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特開2024-3474セキュリティシステム及びセキュリティシステム用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003474
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】セキュリティシステム及びセキュリティシステム用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240105BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240105BHJP
   G06F 3/0485 20220101ALI20240105BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240105BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20240105BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
G08B25/04 E
H04N7/18 D
G06F3/0485
G06F3/04842
G06F3/04845
G08B25/00 510E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102652
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】317006258
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】竹本 雅昭
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5E555
【Fターム(参考)】
5C054CA01
5C054CA04
5C054CA05
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA05
5C054FD03
5C054FD07
5C054FE05
5C054FE12
5C054FE26
5C054FE28
5C054FF03
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA19
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD20
5C087EE06
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG28
5C087GG46
5E555AA22
5E555AA31
5E555AA52
5E555AA56
5E555BA02
5E555BA83
5E555BA85
5E555BB02
5E555BC07
5E555BC15
5E555BD01
5E555CA46
5E555CB34
5E555CC23
5E555DB13
5E555DB18
5E555DB55
5E555DC05
5E555DC15
5E555DC25
5E555DC31
5E555DC35
5E555DD08
5E555EA10
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アーム状態又はディスアーム状態を切り替えようとする検知領域が、警戒エリアのどの場所に対応するかを一目で把握するシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】セキュリティシステムにおいて、情報処理装置20は、検知センサ10が複数箇所に設けられた警戒エリアの全体又は一部を俯瞰した警戒エリアマップをディスプレイDに表示するとともに、その警戒エリアマップに重ねて検知センサ夫々の検知領域を示す領域表示又は検知センサ夫々の位置を示すシンボルの少なくとも一方を表示する表示部22と、前記検知領域を、物体が検知された場合に警報信号が出力されるアーム状態又はそのアーム状態が解除されたディスアーム状態に切り替える状態切替部21と、を備える。状態切替部は、ディスプレイ上の領域表示又はシンボルが操作されることで、操作された領域表示又はシンボルに対応する検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知センサが複数箇所に設けられた警戒エリアの全体又は一部を俯瞰した警戒エリアマップをディスプレイに表示するとともに、その警戒エリアマップに重ねて前記検知センサそれぞれの検知領域を示す領域表示、又は、前記検知センサそれぞれの位置を示すシンボルの少なくとも一方を表示する表示部と、
前記検知センサの検知領域を、物体が検知された場合に警報信号が出力されるアーム状態、又は、そのアーム状態が解除されたディスアーム状態に切り替える状態切替部とを備え、
前記ディスプレイ上の前記領域表示又は前記シンボルを操作することにより、前記状態切替部が、操作された前記領域表示又は前記シンボルに対応する前記検知領域を前記アーム状態又は前記ディスアーム状態に切り替える、セキュリティシステム。
