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特開2024-34838充電制御装置、充電制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034838
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】充電制御装置、充電制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20240306BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240306BHJP
   B60L 53/63 20190101ALI20240306BHJP
【FI】
H02J7/04 H
H02J7/00 P
H02J7/00 X
B60L53/63
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139354
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 慶
(72)【発明者】
【氏名】安原 真史
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 盛一
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CB09
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BE02
5H125DD03
5H125EE27
5H125EE61
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動体への充電電力が確保されることにより、日常的な電力使用に制約が生じ得る制約を、抑えることができる充電制御装置、充電制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】移動体、移動体に対する充電を行う充電装置及び充電制御装置がガレージ内に配置される住宅において、充電制御装置30は、住宅内の電子機器から供給される情報を取得する取得部90と、取得部90が取得する情報に基づいて、住宅内の滞在者50が就寝したか否かを判定する判定部92と、判定部が滞在者が就寝したことを判した場合、住宅に備えられた充電装置を用いて移動体に対する充電を行う制御部94と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅内の電子機器から供給される情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者が就寝したか否かを判定する判定部と、
前記滞在者が就寝したことが前記判定部により判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置を用いて移動体に対する充電を行う制御部と、
を備える、充電制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電制御装置であって、
前記電子機器は、前記住宅内に備えられた照明器具を含み、
前記判定部は、前記照明器具が消灯されたことを示す前記情報に基づいて、前記滞在者が就寝したか否かを判定する、充電制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の充電制御装置であって、
前記電子機器は、前記滞在者を検知する人感センサを含み、
前記判定部は、前記人感センサにより取得される情報に基づいて、前記滞在者が就寝したか否かを判定する、充電制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の充電制御装置であって、
前記電子機器は、前記滞在者の睡眠に関する状態を示す情報である睡眠状態情報を取得するセンサを含み、
前記判定部は、前記睡眠状態情報に基づいて、前記滞在者が就寝したか否かを判定する、充電制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の充電制御装置であって、
前記電子機器は、前記滞在者が所持する通信機器を含み、
前記判定部は、前記通信機器の利用状態を示す前記情報に基づいて、前記滞在者が就寝したか否かを判定する、充電制御装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の充電制御装置であって、
前記移動体に備えられたバッテリの残量であるバッテリ残量を示す情報を取得するバッテリ残量情報取得部をさらに備え、
前記判定部は、前記滞在者が就寝したと推定される状態が時間閾値以上継続した場合に前記滞在者が就寝したと判定し、
前記バッテリ残量が小さいほど前記時間閾値が小さい、充電制御装置。
【請求項7】
住宅内の電子機器から供給される情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者が就寝したか否かを判定する判定ステップと、
前記滞在者が就寝したことが前記判定ステップで判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置を用いて移動体に対する充電を行う制御ステップと、
