(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034733
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/58 20060101AFI20240306BHJP
F04D 29/44 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
F04D29/58 M
F04D29/44 N
F04D29/58 P
F04D29/58 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139191
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】吉村 友彦
(72)【発明者】
【氏名】森 英文
(72)【発明者】
【氏名】楳山 亮
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB27
3H130AB47
3H130AB62
3H130AB65
3H130AC01
3H130BA33D
3H130BA33G
3H130DA04X
3H130DD01Z
3H130EA06D
3H130EA07D
3H130EB02D
(57)【要約】
【課題】モータの冷却性能を向上させること。
【解決手段】回転軸43は、回転軸43の軸方向に延びるとともに吸入口22に向かって開口する挿通孔62を有する第1パイプ部60と、挿通孔62に挿通される筒状の挿通部68を有する第2パイプ部61と、挿通孔62の内周面と挿通部68の外周面との間に形成される第1軸路73と、第2パイプ部61に形成され、回転軸43の軸方向に延びるとともに吸入口22に向かって開口する第2軸路74と、回転軸43の径方向に向けて延びるとともにモータ室18内に連通し、吸入口22から第1軸路73に導入された空気を第1コイルエンド36aに向けて流す複数の第1径路75と、回転軸43の径方向に向けて延びるとともにモータ室18内に連通し、吸入口22から第2軸路74に導入された空気を第2コイルエンド36bに向けて流す複数の第2径路80と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラと、
前記インペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、及び前記インペラ室に空気を吸入する吸入口を有するハウジングと、を備え、
前記モータは、
前記ハウジングに固定されるステータコア、及び前記ステータコアに巻回されたコイルを有するステータと、
前記ステータの内側に配置されるとともに前記回転軸と一体的に回転するロータと、を備えている遠心圧縮機であって、
前記コイルは、
前記ステータコアにおける前記インペラ側に位置する端面である第1端面から突出する第1コイルエンドと、
前記ステータコアにおける前記インペラとは反対側に位置する端面である第2端面から突出する第2コイルエンドと、を含み、
前記回転軸は、
前記回転軸の軸方向に延びるとともに前記吸入口に向かって開口する挿通孔を有する第1パイプ部と、
前記挿通孔に挿通される筒状の挿通部を有する第2パイプ部と、
前記挿通孔の内周面と前記挿通部の外周面との間に形成される第1軸路と、
前記第2パイプ部に形成され、前記回転軸の軸方向に延びるとともに前記吸入口に向かって開口する第2軸路と、
前記回転軸の径方向に向けて延びるとともに前記モータ室内に連通し、前記吸入口から前記第1軸路に導入された空気を前記第1コイルエンドに向けて流す複数の第1径路と、
前記回転軸の径方向に向けて延びるとともに前記モータ室内に連通し、前記吸入口から前記第2軸路に導入された空気を前記第2コイルエンドに向けて流す複数の第2径路と、を備え、
前記各第1径路の前記回転軸における周方向の距離は、前記回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっており、
前記各第1径路は、前記回転軸の外周面に開口する第1開口部を有し、
前記回転軸の外周面は、前記回転軸の周方向で隣り合う第1径路の前記第1開口部同士の間に介在する第1介在面を有し、
前記第1介在面の前記回転軸における周方向の長さは、前記第1開口部の前記回転軸における周方向の長さよりも短く、
前記各第2径路の前記回転軸における周方向の距離は、前記回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっており、
前記各第2径路は、前記回転軸の外周面に開口する第2開口部を有し、
前記回転軸の外周面は、前記回転軸の周方向で隣り合う第2径路の前記第2開口部同士の間に介在する第2介在面を有し、
前記第2介在面の前記回転軸における周方向の長さは、前記第2開口部の前記回転軸における周方向の長さよりも短いことを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項2】
前記各第1径路は、前記第1軸路から離れるにつれて前記吸入口から離間する方向へ延びており、
前記各第2径路は、前記第2軸路から離れるにつれて前記吸入口から離間する方向へ延びていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記各第1径路の前記回転軸における軸方向の距離は、前記回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっており、
前記各第2径路の前記回転軸における軸方向の距離は、前記回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっていることを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記ロータは、
筒部材と、
前記筒部材の内側に固定される磁性体と、を有し、
前記回転軸は、前記筒部材の軸方向で前記磁性体を挟んだ両側に設けられる第1軸部材及び第2軸部材を含み、
前記インペラは、前記第1軸部材に連結されており、
前記第1軸部材は、前記第1パイプ部及び前記第2パイプ部を有し、
前記第2軸部材は、前記複数の第2径路を有し、
前記磁性体は、前記吸入口から前記第2軸路に導入された空気を前記複数の第2径路へ流す接続孔を有していることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心圧縮機は、回転軸と、モータと、インペラと、ハウジングと、を備えている。モータは、回転軸を回転させる。インペラは、回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮する。ハウジングは、インペラ室、モータ室、及び吸入口を有している。インペラ室は、インペラを収容する。モータ室は、モータを収容する。吸入口は、インペラ室に空気を吸入する。モータは、ステータと、ロータと、を備えている。ステータは、ステータコア、及びコイルを有している。ステータコアは、ハウジングに固定されている。コイルは、ステータコアに巻回されている。ロータは、ステータの内側に配置されている。ロータは、回転軸と一体的に回転する。
【0003】
