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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034791
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】制振シート及び制振構造
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20240306BHJP
   F02B 77/13 20060101ALI20240306BHJP
   G10K 11/165 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G10K11/16 150
F02B77/13 A
F02B77/13 T
G10K11/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139276
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義貴
(72)【発明者】
【氏名】藤永 悠志
(72)【発明者】
【氏名】樋口 将成
(72)【発明者】
【氏名】生友 良平
(72)【発明者】
【氏名】河村 名展
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061AA03
5D061AA07
5D061AA11
5D061AA16
5D061AA22
5D061AA27
5D061AA29
5D061CC11
(57)【要約】
【課題】薄型で所望の制振効果を得ることができる制振シート及び制振構造を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る制振シートは、放射音を発生する放射音部品と、放射音部品を覆うカバー部品と、の間に配置される。制振シートは、基材に粉体が担持されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射音を発生する放射音部品と、前記放射音部品を覆うカバー部品と、の間に配置される制振シートであって、
基材に粉体が担持されている制振シート。
【請求項2】
前記粉体は、アルミナからなる第1粉体を含み、
前記第1粉体の平均粒子径は、10μm以上90μm以下に設定されている請求項1に記載の制振シート。
【請求項3】
前記第1粉体は、当該制振シートにおいて1060g/m以上含まれている請求項2に記載の制振シート。
【請求項4】
前記粉体は、膨張黒鉛からなる第2粉体を含んでいる請求項1に記載の制振シート。
【請求項5】
前記第2粉体は、当該制振シートにおいて80g/m以上含まれている請求項4に記載の制振シート。
【請求項6】
前記粉体は、アルミナからなる第1粉体を含んでいる請求項5に記載の制振シート。
【請求項7】
前記第1粉体は、当該制振シートの厚さ方向に複数の層状に形成されている請求項6に記載の制振シート。
【請求項8】
放射音を発生する放射音部品と、
前記放射音部品を覆うカバー部品と、
前記放射音部品及びカバー部品の間に配置された制振シートと、を備え、
前記制振シートは、基材に粉体が担持されて構成されている制振構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制振シート及び制振構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、エンジン等から放射される放射音を低減するための技術が搭載されている。例えば下記特許文献1には、クランクケースと、クランクケースの外側に設けられた板状遮音カバーと、の間に、スポンジゴム等からなる遮音填隙部材が設けられた構成が開示されている。
この構成によれば、エンジン等の振動に伴い、遮音填隙部材中の気泡に含まれる空気に粘性摩擦が生じたり、遮音填隙部材自体が振動したりすることで、放射音を低減できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3-78931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術にあっては、薄型で所望の制振効果を得ることができる点で未だ改善の余地があった。具体的に、従来技術に係る遮音填隙部材では、エンジン等の振動により発生した放射音自体を吸音する構成であるため、放射音の低減効果が遮音填隙部材の厚さに依存する。しかしながら、近年の車両では、車両自体の大型化を抑制した上で、居室を大きく確保することが求められているため、エンジンルーム内でのレイアウト上の制約が多い。そのため、遮音填隙部材を所望の厚さに確保することが難しかった。
【0005】
