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特開2024-3478シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法
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  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図1
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図2
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図3
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図4
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図5
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図6
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図7
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図8
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図9
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図10
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図11
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図12
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図13
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図14
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図15
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図16
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図17
  • 特開-シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法 図18
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003478
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/06 20060101AFI20240105BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
B65H3/06 350Z
G03G15/00 405
B65H3/06 330G
B65H3/06 330D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102657
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平 和也
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 保典
(72)【発明者】
【氏名】太田 修司
(72)【発明者】
【氏名】立松 弘嵩
【テーマコード(参考)】
2H072
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BA03
2H072BA20
2H072BB00
2H072JA08
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC04
3F343FC21
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA16
3F343JA11
3F343JA14
3F343JA16
3F343JA19
3F343KB04
3F343KB05
3F343KB17
3F343LD24
3F343LD29
(57)【要約】
【課題】給紙されるシートに波打ちが生じても、給紙ローラと分離ローラとの駆動を連結するギヤ列とシートとの接触を抑制できるシート搬送装置を提供する。
【解決手段】シート搬送装置3は、第1軸321に回転可能に支持される第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323と、第1軸321に一体的に回転可能に支持され、第1給紙ローラ322と第2給紙ローラ323との間に位置する給紙ローラギヤ324と、第2軸331に回転可能に支持される第1分離ローラ332および第2分離ローラ333と、第2軸331に一体的に回転可能に支持され、第1分離ローラ332と第2分離ローラ333との間に位置し、給紙ローラギヤ324と駆動が連結される分離ローラギヤ334とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを支持する給紙トレイと、
前記給紙トレイに支持されるシートを画像形成部へ向けて給紙する第1給紙ローラおよび第2給紙ローラであって、第1軸に回転可能に支持され、前記第1軸の軸方向に並んで配置される第1給紙ローラおよび第2給紙ローラと、
前記第1軸に一体的に回転可能に支持され、前記第1給紙ローラおよび前記第2給紙ローラへ駆動力を伝達する給紙ローラギヤであって、前記軸方向において前記第1給紙ローラと前記第2給紙ローラとの間に位置する給紙ローラギヤと、
前記第1給紙ローラおよび前記第2給紙ローラにより給紙されるシートを1枚ずつ分離する第1分離ローラおよび第2分離ローラであって、第2軸に回転可能に支持され、前記第2軸の軸方向に並んで配置される第1分離ローラおよび第2分離ローラと、
前記第2軸に一体的に回転可能に支持され、前記第1分離ローラおよび前記第2分離ローラへ駆動力を伝達する分離ローラギヤであって、前記軸方向において前記第1分離ローラと前記第2分離ローラとの間に位置し、前記給紙ローラギヤと駆動が連結される分離ローラギヤと、
を備えることを特徴とするシ-ト搬送装置。
【請求項2】
前記第1給紙ローラの下端および前記第2給紙ローラの下端は、前記給紙ローラギヤの下端よりも下方に位置し、
前記第1分離ローラの下端および前記第2分離ローラの下端は、前記分離ローラギヤの下端よりも下方に位置する請求項1に記載のシ-ト搬送装置。
【請求項3】
前記第1軸および前記第2軸を回転可能に支持するホルダと、
前記ホルダに回転可能に支持され、前記給紙ローラギヤと前記分離ローラギヤとに噛み合うアイドルギヤと、
を更に備える請求項1に記載のシ-ト搬送装置。
【請求項4】
前記第2軸は、
前記第1分離ローラ、前記第2分離ローラ、および前記分離ローラギヤが支持される第2軸本体と、
前記第2軸本体の前記軸方向における一端に位置し、駆動シャフトと接続されることで前記駆動シャフトからの駆動力を前記第2軸本体に伝達する継手であって、前記第2軸本体よりも大径に形成される継手とを有し、
前記第2軸本体は、前記分離ローラギヤと回転方向において係合する係合部を有し、
前記第1分離ローラは、前記第2軸本体における前記継手と前記係合部との間に嵌装され、
前記第2分離ローラは、前記第2軸本体における前記係合部よりも前記軸方向における他端側に嵌装され、
前記分離ローラギヤは、前記第2軸本体における前記第1分離ローラと前記第2分離ローラとの間に嵌装され、前記第2軸本体に嵌装されたときに前記係合部と係合する被係合部を有する請求項1に記載のシ-ト搬送装置。
【請求項5】
前記第2軸は、
前記第1分離ローラ、前記第2分離ローラ、および前記分離ローラギヤが支持される第2軸本体と、
前記第2軸本体の前記軸方向における一端に位置し、駆動シャフトと接続されることで前記駆動シャフトからの駆動力を前記第2軸本体に伝達する継手であって、前記第2軸本体よりも大径、かつ前記第1分離ローラの内径よりも小径に形成される継手とを有し、
前記分離ローラギヤは、前記第2軸に固定され、
前記第1分離ローラは、前記第2軸本体における前記継手と前記分離ローラギヤとの間に嵌装され、
前記第2分離ローラは、前記第2軸本体における前記分離ローラギヤよりも他端側に嵌装される請求項1に記載のシ-ト搬送装置。
【請求項6】
前記第2軸は、
前記第1分離ローラ、前記第2分離ローラ、および前記分離ローラギヤが支持される第2軸本体と、
前記第2軸本体の前記軸方向における一端に位置し、駆動シャフトと接続されることで前記駆動シャフトからの駆動力を前記第2軸本体に伝達する継手であって、前記第2軸本体の径以下の径を有する継手とを有し、
前記分離ローラギヤは、前記第2軸に固定され、
前記第1分離ローラは、前記第2軸本体における前記継手と前記分離ローラギヤとの間に嵌装され、
前記第2分離ローラは、前記第2軸本体における前記分離ローラギヤよりも他端側に嵌装される請求項1に記載のシ-ト搬送装置。
【請求項7】
前記第2軸の前記軸方向における一端に取り付けられ、駆動シャフトと接続されることで前記駆動シャフトからの駆動力を前記第2軸本体に伝達する継手であって、前記第2軸よりも大径に形成される継手をさらに備え、
前記分離ローラギヤは、前記第2軸に固定され、
前記第1分離ローラは、前記第2軸における前記継手と前記分離ローラギヤとの間に嵌装され、
前記第2分離ローラは、前記第2軸における前記分離ローラギヤよりも前記軸方向における他端側に嵌装される請求項1に記載のシ-ト搬送装置。
【請求項8】
前記第1給紙ローラと前記第1軸との間に介装され、前記第1給紙ローラの前記第1軸に対する第1方向への回転を許容し、かつ前記第1給紙ローラの前記第1軸に対する前記第1方向と反対側の第2方向への回転を規制する第1給紙ローラクラッチと、
前記第2給紙ローラと前記第1軸との間に介装され、前記第2給紙ローラの前記第2軸に対する前記第1方向への回転を許容し、かつ前記第2給紙ローラの前記第2軸に対する前記第2方向への回転を規制する第2給紙ローラクラッチと、
前記第1分離ローラと前記第2軸との間に介装され、前記第1分離ローラの前記第2軸に対する前記第1方向への回転を許容し、かつ前記第1分離ローラの前記第2軸に対する前記第2方向への回転を規制する第1分離ローラクラッチと、
前記第2分離ローラと前記第2軸との間に介装され、前記第2分離ローラの前記第2軸に対する前記第1方向への回転を許容し、かつ前記第2分離ローラの前記第2軸に対する前記第2方向への回転を規制する第2分離ローラクラッチと、