ところで、このような遠心圧縮機においては、コイルに熱が生じるため、コイルを冷却することが望まれている。そこで、例えば特許文献1のように、遠心圧縮機は、軸路と、径路と、を備えている場合がある。軸路は、回転軸の内部を回転軸の軸方向に延びている。軸路は、吸入口に向かって開口している。径路は、軸路に連通している。径路は、軸路から回転軸の径方向に向けて延びている。径路は、モータ室内に連通している。吸入口からの空気の一部は、軸路に導入されて軸路及び径路を流れる。径路を流れる空気は、回転軸の回転に伴う遠心力によって加速されるとともに径路からモータ室内に導入される。このように、空気をモータ室内に導入することにより、コイルが、モータ室内に導入された空気によって冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような遠心圧縮機においては、モータの冷却性能を向上させるために、モータ室内に導入された空気によって、コイルを効率良く冷却することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する遠心圧縮機は、回転軸と、前記回転軸を回転させるモータと、前記回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラと、前記インペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、及び前記インペラ室に空気を吸入する吸入口を有するハウジングと、を備え、前記モータは、前記ハウジングに固定されるステータコア、及び前記ステータコアに巻回されたコイルを有するステータと、前記ステータの内側に配置されるとともに前記回転軸と一体的に回転するロータと、を備えている遠心圧縮機であって、前記コイルは、前記ステータコアにおける前記インペラ側に位置する端面である第1端面から突出する第1コイルエンドと、前記ステータコアにおける前記インペラとは反対側に位置する端面である第2端面から突出する第2コイルエンドと、を含み、前記回転軸は、前記回転軸の軸方向に延びるとともに前記吸入口に向かって開口する挿通孔を有する第1パイプ部と、前記挿通孔に挿通される筒状の挿通部を有する第2パイプ部と、前記挿通孔の内周面と前記挿通部の外周面との間に形成される第1軸路と、前記第2パイプ部に形成され、前記回転軸の軸方向に延びるとともに前記吸入口に向かって開口する第2軸路と、前記回転軸の径方向に向けて延びるとともに前記モータ室内に連通し、前記吸入口から前記第1軸路に導入された空気を前記第1コイルエンドに向けて流す複数の第1径路と、前記回転軸の径方向に向けて延びるとともに前記モータ室内に連通し、前記吸入口から前記第2軸路に導入された空気を前記第2コイルエンドに向けて流す複数の第2径路と、を備え、前記各第1径路の前記回転軸における周方向の距離は、前記回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっており、前記各第1径路は、前記回転軸の外周面に開口する第1開口部を有し、前記回転軸の外周面は、前記回転軸の周方向で隣り合う第1径路の前記第1開口部同士の間に介在する第1介在面を有し、前記第1介在面の前記回転軸における周方向の長さは、前記第1開口部の前記回転軸における周方向の長さよりも短く、前記各第2径路の前記回転軸における周方向の距離は、前記回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっており、前記各第2径路は、前記回転軸の外周面に開口する第2開口部を有し、前記回転軸の外周面は、前記回転軸の周方向で隣り合う第2径路の前記第2開口部同士の間に介在する第2介在面を有し、前記第2介在面の前記回転軸における周方向の長さは、前記第2開口部の前記回転軸における周方向の長さよりも短い。
【0007】
これによれば、吸入口からの空気の一部が、第1軸路及び第2軸路それぞれに導入される。吸入口から第1軸路に導入された空気は、第1軸路及び各第1径路を流れてモータ室内に導入される。各第1径路は、第1コイルエンドに向けて空気を流す。したがって、各第1径路からモータ室内に導入された空気が第1コイルエンドに向けて流れ易くなっている。よって、第1コイルエンドが、モータ室内に導入された空気によって冷却され易くなる。吸入口から第2軸路に導入された空気は、各第2径路を流れてモータ室内に導入される。各第2径路は、第2コイルエンドに向けて空気を流す。したがって、各第2径路からモータ室内に導入された空気が第2コイルエンドに向けて流れ易くなっている。よって、第2コイルエンドが、モータ室内に導入された空気によって冷却され易くなる。
【0008】
例えば、吸入口からの空気が1つの軸路を流れて、当該軸路の途中で、各第1径路に向けて流れる空気と、各第2径路に向けて流れる空気とに分岐される構成が考えられる。ここで、各第1径路は、各第2径路よりも吸入口に対して近い位置にある。したがって、このような構成の場合、軸路を流れる空気は、各第2径路よりも各第1径路に向けて優先的に流れることになるため、各第2径路に向けて流れる空気が少なくなってしまう虞がある。
【0009】
そこで、第1軸路は、挿通孔の内周面と挿通部の外周面とによって形成されており、第2軸路は、第2パイプ部に形成されている。したがって、吸入口から第1軸路及び各第1径路を介してモータ室内に至るまでの経路と、吸入口から第2軸路及び各第2径路を介してモータ室内に至るまでの経路と、がそれぞれ独立している。よって、吸入口から第1軸路及び各第1径路を介してモータ室内に導入される空気と、吸入口から第2軸路及び各第2径路を介してモータ室内に導入される空気とが均等になり易い。よって、第1コイルエンド及び第2コイルエンドを均等に冷却することができるため、コイルを効率良く冷却することができる。
【0010】
ここで、各第1径路の回転軸における周方向の距離は、回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっている。したがって、各第1径路内を流れる空気は、回転軸の回転に伴う遠心力によって各第1径路を回転軸の径方向外側へ流れ易くなっている。また、第1介在面の回転軸における周方向の長さが、各第1径路の第1開口部の回転軸における周方向の長さよりも短くなっている。よって、第1介在面近傍に滞っているモータ室内の空気を比較的少なくすることができる。したがって、各第1径路からモータ室内へ導入される空気の流れが、第1介在面近傍に滞っているモータ室内の空気に妨げられることが抑制される。その結果、吸入口からの空気が、第1軸路及び各第1径路を介してモータ室内に導入され易くなるため、第1コイルエンドを効率良く冷却することができる。
【0011】
また、各第2径路の回転軸における周方向の距離は、回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっている。したがって、各第2径路内を流れる空気は、回転軸の回転に伴う遠心力によって各第2径路を回転軸の径方向外側へ流れ易くなっている。また、第2介在面の回転軸における周方向の長さが、各第2径路の第2開口部の回転軸における周方向の長さよりも短くなっている。よって、第2介在面近傍に滞っているモータ室内の空気を比較的少なくすることができる。したがって、各第2径路からモータ室内へ導入される空気の流れが、第2介在面近傍に滞っているモータ室内の空気に妨げられることが抑制される。その結果、吸入口からの空気が、第2軸路及び各第2径路を介してモータ室内に導入され易くなるため、第2コイルエンドを効率良く冷却することができる。以上によって、モータの冷却性能を向上させることができる。
【0012】
上記遠心圧縮機において、前記各第1径路は、前記第1軸路から離れるにつれて前記吸入口から離間する方向へ延びており、前記各第2径路は、前記第2軸路から離れるにつれて前記吸入口から離間する方向へ延びているとよい。
【0013】
これによれば、各第1径路を流れる空気が、回転軸の回転に伴う遠心力によって圧縮され易くなる。よって、吸入口からの空気が、第1軸路に向けて吸い込まれ易くなる。したがって、空気が第1軸路をさらに流れ易くなる。よって、第1コイルエンドをさらに効率良く冷却することができる。また、各第2径路を流れる空気が、回転軸の回転に伴う遠心力によって圧縮され易くなる。よって、吸入口からの空気が、第2軸路に向けて吸い込まれ易くなる。したがって、空気が第2軸路をさらに流れ易くなる。よって、第2コイルエンドをさらに効率良く冷却することができる。以上により、モータの冷却性能をさらに向上させることができる。
【0014】
