IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧

特開2024-34800電子機器固定装置及び電子機器ユニット
<>
  • 特開-電子機器固定装置及び電子機器ユニット 図1
  • 特開-電子機器固定装置及び電子機器ユニット 図2
  • 特開-電子機器固定装置及び電子機器ユニット 図3
  • 特開-電子機器固定装置及び電子機器ユニット 図4
  • 特開-電子機器固定装置及び電子機器ユニット 図5
  • 特開-電子機器固定装置及び電子機器ユニット 図6
  • 特開-電子機器固定装置及び電子機器ユニット 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034800
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】電子機器固定装置及び電子機器ユニット
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/00 20060101AFI20240306BHJP
   A45F 3/04 20060101ALI20240306BHJP
   A45C 15/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A45C13/00 Z
A45F3/04 400G
A45C15/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139290
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】甘利 友也
(72)【発明者】
【氏名】菊池 紗
(72)【発明者】
【氏名】藤井 智士
(72)【発明者】
【氏名】楠戸 淳也
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA24
3B045CE08
3B045GB03
3B045LA10
(57)【要約】
【課題】移動者の体に掛けられたベルトに対して固定される電子機器の位置を容易かつ安定的に変更とする。
【解決手段】電子機器固定装置3であって、児童の体に掛けられた肩ベルト101に電子機器2を固定する固定具4を備え、肩ベルト101は、第1の幅を有する幅広部102と、幅広部102の一方側に設けられ第1の幅よりも小さい第2の幅を有する上側幅狭部103と、幅広部102の他方側に設けられ第1の幅よりも小さい第3の幅を有する下側幅狭部104と、を有し、固定具4は、上側幅狭部103に固定される上側固定部4aと、下側幅狭部104に固定される下側固定部4bと、一端側が電子機器2の前縁部に固定され、他端側が上側固定部4aに固定される後側接続ベルト4cと、一端側が電子機器2の後縁部に固定され、他端側が下側固定部4bに固定される前側接続ベルト4dとを有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動者の体に掛けられたベルトに電子機器を固定する固定具を備え、
前記ベルトは、
第1の幅を有する第1部と、
前記第1部の一方側に設けられ前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有する第2部と、
前記第1部の他方側に設けられ前記第1の幅よりも小さい第3の幅を有する第3部と、
を有し、
前記固定具は、
前記第2部に固定される第4部と、
前記第3部に固定される第5部と、
一端側が前記電子機器の第1被固定部に固定され、他端側が前記第4部に固定される第6部と、
一端側が前記電子機器の第2被固定部に固定され、他端側が前記第5部に固定される第7部と、
を有する
電子機器固定装置。
【請求項2】
前記第6部及び前記第7部の少なくとも一つは、前記一端側から前記他端側までの長さを変更可能に、又は、前記長さが異なる複数種のうちで交換可能に、設けられる
請求項1に記載の電子機器固定装置。
【請求項3】
前記第6部及び前記第7部は、前記電子機器が前記第2部と前記第3部との間の領域に配置されるように設けられる
請求項2記載の電子機器固定装置。
【請求項4】
前記第4部は、前記第2部に環状に巻き付けられるように設けられる
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器固定装置。
【請求項5】
前記第4部の内周の長さは、前記第1部の最も幅が広い部分の外周の長さよりも短い
請求項4に記載の電子機器固定装置。
【請求項6】
前記電子機器は、
本体部と、
前記本体部が着脱可能な台座部と、
