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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003485
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240105BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240105BHJP
   H04W 12/10 20210101ALI20240105BHJP
   H04L 41/0806 20220101ALI20240105BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W88/06
H04W12/10
H04L41/0806
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102668
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】小林 徹
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA44
5K067EE02
5K067EE04
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE25
5K067HH23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の通信機器に関する初期設定の手間を軽減する。
【解決手段】無人店舗システムにおいて、代表端末となる通信機器に設けられた記憶手段及び第1の送信制御手段と、被設定端末となる通信機器に設けられた第1の受信制御手段及び第1の設定手段を備える。記憶手段は、被設定端末となる通信機器が備える第1の通信手段が通信ネットワークを介して通信するための設定情報を記憶する。第1の送信制御手段は、記憶手段により記憶されている設定情報を、自機器に備えられた第2の通信手段により送信させる。第1の受信制御手段は、自機器とは別の通信機器から送信された設定情報を、自機器に備えられた第2の通信手段に受信させる。第1の設定手段は、自機器に備えられた第2の通信手段により受信された設定情報に基づいて、自機器に備えられた第1の通信手段が通信を行うための設定処理を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信機器を含み、複数の前記通信機器のそれぞれが、通信ネットワークを介して通信する第1の通信手段と、複数の前記通信機器のうちの自機器とは別の前記通信機器と前記通信ネットワークを介さずに直接的に通信する第2の通信手段と、を具備する通信システムであって、
複数の前記通信機器のうちで代表端末に定められた前記通信機器は、
複数の前記通信機器のうちの前記代表端末ではない被設定端末が備える前記第1の通信手段が前記通信ネットワークを介して通信するための設定情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶されている設定情報を、自機器に備えられた前記第2の通信手段により送信させる第1の送信制御手段と、
を具備し、
複数の前記通信機器のうちで前記被設定端末に定められた前記通信機器は、
複数の前記通信機器のうちの自機器とは別の前記通信機器から送信された設定情報を、自機器に備えられた前記第2の通信手段に受信させる第1の受信制御手段と、
自機器に備えられた前記第2の通信手段により受信された設定情報に基づいて、自機器に備えられた前記第1の通信手段が通信を行うための設定処理を実行する第1の設定手段と、
を具備する通信システム。
【請求項2】
複数の前記通信機器のうちで前記被設定端末に定められた前記通信機器は、
自機器に備えられた前記第2の通信手段により受信された設定情報を、自機器に備えられた前記第2の通信手段により送信させる第2の送信制御手段、
をさらに備える請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第2の送信制御手段は、前記第2の通信手段により送信済みの設定情報が複数の前記通信機器のうちの自機器とは別の前記通信機器から転送されて前記第2の通信手段により受信された場合には、予め定められた条件に従って当該の設定情報の送信を制限する、
請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
複数の前記通信機器のうちで前記被設定端末に定められた前記通信機器は、
前記第1の設定手段により設定処理が実行された後に、前記第1の通信手段を用いた前記通信ネットワークを介したサーバとの通信によって、前記第1の設定手段が設定処理に用いた設定情報の正当性を確認する確認手段と、
前記確認手段により正当であることが確認できなかった場合に、前記第1の通信手段に前記サーバから設定情報を受信させる第2の受信制御手段と、
前記第2の受信制御手段の制御の下に前記第1の通信手段により受信された設定情報に基づいて、前記第1の通信手段が通信を行うための設定処理を再実行する第2の設定手段と、
をさらに備える請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
複数の前記通信機器のうちで前記被設定端末に定められた前記通信機器は、
前記第1の設定手段により設定処理が実行された後に、前記第1の通信手段を用いた前記通信ネットワークを介したサーバとの通信によって、前記第1の設定手段が設定処理に用いた設定情報の正当性を確認する確認手段と、
前記確認手段により正当であることが確認できた場合に、前記第1の通信手段に前記サーバから設定情報とは別の情報を受信させる第3の受信制御手段と、
をさらに備える請求項1に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば無人店舗システムでは、買物客の店内での行動や商品の移動などを監視するために、カメラなどの種々のセンサを多数、店舗内に配置することになる。そして、これら多数のセンサで得られるデータを処理装置で収集するに当たっては、無線LAN(local area network)などの通信ネットワークを用いることが好適である。
しかしながら、店舗内に分散配置した多数の通信機器のそれぞれに対して通信ネットワークを介した通信のための初期設定を行う必要があるが、従来は個々の機器に対して個別に初期設定を行わせるための作業を作業者が行う必要があり、作業者の負担となっていた。