上記遠心圧縮機において、前記各第1径路の前記回転軸における軸方向の距離は、前記回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっており、前記各第2径路の前記回転軸における軸方向の距離は、前記回転軸の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっているとよい。
【0015】
これによれば、各第1径路を流れる空気が、回転軸の回転に伴う遠心力によってさらに圧縮され易くなる。よって、吸入口からの空気が、第1軸路に向けてさらに吸い込まれ易くなる。したがって、空気が第1軸路をさらに流れ易くなる。よって、第1コイルエンドをさらに効率良く冷却することができる。また、各第2径路を流れる空気が、回転軸の回転に伴う遠心力によって圧縮され易くなる。よって、吸入口からの空気が、第2軸路に向けて吸い込まれ易くなる。したがって、空気が第2軸路をさらに流れ易くなる。よって、第2コイルエンドをさらに効率良く冷却することができる。以上により、モータの冷却性能をさらに向上させることができる。
【0016】
上記遠心圧縮機において、前記ロータは、筒部材と、前記筒部材の内側に固定される磁性体と、を有し、前記回転軸は、前記筒部材の軸方向で前記磁性体を挟んだ両側に設けられる第1軸部材及び第2軸部材を含み、前記インペラは、前記第1軸部材に連結されており、前記第1軸部材は、前記第1パイプ部及び前記第2パイプ部を有し、前記第2軸部材は、前記複数の第2径路を有し、前記磁性体は、前記吸入口から前記第2軸路に導入された空気を前記複数の第2径路へ流す接続孔を有しているとよい。
【0017】
これによれば、吸入口から第2軸路に導入された空気は、接続孔を介して複数の第2径路へ流れる。このとき、接続孔を流れる空気によって、磁性体を冷却することができる。したがって、モータの冷却性能をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、モータの冷却性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態における遠心圧縮機の断面図である。
【
図2】遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
【
図3】遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
【
図4】遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
【
図5】遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
【
図8】遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、遠心圧縮機を具体化した一実施形態を
図1~
図10にしたがって説明する。本実施形態の遠心圧縮機は、燃料電池車に搭載されている。遠心圧縮機は、空気を圧縮する。
<遠心圧縮機10の基本構成>
図1に示すように、遠心圧縮機10は、ハウジング11を備えている。ハウジング11は、金属材料製である。ハウジング11は、例えば、アルミニウム製である。ハウジング11は、筒状である。ハウジング11は、モータハウジング12、コンプレッサハウジング13、タービンハウジング14、第1プレート15、第2プレート16、及びシールプレート17を有している。
【0021】
モータハウジング12は、筒状である。モータハウジング12は、板状の端壁12aと、周壁12bと、を有している。周壁12bは、端壁12aの外周部から筒状に延びている。第1プレート15は、モータハウジング12の周壁12bの開口側の端部に連結されている。第1プレート15は、モータハウジング12の周壁12bの開口を閉塞している。そして、モータハウジング12の端壁12a及び周壁12bと第1プレート15とによって、モータ室18が区画されている。したがって、ハウジング11は、モータ室18を有している。
【0022】
図2に示すように、第1プレート15は、第1凹部15c及び第2凹部15dを有している。第1凹部15c及び第2凹部15dは、第1プレート15におけるモータハウジング12とは反対側の端面15aに形成されている。第1凹部15c及び第2凹部15dは、円孔状である。第1凹部15cの内径は、第2凹部15dの内径よりも大きい。第2凹部15dは、第1凹部15cの底面15fに形成されている。第1凹部15cの軸線と第2凹部15dの軸線とは一致している。
【0023】
シールプレート17は、第1凹部15cに嵌め込まれている。シールプレート17は、例えば、図示しないボルトによって第1プレート15に取り付けられている。シールプレート17は、第2凹部15dの開口を閉塞している。そして、シールプレート17と第2凹部15dとによって、スラスト軸受収容室19が区画されている。したがって、ハウジング11は、スラスト軸受収容室19を有している。また、シールプレート17は、シャフト挿通孔17hを有している。シャフト挿通孔17hは、シールプレート17の中央部に形成されている。シャフト挿通孔17hは、スラスト軸受収容室19に開口している。
【0024】
第1プレート15は、第1ラジアル軸受保持部21を有している。第1ラジアル軸受保持部21は、円筒状である。第1ラジアル軸受保持部21は、第1プレート15におけるモータハウジング12側の端面15bの中央部からモータ室18内に突出している。第1ラジアル軸受保持部21は、モータ室18に連通している。第1ラジアル軸受保持部21は、第1プレート15を貫通して第2凹部15dの底面15hに開口している。したがって、第1ラジアル軸受保持部21は、スラスト軸受収容室19に連通している。第1ラジアル軸受保持部21の軸線は、第1凹部15cの軸線及び第2凹部15dの軸線と一致している。
【0025】
コンプレッサハウジング13は、筒状である。コンプレッサハウジング13は、円孔状の吸入口22を有している。したがって、ハウジング11は、吸入口22を有している。コンプレッサハウジング13は、吸入口22の軸線が、シールプレート17のシャフト挿通孔17hの軸線と一致した状態で、第1プレート15の端面15aに連結されている。吸入口22は、コンプレッサハウジング13における第1プレート15とは反対側の端面に開口している。
【0026】
遠心圧縮機10は、インペラ室23、吐出室24、及びコンプレッサディフューザ流路25を備えている。インペラ室23、吐出室24、及びコンプレッサディフューザ流路25は、コンプレッサハウジング13とシールプレート17との間に形成されている。したがって、ハウジング11は、インペラ室23を有している。シールプレート17は、インペラ室23とスラスト軸受収容室19とを隔てている。インペラ室23は、吸入口22に連通している。インペラ室23は、吸入口22から離れるにつれて徐々に拡径していく略円錐台孔形状になっている。吐出室24は、インペラ室23の周囲で吸入口22の軸線周りに延びている。コンプレッサディフューザ流路25は、インペラ室23と吐出室24とを連通している。インペラ室23は、シールプレート17のシャフト挿通孔17hに連通している。
【0027】
図3に示すように、モータハウジング12は、第2ラジアル軸受保持部26を有している。第2ラジアル軸受保持部26は、円筒状である。第2ラジアル軸受保持部26は、モータハウジング12の端壁12aの内面の中央部からモータ室18内に突出している。第2ラジアル軸受保持部26は、モータ室18に連通している。第2ラジアル軸受保持部26の内側は、モータハウジング12の端壁12aを貫通して端壁12aの外面に開口している。第1ラジアル軸受保持部21の軸線と第2ラジアル軸受保持部26の軸線とは一致している。
【0028】
第2プレート16は、モータハウジング12の端壁12aの外面に連結されている。第2プレート16は、シャフト挿通孔16hを有している。シャフト挿通孔16hは、第2プレート16の中央部に形成されている。