本発明は、薄型で所望の制振効果を得ることができる制振シート及び制振構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る制振シート(例えば、実施形態における制振シート12)は、放射音を発生する放射音部品(例えば、実施形態におけるオイルパン10)と、前記放射音部品を覆うカバー部品(例えば、実施形態におけるカバー部品11)と、の間に配置される制振シートであって、基材(例えば、実施形態における基材21)に粉体(例えば、実施形態における粉体22,23)が担持されている。
本態様によれば、放射音部品の振動によって放射音部品とカバー部品とが相対変位すると、放射音部品とカバー部品との間に配置された制振シートが体積変化(圧縮及び膨張)を繰り返す。この際、制振シート中において、基材や粉体同士が擦れ合うことで、摩擦熱が発生する。その結果、制振シートに入力された振動エネルギーが、熱エネルギーに変換されることで、制振シートにおいて振動を減衰させることができる。その結果、振動に伴う放射音の発生を抑制できる。
特に、本態様では、粉体間の摩擦によって振動を減衰させることで、従来のように空気の粘性摩擦によって放射音を低減する構成に比べ、制振シートの薄型化が可能になる。その結果、薄型で所望の制振効果を得ることができる制振シートを提供できる。
【0007】
(2)上記(1)の態様に係る制振シートにおいて、前記粉体は、アルミナからなる第1粉体を含み、前記第1粉体の平均粒子径は、10μm以上90μm以下に設定されていることが好ましい。
本態様によれば、制振シートの体積変化時に効果的に摩擦熱を発生させることができる。これにより、制振シートの振動を効果的に減衰させることができる。
しかも、第1粉体の平均粒子径が、10μm以上に設定されているため、第1粉体に掛かるコストを抑えることができる。一方、第1粉体の平均粒子径が、90μm以下に設定されているため、制振シートの体積変化に伴い、第1粉体同士を積極的に擦り合わせることができる。
【0008】
(3)上記(2)の態様に係る制振シートにおいて、前記第1粉体は、当該制振シートにおいて1060g/m以上含まれていることが好ましい。
本態様によれば、制振シート中に十分な量の第1粉体を含ませることができ、制振シートの体積変化に伴い第1粉体によって効果的に摩擦熱を発生させることができる。これにより、制振シートによる制振効果を確保し易い。
【0009】
(4)上記(1)から(3)の何れかの態様に係る制振シートにおいて、前記粉体は、膨張黒鉛からなる第2粉体を含んでいることが好ましい。
本態様によれば、放射音部品とカバー部品との間に制振シートを配置した後、第2粉体を膨張させることで、放射音部品とカバー部品とに制振シートを密着させ易い。これにより、放射音部品の振動が制振シートに伝達され易くなり、制振シートでの制振効果を確保し易い。
特に、膨張可能な材料(例えば、膨張不織布等)を基材に選定する場合に比べて、膨張後の制振シートにおいて粉体同士が離間することを抑制できる。そのため、粉体同士の摩擦による制振効果を確保し易い。
【0010】
(5)上記(4)の態様に係る制振シートにおいて、前記第2粉体は、当該制振シートにおいて80g/m以上含まれていることが好ましい。
本態様によれば、制振シート中に十分な量の第2粉体を含ませることができ、制振シートを効果的に膨張させることができる。これにより、放射音部品とカバー部品とに制振シートを密着させ易い。
【0011】
(6)上記(4)又は(5)の態様に係る制振シートにおいて、前記粉体は、アルミナからなる第1粉体を含んでいることが好ましい。
本態様によれば、制振シート中に第1粉体及び第2粉体の双方を含ませることで、第1粉体による減衰性能と、第2粉体による膨張性能と、の両立を図ることができる。
【0012】
(7)上記(6)の態様に係る制振シートにおいて、前記第1粉体は、当該制振シートの厚さ方向に複数の層状に形成されていることが好ましい。
本態様によれば、各層内において、第1粉体同士を密集させることができるので、制振シートの体積変化に伴い、第1粉体同士を積極的に擦り合わせることができる。
【0013】
(8)本発明の一態様に係る基材に粉体が担持されて構成されている制振構造は、放射音を発生する放射音部品と、前記放射音部品を覆うカバー部品と、前記放射音部品及びカバー部品の間に配置された制振シートと、を備え、前記制振シートは、基材に粉体が担持されて構成されている。
本態様によれば、薄型で所望の制振効果を得ることができる制振シートを備えているため、レイアウトの制約を満足させつつ、優れた遮音効果を実現できる。
【発明の効果】
【0014】
上記態様によれば、薄型で所望の制振効果を得ることができる制振シート及び制振構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る制振構造の概略図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3】加熱処理後における制振シートのCT画像である。
図4】加熱処理前における制振シートのCT画像である。
図5】加熱処理前における制振シートの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る制振構造1の概略図である。