を備える請求項1に記載のシ-ト搬送装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシート搬送装置を備える画像形成装置であって、
トナー像が形成されるドラムと、前記ドラムに対向して配置される転写部材とを更に備える画像形成装置。
【請求項10】
請求項4に記載のシート搬送装置の製造方法であって、
前記第1分離ローラを、前記第2軸本体における前記継手と前記係合部との間の位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第1工程と、
前記第1工程を実行した後に、前記分離ローラギヤを、前記第2軸本体における前記係合部と前記被係合部とが係合する位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第2工程と、
前記第2工程を実行した後に、前記第2分離ローラを、前記第2軸本体における前記係合部よりも他端側の位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第3工程と、
を備えるシート搬送装置の製造方法。
【請求項11】
請求項5に記載のシート搬送装置の製造方法であって、
前記第1分離ローラを、前記第2軸本体における前記継手と前記分離ローラギヤとの間の位置に、前記第2軸本体の一端側から嵌装する第4工程と、
前記第2分離ローラを、前記第2軸本体における前記分離ローラギヤよりも他端側の位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第5工程と、
を備えるシート搬送装置の製造方法。
【請求項12】
請求項6に記載のシート搬送装置の製造方法であって、
前記第1分離ローラを、前記第2軸本体における前記継手と前記分離ローラギヤとの間の位置に、前記第2軸本体の一端側から嵌装する第6工程と、
前記第2分離ローラを、前記第2軸本体における前記分離ローラギヤよりも他端側の位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第7工程と、
を備えるシート搬送装置の製造方法。
【請求項13】
請求項7に記載のシート搬送装置の製造方法であって、
前記第1分離ローラを、前記第2軸における前記分離ローラギヤよりも一端側の位置に、前記第2軸の一端側から嵌装する第8工程と、
前記第8工程を実行した後に、前記第2軸の一端に前記継手を取り付ける第9工程と、
前記第2分離ローラを、前記第2軸における前記分離ローラギヤよりも他端側の位置に、前記第2軸の他端側から嵌装する第10工程と、
を備えるシート搬送装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、シートを給紙する給紙ローラと、給紙されるシートを1枚ずつ分離する分離ローラと、給紙ローラと分離ローラとの間の駆動を連結し、給紙ローラおよび分離ローラの軸方向における一側に隣接して配置されるギヤ列と、を備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
このような画像形成装置においては、給紙されるシートに波打ちが生じると、変形したシートが給紙ローラおよび分離ローラの一側に位置するギヤ列のギヤと接触するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-065819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように変形したシートとギヤとが接触すると、シートにかかる荷重が、給紙ローラおよび分離ローラによる荷重と、シートとギヤとの間の摩擦による荷重とに分散されて、給紙時にシートにかかるニップ荷重が減少して、給紙ミスが発生する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明においては、給紙されるシートに波打ちが生じた場合でも、給紙ローラと分離ローラとの間の駆動を連結するギヤ列のギヤとシートとが接触することを抑制できるシート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するシート搬送装置、画像形成装置、およびシート搬送装置の製造方法は、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、シート搬送装置は、シートを支持する給紙トレイと、前記給紙トレイに支持されるシートを画像形成部へ向けて給紙する第1給紙ローラおよび第2給紙ローラであって、第1軸に回転可能に支持され、前記第1軸の軸方向に並んで配置される第1給紙ローラおよび第2給紙ローラと、前記第1軸に一体的に回転可能に支持され、前記第1給紙ローラおよび前記第2給紙ローラへ駆動力を伝達する給紙ローラギヤであって、前記軸方向において前記第1給紙ローラと前記第2給紙ローラとの間に位置する給紙ローラギヤと、前記第1給紙ローラおよび前記第2給紙ローラにより給紙されるシートを1枚ずつ分離する第1分離ローラおよび第2分離ローラであって、第2軸に回転可能に支持され、前記第2軸の軸方向に並んで配置される第1分離ローラおよび第2分離ローラと、前記第2軸に一体的に回転可能に支持され、前記第1分離ローラおよび前記第2分離ローラへ駆動力を伝達する分離ローラギヤであって、前記軸方向において前記第1分離ローラと前記第2分離ローラとの間に位置し、前記給紙ローラギヤと駆動が連結される分離ローラギヤと、を備える。
【0009】
このように、第1給紙ローラと第2給紙ローラとを第1軸の軸方向に並べて配置し、第1給紙ローラと第2給紙ローラとの間に給紙ローラギヤを配置するとともに、第1分離ローラと第2分離ローラとを第2軸の軸方向に並べて配置し、第1分離ローラと第2分離ローラとの間に分離ローラギヤを配置することで、送り出すシートに波打ちが発生しても、第1軸の軸方向における給紙ローラギヤの両側で第1給紙ローラおよび第2給紙ローラがシートを押さえるとともに、第2軸の軸方向における分離ローラギヤの両側で第1分離ローラおよび第2分離ローラがシートを押さえることができ、給紙ローラギヤおよび分離ローラギヤがシートと接触することを抑制できる。
【0010】
また、前記第1給紙ローラの下端および前記第2給紙ローラの下端は、前記給紙ローラギヤの下端よりも下方に位置し、前記第1分離ローラの下端および前記第2分離ローラの下端は、前記分離ローラギヤの下端よりも下方に位置する。
【0011】
これにより、第1軸の軸方向における給紙ローラギヤの両側で、第1給紙ローラおよび第2給紙ローラが給紙ローラギヤの下端よりも下方の位置でシートを押さえるとともに、第2軸の軸方向における分離ローラギヤの両側で、第1分離ローラおよび第2分離ローラが分離ローラギヤの下端よりも下方の位置でシートを押さえるため、シートに波打ちが発生した場合でも、給紙ローラギヤおよび分離ローラギヤがシートと接触することを効果的に抑制できる。
【0012】
また、前記第1軸および前記第2軸を回転可能に支持するホルダと、前記ホルダに回転可能に支持され、前記給紙ローラギヤと前記分離ローラギヤとに噛み合うアイドルギヤと、を更に備える。
【0013】
これにより、分離ローラギヤと給紙ローラギヤとの回転を安定して連動させることができる。
【0014】
また、前記第2軸は、前記第1分離ローラ、前記第2分離ローラ、および前記分離ローラギヤが支持される第2軸本体と、前記第2軸本体の前記軸方向における一端に位置し、駆動シャフトと接続されることで前記駆動シャフトからの駆動力を前記第2軸本体に伝達する継手であって、前記第2軸本体よりも大径に形成される継手とを有し、前記第2軸本体は、前記分離ローラギヤと回転方向において係合する係合部を有し、前記第1分離ローラは、前記第2軸本体における前記継手と前記係合部との間に嵌装され、前記第2分離ローラは、前記第2軸本体における前記係合部よりも前記軸方向における他端側に嵌装され、前記分離ローラギヤは、前記第2軸本体における前記第1分離ローラと前記第2分離ローラとの間に嵌装され、前記第2軸本体に嵌装されたときに前記係合部と係合する被係合部を有する。
【0015】
これにより、第1分離ローラ、分離ローラギヤ、および第2分離ローラを、第2軸本体に対して、第2軸本体の他端側から順に嵌装して組み付けることができるため、第1分離ローラ、分離ローラギヤ、および第2分離ローラの第2軸本体に対する組付け性を向上することができる。
【0016】
また、前記第2軸は、前記第1分離ローラ、前記第2分離ローラ、および前記分離ローラギヤが支持される第2軸本体と、前記第2軸本体の前記軸方向における一端に位置し、駆動シャフトと接続されることで前記駆動シャフトからの駆動力を前記第2軸本体に伝達する継手であって、前記第2軸本体よりも大径、かつ前記第1分離ローラの内径よりも小径に形成される継手とを有し、前記分離ローラギヤは、前記第2軸に固定され、前記第1分離ローラは、前記第2軸本体における前記継手と前記分離ローラギヤとの間に嵌装され、前記第2分離ローラは、前記第2軸本体における前記分離ローラギヤよりも他端側に嵌装される。
【0017】
これにより、第1分離ローラを第2軸本体に対して一端側から組み付けるとともに、第2分離ローラを第2軸本体に対して他端から組み付けることができ、第1分離ローラおよび第2分離ローラの第2軸本体に対する組付け性を向上することができる。
【0018】
また、前記第2軸は、前記第1分離ローラ、前記第2分離ローラ、および前記分離ローラギヤが支持される第2軸本体と、前記第2軸本体の前記軸方向における一端に位置し、駆動シャフトと接続されることで前記駆動シャフトからの駆動力を前記第2軸本体に伝達する継手であって、前記第2軸本体の径以下の径を有する継手とを有し、前記分離ローラギヤは、前記第2軸に固定され、前記第1分離ローラは、前記第2軸本体における前記継手と前記分離ローラギヤとの間に嵌装され、前記第2分離ローラは、前記第2軸本体における前記分離ローラギヤよりも他端側に嵌装される。
【0019】
これにより、第1分離ローラを第2軸本体に対して一端側から組み付けるとともに、第2分離ローラを第2軸本体に対して他端から組み付けることができ、第1分離ローラおよび第2分離ローラの第2軸本体に対する組付け性を向上することができる。
【0020】
また、前記第2軸の前記軸方向における一端に取り付けられ、駆動シャフトと接続されることで前記駆動シャフトからの駆動力を前記第2軸本体に伝達する継手であって、前記第2軸よりも大径に形成される継手をさらに備え、前記分離ローラギヤは、前記第2軸に固定され、前記第1分離ローラは、前記第2軸における前記継手と前記分離ローラギヤとの間に嵌装され、前記第2分離ローラは、前記第2軸における前記分離ローラギヤよりも前記軸方向における他端側に嵌装される。
【0021】