を備える、充電制御方法。
【請求項8】
住宅内の電子機器から供給される情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者が就寝したか否かを判定する判定ステップと、
前記滞在者が就寝したことが前記判定ステップで判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置を用いて移動体に対する充電を行う制御ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御装置、充電制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、手ごろで信頼でき、持続可能且つ先進的なエネルギーへのより多くの人々のアクセスを確保可能にするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池を搭載するモビリティにおける充給電に関する研究開発が行われている。
【0003】
特許文献1には、電気自動車への充電電力として設定された電力量を確保するように、住宅設置電気機器への供給電力を制限することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-157201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の開示のように移動体への充電電力が確保されることにより、日常的な電力使用に制約が生じ得るという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とし、延いてはエネルギーの効率化に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、充電制御装置であって、住宅内の電子機器から供給される情報を取得する取得部と、前記取得部により取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者が就寝したか否かを判定する判定部と、前記滞在者が就寝したことが前記判定部により判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置を用いて移動体に対する充電を行う制御部と、を備える。
【0008】
本発明の第2の態様は、充電制御方法であって、住宅内の電子機器から供給される情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者が就寝したか否かを判定する判定ステップと、前記滞在者が就寝したことが前記判定ステップで判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置を用いて移動体に対する充電を行う制御ステップと、を備える。
【0009】
本発明の第3の態様は、プログラムであって、住宅内の電子機器から供給される情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者が就寝したか否かを判定する判定ステップと、前記滞在者が就寝したことが前記判定ステップで判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置を用いて移動体に対する充電を行う制御ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移動体に対する充電により日常的な電力使用に生じ得る制約を、抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、充電装置を用いて移動体に対する充電を行う充電制御装置の配置例を示す図である。
図2図2は、充電制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図3図3Aは、照明器具が消灯されたことを示す情報に基づいて、住宅内の滞在者が就寝したか否かを判定するためのテーブルを例示する図である。図3Bは、住宅内の滞在者を検知する人感センサにより取得される情報に基づいて、滞在者が就寝したか否かを判定するためのテーブルを例示する図である。図3Cは、住宅内の滞在者の睡眠に関する状態を示す情報に基づいて、滞在者が就寝したか否かを判定するためのテーブルを例示する図である。図3Dは、住宅内の滞在者が所持する通信機器の利用状態を示す情報に基づいて、滞在者が就寝したか否かを判定するためのテーブルを例示する図である。
図4図4は、充電制御装置が行う充電制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、変形例による充電制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図6図6は、充電制御装置が行う充電制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う充電制御装置30の配置例を示す図である。充電装置10、移動体20および充電制御装置30は、住宅40内のガレージ42に配置される。本実施の形態では、充電装置10、移動体20および充電制御装置30は、住宅40内のガレージ42に配置されるが、住宅40の外部に配置されてもよい。充電制御装置30は、充電装置10と通信可能に接続されている。住宅40内にはガレージ42に加えて、寝室44、書斎46、居間48が設けられている。住宅40内には少なくとも1人の滞在者50が滞在している。