を有し、
前記第1被固定部及び前記第2被固定部は、前記台座部に設けられる
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子機器固定装置。
【請求項7】
前記第1被固定部及び前記第2被固定部は、前記台座部を貫通する貫通孔を有し、
前記第6部及び前記第7部は、帯状に設けられ、前記貫通孔に挿通される
請求項6に記載の電子機器固定装置。
【請求項8】
前記電子機器は、前記台座部を前記ベルトに固定する固定部を有する
請求項6又は請求項7に記載の電子機器固定装置。
【請求項9】
前記電子機器と、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電子機器固定装置と、
を備える
電子機器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器固定装置及び電子機器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、児童が背負うランドセル等に対して取り付けられた状態で用いられる電子機器が開示されている。特許文献1に開示された電子機器は、例えばランドセルの肩ベルトに対して固定される。このような特許文献1に開示された電子機器は、例えばランドセルの肩ベルトに固定された状態で、例えば周囲の状態を撮影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-88338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような電子機器を移動者の体に掛けられたベルトに固定する場合には、ベルトの同じ位置に電子機器を固定したとしても、移動者の体格によって移動者に対する電子機器の位置が変化する。このため、ベルトの同じ位置に電子機器を固定しても、移動者に対する電子機器の位置が撮影等に適した位置になるとは限らない。したがって、ベルトに対して固定される電子機器のベルトに対する位置を容易かつ安定的に変更できることが望まれている。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、移動者の体に掛けられたベルトに対して固定される電子機器の位置を容易かつ安定的に変更可能な電子機器固定装置及び電子機器ユニットを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電子機器固定装置及び電子機器ユニットは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る電子機器固定装置は、移動者の体に掛けられたベルトに電子機器を固定する固定具を備え、上記ベルトは、第1の幅を有する第1部と、上記第1部の一方側に設けられ上記第1の幅よりも小さい第2の幅を有する第2部と、上記第1部の他方側に設けられ上記第1の幅よりも小さい第3の幅を有する第3部と、を有し、上記固定具は、上記第2部に固定される第4部と、上記第3部に固定される第5部と、一端側が上記電子機器の第1被固定部に固定され、他端側が上記第4部に固定される第6部と、一端側が上記電子機器の第2被固定部に固定され、他端側が上記第5部に固定される第7部と、を有するものである。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、上記第6部及び上記第7部の少なくとも一つは、上記一端側から上記他端側までの長さを変更可能に、又は、上記長さが異なる複数種のうちで交換可能に、設けられるものである。
【0008】
(3):上記(2)の態様において、上記第6部及び上記第7部は、上記電子機器が上記第2部と上記第3部との間の領域に配置されるように設けられるものである。
【0009】
(4):上記(1)から(3)のいずれか一つの態様において、上記第4部は、上記第2部に環状に巻き付けられるように設けられるものである。
【0010】
(5):上記(4)の態様において、上記第4部の内周の長さは、上記第1部の最も幅が広い部分の外周の長さよりも短いものである。
【0011】
(6):上記(1)から(5)のいずれか一つの態様において、上記電子機器は、本体部と、上記本体部が着脱可能な台座部と、を有し、上記第1被固定部及び上記第2被固定部は、上記台座部に設けられるものである。
【0012】
(7):上記(6)の態様において、上記第1被固定部及び上記第2被固定部は、上記台座部を貫通する貫通孔を有し、上記第6部及び上記第7部は、帯状に設けられ、上記貫通孔に挿通されるものである。
【0013】