これにより、第1分離ローラを第2軸に対して一端側から組み付けた後に継手を第2軸の一端に取り付けるとともに、第2分離ローラを第2軸に対して他端側から組み付けることができ、第1分離ローラ、第2分離ローラ、および継手の第2軸に対する組付け性を向上することができる。
【0022】
また、前記第1給紙ローラと前記第1軸との間に介装され、前記第1給紙ローラの前記第1軸に対する第1方向への回転を許容し、かつ前記第1給紙ローラの前記第1軸に対する前記第1方向と反対側の第2方向への回転を規制する第1給紙ローラクラッチと、前記第2給紙ローラと前記第1軸との間に介装され、前記第2給紙ローラの前記第2軸に対する前記第1方向への回転を許容し、かつ前記第2給紙ローラの前記第2軸に対する前記第2方向への回転を規制する第2給紙ローラクラッチと、前記第1分離ローラと前記第2軸との間に介装され、前記第1分離ローラの前記第2軸に対する前記第1方向への回転を許容し、かつ前記第1分離ローラの前記第2軸に対する前記第2方向への回転を規制する第1分離ローラクラッチと、前記第2分離ローラと前記第2軸との間に介装され、前記第2分離ローラの前記第2軸に対する前記第1方向への回転を許容し、かつ前記第2分離ローラの前記第2軸に対する前記第2方向への回転を規制する第2分離ローラクラッチと、を備える。
【0023】
これにより、第1軸および第2軸が第1方向へ回転しているときに、第1給紙ローラ、第2給紙ローラ、第1分離ローラ、および第2分離ローラを第1方向へ回転させてシートを給紙方向へ送り出すことができ、第1軸および第2軸が停止しているときに、第1給紙ローラ、第2給紙ローラ、第1分離ローラ、および第2分離ローラが、給紙方向へ移動するシートに追従して第1方向へ回転することができる。
【0024】
また、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシート搬送装置を備える画像形成装置であって、トナー像が形成されるドラムと、前記ドラムに対向して配置される転写部材とを更に備える。
【0025】
これにより、ドラムと転写部材とを備える画像形成装置において、
送り出すシートに波打ちが発生しても、第1軸の軸方向における給紙ローラギヤの両側で第1給紙ローラおよび第2給紙ローラがシートを押さえるとともに、第2軸の軸方向における分離ローラギヤの両側で第1分離ローラおよび第2分離ローラがシートを押さえることができ、給紙ローラギヤおよび分離ローラギヤがシートと接触することを抑制できる。
【0026】
また、請求項4に記載のシート搬送装置の製造方法であって、前記第1分離ローラを、前記第2軸本体における前記継手と前記係合部との間の位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第1工程と、前記第1工程を実行した後に、前記分離ローラギヤを、前記第2軸本体における前記係合部と前記被係合部とが係合する位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第2工程と、前記第2工程を実行した後に、前記第2分離ローラを、前記第2軸本体における前記係合部よりも他端側の位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第3工程と、を備える。
【0027】
これにより、第2軸の継手が第2軸本体よりも大径に形成され、第2軸本体の係合部と分離ローラギヤの被係合部とが回転方向において係合する構成において、第1分離ローラ、分離ローラギヤ、および第2分離ローラの第2軸本体に対する組付け性を向上することができる。
【0028】
また、請求項5に記載のシート搬送装置の製造方法であって、前記第1分離ローラを、前記第2軸本体における前記継手と前記分離ローラギヤとの間の位置に、前記第2軸本体の一端側から嵌装する第4工程と、前記第2分離ローラを、前記第2軸本体における前記分離ローラギヤよりも他端側の位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第5工程と、を備える。
【0029】
これにより、第2軸の継手が第2軸本体よりも大径、かつ第1分離ローラの内径よりも小径に形成され、分離ローラギヤが第2軸本体に固定された構成において、第1分離ローラおよび第2分離ローラの第2軸本体に対する組付け性を向上することができる。
【0030】
また、請求項6に記載のシート搬送装置の製造方法であって、前記第1分離ローラを、前記第2軸本体における前記継手と前記分離ローラギヤとの間の位置に、前記第2軸本体の一端側から嵌装する第6工程と、前記第2分離ローラを、前記第2軸本体における前記分離ローラギヤよりも他端側の位置に、前記第2軸本体の他端側から嵌装する第7工程と、を備える。
【0031】
これにより、第2軸の継手が第2軸本体の径以下の径を有し、分離ローラギヤが第2軸本体に固定された構成において、第1分離ローラおよび第2分離ローラの第2軸本体に対する組付け性を向上することができる。
【0032】
また、請求項7に記載のシート搬送装置の製造方法であって、前記第1分離ローラを、前記第2軸における前記分離ローラギヤよりも一端側の位置に、前記第2軸の一端側から嵌装する第8工程と、前記第8工程を実行した後に、前記第2軸の一端に前記継手を取り付ける第9工程と、前記第2分離ローラを、前記第2軸における前記分離ローラギヤよりも他端側の位置に、前記第2軸の他端側から嵌装する第10工程と、を備える。
【0033】
これにより、継手が第2軸の一端に取り付けられ、分離ローラギヤが第2軸に固定された構成において、第1分離ローラ、第2分離ローラ、および継手の第2軸に対する組付け性を向上することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、送り出すシートに波打ちが発生しても、第1軸の軸方向における給紙ローラギヤの両側で第1給紙ローラおよび第2給紙ローラがシートを押さえるとともに、第2軸の軸方向における分離ローラギヤの両側で第1分離ローラおよび第2分離ローラがシートを押さえることができ、給紙ローラギヤおよび分離ローラギヤがシートと接触することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】画像形成装置を示す中央断面図である。
図2】駆動力伝達列を示す正面図である。
図3】ホルダに支持される給紙ローラおよび分離ローラを示す正面図である。
図4】ホルダに支持される給紙ローラおよび分離ローラを示す底面図である。
図5】ホルダに支持される給紙ローラおよび分離ローラを示す側面断面図である。
図6】(a)は分離ローラにおける第2軸の従動側カップリングを示す斜視図であり、(b)は分離ローラシャフトにおける駆動側カップリングを示す斜視図である。
図7】給紙ローラを示す正面断面図である。
図8】(a)は第1軸および給紙ローラギヤを示す正面断面図であり、(b)は第1軸および給紙ローラギヤを示す側面断面図である。
図9】分離ローラを示す側面断面図である。
図10】(a)は第2軸および分離ローラギヤを示す正面断面図であり、(b)は第2軸および分離ローラギヤを示す側面断面図である。
図11】第1分離ローラおよび第2分離ローラが分離ローラギヤの下端よりも下方の位置でシートを押さえる様子を示す正面図である。
図12】分離ローラを製造する際の手順を示す図である。
図13】第2実施形態に係る分離ローラを示す側面断面図である。
図14】第2実施形態に係る分離ローラを製造する際の手順を示す図である。
図15】第3実施形態に係る分離ローラを示す側面断面図である。
図16】第3実施形態に係る分離ローラを製造する際の手順を示す図である。
図17】第4実施形態に係る分離ローラを示す側面断面図である。
図18】第4実施形態に係る分離ローラを製造する際の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0037】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係るシート搬送装置を備えた画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0038】
以下の説明では、図1における右側を画像形成装置1の前側、図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0039】
画像形成装置1は、装置本体2と、シートSを支持する給紙トレイ10およびシートSを搬送するシート搬送部30を有するシート搬送装置3と、シート搬送装置3により搬送されてきたシートSに画像を形成する画像形成部5とを備えている。
【0040】
装置本体2は略直方体形状に形成されており、シート搬送装置3および画像形成部5を収容している。装置本体2の上面には上開口部2Aが開口しており、装置本体2は上開口部2Aを開閉可能なトップカバー23を有している。装置本体2の前面には前開口部2Bが開口しており、装置本体2は前開口部2Bを開閉可能なMPトレイ24を有している。
【0041】
トップカバー23は、後端部の回動軸23aを中心として回動可能に構成されており、回動軸23aを中心として回動することにより、上開口部2Aを閉鎖する閉位置(図1に示す位置)と、上開口部2Aを開放する開位置との間を移動可能である。装置本体2のトップカバー23には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ23bが形成されている。
【0042】
MPトレイ24は、回動軸24aを中心として回動することにより、前開口部2Bを閉鎖する閉位置(図1において2点鎖線で示す位置)と、前開口部2Bを開放する開位置(図1において実線で示す位置)との間を移動可能である。MPトレイ24は、開位置にあるときに複数枚重ねられたシートSを支持可能である。
【0043】
シート搬送装置3は、装置本体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持されるシートSをシート搬送部30によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、装置本体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0044】
シート搬送部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ34aと、レジストローラ35aとを備えている。装置本体2内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ23bへ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0045】