このような事情から、複数の通信機器に関する通信ネットワークを介した通信のための初期設定の手間を軽減できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-103309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、複数の通信機器に関する通信ネットワークを介した通信のための初期設定の手間を軽減できる通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の通信システムは、複数の通信機器を含み、複数の通信機器のそれぞれが、通信ネットワークを介して通信する第1の通信手段と、複数の通信機器のうちの自機器とは別の通信機器と通信ネットワークを介さずに直接的に通信する第2の通信手段と、を具備する通信システムであって、代表端末に定められた通信機器に設けられた記憶手段及び第1の送信制御手段と、被設定端末に定められた通信機器に設けられた第1の受信制御手段及び第1の設定手段を備える。記憶手段は、複数の通信機器のうちの代表端末ではない被設定端末が備える第1の通信手段が通信ネットワークを介して通信するための設定情報を記憶する。第1の送信制御手段は、記憶手段により記憶されている設定情報を、自機器に備えられた第2の通信手段により送信させる。第1の受信制御手段は、複数の通信機器のうちの自機器とは別の通信機器から送信された設定情報を、自機器に備えられた第2の通信手段に受信させる。第1の設定手段は、自機器に備えられた第2の通信手段により受信された設定情報に基づいて、自機器に備えられた第1の通信手段が通信を行うための設定処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に係る無人店舗システムの概略構成を表すブロック図。
図2図1に表される店内機器の要部回路構成を表すブロック図。
図3図1に表される管理サーバの要部回路構成を表すブロック図。
図4】店舗に設置された代表端末と初期設定が行われていない状態における2つの被設定端末との関係を表した図。
図5図2に初期設定処理における処理手順を表すフローチャートCPUの処理手順のフローチャート。
図6図4に表される3つの店内機器と管理サーバとでの各種の情報の授受に関するシーケンスの一例を表す図。
図7図4に表される3つの店内機器と管理サーバとでの各種の情報の授受に関するシーケンスの別の一例を表す図。
図8】管理処理における処理手順を表すフローチャート。
図9】代表端末といずれも初期設定が済んだ2つの被設定端末との関係を表した図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、通信システムを適用して構成された無人店舗システムを例に説明する。
図1は本実施形態に係る無人店舗システム100の概略構成を表すブロック図である。
無人店舗システム100は、複数の店内機器1、処理装置2及び管理サーバ3を、通信ネットワーク200を介して通信可能として構成されている。
【0008】
複数の店内機器1は、店舗内の様々な位置に分散して配置される。店内機器1は、通信ネットワーク200のアクセスポイント201との無線通信を介して通信ネットワーク200に接続される。店内機器1は、例えばカメラなどの各種のセンサを備えて、それらセンサの出力をそのままで、あるいは予め定められた処理を施した上で、通信ネットワーク200を介して処理装置2へと送る。かくして店内機器1は、いずれも通信機器である。
【0009】
処理装置2は、複数の店内機器1から送信される情報を収集して、当該の情報に基づいて買物客の行動を監視し、買物客による買上商品の登録、あるいは当該買上商品の代金の決済などのための情報処理を実行する。
管理サーバ3は、店内機器1の管理のための情報処理を行う。
なお、通信ネットワーク200に複数のアクセスポイント201が接続されており、複数の店内機器1はそれぞれ、複数のアクセスポイント201のいずれかと無線通信を行うのでも構わない。
【0010】
図2は店内機器1の要部回路構成を表すブロック図である。
店内機器1は、CPU(central processing unit)11、ROM(read-only memory)12、RAM(random-access memory)13、SSD(solid state drive)14、無線コントローラ15,16、アンテナ17,18及び伝送路19等を備える。CPU11、ROM12、RAM13、SSD14及び無線コントローラ15,16は、伝送路19を介して接続される。なお、店内機器1は、カメラなどの別のデバイスをさらに備えるが、そのような一部のデバイスの図示は省略している。また複数の店内機器1は、図2に表される構成においては共通であるが、その他に備えるデバイスが共通である必要はない。例えば、ある店内機器1はカメラを備え、別のある店内機器1は重量センサを備えていてもよい。
【0011】
CPU11、ROM12、RAM13及びSSD14を伝送路19で接続することによって、店内機器1を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
CPU11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11は、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従って、店内機器1としての各種の機能を実現するべく各部を制御するための情報処理を実行する。またCPU11は、初期設定のための後述する情報処理(以下、初期設定処理と称する)を実行する。
【0012】
ROM12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM12は、CPU11が各種の処理を行う上で使用するデータを記憶する。ROM12は、上記の情報処理プログラムの一部を記憶する。ROM12は本実施形態では、初期設定処理について記述されたファームウェアとしての初期設定プログラムを記憶する。ただし初期設定プログラムは、SSD14に記憶されてもよい。
RAM13は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM13は、CPU11が情報処理を実行する上で必要なデータと、CPU11での処理によって生成されたデータとを一時的に記憶する。
【0013】
SSD14は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。SSD14は、CPU11が各種の処理を行う上で使用するデータと、CPU11での処理によって生成されたデータとを記憶する。SSD14は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。なお上記コンピュータの補助記憶部分としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを、SSD14に代えて、あるいはSSD14に加えて備えても構わない。
【0014】