(8):上記(6)又は(7)の態様において、上記電子機器は、上記台座部を上記ベルトに固定する固定部を有するものである。
【0014】
(9):この発明の一態様に係る電子機器ユニットは、上記電子機器と、上記(1)から(8)のいずれか一つに記載の電子機器固定装置と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
(1)及び(9)の態様によれば、ベルトは、第1部を間に挟むように第2部と第3部とを有する。これらの第2部及び第3部は、第1部よりも幅が小さい。固定具は、幅が小さな第2部に固定される第4部と、幅が小さな第3部に固定される第5部とを有する。これらの第4部及び第5部は、幅が大きな第1部によって、第1部側への移動が規制される。電子機器は、このような第4部に固定された第6部と、第5部に固定された第7部とに固定される。このため、電子機器は、両側から第1部側への移動が規制され、結果として両側への移動が規制されて安定する。さらに、電子機器の位置は、第6部及び第7部の長さを変更することで容易に変更できる。したがって、(1)の態様によれば、移動者の体に掛けられたベルトに対して固定される電子機器の位置を容易かつ安定的に変更できる。
(2)の態様によれば、第6部及び第7部の長さ調整あるいは第6部及び第7部の交換を行うことで、第6部及び第7部の長さを容易に変更できる。
(3)の態様によれば、第2部及び第3部よりも幅が大きな第1部の表面に電子機器を配置できる。このため、電子機器を安定的に支持できる。
(4)の態様によれば、第4部の第1部側への移動に加えて、ベルトから離間する方向への第4部の移動も規制できる。このため、第4部をより安定的にベルトに固定できる。
(5)の態様によれば、環状の第4部が第1部を通過できないため、より確実に第4部が第1部側へ移動することを防止できる。
(6)の態様によれば、固定具から電子機器の全体を取り外すことなく、電子機器の本体部を固定具から取り外すことができる。したがって、容易に本体部の充電等を行うことができる。
(7)の態様によれば、台座部に設けられた貫通孔に帯状の第6部及び第7部を挿通することで、電子機器に対して第6部及び第7部を容易に固定できる。
(8)の態様によれば、電子機器をベルトに対して直接的に固定できる。このため、より安定的に電子機器をベルトに固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態における電子機器ユニットの概略構成を模式的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態における電子機器ユニットが備える電子機器の概略構成を模式的に示す拡大斜視図である。
図3】本発明の一実施形態における電子機器ユニットが備える電子機器の概略構成を模式的に示す拡大分解斜視図である。
図4】上前側から見た台座部の模式的な斜視図である。
図5】上後側から見た台座部の模式的な斜視図である。
図6】下後側から見た台座部の模式的な斜視図である。
図7】肩ベルトと電子機器固定装置とを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の電子機器固定装置及び電子機器ユニットの実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態の電子機器ユニット1の概略構成を模式的に示す斜視図である。本実施形態の電子機器ユニット1は、児童C(移動者)が背負うランドセル100の肩ベルト101(ベルト)に対して取り付けて用いられる。なお、移動者は、児童Cに限られるものではない。例えば、移動者は、高齢者や作業員であってもよい。また、ベルトは、ランドセル100の肩ベルト101に限られるものではない。ベルトは、移動者の体に掛けられるものであればよい。例えば、ベルトは、リュックサックの肩ベルトであってもよい。また、ベルトは、電子機器ユニット1を取り付けるために設けられたものであってもよい。
【0019】
本実施形態において電子機器ユニット1は、図1に示すように、ランドセル100の2つの肩ベルト101のうち一方の肩ベルト101に対して取り付けられる。ただし、2つの肩ベルト101の各々に対して電子機器ユニット1を設けることもできる。このような本実施形態の電子機器ユニット1は、電子機器2と、電子機器固定装置3とを備える。
【0020】
図2は、電子機器2の概略構成を模式的に示す拡大斜視図である。また、図3は、電子機器2の概略構成を模式的に示す拡大分解斜視図である。電子機器2は、例えば、車両を検出するレーダや、車両を検出した場合に報知を行う報知部を有する。また、電子機器2は、レーダや報知部に給電するための二次電池を有する。また、電子機器2は、周囲を撮影するカメラを有してもよい。また、電子機器2は、ネットワークを介して、外部装置と通信を行う通信部を有してもよい。また、電子機器2は、電子機器2の姿勢を検出するための角速度センサを備えてもよい。