図1に示す制振構造1は、例えば車両のエンジンルームに設けられている。制振構造1は、オイルパン(放射音部材)10と、カバー部品11と、制振シート12と、を備えている。
オイルパン10は、シリンダヘッド及びシリンダブロックにより画成されたエンジン本体の下方に設けられている。オイルパン10は、エンジン本体とともにエンジンを構成する。オイルパン10は、エンジン本体で発生する振動が伝達されることで、エンジンの外部に放射音を発生する放射音発生源である。不図示のオイルポンプから送り出されるオイルは、エンジン本体内に収納されたオイル供給部品を通過した後、オイルパン10に戻される。なお、オイル供給部品としては、例えばピストンやクランクシャフト、カムシャフト、VTC(Valve Timing Control SYSTEM)等、種々の潤滑部材や冷却部材、油圧デバイスが挙げられる。
【0017】
カバー部品11は、オイルパン10の外表面をオイルパン10の下方から覆っている。カバー部品11は、オイルパン10に対して剛性が異なっている。したがって、カバー部品11は、オイルパン10の振動に伴い、オイルパン10と相対変位する。
【0018】
カバー部品11は、外周部等にカバー取付片11aを有している。カバー取付片11aは、オイルパン10の外周部に形成されたパン取付片10aに対して締結等によって固定されている。カバー部品11とオイルパン10との間において、取付片10a,11a以外の部分(中央部)には、間隔Sが設けられている。間隔Sは、平均寸法が1mm程度に設定されている。
【0019】
図2は、図1の要部拡大図である。
図2に示すように、制振シート12は、カバー部品11とオイルパン10との間の間隔Sに敷き詰められている。制振シート12は、オイルパン10の外表面及びカバー部品11の内表面に隙間なく密接している。制振シート12は、基材21と、第1粉体22と、第2粉体23と、を含んでいる。
【0020】
基材21は、第1粉体22及び第2粉体23を担持する機能を有している。基材21には、例えばフィブリル化された有機繊維が少なくとも用いられている。有機繊維としては、例えばパルプ(セルロース)等の有機天然繊維や、アクリル等の熱可塑性を有する合成繊維が好適に用いられている。基材21に用いられる有機繊維は、1種でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0021】
図3は、加熱処理後における制振シート12のCT画像である。
図2図3に示すように、第1粉体22は、基材21に担持された状態で、制振シート12の厚さ方向に複数の層状に形成されている。第1粉体22には、耐油性や耐熱性に優れ、摩擦抵抗の高い材料が用いられる。このような材料としては、不定形アルミナ等のセラミック材料が挙げられる。第1粉体22の平均粒子径は、第2粉体23の平均粒子径よりも小さいことが好ましく、例えば10μm以上90μm以下に設定されている。なお、本実施形態において平均粒子径とは、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。第1粉体22の坪量は、基材21や第2粉体23の坪量よりも多いことが好ましく、例えば1060g/m以上に設定されている。
【0022】
第2粉体23には、加熱処理によって不可逆的に膨張可能な材料(熱膨張粉体)が用いられる。第2粉体23の膨張開始温度は、エンジンの使用温度領域以上かつ基材21の軟化温度以上に設定されていることが好ましい。第2粉体23の膨張率(加熱処理前の第2粉体23全体の体積に対する加熱処理後の第2粉体23全体の体積)は、1.7倍以上であることが好ましい。このような材料としては、膨張黒鉛(例えば、富士黒鉛工業株式会社製EXP-32S160等)が好適に挙げられる。膨張黒鉛は、鱗状の粉体であって、主に制振シート12の厚さ方向に膨張可能である。なお、上記材料を用いる場合、第2粉体23は坪量80g/m以上に設定されていることが好ましい。
【0023】
図4は、加熱処理前における制振シート12のCT画像である。
図4に示すように、上述した制振シート12は、第1成形工程や第2成形工程を経て製造される。第1成形工程では、例えば基材21や各粉体22,23等が分散された溶液を紙漉き処理によってシート状に形成した後、乾燥処理等を施す。これにより、各粉体22,23が基材21に担持された不織布状のベースシート12Aが完成する。ベースシート12Aは、第2粉体23が膨張しておらず、基材21の弾性によって弾性変形可能である。
【0024】
図5は、加熱処理前における制振シート12の概略断面図である。
続いて、図1図5に示すように、ベースシート12Aを、オイルパン10とカバー部品11との間に挟み込んだ状態で、加熱処理を行う。これにより、第2粉体23が主に制振シート12の厚さ方向に膨張する。その結果、オイルパン10の外表面及びカバー部品11の内表面に隙間なく密接した状態で、制振シート12が成形される。
【0025】