【0013】
住宅40内の電子機器として、照明器具60と、人感センサ62と、人感センサ62を搭載した空調装置64と、睡眠状態情報を取得するセンサ66と、通信機器68とが挙げられる。睡眠状態情報は、滞在者50の睡眠に関する状態を示す情報である。
【0014】
寝室44には、照明器具60と、人感センサ62を搭載した空調装置64とが備えられている。書斎46には、照明器具60Aと、人感センサ62Aを搭載した空調装置64Aとが備えられている。居間48には、照明器具60Bと、人感センサ62Bを搭載した空調装置64Bとが備えられている。滞在者50は、センサ66および通信機器68を所持する。
【0015】
充電制御装置30は、無線通信により、住宅40内の電子機器から供給される情報を取得する。照明器具60は、照明器具60が消灯されたことを示す情報を、充電制御装置30に供給する。照明器具60Aおよび60Bも照明器具60と同様である。
【0016】
人感センサ62は、滞在者50を検知する。人感センサ62Aおよび62Bも人感センサ62と同様である。空調装置64は、人感センサ62により取得される情報を、充電制御装置30に供給する。空調装置64Aおよび64Bも空調装置64と同様である。
【0017】
図1に示すように、滞在者50が寝室44で就寝した場合、センサ66は寝室44にある。センサ66は、睡眠状態情報を充電制御装置30に供給する。センサ66は、例えば活動量計である。活動量計により、心拍数および体動が計測される。心拍数および体動により、睡眠に関する状態が表されることが知られている。活動量計は、睡眠状態情報として、心拍数および体動の情報を、充電制御装置30に供給する。
【0018】
図1に示すように、滞在者50が寝室44で就寝した場合、通信機器68は寝室44にある。通信機器68は、通信機器68の利用状態を示す情報を、充電制御装置30に供給する。通信機器68は、例えばスマートフォンである。スマートフォンは、利用されない状態がある程度の時間継続すると、スリープモードへ遷移する。スマートフォンは、スリープモードへ遷移したことを示す情報を、充電制御装置30に供給する。
【0019】
図2は、充電制御装置30の構成を模式的に示すブロック図である。充電制御装置30は、処理回路80と、記憶部82とを有する。処理回路80は、CPUまたはGPU等のプロセッサを含む。記憶部82は、RAM等の揮発性メモリと、ROMまたはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして用いられる。不揮発性メモリは、プロセッサが実行するプログラムと、その他必要なデータとを記憶する。
【0020】
処理回路80は、取得部90と、判定部92と、制御部94とを有する。処理回路80が記憶部82に保存されたプログラムを実行することにより、取得部90と、判定部92と、制御部94とが実現される。取得部90と、判定部92と、制御部94とのうちの少なくとも一部は、ASICまたはFPGA等の集積回路、或いはディスクリートデバイスを含む電子回路によって実現されてもよい。
【0021】
取得部90は、住宅40内の電子機器から供給される情報を取得する。判定部92は、取得部90により取得される情報に基づいて、住宅40内の滞在者50が就寝したか否かを判定する。滞在者50が就寝したことが判定部92により判定された場合、制御部94は、住宅40内のガレージ42に備えられた充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う。
【0022】
図3Aは、照明器具60、60Aおよび60Bが消灯されたことを示す情報に基づいて、住宅40内の滞在者50が就寝したか否かを判定するためのテーブル110を例示する図である。充電装置10を用いて移動体20に対する充電が行われるのは夜間である。テーブル110に示すように、寝室44の照明器具60、書斎46の照明器具60A、および居間48の照明器具60Bがすべて夜間に消灯された場合、滞在者50は就寝したと推定される。
【0023】
テーブル110は、記憶部82に予め保存される。取得部90により取得された情報がテーブル110の内容と一致する場合、判定部92は、滞在者50は就寝したと判定する。その場合、制御部94は、充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う。取得部90により取得された情報がテーブル110の内容と一致しない場合、判定部92は、滞在者50は就寝したと判定しない。その場合、制御部94は、移動体20に対する充電をまだ開始しない。
【0024】
図3Bは、住宅40内の滞在者50を検知する人感センサ62、62Aおよび62Bにより取得される情報に基づいて、滞在者50が就寝したか否かを判定するためのテーブル112を例示する図である。テーブル112の検知結果R1に示すように、寝室44の人感センサ62の検知結果が「検知」である場合、滞在者50は就寝したと推定される。
【0025】
住宅40内に複数の寝室44が設けられ、且つ複数の滞在者50が複数の寝室44で就寝する場合、複数の寝室44の人感センサ62の検知結果が、滞在者50の就寝推定に用いられる。複数の寝室44の人感センサ62の検知結果が「検知」である場合、複数の滞在者50は就寝したと推定される。