【0021】
このような電子機器2は、本体部2aと、台座部2bと、ストラップ2c(図6参照)とを有する。なお、電子機器2の設置姿勢は特に限定されるものではない。ただし、以下の説明においては、説明の便宜上、図1に示す設置姿勢において、児童Cから見た前方向を前側、児童Cから見た後方向を後側、児童Cから見た左方向を左側、児童Cから見た右方向を右側、児童Cから見た上方向を上側、児童Cから見た下方向を下側とする。
【0022】
本体部2aは、レーダ及び報知部等の電子機器や、二次電池等の電力を扱う部品を有する。本体部2aは、これらの電力を扱う部品を収容するケーシング等も有する。この本体部2aは、図2に示すように、台座部2bに対して上方から固定される。また、本体部2aは、図3に示すように、台座部2bから脱離することができる。つまり、本体部2aは、台座部2bに対して着脱可能である。例えば、本体部2aは、児童Cが登下校する際には、台座部2bに対して取り付けられる。例えば、本体部2aは、二次電池への充電を行う場合に、台座部2bから取り外される。
【0023】
図4は、上前側から見た台座部2bの模式的な斜視図である。図5は、上後側から見た台座部2bの模式的な斜視図である。図6は、下後側から見た台座部2bの模式的な斜視図である。これらの図に示すように、台座部2bは、支持台2dと、取付部2eと、ロック機構2fと、フランジ部2gとを有する。
【0024】
支持台2dは、本体部2aを下方から支持する部位である。支持台2dの上面は、取付部2eの形成面である。取付部2eは、支持台2dの上面から上方に向けて突出するように設けられている。取付部2eは、支持台2dの上面に複数設けられている。これらの取付部2eは、本体部2aが取り付けられ、本体部2aを台座部2bに対して固定可能とする部位である。例えば、取付部2eは、支持台2dに対して本体部2aを前後方向にスライドさせることで、本体部2aを支持台2dに対して着脱可能に形成されている。ロック機構2fは、支持台2dに装着された本体部2aの移動を規制する。例えば、ロック機構2fは、左右方向にスライド操作することで、本体部2aの移動を規制する状態と、本体部2aの移動を許容する状態とに状態変化可能に設けられている。
【0025】
フランジ部2gは、支持台2dの下部から前後左右に張り出した部位である。フランジ部2gの前縁部2g1は、電子機器固定装置3の後述する前側接続ベルト4dの一端側が固定される第1被固定部である。前縁部2g1には、前側接続ベルト4dを挿通するための前側貫通孔2hが設けられている。前側貫通孔2hは、前縁部2g1を貫通するように設けられている。フランジ部2gの後縁部2g2は、電子機器固定装置3の後述する後側接続ベルト4cの一端側が固定される第2被固定部である。後縁部2g2には、後側接続ベルト4cを挿通するための後側貫通孔2iが設けられている。後側貫通孔2iは、後縁部2g2を貫通するように設けられている。
【0026】
フランジ部2gの右縁部2g3は、ストラップ2cの一端側が固定される部位である。右縁部2g3には、ストラップ2cを挿通するための右側貫通孔2jが設けられている。右側貫通孔2jは、右縁部2g3を貫通するように設けられている。なお、本実施形態では、ストラップ2cが2つ設けられている。このため、右側貫通孔2jも2つ設けられている。
【0027】
ストラップ2c(固定部)は、台座部2bを肩ベルト101に対して固定する。本実施形態において、ストラップ2cは2つ設けられている。各々のストラップ2cは、例えば、右側貫通孔2jに挿通されてフランジ部2gに一端側が固定された右側部と、支持台2dの下部に一端側が固定された左側部とを有する。また、これらの右側部と左側部とは、例えば面ファスナを用いて着脱可能とされている。各々のストラップ2cは、右側部と左側部とを貼り合わせることで肩ベルト101に対して固定可能であり、右側部と左側部とを剥がすことで肩ベルト101から取り外しが可能である。
【0028】
図7は、肩ベルト101と電子機器固定装置3とを示す模式図である。なお、肩ベルト101は、実際に使用する場合には児童Cの肩に沿って湾曲された状態で用いられるが、図7においては平面状に伸ばした状態で図示している。また、図7(a)は、電子機器固定装置3に固定された電子機器2が上下方向の中央に配置された図である。図7(a)は、電子機器固定装置3に固定された電子機器2が上側に配置された図である。図7(c)は、電子機器固定装置3に固定された電子機器2が下側に配置された図である。