【請求項2】
前記表示部により表示されている前記領域表示又は前記シンボルの表示態様が、対応する前記検知領域が前記アーム状態であるか又は前記ディスアーム状態であるかを表している、請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記表示部が、前記領域表示及び前記シンボルの双方を表示し、
前記ディスプレイ上の前記領域表示を操作することによっても、前記シンボルを操作することによっても、前記状態切替部が前記検知領域を前記アーム状態又は前記ディスアーム状態に切り替える、請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記警戒エリアが、1又は複数の広域エリアと、前記広域エリアに含まれる1又は複数の狭域エリアとを用いて階層化されており、
前記表示部が、前記警戒エリアマップと同時に前記ディスプレイ上に、前記広域エリアの名称と前記狭域エリアの名称とをツリー表示し、
前記ディスプレイ上の前記ツリー表示を操作することにより、前記状態切替部が前記検知領域を前記アーム状態又は前記ディスアーム状態に切り替える、請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記領域表示又は前記シンボルと、前記ツリー表示との一方を操作することにより、前記表示部が、その一方の表示態様を切り替えるとともに、他方の表示態様も連動して切り替える、請求項4記載のセキュリティシステム。
【請求項6】
前記警戒エリアマップが、拡大、縮小、又はスクロール可能である、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載のセキュリティシステム。
【請求項7】
前記警戒エリアマップを複数格納したマップ格納部を備え、
前記表示部により表示されている前記警戒エリアマップが、前記マップ格納部に格納されている複数の中から選択されたものに移り変わる、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載のセキュリティシステム。
【請求項8】
検知センサが複数箇所に設けられた警戒エリアの全体又は一部を俯瞰した警戒エリアマップをディスプレイに表示するとともに、その警戒エリアマップに重ねて前記検知センサそれぞれの検知領域を示す領域表示、又は、前記検知センサそれぞれの位置を示すシンボルの少なくとも一方を表示する表示部と、
前記検知センサの検知領域を、物体が検知された場合に警報信号を出力するアーム状態、又は、そのアーム状態が解除されたディスアーム状態に切り替える状態切替部としてのコンピュータに発揮させるものであり、
前記ディスプレイ上の前記領域表示又は前記シンボルを操作することにより、前記状態切替部が前記検知領域を前記アーム状態又は前記ディスアーム状態に切り替える、セキュリティシステム用プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、セキュリティシステム及びセキュリティシステム用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のセキュリティシステムとしては、特許文献1に示すように、警戒エリアを、広い検知領域と、その広い検知領域に含まれる複数の狭い検知領域とを用いて階層化し、その階層化されたそれぞれの検知領域を例えばユーザの携帯端末にツリー表示するように構成されたものがある。
【0003】
この構成により、広い検知領域を一括してアーム状態又はディスアーム状態に切り替えられるようにしつつ、それぞれの狭い検知領域を個別にもアーム状態又はディスアーム状態に切り替えられるようにしてある。
【0004】
しかしながら、このようなツリー表示をしたとしても、一見しただけでは、表示されたそれぞれの検知領域が、警戒エリアのどの場所に対応しているかを把握することができず、ユーザにとって使い勝手が良いものとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/222659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、上述した課題を一挙に解決するべくなされたものであり、アーム状態又はディスアーム状態を切り替えようとする検知領域が、警戒エリアのどの場所に対応するかを一目で把握できるようにして、従来よりも使い勝手の良いシステムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明に係るセキュリティシステムは、検知センサが複数箇所に設けられた警戒エリアの全体又は一部を俯瞰した警戒エリアマップをディスプレイに表示するとともに、その警戒エリアマップに重ねて前記検知センサそれぞれの検知領域を示す領域表示、又は、前記検知センサそれぞれの位置を示すシンボルの少なくとも一方を表示する表示部と、前記検知センサの検知領域を、物体が検知された場合に警報信号が出力されるアーム状態、又は、そのアーム状態が解除されたディスアーム状態に切り替える状態切替部とを備え、前記ディスプレイ上の前記領域表示又は前記シンボルを操作することにより、前記状態切替部が、操作された前記領域表示又は前記シンボルに対応する前記検知領域を前記アーム状態又は前記ディスアーム状態に切り替えることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成されたセキュリティシステムによれば、ディスプレイ上の警戒エリアマップに重ねて表示された領域表示又はシンボルを操作することにより、検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができるので、その切り替えようとする検知領域が、警戒エリアのどの場所に対応するかを一目で把握することができ、従来よりも使い勝手の良いシステムを提供することができる。
