(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034753
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】制御装置、冷凍機、凝縮器ユニットの制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
F25B 6/02 20060101AFI20240306BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
F25B6/02 Z
F25B1/00 381D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139218
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 航平
(72)【発明者】
【氏名】岡田 有二
(72)【発明者】
【氏名】在本 崚平
(57)【要約】
【課題】安定した冷凍性能を発揮することができる制御装置、冷凍機、凝縮器ユニットの制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】制御装置は、ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットの制御装置であって、凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値を取得する実測値取得部と、冷媒出口温度の目標値を取得する目標値取得部と、実測値と目標値との温度差を取得する温度差取得部と、温度差に基づき、複数台の凝縮器の稼働台数を制御する凝縮器制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットの制御装置であって、
前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値を取得する実測値取得部と、
前記冷媒出口温度の目標値を取得する目標値取得部と、
前記実測値と前記目標値との温度差を取得する温度差取得部と、
前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器の稼働台数を制御する凝縮器制御部と、
を備える
制御装置。
【請求項2】
前記凝縮器制御部は、複数台の前記凝縮器における前記ファンを稼働又は停止させることで、複数台の前記凝縮器の稼働台数を制御する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記凝縮器制御部は、複数台の前記凝縮器への冷媒の流通を断続する電磁弁を開閉することで、複数台の前記凝縮器の稼働台数を制御する
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記凝縮器制御部は、
前記目標値よりも前記実測値が低く、かつ前記温度差が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の前記凝縮器の稼働台数を減らす
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記凝縮器制御部は、
複数台の前記凝縮器の稼働台数が減少された状態で、前記目標値よりも前記実測値が高く、かつ前記温度差が予め設定された基準値よりも小さい場合に、稼働中の前記凝縮器の前記ファンの回転数を上昇させる
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記凝縮器制御部は、
複数台の前記凝縮器の稼働台数が減少された状態で、前記目標値よりも前記実測値が高く、かつ前記温度差が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の前記凝縮器の稼働台数を増加させる
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項7】
ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットと、
前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値を検出するセンサと、
前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の目標値を設定する目標値設定部と、
請求項1又は2に記載の制御装置と、
を備える
冷凍機。
【請求項8】
複数台の前記凝縮器は、並列に設けられている
請求項7に記載の冷凍機。
【請求項9】
複数台の前記凝縮器のそれぞれへの冷媒の流通を断続する電磁弁をさらに備える
請求項7に記載の冷凍機。
【請求項10】
ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットの制御方法であって、
前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値と前記冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップと、
前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器の稼働台数を制御するステップと、
を含む
凝縮器ユニットの制御方法。
【請求項11】
ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットの制御装置に、
前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値と前記冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップと、
前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器の稼働台数を制御するステップと、