【0029】
図7に示すように、肩ベルト101は、幅(左右方向の長さ)が広い幅広部102(第1部)と、幅が狭い2つの幅狭部(上側幅狭部103と下側幅狭部104)とを有する。幅広部102は、上下方向にて、上側幅狭部103と下側幅狭部104との間に位置する。例えば、幅広部102は、肩ベルト101の児童Cの肩に上方から当接する部位に設けられる。上側幅狭部103(第2部)は、幅広部102よりも上方に位置する。上側幅狭部103は、ランドセル100の鞄部110の上部に接続される。下側幅狭部104(第3部)は、幅広部102よりも下方に位置する。下側幅狭部104は、ランドセル100の鞄部110の下部に接続される。
【0030】
幅広部102の幅(第1の幅)は、上側幅狭部103の幅(第2の幅)と下側幅狭部104の幅(第3の幅)よりも大きい。つまり、肩ベルト101は、幅広部102の上側(一方側)に設けられて幅広部102の幅よりも小さい幅の上側幅狭部103を有する。また、肩ベルト101は、幅広部102の下側(他方側)に設けられて幅広部102の幅よりも小さい幅の下側幅狭部104を有する。
【0031】
なお、幅広部102は、上下方向の中央部が最も幅が広く、上側及び下側に向かうに連れて徐々に幅が狭くなる。また、上側幅狭部103は、上側に向かうに連れて徐々に幅が狭くなる。また、下側幅狭部104は、下側に向かうに連れて徐々に幅が成膜なる。上側幅狭部103の最大幅と下側幅狭部104の最大幅とは、幅広部102の最大幅よりも小さい。なお、上側幅狭部103の最大幅と下側幅狭部104の最大幅とは、同じであっても、異なってもよい。また、上側幅狭部103の最小幅と下側幅狭部104の最小幅とは、同じであっても、異なってもよい。
【0032】
電子機器固定装置3は、児童Cの体に掛けられた肩ベルト101に電子機器2を固定する固定具4を備える。本実施形態では、電子機器固定装置3は、固定具4からなる。ただし、電子機器固定装置3は、固定具4と異なる部材等を備えてもよい。
【0033】
固定具4は、上側固定部4a(第4部)と、下側固定部4b(第5部)と、後側接続ベルト4c(第6部)と、前側接続ベルト4d(第7部)とを有する。上側固定部4aは、肩ベルト101の上側幅狭部103に固定される。例えば、上側固定部4aは、上側幅狭部103に環状に巻き付けられるように設けられる。このように環状に巻き付けられる上側固定部4aの内周の長さは、肩ベルト101の幅広部102の最も幅が広い部分(最大幅の部位)の外周の長さよりも短い。これによって、環状の上側固定部4aは、幅広部102を通過することができない。なお、上側固定部4aは、他の固定方法を用いて上側幅狭部103に固定されてもよい。例えば、上側固定部4aは、ビス等を用いて上側幅狭部103に固定されてもよい。
【0034】
下側固定部4bは、肩ベルト101の下側幅狭部104に固定される。例えば、下側固定部4bは、下側幅狭部104に環状に巻き付けられるように設けられる。このように環状に巻き付けられる下側固定部4bの内周の長さは、肩ベルト101の幅広部102の最も幅が広い部分(最大幅の部位)の外周の長さよりも短い。これによって、環状の下側固定部4bは、幅広部102を通過することができない。なお、下側固定部4bは、他の固定方法を用いて下側幅狭部104に固定されてもよい。例えば、下側固定部4bは、ビス等を用いて下側幅狭部104に固定されてもよい。
【0035】
後側接続ベルト4cは、一端側が電子機器2に固定され、他端側が下側固定部4bに固定される。後側接続ベルト4cは、帯状に形成されている。後側接続ベルト4cの一端側は、電子機器2の台座部2bに固定されている。より詳細には、後側接続ベルト4cの一端側は、台座部2bに後縁部2g2に設けられた後側貫通孔2iに挿通され、後縁部2g2に回し掛けられるようにして固定されている。
【0036】
後側接続ベルト4cは、一端側から他端側までの長さを調整することが可能である。例えば、後側接続ベルト4cは、一端側から他端側までの長さを変更可能な機構を有する。例えば、後側接続ベルト4cの途中部位にアジャスタが設けることで、後側接続ベルト4cの一端側から他端側までの長さを変更できる。また、一端側から他端側までの長さが異なる複数種の後側接続ベルト4cを用意し、これらを選択して用いることで一端側から他端側までの長さを調整できるようにしてもよい。つまり、後側接続ベルト4cを長さが異なる複数種のうちで交換可能としてもよい。
【0037】