【0029】
タービンハウジング14は、筒状である。タービンハウジング14は、円孔状の吐出口27を有している。タービンハウジング14は、吐出口27の軸線が、第2プレート16のシャフト挿通孔16hの軸線と一致した状態で、第2プレート16におけるモータハウジング12とは反対側の端面16aに連結されている。吐出口27は、タービンハウジング14における第2プレート16とは反対側の端面に開口している。
【0030】
遠心圧縮機10は、タービン室28、タービンスクロール流路29、及び連通通路30を備えている。タービン室28、タービンスクロール流路29、及び連通通路30は、タービンハウジング14と第2プレート16の端面16aとの間に形成されている。タービン室28は、吐出口27に連通している。タービンスクロール流路29は、タービン室28の周囲で吐出口27の軸線周りに延びている。連通通路30は、タービン室28とタービンスクロール流路29とを連通している。タービン室28は、第2プレート16のシャフト挿通孔16hに連通している。
【0031】
図4に示すように、遠心圧縮機10は、モータ31を備えている。モータ31は、モータ室18に収容されている。したがって、モータ室18は、モータ31を収容する。そして、モータ31は、ハウジング11内に収容されている。
【0032】
モータ31は、ステータ32と、ロータ33と、を備えている。ステータ32は、筒状のステータコア34、及びコイル35を有している。コイル35は、ステータコア34に巻回されている。ステータコア34は、モータハウジング12の周壁12bの内周面に固定されている。したがって、ステータコア34は、ハウジング11に固定されている。ステータコア34の両端面には、コイル35の一部であるコイルエンド36がそれぞれ突出している。なお、以下の説明では、ステータコア34における第1プレート15側に位置する端面である第1端面34aから突出するコイルエンド36を、「第1コイルエンド36a」と記載する。また、ステータコア34におけるモータハウジング12の端壁12a側に位置する端面である第2端面34bから突出するコイルエンド36を、「第2コイルエンド36b」と記載する。したがって、コイル35は、第1コイルエンド36aと、第2コイルエンド36bと、を含む。
【0033】
ロータ33は、ステータ32の内側に配置されている。ロータ33は、筒部材41と、磁性体である永久磁石42と、を有している。筒部材41は、例えば、チタン合金製である。筒部材41は、筒部材41の軸線が直線状に延びる筒状である。筒部材41の外径は一定である。
【0034】
永久磁石42は、円筒状である。永久磁石42は、筒部材41の内側に配置されている。永久磁石42の軸線は、筒部材41の軸線と一致している。永久磁石42は、筒部材41の内周面に圧入されている。したがって、永久磁石42は、筒部材41の内側に固定されている。永久磁石42は、永久磁石42の径方向に着磁されている。具体的には、永久磁石42は、永久磁石42の径方向で着磁されることにより永久磁石42の径方向の両側の部位にN極とS極とを有する円筒状である。
【0035】
永久磁石42における軸線が延びる方向の長さは、筒部材41における軸線が延びる方向の長さよりも短い。永久磁石42の両端面は、筒部材41の内側に位置している。よって、筒部材41の軸方向に位置する両端部それぞれは、永久磁石42の両端面それぞれに対して軸方向へ突出している。そして、筒部材41の両端部は、ステータコア34の第1端面34a及び第2端面34bそれぞれに対して軸方向へ突出している。
【0036】
図1に示すように、遠心圧縮機10は、回転軸43を備えている。回転軸43は、第1軸部材44及び第2軸部材45を含む。第1軸部材44及び第2軸部材45は、筒部材41の軸方向で永久磁石42を挟んだ両側に設けられている。第1軸部材44及び第2軸部材45は、例えば、鉄製である。
【0037】
第1軸部材44は、筒部材41の第1端部に固定されている。第1軸部材44は、モータ室18から第1ラジアル軸受保持部21の内側、スラスト軸受収容室19、及びシャフト挿通孔17hを通過して、インペラ室23内に突出している。第2軸部材45の第1端部は、筒部材41の第2端部の内側に挿入されている。第2軸部材45の第1端部は、筒部材41の第2端部の内周面に圧入されている。したがって、第2軸部材45は、筒部材41に固定されている。第2軸部材45の第2端部は、モータ室18から第2ラジアル軸受保持部26の内側、及びシャフト挿通孔16hを通過して、タービン室28内に突出している。
【0038】
遠心圧縮機10は、第1シール部材46を備えている。第1シール部材46は、シールプレート17のシャフト挿通孔17hと第1軸部材44との間に設けられている。第1シール部材46は、インペラ室23からモータ室18に向かう空気の洩れを抑制する。遠心圧縮機10は、第2シール部材47を備えている。第2シール部材47は、第2プレート16のシャフト挿通孔16hと第2軸部材45との間に設けられている。第2シール部材47は、タービン室28からモータ室18に向かう空気の洩れを抑制する。第1シール部材46及び第2シール部材47は、例えば、シールリングである。
【0039】
遠心圧縮機10は、支持部48を備えている。支持部48は、第1軸部材44の外周面から環状に突出している。支持部48は、円板状である。支持部48は、第1軸部材44の外周面から径方向外側へ環状に突出した状態で、第1軸部材44の外周面に固定されている。したがって、支持部48は、第1軸部材44とは別体である。支持部48は、スラスト軸受収容室19内に配置されている。支持部48は、第1軸部材44と一体的に回転する。
【0040】
図2に示すように、遠心圧縮機10は、インペラ49を備えている。インペラ49は、第1軸部材44に連結されている。インペラ49は、背面から先端面に向かうに従って徐々に縮径した筒状である。インペラ49は、インペラ室23に収容されている。したがって、インペラ室23は、インペラ49を収容する。インペラ49の外縁は、インペラ室23の内周面に沿って延びている。インペラ49は、回転軸43と一体的に回転することで空気を圧縮する。なお、ステータコア34の第1端面34aは、ステータコア34におけるインペラ49側に位置する端面である。また、ステータコア34の第2端面34bは、ステータコア34におけるインペラ49とは反対側に位置する端面である。
【0041】
図3に示すように、遠心圧縮機10は、タービンホイール50を備えている。タービンホイール50は、第2軸部材45の第2端部に取り付けられている。タービンホイール50は、タービン室28に収容されている。タービンホイール50は、第2軸部材45と一体的に回転する。
【0042】
図4に示すように、遠心圧縮機10は、第1ラジアル軸受51と、第2ラジアル軸受52と、を備えている。第1ラジアル軸受51は、円筒状である。第1ラジアル軸受51は、第1ラジアル軸受保持部21に保持されている。したがって、第1ラジアル軸受保持部21は、第1ラジアル軸受51を保持する。第2ラジアル軸受52は、円筒状である。第2ラジアル軸受52は、第2ラジアル軸受保持部26に保持されている。したがって、第2ラジアル軸受保持部26は、第2ラジアル軸受52を保持する。
【0043】
第1ラジアル軸受51は、第1軸部材44をラジアル方向で回転可能に支持する。第2ラジアル軸受52は、第2軸部材45をラジアル方向で回転可能に支持する。第1ラジアル軸受51及び第2ラジアル軸受52は、筒部材41を筒部材41の軸方向で挟んだ両側の位置で、回転軸43をラジアル方向で回転可能に支持する。なお、「ラジアル方向」とは、回転軸43の軸方向に対して直交する方向である。
【0044】
