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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034769
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】プログラム、ゲーム装置、ゲーム方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/54 20140101AFI20240306BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20240306BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20240306BHJP
   G10H 7/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/55
G10K15/04 302G
G10H7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139234
(22)【出願日】2022-09-01
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】597033867
【氏名又は名称】アイディアファクトリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】桑名 真吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】福谷 大
(72)【発明者】
【氏名】冨長 直人
(72)【発明者】
【氏名】北野 誠
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478EB31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歌唱等をゲームの演出として用いる際の新たな手法を提供すること。
【解決手段】プロセッサに、少なくともサウンド処理ステップを実行させるものであって、サウンド処理ステップは、第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行う第1ステップと、前記第1楽曲の再生中において第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を行う第2ステップと、を含み、前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、プログラムである。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを実行可能なプロセッサ、記憶部及び入力部を備えるコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
仮想空間内における複数のキャラクタを含んだゲームの進行を制御するゲーム進行処理ステップ、
前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた画像を出力する画像処理ステップ、
前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた音を出力するサウンド処理ステップ、
を実行させるものであり、
前記サウンド処理ステップは、
前記複数のキャラクタの1つである第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に前記記憶部に格納された楽曲データを用いて当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行う第1ステップと、
前記第1楽曲の再生中において前記複数のキャラクタの1つである第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記記憶部に格納された前記楽曲データを用いて、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を行う第2ステップと、
を含み、
前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、前記入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、
プログラム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記第2アクションが発動した際における前記サウンド処理部による再生内容の切り替え位置を示す切り替えポイントデータを格納しており、
前記切り替えポイントデータは、前記第1楽曲及び前記第2楽曲の始まりから終わりまでの間において再生内容の切り替えに適したタイミングを示す複数の切り替えポイントを含んでおり、
前記第2ステップは、前記切り替えポイントデータに基づいて、前記第2アクションが発動した時点から時間的に後方であって最も近い位置の前記切り替えポイントにより示されるタイミングから、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を開始する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記複数の切り替えポイントは、前記第1楽曲及び前記第2楽曲に含まれる楽節同士の合間及び/又は前記第1楽曲及び前記第2楽曲の各々の主旋律中に含まれるフレーズ同士の合間に対応して設定されている、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1楽曲と前記第2楽曲は、各々に含まれる楽節の数、各楽節に含まれる小節数並びに当該楽節の進行順が一致し、かつ曲のテンポが一致しており、かつ同調若しくは平行調にて作成されている、