前側接続ベルト4dは、一端側が電子機器2に固定され、他端側が上側固定部4aに固定される。前側接続ベルト4dは、帯状に形成されている。前側接続ベルト4dの一端側は、電子機器2の台座部2bに固定されている。より詳細には、前側接続ベルト4dの一端側は、台座部2bに前縁部2g1に設けられた前側貫通孔2hに挿通され、前縁部2g1に回し掛けられるようにして固定されている。
【0038】
前側接続ベルト4dは、一端側から他端側までの長さを調整することが可能である。例えば、前側接続ベルト4dは、一端側から他端側までの長さを変更可能な機構を有する。例えば、前側接続ベルト4dの途中部位にアジャスタが設けることで、前側接続ベルト4dの一端側から他端側までの長さを変更できる。また、一端側から他端側までの長さが異なる複数種の前側接続ベルト4dを用意し、これらを選択して用いることで一端側から他端側までの長さを調整できるようにしてもよい。つまり、前側接続ベルト4dを長さが異なる複数種のうちで交換可能としてもよい。
【0039】
このような電子機器固定装置3では、後側接続ベルト4cと、前側接続ベルト4dとに接続されることで電子機器2の肩ベルト101上の位置が決まる。つまり、後側接続ベルト4cの一端側から他端側までの長さと、前側接続ベルト4dの一端側から他端側までの長さとを調整することで、電子機器2の位置を調整できる。
【0040】
例えば、図7(a)に示すように、後側接続ベルト4cと、前側接続ベルト4dとを同程度の長さとすることで、電子機器2は、上側固定部4aと下側固定部4bとの間の領域の中央位置に配置される。また、図7(b)に示すように、後側接続ベルト4cを前側接続ベルト4dよりも短くすることで、電子機器2は、上側固定部4aと下側固定部4bとの間の領域における上側固定部4a側に配置される。また、図7(c)に示すように、後側接続ベルト4cを前側接続ベルト4dよりも長くすることで、電子機器2は、上側固定部4aと下側固定部4bとの間の領域における下側固定部4b側に配置される。
【0041】
なお、後側接続ベルト4cと前側接続ベルト4dとの一方は、長さが調整できなくてもよい。つまり、後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dの少なくとも一つが、一端側から他端側までの長さを調整可能であればよい。
【0042】
以上のような本実施形態の電子機器固定装置3は、児童Cの体に掛けられた肩ベルト101に電子機器2を固定する固定具4を備える。また、肩ベルト101は、第1の幅を有する幅広部102と、幅広部102の一方側に設けられ第1の幅よりも小さい第2の幅を有する上側幅狭部103と、幅広部102の他方側に設けられ第1の幅よりも小さい第3の幅を有する下側幅狭部104と、を有する。また、固定具4は、上側固定部4aと、下側固定部4bと、後側接続ベルト4cと、前側接続ベルト4dとを有する。上側固定部4aは、上側幅狭部103に固定される。下側固定部4bは、下側幅狭部104に固定される。後側接続ベルト4cは、一端側が電子機器2の前縁部2g1に固定され、他端側が上側固定部4aに固定される。前側接続ベルト4dは、一端側が電子機器2の後縁部2g2に固定され、他端側が下側固定部4bに固定される。
【0043】
このような本実施形態の電子機器固定装置3によれば、肩ベルト101は、幅広部102を間に挟むように上側幅狭部103と下側幅狭部104とを有する。これらの上側幅狭部103及び下側幅狭部104は、幅広部102よりも幅が小さい。固定具4は、幅が小さな上側幅狭部103に固定される上側固定部4aと、幅が小さな下側幅狭部104に固定される下側固定部4bとを有する。これらの上側固定部4a及び下側固定部4bは、幅が大きな幅広部102によって、幅広部102側への移動が規制される。電子機器2は、このような上側固定部4aに固定された後側接続ベルト4cと、下側固定部4bに固定された前側接続ベルト4dとに固定される。このため、電子機器2は、両側から幅広部102側への移動が規制され、結果として両側への移動が規制されて安定する。さらに、電子機器2の位置は、後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dの長さを変更することで容易に変更できる。したがって、本実施形態の電子機器固定装置3によれば、児童Cの体に掛けられた肩ベルト101に対して固定される電子機器2の位置を容易かつ安定的に変更できる。
【0044】
また、本実施形態の電子機器固定装置3においては、後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dの少なくとも一つは、一端側から他端側までの長さを変更可能に、又は、長さが異なる複数種のうちで交換可能に、設けられる。