本実施形態では、エンジン本体からオイルパン10に伝達された振動によりオイルパン10とカバー部品11とが相対変位する。これにより、オイルパン10とカバー部品11との間に配置された制振シート12が体積変化(圧縮及び膨張)を繰り返す。この際、制振シート12中において、基材21や粉体22,23(特に第1粉体22同士)が互いに擦れ合うことで、摩擦熱が発生する。その結果、制振シート12に入力された振動エネルギーが、熱エネルギーに変換されることで、制振シート12において振動を減衰させることができる。その結果、振動に伴う放射音の発生を抑制できる。
特に、本実施形態では、粉体22,23間の摩擦によって振動を減衰させることで、従来のように空気の粘性摩擦やシート自体の振動によって放射音を低減する構成に比べ、制振シート12の薄型化が可能になる。その結果、薄型で所望の制振効果を得ることができる制振シート12を提供できる。
【0026】
本実施形態の制振シート12は、第1粉体22として不定形アルミナを含んでいる構成とした。
この構成によれば、不定形アルミナを含む微小粒子径の粉体として第1粉体22を含ませることで、第1粉体22全体での表面積を確保し易くなり、制振シート12の体積変化時に効果的に摩擦熱を発生させることができる。これにより、制振シート12の振動を効果的に減衰させることができる。
しかも、第1粉体22の平均粒子径が、10μm以上に設定されているため、第1粉体22に掛かるコストを抑えることができる。一方、第1粉体22の平均粒子径が、90μm以下に設定されているため、制振シート12の体積変化に伴い、第1粉体22同士を積極的に擦り合わせることができる。
【0027】
本実施形態の制振シート12は、第1粉体22が制振シート12において1060g/m以上含まれている構成とした。
この構成によれば、制振シート12中に十分な量の第1粉体22を含ませることができ、制振シート12の体積変化に伴い第1粉体22によって効果的に摩擦熱を発生させることができる。これにより、制振シート12による制振効果を確保し易い。
【0028】
本実施形態の制振シート12は、第2粉体23として膨張黒鉛を含んでいる構成とした。
この構成によれば、オイルパン10とカバー部品11との間に制振シート12を配置した後、第2粉体23を膨張させることで、オイルパン10とカバー部品11とに制振シート12を密着させ易い。これにより、オイルパン10の振動が制振シート12に伝達され易くなり、制振シート12での制振効果を確保し易い。
特に、膨張可能な材料(例えば、膨張不織布等)を基材に選定する場合に比べて、膨張後の制振シート12において粉体22,23同士が離間することを抑制できる。そのため、粉体22,23同士の摩擦による制振効果を確保し易い。
【0029】
本実施形態の制振シート12は、第2粉体23が制振シート12において80g/m以上含まれている構成とした。
この構成によれば、制振シート12中に十分な量の第2粉体23を含ませることができ、制振シート12を効果的に膨張させることができる。これにより、オイルパン10とカバー部品11とに制振シート12を密着させ易い。
特に、制振シート12中に第1粉体22及び第2粉体23の双方を含ませることで、第1粉体22による減衰性能と、第2粉体23による膨張性能と、の両立を図ることができる。
【0030】
本実施形態の制振シート12は、第1粉体22は、制振シート12の厚さ方向に複数の層状に形成されている構成とした。
この構成によれば、各層内において、第1粉体22同士を密集させることができるので、制振シート12の体積変化に伴い、第1粉体22同士を積極的に擦り合わせることができる。
【0031】
本実施形態の制振構造1は、薄型で所望の制振効果を得ることができる制振シート12を備えているため、レイアウトの制約を満足させつつ、優れた遮音効果を実現できる。
【0032】
[その他の変形例]
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、制振構造1としてエンジンの一部を例にして説明したが、この構成に限られない。制振構造は、車両において、振動に伴い放射音を発生する部分であれば、例えばフロアパネル、ルーフパネル等の車両外装部分や、ダッシュボード等の車両内装部分、モータ等の駆動源等、適宜採用可能である。
【0033】
上述した実施形態では、基材に有機繊維を採用した場合を例にして説明したが、この構成に限られない。基材は、流体でもよく、流体と有機繊維の混合体等であってもよい。
上述した実施形態では、第1粉体22及び第2粉体23の双方が制振シート12に含まれている構成について説明したが、この構成に限られない。制振シート12は、少なくとも何れかの粉体が含まれていればよい。
【0034】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1:制振構造
10:オイルパン(放射部品)
11:カバー部品
12:制振シート
21:基材
22:第1粉体
23:第2粉体
図1
図2
図3
図4
図5