給紙トレイ10に支持されるシートSは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10に支持されるシートSを画像形成部5へ向けて給紙するローラである。分離ローラ33は、給紙ローラ32により給紙されるシートSを1枚ずつ分離するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0046】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ34aおよび搬送ローラ34aに対向配置されるコロ34bと、レジストローラ35aおよびレジストローラ35aに対向配置されるレジストコロ35bとにより、画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ35aは、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0047】
シート搬送装置3は、MPトレイ24に支持されたシートSを画像形成部5に搬送する供給機構36を備えている。供給機構36は、供給ローラ361と、分離ローラ362と、分離パッド363と、供給ローラ361および分離ローラ362を回転可能に支持するホルダ364とを備える。MPトレイ24に支持されたシートSは、供給ローラ361、分離ローラ362および分離パッド363により1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。搬送経路Pに送り出されたシートSは、レジストローラ35aにより画像形成部5に向けて搬送される。
【0048】
画像形成部5はシート搬送装置3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのプロセスカートリッジ50を備えている。各プロセスカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。プロセスカートリッジ50は、装置本体2に着脱可能に装着されている。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51と、現像ローラ52と、供給ローラ53と、帯電器54とを備えている。感光ドラム51は、トナー像が形成されるドラムの一例である。
【0049】
プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51のドラム軸線が左右方向に沿った姿勢で装置本体2に装着されている。現像ローラ52は、感光ドラム51に当接する当接位置と、感光ドラム51から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。供給ローラ53は、プロセスカートリッジ50に収容されるトナーを現像ローラ52に供給する。
【0050】
装置本体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光ヘッド59を有している。露光ヘッド59は、トップカバー23に支持されている。露光ヘッド59は、各感光ドラム51に対応して4つ設けられており、各露光ヘッド59は前後方向に並設されている。露光ヘッド59はトップカバー23から下方へ延出しており、下端部に露光部59aを有している。露光部59aは、トップカバー23が閉じた状態において感光ドラム51の上方に近接して配置されている。露光部59aは、左右方向に並列される複数のLED素子を備えたLEDアレイにより構成されている。
【0051】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41、駆動ローラ42、および従動ローラ43によりベルト装置40が構成されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。転写ローラ44は、ドラムに対向して配置される転写部材の一例である。
【0052】
画像形成部5においては、帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51が、それぞれ露光ヘッド59によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0053】
プロセスカートリッジ50に収容されるトナーは、供給ローラ53と現像ローラ52との間で正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0054】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面上のトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0055】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0056】
トナー像が転写されたシートSは定着装置60に搬送される。定着装置60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着装置60に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。
【0057】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着装置60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ23bに排出される。
【0058】
[駆動部]
シート搬送装置3は、分離ローラ33、給紙ローラ32、搬送ローラ34a、レジストローラ35a、および供給機構36等を駆動する駆動部7を備えている。駆動部7は、駆動源であるモータ90と、モータ90からの駆動力を、分離ローラ33、給紙ローラ32、搬送ローラ34a、レジストローラ35a、および供給機構36等に伝達する駆動力伝達列70とを備えている。
【0059】
[駆動力伝達列]
図2に示すように、駆動力伝達列70は、レジストローラ35aおよび供給機構36に駆動力を伝達する駆動力伝達列として、分岐ギヤ71と、第1アイドルギヤ72と、中間ギヤ73と、第4アイドルギヤ74と、第2出力ギヤ75と、第2電磁クラッチ76と、レジストローラシャフト77とを有している。
【0060】
分岐ギヤ71は、ギヤ列を介してモータ90と接続されており、モータ90から駆動力が伝達されるギヤである。第1アイドルギヤ72は、分岐ギヤ71と噛み合っており、分岐ギヤ71から駆動力が伝達されるギヤである。中間ギヤ73は、第1アイドルギヤ72と噛み合っている。第4アイドルギヤ74は、左右方向に隣接して一体的に配置される第3ギヤ74aと第4ギヤ74bとを有する2段ギヤであり、中間ギヤ73と第3ギヤ74aとは噛み合っている。第4アイドルギヤ74は、第1アイドルギヤ72から駆動力が伝達されるギヤである。
【0061】
第2出力ギヤ75は、第4アイドルギヤ74の第4ギヤ74bと噛み合っている。第2電磁クラッチ76は、第2出力ギヤ75から入力された駆動力のレジストローラシャフト77への伝達および遮断が可能なクラッチである。レジストローラシャフト77は、第2電磁クラッチ76が第2出力ギヤ75から入力された駆動力をレジストローラシャフト77へ伝達しているときに、回転軸心Xを中心として回転する。レジストローラシャフト77は、第2電磁クラッチ76が第2出力ギヤ75から入力された駆動力を遮断しているときには回転しない。レジストローラシャフト77の回転軸心Xは、左右方向に沿って延びている。
【0062】
レジストローラシャフト77は、レジストローラ35aの回転軸であり、モータ90からの駆動力によってレジストローラシャフト77が回転することにより、レジストローラ35aが回転する。レジストローラシャフト77は供給機構36に接続されており、レジストローラシャフト77から供給機構36へ駆動力を伝達可能に構成されている。
【0063】
駆動力伝達列70は、分離ローラ33、給紙ローラ32、および搬送ローラ34aに駆動力を伝達する駆動力伝達列として、中間ギヤ81と、第2アイドルギヤ82と、第3アイドルギヤ83と、第1出力ギヤ84と、第1電磁クラッチ85と、分離ローラシャフト86と、搬送ローラ出力ギヤ87と、搬送ローラシャフト88とを有している。分離ローラシャフト86は、駆動シャフトの一例である。
【0064】
中間ギヤ81は、分岐ギヤ71と噛み合っている。第2アイドルギヤ82は、中間ギヤ81と噛み合っており、分岐ギヤ71から駆動力が伝達されるギヤである。第3アイドルギヤ83は、左右方向に隣接して一体的に配置される第1ギヤ83aと第2ギヤ83bとを有する2段ギヤであり、第2アイドルギヤ82と噛み合っている。具体的には、第3アイドルギヤ83の第1ギヤ83aと第2アイドルギヤ82とが噛み合っている。
【0065】
第1出力ギヤ84は、第3アイドルギヤ83と噛み合っている。具体的には、第1出力ギヤ84は、第3アイドルギヤ83の第2ギヤ83bと噛み合っている。第1電磁クラッチ85は、第1出力ギヤ84から入力された駆動力の分離ローラシャフト86への伝達および遮断が可能なクラッチである。
【0066】
分離ローラシャフト86は、第1電磁クラッチ85が第1出力ギヤ84から入力された駆動力を分離ローラシャフト86へ伝達しているときに、回転軸心Yを中心として回転する。分離ローラシャフト86はモータ90からの駆動力により回転し、分離ローラシャフト86が回転することにより分離ローラ33が回転する。分離ローラ33は、モータ90の正回転方向の駆動力により、シートSの給紙方向である第1方向W1(図5参照)に回転する。分離ローラシャフト86は、第1電磁クラッチ85が第1出力ギヤ84から入力された駆動力を遮断しているときには回転しない。分離ローラシャフト86の回転軸心Yは、左右方向に沿って延びている。
【0067】
搬送ローラ出力ギヤ87は、第3アイドルギヤ83の第1ギヤ83aと噛み合っている。搬送ローラ出力ギヤ87には、搬送ローラシャフト88が一体的に回転可能に固定されており、モータ90からの駆動力により搬送ローラ出力ギヤ87が回転すると、搬送ローラシャフト88が回転軸心Zを中心として一体的に回転する。搬送ローラシャフト88の回転軸心Zは、左右方向に沿って延びている。搬送ローラシャフト88は、搬送ローラ34aの回転軸であり、モータ90からの駆動力によって搬送ローラシャフト88が回転することにより、搬送ローラ34aが回転する。
【0068】
[給紙ローラおよび分離ローラ]
図3図5に示すように、給紙ローラ32は、第1軸321と、第1給紙ローラ322と、第2給紙ローラ323と、給紙ローラギヤ324とを備えている。第1軸321は、軸方向が左右方向に沿った姿勢で配置されている。
【0069】
第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323は、給紙トレイ10に支持されるシートSを画像形成部5へ向けて給紙するローラであり、第1軸321に回転可能に支持されている。第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323は、第1軸321の軸方向に並んで配置されている。第1給紙ローラ322は、第2給紙ローラ323の左方に位置している。