【0045】
このような本実施形態の電子機器固定装置3によれば、後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dの長さ調整あるいは後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dの交換を行うことで、後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dの長さを容易に変更できる。
【0046】
また、本実施形態の電子機器固定装置3においては、後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dは、電子機器2が上側幅狭部103と下側幅狭部104との間の領域に配置されるように設けられる。このような本実施形態の電子機器固定装置3によれば、上側幅狭部103及び下側幅狭部104よりも幅が大きな幅広部102の表面に電子機器2を配置できる。このため、電子機器2を安定的に支持できる。
【0047】
また、本実施形態の電子機器固定装置3においては、上側固定部4aは、上側幅狭部103に環状に巻き付けられるように設けられる。このような本実施形態の電子機器固定装置3によれば、上側固定部4aの幅広部102側への移動に加えて、肩ベルト101から離間する方向への上側固定部4aの移動も規制できる。このため、上側固定部4aをより安定的に肩ベルト101に固定できる。
【0048】
また、本実施形態の電子機器固定装置3においては、上側固定部4aの内周の長さは、幅広部102の最も幅が広い部分の外周の長さよりも短い。このような本実施形態の電子機器固定装置3によれば、環状の上側固定部4aが幅広部102を通過できないため、より確実に上側固定部4aが幅広部102側へ移動することを防止できる。
【0049】
また、本実施形態の電子機器固定装置3においては、電子機器2は、本体部2aと、本体部2aが着脱可能な台座部2bと、を有する。また、前縁部2g1及び後縁部2g2は、台座部2bに設けられる。このような電子機器固定装置3によれば、固定具4から電子機器2の全体を取り外すことなく、電子機器2の本体部2aを固定具4から取り外すことができる。したがって、容易に本体部2aの充電等を行うことができる。
【0050】
また、本実施形態の電子機器固定装置3においては、前縁部2g1及び後縁部2g2は、台座部2bを貫通する貫通孔(前側貫通孔2h及び後側貫通孔2i)を有する。また、後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dは、帯状に設けられ、貫通孔に挿通される。このような本実施形態の電子機器固定装置3によれば、台座部2bに設けられた貫通孔に帯状の後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dを挿通することで、電子機器2に対して後側接続ベルト4c及び前側接続ベルト4dを容易に固定できる。
【0051】
また、本実施形態の電子機器固定装置3においては、電子機器2は、台座部2bを肩ベルト101に固定するストラップ2cを有する。このような本実施形態の電子機器固定装置3によれば、電子機器2を肩ベルト101に対して直接的に固定できる。このため、より安定的に電子機器2を肩ベルト101に固定できる。
【0052】
また、本実施形態の電子機器ユニット1は、電子機器2と、上述の電子機器固定装置3と、を備える。このため、本実施形態の電子機器ユニット1によれば、児童Cの体に掛けられた肩ベルト101に対して固定される電子機器2の位置を容易かつ安定的に変更できる。
【0053】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 電子機器ユニット
2 電子機器
2a 本体部
2b 台座部
2c ストラップ(固定部)
2d 支持台
2e 取付部
2f ロック機構
2g フランジ部
2g1 前縁部(第1被固定部)
2g2 後縁部(第2被固定部)
2g3 右縁部
2h 前側貫通孔(貫通孔)
2i 後側貫通孔(貫通孔)
2j 右側貫通孔
3 電子機器固定装置
4 固定具
4a 上側固定部(第4部)
4b 下側固定部(第5部)
4c 後側接続ベルト(第6部)
4d 前側接続ベルト(第7部)
100 ランドセル
101 肩ベルト
102 幅広部(第1部)
103 上側幅狭部(第2部)
104 下側幅狭部(第3部)
110 鞄部
C 児童(移動者)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7