請求項1~3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1楽曲の主旋律と前記第2楽曲の主旋律は、各々が独立した主旋律であるとともに、同期再生した際にも聴取し得るものであり、かつ、同期再生した際に前記第1楽曲の伴奏と前記第2楽曲の伴奏の何れとも調和するものである、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記楽曲データは、
前記第1楽曲の主旋律と伴奏を含んだ第1データ、
前記第1楽曲の主旋律を含んだ第2データ、
前記第2楽曲の主旋律と伴奏を含んだ第3データ、
前記第2楽曲の主旋律を含んだ第4データ、
を含み、
前記第2ステップは、
前記第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行う場合には前記第1データを用い、
前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2楽曲の主旋律の同期再生を行う場合には前記第1データ及び前記第4データを用い、
前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を行う場合には前記第2データ及び前記第3データを用いる、
請求項1~3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記楽曲データは、
前記第1楽曲の主旋律を含んだ第1データ、
前記第1楽曲の伴奏を含んだ第2データ、
前記第2楽曲の主旋律を含んだ第3データ、
前記第2楽曲の伴奏を含んだ第4データ、を含み、
前記第2ステップは、
前記第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行う場合には前記第1データ及び前記第2データを用い、
前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2楽曲の主旋律の同期再生を行う場合には前記第1データ、前記第2データ及び前記第3データを用い、
前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を行う場合には前記第1データ、前記第3データ及び前記第4データを用いる、
請求項1~3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記楽曲データは、
前記第1楽曲の主旋律と伴奏を含んだ第1データ、
前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2楽曲の主旋律とを含んだ第2データ、
前記第2楽曲の主旋律と伴奏を含んだ第3データ、
前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律とを含んだ第4データ、
を含み、
前記第2ステップは、
前記第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行う場合には前記第1データを用い、
前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2楽曲の主旋律の同期再生を行う場合には前記第2データを用い、
前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を行う場合には前記第4データを用いる、
請求項1~3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
記憶部と、
ユーザによる操作指示を受け付ける入力部と、
仮想空間内における複数のキャラクタを含んだゲームの進行を制御するゲーム進行処理部と、
前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた画像を出力する画像処理部と、
前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた音を出力するサウンド処理部と、
を含み、
前記サウンド処理部は、
前記複数のキャラクタの1つである第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に前記記憶部に格納された楽曲データを用いて当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行い、
前記第1楽曲の再生中において前記複数のキャラクタの1つである第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記記憶部に格納された前記楽曲データを用いて、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を開始する、ものであり、
前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、前記入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、
ゲーム装置。
【請求項10】
記憶部と、
ユーザによる操作指示を受け付ける入力部と、
プログラムを実行することにより、仮想空間内における複数のキャラクタを含んだゲームの進行を制御、前記ゲームの進行に応じた画像の出力並びに前記ゲームの進行に応じた音の出力を実行するプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