【0070】
給紙ローラギヤ324は、第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323へ駆動力を伝達するギヤであり、第1軸321に一体的に回転可能に支持されている。給紙ローラギヤ324は、第1軸321の軸方向において、第1給紙ローラ322と第2給紙ローラ323との間に位置している。
【0071】
第1給紙ローラ322の径と第2給紙ローラ323の径とは同じ大きさに形成されており、給紙ローラギヤ324は、第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323よりも小径に形成されている。従って、第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323の下端の位置h1は、給紙ローラギヤ324の下端の位置h2よりも下方に位置している。
【0072】
分離ローラ33は、第2軸331と、第1分離ローラ332と、第2分離ローラ333と、分離ローラギヤ334とを備えている。第2軸331は、軸方向が左右方向に沿った姿勢で配置されている。第2軸331は、第2軸本体331aと、第2軸本体331aの左端に位置する従動側カップリング331bとを有している。第2軸本体331aと従動側カップリング331bとは一体的に回転可能である。第2軸本体331aの左端は第2軸本体の一端の一例であり、従動側カップリング331bは継手の一例である。
【0073】
第1分離ローラ332および第2分離ローラ333は、第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323により給紙されるシートSを1枚ずつ分離するローラであり、第2軸331の第2軸本体331aに回転可能に支持されている。第1分離ローラ332および第2分離ローラ333は、第2軸331の軸方向に並んで配置されている。第1分離ローラ332は、第2分離ローラ333の左方に位置している。なお、第1軸321および第2軸331は、第1軸321の軸方向と第2軸331の軸方向とが平行となる姿勢で配置されている。
【0074】
分離ローラギヤ334は、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333へ駆動力を伝達するギヤであり、第2軸331の第2軸本体331aに一体的に回転可能に支持されている。分離ローラギヤ334は、第2軸331の軸方向において、第1分離ローラ332と第2分離ローラ333との間に位置している。
【0075】
第1分離ローラ332の径と第2分離ローラ333の径とは同じ大きさに形成されており、分離ローラギヤ334は、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333よりも小径に形成されている。従って、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333の下端の位置h3は、分離ローラギヤ334の下端の位置h4よりも下方に位置している。
【0076】
図6(a)に示すように、従動側カップリング331bは円筒形状に形成されており、円筒形状の内周面から径方向内側に突出する複数の突起331cを有している。従動側カップリング331bは、第2軸本体331aよりも大径に形成されている。
【0077】
図6(b)に示すように、分離ローラシャフト86は、右先端部に駆動側カップリング861を有している。駆動側カップリング861は、従動側カップリング331bに挿入可能な大きさに形成されており、従動側カップリング331bの突起331cに嵌合可能な複数の溝861aを有している。
【0078】
駆動側カップリング861が従動側カップリング331bに挿入されて、駆動側カップリング861の溝861aと従動側カップリング331bの突起331cとが嵌合することで、分離ローラシャフト86と第2軸331とが接続される。本実施形態では、従動側カップリング331bは駆動側カップリング861が挿入される雌側カップリングとして構成され、駆動側カップリング861は従動側カップリング331bに挿入される雄側カップリングとして構成されている。
【0079】
接続された分離ローラシャフト86と第2軸331とは一体的に回転可能であり、分離ローラシャフト86から第2軸331へ駆動力を伝達することが可能である。つまり、第2軸本体331aの軸方向における一端に位置する従動側カップリング331bは、分離ローラシャフト86と接続されることで、分離ローラシャフト86からの駆動力を第2軸本体331aに伝達する。
【0080】
シート搬送部30は、給紙ローラギヤ324と分離ローラギヤ334とに噛み合うアイドルギヤ37を備えている。分離ローラシャフト86から第2軸331へ伝達された駆動力は、分離ローラギヤ334からアイドルギヤ37を介して給紙ローラギヤ324へ伝達可能である。つまり、分離ローラギヤ334と給紙ローラギヤ324とはアイドルギヤ37により駆動が連結されており、アイドルギヤ37によって、分離ローラギヤ334と給紙ローラギヤ324との回転を連動させることが可能となっている。
【0081】
シート搬送部30は、第1軸321および第2軸331を回転可能に支持するホルダ31を備えている。アイドルギヤ37は、ホルダ31に回転可能に支持されている。このように、給紙ローラギヤ324および分離ローラギヤ334を支持する第1軸321および第2軸331と、給紙ローラギヤ324および分離ローラギヤ334と噛み合うアイドルギヤ37とを、ともにホルダ31により支持することにより、分離ローラギヤ334と給紙ローラギヤ324との回転を安定して連動させることが可能となっている。
【0082】
図7に示すように、第1給紙ローラ322は、第1軸321に回転可能に支持されるコア322aと、コア322aの外周を被覆するローラ層322bとを有している。コア322aは円筒形状に形成されている。コア322aの内径Dbは第1軸321の外径daよりも大きく形成されており、コア322aは第1軸321に嵌装することが可能である。
【0083】
第1給紙ローラ322は、第1方向W1(図5参照)へ回転しているときにローラ層322bがシートSと接触することにより、シートSを給紙方向へ送り出すことができる。第1軸321と第1給紙ローラ322のコア322aとの間には、第1給紙ローラクラッチ325が介装されている。第1給紙ローラクラッチ325はワンウェイクラッチであり、第1給紙ローラ322の第1軸321に対する第1方向W1への回転を許容し、かつ第1給紙ローラ322の第1軸321に対する第1方向W1と反対側の第2方向W2(図5参照)への回転を規制する。
【0084】
第2給紙ローラ323は、第1軸321に回転可能に支持されるコア323aと、コア323aの外周を被覆するローラ層323bとを有している。コア323aは円筒形状に形成されている。コア323aの内径Dcは第1軸321の外径daよりも大きく形成されており、コア323aは第1軸321に嵌装することが可能である。
【0085】
第2給紙ローラ323は、第1方向W1へ回転しているときにローラ層323bがシートSと接触することにより、シートSを給紙方向へ送り出すことができる。第1軸321と第2給紙ローラ323のコア323aとの間には、第2給紙ローラクラッチ326が介装されている。第2給紙ローラクラッチ326はワンウェイクラッチであり、第2給紙ローラ323の第1軸321に対する第1方向W1への回転を許容し、かつ第2給紙ローラ323の第1軸321に対する第2方向W2への回転を規制する。
【0086】
従って、第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323は、第1軸321が第2軸331から伝達された駆動力により第1方向W1へ回転しているときに、第1軸321と一体的に第1方向W1へ回転し、シートSを給紙方向へ送り出すことができる。一方、第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323は、第1軸321が停止しているときに、給紙方向へ移動するシートSに追従して第1方向W1へ回転することができる。
【0087】
図8に示すように、第1軸321は、軸方向の略中央部に、径方向外側へ突出する突出片321aを有している。給紙ローラギヤ324は、貫通孔324aおよび係合溝324bを有している。貫通孔324aには第1軸321が挿入可能であり、係合溝324bは貫通孔324aの内周面に形成されている。係合溝324bは、貫通孔324aに挿入された第1軸321の突出片321aと回転方向において係合可能である。係合溝324bと突出片321aとが係合することで、第1軸321と給紙ローラギヤ324とが一体的に回転可能となる。この場合、突出片321aは係合部となり、係合溝324bは被係合部となる。
【0088】
給紙ローラ32においては、第1軸321の少なくとも略中央部を断面視においてD字形状に形成するとともに、給紙ローラギヤ324の貫通孔324aを第1軸321のD字形状に対応するD字形状に形成することにより、貫通孔324aに第1軸321を挿入した際に、第1軸321と給紙ローラギヤ324とを一体的に回転可能に形成することができる。この場合、第1軸321のD字形状に形成された部分が係合部となり、貫通孔324aのD字形状に形成された部分が被係合部となる。
【0089】
第1給紙ローラ322におけるコア322aの内径Dbは、第1軸321における突出片321aが形成されている箇所の外径ddよりも大きく形成されており、第1給紙ローラ322は第1軸321の突出片321aが形成されている部分を軸方向に通過可能である。第2給紙ローラ323におけるコア323aの内径Dcは、第1軸321における突出片321aが形成されている箇所の外径ddよりも大きく形成されており、第2給紙ローラ323は第1軸321の突出片321aが形成されている箇所を軸方向に通過可能である。
【0090】
給紙ローラ32において、第1給紙ローラ322は、第1軸321における突出片321aよりも軸方向における一端側に嵌装されている。第2給紙ローラ323は、第1軸321における突出片321aよりも軸方向における他端側に嵌装されている。給紙ローラギヤ324は、第1軸321における第1給紙ローラ322と第2給紙ローラ323との間、かつ係合溝324bと突出片321aとが係合する位置に嵌装されている。
【0091】
図9に示すように、第1分離ローラ332は、第2軸331の第2軸本体331aに回転可能に支持されるコア332aと、コア332aの外周を被覆するローラ層332bとを有している。コア332aは円筒形状に形成されている。コア332aの内径Dfは第2軸本体331aの径deよりも大きく形成されており、第1分離ローラ332は第2軸本体331aに嵌装することが可能である。