を含む制御を実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、冷凍機、凝縮器ユニットの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷媒回路に設けられた凝縮器が、複数台の凝縮器用ファンを備え、外気温を検出する外気温センサの検出温度に応じて、複数台の凝縮器用ファンの運転台数を調整する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、凝縮器は、高温時においても、冷媒を十分に凝縮できるように、その容量が設定される。しかしながら、外気温が極度に低く、凝縮器の入口における冷媒の温度と外気温との差が大きい状態では、凝縮器で冷媒が過度に冷却されてしまうことがある。その結果、冷凍機における冷凍性能の低下に繋がることがある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、安定した冷凍性能を発揮することができる制御装置、冷凍機、凝縮器ユニットの制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る制御装置は、ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットの制御装置であって、前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値を取得する実測値取得部と、前記冷媒出口温度の目標値を取得する目標値取得部と、前記実測値と前記目標値との温度差を取得する温度差取得部と、前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器の稼働台数を制御する凝縮器制御部と、を備える。
【0007】
本開示に係る冷凍機は、ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットと、前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値を検出するセンサと、前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の目標値を設定する目標値設定部と、上記したような制御装置と、を備える。
【0008】
本開示に係る凝縮器ユニットの制御方法は、ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットの制御方法であって、前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値と前記冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップと、前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器の稼働台数を制御するステップと、を含む。
【0009】
本開示に係るプログラムは、ファンを有する凝縮器を複数台備えた凝縮器ユニットの制御装置に、前記凝縮器ユニットにおける冷媒出口温度の実測値と前記冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップと、前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器の稼働台数を制御するステップと、を含む制御を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の制御装置、冷凍機、凝縮器ユニットの制御方法、及びプログラムによれば、安定した冷凍性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態に係る冷凍機の構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る凝縮器ユニットの構成を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る凝縮器ユニットの制御方法の手順を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図6】本開示の変形例に係る凝縮器の稼働台数を制御するステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態に係る冷凍機、冷凍機の制御装置、冷凍機の制御方法、及びプログラムについて、
図1~
図5を参照して説明する。
(冷凍機の構成)
図1に示すように、冷凍機1は、圧縮部2と、凝縮器ユニット3と、膨張弁4と、レシーバ5と、を主に備えている。
冷凍機1は、冷凍サイクルシステムを構成する室外機である。
冷凍機1は、冷凍サイクルシステムを構成する室内機(図示無し)との間で、冷媒を循環する。
冷凍機1は、冷媒を冷却し、液冷媒を生成する。
冷凍機1は、生成した液冷媒を室内機(図示無し)に供給する。
冷凍機1は、室内機から、室内機で熱交換を行うことで温度上昇した冷媒を吸入する。
本実施形態において、冷媒は、例えば二酸化炭素(CO
2)である。
冷媒は、二酸化炭素以外のものであってもよい。
【0013】
圧縮部2は、室内機から循環される冷媒を圧縮する。
圧縮部2は、入口アキュムレータ21と、サブアキュムレータ22と、低段圧縮機23と、インタークーラ24と、中間アキュムレータ25と、高段圧縮機26と、オイルセパレータ27と、を主に備えている。
【0014】
入口アキュムレータ21は、第一配管101を通して、室内機から冷媒を吸入する。
入口アキュムレータ21は、室内機(図示無し)から吸入した冷媒を、ガス冷媒と液冷媒とに分離する。
入口アキュムレータ21には、第一配管101を通して、室内機(図示無し)から排出された冷媒が流入される。
入口アキュムレータ21は、入口アキュムレータ21内で分離されたガス冷媒を、第二配管102を通してサブアキュムレータ22に供給する。
第二配管102は、入口アキュムレータ21と、サブアキュムレータ22と、を接続する。
【0015】
入口アキュムレータ21で分離された液冷媒に含まれる油は、第一油戻し管401を通して、サブアキュムレータ22に送られる。
第一油戻し管401は、入口アキュムレータ21の底部と、第二配管102と、を接続する。
第一油戻し管401を通して第二配管102内に供給される油は、第二配管102内を流れるガス冷媒に混入し、サブアキュムレータ22に送られる。
【0016】
サブアキュムレータ22は、第二配管102を通して、入口アキュムレータ21で分離されたガス冷媒が流れ込む。
サブアキュムレータ22は、ガス冷媒と液冷媒と、を分離する。
サブアキュムレータ22は、入口アキュムレータ21で分離されたガス冷媒に含まれる、液冷媒を分離する。
サブアキュムレータ22は、サブアキュムレータ22内で分離されたガス冷媒を、第三配管103を通して、低段圧縮機23に供給する。
第三配管103は、サブアキュムレータ22と、低段圧縮機23と、を接続する。
【0017】
低段圧縮機23は、低段圧縮機23が作動することによって生じる負圧により、第三配管103を通して、サブアキュムレータ22で分離されたガス冷媒を吸い込む。
低段圧縮機23は、吸い込んだガス冷媒を圧縮する。
低段圧縮機23は、本実施形態において、第一ロータリー圧縮部231と、第一スクロール圧縮部232と、を直列に備えた二段圧縮機である。