前記複数のキャラクタの1つである第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に前記記憶部に格納された楽曲データを用いて当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行い、
前記第1楽曲の再生中において前記複数のキャラクタの1つである第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記記憶部に格納された前記楽曲データを用いて、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を開始する、ものであり、
前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、前記入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、
ゲーム装置。
【請求項11】
プログラムを実行可能なプロセッサ、記憶部及び入力部を備えるコンピュータにおいて実行されるゲーム方法であって、
前記プロセッサが、仮想空間内における複数のキャラクタを含んだゲームの進行を制御するゲーム進行処理ステップと、
前記プロセッサが、前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた画像を出力する画像処理ステップと、
前記プロセッサが、前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた音を出力するサウンド処理ステップと、
を含み、
前記サウンド処理ステップは、
前記複数のキャラクタの1つである第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に前記記憶部に格納された楽曲データを用いて当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行う第1ステップと、
前記第1楽曲の再生中において前記複数のキャラクタの1つである第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記記憶部に格納された前記楽曲データを用いて、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を行う第2ステップと、
を含み、
前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、前記入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、
ゲーム方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、ゲーム装置、ゲーム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2022-97020号公報(特許文献1)には、複数のキャラクタ毎に相違する歌唱パターン(演出)が用意されており、各キャラクタによるダンスパフォーマンスとして、楽曲のイントロに続いてバトルで使用された各キャラクタによる歌唱が個別パフォーマンスとして順に提供され、その後に全キャラクタによる合唱がユニットパフォーマンスとして提供されるというゲームシステムが記載されている。しかし、各キャラクタによる歌唱ないし合唱のタイミングは固定的であり、ゲーム進行中におけるユーザの操作とは関連付けられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-97020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る具体的態様は、複数のキャラクタによる歌唱等をゲームの演出として用いる際の新たな手法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本開示に係る一態様のプログラムは、
プログラムを実行可能なプロセッサ、記憶部及び入力部を備えるコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
仮想空間内における複数のキャラクタを含んだゲームの進行を制御するゲーム進行処理ステップ、
前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた画像を出力する画像処理ステップ、
前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた音を出力するサウンド処理ステップ、
を実行させるものであり、
前記サウンド処理ステップは、
前記複数のキャラクタの1つである第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に前記記憶部に格納された楽曲データを用いて当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行う第1ステップと、
前記第1楽曲の再生中において前記複数のキャラクタの1つである第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記記憶部に格納された前記楽曲データを用いて、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を行う第2ステップと、
を含み、
前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、前記入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、
プログラムである。
[2]本開示に係る一態様のゲーム装置は、
記憶部と、
ユーザによる操作指示を受け付ける入力部と、
仮想空間内における複数のキャラクタを含んだゲームの進行を制御するゲーム進行処理部と、
前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた画像を出力する画像処理部と、
前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた音を出力するサウンド処理部と、
を含み、
前記サウンド処理部は、
前記複数のキャラクタの1つである第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に前記記憶部に格納された楽曲データを用いて当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行い、
前記第1楽曲の再生中において前記複数のキャラクタの1つである第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記記憶部に格納された前記楽曲データを用いて、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を開始する、ものであり、
前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、前記入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、
ゲーム装置である。
[3]本開示に係る一態様のゲーム装置は、
記憶部と、
ユーザによる操作指示を受け付ける入力部と、
プログラムを実行することにより、仮想空間内における複数のキャラクタを含んだゲームの進行を制御、前記ゲームの進行に応じた画像の出力並びに前記ゲームの進行に応じた音の出力を実行するプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
前記複数のキャラクタの1つである第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に前記記憶部に格納された楽曲データを用いて当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行い、
前記第1楽曲の再生中において前記複数のキャラクタの1つである第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記記憶部に格納された前記楽曲データを用いて、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を開始する、ものであり、
前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、前記入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、
ゲーム装置である。
[4]本開示に係る一態様のゲーム方法は、
プログラムを実行可能なプロセッサ、記憶部及び入力部を備えるコンピュータにおいて実行されるゲーム方法であって、
前記プロセッサが、仮想空間内における複数のキャラクタを含んだゲームの進行を制御するゲーム進行処理ステップと、
前記プロセッサが、前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた画像を出力する画像処理ステップと、
前記プロセッサが、前記ゲーム進行処理部による制御に対応して前記ゲームの進行に応じた音を出力するサウンド処理ステップと、
を含み、
前記サウンド処理ステップは、
前記複数のキャラクタの1つである第1キャラクタに関する第1アクションが発動した場合に前記記憶部に格納された楽曲データを用いて当該第1キャラクタに対応付けられた第1楽曲の主旋律及び伴奏の再生を行う第1ステップと、
前記第1楽曲の再生中において前記複数のキャラクタの1つである第2キャラクタに関する第2アクションが発動した場合に、前記記憶部に格納された前記楽曲データを用いて、前記第1楽曲の主旋律及び伴奏と前記第2キャラクタに対応付けられた第2楽曲の主旋律の同期再生又は前記第2楽曲の主旋律及び伴奏と前記第1楽曲の主旋律の同期再生を行う第2ステップと、
を含み、
前記第1アクションと前記第2アクションのうち少なくとも一方は、前記入力部を用いたユーザによる操作指示に応じて発動する、
ゲーム方法である。
【0006】
上記各構成によれば、複数のキャラクタによる歌唱等をゲームの演出として用いる際の新たな手法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態のゲーム装置の構成を示す図である。
図2図2は、ゲーム装置の機能ブロック構成例を示す図である。
図3図3は、ゲーム装置によって提供されるゲームの内容例を概略的に説明するための図である。
図4図4は、楽曲データの構成を説明するための概念図である。
図5図5は、切り替えポイントデータの構成を説明するための概念図である。
図6図6は、切り替えポイントデータを用いた同期再生の方法を説明するための概念図である。
図7図7は、切り替えポイントデータを用いた同期再生の方法を説明するための概念図である。
図8図8は、ゲーム装置の同期再生に関する動作手順を示すフローチャートである。
図9図9は、楽曲データの構成を説明するための概念図である。
図10図10は、切り替えポイントデータを用いた同期再生の方法を説明するための概念図である。
図11図11は、切り替えポイントデータを用いた同期再生の方法を説明するための概念図である。
図12図12は、楽曲データの構成を説明するための概念図である。
図13図13は、切り替えポイントデータを用いた同期再生の方法を説明するための概念図である。
図14図14は、切り替えポイントデータを用いた同期再生の方法を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、一実施形態のゲーム装置の構成を示す図である。図示のゲーム装置1は、液晶表示装置などのディスプレイ装置2と接続されて用いられるものであり、プロセッサ11、ROM12、RAM13、記憶デバイス14、メディアドライブ15、通信インターフェース(IF)16、出力インターフェース(IF)17、コントローラ18を含んだコンピュータ(コンピュータシステム)を用いて構成することができる。プロセッサ11等の相互間は通信バスによって接続されている。ディスプレイ装置2は、スピーカ3を内蔵している。なお、ここではディスプレイ装置2とゲーム装置1が別体に構成されている場合を例示しているが、ディスプレイ装置2がゲーム装置1に内蔵されていてもよい。
【0009】
プロセッサ11は、記憶デバイス14に格納されたプログラムを実行することにより、コンピュータゲームの提供に係る各種処理を行う。このプロセッサ11としては、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上が用いられる。
【0010】
ROM12は、プロセッサ11の動作に必要な基礎プログラムを格納している。RAM13は、プロセッサ11における情報処理に必要なデータを一時記憶する。
【0011】
記憶デバイス14は、大容量のデータを不揮発に記憶可能なデバイスであり、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブなどを用いて構成されている。記憶デバイス14に格納されているプログラム(ゲームプログラム)は、例えばメディアドライブ15によって光学ディスクや半導体メモリなどから読み出されたものである。なお、プログラムは、予め通信IF16を介して外部サーバ(図示せず)からダウンロードされて記憶デバイス14に記憶されてもよい。
【0012】
出力IF17は、プロセッサ11によって生成される画像および音声の各信号をディスプレイ装置2へ出力する。これら画像および音声の各信号に基づいてディスプレイ装置2によって画像表示および音声出力が行われる。
【0013】
コントローラ18は、ユーザがゲームを行う際における各種入力(例えば、キャラクタの移動指示、コマンド選択等)を行うためのものである。コントローラ18に与えられた入力はプロセッサ11に送信される。
【0014】
図2は、ゲーム装置の機能ブロック構成例を示す図である。図2に示す各機能ブロックは、上記したプロセッサ11にてプログラムが実行されることにより実現される機能を分かりやすく示したものである。具体的には、図示のようにゲーム装置1は、制御部100と記憶部101を有する。制御部100は、プロセッサ11によるプログラム実行によって実現される機能を表現したものであり、ゲーム進行処理部110、画像処理部111、サウンド処理部112を有する。記憶部101は、ROM12、RAM13及び記憶デバイス14によって実現される機能を表現したものであり、画像データ120、サウンドデータ(楽曲データ)121、切り替えポイントデータ122の各データを格納している。
【0015】
ゲーム進行処理部110は、ゲームの進行に必要な各種の処理を行う。本実施形態では、ユーザに提供されるゲームとして、ユーザの操作に呼応して行動する自キャラクタとプログラム制御によって行動する敵キャラクタとが仮想空間(ゲーム内の世界として仮想的に構築された空間)において種々の攻撃や防御を伴う戦いを行うものを想定する(後述の図3参照)。ゲーム進行処理部110は、上記のようなゲームの進行に際し、コントローラ18の入力に応じて自キャラクタに移動、攻撃、防御などの各行動を行わせる処理、敵キャラクタに移動、攻撃、防御などの各行動を行わせる処理、戦いの結果によるダメージ算出、得点算出、ストーリー進行に係る処理などを行う。なお、自キャラクタ及び敵キャラクタが「複数のキャラクタ」に対応する。
【0016】
画像処理部111は、ゲーム進行処理部110によって行われる処理に応じて、記憶部101に格納された画像データを用いてディスプレイ装置2に表示させるための画像を生成して出力する。
【0017】
サウンド処理部112は、ゲーム進行処理部110によって行われる処理に応じて、記憶部101に格納されたサウンドデータや切り替えポイントデータを用いてディスプレイ装置2のスピーカ3から出力させるための音を生成して出力する。ここでいう「音」には、背景で流れる音楽であるBGM、戦い等の状況に応じた効果音などが含まれる。切り替えポイントデータの詳細については後述する。
【0018】
図3は、ゲーム装置によって提供されるゲームの内容例を概略的に説明するための図である。本実施形態のゲームは、ユーザの操作に応じて行動する自キャラクタとして1人の歌姫200と複数の戦士201、202、203、204が仮想空間内に配置されている。また、仮想空間内には、プログラム制御によって行動する敵キャラクタとして1人の敵歌姫300と複数の敵戦士301、302、303、304が配置されている。
【0019】
自キャラクタの歌姫200は、ユーザの操作により歌唱アクションが指示されると、それに応じて、自身に対応付けて予め用意されている楽曲を歌唱する。このとき、歌姫200による楽曲の歌唱が継続している間、歌姫200を含んだ一定のエリア205(図中では略八角形状のエリア)に位置する戦士201、203は各々の戦闘力が一時的に向上する。
【0020】
同様に、敵歌姫300は、プログラム制御によって歌唱アクションが指示されると、それに応じて、自身に対応付けて予め用意されている楽曲を歌唱する。このとき、敵歌姫300による楽曲の歌唱が継続している間、敵歌姫300を含んだ一定のエリア305(図中では略八角形状のエリア)に位置する敵戦士303、304は各々の戦闘力が一時的に向上する。
【0021】
また、歌姫200に対応するエリア205と敵歌姫300に対応するエリア305とが重なるエリア405では、当該エリア405に位置する戦士203、敵戦士303の双方の戦闘力がさらに向上する。
【0022】
従って、ユーザは、歌姫200や各戦士201等と敵歌姫300や敵戦士300等のそれぞれの位置関係を考慮して歌姫200による歌唱アクションを指示することで、戦闘をより有利に進めることができる。
【0023】
本実施形態では、歌姫200に対応付けられた楽曲と敵歌姫300に対応付けられた楽曲は、互いに別個独立した楽曲であってそれぞれ単独で鑑賞可能な楽曲である。また、本実施形態では、例えば歌姫200の楽曲(歌唱及び伴奏)が再生されている際に、敵歌姫300の楽曲(歌唱のみ)が同期再生されたとしても鑑賞可能な曲となるように各楽曲が構成されている。逆の場合、すなわち敵歌姫300の楽曲(歌唱及び伴奏)が再生されている際に、歌姫200の楽曲(歌唱のみ)が同期再生された場合も同様である。
【0024】
このような各楽曲は、例えば、曲のテンポ、曲の楽節(いわゆるAメロ、Bメロ、サビ等)の小節数を一致させておくとともに、各楽曲のキー(調)を同じ調あるいは平行調とすることによってスケール(音階)が一致するようにして作曲することで実現することができる。それにより、歌姫200の楽曲の伴奏に対して敵歌姫300の歌唱する主旋律を調和させることが可能であるとともに、敵歌姫300の楽曲の伴奏に対して歌姫200の歌唱する主旋律を調和させることも可能となる。
【0025】
キーを平行調にするには、例えば歌姫200の楽曲をCメジャー(ハ長調)で作曲したとすれば、歌姫300の楽曲をAマイナー(イ短調)で作曲すればよい。もちろん、場合によっては主旋律同士が部分的に調和しない場合もあり得るがその場合には一方又は双方の主旋律を適宜調整して作曲しておけばよい。また、キーを同じ調とした場合であれば、例えば対位法と呼ばれる作曲技法を用いて作曲を行うことで、歌姫200の楽曲の主旋律と敵歌姫300の楽曲の主旋律とを共存させることができる。
【0026】
図4は、楽曲データの構成を説明するための概念図である。楽曲データは、上記したサウンドデータの一種であり、歌姫200、敵歌姫300のそれぞれに対応して用意されている。以降の説明では、歌姫200に対応付けられた楽曲を「楽曲1」と呼び、敵歌姫300に対応付けられた楽曲を「楽曲2」と呼ぶ。
【0027】
歌姫200の楽曲1に対する楽曲データとして、本実施形態では、図4(A)に示すように歌姫200の歌唱(主旋律に歌詞を載せて歌った音声)と伴奏とを含む楽曲データと、図4(B)に示すように歌姫200の歌唱のみを含んで伴奏を含まない楽曲データが用意されている。楽曲1の曲の長さは、一例として5分間であるものとする。
【0028】
同様に、敵歌姫300の楽曲2に対する楽曲データとして、本実施形態では、図4(C)に示すように敵歌姫300の歌唱と伴奏とを含む楽曲データと、図4(D)に示すように敵歌姫300の歌唱のみを含んで伴奏を含まない楽曲データが用意されている。ここでは、楽曲2の曲の長さは、楽曲1と同じ5分間であるものとする。
【0029】
一例として、各楽曲1、2は、いずれも8小節のイントロ、8小節のAメロ、8小節のBメロ、16小節のサビ、4小節のエンディングという楽節の順に進行するものであり、テンポも同じであるものとする。また、楽曲1と楽曲2の各々のキー(調)は、互いに平行調の関係にあるものとする。
【0030】
上記のような楽曲データを用いることで、例えば、歌姫200の楽曲1に対応する「歌唱及び伴奏」の楽曲データ(図4(A)参照)を再生しつつ、敵歌姫300の楽曲2に対応する「歌唱のみ」の楽曲データ(図4(D)参照)を同期再生することで、楽曲1の伴奏上に楽曲1の歌唱と楽曲2の歌唱が重なった状態の楽曲を得ることができる。同様に、敵歌姫300の楽曲2に対応する「歌唱及び伴奏」の楽曲データ(図4(C)参照)を再生しつつ、歌姫200の楽曲1に対応する「歌唱のみ」の楽曲データ(図4(B)参照)を同期再生することで、楽曲2の伴奏上に楽曲1の歌唱と楽曲2の歌唱が重なった状態の楽曲を得ることができる。
【0031】
図5は、切り替えポイントデータの構成を説明するための概念図である。なお、ここでは楽曲1、2に共通した1つの切り替えポイントデータを前提として説明するが、楽曲1、2のそれぞれに対応した2つの切り替えポイントデータが設けられていてもよい。本実施形態のゲームでは、例えば歌姫200の楽曲1(歌唱及び伴奏)の再生が開始された後、任意の時点で楽曲2(歌唱のみ)の同期再生が開始される。ここでいう同期再生とは、例えば楽曲1の再生が開始してから1分10秒間経過した時点であるとすると、楽曲2も同じ1分10秒間経過した時点(すなわち楽曲2の途中であって楽曲1の現在の再生箇所に対応した時点)から楽曲1とともに再生が開始されることをいう。
【0032】
このとき、何の制約もなく任意の時点から楽曲1、2の同期再生を開始してもよいが、各楽曲における主旋律の切りの良いタイミングで同期再生を開始させるようにすることがより好ましい。ここでいう「切りの良いタイミング」とは、例えば、楽節(Aメロ、Bメロ、サビ等)同士の合間でもよいし、更に細分化して主旋律中に含まれるフレーズ(楽句)同士の合間(フレーズの切れ目で空白が生じる部分)であってもよい。フレーズ同士の合間とする場合には、例えば、一定長さ以上の休符(例えば、八分休符ないしそれ以上の長さの休符)が存在する部分をフレーズの合間としてもよい。このような「切りの良いタイミング」で各楽曲の同期再生を開始させることで、メロディや歌詞が中途半端な位置から同期再生が開始することを防ぎ、同期再生の開始時の違和感を軽減することができる。
【0033】
具体的には、図5に示すように切り替えポイントデータは、楽曲の開始時点(0:00)から終了時点(5:00)までの間において、複数の切り替えポイントP1、P2、P3、P4、P5・・・Pn(nは整数)を含んでいる。これらの切り替えポイントP1等は、上記した「切りの良いタイミング」に対応して設定されるものであり、例えば、1:00、1:25、2:10といった楽曲内での位置を示す。次に、この切り替えポイントデータの使い方について説明する。
【0034】
図6は、切り替えポイントデータを用いた同期再生の方法を説明するための概念図である。ここでは、プログラム制御により敵歌姫300の楽曲2が先に再生開始されており、その後にユーザによるコントローラ18の操作に応じて歌姫200の楽曲1が楽曲2と同期再生される場合を例示する。なお、楽曲1が先に再生開始され、後から楽曲2が同期再生される場合でも処理手順は同様である。この同期再生は、主に制御部100のサウンド処理部112によって実行される。
【0035】
図示のように、例えば敵歌姫300の楽曲2(歌唱及び伴奏)が再生されている最中において、切り替えポイントP3と切り替えポイントP4の間でユーザの操作により歌姫200の歌唱アクション(第1アクション)が発動したとする。この場合には、アクション発動時点から時間的に後方であって時間的に最も近い位置の切り替えポイントP4により示されるタイミングで楽曲1(歌唱のみ)が同期再生される。例えば、切り替えポイントP4により示される楽曲内での位置が「1:30(1分30秒)」であれば、楽曲1(歌唱のみ)の1:30以降の部分が楽曲2(歌唱及び伴奏)の1:30の位置から同期して再生される。この場合には、楽曲2(歌唱及び伴奏)の再生が継続されつつ、その上に楽曲1(歌唱のみ)が重なった状態で、ディスプレイ装置2のスピーカ3から音声が出力される。
【0036】
なお、図7に示す別の例のように、切り替えポイントP4により示される楽曲内での位置以降において、楽曲1(歌唱及び伴奏)の1:30以降の部分を再生し、かつ楽曲2については「歌唱及び伴奏」から「歌唱のみ」に変更して1:30以降の部分を同期して再生してもよい。この場合には、楽曲2(歌唱及び伴奏)の再生が停止して楽曲1(歌唱及び伴奏)に切り替わり、その上に楽曲2(歌唱のみ)が重なった状態で、ディスプレイ装置2のスピーカ3から音声が出力される。
【0037】
図8は、ゲーム装置の同期再生に関する動作手順を示すフローチャートである。本実施形態のゲーム装置1の動作についてフローチャートに沿って詳細に説明する。なお、図8に示すフローチャートにおける各処理の順序等は一例であってこれに限定されず、得られる情報処理の結果に不整合を生じない限りにおいて適宜順序を変更してもよいし、他の処理が追加されてもよい。
【0038】
ゲーム進行処理部110によるプログラム制御によって敵歌姫300の歌唱アクションが発動するか、もしくはユーザによるコントローラ18の操作に応じて歌姫200の歌唱アクションが発動した場合に(ステップS11;YES)、サウンド処理部112は、歌唱アクションが発動した歌姫(ここでは「第1の歌姫」という。)に対応する楽曲(歌唱及び伴奏)を再生する(ステップS12)。
【0039】
例えば、第1の歌姫が敵歌姫300の場合には、サウンド処理部112は、記憶部101に格納されたサウンドデータを用いて楽曲2(歌唱及び伴奏)を再生する。再生された楽曲2(歌唱及び伴奏)の音声は、ディスプレイ装置2のスピーカ3から出力される。歌姫200の場合も同様である。
【0040】
他方、第1の歌姫による歌唱アクションが発動しない間は(ステップS11;NO)、楽曲の再生は開始されない。この場合には、サウンド処理部112は、ゲーム進行に併せて、適宜BGMを再生したり効果音を発生させたりする。
【0041】
その後、ゲーム進行処理部110によるプログラム制御によって敵歌姫300の歌唱アクションが発動するか、もしくはユーザによるコントローラ18の操作に応じて歌姫200の歌唱アクションが発動した場合に(ステップS13;YES)、サウンド処理部112は、切り替えポイントデータを用い、歌唱アクションの発動時点から最も時間的に近い位置の切り替えポイントを設定する(ステップS14)。
【0042】
ステップS13では歌唱アクションが発動した歌姫を「第2の歌姫」という。ステップS13では第1の歌姫と第2の歌姫は相補的である。すなわち、第1の歌姫が歌姫200であった場合には第2の歌姫は敵歌姫300となり、第1の歌姫が敵歌姫300であった場合には第2の歌姫は歌姫200となる。
【0043】
次に、サウンド処理部112は、切り替えポイントに基づいて定まるタイミングから第1の歌姫の楽曲と第2の歌姫の楽曲を同期再生する(ステップS15)。例えば、第1の歌姫が敵歌姫300で第2の歌姫が歌姫200である場合には、サウンド処理部112は、楽曲2(歌唱及び伴奏)の再生を継続しつつ、切り替えポイントにより定まるタイミングから楽曲1(歌唱のみ)を同期再生する(図6参照)。あるいは、サウンド処理部112は、切り替えポイントにより定まるタイミングで楽曲2(歌唱及び伴奏)の再生を停止し、楽曲1(歌唱及び伴奏)と楽曲2(歌唱のみ)を同期再生する(図7参照)。同期再生された各楽曲の音声は、ディスプレイ装置2のスピーカ3から出力される。
【0044】
他方、第2の歌姫による歌唱アクションが発動しない間は(ステップS13;NO)、再生完了までは第1の歌姫に対応する楽曲の再生が継続され(ステップS16;NO)、その状態で楽曲の再生が完了した場合には(ステップS16;YES)、ステップS11へ戻る。
【0045】
また、第1、第2の各歌姫に対応する楽曲の同期再生が開始された後も同様であり、再生完了までは各楽曲の再生が継続され(ステップS17;NO)、各楽曲の再生が完了した場合には(ステップS17;YES)、ステップS11へ戻る。
【0046】
なお、楽曲1、2のそれぞれをループ再生可能な状態に作曲しておいてもよい。この場合には、別途、ゲーム内でのアクション等が発動しない限りは、楽曲のループ再生が継続される。ここでいうループ再生とは、楽曲の最後まで再生した後、音が途切れることなく再び、冒頭からその楽曲が再生されることをいう。
【0047】
以上のような実施形態によれば、複数のキャラクタによる歌唱等をゲームの演出として用いる際の新たな手法が提供される。具体的には、本実施形態によればユーザによるコントローラ18の操作に応じてインタラクティブに歌唱等を開始させることが可能である。また、互いに独立した主旋律を有する楽曲同士を自在なタイミングでマッシュアップしてユーザに聴取させることが可能となる。さらに、切り替えポイントデータを用いることでマッシュアップされた楽曲に切り替える際のユーザへの違和感をより軽減することができる。
【0048】
なお、本開示は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では、各歌姫による歌唱(すなわち人の音声)により主旋律が奏でられる場合を想定していたが、音声合成プログラムによって生成される疑似音声で主旋律が奏でられてもよい。また、主旋律を奏でるものは人の音声(疑似音声含む)に限られず、他の楽器(例えば、管楽器、ギター、ピアノ、シンセサイザーなど)であってもよい。
【0049】
また、楽曲データの構造は上記した例に限定されない。例えば、上記した実施形態では各楽曲1、2について、歌唱と伴奏を含む楽曲データと歌唱のみの楽曲データを用意していたが、例えば図9(A)~図9(D)に示すように、各楽曲1、2について歌唱のみの楽曲データと伴奏のみの楽曲データとを用意しておいてもよい。この場合には、例えば図10に示すように楽曲2について歌唱のみの楽曲データと伴奏のみの楽曲データを同期再生し、切り替えポイントに対応する位置から楽曲1の歌唱のみの楽曲データを更に同期再生すればよい。あるいは、図11に示すように楽曲2について歌唱のみの楽曲データと伴奏のみの楽曲データを同期再生し、切り替えポイントに対応する位置から楽曲2の伴奏のみの楽曲データを停止するとともに楽曲1の歌唱のみの楽曲データと伴奏のみの楽曲データを更に同期再生すればよい。
【0050】
また、楽曲データの構造としては、例えば図12(A)~図12(D)に示すように、楽曲1の歌唱と伴奏を含む楽曲データ、楽曲1の歌唱と伴奏並びに楽曲2の歌唱を含む楽曲データ、楽曲2の歌唱と伴奏を含む楽曲データ、楽曲2の歌唱と伴奏並びに楽曲1の歌唱を含む楽曲データを用意しておいてもよい。この場合には、例えば図13に示すように、楽曲2について歌唱のみの楽曲データと伴奏のみの楽曲データを再生し、切り替えポイントに対応する位置からは、楽曲2の歌唱と伴奏並びに楽曲1の歌唱を含む楽曲データに切り替えることで、楽曲2の歌唱及び伴奏と楽曲1の歌唱とを同期再生すればよい。あるいは、図14に示すように、楽曲2について歌唱のみの楽曲データと伴奏のみの楽曲データを再生し、切り替えポイントに対応する位置からは、楽曲1の歌唱と伴奏並びに楽曲2の歌唱を含む楽曲データに切り替えることで、楽曲1の歌唱及び伴奏と楽曲2の歌唱とを同期再生すればよい。
【0051】
また、上記した各実施形態において、楽曲1、2が同期再生される際においては、各楽曲の歌唱をスピーカ3の左右に振り分けて再生してもよい。例えば、スピーカ3の左側スピーカからは楽曲1の歌唱パートがより大きい音で出力され、右側スピーカからは楽曲2の歌唱パートがより大きい音で出力されるように音の定位を設定することができる。
【0052】
また、上記した各実施形態では、敵歌姫300による歌唱アクションの発動はプログラム制御によって行われていたがこれに限定されず、歌姫200を操作するユーザとは別のユーザによって敵歌姫300が操作され、敵歌姫300による歌唱アクションの発動が行われるようにしてもよい。
【0053】
また、上記した各実施形態では説明を分かりやすくするために、歌姫200、敵歌姫300のそれぞれに対応付けられる楽曲を1曲ずつとしていたが、それぞれの歌姫に対して複数の楽曲を用意しておき、ゲーム進行などの状況に応じて再生する楽曲を選択してもよい。この場合においては、上記した楽曲1、2と同様に、同期再生した場合にも音楽的に成立する状態とした楽曲の対を複数用意しておけばよい。
【符号の説明】
【0054】
1:ゲーム装置、2:ディスプレイ装置、3:スピーカ、11:プロセッサ、12:ROM、13:RAM、14:記憶デバイス、15:メディアドライブ、16:通信インターフェース、17:出力インターフェース、18:コントローラ、100:制御部、101:記憶部、110:ゲーム進行処理部、111:画像処理部、112:サウンド処理部、120:画像データ、121:サウンドデータ、122:切り替えポイントデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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