図2に示すように、遠心圧縮機10は、スラスト軸受53を備えている。スラスト軸受53は、スラスト軸受収容室19に収容されている。したがって、スラスト軸受収容室19は、スラスト軸受53を収容する。スラスト軸受53は、第1スラスト軸受部53aと、第2スラスト軸受部53bと、を含む。第1スラスト軸受部53a及び第2スラスト軸受部53bは、支持部48を挟み込むように配置されている。第1スラスト軸受部53aは、支持部48に対してインペラ49寄りに位置する。第2スラスト軸受部53bは、支持部48に対して第1ラジアル軸受51寄りに位置する。
【0045】
そして、第1スラスト軸受部53a及び第2スラスト軸受部53bは、支持部48をスラスト方向で回転可能に支持する。したがって、スラスト軸受53は、インペラ49と第1ラジアル軸受51との間で支持部48を介して回転軸43をスラスト方向で回転可能に支持する。なお、「スラスト方向」とは、回転軸43の軸方向に対して平行な方向である。このように、回転軸43は、ハウジング11に回転可能に支持されている。
【0046】
<燃料電池システム55>
図1に示すように、上記構成の遠心圧縮機10は、燃料電池車に搭載された燃料電池システム55の一部を構成している。燃料電池システム55は、遠心圧縮機10の他に、燃料電池スタック56と、供給流路57と、排出流路58と、を備えている。燃料電池スタック56は、図示しない複数の電池セルから構成されている。供給流路57は、吐出室24と燃料電池スタック56とを接続する。排出流路58は、燃料電池スタック56とタービンスクロール流路29とを接続する。
【0047】
ロータ33が回転すると、第1軸部材44及び第2軸部材45がロータ33と一体的に回転する。よって、ロータ33は、回転軸43と一体的に回転する。したがって、モータ31は、回転軸43を回転させる。そして、第1軸部材44及び第2軸部材45の回転に伴って、インペラ49及びタービンホイール50が回転する。インペラ49が回転すると、吸入口22からインペラ室23に空気が吸入される。したがって、吸入口22は、インペラ室23に空気を吸入する。なお、吸入口22を流れる空気は、図示しないエアクリーナによって清浄化されている。
【0048】
吸入口22からインペラ室23内に吸入された空気は、インペラ49の回転に伴って圧縮されながらコンプレッサディフューザ流路25を通過して、吐出室24から供給流路57へ吐出される。そして、吐出室24から供給流路57へ吐出された空気は、供給流路57を介して燃料電池スタック56に供給される。燃料電池スタック56に供給された空気は、燃料電池スタック56を発電するために使用される。その後、燃料電池スタック56を通過する空気は、燃料電池スタック56の排気として排出流路58へ排出される。
【0049】
燃料電池スタック56の排気は、排出流路58を介してタービンスクロール流路29に吸入される。タービンスクロール流路29に吸入される燃料電池スタック56の排気は、連通通路30を通じてタービン室28に導入される。タービンホイール50は、タービン室28に導入された燃料電池スタック56の排気により回転する。ロータ33は、モータ31の駆動による回転に加え、燃料電池スタック56の排気により回転するタービンホイール50の回転によっても回転する。そして、燃料電池スタック56の排気によるタービンホイール50の回転によりロータ33の回転が補助される。タービン室28を通過した排気は、吐出口27から外部へ吐出される。
【0050】
<第1パイプ部60及び第2パイプ部61>
図2に示すように、第1軸部材44は、第1パイプ部60及び第2パイプ部61を有している。したがって、回転軸43は、第1パイプ部60と、第2パイプ部61と、を備えている。
【0051】
第1パイプ部60は、インペラ49を貫通している。第1パイプ部60の第1端は、インペラ49の先端面から突出している。第1パイプ部60は、挿通孔62を有している。挿通孔62は、回転軸43の軸方向に延びている。挿通孔62の軸線は、第1パイプ部60の軸線に一致している。挿通孔62の第1端は、第1パイプ部60の第1端面に開口している。そして、挿通孔62は、吸入口22に向かって開口している。挿通孔62は、吸入口22に連通している。
【0052】
図5に示すように、第1パイプ部60は、第1シュラウド面63を有している。第1シュラウド面63は、挿通孔62の第2端に連続している。したがって、第1シュラウド面63は、挿通孔62における吸入口22とは反対側の端部に連続している。第1シュラウド面63は、挿通孔62から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びている。第1シュラウド面63は、第1パイプ部60の軸線に向けて凸となる弧状に湾曲した面である。
【0053】
第1パイプ部60は、取付孔64を有している。取付孔64は、回転軸43の軸方向に延びている。取付孔64の軸線は、第1パイプ部60の軸線に一致している。取付孔64の第1端は、第1シュラウド面63における挿通孔62とは反対側の端部に連続している。第1シュラウド面63は、挿通孔62の内周面と取付孔64の内周面とを接続している。取付孔64の孔径は、挿通孔62の孔径よりも大きい。取付孔64の第2端は、第1パイプ部60の第2端面に開口している。
【0054】
第1パイプ部60は、複数の径孔65を有している。各径孔65は、第1パイプ部60の径方向に延びている。各径孔65は、四角孔状である。各径孔65の第1端は、取付孔64の内周面に開口している。各径孔65の第1端の開口縁の一部は、第1シュラウド面63における挿通孔62とは反対側の端部に連続している。各径孔65の第2端は、第1パイプ部60の外周面に開口している。そして、各径孔65の第2端は、モータ室18内に連通している。具体的には、各径孔65の第2端は、モータ室18内における第1コイルエンド36aよりも内側の空間に連通している。各径孔65は、取付孔64の内周面から第1パイプ部60の外周面に向けて延び、モータ室18内に連通している。
【0055】
図6に示すように、各径孔65の第1パイプ部60における周方向の距離は、第1パイプ部60の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっている。第1パイプ部60は、介在壁66を複数有している。各介在壁66は、第1パイプ部60の周方向で隣り合う径孔65同士の間に介在している。各介在壁66の第1パイプ部60における周方向の幅は、第1パイプ部60の径方向外側に向かうにつれて徐々に大きくなっている。
【0056】
図5に示すように、第1パイプ部60は、複数の雌ねじ孔67を有している。各雌ねじ孔67は、第1パイプ部60の径方向に延びている。各雌ねじ孔67の第1端は、取付孔64の内周面に開口している。具体的には、各雌ねじ孔67の第1端は、取付孔64の内周面における各径孔65の開口位置よりも第1パイプ部60の第2端面寄りの部分に開口している。各雌ねじ孔67の第2端は、第1パイプ部60の外周面に開口している。具体的には、各雌ねじ孔67の第2端は、第1パイプ部60の外周面における各径孔65の開口位置よりも第1パイプ部60の第2端面寄りの部分に開口している。
【0057】
図2に示すように、第2パイプ部61は、挿通部68と、取付部69と、を有している。挿通部68は、円筒状である。挿通部68の外径は、挿通孔62の孔径よりも小さい。挿通部68は、挿通孔62に挿通されている。挿通部68の長さは、挿通孔62の長さと同じである。挿通部68の軸方向端面は、第1パイプ部60の第1端面と同一平面上に位置している。挿通部68の軸方向端面は、第2パイプ部61の第1端面である。
【0058】
図5に示すように、取付部69は、円筒状である。取付部69の外径は、挿通部68の外径よりも大きい。取付部69は、取付孔64に挿入されている。取付部69は、第2パイプ部61の第2端部を構成している。取付部69の一部は、取付孔64から突出している。取付部69の軸方向端面は、第2パイプ部61の第2端面である。
【0059】