【0009】
前記表示部により表示されている前記領域表示又は前記シンボルの表示態様が、対応する前記検知領域が前記アーム状態であるか又は前記ディスアーム状態であるかを表していることが好ましい。
このような構成であれば、検知領域が、警戒エリアのどの場所に対応するかのみならず、アーム状態であるかディスアーム状態であるかをも一目で把握することができ、より使い勝手の良いものとなる。
【0010】
前記表示部が、前記領域表示及び前記シンボルの双方を表示し、前記ディスプレイ上の前記検知領域を操作することによっても、前記シンボルを操作することによっても、前記状態切替部が前記検知領域を前記アーム状態又は前記ディスアーム状態に切り替えることが好ましい。
このような構成であれば、領域表示とシンボルとのどちらを操作しても、検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができ、操作性の向上を図れる。
【0011】
前記警戒エリアが、1又は複数の広域エリアと、前記広域エリアに含まれる1又は複数の狭域エリアとを用いて階層化されており、前記表示部が、前記警戒エリアマップと同時に前記ディスプレイ上に、前記広域エリアの名称と前記狭域エリアの名称とをツリー表示し、前記ディスプレイ上の前記ツリー表示を操作することにより、前記状態切替部が前記検知領域を前記アーム状態又は前記ディスアーム状態に切り替えることが好ましい。
このような構成であれば、警戒エリアマップとツリー表示とのどちらを操作しても、検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができ、操作性のさらなる向上を図れる。
【0012】
前記領域表示又は前記シンボルと、前記ツリー表示との一方を操作することにより、前記表示部が、その一方の表示態様を切り替えるとともに、他方の表示態様も連動して切り替えることが好ましい。
このように表示態様を連動させることにより、検知領域がアーム状態であるか又はディスアーム状態であるかの視認性を向上させることができる。
【0013】
前記警戒エリアマップが、拡大、縮小、又はスクロール可能であることが好ましい。
このような構成であれば、警戒エリアマップの表示の自由度を向上させることができる。
【0014】
前記警戒エリアマップを複数格納したマップ格納部を備え、前記表示部により表示されている前記警戒エリアマップが、前記マップ格納部に格納されている複数の中から選択されたものに移り変わることが好ましい。
このような構成であれば、例えば本社と支社が遠く離れている場合などにおいても、それぞれに対応する警戒エリアマップを表示させることができ、より使い勝手が良くなる。
【0015】
本願発明に係るセキュリティシステム用プログラムは、検知センサが複数箇所に設けられた警戒エリアの全体又は一部を俯瞰した警戒エリアマップをディスプレイに表示するとともに、その警戒エリアマップに重ねて前記検知センサそれぞれの検知領域を示す領域表示、又は、前記検知センサそれぞれの位置を示すシンボルの少なくとも一方を表示する表示部と、前記検知センサの検知領域を、物体が検知された場合に警報信号を出力するアーム状態、又は、そのアーム状態が解除されたディスアーム状態に切り替える状態切替部としてのコンピュータに発揮させるものであり、前記ディスプレイ上の前記領域表示又は前記シンボルを操作することにより、前記状態切替部が前記検知領域を前記アーム状態又は前記ディスアーム状態に切り替えることを特徴とするものである。
このように構成されたセキュリティシステム用プログラムによれば、上述したセキュリティシステムと同様の作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0016】
本願発明によれば、アーム状態又はディスアーム状態を切り替えようとする検知領域が、警戒エリアのどの場所に対応するかを一目で把握できるようにすることが可能となり、従来よりも使い勝手の良いシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願発明に係る一実施形態のセキュリティシステムの構成を示す概略図。
図2】同実施形態の情報処理装置の機能を示す機能ブロック図。
図3】同実施形態の表示部による表示内容を示す模式図。
図4】同実施形態の検知領域の状態を切り替える際の表示内容を示す模式図。
図5】その他の実施形態の表示部による表示内容を示す模式図。
図6】その他の実施形態の検知領域の状態を切り替える際の表示内容を示す模式図。
図7】その他の実施形態のセキュリティシステムの構成を示す概略図。
図8】その他の実施形態のセキュリティシステムの構成を示す概略図。
図9】その他の実施形態のタイマー機能の表内容を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願発明の一実施形態におけるセキュリティシステムについて図面を参照しながら説明する。
【0019】
[システム構成]
本実施形態のセキュリティシステムは、例えばオフィスなどの業務施設、商業用施設、空港、駅など種々の施設の警備に用いられるものであり、施設内又は施設周辺における警戒エリアへの侵入者を検知するためのものである。
【0020】
具体的にこのセキュリティシステム100は、図1に示すように、複数の検知センサ10と、これらの検知センサ10から出力された信号を取得する情報処理装置20とを備えている。
【0021】
検知センサ10は、施設内又は施設周辺における警戒エリアの複数箇所に設けられており、予め設定された検知領域に侵入した侵入者等の物体を検知するとともに、そのことを示す信号を発信するものである。
【0022】
具体的に検知センサ10としては、受動型赤外線センサ、能動型赤外線センサ、マイクロ波或いはミリ波を用いたレーダーセンサ、又は、撮像素子を用いたカメラセンサなど、種々の人体検知センサを挙げることができる。
【0023】
情報処理装置20は、図1に示すように、検知センサ10から出力された信号を例えばネットワークを介して取得するとともに、取得した情報を含むセキュリティに関する種々の情報をディスプレイDに表示するものである。
【0024】
この情報処理装置20は、CPU、メモリ、ディスプレイD等を備えた汎用乃至専用のコンピュータであって、前記メモリに格納されたセキュリティシステム用プログラムに従って、CPUやその周辺機器が協働することにより、図2に示すように、少なくとも状態切替部21及び表示部22としての機能を発揮するものである。
【0025】
状態切替部21は、検知センサ10の検知領域の状態を切り替えるものであり、具体的には、それぞれの検知センサ10の検知領域を、物体が検知された場合に警報信号が出力されるアーム状態、又は、そのアーム状態が解除されたディスアーム状態に切り替える。
【0026】
アーム状態は、検知センサ10が物体を検知した場合に、そのことを示す信号が検知センサ10から出力されるとともに、検知センサ10が物体を検知したことを示す警告等がディスプレイDに表示される状態である。
【0027】
一方、ディスアーム状態は、上述した警告等がディスプレイDに表示されない状態である。具体的には、検知センサ10の検知機能を停止させて、その検知センサ10が物体を検知しない状態であっても良いが、この実施形態では、検知センサ10の検知機能は発揮される状態にしつつ、検知センサ10が物体を検知したとしても、信号処理を通じて警告等がディスプレイDに表示されないようにした状態である。
【0028】
表示部22は、ここでは情報処理装置20が備えるディスプレイDにセキュリティに関する種々の情報を表示するものである。ただし、表示部22としては、情報処理装置20とは別のコンピュータが備えるディスプレイや、携帯電話或いはタブレット等の携帯端末が備えるディスプレイなどに種々の情報を表示するものであっても良い。
【0029】
本実施形態の表示部22は、図3に示すように、検知センサ10が複数箇所に設けられた警戒エリアを俯瞰した警戒エリアマップMをディスプレイD上に表示する。
【0030】
警戒エリアマップMは、施設周辺の地理的特徴や施設内の間取りなど、警戒エリアの種々の特徴を含む俯瞰画像であり、例えば警戒エリアを含む航空写真、地図、平面図、又は地表画像などを挙げることができる。
【0031】
なお、図3においては、セキュリティシステム100を業務用施設に適用した場合を示してあり、警戒エリアマップMとしては、施設周辺に設定されている警戒エリアの全体を俯瞰したものを記載している。ただし、表示部22としては、警戒エリアの一部を俯瞰した警戒エリアマップMを表示するものであっても良い。
【0032】
さらに表示部22は、図3に示すように、警戒エリアマップMに重ねて検知センサ10それぞれの検知領域を示す領域表示X、又は、検知センサ10それぞれの位置を示すアイコン等のシンボルYの少なくとも一方を表示するものであり、本実施形態では、領域表示X及びシンボルYの双方を表示するように構成されている。
【0033】
ここで、検知センサ10の検知領域は、それぞれ検知センサ10毎に適宜設定されており、例えばある場所から別の離れた場所を結ぶ1又は複数本の直線的な領域として設定されていても良いし、ある範囲を有する平面的な領域として設定されていても良い。
【0034】
なお、平面的な検知領域としては、水平方向に沿った水平面、鉛直方向に沿った鉛直面、水平方向及び鉛直方向それぞれに対して傾いた傾斜面を挙げることができ、これらの検知領域の平面視形状は、例えば矩形状、三角形状、多角形状、円形状、部分円形状など、種々の形状に設定して構わない。
【0035】
領域表示Xは、図3に示すように、検知センサ10の実際の検知領域を警戒エリアマップM上で模式的に表したものであり、実際の検知領域を忠実に表したものであっても良いし、実際の検知領域との間にややズレのあるものであっても良い。
【0036】
本実施形態の領域表示Xは、実際の検知領域の形状に対応した形状をなしており、具体的には、直線的な検知領域を表す領域表示Xは直線として表示されるとともに、平面的な検知領域を表す領域表示Xは平面的な形状として表示されている。
【0037】
シンボルYは、図3に示すように、検知センサ10の実際の配置を警戒エリアマップM上で模式的に表したものであり、実際の配置を忠実に表したものであっても良いし、実際の配置との間にややズレのあるものであっても良い。
【0038】
本実施形態のシンボルYは、直線的な検知領域に対応して設けられた一対の送信機及び受信機それぞれの配置を表しており、ここでは、シンボルYそれぞれが、送信機の配置を表すものであるか、或いは、受信機の配置を示すものであるかをも識別可能に表示されている。
【0039】
なお、領域表示X及びシンボルYは、全ての検知領域に対応して表示されている必要はなく、この実施形態では、平面的な検知領域に対応する検知センサ10のシンボルYの表示は省略してある。もちろん逆に、領域表示Xを全ての検知領域に対応させて表示しても構わないし、シンボルYを全ての検知領域に対応させて表示しても構わない。
【0040】
領域表示X及びシンボルYの表示態様は、対応する検知領域がアーム状態であるか又はディスアーム状態であるかを表しており、言い換えれば、対応する検知領域がアーム状態である場合とディスアーム状態である場合とで、領域表示X及びシンボルYの表示態様が異なる。
【0041】
より具体的に説明すると、領域表示X及びシンボルYは、対応する検知領域がアーム状態である場合には第1表示態様で表示され、対応する検知領域がディスアーム状態である場合には第2表示態様で表示されるようにしてある。
【0042】
第1表示態様及び第2表示態様は、例えば色又は模様などが互いに異なり、この実施形態において、第1表示態様では領域表示X及びシンボルYが黄色で表示され、第2表示態様では領域表示X及びシンボルYが青色で表示される。
【0043】
また、本実施形態の表示部22は、検知センサ10が物体を検知した場合に、その物体が検知された検知領域に対応する領域表示X及びシンボルYを、上述した第1表示態様及び第2表示態様とは異なる第3表示態様で表示する。この実施形態において、第3表示態様では領域表示X及びシンボルYが赤色で表示される。
【0044】
なお、表示部22は、それぞれの表示態様の意味を示す凡例Zを、警戒エリアマップMと同時にディスプレイD上に表示している。
【0045】
ところで、本実施形態の警戒エリアは、1又は複数の広域エリアと、広域エリアに含まれる1又は複数の狭域エリアとを用いて階層化されており、ここでは、狭域エリアに含まれるさらに下位の1又は複数の詳細エリアを用いて3階層に階層化されている。ただし、警戒エリアとしては、2階層に階層化されていても良いし、4階層以上に階層化されていても構わないし、さらには警戒エリアを必ずしも階層化する必要もない。
【0046】
広域エリアは、例えば警戒エリアの全体として設定されており、少なくとも1つ以上の検知領域が含まれている。
【0047】
狭域エリアは、例えば警戒エリアの一部の範囲として設定されており、複数の検知領域が含まれていても良いし、1つの検知領域が含まれていても良い。
【0048】
詳細エリアは、例えば1つの検知領域に対応する範囲として設定されており、言い換えれば、検知領域それぞれと一対一に対応して設定されている。
【0049】
かかる構成において、本実施形態の表示部22は、図3に示すように、警戒エリアマップMと同時にディスプレイD上に、広域エリア、狭域エリア、及び詳細エリアの名称をツリー表示する。
【0050】
より具体的に説明すると、ここでの広域エリアの名称は「本社」であり、狭域エリアの名称は「西館」であり、詳細エリアの名称は、「通用口」、「北西境界」、及び「南側」である。ただし、各エリアの名称はこれに限らず、適宜変更して構わないし、新たなエリアを登録すること、登録済みのエリアを削除することも可能である。
【0051】
このツリー表示Tにおいて、広域エリア、狭域エリア、又は狭域エリアが複数設定されている場合、それらは一覧表示されるとともに、その一覧を開いたり閉じたりすることができる。
【0052】
また、ツリー表示Tに表示されている各エリアの名称は、対応する領域がアーム状態である場合には第1実施態様で表示され、対応する検知領域がディスアーム状態である場合には第2表示態様で表示されるようにしてあり、具体的には、第1実施態様では黄色で表示され、第2実施態様では青色で表示される。ただし、これらの名称は、対応する領域がアーム状態であるかディスアーム状態であるかに関わらず、統一された表示態様で表示されても良い。
【0053】
ここで、図3に示す警戒エリアマップMは、警戒エリアの全体を俯瞰したものであり、言い換えれば、広域エリアを表示したものであるが、この警戒エリアマップMは、拡大、縮小、又はスクロール可能であっても良い。
【0054】
具体的な実施態様としては、例えばマウスやタッチパネル等の選択手段を用いて狭域エリアや詳細エリアを選択した場合に、そのエリアとして設定されている範囲に警戒エリアマップMが自動的に拡大、縮小、又はスクロールする態様を挙げることができる。
また、別の実施態様としては、例えばマウスやタッチパネル等の選択手段を用いて、警戒エリアマップMを手動で拡大、縮小、又はスクロールできるようにしても良い。
【0055】
然して、本実施形態のセキュリティシステム100は、図4に示すように、ディスプレイD上の領域表示X又はシンボルYを操作することにより、状態切替部21が、操作された領域表示X又はシンボルYに対応する検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるように構成されている。
【0056】
より具体的に説明すると、本実施形態の表示部22は、ディスプレイD上の領域表示X又はシンボルYを、例えばマウスやタッチパネル等の選択手段Sを用いて選択可能に表示している。
【0057】
より詳細には、領域表示Xとして表示されている直線、領域表示Xとして表示されている平面的な領域の内側、又は、シンボルYを例えばマウスの右クリックなどにより選択すると、表示部22は、図4に示すように、その選択された領域表示X又はシンボルYに対応する検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるための切替ウィンドウWを表示する。
【0058】
そして、この切替ウィンドウWを操作することで検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができる。
【0059】
この実施形態では、ディスプレイD上の領域表示Xを操作することによっても、シンボルYを操作することによっても、状態切替部21が検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるように構成されている。
【0060】
かかる構成において、領域表示XとシンボルYとの一方を操作することにより、表示部22が、その一方の表示態様を切り替えるとともに、他方の表示態様も連動して切り替える。
【0061】
つまり、ある領域表示Xを操作して、対応する検知領域をアーム状態又はディスアーム状態の一方から他方に切り替えると、その領域表示Xの表示態様が第1表示態様又は第2表示態様の一方から他方に(例えば黄色から青色に)切り替わるとともに、その検知領域に対応するシンボルYの表示態様が第1表示態様又は第2表示態様の一方から他方に(例えば黄色から青色に)切り替わる。
【0062】
さらに、この実施形態では、ディスプレイD上のツリー表示Tを操作することによっても、状態切替部21が検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えられるように構成されている。
【0063】
より具体的に説明すると、本実施形態の表示部22は、ツリー表示されている広域エリア、狭域エリア、又は詳細エリアそれぞれに対応して、検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるためのチェックボックス等の切替欄Bを表示している。
【0064】
そして、この切替欄Bを例えばマウスやタッチパネル等の選択手段Sを用いて選択すると、状態切替部21が、対応する1又は複数の検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替える。
【0065】
この構成により、例えば広域エリアに対応する切替欄Bを選択すると、その下位の階層として含まれる狭域エリア及び詳細エリアに対応する検知領域の全てが、一括してアーム状態又はディスアーム状態に切り替わる。
【0066】
同様に、狭域エリアに対応する切替欄Bを選択すると、その下位の階層として含まれる詳細エリアに対応する検知領域の全てが、一括してアーム状態又はディスアーム状態に切り替わる。
【0067】
一方、詳細エリアに対応する切替欄Bを選択すると、詳細エリアそれぞれを個別にアーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができる。
【0068】
この実施形態では、領域表示X又はシンボルYと、ツリー表示Tとの一方を操作することにより、表示部22が、その一方の表示態様を切り替えるとともに、他方の表示態様も連動して切り替えるように構成されている。
【0069】
すなわち、本実施形態では、領域表示X、シンボルY、及びツリー表示Tのどれを操作しても対応する検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができ、且つ、領域表示Xの表示態様、シンボルYの表示態様、及びツリー表示Tの表示態様が連動して切り替わる。
【0070】
[本実施形態の作用効果]
このように構成されたセキュリティシステム100によれば、ディスプレイD上の警戒エリアマップMに重ねて表示された領域表示X又はシンボルYを操作することにより、検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができるので、その切り替えようとする検知領域が、警戒エリアのどの場所に対応するかを一目で把握することができ、従来よりも使い勝手の良いシステムを提供することができる。
【0071】
また、領域表示X及びシンボルYの表示態様が、対応する検知領域がアーム状態であるか又はディスアーム状態であるかを表しているので、検知領域が、警戒エリアのどの場所に対応するかのみならず、アーム状態であるかディスアーム状態であるかをも一目で把握することができ、より使い勝手の良いものとなる。