第一ロータリー圧縮部231は、第三配管103を通して吸い込んだガス冷媒を圧縮する。
第一スクロール圧縮部232は、第一ロータリー圧縮部231で圧縮された冷媒をさらに圧縮する。
第一スクロール圧縮部232で圧縮された冷媒は、第四配管104を通してインタークーラ24に吐出される。
第四配管104は、低段圧縮機23とインタークーラ24とを接続する。
【0018】
インタークーラ24及び中間アキュムレータ25は、低段圧縮機23と高段圧縮機26との間に配置されている。
インタークーラ24は、低段圧縮機23で圧縮された冷媒が、第四配管104を通して送り込まれる。
インタークーラ24は、送り込まれた冷媒を冷却する。
インタークーラ24は、本実施形態において、例えば、空冷式である。
インタークーラ24は、インタークーラ本体241と、ファン242と、を備えている。
インタークーラ本体241は、低段圧縮機23で圧縮された冷媒の流通路(図示無し)を有している。
インタークーラ本体241は、流通管内を流れる冷媒と、流通管の外部の外気との間で熱交換を行う。
ファン242は、インタークーラ本体241に風を送り、インタークーラ本体241における熱交換の効率化を図る。
インタークーラ24で冷却された冷媒は、第五配管105を通して中間アキュムレータ25に送られる。
第五配管105は、インタークーラ24と中間アキュムレータ25と、を接続する。
【0019】
中間アキュムレータ25は、インタークーラ24で冷却され、第五配管105を通して送り込まれた冷媒を、ガス冷媒と液冷媒とに分離する。
中間アキュムレータ25内で分離されたガス冷媒は、第六配管106を通して高段圧縮機26に供給される。
第六配管106は、中間アキュムレータ25と、高段圧縮機26と、を接続する。
【0020】
中間アキュムレータ25で分離された液冷媒に含まれる油は、第二油戻し管402を通して、高段圧縮機26に送られる。
第二油戻し管402は、中間アキュムレータ25の底部と、第六配管106と、を接続する。
第二油戻し管402を通して第六配管106内に供給される油は、第六配管106内を流れる冷媒に混入し、高段圧縮機26に送られる。
【0021】
高段圧縮機26は、高段圧縮機26が作動することによって生じる負圧により、第六配管106を通して、中間アキュムレータ25で分離されたガス冷媒を吸い込む。
高段圧縮機26は、吸い込んだガス冷媒を圧縮する。
高段圧縮機26は、本実施形態において、第二ロータリー圧縮部261と、第二スクロール圧縮部262と、を直列に備えた二段圧縮機である。
第二ロータリー圧縮部261は、第六配管106を通して吸い込んだガス冷媒を圧縮する。
第二スクロール圧縮部262は、第二ロータリー圧縮部261で圧縮された高温高圧の冷媒をさらに圧縮する。
高段圧縮機26で圧縮された冷媒は、第七配管107を通してオイルセパレータ27に送られる。
第七配管107は、高段圧縮機26とオイルセパレータ27と、を接続する。
【0022】
オイルセパレータ27は、高段圧縮機26で圧縮され、第七配管107を通して送り込まれた冷媒から、冷媒に含まれる油を分離する。
オイルセパレータ27で油が分離された冷媒は、第八配管108を通して凝縮器ユニット3に送られる。
第八配管108は、オイルセパレータ27と、凝縮器ユニット3と、を接続する。
【0023】
オイルセパレータ27で分離された油は、第三油戻し管403を通してオイルタンク28に排出される。
第三油戻し管403は、オイルセパレータ27と、オイルタンク28と、を接続する。
オイルタンク28は、第三油戻し管403を通してオイルセパレータ27から排出された油を貯留する。
【0024】
オイルタンク28に貯留された油は、第四油戻し管404、第五油戻し管405を通して、低段圧縮機23、高段圧縮機26に戻される。
第四油戻し管404、第五油戻し管405の途中には、油冷却器29が備えられている。
油冷却器29は、第四油戻し管404、第五油戻し管405を通る油を冷却する。
【0025】
凝縮器ユニット3は、第八配管108を通して送られた冷媒を冷却し、凝縮させる。
図2に示すように、凝縮器ユニット3は、複数台の凝縮器30A~30Dを並列に備えている。
本実施形態において、凝縮器ユニット3は、例えば4台の凝縮器30A~30Dを備えている。
複数台の凝縮器30A~30Dは、第八配管108に対して、分岐管108a~108dを介して並列に接続されている。
分岐管108a~108dは、第八配管108から分岐している。
凝縮器30Aの冷媒入口は、分岐管108aに接続されている。
凝縮器30Bの冷媒入口は、分岐管108bに接続されている。
凝縮器30Cの冷媒入口は、分岐管108cに接続されている。
凝縮器30Dの冷媒入口は、分岐管108dに接続されている。
【0026】
凝縮器30A~30Dの各々は、本実施形態において、例えば、空冷式である。
凝縮器30A~30Dの各々は、凝縮器本体31と、ファン32と、を備えている。
凝縮器本体31は、それぞれ、冷媒の流通路(図示無し)を有している。
凝縮器本体31は、それぞれ、流通路内を流れる冷媒と、流通路の外部の外気との間で熱交換を行う。
ファン32は、凝縮器本体31に風を送り、凝縮器本体31における熱交換の効率化を図る。
【0027】
凝縮器30A~30Cに対して、冷媒の流通方向の上流側には、電磁弁35A~35Cが設けられている。
電磁弁35A~35Cは、凝縮器30A~30Cのそれぞれへの冷媒の流通を断続する。
電磁弁35Aは、分岐管108aの途中に設けられている。
電磁弁35Bは、分岐管108bの途中に設けられている。
電磁弁35Cは、分岐管108cの途中に設けられている。
【0028】
複数台の凝縮器30A~30Dは、第九配管109に対して、合流管109a~109dを介して並列に接続されている。
凝縮器30Aの冷媒出口は、合流管109aに接続されている。
凝縮器30Bの冷媒出口は、合流管109bに接続されている。
凝縮器30Cの冷媒出口は、合流管109cに接続されている。
凝縮器30Dの冷媒出口は、合流管109dに接続されている。
合流管109a~109dは、第九配管109に接続されている。
凝縮器ユニット3で冷却された冷媒は、第九配管109を通して膨張弁4に送られる。
第九配管109の下流端は、膨張弁4に接続されている。
【0029】
膨張弁4は、凝縮器ユニット3で凝縮され、第九配管109を通して送り込まれた冷媒を膨張させる。
膨張弁4は、膨張させた冷媒を、第十配管110を通してレシーバ5に送る。
第十配管110は、膨張弁4と、レシーバ5と、を接続する。
【0030】
レシーバ5は、膨張弁4で膨張され、第十配管110を通して送り込まれた冷媒を、ガス冷媒と液冷媒とに分離する。
レシーバ5は、分離した液冷媒を、第十一配管111を通して、室内機(図示無し)へ供給する。
【0031】
(制御装置の構成)
制御装置300は、冷凍機1を制御可能とされている。
制御装置300は、少なくとも、低段圧縮機23、高段圧縮機26、凝縮器ユニット3の動作を制御する。
図3に示すように、制御装置300は、Central Processing Unit(以下、「CPU」という。)310と、メモリ320と、を備える。
【0032】
CPU310は、運転制御部311と、実測値取得部312と、目標値取得部313と、温度差取得部314と、凝縮器制御部315と、を機能的に備える。
すなわち、CPU310は、所定のプログラムに基づいて動作することで、運転制御部311、実測値取得部312、目標値取得部313、温度差取得部314、凝縮器制御部315、としての機能を発揮する。
メモリ320は、制御装置300が取得する各種データを格納する。
【0033】
運転制御部311は、室内機側でなされた操作に応じて室内機から出力される制御指令に基づき、冷凍機1の運転を制御する。
運転制御部311は、室内機から出力される制御指令に基づき、低段圧縮機23、高段圧縮機26を制御する。
運転制御部311は、室内機から出力される制御指令に基づき、ファン242、32等、冷凍機1の各部の動作を制御する。
運転制御部311は、室内機から出力される制御指令に基づき、目標値設定部として、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値を設定する。
【0034】
実測値取得部312は、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値を取得する。
このため、
図2に示すように、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値を検出するセンサ38が設けられている。
センサ38は、例えば、凝縮器ユニット3の冷媒出口側に接続された第九配管109に設けられている。
センサ38は、第九配管109内を流れる冷媒の温度を検出する。
実測値取得部312は、センサ38で検出した凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値を取得する。
【0035】
図3に示す目標値取得部313は、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値を取得する。
目標値取得部313は、目標値設定部としての運転制御部311で設定された、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値を取得する。
【0036】
温度差取得部314は、実測値取得部312で取得される、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と、目標値取得部313で取得される、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値との温度差を取得する。
【0037】
凝縮器制御部315は、複数台の凝縮器30A~30Dのファン32の各々の回転数を個別に調整可能である。
凝縮器制御部315は、温度差取得部314で取得される、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づき、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。
凝縮器制御部315は、複数台の凝縮器30A~30Dにおけるファン32を個別に稼働又は停止させることで、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。
凝縮器制御部315は、複数台の凝縮器30A~30Dへの冷媒の流通を断続する電磁弁35A~35Cを開閉することで、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御してもよい。
【0038】
凝縮器制御部315は、目標値よりも実測値が低く、かつ温度差(の絶対値)が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を減らす。
凝縮器制御部315は、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、目標値よりも実測値が高く、かつ温度差(の絶対値)が予め設定された基準値よりも小さい場合に、稼働中の凝縮器30A~30Dのファン32の回転数を上昇させる。
凝縮器制御部315は、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、目標値よりも実測値が高く、かつ温度差(の絶対値)が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を増加させる。
【0039】
(冷凍機の制御方法の手順)
図4に示すように、本開示の実施形態に係る凝縮器ユニット3の制御方法S10は、冷媒出口温度の実測値と冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップS11と、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御するステップS12と、を含む。
【0040】
冷媒出口温度の実測値と冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップS11では、温度差取得部314が、実測値取得部312で取得される、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値を取得する。
ステップS11では、温度差取得部314が、目標値取得部313で取得される、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値を取得する。
温度差取得部314は、取得された凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と冷媒出口温度の目標値とに基づき、実測値と目標値との温度差を取得する。
【0041】
複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御するステップS12では、ステップS11で取得される温度差に基づき、凝縮器制御部315が、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。
凝縮器制御部315は、ステップS11で取得される、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値が、目標値取得部313で取得される、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値よりも低くなっているか否かを確認する。外気温が低い場合、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値は、冷媒出口温度の目標値よりも低くなりがちである。
凝縮器制御部315は、冷媒出口温度の実測値が、目標値よりも低い場合、複数台の凝縮器30A~30Dのファン32の回転数が、最低回転数まで下がっているか否かを確認する。
確認の結果、複数台の凝縮器30A~30Dのファン32の回転数が、最低回転数まで下がっていなければ、凝縮器制御部315は、ファン32の回転数を下げる。
また、確認の結果、複数台の凝縮器30A~30Dのファン32の回転数が、最低回転数まで下がっている場合、凝縮器制御部315は、実測値と目標値との温度差が、予め設定された基準値よりも大きいか否かを確認する。
その結果、実測値と目標値との温度差が、予め設定された基準値よりも大きければ、凝縮器制御部315は、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を減らす。
【0042】
凝縮器制御部315は、実測値と目標値との温度差が、予め設定された基準値よりも大きい場合、複数台の凝縮器30A~30Dのうちの1台、例えば、凝縮器30Aのファン32を停止させる。
ファン32を停止させると、凝縮器30Aにおいては、ファン32による風が、凝縮器本体31に当たらなくなる。その結果、凝縮器本体31における冷媒の冷却効率が低下する。凝縮器本体31では、ファン32による風が当たらなくても、周囲の空気との間で自然に熱交換を行う。このため、凝縮器本体31から吐出される冷媒の温度は、ファン32が稼働している他の凝縮器30B~30Dから吐出される冷媒の温度よりも僅かに高い。このため、凝縮器本体31から吐出される冷媒が、他の凝縮器30B~30Dから吐出される冷媒と、第九配管109内で混ざることによって、凝縮器ユニット3の冷媒出口温度は、上昇する。
【0043】
また、凝縮器制御部315は、凝縮器30Aのファン32を停止させても、実測値と目標値との温度差が、予め設定された基準値よりも大きいままである場合、変形例として、ファン32を停止させている凝縮器30Aに対して冷媒の流通方向の上流側に配置された電磁弁35Aを閉じてもよい。
電磁弁35Aを閉じると、凝縮器30Aの凝縮器本体31への冷媒の流通が遮断される。
凝縮器30Aの凝縮器本体31への冷媒の流通が遮断されると、凝縮器30Aを流れていた冷媒は、別の凝縮器30B~30Dに流れる。
このため、この変形例では、凝縮器30Aにおいてファン32停止中に周囲の空気との間で自然に冷却される冷媒をも減らすことができ、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力がさらに低下する。
その結果、冷媒出口温度が徐々に上昇することが期待される。
【0044】
複数台の凝縮器30A~30Dのうちの1台(凝縮器30A)の稼働を停止させることによって稼働台数を減少させた状態で、依然として目標値よりも実測値が低く、かつ、温度差が予め設定された基準値より大きい状態が継続されている場合、凝縮器制御部315は、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を、さらに減少させるようにしてもよい。
【0045】
また、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、冷媒出口温度の実測値が、目標値よりも高く、かつ温度差が予め設定された基準値よりも小さくなった場合、凝縮器制御部315は、稼働中の凝縮器30B~30Dのファン32の回転数を上昇させる。これにより、外気温が低い状態で、凝縮器ユニット3における冷媒の流通量が抑えられた状態であっても、冷媒を効率良く冷却することができる。
【0046】
また、凝縮器制御部315は、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、目標値よりも実測値が高く、かつ温度差が予め設定された基準値よりも大きくなった場合、稼働を停止させていた凝縮器30Aを再稼働させ、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を増加させる。
凝縮器制御部315は、稼働を停止させていた凝縮器30Aにおいて、ファン32を停止させていた場合、ファン32の回転を再開する。
凝縮器制御部315は、稼働を停止させていた凝縮器30Aにおいて、電磁弁35Aを閉じていた場合、電磁弁35Aを開く。
【0047】
(作用効果)
本実施形態では、制御装置300は、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づいて、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。これにより、例えば、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dの稼働台数を減少させれば、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。したがって、冷凍機1における冷凍性能の低下を抑え、安定した冷凍性能を発揮することが可能となる。
また、外気温を直接計測することなく、冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づいた制御を行うことで、簡易な構成で、安定した冷凍性能を発揮することができる。
【0048】
また、制御装置300は、複数台の凝縮器30A~30Dにおけるファン32を稼働又は停止させることで、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。
これにより、複数台の凝縮器30A~30Dのうち、例えばファン32を停止させた凝縮器30Aにおいては、冷媒の冷却能力が低下する。これにより、例えば、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。その後、外気温が上昇した場合、停止していたファン32を稼働させることで、冷媒の冷却能力が元に戻り、冷媒を十分に冷却することができる。このように、ファン32の稼働又は停止を制御するのみであるため、凝縮器ユニット3の制御を簡易な構成で容易に行うことができる。
【0049】
また、制御装置300は、電磁弁35A~35Cを開閉することで、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。
これにより、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。その後、外気温が上昇した場合、電磁弁35A~35Cを開けば、冷媒の冷却能力が元に戻り、冷媒を十分に冷却することができる。
【0050】
また、制御装置300は、目標値よりも実測値が低く、かつ温度差が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を減らす。
これにより、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力が低下する。これにより、例えば、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。
【0051】
また、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値よりも実測値が高く、かつ温度差が予め設定された基準値よりも小さい場合、稼働中の凝縮器30B~30Dのファン32の回転数を上昇させることで、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力を高めることができる。
【0052】
また、制御装置300は、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値よりも実測値が高く、かつ温度差が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を増加させることで、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力を元に戻すことができる。
【0053】
また、本実施形態では、冷凍機1が、制御装置300を備えることで、冷凍機1における冷凍性能の低下を抑え、安定した冷凍性能を発揮することが可能となる。
【0054】
また、並列に設けられた複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を調整すれば、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力を容易に調整することができる。
【0055】
また、冷凍機1では、電磁弁35A~35Cを閉じることで、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を容易に調整することができる。
【0056】
また本実施形態の凝縮器ユニット3の制御方法S10では、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づいて、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御することで、外気温に関わらず、冷凍機1における冷凍性能の低下を抑え、安定した冷凍性能を発揮することが可能となる。
【0057】
なお、上述の実施形態においては、制御装置300の各種機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをマイコンといったコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行うものとしている。ここで、コンピュータシステムのCPUの各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0058】
上述の実施形態において、制御装置300の各種機能を実現するためのプログラムを実行させるコンピュータのハードウェア構成の例について説明する。
【0059】
図5に示すように、制御装置300が備えるコンピュータは、CPU310と、メモリ320と、記憶/再生装置330と、Input Output Interface(以下、「IO I/F」という。)340と、通信Interface(以下、「通信I/F」という。)350と、を備える。
【0060】
メモリ320は、制御装置300で実行されるプログラムで使用されるデータ等を一時的に記憶するRandom Access Memory(以下、「RAM」という。)等の媒体である。
記憶/再生装置330は、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の外部メディアへデータ等を記憶したり、外部メディアのデータ等を再生したりするための装置である。
IO I/F340は、制御装置300と他の装置との間で情報等の入出力を行うためのインタフェースである。
通信I/F350は、インターネット、専用通信回線等の通信回線を介して、他の装置との間で通信を行うインタフェースである。
【0061】
(凝縮器の稼働台数を制御するステップの変形例)
変形例として、ステップS12は、ファン32を動かす凝縮器30A~30Dの台数を決定し(ステップS121)、冷媒の冷却能力が許容範囲内に入ったら電磁弁35A~35C(もし備え付けられている場合)を閉じる(ステップS122)制御を含んでもよい。凝縮器制御部315が、この順序で制御することで、圧力や温度の変動が抑えられ、制御的に安定する。
具体的には、
図6に示すように、ステップS12は、ファンを最低回転数に制御するステップS120と、ファンを動かす凝縮器の台数を決定するステップS121と、ファンを停止した凝縮器に関連する電磁弁を閉めるステップS122と、冷媒の冷え具合の微調整を行うステップS123と、を順に含んでもよい。
【0062】
まずステップS120では、凝縮器制御部315は、凝縮器ユニット3のそれぞれのファン32を最低回転数に制御する。
ステップS120の実施に続いて、ステップS121では、凝縮器制御部315は、ファン32を動かす凝縮器30A~30Dの台数を決定する。
例えば、凝縮器制御部315は、凝縮器30Aのファン32を停止して、冷媒の冷え具合が許容範囲内に入ったらS122へ進む。それでも冷媒が冷え過ぎている場合は、凝縮器制御部315は、凝縮器30Bのファン32停止して、冷媒の冷え具合が許容範囲内に入ったらS122へ進む。それでも冷媒が冷え過ぎている場合は、凝縮器制御部315は、凝縮器30Cのファン32を停止して、冷媒の冷え具合が許容範囲内に入ったらS122へ進む。なお、残りの1台(凝縮器30D)のファン32は少なくとも回しておくこととし、急な圧力変化や温度変化が起きた場合を考慮し、全てのファン32を止めることはしない。
【0063】
もし電磁弁35A~35Cが設けられている場合、ステップS121の実施に続いて、ステップS122では、凝縮器制御部315は、ファン32を停止した凝縮器30A~30Cの入口についている電磁弁35A~35Cを段階的に閉める。ファン32を回していなくても各凝縮器30A~30Cでの自然冷却により、冷媒が冷却されるため、電磁弁35A~35Cが設けられている場合、ファン32の停止時に電磁弁35A~35Cを閉じると、冷却がさらに抑えられるので好適である。
【0064】
ステップS122の実施に続いて、ステップS123では、凝縮器制御部315は、駆動しているファン32の回転数調整により、冷媒の冷え具合の微調整を行う。
【0065】
(実施形態の他の変形例)
なお、上記実施形態では、ファン32と、電磁弁35A~35Cとで、凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御するようにしたが、例えば、電磁弁35A~35Cによる稼働台数の制御は省略してもよい。
【0066】
<付記>
各実施形態に記載の制御装置300、冷凍機1、凝縮器ユニット3の制御方法S10、及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0067】
(1)第1の態様に係る制御装置300は、ファン32を有する凝縮器30A~30Dを複数台備えた凝縮器ユニット3の制御装置300であって、前記凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値を取得する実測値取得部312と、前記冷媒出口温度の目標値を取得する目標値取得部313と、前記実測値と前記目標値との温度差を取得する温度差取得部314と、前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する凝縮器制御部315と、を備える。
【0068】
この制御装置300は、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づいて、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。これにより、例えば、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dの稼働台数を減少させれば、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。したがって、冷凍機1における冷凍性能の低下を抑え、安定した冷凍性能を発揮することが可能となる。
また、外気温を直接計測することなく、冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づいた制御を行うことで、簡易な構成で、安定した冷凍性能を発揮することができる。
【0069】
(2)第2の態様に係る制御装置300は、(1)の制御装置300であって、前記凝縮器制御部315は、複数台の前記凝縮器30A~30Dにおける前記ファン32を稼働又は停止させることで、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。
【0070】
これにより、複数台の凝縮器30A~30Dうち、一部の凝縮器30A~30Dのファン32を停止させると、ファン32を停止させた凝縮器30A~30Dにおいては、冷媒の冷却能力が低下する。これにより、例えば、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。その後、外気温が上昇した場合、停止していたファン32を稼働させることで、冷媒の冷却能力が元に戻り、冷媒を十分に冷却することができる。このように、ファン32の稼働又は停止を制御するのみであるため、凝縮器ユニット3の制御を簡易な構成で容易に行うことができる。
【0071】
(3)第3の態様に係る制御装置300は、(1)又は(2)の制御装置300であって、前記凝縮器制御部315は、複数台の前記凝縮器30A~30Dへの冷媒の流通を断続する電磁弁35A~35Cを開閉することで、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。
【0072】
これにより、複数台の凝縮器30A~30Dうち、一部の凝縮器30A~30Dで電磁弁35A~35Cを閉じることで、凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少する。これにより、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力が低下する。これにより、例えば、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。その後、外気温が上昇した場合、電磁弁35A~35Cを開けば、冷媒の冷却能力が元に戻り、冷媒を十分に冷却することができる。
【0073】
(4)第4の態様に係る制御装置300は、(1)から(3)の何れか一つの制御装置300であって、前記凝縮器制御部315は、前記目標値よりも前記実測値が低く、かつ前記温度差が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数を減らす。
【0074】
これにより、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値よりも実測値が低く、かつ温度差が予め設定された基準値よりも大きい場合、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を減らすことで、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力が低下する。これにより、例えば、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。
【0075】
(5)第5の態様に係る制御装置300は、(1)から(4)の何れか一つの制御装置300であって、前記凝縮器制御部315は、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、前記目標値よりも前記実測値が高く、かつ前記温度差が予め設定された基準値よりも小さい場合に、稼働中の前記凝縮器30A~30Dの前記ファン32の回転数を上昇させる。
【0076】
これにより、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値よりも実測値が高く、かつ温度差が予め設定された基準値よりも小さい場合、稼働中の凝縮器30A~30Dのファン32の回転数を上昇させることで、凝縮器ユニット3における凝縮器30A~30Dの稼働台数を増やすことなく、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力を高めることができる。
【0077】