【0092】
第1分離ローラ332は、第1方向W1(図5参照)へ回転しているときにローラ層332bがシートSと接触することにより、シートSを給紙方向へ送り出すことができる。第2軸本体331aと第1分離ローラ332のコア332aとの間には、第1分離ローラクラッチ335が介装されている。第1分離ローラクラッチ335はワンウェイクラッチであり、第1分離ローラ332の第2軸本体331aに対する第1方向W1への回転を許容し、かつ第1分離ローラ332の第2軸本体331aに対する第2方向W2(図5参照)への回転を規制する。
【0093】
第2分離ローラ333は、第2軸本体331aに回転可能に支持されるコア333aと、コア333aの外周を被覆するローラ層333bとを有している。コア333aは円筒形状に形成されている。コア333aの内径Dgは第2軸本体331aの径deよりも大きく形成されており、第2分離ローラ333は第2軸本体331aに嵌装することが可能である。
【0094】
第2分離ローラ333は、第1方向W1へ回転しているときにローラ層333bがシートSと接触することにより、シートSを給紙方向へ送り出すことができる。第2軸本体331aと第2分離ローラ333のコア333aとの間には、第2分離ローラクラッチ336が介装されている。第2分離ローラクラッチ336はワンウェイクラッチであり、第2分離ローラ333の第2軸本体331aに対する第1方向W1への回転を許容し、かつ第2分離ローラ333の第2軸本体331aに対する第2方向W2への回転を規制する。
【0095】
従って、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333は、第2軸331が分離ローラシャフト86から伝達された駆動力により第1方向W1へ回転しているときに、第2軸331と一体的に第1方向W1へ回転し、シートSを給紙方向へ送り出すことができる。一方、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333は、第2軸331が停止しているときに、給紙方向へ移動するシートSに追従して第1方向W1へ回転することができる。
【0096】
図10に示すように、第2軸本体331aは、軸方向の略中央部に、径方向外側へ突出する突出片331dを有している。分離ローラギヤ334は、貫通孔334aおよび係合溝334bを有している。貫通孔334aには第2軸本体331aが挿入可能であり、係合溝334bは貫通孔334aの内周面に形成されている。係合溝334bは、貫通孔334aに挿入された第2軸本体331aの突出片331dと回転方向において係合可能である。係合溝334bと突出片331dとが係合することで、第2軸331と分離ローラギヤ334とが一体的に回転可能となる。突出片331dは係合部の一例であり、係合溝334bは被係合部の一例である。
【0097】
分離ローラ33においては、第2軸本体331aの少なくとも略中央部を断面視においてD字形状に形成するとともに、分離ローラギヤ334の貫通孔334aを第2軸本体331aのD字形状に対応するD字形状に形成することにより、貫通孔334aに第2軸本体331aを挿入した際に、第2軸331と分離ローラギヤ334とを一体的に回転可能に形成することができる。この場合、第2軸本体331aのD字形状に形成された部分が係合部となり、貫通孔334aのD字形状に形成された部分が被係合部となる。
【0098】
第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfは、第2軸本体331aにおける突出片331dが形成されている箇所の外径diよりも大きく形成されており、第1分離ローラ332は第2軸本体331aの突出片331dが形成されている箇所を軸方向に通過可能である。第2分離ローラ333におけるコア333aの内径Dgは、第2軸本体331aにおける突出片331dが形成されている箇所の外径diよりも大きく形成されており、第2分離ローラ333は第2軸本体331aの突出片331dが形成されている箇所を軸方向に通過可能である。
【0099】
従動側カップリング331bの外径dhは、第2軸本体331aの径deよりも大きく形成されている。また、従動側カップリング331bの外径dhは、コア332aの内径Dfおよびコア333aの内径Dgよりも大きく形成されている。従って、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333は、従動側カップリング331bを第2軸本体331aの軸方向に通過することができない。
【0100】
分離ローラ33において、第1分離ローラ332は、第2軸本体331aにおける従動側カップリング331bと突出片331dとの間に嵌装されている。第2分離ローラ333は、第2軸本体331aにおける突出片331dよりも軸方向における他端側に嵌装されている。分離ローラギヤ334は、第2軸本体331aにおける第1分離ローラ332と第2分離ローラ333との間に嵌装されており、第2軸本体331aに嵌装されたときに突出片331dと係合する係合溝334bを有している。
【0101】
このように構成される給紙ローラ32においては、シートSを給紙する際に、第1給紙ローラ322と第2給紙ローラ323とがシートSに接触した状態でシートSを送り出す。この場合、第1給紙ローラ322と第2給紙ローラ323とを第1軸321の軸方向に並べて配置し、第1給紙ローラ322と第2給紙ローラ323との間に給紙ローラギヤ324を配置しているため、送り出すシートSに波打ちが発生しても、第1軸321の軸方向における給紙ローラギヤ324の両側で第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323がシートSを押さえることができ、給紙ローラギヤ324がシートSと接触することを抑制可能である。
【0102】
また、分離ローラ33においては、シートSを給紙する際に、第1分離ローラ332と第2分離ローラ333とがシートSに接触した状態でシートSを送り出す。この場合、第1分離ローラ332と第2分離ローラ333とを第2軸331の軸方向に並べて配置し、第1分離ローラ332と第2分離ローラ333との間に分離ローラギヤ334を配置しているため、送り出すシートSに波打ちが発生しても、第2軸331の軸方向における分離ローラギヤ334の両側で第1分離ローラ332および第2分離ローラ333がシートSを押さえることができ、分離ローラギヤ334がシートSと接触することを抑制可能である。これにより、給紙時に給紙ローラ32および分離ローラ33からシートSにかかるニップ荷重が減少することがなく、給紙ミスが発生することを抑制可能となっている。
【0103】
特に、図11に示すように、第1分離ローラ332の下端および第2分離ローラ333の下端は、分離ローラギヤ334の下端よりも下方に位置しており、第2軸331の軸方向における分離ローラギヤ334の両側で、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333が分離ローラギヤ334の下端よりも下方の位置でシートSを押さえるため、シートSに波打ちが発生した場合でも、分離ローラギヤ334がシートSと接触することを効果的に抑制できる。
【0104】
同様に、第1給紙ローラ322の下端および第2給紙ローラ323の下端は、給紙ローラギヤ324の下端よりも下方に位置しており、第1軸321の軸方向における給紙ローラギヤ324の両側で、第1給紙ローラ322および第2給紙ローラ323が給紙ローラギヤ324の下端よりも下方の位置でシートSを押さえるため、シートSに波打ちが発生した場合でも、給紙ローラギヤ324がシートSと接触することを効果的に抑制できる。
【0105】
[シート搬送装置における分離ローラの製造方法]
シート搬送装置3における分離ローラ33は、第1分離ローラ332、第2分離ローラ333、および分離ローラギヤ334を第2軸本体331aに組み付けることにより製造することができる。第1分離ローラ332、第2分離ローラ333、および分離ローラギヤ334の第2軸本体331aへの組み付けは、以下のような手順により行うことができる。
【0106】
図12(a)に示すように、分離ローラ33を製造する際には、まず第2軸本体331aの軸方向における一端に従動側カップリング331bが位置する第2軸331を準備する。
【0107】
次に、図12(b)に示すように、第1分離ローラ332を、第2軸本体331aにおける従動側カップリング331bと突起331cとの間の位置に、第2軸本体331aの他端側から嵌装する(第1工程)。この場合、第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfは、第2軸本体331aにおける突出片331dが形成されている箇所の外径diよりも大きいため、第1分離ローラ332は、突出片331dを軸方向の他側から一側へ通過可能である。
【0108】
第1分離ローラ332を第2軸本体331aに嵌装する際には、例えば第1分離ローラ332に第1分離ローラクラッチ335を取り付けた状態で第1分離ローラ332を第2軸本体331aに嵌装することができる。また、第2軸本体331aに第1分離ローラクラッチ335を取り付けた状態で、第1分離ローラ332を第2軸本体331aに嵌装することも可能である。
【0109】
また、図12(c)に示すように、第1工程を実行した後に、分離ローラギヤ334を、第2軸本体331aにおける突出片331dと係合溝334bとが係合する位置に、第2軸本体331aの他端側から嵌装する(第2工程)。
【0110】
さらに、図12(d)に示すように、第2工程を実行した後に、第2分離ローラ333を、第2軸本体331aにおける突出片331dよりも他端側の位置に、第2軸本体331aの他端側から嵌装する(第3工程)。第1工程および第2工程の後に第3工程を実行して、第2分離ローラ333を第2軸本体331aに嵌装することで、図9に示す分離ローラ33が構成される。
【0111】
第2分離ローラ333を第2軸本体331aに嵌装する際には、例えば第2分離ローラ333に第2分離ローラクラッチ336を取り付けた状態で第2分離ローラ333を第2軸本体331aに嵌装することができる。また、第2軸本体331aに第2分離ローラクラッチ336を取り付けた状態で、第2分離ローラ333を第2軸本体331aに嵌装することも可能である。
【0112】
上述のように、第1工程、第2工程、および第3工程を実行することで、第1分離ローラ332、第2分離ローラ333、および分離ローラギヤ334を第2軸本体331aに組み付けて分離ローラ33を製造することができる。
【0113】
