーボモータ