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特開2024-3475セキュリティシステム及びセキュリティシステム用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003475
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】セキュリティシステム及びセキュリティシステム用プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240105BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20240105BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240105BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G08B23/00 510D
G08B25/00 510E
G08B25/04 E
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102653
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】317006258
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】竹本 雅昭
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
【Fターム(参考)】
5C054CA01
5C054CA04
5C054CA05
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA05
5C054EC07
5C054FC13
5C054FD03
5C054FE11
5C054FE12
5C054FE18
5C054FE24
5C054FE26
5C054FE28
5C054FF03
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB74
5C087DD20
5C087EE05
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
(57)【要約】
【課題】警戒エリアが広い場合であっても、検知センサにより検知された侵入者等の動きを直感的に把握しやすくする。
【解決手段】警戒エリアの複数箇所に検知センサが設けられたセキュリティシステム100であって、ある検知センサ10に物体が検知された場合と、その物体が移動して別の検知センサ10に検知された場合とのそれぞれにおいて、検知センサ10の検知領域とともに物体が撮像されたリアル画像A1と、リアル画像A1とは別の角度から視た検知領域の画像に物体の動きを重ね合わせた合成画像A2とを、それぞれの画像A1、A2における物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示する表示部22を備えるようにした。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警戒エリアの複数箇所に検知センサが設けられたセキュリティシステムであって、
ある検知センサに物体が検知された場合と、その物体が移動して別の検知センサに検知された場合とのそれぞれにおいて、前記検知センサの検知領域とともに前記物体が撮像されたリアル画像と、前記リアル画像とは別の角度から視た前記検知領域の画像に前記物体の動きを重ね合わせた合成画像とを、それぞれの画像における前記物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示する表示部を備えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項2】
ある前記検知センサに検知された物体が移動して別の前記検知センサに検知された場合、前記表示部が、前記リアル画像及び前記合成画像を切り替えるように構成されている、請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記表示部が、前記リアル画像及び前記合成画像を、それぞれの画像における前記物体の水平方向に沿った動きが揃うように表示する、請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記合成画像が、前記検知領域を含むマップを回転又は反転させたものに前記物体の動きを重ね合わせたものである、請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記リアル画像が、前記検知領域を撮像した画像の生データを回転又は反転させたものである、請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項6】
前記検知センサが物体を検知した場合に、そのことを外部の通信端末に通知する通知部を備える、請求項1記載のセキュリティシステム。
【請求項7】
前記通知部が、前記リアル画像又は前記合成画像の少なくとも一方を前記通信端末に送信する、請求項6記載のセキュリティシステム。
【請求項8】
警戒エリアの複数箇所に検知センサが設けられたセキュリティシステムに用いられるプログラムであって、
ある検知センサに物体が検知された場合と、その物体が移動して別の検知センサに検知された場合とのそれぞれにおいて、前記検知センサの検知領域とともに前記物体が撮像されたリアル画像と、前記リアル画像とは別の角度から視た前記検知領域の画像に前記物体の動きを重ね合わせた合成画像とを、それぞれの画像における前記物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示する表示部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするセキュリティシステム用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、セキュリティシステム及びセキュリティシステム用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のセキュリティシステムとしては、特許文献1に示すように、検知センサの検知領域の実際の映像であるリアル画像と、その検知領域を例えば上方などの別の角度から視た画像に検知センサが検知した人物の動きを重ね合わせた合成画像とを同一画面に表示するように構成されたものがある。
【0003】
かかる構成により、検知センサが検知した人物をリアル画像で確認しながら、その人物が検知領域内をどのように動いているかをも合成画像で確認することができ、例えば侵入者が検知された場合に迅速な対応を取ることができる。
【0004】
しかしながら、これまでのセキュリティシステムにおいて、検知センサが複数箇所に設けられているような広い警戒エリアに適用される場合については十分に検討がなされていない。
【0005】
その結果、ある検知センサに検知された物体が移動して別の検知センサに検知された場合、例えば合成画像がマップなどを利用したものであって、北が上向きとなるような表示態様に決められていると、合成画像とリアル画像との間で物体の動く向きが不揃いになることがあり、侵入者等の動きを直感的に把握し難くなる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-185115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本願発明は、上述した課題を一挙に解決するべくなされたものであり、警戒エリアが広い場合であっても、検知センサにより検知された侵入者等の動きを直感的に把握しやすくすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明に係るセキュリティシステムは、警戒エリアの複数箇所に検知センサが設けられたセキュリティシステムであって、ある検知センサに物体が検知された場合と、その物体が移動して別の検知センサに検知された場合とのそれぞれにおいて、前記検知センサの検知領域とともに前記物体が撮像されたリアル画像と、前記リアル画像とは別の角度から視た前記検知領域の画像に前記物体の動きを重ね合わせた合成画像とを、それぞれの画像における前記物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示する表示部を備えることを特徴とするものである。
【0009】
このように構成されたセキュリティシステムによれば、ある検知センサに物体が検知された場合と、その物体が移動して別の検知センサに検知された場合とのそれぞれにおいて、リアル画像と合成画像との物体の動く向きが揃うように表示されるので、警戒エリアが広い場合であっても、検知センサにより検知された侵入者等の動きを直感的に把握しやすくなる。
【0010】
ある前記検知センサに検知された物体が移動して別の前記検知センサに検知された場合、前記表示部が、前記リアル画像及び前記合成画像を切り替えるように構成されていることが好ましい。
このような構成であれば、侵入者等が広範囲に亘って動いたとしても、それぞれの検知センサに検知されるたびにリアル画像及び合成画像が切り替わるので、侵入者等の動きを確実に追うことができる。
しかも、このようにリアル画像及び合成画像を切り替える構成であれば、複数のリアル画像及び複数の合成画像を同時に表示する構成に比べて、1つ1つの画像を大きく表示することができ、視認性が良い。
【0011】
前記表示部が、前記リアル画像及び前記合成画像を、それぞれの画像における前記物体の水平方向に沿った動きが揃うように表示することが好ましい。
このような構成であれば、物体の動きを直感的に把握しやすくなるといった本願発明の作用効果をより顕著に発揮させることができる。
【0012】
具体的な実施態様としては、前記合成画像が、前記検知領域を含むマップを回転又は反転させたものに前記物体の動きを重ね合わせたものである態様を挙げることができる。
また、別の実施態様としては、前記リアル画像が、前記検知領域を撮像した画像の生データを回転又は反転させたものである態様を挙げることができる。
こうした構成であれば、簡単な画像処理により、リアル画像及び合成画像のそれぞれにおける物体の動く向きを揃えることができる。
【0013】
前記検知センサが物体を検知した場合に、そのことを外部の通信端末に通知する通知部を備えることが好ましい。
このような構成であれば、侵入者等が検知されたことを迅速に知らせることができる。
【0014】
前記通知部が、前記リアル画像又は前記合成画像の少なくとも一方を前記通信端末に送信することが好ましい。
このような構成であれば、侵入者等の動きを現場から離れた位置で(リモートで)把握することができるうえ、侵入者等がどの場所に設置された検知領域で検知されたかを知ることができる。
【0015】
また、本願発明に係るセキュリティシステム用プログラムは、警戒エリアの複数箇所に検知センサが設けられたセキュリティシステムに用いられるプログラムであって、ある検知センサに物体が検知された場合と、その物体が移動して別の検知センサに検知された場合とのそれぞれにおいて、前記検知センサの検知領域とともに前記物体が撮像されたリアル画像と、前記リアル画像とは別の角度から視た前記検知領域の画像に前記物体の動きを重ね合わせた合成画像とを、それぞれの画像における前記物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示する表示部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするものである。
このように構成されたセキュリティシステム用プログラムによれば、上述したセキュリティシステムと同様の作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0016】
本願発明によれば、警戒エリアが広い場合であっても、検知センサにより検知された侵入者等の動きを直感的に把握しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願発明に係る一実施形態のセキュリティシステムの構成を示す概略図。
図2】同実施形態の情報処理装置の機能を示す機能ブロック図。
図3】同実施形態の表示部が表示するリアル画像及び合成画像を示す模式図。
図4】同実施形態の表示部が表示するリアル画像及び合成画像を示す模式図。
図5】同実施形態の表示部の特徴を説明するための参考図。
図6】同実施形態の表示部の特徴を説明するための参考図。
図7】同実施形態の表示部が表示するリアル画像及び合成画像を示す模式図。
図8】同実施形態の表示部が表示するリアル画像及び合成画像を示す模式図。
図9】その他の実施形態の情報処理装置の機能を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願発明の一実施形態におけるセキュリティシステムについて図面を参照しながら説明する。
【0019】
[システム構成]
本実施形態のセキュリティシステムは、例えばオフィスなどの業務施設、商業用施設、空港、駅など種々の施設の警備に用いられるものであり、施設内又は施設周辺における警戒エリアへの侵入者を検知するためのものである。
【0020】
具体的にこのセキュリティシステム100は、図1に示すように、複数の検知センサ10と、これらの検知センサ10から出力された信号を取得する情報処理装置20とを備えている。
【0021】
検知センサ10は、施設内又は施設周辺における警戒エリアの複数箇所に設けられており、予め設定された検知領域に侵入した侵入者等の物体を検知するとともに、そのことを示す信号を発信するものである。
【0022】
具体的に検知センサ10としては、受動型赤外線センサ、能動型赤外線センサ、マイクロ波或いはミリ波を用いたレーダーセンサ、又は、撮像素子を用いたカメラセンサなど、種々の人体検知センサを挙げることができる。
【0023】
情報処理装置20は、図1に示すように、検知センサ10から出力された信号を例えばネットワークを介して取得するとともに、取得した情報を含むセキュリティに関する種々の情報をディスプレイDに表示するものである。
【0024】
この情報処理装置20は、CPU、メモリ、ディスプレイD等を備えた汎用乃至専用のコンピュータであって、前記メモリに格納されたセキュリティシステム用プログラムに従って、CPUやその周辺機器が協働することにより、図2に示すように、少なくとも状態切替部21及び表示部22としての機能を発揮するものである。
【0025】
状態切替部21は、検知センサ10の検知領域の状態を切り替えるものであり、具体的には、それぞれの検知センサ10の検知領域を、物体が検知された場合に警報信号が出力されるアーム状態、又は、そのアーム状態が解除されたディスアーム状態に切り替える。なお、検知領域それぞれの状態は、この実施形態では例えばマウスやタッチパネル等の選択手段Sを用いて、アーム状態又はディスアーム状態に切り替えることができる。
【0026】
アーム状態は、検知センサ10が物体を検知した場合に、そのことを示す信号が検知センサ10から出力されるとともに、検知センサ10が物体を検知したことを示す警告等がディスプレイDに表示される状態である。
【0027】
一方、ディスアーム状態は、上述した警告等がディスプレイDに表示されない状態である。具体的には、検知センサ10の検知機能を停止させて、その検知センサ10が物体を検知しない状態であっても良いが、この実施形態では、検知センサ10の検知機能は発揮される状態にしつつ、検知センサ10が物体を検知したとしても、信号処理を通じて警告等がディスプレイDに表示されないようにした状態である。
【0028】
表示部22は、ここでは情報処理装置20が備えるディスプレイDにセキュリティに関する種々の情報を表示するものである。ただし、表示部22としては、情報処理装置20とは別のコンピュータが備えるディスプレイや、携帯電話或いはタブレット等の携帯端末が備えるディスプレイなどに種々の情報を表示するものであっても良い。
【0029】
本実施形態の表示部22は、図3に示すように、検知センサ10が複数箇所に設けられた警戒エリアを俯瞰した警戒エリアマップMをディスプレイD上に表示する。
【0030】
警戒エリアマップMは、施設周辺の地理的特徴や施設内の間取りなど、警戒エリアの種々の特徴を含む俯瞰画像であり、例えば警戒エリアを含む航空写真、地図、平面図、又は地表画像などを挙げることができる。
【0031】
なお、図3においては、セキュリティシステム100を業務用施設に適用した場合を示してあり、警戒エリアマップMとしては、施設周辺に設定されている警戒エリアの全体を俯瞰したものを記載している。ただし、表示部22としては、警戒エリアの一部を俯瞰した警戒エリアマップMを表示するものであっても良い。
【0032】
さらに表示部22は、図3に示すように、警戒エリアマップMに重ねて検知センサ10の検知領域を示す領域表示Xを表示する。
【0033】
ここで、検知センサ10の検知領域は、それぞれ検知センサ10毎に適宜設定されており、例えばある場所から別の離れた場所を結ぶ1又は複数本の直線的な領域として設定されていても良いし、ある範囲を有する平面的な領域として設定されていても良い。
【0034】
なお、平面的な検知領域としては、水平方向に沿った水平面、鉛直方向に沿った鉛直面、水平方向及び鉛直方向それぞれに対して傾いた傾斜面を挙げることができ、これらの検知領域の平面視形状は、例えば矩形状、三角形状、多角形状、円形状、部分円形状など、種々の形状に設定して構わない。
【0035】
領域表示Xは、図3に示すように、検知センサ10の実際の検知領域を警戒エリアマップM上で模式的に表したものであり、実際の検知領域を忠実に表したものであっても良いし、実際の検知領域との間にややズレのあるものであっても良い。
【0036】
ここで、本実施形態のセキュリティシステム100は、検知センサ10の検知領域を撮像する撮像手段(不図示)を備えており、表示部22は、図3に示すように、撮像手段により撮像された検知領域のリアル画像A1を表示する。なお、撮像手段は、検知センサ10と一体的に設けられていても良いし、検知センサ10とは別体として例えば検知センサ10とは別の場所に設けられていても良い。
【0037】
リアル画像A1は、検知領域をリアルタイムで映した動画像であり、図3においては、検知領域を正面から撮像したものを示してある。なお、後述するが、リアル画像A1は、検知領域を正面から撮像したものに限らず、例えば検知領域を上方から撮像したものなど、検知領域ごとに決められた角度から撮像したものとすることができる。
【0038】
本実施形態の表示部22は、上述した警戒エリアマップMと同一画面上にリアル画像A1を表示するものであり、ここでは警戒エリアマップMにリアル画像A1を重ねて表示している。ただし、リアル画像A1は、必ずしも警戒エリアマップMと重ねられる必要はなく、例えば警戒エリアマップMの近傍に並べて表示されても良い。
【0039】
また、表示部22は、図4に示すように、上述したリアル画像A1のみならず、リアル画像A1とは別の角度から視た検知領域の画像に、その検知領域で検知された物体の動きを重ね合わせた合成画像A2を表示する。
【0040】
具体的に合成画像A2は、検知領域における物体の動きを示すマーカZなどがリアルタイムで表示されるものであり、図4においては、上述した警戒エリアマップMに物体の動きを示すマーカZを重ね合わせたものを合成画像A2として表示してある。つまり、図4における合成画像A2は、検知領域を上方から視た画像に物体の動きを示すマーカZを重ね合わせたものである。
なお、以下では、説明の便宜上、「物体の動きを示すマーカZ」を単に「物体の動き」ともいう。
【0041】
上述した構成により、リアル画像A1と合成画像A2とが同一画面上に同時に表示されることとなり、これにより、検知領域において侵入者等の物体が検知された場合は、リアル画像A1と合成画像A2との双方に、物体の動きが現れることになる。なお、図4においては、表示部22が、リアル画像A1にも物体の動きを示すマーカZを重ねて表示している。
【0042】
ところで、図4においては、リアル画像A1の右側は、北を上にした警戒エリアマップMの右側となり、リアル画像A1の左側は、北を上にした警戒エリアマップMの左側となっているので、リアル画像A1で例えば右から左に動く物体の動きは、合成画像A2たる警戒エリアマップMにおいても右から左の動きとなり、両画像A1、A2における物体の動く向きが一致する。
【0043】
しかしながら、リアル画像A1と合成画像A2とにおける物体の動く向きが一致しない場合があり、これらの場合について、以下に図5及び図6を参照しながら説明する。
【0044】
まず、図5の参考図に示すように、リアル画像A1が、建物に屋上などの上方から検知領域を見下ろすように撮像されたものであり、その検知領域が北を上にした警戒エリアマップMにおいて建物の南側に位置している場合、仮にリアル画像A1及び合成画像A2をそのまま表示すると、リアル画像A1の右側が合成画像A2たる警戒エリアマップMの左側となり、リアル画像A1の左側が合成画像A2たる警戒エリアマップMの右側となる。
【0045】
また、図5においては、警戒エリアマップMの他に、検知領域を予め正面から撮像した背景図Bに物体の動きを重ね合わせた合成画像A2をも表示しているが、上述したように仮にリアル画像A1及び合成画像A2をそのまま表示すると、リアル画像A1の右側が合成画像A2たる背景図Bの左側となり、リアル画像A1の左側が合成画像A2たる背景図Bの右側となる。
【0046】
その結果、仮にリアル画像A1及び合成画像A2をそのまま表示すると、リアル画像A1で例えば右から左に動く物体の動きは、合成画像A2たる警戒エリアマップM又は背景図Bにおいては左から右の動きとなり、両画像A1、A2における物体の動く向きが逆向きになる。
【0047】
次に、図6の参考図に示すように、リアル画像A1が、検知領域を建物側から撮像したものであり、その検知領域が北を上にした警戒エリアマップMにおいて建物の南側に位置している場合、仮にリアル画像A1及び合成画像A2をそのまま表示すると、リアル画像A1の右側が合成画像A2たる警戒エリアマップMの左側となり、リアル画像A1の左側が合成画像A2たる警戒エリアマップMの右側となる。
【0048】
その結果、これらの場合には、仮にリアル画像A1及び合成画像A2をそのまま表示すると、リアル画像A1で例えば左から右に動く物体の動きは、合成画像A2たる警戒エリアマップMにおいては右から左の動きとなり、両画像A1、A2における物体の動く向きが逆向きになる。
【0049】
そこで、本実施形態の表示部22は、図7及び図8に示すように、リアル画像A1と合成画像A2とを、それぞれの画像A1、A2における物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示する。
【0050】
より詳細に説明すると、表示部22の一態様としては、図7に示すように、検知領域を撮像した画像の生データを回転させたものをリアル画像A1として表示する態様を挙げることができる。具体的にこの表示部22は、検知領域を撮像した画像の生データを180度回転させたものをリアル画像A1として表示している。
【0051】
また、表示部22の別の態様としては、図8に示すように、警戒エリアマップMとは別に、検知領域を含むマップを回転させたものに物体の動きを重ね合わせた画像を合成画像A2として表示する態様を挙げることができる。具体的にこの表示部22は、北を上にしたマップを180度回転させたマップ、すなわち南を上に下マップに物体の動きを重ね合わせた画像を合成画像A2として表示している。
【0052】
このように、表示部22は、リアル画像A1又は合成画像A2の一方を回転させたものとして表示することにより、リアル画像A1及び合成画像A2を、それぞれの画像A1、A2における物体の水平方向に沿った動きが揃うように表示する。
【0053】
かかる構成において、ある検知センサ10に物体が検知された場合と、その物体が移動して別の検知センサ10に検知された場合とのそれぞれにおいて、表示部22が、リアル画像A1と合成画像A2とを、それぞれの画像A1、A2における物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示することになる。
【0054】
そして、この実施形態では、ある検知センサ10(以下、第1検知センサ10という)に検知された物体が移動して別の検知センサ10(以下、第2検知センサ10という)に検知された場合、表示部22が、リアル画像A1及び合成画像A2を切り替える。
【0055】
つまり、侵入者等の物体が第1検知センサ10に検知されると、まずは、第1検知センサ10の検知領域のリアル画像A1及び合成画像A2が、両画像A1、A2における物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示される。
【0056】
その後、侵入者等の物体が第1検知センサ10の検知領域から第2検知センサ10の検知領域に移動すると、本実施形態の表示部22は、画面上のリアル画像A1及び合成画像A2を、第2検知センサ10の検知領域のリアル画像A1及び合成画像A2に切り替え、これらのリアル画像A1及び合成画像A2が、両画像A1、A2における物体の動く向きが揃うように同一画面上に表示される。