このように、第2軸331の従動側カップリング331bが第2軸本体331aよりも大径に形成され、第2軸本体331aの突出片331dと分離ローラギヤ334の係合溝334bとが回転方向において係合する構成の分離ローラ33においては、第1分離ローラ332、分離ローラギヤ334、および第2分離ローラ333を、第2軸本体331aに対して、第2軸本体331aの他端側から順に嵌装して組み付けることができるため、第1分離ローラ332、分離ローラギヤ334、および第2分離ローラ333の第2軸本体331aに対する組付け性を向上することが可能である。
【0114】
[分離ローラの第2実施形態]
分離ローラ33は、第2実施形態に係る分離ローラ33Aのように構成することもできる。図13に示すように、分離ローラ33Aは、第2軸331および分離ローラギヤ334に代えて第2軸1331および分離ローラギヤ1334を備えている点で、分離ローラ33と異なっている。
【0115】
第2軸1331は、第2軸本体1331aと、第2軸本体1331aの左端に位置する従動側カップリング1331bとを有している。第2軸本体1331aと従動側カップリング1331bとは一体的に回転可能である。従動側カップリング1331bは、分離ローラシャフト86と接続されることで、分離ローラシャフト86からの駆動力を第2軸本体1331aに伝達する。第2軸本体1331aの左端は第2軸本体の軸方向における一端の一例であり、従動側カップリング1331bは継手の一例である。
【0116】
分離ローラ33において、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333は、第2軸本体1331aに回転可能に支持されている。第2軸本体1331aと第1分離ローラ332のコア332aとの間には、第1分離ローラクラッチ335が介装されている。第2軸本体1331aと第2分離ローラ333のコア333aとの間には、第2分離ローラクラッチ336が介装されている。
【0117】
分離ローラギヤ1334は第1分離ローラ332および第2分離ローラ333へ駆動力を伝達するギヤであり、第2軸本体1331aと一体的に回転可能である。分離ローラギヤ1334は、第2軸本体1331aに固定されている。分離ローラギヤ1334は、第2軸本体1331aの軸方向における略中央部に位置している。
【0118】
第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfは第2軸本体1331aの径djよりも大きく形成されており、第1分離ローラ332は第2軸本体1331aに嵌装することが可能である。第2分離ローラ333におけるコア333aの内径Dgは第2軸本体1331aの径djよりも大きく形成されており、第2分離ローラ333は第2軸本体331aに嵌装することが可能である。
【0119】
従動側カップリング1331bの外径dkは、第2軸本体1331aの径djよりも大きく形成されている。また、従動側カップリング1331bの外径dkは、第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfよりも小さく形成されている。従って、第1分離ローラ332は、従動側カップリング1331bを第2軸本体1331aの軸方向に通過することが可能である。
【0120】
分離ローラ33Aにおいて、第1分離ローラ332は、第2軸本体1331aにおける従動側カップリング1331bと分離ローラギヤ1334との間に嵌装されている。第2分離ローラ333は、第2軸本体1331aにおける分離ローラギヤ1334よりも軸方向における他端側に嵌装されている。
【0121】
[シート搬送装置における第2実施形態に係る分離ローラの製造方法]
シート搬送装置3における分離ローラ33Aは、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333を第2軸本体1331aに組み付けることにより製造することができる。第1分離ローラ332および第2分離ローラ333の第2軸本体1331aへの組み付けは、以下のような手順により行うことができる。
【0122】
図14(a)に示すように、分離ローラ33Aを製造する際には、まず第2軸本体1331aの軸方向における一端に従動側カップリング1331bが位置し、第2軸本体1331aの軸方向における略中央部に分離ローラギヤ1334が固定された第2軸1331を準備する。この場合、第2軸本体1331aにおける従動側カップリング1331bと分離ローラギヤ1334との間に第1分離ローラクラッチ335を予め取り付けるとともに、第2軸本体1331aにおける分離ローラギヤ1334よりも他端側に第2分離ローラクラッチ336を予め取り付けておくことができる。
【0123】
次に、図14(b)に示すように、第1分離ローラ332を、第2軸本体1331aにおける従動側カップリング1331bと分離ローラギヤ1334との間の位置に、第2軸本体1331aの一端側から嵌装する(第4工程)。この場合、従動側カップリング1331bの外径dkは、第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfよりも小さいため、第1分離ローラ332は、従動側カップリング1331bを軸方向の一側から他側へ通過可能である。
【0124】
また、図14(c)に示すように、第4工程を実行した後に、第2分離ローラ333を、第2軸本体1331aにおける分離ローラギヤ1334よりも他端側の位置に、第2軸本体1331aの他端側から嵌装する(第5工程)。第4工程の後に第5工程を実行して第2分離ローラ333を第2軸本体1331aに嵌装することで、図13に示す分離ローラ33Aが構成される。
【0125】
なお、本実施形態においては、第4工程を実行した後に第5工程を実行して分離ローラ33Aを構成しているが、第5工程を実行した後に第4工程を実行することで分離ローラ33Aを構成することも可能である。
【0126】
上述のように、第4工程および第5工程を実行することで、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333を第2軸本体1331aに組み付けて分離ローラ33Aを製造することができる。
【0127】
このように、第2軸1331の従動側カップリング1331bが第2軸本体1331aよりも大径、かつ第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfよりも小径に形成され、分離ローラギヤ1334が第2軸本体1331aに固定された構成の分離ローラ33Aにおいては、第1分離ローラ332を第2軸本体1331aに対して一端側から組み付けるとともに、第2分離ローラ333を第2軸本体1331aに対して他端から組み付けることができ、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333の第2軸本体1331aに対する組付け性を向上することが可能である。
【0128】
[分離ローラの第3実施形態]
分離ローラ33は、第3実施形態に係る分離ローラ33Bのように構成することもできる。図15(a)に示すように、分離ローラ33Bは、第2軸331および分離ローラギヤ334に代えて第2軸2331および分離ローラギヤ2334を備えている点で、分離ローラ33と異なっている。
【0129】
第2軸2331は、第2軸本体2331aと、第2軸本体2331aの左端に位置する従動側カップリング2331bとを有している。第2軸本体2331aと従動側カップリング2331bとは一体的に回転可能である。従動側カップリング2331bは、分離ローラシャフト86と接続されることで、分離ローラシャフト86からの駆動力を第2軸本体2331aに伝達する。第2軸本体2331aの左端は第2軸本体の軸方向における一端の一例であり、従動側カップリング2331bは継手の一例である。
【0130】
分離ローラ33Bにおいて、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333は、第2軸本体2331aに回転可能に支持されている。第2軸本体2331aと第1分離ローラ332のコア332aとの間には、第1分離ローラクラッチ335が介装されている。第2軸本体2331aと第2分離ローラ333のコア333aとの間には、第2分離ローラクラッチ336が介装されている。
【0131】
分離ローラギヤ2334は第1分離ローラ332および第2分離ローラ333へ駆動力を伝達するギヤであり、第2軸本体2331aと一体的に回転可能である。分離ローラギヤ2334は、第2軸本体2331aに固定されている。分離ローラギヤ2334は、第2軸本体2331aの軸方向における略中央部に位置している。
【0132】
第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfは第2軸本体2331aの径dmよりも大きく形成されており、第1分離ローラ332は第2軸本体2331aに嵌装することが可能である。第2分離ローラ333におけるコア333aの内径Dgは第2軸本体2331aの径dmよりも大きく形成されており、第2分離ローラ333は第2軸本体2331aに嵌装することが可能である。
【0133】
従動側カップリング2331bの外径dnは、第2軸本体2331aの径dm以下の大きさに形成されている。また、従動側カップリング2331bの外径dnは、第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfよりも小さく形成されている。従って、第1分離ローラ332は、従動側カップリング2331bを第2軸本体2331aの軸方向に通過することが可能である。
【0134】
図15(b)に示すように、従動側カップリング2331bは、例えば雄側カップリングとして構成することで、外径dnを第2軸本体2331aの径dm以下の大きさに形成することが可能となる。この場合、分離ローラシャフト86の駆動側カップリング861は、従動側カップリング2331bが挿入可能な雌側カップリングとして構成される。
【0135】
分離ローラ33Bにおいて、第1分離ローラ332は、第2軸本体2331aにおける従動側カップリング2331bと分離ローラギヤ2334との間に嵌装されている。第2分離ローラ333は、第2軸本体2331aにおける分離ローラギヤ2334よりも軸方向における他端側に嵌装されている。
【0136】
[シート搬送装置における第3実施形態に係る分離ローラの製造方法]
シート搬送装置3における分離ローラ33Bは、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333を第2軸本体2331aに組み付けることにより製造することができる。第1分離ローラ332および第2分離ローラ333の第2軸本体2331aへの組み付けは、以下のような手順により行うことができる。
【0137】