第2パイプ部61は、第1ハブ面70を有している。第1ハブ面70は、挿通部68の外周面と取付部69の外周面とを接続している。第1ハブ面70は、第1シュラウド面63に沿って延びている。第1ハブ面70は、挿通部68の外周面から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びている。第1ハブ面70は、第2パイプ部61の軸線に向けて凹となる弧状に湾曲した面である。第1ハブ面70は、挿通部68の外周面から離れるにつれて第1シュラウド面63に徐々に接近している。
【0060】
図6及び
図7に示すように、第2パイプ部61は、複数の第1翼壁71を有している。各第1翼壁71は、第1ハブ面70から起立している。各第1翼壁71は、第1ハブ面70から第1シュラウド面63に向けて延びている。各第1翼壁71における第1シュラウド面63側の外縁は、第1シュラウド面63に沿って延びている。各第1翼壁71における第1シュラウド面63側の外縁は、第1シュラウド面63に接触している。
【0061】
各第1翼壁71は、第2パイプ部61の軸方向から見たとき、挿通部68の外周面の接線方向に延びている。各第1翼壁71の第2パイプ部61における周方向の幅は、第2パイプ部61の径方向外側に向かうにつれて徐々に大きくなっている。
【0062】
図6に示すように、各第1翼壁71の第2パイプ部61における周方向両側に位置する両側面は、各介在壁66における第1パイプ部60における周方向両側に位置する両側面に対して同一平面上に位置している。第1シュラウド面63と第1ハブ面70との間の空間であって、且つ、第2パイプ部61の周方向で隣り合う第1翼壁71同士の間の空間は、各径孔65に連通している。
【0063】
図5に示すように、各雌ねじ孔67には、螺子72が螺合されている。そして、各雌ねじ孔67に螺合される各螺子72が、取付部69の外周面に当接することにより、第1パイプ部60と第2パイプ部61とが各螺子72を介して互いに固定されている。よって、第1パイプ部60と第2パイプ部61とが各螺子72を介して一体化されることにより、第1軸部材44が構成されている。取付部69における取付孔64から突出した部分は、筒部材41の第1端部の内側に挿入されている。そして、取付部69は、筒部材41の第1端部の内周面に圧入されている。これにより、第1軸部材44が筒部材41に固定されている。
【0064】
<第1軸路73>
図2に示すように、回転軸43は、第1軸路73を備えている。第1軸路73は、挿通孔62の内周面と挿通部68の外周面との間に形成されている。第1軸路73は、第1軸部材44を回転軸43の軸方向に延びている。第1軸路73の第1端は、吸入口22に向かって開口している。第1軸路73は、吸入口22に連通している。
図7に示すように、第1軸路73は、回転軸43に軸方向から見ると、円環状である。
【0065】
<第2軸路74>
図2に示すように、回転軸43は、第2軸路74を備えている。第2軸路74は、第2パイプ部61に形成されている。第2軸路74は、第2パイプ部61を回転軸43の軸方向に延びている。第2軸路74の軸線は、第2パイプ部61の軸線に一致している。第2軸路74の第1端は、挿通部68の軸方向端面に開口している。第2軸路74の第2端は、取付部69の軸方向端面に開口している。したがって、第2軸路74は、第2パイプ部61の第1端面から第2端面にかけて第2パイプ部61の内部を貫通している。第2軸路74は、吸入口22に向かって開口している。第2軸路74は、吸入口22に連通している。
【0066】
<第1径路75>
図5に示すように、回転軸43は、複数の第1径路75を備えている。各第1径路75は、第1シュラウド面63と第1ハブ面70との間の空間であって、且つ、第2パイプ部61の周方向で隣り合う第1翼壁71同士の間の空間と、各径孔65と、によって形成されている。各第1径路75の第1端は、第1軸路73の第2端に連通している。各第1径路75は、第1軸路73から第1軸部材44の外周面に向けて延びている。各第1径路75の第2端は、第1パイプ部60の外周面に開口して、モータ室18内に連通している。よって、各第1径路75は、第1パイプ部60の外周面に開口する第1開口部76を有している。したがって、第1開口部76は、回転軸43の外周面に開口する。各第1径路75の第1開口部76は、各径孔65における第1パイプ部60の外周面に開口する部分である。
【0067】
図6に示すように、第1軸部材44の外周面は、第1軸部材44の周方向で隣り合う第1径路75の第1開口部76同士の間に介在する第1介在面77を有している。したがって、回転軸43の外周面は、回転軸43の周方向で隣り合う第1径路75の第1開口部76同士の間に介在する第1介在面77を有している。各第1介在面77は、第1パイプ部60の各介在壁66の外面である。
【0068】
各第1径路75の回転軸43における周方向の距離は、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっている。したがって、各第1径路75の第1開口部76は、各第1径路75のうち、回転軸43における周方向の距離が最も長い部分である。そして、第1介在面77の回転軸43における周方向の長さH1は、第1開口部76の回転軸43における周方向の長さH2よりも短い。
【0069】
図5に示すように、各第1径路75は、第1軸路73から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びている。各第1径路75の回転軸43における軸方向の距離は、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっている。複数の第1径路75は、回転軸43の径方向に向けて延びるとともにモータ室18内に連通している。各第1径路75は、モータ室18内における第1コイルエンド36aよりも内側の空間に連通している。そして、複数の第1径路75は、吸入口22から第1軸路73に導入された空気を第1コイルエンド36aに向けて流す。
【0070】
<第3軸路78>
図8に示すように、回転軸43は、第3軸路78を備えている。第3軸路78は、第2軸部材45に形成されている。第3軸路78は、第2軸部材45の内部を第2軸部材45の軸方向に延びている。第3軸路78は、円孔状である。第3軸路78の第1端は、第2軸部材45の第1端面に開口している。第3軸路78の軸線は、第2軸部材45の軸線と一致している。第3軸路78の第2端は、第2軸部材45の内部に位置している。
【0071】
<第2径路80>
第2軸部材45は、複数の第2径路80を有している。したがって、回転軸43は、複数の第2径路80を備えている。複数の第2径路80は、第3軸路78の第2端に連通している。各第2径路80は、第3軸路78から第2軸部材45の外周面に向けて延びている。各第2径路80の第1端は、第3軸路78に連通している。各第2径路80の第2端は、第2軸部材45の外周面に開口して、モータ室18内に連通している。したがって、複数の第2径路80は、回転軸43の径方向に向けて延びるとともにモータ室18内に連通している。具体的には、各第2径路80の第2端は、モータ室18内における第2コイルエンド36bよりも内側の空間に連通している。
【0072】
各第2径路80の第2端は、第2軸部材45の外周面に開口する第2開口部81になっている。したがって、各第2径路80は、回転軸43の外周面に開口する第2開口部81を有している。
【0073】