【0057】
[本実施形態の作用効果]
このように構成されたセキュリティシステム100によれば、ある検知センサ10に物体が検知された場合と、その物体が移動して別の検知センサ10に検知された場合とのそれぞれにおいて、リアル画像A1と合成画像A2との物体の動く向きが揃うように表示されるので、警戒エリアが広い場合であっても、検知センサ10により検知された侵入者等の動きを直感的に把握しやすくなる。
【0058】
特に、リアル画像A1及び合成画像A2それぞれにおける侵入者等の水平方向に沿った動きを揃えているので、侵入者等の動きをより直感的に把握することができ、例えば異常時などに迅速な対応を取れる。
【0059】
しかも、ある検知センサ10に検知された物体が移動して別の検知センサ10に検知された場合、表示部22が、リアル画像A1及び合成画像A2を切り替えるので、侵入者等が広範囲に亘って動いたとしても、その動きを確実に追うことができる。
【0060】
また、表示部22の具体的な実施態様が、検知領域を含むマップや検知領域を撮像した画像の生データを回転させたものであるので、簡単な画像処理により、リアル画像A1及び合成画像A2のそれぞれにおける物体の動く向きを揃えることができる。
【0061】
そのうえ、表示部22が、リアル画像A1のみならず、合成画像A2をも表示するので、例えば夜間や悪天候の場合や検知された人物が遠い場合などであっても、リアル画像A1の中のどこに検知した人物がいるかを見つけやすくなる。
【0062】
[その他の実施形態]
なお、本願発明は、前記実施形態に限られるものではない。
【0063】
例えば、本願発明に係る情報処理装置20としては、図9に示すように、検知センサ10が物体を検知した場合に、そのことを外部の通信端末CTに通知する通知部23を備えていても良い。
【0064】
この通知部23は、例えばメッセージなどを送信することにより、検知センサ10が物体を検知したことを通知するものであり、外部の通信端末CTとしては、携帯電話或いはタブレット等の携帯端末や、例えば警備会社のコンピュータなどを挙げることができる。
このような構成であれば、侵入者等が検知されたことを迅速に知らせることができる。
【0065】
また、通知部23としては、検知センサ10が物体を検知した場合に、リアル画像A1又は合成画像A2の少なくとも一方を通信端末CTに送信するように構成されていても良い。
この場合、前記実施形態で述べたような、リアル画像A1又は合成画像A2を回転させたものとして送信しても良いし、回転させていない状態のリアル画像A1又は合成画像A2を送信しても良い。なお、通知部23が送信する画像は、静止画であっても良いし、動画であっても良い。
このような構成であれば、侵入者等の動きを現場から離れた位置で(リモートで)把握することができるうえ、侵入者等がどの場所に設置された検知領域で検知されたかを知ることができる。
【0066】
さらに、リアル画像A1又は合成画像A2をメモリにバッファリングしておき、検知センサ10が物体を検知した場合に、通知部23がその検知時刻よりも前のリアル画像A1又は合成画像A2を、検知時刻よりも後のリアル画像A1又は合成画像A2と併せて送信しても良い。
【0067】
また、前記実施形態では、リアル画像A1と合成画像A2とのそれぞれにおける物体の動く向きが揃うように、前記実施形態ではリアル画像A1又は合成画像A2を180度回転させたものとして表示させていたが、リアル画像A1又は合成画像A2を例えば90度させたものとして表示するなど、回転角度は適宜変更して構わないし、さらには、リアル画像A1又は合成画像A2を左右反転又は上下反転させたものとして表示させても構わない。
【0068】
加えて、表示部22は、前記実施形態では、第1検知センサ10に検知された物体が移動して別の第2検知センサ10に検知された場合、表示部22が、リアル画像A1及び合成画像A2を切り替えるものであったが、第1検知センサ10に対応するリアル画像A1及び合成画像A2と、第2検知センサ10に対応するリアル画像A1及び合成画像A2とを切り替えることなく同時に表示するように構成されていても良い。
つまり、表示部22としては、複数の検知センサ10それぞれに対応する複数のリアル画像A1及び複数の合成画像A2を同時に表示するものであっても良い。
【0069】
その他、本願発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0070】
100・・・セキュリティシステム
10 ・・・検知センサ
D ・・・ディスプレイ
20 ・・・情報処理装置
21 ・・・状態切替部
22 ・・・表示部
23 ・・・通知部
M ・・・警戒エリアマップ
X ・・・領域表示
A1 ・・・リアル画像
A2 ・・・合成画像
B ・・・背景図
Z ・・・マーカ(物体の動き)
CT ・・・通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9