【0072】
さらに、ディスプレイD上の検知領域を操作することによっても、シンボルYを操作することによっても、ツリー表示Tを操作することによっても、状態切替部21が検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるので、操作性の向上を図れる。
【0073】
しかも、領域表示X、シンボルY、及びツリー表示Tの表示態様が連動して切り替わるので、検知領域がアーム状態であるか又はディスアーム状態であるかの視認性を向上させることができる。
【0074】
加えて、警戒エリアマップMが、拡大、縮小、又はスクロール可能であるので、警戒エリアマップMの表示の自由度を向上させることができる。
【0075】
[その他の実施形態]
なお、本願発明は、前記実施形態に限られるものではない。
【0076】
例えば、前記実施形態では、検知領域として直線的な領域と平面的な領域との両方が設定されている態様を述べたが、図5に示すように、平面的な領域を用いることなく、1又は複数本の直線的な領域のみが設定されていても良いし、図示していないが、直線的な領域を用いることなく、1又は複数の平面的な領域のみが設定されていても良い。
かかる構成においても、図6に示すように、領域表示Xを操作することにより、対応する検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができる。
【0077】
また、情報処理装置20としては、前記実施形態では検知センサ10から出力された信号を例えばネットワークを介して取得するものであったが、図7に示すように、ネットワークを介さずに、検知センサ10からリレー出力された信号を取得するものであっても構わない。
【0078】
さらに、図8に示すように、リモートコントローラRCから検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるためのコマンドを送信し、そのコマンドを情報処理装置20が受け付けた場合に、状態切替部21が、検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるように構成されていても良い。なお、この構成においても、表示部22としては、検知領域に対応する領域表示X、シンボルY、ツリー表示Tの表示態様を連動して切り替えることが好ましい。
【0079】
加えて、本願発明に係るセキュリティシステム100としては、図9に示すように、検知領域を予め設定した時刻にアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるタイマー機能を備えていても良い。
【0080】
具体的に表示部22は、図9に示すように、例えば予め設定した曜日の予め設定した時刻に、それぞれの検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替えるためのスケジュールウィンドウW2を表示する。そして、このスケジュールウィンドウW2を操作することにより、それぞれの検知領域をアーム状態又はディスアーム状態に切り替える時刻を個別に設定することができる。
なお、ここでは、スケジュールウィンドウW2を操作することにより、それぞれの検知領域に対するタイマー機能を個別にオン・オフできるようにしてある。
【0081】
前記実施形態では、警戒エリアに含まれる広域エリアとして「本社」を取り上げて説明したが、警戒エリアとして、本社のみならず支社など複数の広域エリアが含まれていても良い。
この場合のセキュリティシステム100としては、複数の広域エリアのうち1つを選択することにより、警戒エリアマップMが選択された広域エリアに対応するものに移り変わるように構成されていても良い。
より具体的な実施態様としては、情報処理装置20が、警戒エリアマップMを複数格納したマップ格納部をさらに備えており、表示部22により表示されている警戒エリアマップMが、マップ格納部に格納されている複数の中から選択されたものに移り変わる態様を挙げることができる。
このような構成であれば、例えば本社と支社が遠く離れている場合などにおいても、それぞれに対応する警戒エリアマップMを表示させることができ、より使い勝手が良くなる。
【0082】
また、前記実施形態では、セキュリティシステム100を業務用施設に適用した例について説明したが、空港施設に適用して、表示部22が、空港における警戒エリアを俯瞰した警戒エリアマップMを表示しても良い。
【0083】
その他、本願発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0084】
100・・・セキュリティシステム
10 ・・・検知センサ
20 ・・・情報処理装置
D ・・・ディスプレイ
21 ・・・状態切替部
22 ・・・表示部
M ・・・警戒エリアマップ
X ・・・領域表示
Y ・・・シンボル
W ・・・切替ウィンドウ
T ・・・ツリー表示
B ・・・切替欄
RC ・・・リモートコントローラ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9