各第2径路80は、第3軸路78から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びている。したがって、各第2径路80は、第2軸路74から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びている。各第2径路80における第2軸部材45の径方向外側に位置する面は、第3軸路78から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ弧状に湾曲する第2シュラウド面82になっている。また、各第2径路80における第2軸部材45の径方向内側に位置する面は、第3軸路78から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ弧状に湾曲する第2ハブ面83になっている。第2ハブ面83は、第2シュラウド面82に沿って延びている。第2ハブ面83は、第3軸路78から離れるにつれて第2シュラウド面82に徐々に接近している。したがって、各第2径路80の回転軸43における軸方向の距離は、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっている。
【0074】
図9に示すように、第2軸部材45は、複数の第2翼壁84を有している。各第2翼壁84は、第2軸部材45の周方向で隣り合う第2径路80同士を隔てている。各第2翼壁84の第2軸部材45における周方向の幅は、第2軸部材45の径方向外側に向かうにつれて徐々に大きくなっている。
【0075】
図10に示すように、第2軸部材45は、芯部85を有している。芯部85は、各第2翼壁84を支持している。芯部85は、円柱状である。芯部85の軸線は、第3軸路78の軸線と一致している。各第2翼壁84における第2軸部材45の径方向内側に位置する端部は、芯部85の外周面に連続している。各第2翼壁84は、芯部85の外周面の接線方向に延びている。芯部85の外径は、第3軸路78の内径よりも小さい。したがって、各第2翼壁84における第2軸部材45の径方向内側に位置する端部は、第3軸路78内に臨んでいる。よって、各第2径路80の第1端は、第3軸路78に連通している。
【0076】
図9に示すように、第2軸部材45の外周面は、回転軸43の周方向で隣り合う第2径路80の第2開口部81同士の間に介在する第2介在面86を有している。したがって、回転軸43の外周面は、回転軸43の周方向で隣り合う第2径路80の第2開口部81同士の間に介在する第2介在面86を有している。各第2介在面86は、各第2翼壁84における第2軸部材45の径方向外側に位置する外面である。各第2径路80の回転軸43における周方向の距離は、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっている。したがって、各第2径路80の第2開口部81は、各第2径路80のうち、第2軸部材45における周方向の距離が最も長い部分である。そして、第2介在面86の回転軸43における周方向の長さH11は、第2開口部81の回転軸43における周方向の長さH12よりも短い。複数の第2径路80は、吸入口22から第2軸路74に導入された空気を第2コイルエンド36bに向けて流す。
【0077】
<接続孔90>
図4に示すように、永久磁石42は、接続孔90を有している。接続孔90は、永久磁石42を永久磁石42の軸方向に貫通している。接続孔90は、永久磁石42の内部を貫通している。接続孔90は、円孔状である。接続孔90の軸線は、永久磁石42の軸線に一致している。接続孔90の第1端は、第2軸路74に連通している。接続孔90の第2端は、第3軸路78に連通している。吸入口22から第2軸路74に導入された空気は、接続孔90及び第3軸路78を介して各第2径路80に導入される。したがって、接続孔90は、吸入口22から第2軸路74に導入された空気を複数の第2径路80へ流す。
【0078】
<排出口91>
ハウジング11は、排出口91を有している。排出口91は、モータハウジング12の周壁12bに形成されている。排出口91の第1端は、モータ室18内に連通している。排出口91の第2端は、ハウジング11外に連通している。排出口91は、各第1径路75及び各第2径路80からモータ室18内に導入された空気をハウジング11外に排出する。
【0079】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
吸入口22からの空気の一部は、第1軸路73及び第2軸路74それぞれに導入される。吸入口22から第1軸路73に導入された空気は、第1軸路73及び各第1径路75を流れてモータ室18内に導入される。各第1径路75は、第1コイルエンド36aに向けて空気を流す。したがって、各第1径路75からモータ室18内に導入された空気が第1コイルエンド36aに向けて流れ易くなっている。第1コイルエンド36aは、モータ室18内に導入された空気によって冷却される。
【0080】
吸入口22から第2軸路74に導入された空気は、接続孔90、第3軸路78、及び各第2径路80を流れてモータ室18内に導入される。各第2径路80は、第2コイルエンド36bに向けて空気を流す。したがって、各第2径路80からモータ室18内に導入された空気が第2コイルエンド36bに向けて流れ易くなっている。第2コイルエンド36bは、モータ室18内に導入された空気によって冷却される。
【0081】
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)例えば、吸入口22からの空気が1つの軸路を流れて、当該軸路の途中で、各第1径路75に向けて流れる空気と、各第2径路80に向けて流れる空気とに分岐される構成が考えられる。ここで、各第1径路75は、各第2径路80よりも吸入口22に対して近い位置にある。したがって、このような構成の場合、軸路を流れる空気は、各第2径路80よりも各第1径路75に向けて優先的に流れることになるため、各第2径路80に向けて流れる空気が少なくなってしまう虞がある。
【0082】
そこで、第1軸路73は、挿通孔62の内周面と挿通部68の外周面とによって形成されており、第2軸路74は、第2パイプ部61に形成されている。したがって、吸入口22から第1軸路73及び各第1径路75を介してモータ室18内に至るまでの経路と、吸入口22から第2軸路74及び各第2径路80を介してモータ室18内に至るまでの経路と、がそれぞれ独立している。よって、吸入口22から第1軸路73及び各第1径路75を介してモータ室18内に導入される空気と、吸入口22から第2軸路74及び各第2径路80を介してモータ室18内に導入される空気とが均等になり易い。よって、第1コイルエンド36a及び第2コイルエンド36bを均等に冷却することができるため、コイル35を効率良く冷却することができる。
【0083】
ここで、各第1径路75の回転軸43における周方向の距離は、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっている。したがって、各第1径路75内を流れる空気は、回転軸43の回転に伴う遠心力によって各第1径路75を回転軸43の径方向外側へ流れ易くなっている。また、第1介在面77の回転軸43における周方向の長さH1が、各第1径路75の第1開口部76の回転軸43における周方向の長さH2よりも短くなっている。よって、第1介在面77近傍に滞っているモータ室18内の空気を比較的少なくすることができる。したがって、各第1径路75からモータ室18内へ導入される空気の流れが、第1介在面77近傍に滞っているモータ室18内の空気に妨げられることが抑制される。その結果、吸入口22からの空気が、第1軸路73及び各第1径路75を介してモータ室18内に導入され易くなるため、第1コイルエンド36aを効率良く冷却することができる。
【0084】
