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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034762
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】光出力制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/105 20200101AFI20240306BHJP
   H05B 47/175 20200101ALI20240306BHJP
   H05B 45/18 20200101ALI20240306BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/175
H05B45/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139227
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松島 竹夫
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA02
3K273RA02
3K273SA22
3K273SA37
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA57
3K273TA62
3K273TA78
3K273UA17
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】従来のフィードフォワード方式による制御方法よりも少ないデータ量でありながらも、光源装置毎の個体差を考慮した光出力の制御システムを提供する。
【解決手段】光出力制御システムは、発光素子を含む光源部と、光源部に電流を供給する電流供給部と、光源部の環境温度を検知する温度検知部と、光源部に対して供給される電流量を、光出力に関する目標値に対応する第一変数、環境温度に対応する第二変数、及び光源部に対して供給される電流量に対応する第三変数の関係が、一つ又は複数の係数を含む実行制御関数に基づいて制御する制御部とを備える。制御部は、入力された係数更新情報に基づいて、実行制御関数を構成する少なくとも一つの係数を更新可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を含む光源部と、
前記光源部に電流を供給する電流供給部と、
前記光源部の環境温度を検知する温度検知部と、
前記光源部の光出力に関する目標値に対応する第一変数、前記温度検知部で検知された前記環境温度に対応する第二変数、及び前記光源部に対して供給される電流量に対応する第三変数の関係が、一つ又は複数の係数を含む実行制御関数に基づいて、前記電流供給部から前記光源部に対して供給される電流量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、入力された係数更新情報に基づいて、前記実行制御関数を構成する少なくとも一つの前記係数を更新可能に構成されていることを特徴とする、光出力制御システム。
【請求項2】
前記光源部は、前記係数更新情報を記録する第一記憶部を有し、
前記制御部は、前記第一記憶部に記録された前記係数更新情報を読み出して前記実行制御関数を更新することを特徴とする、請求項1に記載の光出力制御システム。
【請求項3】
前記係数更新情報を記録した記憶媒体の装着が可能な記憶媒体装着部を備え、
前記制御部は、前記記憶媒体装着部に装着された前記記憶媒体から前記係数更新情報を読み出して前記実行制御関数を更新することを特徴とする、請求項1に記載の光出力制御システム。
【請求項4】
前記制御部に対して電気通信回線を介して前記係数更新情報を送信可能に構成された、更新情報送信装置を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の光出力制御システム。
【請求項5】
前記更新情報送信装置は、前記係数更新情報を記録する第二記憶部を有し、前記第二記憶部に記録された前記係数更新情報を前記制御部に対して送信することを特徴とする、請求項4に記載の光出力制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光出力制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LED等の発光素子は、同じ投入電流量であっても温度に応じて発光量が変動することが知られている。このような背景の下、従来、LEDの光出力を安定化させるための技術として、LEDからの出射光の一部をフォトセンサで受光すると共に、この受光量に基づいて電源回路からLEDに対する供給電流量を調整する、フィードバック制御が存在する。
【0003】
しかし、フォトセンサを用いたフィードバック制御の場合、フォトセンサ自体が温度の影響を受けるため、高い精度で光出力を制御することが難しい。また、フィードバック制御の一回目の点灯は何の保証もない光出力となってしまう。
【0004】