図16(a)に示すように、分離ローラ33Bを製造する際には、まず第2軸本体2331aの軸方向における一端に従動側カップリング2331bが位置し、第2軸本体2331aの軸方向における略中央部に分離ローラギヤ2334が固定された第2軸2331を準備する。
【0138】
次に、図16(b)に示すように、第1分離ローラ332を、第2軸本体2331aにおける従動側カップリング2331bと分離ローラギヤ2334との間の位置に、第2軸本体2331aの一端側から嵌装する(第6工程)。この場合、従動側カップリング2331bの外径dnは、第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfよりも小さいため、第1分離ローラ332は、従動側カップリング2331bを軸方向の一側から他側へ通過可能である。
【0139】
第1分離ローラ332を第2軸本体2331aに嵌装する際には、例えば第1分離ローラ332に第1分離ローラクラッチ335を取り付けた状態で第1分離ローラ332を第2軸本体2331aに嵌装することができる。また、第2軸本体2331aに第1分離ローラクラッチ335を取り付けた状態で、第1分離ローラ332を第2軸本体2331aに嵌装することも可能である。
【0140】
また、図16(c)に示すように、第6工程を実行した後に、第2分離ローラ333を、第2軸本体2331aにおける分離ローラギヤ2334よりも他端側の位置に、第2軸本体2331aの他端側から嵌装する(第7工程)。第6工程の後に第7工程を実行して第2分離ローラ333を第2軸本体2331aに嵌装することで、図15に示す分離ローラ33Bが構成される。
【0141】
第2分離ローラ333を第2軸本体2331aに嵌装する際には、例えば第2分離ローラ333に第2分離ローラクラッチ336を取り付けた状態で第2分離ローラ333を第2軸本体2331aに嵌装することができる。また、第2軸本体2331aに第2分離ローラクラッチ336を取り付けた状態で、第2分離ローラ333を第2軸本体2331aに嵌装することも可能である。
【0142】
なお、本実施形態においては、第6工程を実行した後に第7工程を実行して分離ローラ33Bを構成しているが、第7工程を実行した後に第6工程を実行することで分離ローラ33Bを構成することも可能である。
【0143】
上述のように、第6工程および第7工程を実行することで、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333を第2軸本体2331aに組み付けて分離ローラ33Bを製造することができる。
【0144】
このように、第2軸2331の従動側カップリング2331bが第2軸本体2331aの径dm以下の径を有し、分離ローラギヤ2334が第2軸本体2331aに固定された構成の分離ローラ33Bにおいては、第1分離ローラ332を第2軸本体2331aに対して一端側から組み付けるとともに、第2分離ローラ333を第2軸本体2331aに対して他端から組み付けることができ、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333の第2軸本体2331aに対する組付け性を向上することが可能である。
【0145】
[分離ローラの第4実施形態]
分離ローラ33は、第4実施形態に係る分離ローラ33Cのように構成することもできる。図17に示すように、分離ローラ33Cは、第2軸331および分離ローラギヤ334に代えて第2軸3331および分離ローラギヤ3334を備え、さらに従動側カップリング337を備えている点で、分離ローラ33と異なっている。
【0146】
分離ローラ33Cにおいては、第2軸3331と従動側カップリング337とは別部材にて形成されており、従動側カップリング337は、第2軸3331の軸方向における左端に取り付けられている。第2軸3331と従動側カップリング337とは一体的に回転可能である。従動側カップリング337は、分離ローラシャフト86と接続されることで、分離ローラシャフト86からの駆動力を第2軸3331に伝達する。第2軸3331の左端は第2軸の軸方向における一端の一例であり、従動側カップリング337は継手の一例である。
【0147】
分離ローラ33Cにおいて、第1分離ローラ332および第2分離ローラ333は、第2軸3331に回転可能に支持されている。第2軸3331と第1分離ローラ332のコア332aとの間には、第1分離ローラクラッチ335が介装されている。第2軸3331と第2分離ローラ333のコア333aとの間には、第2分離ローラクラッチ336が介装されている。
【0148】
分離ローラギヤ3334は第1分離ローラ332および第2分離ローラ333へ駆動力を伝達するギヤであり、第2軸3331と一体的に回転可能である。分離ローラギヤ3334は、第2軸3331に固定されている。分離ローラギヤ3334は、第2軸3331の軸方向における略中央部に位置している。
【0149】
第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfは第2軸3331の径dpよりも大きく形成されており、第1分離ローラ332は第2軸3331に嵌装することが可能である。第2分離ローラ333におけるコア333aの内径Dgは第2軸3331の径dpよりも大きく形成されており、第2分離ローラ333は第2軸3331に嵌装することが可能である。
【0150】
従動側カップリング337の外径dqは、第2軸3331の径dpよりも大きく形成されている。また、従動側カップリング337の外径dqは、第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfよりも大きく形成されている。従って、第1分離ローラ332は、従動側カップリング337を第2軸3331の軸方向に通過することができない。但し、従動側カップリング337の外径dqは、第2軸3331の径dpよりも大きく形成されていれば、第1分離ローラ332におけるコア332aの内径Dfよりも小さく形成することも可能である。
【0151】
分離ローラ33Cにおいて、第1分離ローラ332は、第2軸3331における従動側カップリング337と分離ローラギヤ2334との間に嵌装されている。第2分離ローラ333は、第2軸3331における分離ローラギヤ2334よりも軸方向における他端側に嵌装されている。
【0152】
[シート搬送装置における第4実施形態に係る分離ローラの製造方法]
シート搬送装置3における分離ローラ33Cは、第1分離ローラ332、第2分離ローラ333、および従動側カップリング337を第2軸3331に組み付けることにより製造することができる。第1分離ローラ332、第2分離ローラ333、および従動側カップリング337の第2軸3331への組み付けは、以下のような手順により行うことができる。
【0153】
図18(a)に示すように、分離ローラ33Cを製造する際には、まず軸方向における略中央部に分離ローラギヤ3334が固定された第2軸3331を準備する。
【0154】
次に、図18(b)に示すように、第1分離ローラ332を、第2軸3331における分離ローラギヤ3334よりも一端側の位置に、第2軸3331の一端側から嵌装する(第8工程)。また、図18(c)に示すように、第8工程を実行した後に、第2軸3331の一端に従動側カップリング337を取り付ける(第9工程)。
【0155】
第1分離ローラ332を第2軸3331に嵌装する際には、例えば第1分離ローラ332に第1分離ローラクラッチ335を取り付けた状態で第1分離ローラ332を第2軸3331に嵌装することができる。また、第2軸3331の分離ローラギヤ3334よりも一端側の位置に第1分離ローラクラッチ335を取り付けた状態で、第1分離ローラ332を第2軸3331に嵌装することも可能である。
【0156】
さらに、図18(d)に示すように、第9工程を実行した後に、第2分離ローラ333を、第2軸3331における分離ローラギヤ2334よりも他端側の位置に、第2軸3331の他端側から嵌装する(第10工程)。第8工程および第9工程の後に第10工程を実行して第2分離ローラ333を第2軸3331に嵌装することで、図17に示す分離ローラ33Cが構成される。
【0157】
第2分離ローラ333を第2軸3331に嵌装する際には、例えば第2分離ローラ333に第2分離ローラクラッチ336を取り付けた状態で第2分離ローラ333を第2軸3331に嵌装することができる。また、第2軸3331の分離ローラギヤ3334よりも他端側の位置に第2分離ローラクラッチ336を取り付けた状態で、第2分離ローラ333を第2軸3331に嵌装することも可能である。
【0158】
なお、本実施形態においては、第8工程および第9工程を実行した後に第10工程を実行して分離ローラ33Cを構成しているが、第8工程および第9工程を実行する前に第10工程を実行したり、第8工程を実行した後かつ第9工程を実行する前に第10工程を実行したりすることで分離ローラ33Cを構成することも可能である。
【0159】
上述のように、第8工程、第9工程、および第10工程を実行することで、第1分離ローラ332、第2分離ローラ333、および従動側カップリング337を第2軸3331に組み付けて分離ローラ33Cを製造することができる。
【0160】
このように、従動側カップリング337が第2軸3331の一端に取り付けられ、分離ローラギヤ2334が第2軸3331に固定された構成の分離ローラ33Cにおいては、第1分離ローラ332を第2軸3331に対して一端側から組み付けた後に従動側カップリング337を第2軸3331の一端に取り付けるとともに、第2分離ローラ333を第2軸3331に対して他端側から組み付けることができ、第1分離ローラ332、第2分離ローラ333、および従動側カップリング337の第2軸3331に対する組付け性を向上することが可能である。
【符号の説明】
【0161】
1 画像形成装置
5 画像形成部
10 給紙トレイ
31 ホルダ
32 給紙ローラ
33、33A、33B、33C 分離ローラ
37 アイドルギヤ
44 転写ローラ
51 感光ドラム
321 第1軸
322 第1給紙ローラ
323 第2給紙ローラ
324 給紙ローラギヤ
325 第1給紙ローラクラッチ
326 第2給紙ローラクラッチ
331、1331、2331、3331 第2軸
331a、1331a、2331a 第2軸本体
331b、1331b、2331b 従動側カップリング
331d 突出片
332 第1分離ローラ
333 第2分離ローラ
334 分離ローラギヤ
334b 係合溝
335 第1分離ローラクラッチ
336 第2分離ローラクラッチ
337 従動側カップリング
S シート
W1 第1方向
W2 第2方向
図1
図2
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図4
図5
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