(6)第6の態様に係る制御装置300は、(1)から(5)の何れか一つの制御装置300であって、前記凝縮器制御部315は、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、前記目標値よりも前記実測値が高く、かつ前記温度差が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数を増加させる。
【0078】
これにより、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数が減少された状態で、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値よりも実測値が高く、かつ温度差が予め設定された基準値よりも大きい場合に、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を増加させることで、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力を元に戻すことができる。
【0079】
(7)第7の態様に係る冷凍機1は、ファン32を有する凝縮器30A~30Dを複数台備えた凝縮器ユニット3と、前記凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値を検出するセンサ38と、前記凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の目標値を設定する目標値設定部311と、(1)から(6)の何れか一つの制御装置300と、を備える。
【0080】
これにより、制御装置300は、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づいて、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御する。これにより、例えば、外気温が極度に低い場合には、凝縮器30A~30Dの稼働台数を減少させれば、凝縮器30A~30Dで冷媒が過度に冷却するのを抑えることができる。したがって、冷凍機1における冷凍性能の低下を抑え、安定した冷凍性能を発揮することが可能となる。
【0081】
(8)第8の態様に係る冷凍機1は、(7)の冷凍機1であって、複数台の前記凝縮器30A~30Dは、並列に設けられている。
【0082】
これにより、並列に設けられた複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を調整すれば、凝縮器ユニット3における冷媒の冷却能力を容易に調整することができる。
【0083】
(9)第9の態様に係る冷凍機1は、(7)または(8)の制御装置300であって、複数台の前記凝縮器30A~30Dのそれぞれへの冷媒の流通を断続する電磁弁35A~35Cをさらに備える。
【0084】
これにより、電磁弁35A~35Cを閉じることで、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を容易に調整することができる。
【0085】
(10)第10の態様に係る凝縮器ユニット3の制御方法S10は、ファン32を有する凝縮器30A~30Dを複数台備えた凝縮器ユニット3の制御方法S10であって、前記凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と前記冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップS11と、前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御するステップS12と、を含む。
【0086】
これにより、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づいて、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御することで、外気温に関わらず、冷凍機1における冷凍性能の低下を抑え、安定した冷凍性能を発揮することが可能となる。
【0087】
(11)第11の態様に係るプログラムは、ファン32を有する凝縮器30A~30Dを複数台備えた凝縮器ユニット3の制御装置300に、前記凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と前記冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップS11と、前記温度差に基づき、複数台の前記凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御するステップS12と、を含む制御を実行させる。
【0088】
このプログラムは、凝縮器ユニット3における冷媒出口温度の実測値と目標値との温度差に基づいて、複数台の凝縮器30A~30Dの稼働台数を制御することで、外気温に関わらず、冷凍機1における冷凍性能の低下を抑え、安定した冷凍性能を発揮することが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
1…冷凍機
2…圧縮部
3…凝縮器ユニット
4…膨張弁
5…レシーバ
21…入口アキュムレータ
22…サブアキュムレータ
23…低段圧縮機
24…インタークーラ
25…中間アキュムレータ
26…高段圧縮機
27…オイルセパレータ
28…オイルタンク
29…油冷却器
30A~30D…凝縮器
31…凝縮器本体
32…ファン
35A~35C…電磁弁
38…センサ
101…第一配管
102…第二配管
103…第三配管
104…第四配管
105…第五配管
106…第六配管
107…第七配管
108…第八配管
108a~108d…分岐管
109…第九配管
109a~109d…合流管
110…第十配管
111…第十一配管
231…第一ロータリー圧縮部
232…第一スクロール圧縮部
241…インタークーラ本体
242…ファン
261…第二ロータリー圧縮部
262…第二スクロール圧縮部
300…制御装置
310…CPU
311…運転制御部(目標値設定部)
312…実測値取得部
313…目標値取得部
314…温度差取得部
315…凝縮器制御部
320…メモリ
330…記憶/再生装置
340…IO I/F
350…通信I/F
401…第一油戻し管
402…第二油戻し管
403…第三油戻し管
404…第四油戻し管
405…第五油戻し管
S10…凝縮器ユニットの制御方法
S11…冷媒出口温度の実測値と冷媒出口温度の目標値との温度差を取得するステップ
S12…複数台の凝縮器の稼働台数を制御するステップ
S120…ファンを最低回転数に制御するステップ
S121…ファンを動かす凝縮器の台数を決定するステップ
S122…ファンを停止した凝縮器に関連する電磁弁を閉めるステップ
S123…冷媒の冷え具合の微調整を行うステップ