このような課題への対応策として、LEDの温度を測定し、測定された温度の値に応じてLEDに対する供給電流値を制御するフィードフォワード制御が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3-36777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された方法によれば、光出力と温度と電流との関係が予め記載されたデータテーブルを準備しておくと共に、所望の光出力を実現するためにデータテーブルから読み出された電流値に対応する電流をLEDに供給する制御が行われる。しかし、この方法で光出力を精度よく制御するためには、データテーブルに膨大なデータを記載しておく必要がある。
【0007】
また、必要な電流量を決定するためには、所望の光出力及び測定温度に近いデータをデータテーブルから読み出す処理と補完処理とが必要になり、迅速な応答性を実現するには限界がある。特に、内視鏡のように、照明中に光出力を細かく調整することが予定されているアプリケーションに利用される光源に対しては、光出力の調整に対する速い応答性が求められるため、上記の制御方法を採用しづらい。
【0008】
更に、同一の型式の光源装置であっても、各光源装置が備える発光素子が示す、温度と電流量とに応じた発光量の特性には、個体差が生じる場合がある。更に、同一の光源装置においても、初期と寿命末期では、前記特性が変化する場合がある。上記特許文献1の技術では、このような光源装置毎の個体差や、同一の光源装置内における経時的な特性の変化が考慮されていないため、光出力を十分高精度に制御できているとはいえない。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑み、従来のフィードフォワード方式による制御方法よりも少ないデータ量でありながらも、光源装置毎の個体差を考慮することが可能な、光出力制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光出力制御システムは、
発光素子を含む光源部と、
前記光源部に電流を供給する電流供給部と、
前記光源部の環境温度を検知する温度検知部と、
前記光源部の光出力に関する目標値に対応する第一変数、前記温度検知部で検知された前記環境温度に対応する第二変数、及び前記光源部に対して供給される電流量に対応する第三変数の関係が、複数の係数を用いて規定された実行制御関数に基づいて、前記電流供給部から前記光源部に対して供給される電流量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、入力された係数更新情報に基づいて、前記実行制御関数を構成する少なくとも一つの前記係数を更新可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、光出力の目標値に関する情報が入力されると、制御部は、この光出力の目標値に関する情報と、現時点における光源部の環境温度に関する情報とを実行制御関数に適用して演算することで、現時点の環境温度下で目標値に対応する光出力を得るために必要な電流量を決定する。電流供給部は、制御部によって決定された電流量を光源部に供給する。これにより、目標値に近い光出力が得られる。
【0012】
つまり、上記構成によれば、制御部内の演算処理部において単純な演算処理を行うのみで必要な電流量が決定されるため、少ない処理数で光出力の制御が可能となる。この結果、高い応答性が実現される。
【0013】
更に、上記構成によれば、制御部が利用する実行制御関数に含まれる係数が係数更新情報に基づいて更新可能である。このため、光源部の個体差を考慮して、高い精度で光出力の制御を行うことができる。
【0014】
一例として、装置に搭載されている光源部を交換したタイミングで係数を更新することで、新たな光源部の特性が反映された係数を含む実行制御関数に基づいた、光出力の制御が可能となる。別の一例として、光源部の使用を開始してからの経過時間に応じて係数を更新することで、光源部の発光特性の経時的な変化が反映された係数を含む実行制御関数に基づいた、光出力の制御が可能となる。
【0015】
温度検知部によって検知される光源部の環境温度は、発光素子が搭載されている領域(基板)の温度であっても構わないし、発光素子そのものの温度であっても構わない。また、発光素子が閉空間内に配置されている場合において、当該閉空間内の雰囲気の温度であっても構わない。
【0016】
本明細書において、「実行制御関数」とは、複数の変数と、単一又は複数の規定された係数とによって表される関係を指す関数を指し、変数の値が決定することで一義的な解が定められるものをいう。つまり、前記光源部の光出力に関する目標値に対応する第一変数、前記温度検知部で検知された前記環境温度に対応する第二変数、及び前記光源部に対して供給される電流量に対応する第三変数の関係が一義的に決定される関数を指す。一方、「制御関数」とは、複数の変数と単一又は複数の係数とによって表される関係を指す関数であるが、係数の値が具体的に決定されていない状態の関数を指す。つまり、「制御関数」は、あくまで関数の「型」を規定する概念であって、係数が確定するまでは各変数の間の関係が一義的には確定していない状態である。そして、制御関数の下で規定されている「単一又は複数の係数」が確定した状態の関数が、「実行制御関数」に対応する。制御関数としては、上記の第一変数、第二変数、及び第三変数の関係を必要な精度で表すことができれば、任意の関数が利用できる。