【0026】
テーブル112の検知結果R2に示すように、寝室44の人感センサ62以外の人感センサ62Aおよび62Bの検知結果がすべて「非検知」である場合も、滞在者50は就寝したと推定される。すなわち、書斎46の人感センサ62Aの検知結果、および居間48の人感センサ62Bの検知結果がいずれも「非検知」である場合、滞在者50は就寝したと推定される。
【0027】
テーブル112は、記憶部82に予め保存される。取得部90により取得された情報が、テーブル112に示す検知結果R1およびR2の少なくとも一方に一致する場合、判定部92は、滞在者50は就寝したと判定する。その場合、制御部94は、充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う。取得部90により取得された情報がテーブル112の検知結果R1またはR2と一致しない場合、判定部92は、滞在者50は就寝したと判定しない。その場合、制御部94は、移動体20に対する充電をまだ開始しない。
【0028】
図3Cは、住宅40内の滞在者50の睡眠に関する状態を示す情報に基づいて、滞在者50が就寝したか否かを判定するためのテーブル114を例示する図である。テーブル114に示すように、滞在者50が所持するセンサ66から供給される睡眠状態情報が、滞在者50が睡眠中であることを示す場合、滞在者50は就寝したと推定される。
【0029】
住宅40内に複数の滞在者50が滞在する場合、複数の滞在者50が所持する複数のセンサ66から供給される睡眠状態情報が、その推定に用いられる。複数のセンサ66から供給される睡眠状態情報が、複数の滞在者50が睡眠中であることを示す場合、複数の滞在者50は就寝したと推定される。
【0030】
テーブル114は、記憶部82に予め保存される。取得部90により取得された情報がテーブル114の内容と一致する場合、判定部92は、滞在者50は就寝したと判定する。その場合、制御部94は、充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う。取得部90により取得された情報がテーブル114の内容と一致しない場合、判定部92は、滞在者50は就寝したと判定しない。その場合、制御部94は、移動体20に対する充電をまだ開始しない。
【0031】
図3Dは、住宅40内の滞在者50が所持する通信機器68の利用状態を示す情報に基づいて、滞在者50が就寝したか否かを判定するためのテーブル116を例示する図である。テーブル116に示すように、滞在者50が所持する通信機器68が利用されていないことを示す場合、滞在者50は就寝したと推定される。
【0032】
住宅40内に複数の滞在者50が滞在する場合、複数の滞在者50が所持する複数の通信機器68から供給される通信機器68の利用状態を示す情報が、その推定に用いられる。複数の通信機器68から供給される利用状態を示す情報が、複数の通信機器68が利用されていないことを示す場合、複数の滞在者50は就寝したと推定される。
【0033】
テーブル116は、記憶部82に予め保存される。取得部90により取得された情報がテーブル116の内容と一致する場合、判定部92は、滞在者50は就寝したと判定する。その場合、制御部94は、充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う。取得部90により取得された情報がテーブル116の内容と一致しない場合、判定部92は、滞在者50は就寝したと判定しない。その場合、制御部94は、移動体20に対する充電をまだ開始しない。
【0034】
判定部92は、テーブル110、112、114および116のうちの少なくとも1つを用いて、滞在者50が就寝したか否かを判定する。
【0035】
図4は、充電制御装置30が行う充電制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理手順は、例えば充電制御装置30が有する処理回路80が、記憶部82に保存されたプログラムを実行することにより行われる。本処理手順が開始されると、ステップS10で、取得部90は、住宅40内の電子機器から供給される情報を取得する。
【0036】
ステップS12で、判定部92は、ステップS10で取得された情報に基づいて、住宅40内の滞在者50が就寝したか否かを判定する。ステップS12でYESとなった場合、本処理手順はステップS14へ進む。ステップS12でNOとなった場合、本処理手順はステップS10へ戻る。
【0037】
ステップS14で、制御部94は、住宅40に備えられた充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う。充電が完了すると、本処理手順は終了する。
【0038】
[変形例]
上記実施の形態は、以下のように変形されてもよい。
【0039】
取得部90により取得された情報が、テーブル110、112、114および116のうちの少なくとも1つの内容に一致する場合、滞在者50は就寝したと推定される。しかし、その後、程なくして滞在者50が活動を再開し、電力を使用する場合がある。その時点で既に移動体20に対する充電が開始されている場合、滞在者50の活動再開に伴う電力使用に制約が生じるおそれがある。