また、各第2径路80の回転軸43における周方向の距離は、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっている。したがって、各第2径路80内を流れる空気は、回転軸43の回転に伴う遠心力によって各第2径路80を回転軸43の径方向外側へ流れ易くなっている。また、第2介在面86の回転軸43における周方向の長さH11が、各第2径路80の第2開口部81の回転軸43における周方向の長さH12よりも短くなっている。よって、第2介在面86近傍に滞っているモータ室18内の空気を比較的少なくすることができる。したがって、各第2径路80からモータ室18内へ導入される空気の流れが、第2介在面86近傍に滞っているモータ室18内の空気に妨げられることが抑制される。その結果、吸入口22からの空気が、第2軸路74、接続孔90、第3軸路78、及び各第2径路80を介してモータ室18内に導入され易くなるため、第2コイルエンド36bを効率良く冷却することができる。以上によって、モータ31の冷却性能を向上させることができる。
【0085】
(2)各第1径路75は、第1軸路73から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びている。各第2径路80は、第2軸路74から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びている。これによれば、各第1径路75を流れる空気が、回転軸43の回転に伴う遠心力によって圧縮され易くなる。よって、吸入口22からの空気が、第1軸路73に向けて吸い込まれ易くなる。したがって、空気が第1軸路73をさらに流れ易くなる。よって、第1コイルエンド36aをさらに効率良く冷却することができる。また、各第2径路80を流れる空気が、回転軸43の回転に伴う遠心力によって圧縮され易くなる。よって、吸入口22からの空気が、第2軸路74に向けて吸い込まれ易くなる。したがって、空気が第2軸路74をさらに流れ易くなる。よって、第2コイルエンド36bをさらに効率良く冷却することができる。以上により、モータ31の冷却性能をさらに向上させることができる。
【0086】
(3)各第1径路75の回転軸43における軸方向の距離は、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっている。各第2径路80の回転軸43における軸方向の距離は、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっている。これによれば、各第1径路75を流れる空気が、回転軸43の回転に伴う遠心力によってさらに圧縮され易くなる。よって、吸入口22からの空気が、第1軸路73に向けてさらに吸い込まれ易くなる。したがって、空気が第1軸路73をさらに流れ易くなる。よって、第1コイルエンド36aをさらに効率良く冷却することができる。また、各第2径路80を流れる空気が、回転軸43の回転に伴う遠心力によって圧縮され易くなる。よって、吸入口22からの空気が、第2軸路74に向けて吸い込まれ易くなる。したがって、空気が第2軸路74をさらに流れ易くなる。よって、第2コイルエンド36bをさらに効率良く冷却することができる。以上により、モータ31の冷却性能をさらに向上させることができる。
【0087】
(4)吸入口22から第2軸路74に導入された空気は、接続孔90を介して複数の第2径路80へ流れる。このとき、接続孔90を流れる空気によって、永久磁石42を冷却することができる。したがって、モータ31の冷却性能をさらに向上させることができる。
【0088】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0089】
○ 実施形態において、各第1径路75は、第1軸路73から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びていなくてもよい。例えば、複数の第1径路75は、第1軸路73の軸線を中心として、第1軸路73から放射状に延びていてもよい。
【0090】
○ 実施形態において、各第2径路80は、第2軸路74から離れるにつれて吸入口22から離間する方向へ延びていなくてもよい。例えば、複数の第2径路80は、第2軸路74の軸線を中心として、第3軸路78から放射状に延びていてもよい。
【0091】
○ 実施形態において、例えば、各第1径路75は、各第1径路75の回転軸43における軸方向の距離が一定の状態で、第1軸路73から第1軸部材44の外周面に向けて延びていてもよい。要は、各第1径路75の回転軸43における軸方向の距離が、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっていなくてもよい。
【0092】
○ 実施形態において、例えば、各第2径路80は、各第2径路80の回転軸43における軸方向の距離が一定の状態で、第3軸路78から第2軸部材45の外周面に向けて延びていてもよい。要は、各第2径路80の回転軸43における軸方向の距離が、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に短くなっていなくてもよい。
【0093】
○ 実施形態において、各第1径路75の回転軸43における軸方向の距離が、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっていてもよい。
○ 実施形態において、各第2径路80の回転軸43における軸方向の距離が、回転軸43の径方向外側に向かうにつれて徐々に長くなっていてもよい。
【0094】
○ 実施形態において、ロータ33の構成としては、例えば、電磁鋼板が複数積層されて構成される筒状のロータコアと、ロータコアに埋設される磁性体と、を備えたロータであってもよい。このような構成の場合、回転軸43は、ロータコアの内側を貫通している。そして、第2軸路74の第1端が挿通部68の軸方向端面に開口しており、第2軸路74の第2端が複数の第2径路80に直接連通している構成であってもよい。要は、複数の第2径路80は、吸入口22から第2軸路74に導入された空気を第2コイルエンド36bに向けて流す構成であればよい。
【0095】
○ 実施形態において、永久磁石42が、例えば、筒部材41の内周面に圧入されておらず、例えば、接着剤によって筒部材41の内周面に接着されていてもよい。要は、永久磁石42は、筒部材41の内側に固定されていればよい。
【0096】
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、タービンホイール50を備えていない構成であってもよい。
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、タービンホイール50に代えて、インペラを備えている構成であってもよい。つまり、遠心圧縮機10は、第1軸部材44及び第2軸部材45それぞれにインペラが取り付けられており、一方のインペラによって圧縮された空気が、他方のインペラによって再び圧縮されるような構成であってもよい。
【0097】
○ 実施形態において、磁性体としては、永久磁石42に限らず、例えば、積層コア、アモルファスコア、又は、圧粉コア等であってもよい。
○ 実施形態において、筒部材41が、例えば、炭素繊維強化プラスチックから構成されていてもよい。要は、筒部材41の材質は、特に限定されるものではない。
【0098】
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、燃料電池車に搭載されていなくてもよい。要は、遠心圧縮機10は、車両に搭載されるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0099】
10…遠心圧縮機、11…ハウジング、18…モータ室、22…吸入口、23…インペラ室、31…モータ、32…ステータ、33…ロータ、34…ステータコア、34a…第1端面、34b…第2端面、35…コイル、36a…第1コイルエンド、36b…第2コイルエンド、41…筒部材、42…磁性体である永久磁石、43…回転軸、44…第1軸部材、45…第2軸部材、49…インペラ、60…第1パイプ部、61…第2パイプ部、62…挿通孔、68…挿通部、73…第1軸路、74…第2軸路、75…第1径路、76…第1開口部、77…第1介在面、80…第2径路、81…第2開口部、86…第2介在面、90…接続孔。