【0017】
前記光源部は、前記係数更新情報を記録する第一記憶部を有し、
前記制御部は、前記第一記憶部に記録された前記係数更新情報を読み出して前記実行制御関数を更新するものとしても構わない。
【0018】
上記の構成において、光源部に搭載された第一記憶部に記録された係数更新情報を、制御部が読み出すタイミングは任意である。典型的な例として、光源部がシステムに搭載された後、光源部に対して行われる初期設定のタイミングで、制御部が第一記憶部より係数更新情報を読み出すものとすることができる。読み出された係数更新情報は、制御部内において保持され、その後に光源部を駆動する際には当該保持された係数更新情報が利用されるものとして構わない。
【0019】
別の例として、作業員が人為的に指定したタイミングで、第一記憶部に記録された係数更新情報を制御部が読み出すものとしても構わない。ここでいう人為的なタイミングとは、制御部が搭載された筐体に設けられた専用の入力インタフェース(ボタン、タッチパネル等)を作業員が操作することで指定されたタイミングとしても構わないし、制御部に対して通信接続可能な操作端末を作業員が操作することで、遠隔から指定されたタイミングとしても構わない。
【0020】
更に別の例として、予め定められた時刻の下で、定期的に第一記憶部に記録された係数更新情報を制御部が読み出すものとしても構わない。
【0021】
前記光出力制御システムは、前記係数更新情報を記録した記憶媒体の装着が可能な記憶媒体装着部を備え、
前記制御部は、前記記憶媒体装着部に装着された前記記憶媒体から前記係数更新情報を読み出して前記実行制御関数を更新するものとしても構わない。
【0022】
上記構成によれば、光出力制御システムが、インターネット等の電気通信回線に対する接続が不可能な場合であっても、係数に関する情報が記録された記憶媒体を記憶媒体装着部に装着することで、実行制御関数に適用される係数を更新することが可能である。
【0023】
記憶媒体装着部は、光源部に設けられていても構わないし、光出力制御システムのうちの光源部とは異なる箇所に設けられていても構わない。
【0024】
前記光出力制御システムは、前記制御部に対して電気通信回線を介して前記係数更新情報を送信可能に構成された、更新情報送信装置を備えるものとしても構わない。
【0025】
更新情報送信装置は、据置型のコンピュータであっても構わないし、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等の携帯型端末装置であっても構わない。更新情報送信装置は、クラウドサーバであっても構わない。更新情報送信装置と制御部とは、有線で接続されても無線で接続されても構わない。
【0026】
前記更新情報送信装置は、前記係数更新情報を記録する第二記憶部を有し、前記第二記憶部に記録された前記係数更新情報を前記制御部に対して送信するものとしても構わない。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、従来のフィードフォワード方式による制御方法よりも少ないデータ量でありながらも、光源装置毎の個体差を考慮した精度の高い光出力の制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の光出力制御システムの第一実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。
図2】電流量Iを異ならせた状態で、光出力Pと温度Tを計測して得られる結果の一例を示すグラフである。
図3図2で得られた複数の座標群に制御関数をフィッティングさせた実行制御関数を視覚的に表示したグラフである。
図4図3の結果に基づいて得られた実行制御関数を用いて算定した電流量の計算値と、実測された電流量との対比結果を示すグラフである。
図5A】比較例による方法(フィードバック)で制御された場合の結果を示すグラフであり、光出力の目標値、実際の光出力の実測値、及び目標値と実測値の分散の経時的な変化を示す。
図5B】比較例による方法(フィードバック)で制御された場合の結果を示すグラフであり、発光素子に供給される電流量、及び発光素子の設置箇所の温度の経時的な変化を示す。
図6A】実施例による方法(実行制御関数を用いたフィードフォワード)で制御された場合の結果を示すグラフであり、光出力の目標値、実際の光出力の実測値、及び目標値と実測値の分散の経時的な変化を示す。
図6B】実施例による方法(実行制御関数を用いたフィードフォワード)で制御された場合の結果を示すグラフであり、発光素子に供給される電流量、及び発光素子の設置箇所の温度の経時的な変化を示す。
図6C図6B内の一部領域を拡大したグラフである。
図7】本発明の光出力制御システムの第二実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。
図8】本発明の光出力制御システムの第三実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。
図9】本発明の光出力制御システムの第三実施形態の別構成を模式的に示すブロック図である。
図10A】発光素子の温度T別の、電流量Iと光出力Pの関係の一例を模式的に示すグラフである。
図10B】任意の温度Tの下での微分量子効率ηTと閾値電流IthTの値を導出する方法を模式的に説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第一実施形態]
本発明に係る光出力制御システムの第一実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、本実施形態の光出力制御システムの構成の一例を模式的に示すブロック図である。光出力制御システム1は、光源部10と、光源部10に対して電力を供給する駆動部20と、光源部10の環境温度を検知する温度検知部30とを備える。なお、図1に示す目標光出力入力部51については、後述される。
【0031】
図1において、実線の矢印は情報の流れを示し、一点鎖線の矢印は光の流れを示し、二点鎖線の矢印は光源部10に対して供給される電流の流れを示している。以下の図においても、同様の表記方法が採用される。
【0032】
光源部10は、単独又は複数の発光素子12が搭載された基板14と、図示しない冷却機構とを備える。冷却機構の例としては、ヒートシンク、ファン、水冷盤、及びヒートパイプ等が挙げられる。発光素子12は、電流が供給されると光L12を出射する。発光素子12は、典型的にはLEDであるが、レーザダイオード素子等、他の固体光源素子であっても構わない。
【0033】
本実施形態の光出力制御システム1においては、光源部10が記憶部19を備えている。記憶部19は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成される。記憶部19は、「第一記憶部」に対応する。記憶部19が記録する情報については後述される。
【0034】
駆動部20は、電流供給部21、制御部22、及び入出力ポート29を備える。電流供給部21は、図示しない電源に接続されており、発光素子12に対して電流を供給する回路である。制御部22は、電流供給部21から発光素子12に対して供給する電流量を制御する機能的手段である。入出力ポート29は、駆動部20の外側から情報の入力を受け付けると共に、駆動部20の外側に対して情報を出力するインタフェースである。なお、本実施形態においては、入出力ポート29に代えて、出力機能を有さない入力ポートとしてもよい。
【0035】
温度検知部30は、例えば数マイクロ秒~数十秒程度の間隔で、発光素子12の設置箇所近傍の温度Tの情報を入出力ポート29に対して出力する。温度検知部30は、温度を検知すると共に検知した情報を出力可能な構成であれば、放射温度計、サーミスタ等の公知の温度計測手段が利用できる。温度検知部30は、光源部10の環境温度、より詳細には発光素子12の環境温度が検知できる限り、その設置箇所は限定されない。例えば、温度検知部30は、光源部10に内蔵されていても構わないし、光源部10の外側近傍に設置されていても構わない。
【0036】
目標光出力入力部51は、光源部10の光出力を調整する指示信号の入力を行うための手段であり、典型的にはユーザによって操作される。一例として、目標光出力入力部51は、操作ボタン、ツマミ、ダイヤル、タッチパネル上のスクロールバー、入力フォーム等で構成される。目標光出力入力部51は、駆動部20が搭載されている筐体に取り付けられていても構わないし、駆動部20から離れた位置に設けられた操作端末、スマートフォン等で構成されていても構わない。また目標光出力入力部51は、プログラムやシーケンスによって目標値を入力するものであってもよい。一例として、照射時間、光強度、点灯間隔等がプログラムされた動作を実行する。さらに、別途の検知手段により目標値を入力するものであってもよい。一例として、照射面の照度を一定にするため、距離情報を計測し、距離に応じた光出力値を目標値として入力することができる。
【0037】
ユーザは、現時点における光L12の光出力を上昇又は低下させたい場合に、所望する光出力を指示するよう目標光出力入力部51を操作する。目標光出力入力部51を通じて入力された、所望する光出力に関する情報(目標値Φに対応する情報)は、入出力ポート29を介して制御部22に入力される。
【0038】
制御部22は、演算処理部25及び関数記憶部26を備える。関数記憶部26には、後述される制御関数及び実行制御関数に関する情報が記録される。制御関数に関する情報とは、例えば、任意の変数および係数で定められた二次関数や三角関数、二元多次一次結合関数等の関数情報である。また実行制御関数に関する情報とは、前述の制御関数に関する情報に加え、係数の具体的な数値情報を含む情報である。関数記憶部26は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成される。演算処理部25は、温度検知部30から入力された光源部10の環境温度Tの情報と、目標光出力入力部51から入力された光出力の目標値Φの情報を、関数記憶部26に記録された実行制御関数に適用することで、温度Tの下で目標値Φの光出力を得るために必要な供給電流量I(以下、「電流量I」と略記することがある。)を、演算処理によって算定する。演算処理部25は、このような演算処理の実行が可能なソフトウェア又は専用のハードウェアで構成される。
【0039】
演算処理部25によって決定された電流量Iに関する情報は、制御部22から電流供給部21に出力される。電流供給部21は、電流量Iに対応した量の電流を発光素子12に供給する。演算処理部25は、温度検知部30から温度Tの情報が入力される毎に演算処理を行って、供給電流量Iを算定する。電流供給部21は、制御部22から供給電流量Iに関する情報が更新される毎に、発光素子12に対する供給電流量を調整する。
【0040】
本実施形態では、光源部10が記憶部19を有している。この記憶部19には、制御関数に適用される係数を更新するための情報(以下、「係数更新情報」と呼ぶ。)が記録されている。制御部22は、任意のタイミングで、記憶部19から入出力ポート29を介して係数更新情報を読み出し、実行制御関数を構成する係数を更新する。更新された実行制御関数は、関数記憶部26に記録される。
【0041】
次に、関数記憶部26に記録されている制御関数について説明を行う。制御関数は、光源部10の光出力に関する目標値φに対応する変数(第一変数)と、温度検知部30で検知された光源部10の環境温度に対応する変数(第二変数)と、光源部10に対して供給される電流量Iに対応する変数(第三変数)の関係を必要な精度で表すことができれば、任意の関数が利用できる。以下では、制御関数の一例を参照しながら説明を行う。
【0042】
光出力制御システム1は、前記関数記録部26に第一変数、第二変数、及び第三変数を含む任意の制御関数が設定され、例えば出荷前の時点において、実際の光源部10の各変数の関係により適合した実行制御関数をなす係数データを導出する処理が行われる。この処理で確定された実行制御関数に関する情報(制御関数に関する情報及び係数情報)が関数記憶部26に記録された状態で、出荷される。
【0043】
関数記憶部26に記録される制御関数の係数導出の一例について説明する。電流供給部21から発光素子12に対して供給される電流量を意図的に変化させた上で、このときに得られる光L12の光出力Pと、温度検知部30で検出された温度Tを、電流量Iに関連付けることで、座標(P,T,I)を複数取得する。そして、得られた座標群に制御関数をフィッティング処理することによって制御関数の係数を導出する。
【0044】
光出力Pに関する情報は、例えば光源部10の外側に設置した受光センサによる受光量に基づいて検出できる。また、電流量Iに関する情報は、制御部22から電流供給部21に対して出力される情報に基づいて取得しても構わないし、電流センサ等を用いて電流供給部21から発光素子12に対して供給されている電流量を実測して得られる情報に基づいても構わない。
【0045】
図2は、電流量Iを異ならせた状態で、光L12の光出力Pと、温度検知部30で検出された温度Tを計測して得られる結果の一例を示すグラフである。図2において、円の大小が電流量Iの大小に対応している。電流量Iが共通であっても、温度Tに応じて光出力Pが変動するが、その変動の態様には規則性があることが理解される。また、温度Tが一定であっても、電流量Iによって光出力Pが変動するが、その変動の態様には規則性があることが理解される。
【0046】
図3は、図2で得られた複数の座標群に制御関数をフィッティングさせた実行制御関数を、視覚的に表示したグラフである。図3の例では、実行制御関数が下に凸の曲面形状として表現されている。
【0047】
より具体的には、光出力Pを変数x、温度Tを変数y、電流量Iを変数zにそれぞれ割り当てて得られる測定結果(xi,yi,zi)(ただし、i=0,1,…,n)に対し、下記の(1)式に規定される制御関数を例えば最小二乗法を用いてフィッティングさせる。ただし、(1)式において、k及びjは1以上の整数である。
【数1】
【0048】
ここで、具体的な例として、k=2,j=2である場合について詳細に説明する。この場合、上記(1)式は具体的に下記(2)式で規定される。
【数2】
【0049】
求めたい係数αtsを縦ベクトルCとして表記すると、下記(3)式で定義できる。
【数3】
【0050】
電流量Iに関する測定結果zi(ただし、i=0,1,…,n)を縦ベクトルBとして表記すると、下記(4)式で定義できる。
【数4】
【0051】
光出力Pに関する測定結果xi、及び温度Tに関する測定結果yi(ただし、i=0,1,…,n)を用いて、下記(5)式で表される行列Aを定義する。
【数5】
【0052】
このとき、(3)式の縦ベクトルCで定義される係数αtsは、以下の(6)式に基づく演算によって算定される。ただし、ATは行列(縦ベクトル)Aの転置行列であり、(AT・A)-1は行列(AT・A)の逆行列である。
【数6】
【0053】
上記(6)式で得られる行列Cの各要素は、係数αts(t=0,1,2;s=0,1,2)に対応する。つまり、各係数αtsを(2)式に適用して得られる式が、実行制御関数に対応する。この実行制御関数は、測定結果(xi,yi,zi)(ただし、i=0,1,…,n)を最小二乗法でフィッティングさせて得られる関数であり、この実施形態では、曲面関数に対応する。つまり、各係数αtsは、上記制御関数の形状を決定する因子である。
【0054】
そして、このような方法を用いて予め算定された制御関数の係数に関する情報が、関数記憶部26に記録され、実行制御関数として働く。上の(2)式で規定される制御関数を例に挙げれば、各係数αts(t=0,1,2;s=0,1,2)の値が既に記録された状態で、制御関数に関する情報が関数記憶部26に記録されている。制御部22の演算処理部25は、目標光出力入力部51から入力される光出力の目標値Φの情報を、(2)式で規定される制御関数の変数xに、温度検知部30から入力される光源部10の環境温度Tを、同関数の変数yにそれぞれ適用することで演算を行い、得られたzの値をもって供給電流量Iとする。
【0055】
図4は、図3の結果に基づいて得られた実行制御関数を用いて算定した電流量の計算値と、実際の電流量とを対比した結果を示すグラフである。グラフ上におけるプロットは、電流の実測値であり、横軸は実測に対応した箇所における光出力Pと温度Tの値に基づいて算定した電流の計算値に対応する。また、縦軸は、電流の計算値と実測値の分散を示している。
【0056】
図4の結果によれば、実測値と計算値がほぼ対応しており、分散の値も極めて小さいことが理解される。つまり、実測値に基づいて導出された制御関数の係数によって、発光素子12の特性(温度、電流、光出力の関係)が表現できていることが分かる。
【0057】
比較例として、発光素子12から出射される光L12を受光センサで受光し、受光量に基づいてフィードバック制御を行った場合の制御結果を、図5A及び図5Bに示す。図5Aは、光出力の目標値を刻々と変化させた場合において(図5A内の符号92に対応)、実際に受光された光L12の出力(図5A内の符号91に対応)、及び両者の分散(図5A内の符号93に対応)の経時的な変化を示すグラフである。また、図5Bは、発光素子12に流れる電流(図5B内の符号94に対応)と、温度検知部30で検出された温度(図5B内の符号95に対応)の経時的な変化を示すグラフである。
【0058】
一方、上述した方法で制御部22によって発光素子12に対する電流制御が行われた場合が実施例とされた。すなわち、実施例では、関数記憶部26に実行制御関数が記録されている状態において、制御部22の演算処理部25が、光出力の目標値Φ、温度検知部30から入力される光源部10の環境温度Tをそれぞれ実行制御関数に適用して演算し、得られたzの値をもって決定された電流量Iに対応する電流が、電流供給部21から発光素子12に対して供給された。
【0059】
実施例の制御結果を、図6A図6Cに示す。図6Aは、光出力の目標値を刻々と変化させた場合において(図6A内の符号102に対応)、実際に受光された光L12の出力(図6A内の符号101に対応)、及び両者の分散(図6A内の符号103に対応)の経時的な変化を示すグラフである。また、図6Bは、発光素子12に流れる電流(図6B内の符号104に対応)と、温度検知部30で検出された温度(図6B内の符号105に対応)の経時的な変化を示すグラフである。図6Cは、図6B内の領域Aを拡大したグラフである。
【0060】
図5A図6Aを対比する。比較例に対応する図5Aの場合、光出力の目標値に関する指示が与えられてから、実際の光出力が目標値に達するまでに、3秒~7秒程度の時間を消費していることが分かる。このため、光出力に関し、目標値と実測値の間にはある程度の分散が生じている。一方、実施例に対応する図6Aの場合、光出力の目標値に関する指示が与えられてから、実際の光出力が目標値に達するまでにかかる時間は極めて短い。このことは、図6Aにおいて、曲線101と曲線102がほぼ重なっていること、分散の値が常時ほぼ0を示していることにも現れている。
【0061】
この点は、図5B図6Bを対比しても理解される。比較例に対応する図5Bにおいて発光素子12に流れる電流は、実施例に対応する図6Bにおいて発光素子12に流れる電流よりも、制御中における変動量が大きいことが理解される。このことは、比較例の制御方法の場合、光出力が目標値から離れていることで、電流量を常に変化させる制御が行われていることを示唆するものである。ただし、実施例においても、温度変化に応じて電流量は微小幅で変動しており、この点は図6Bのグラフの一部を拡大した図6Cに示されている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の光出力制御システム1によれば、光出力の目標値Φを変化させる指示が与えられても、制御部22によって当該目標値Φを実現するために必要な電流量が演算で決定され、その量の電流が発光素子12に対して供給される構成であるため、応答性の高い制御が可能となる。
【0063】
ところで、発光素子12の点灯時間に伴う寿命劣化や故障等の事情により、光源部10を交換する作業が行われる場合が想定される。光源部10が交換されると、光源部10に搭載されている発光素子12自体も異なるものとなる。光源部10の環境温度Tの下における、供給電流量Iと発光素子12の光出力の関係は、発光素子12毎に個体差が存在する。この点は、光源部10に搭載されている発光素子12が同じ型番の素子であったとしても、変わるところはない。つまり、光源部10が交換された後に、光源部10の交換前の時点で関数記憶部26に記録されている実行制御関数に基づいて光出力の制御を行った場合、必ずしも高精度で光出力の制御が行えない可能性がある。
【0064】
かかる観点から、光源部10に対して、例えば出荷前の時点において点灯試験等が行われることで、この光源部10の特性を反映した、環境温度T、供給電流量I、光出力Pの関係を予め導出しておく。そして、この関係を上記制御関数に則した形式で規定する際に利用される係数に関する情報が、記憶部19に記録される。制御関数が上記(1)式に規定される態様の場合、光源部10に対応した係数αtsに関する情報が、記憶部19に記録される。このとき、光源部10に対応した係数αtsに関する情報が、「係数更新情報」に対応する。
【0065】
光源部10が交換されると、駆動部20は、新たに取り付けられた光源部10に搭載された記憶部19から、入出力ポート29を介して係数αtsに関する情報を読み出す。そして、関数記憶部26に記録された制御関数に対して、新たに読み出された係数αtsを適用することで、実行制御関数が更新される。更新された実行制御関数に関する情報は、関数記憶部26に記録される。制御部22は、ひとたび実行制御関数を更新した後は、関数記憶部26に記録された実行制御関数を読み出して上記の制御を行うものとして構わない。
【0066】
上記構成によれば、光源部10が交換された場合であっても、交換された新たな光源部10に搭載された発光素子12の特性が考慮された制御関数を用いて、光出力の制御が行われる。
【0067】
なお、上記実施形態では、係数更新情報が、制御関数に適用可能な係数αtsの値そのものであるものとして説明したが、制御関数に適用される係数を特定できる情報である限り、その記載態様は限定されない。
【0068】
[第二実施形態]
本発明に係る光出力制御システムの第二実施形態について、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
【0069】
図7は、本実施形態の光出力制御システムの構成の一例を模式的に示すブロック図である。本実施形態の光出力制御システム1は、第一実施形態と比較して記憶媒体装着部42を備えている点が異なる。
【0070】
記憶媒体装着部42は、メモリーカード、フラッシュメモリ、光ディスク等の携帯型の記憶媒体41の装着が可能なインタフェースである。本実施形態では、光源部10が記憶部19を備えていない。
【0071】
本実施形態の光出力制御システム1においては、制御関数に適用可能な係数αtsに関する情報が記録された記憶媒体41が、記憶媒体装着部42に装着可能である。駆動部20は、記憶媒体装着部42に装着された記憶媒体41から、入出力ポート29を介して係数αtsに関する情報を読み出す。そして、関数記憶部26に記録された実行制御関数に対して、新たに読み出された係数αtsを適用することで、実行制御関数が更新される。更新された実行制御関数に関する情報は、関数記憶部26に記録される。制御部22は、ひとたび実行制御関数を更新した後は、関数記憶部26に記録された実行制御関数を読み出して上記の制御を行うものとして構わない。
【0072】
上記の構成によれば、光源部10が係数に関する情報が記録された記憶部19を備えていない場合であっても、外部の記憶媒体41から制御関数の係数に関する情報を読み出すことで、実行制御関数を更新できる。このため、第一実施形態の箇所で上述した光源部10が交換された場合の他、同一の光源部10を利用中においても、任意のタイミングで実行制御関数を更新することができる。
【0073】
例えば、光源部10の提供元の企業が点灯試験等を行うことで係数に関する情報(係数更新情報)を導出しておき、この情報を記憶媒体41に記録しておく。そして、この係数更新情報が記録された記憶媒体41が、利用者に対して提供される。利用者は、この記憶媒体41を記憶媒体装着部42に装着させる。これにより、実行制御関数の更新が可能となる。
【0074】
なお、本実施形態において、光源部10が記憶部19を備えていても構わない。
【0075】
[第三実施形態]
本発明に係る光出力制御システムの第三実施形態について、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
【0076】
図8は、本実施形態の光出力制御システムの構成の一例を模式的に示すブロック図である。本実施形態の光出力制御システム1は、第一実施形態と比較して、更新情報送信装置61を備えている点が異なる。また、本実施形態では、光源部10が記憶部19を備えていない。
【0077】
更新情報送信装置61は、インターネット等の電気通信回線60を介して、入出力ポート29に接続可能な装置であり、端末型のコンピュータ又はサーバで構成される。更新情報送信装置61は、制御関数に適用可能な係数αtsに関する情報が記録された記憶部62を備えている。記憶部62が、「第二記憶部」に対応する。更新情報送信装置61は、記憶部62に記録された係数αtsに関する情報を、電気通信回線60を介して駆動部20に送信する。
【0078】
駆動部20は、入出力ポート29を介して送信された係数αtsに関する情報を受信し、関数記憶部26に記録された実行制御関数に対して新たに読み出された係数αtsを適用することで、実行制御関数を更新する。更新された実行制御関数に関する情報は、関数記憶部26に記録される。制御部22は、ひとたび実行制御関数を更新した後は、関数記憶部26に記録された実行制御関数を読み出して上記の制御を行うものとして構わない。
【0079】
上記の構成によれば、光源部10が係数に関する情報が記録された記憶部19を備えていない場合であっても、更新情報送信装置61から送信された制御関数の係数に関する情報を駆動部20側で受信することで、実行制御関数を更新できる。このため、第一実施形態の箇所で上述した光源部10が交換された場合の他、同一の光源部10を利用中においても、任意のタイミングで実行制御関数を更新することができる。
【0080】
例えば、光源部10の提供元の企業が点灯試験等を行うことで係数に関する情報(係数更新情報)を導出しておき、この情報を記憶部62に記録しておく。この記憶部62に記録された係数更新情報が、更新情報送信装置61から電気通信回線60を介して、駆動部20に送信される。これにより、実行制御関数の更新が可能となる。
【0081】
なお、図9に示すように、更新情報送信装置61と入出力ポート29とが、有線の信号線65によって接続されており、この信号線65を通じて係数更新情報が入出力ポート29に送信されるものとしても構わない。
【0082】
本実施形態において、光源部10が記憶部19を備えていても構わない。
【0083】
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
【0084】
〈1〉第一実施形態において上述した制御関数はあくまで一例であり、本発明は、上述した制御関数の形式には限定されない。
【0085】
発光素子12がLED等の固体光源素子である場合、発光させるためには閾値電流Ith以上の電流を供給する必要がある。閾値電流Ithの値は、発光素子12毎に個体差が生じることが想定される。また、同一の温度Tの下において、閾値電流Ith以上の電流量Iと光出力Pの関係を示す曲線についても、発光素子12毎に個体差が生じ得る(図10A参照)。
【0086】
図10Aに示すように温度毎に前記曲線を導出しておくことで、その曲線の傾きに対応する微分量子効率ηが算定される。この場合、ある温度T1における、供給電流量Iと光出力Pの関係が、微分量子効率η 1 と閾値電流Ith1とを係数とする関数fT1(I,P)として規定される。温度T2,T3等の複数の温度Tの下で、電流量Iと光出力Pの関係を測定し、同様の演算を行うことで、微分量子効率η2と閾値電流Ith2、微分量子効率η3と閾値電流Ith3、…が求められる。
【0087】
そして、他の温度Tの下での微分量子効率ηTと閾値電流IthTの値については、補完処理によって算出することができる(図10B参照)。
【0088】
この方法によれば、微分量子効率ηと閾値電流Ithとが係数に含まれた、電流量I、光出力P、温度Tの関数f(I,P,T)が実行制御関数として導出される。演算処理部25は、目標光出力入力部51から入力される光出力の目標値Φ(光出力Pに対応)、温度検知部30から入力される光源部10の環境温度Tを、その温度下で係数η1, η2, η3,…、及び係数Ith1,th2, Ith3,…からそれぞれ補完処理によって求められた微分量子効率ηT及び閾値電流IthTを前記関数fに適用することで、得られた供給電流量Iを算定する。電流供給部21は、制御部22から供給電流量Iに関する情報が更新される毎に、発光素子12に対する供給電流量を調整する。
【0089】
上記の場合、例えば、微分量子効率ηと閾値電流Ithに関する情報が、係数更新情報αとして入出力ポート29を介して駆動部20に入力されるものとすることができる。その入力の態様は、上述した各実施形態の通りである。
【0090】
〈2〉第三実施形態の構成においては、更新情報送信装置61から、定期的に係数更新情報αが駆動部20に対して送信される構成を採用することもできる。かかる構成とすることで、光源部10の使用に伴う経時的な特性の変化を考慮して、制御関数の係数を自動的に更新することができる。この場合、光源部10側から更新情報送信装置61に対して、点灯時間に関する情報が送信されると共に、更新情報送信装置61はこの点灯時間に基づいて係数更新情報αを光源部10側に送信する構成としても構わない。
【符号の説明】
【0091】
1 :光出力制御システム
10 :光源部
12 :発光素子
14 :基板
19 :記憶部
20 :駆動部
21 :電流供給部
22 :制御部
25 :演算処理部
26 :関数記憶部
29 :入出力ポート
30 :温度検知部
41 :記憶媒体
42 :記憶媒体装着部
51 :目標光出力入力部
60 :電気通信回線
61 :更新情報送信装置
62 :記憶部
65 :信号線
α :係数更新情報
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10A
図10B