【0040】
本変形例による充電制御装置30では、滞在者50が就寝したと推定される状態が時間閾値以上継続した場合に、滞在者50が就寝したと判定される。それに引き続いて、充電が開始される。滞在者50が就寝したか否かの判定の精度を高めるためには、時間閾値は余裕を持った長さであることが好ましい。しかし、時間閾値が長過ぎると、充電が完了する前に滞在者50が起床して活動を開始する可能性が生じる。移動体20に備えられたバッテリの残量であるバッテリ残量が小さい場合は充電時間が長くなることを考慮し、時間閾値はバッテリ残量に応じて決められる。具体的には、バッテリ残量が小さいほど時間閾値が小さくなることにより、充電時間が確保される。
【0041】
図5は、変形例による充電制御装置30Aの構成を模式的に示すブロック図である。充電制御装置30Aは、処理回路80Aと、記憶部82とを有する。図5に示す充電制御装置30Aの処理回路80Aには、図2に示した充電制御装置30の処理回路80には無い、バッテリ残量情報取得部130と、決定部132と、計時部134とが設けられている。処理回路80Aは、CPUまたはGPU等のプロセッサを含む。
【0042】
処理回路80Aは、取得部90と、判定部92と、制御部94と、バッテリ残量情報取得部130と、決定部132と、計時部134とを有する。処理回路80Aが記憶部82に保存されたプログラムを実行することにより、取得部90と、判定部92と、制御部94と、バッテリ残量情報取得部130と、決定部132と、計時部134とが実現される。取得部90と、判定部92と、制御部94と、バッテリ残量情報取得部130と、決定部132と、計時部134とのうちの少なくとも一部は、ASICまたはFPGA等の集積回路、或いはディスクリートデバイスを含む電子回路によって実現されてもよい。
【0043】
バッテリ残量情報取得部130は、移動体20に備えられたバッテリのバッテリ残量を示すバッテリ残量情報を充電装置10から取得する。本変形例において、バッテリ残量情報は充電装置10から取得されるが、充電制御装置30と移動体20とが互いに通信可能であれば、バッテリ残量情報は移動体20から取得されてもよい。
【0044】
決定部132は、バッテリ残量情報に基づいて時間閾値を決定する。バッテリ残量が小さいほど時間閾値が小さい。例えば、バッテリ残量(SOC:State Of Charge)が50%以上の場合、時間閾値は2時間に決定され、バッテリ残量が50%未満の場合、時間閾値は1時間に決定される。
【0045】
計時部134は、クロック回路またはタイマ回路を有し、時刻を計測する。計時部134は、クロック回路またはタイマ回路からの時刻情報に基づき、滞在者50が就寝したと最初に推定されて計時を開始してからの経過時間を計測する。
【0046】
判定部92は、計時が開始されてからの経過時間が時間閾値以上経過するまで、滞在者50が就寝したと推定されるか否かを繰り返し判定する。滞在者50が就寝したと推定される状態が時間閾値以上継続した場合、判定部92は滞在者50が就寝したと判定する。滞在者50が就寝したことが判定部92により判定された場合、制御部94は充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う。
【0047】
図6は、充電制御装置30Aが行う充電制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理手順は、例えば充電制御装置30Aが有する処理回路80Aが、記憶部82に保存されたプログラムを実行することにより行われる。本処理手順が開始されると、ステップS30で、バッテリ残量情報取得部130は、移動体20のバッテリ残量を示すバッテリ残量情報を取得する。
【0048】
ステップS32で、決定部132は、ステップS30で取得されたバッテリ残量情報に基づいて時間閾値を決定する。ステップS34で、取得部90は、住宅40内の電子機器から供給される情報を取得する。ステップS36で、判定部92は、ステップS34で取得された情報に基づいて、住宅40内の滞在者50が就寝したと推定されるか否かを判定する。ステップS36でYESとなった場合、本処理手順はステップS38へ進む。ステップS36でNOとなった場合、本処理手順はステップS34へ戻る。
【0049】
ステップS38で、計時部134は、計時を開始する。ステップS40で、取得部90は、住宅40内の電子機器から供給される情報を取得する。ステップS42で、判定部92は、ステップS40で取得された情報に基づいて、住宅40内の滞在者50が就寝したと推定されるか否かを判定する。ステップS42でYESとなった場合、本処理手順はステップS44へ進む。ステップS42でNOとなった場合、本処理手順はステップS70へ進む。ステップS42でNOとなった場合、ステップS70で、計時部134は、計時を停止する。ステップS70の処理が完了すると、本処理手順はステップS34へ戻る。
【0050】
ステップS42でYESとなった場合、ステップS44で、判定部92は、ステップS38で計時が開始されてからの経過時間が、ステップS32で決定された時間閾値以上であるか否かを判定する。ステップS44でYESとなった場合、本処理手順はステップS46へ進む。ステップS44でNOとなった場合、本処理手順はステップS40へ戻る。滞在者50が就寝したと推定される状態が、ステップS38で計時が開始されてから時間閾値以上継続するに至るまでの間、ステップS40からステップS44までの一連の処理が、1回または複数回行われる。
【0051】
ステップS46で、計時部134は、計時を停止する。滞在者50が就寝したと推定される状態が時間閾値以上継続したため、ステップS48で、判定部92は、住宅40内の滞在者50が就寝したと判定する。ステップS50で、制御部94は、住宅40に備えられた充電装置10を用いて移動体20に対する充電を行う。充電が完了すると、本処理手順は終了する。
【0052】
[実施の形態から得られる発明]
上記実施の形態および変形例から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0053】
(1)充電制御装置(30)は、住宅(40)内の電子機器から供給される情報を取得する取得部(90)と、前記取得部により取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者(50)が就寝したか否かを判定する判定部(92)と、前記滞在者が就寝したことが前記判定部により判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置(10)を用いて移動体(20)に対する充電を行う制御部(94)と、を備える。これにより、移動体に対する充電により日常的な電力使用に生じ得る制約を、抑えることができる。
【0054】
(2)前記電子機器は、前記住宅内に備えられた照明器具(60、60A、60B)を含み、前記判定部は、前記照明器具が消灯されたことを示す前記情報に基づいて、前記滞在者が就寝したか否かを判定してもよい。これにより、住宅内の滞在者が就寝したか否かを精度良く判定することができる。
【0055】
(3)前記電子機器は、前記滞在者を検知する人感センサ(62、62A、62B)を含み、前記判定部は、前記人感センサにより取得される情報に基づいて、前記滞在者が就寝したか否かを判定してもよい。これにより、住宅内の滞在者が就寝したか否かを精度良く判定することができる。
【0056】
(4)前記電子機器は、前記滞在者の睡眠に関する状態を示す情報である睡眠状態情報を取得するセンサ(66)を含み、前記判定部は、前記睡眠状態情報に基づいて、前記滞在者が就寝したか否かを判定してもよい。これにより、住宅内の滞在者が就寝したか否かを精度良く判定することができる。
【0057】
(5)前記電子機器は、前記滞在者が所持する通信機器(68)を含み、前記判定部は、前記通信機器の利用状態を示す前記情報に基づいて、前記滞在者が就寝したか否かを判定してもよい。これにより、住宅内の滞在者が就寝したか否かを精度良く判定することができる。
【0058】
(6)前記充電制御装置は、前記移動体に備えられたバッテリの残量であるバッテリ残量を示す情報を取得するバッテリ残量情報取得部(130)をさらに備え、前記判定部は、前記滞在者が就寝したと推定される状態が時間閾値以上継続した場合に前記滞在者が就寝したと判定し、前記バッテリ残量が小さいほど前記時間閾値が小さくてもよい。これにより、移動体に対する充電により日常的な電力使用に生じ得る制約を、より抑えることができる。
【0059】
(7)充電制御方法は、住宅(40)内の電子機器から供給される情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者(50)が就寝したか否かを判定する判定ステップと、前記滞在者が就寝したことが前記判定ステップで判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置(10)を用いて移動体(20)に対する充電を行う制御ステップと、を備える。これにより、移動体に対する充電により日常的な電力使用に生じ得る制約を、抑えることができる。
【0060】
(8)プログラムは、住宅(40)内の電子機器から供給される情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得される前記情報に基づいて、前記住宅内の滞在者(50)が就寝したか否かを判定する判定ステップと、前記滞在者が就寝したことが前記判定ステップで判定された場合、前記住宅に備えられた充電装置(10)を用いて移動体(20)に対する充電を行う制御ステップと、をコンピュータに実行させる。これにより、移動体に対する充電により日常的な電力使用に生じ得る制約を、抑えることができる。
【0061】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0062】
10…充電装置 20…移動体
30…充電制御装置 40…住宅
42…ガレージ 44…寝室
46…書斎 48…居間
50…滞在者 60…照明器具
62…人感センサ 64…空調装置
66…センサ 68…通信機器
80…処理回路 82…記憶部
90…取得部 92…判定部
94…制御部 110、112、114、116…テーブル
130…バッテリ残量情報取得部 132…決定部
134…計時部
図1
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図3
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図5
図6