無線コントローラ15は、アンテナ17を介してのアクセスポイント201との無線通信を行いながら、通信ネットワーク200を介したデータ通信を行うための通信処理を実行する。無線コントローラ15としては、例えばIEEE 802.11規格に準拠した既存の通信デバイスを用いることができる。無線コントローラ15は、第1の通信手段の一例である。
【0015】
無線コントローラ16は、アンテナ18を介した他の店内機器1との直接的な無線通信によりデータ通信を行うための通信処理を実行する。無線コントローラ16としては、例えば920MHz帯無線通信用の既存の通信デバイスを用いることができる。無線コントローラ16は、第2の通信手段の一例である。
【0016】
アンテナ17は、無線コントローラ15から出力される送信信号に応じて電波を放射するとともに、空間を伝播してきた電波に応じた受信信号を無線コントローラ15へと出力する。
アンテナ18は、無線コントローラ16から出力される送信信号に応じて電波を放射するとともに、空間を伝播してきた電波に応じた受信信号を無線コントローラ16へと出力する。なお、アンテナ17,18としては、1つのアンテナが共用されてもよい。
伝送路19は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0017】
通信ネットワーク200は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。通信ネットワーク200としては、一例として、LAN及びインターネットが用いられる。
【0018】
図3は管理サーバ3の要部回路構成を表すブロック図である。
管理サーバ3は、CPU31、ROM32、RAM33、SSD34、通信コントローラ35及び伝送路36等を備える。CPU31、ROM32、RAM33、SSD34及び通信コントローラ35は、伝送路19を介して接続される。
【0019】
CPU31、ROM32、RAM33及びSSD34を伝送路36で接続することによって、店内機器1における初期設定を管理するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
CPU31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU31は、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従って、店内機器1としての各種の機能を実現するべく各部を制御するための情報処理を実行する。またCPU31は、店内機器1の初期設定の管理のための後述する情報処理(以下、管理処理と称する)を実行する。
【0020】
ROM32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM32は、CPU31が各種の処理を行う上で使用するデータを記憶する。ROM32は、上記の情報処理プログラムの一部を記憶する。
RAM33は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM33は、CPU31が情報処理を実行する上で必要なデータと、CPU31での処理によって生成されたデータとを一時的に記憶する。
【0021】
SSD34は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。SSD34は、CPU31が各種の処理を行う上で使用するデータと、CPU31での処理によって生成されたデータとを記憶する。SSD34は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。本実施形態ではSSD34は本実施形態では、後述する管理処理について記述されたアプリケーションプログラムとしての管理プログラムを記憶する。ただし管理プログラムは、ROM12に記憶されてもよい。なお上記コンピュータの補助記憶部分としては、例えばEEPROM、HDD、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを、SSD34に代えて、あるいはSSD34に加えて備えても構わない。
【0022】
通信コントローラ35は、通信ネットワーク200を介したデータ通信を行うための通信処理を実行する。通信コントローラ35としては、例えばインターネット用の既存の通信デバイスを用いることができる。
伝送路36は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0023】
次に以上のように構成された無人店舗システム100の動作について説明する。
無人店舗システム100は、店内機器1のそれぞれで、店内での買物客の行動及び商品の移動に関わる様々な情報を取得する。そして処理装置2は、店内機器1で取得された情報を収集して、買物客が店内でピックアップした商品を特定する。処理装置2は、買物客が店舗から出たならば、それまでに店内でピックアップしていた商品に関する代金の決済処理を行う。なお、このような無人店舗での取引を処理するための情報処理は、例えば既存の無人店舗システムで行われている処理と同様な処理など、任意の処理であってよい。そこでその情報処理についての説明は省略する。
【0024】
本実施形態の無人店舗システム100の動作で特徴的なのは、無人店舗システム100を店舗に新規に構築、あるいは改修するに当たって店内機器1が通信ネットワーク200を介した通信を行える状態を形成するための初期設定に際しての動作であるので、以下ではその点について具体的に説明する。
【0025】
無人店舗システム100の構成が定まり、店内機器1のそれぞれがどのアクセスポイント201を利用するべきかが定まると、各店内機器1のそれぞれに関して、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信を行うために必要な各種の情報が定まる。この各種の情報は例えば、Wi-Fi(登録商標)の設定値と、自己IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイのIPアドレス、サーバのIPアドレス、ならびに接続認証情報などのIPアドレス関連の設定値とである。そして無人店舗システム100の設計者などによる指示に応じて任意の情報処理装置で、上記の各種の情報を含んだ設定情報を、全ての店内機器1の個々を無人店舗システム100内で識別する識別子に関連付けて含む初期設定情報が生成され、管理サーバ3のSSD34に保存される。識別子としては、店内機器1のシリアル番号を用いることが想定される。しかしながら識別子としては、無人店舗システム100に含まれる全ての店内機器1を個々に識別可能であれば、どのような情報が用いられても構わない。
また、店内機器1のそれぞれのSSD14に、設定情報に基づく初期設定の終了後に保存されるべきデータファイル(以下、追加ファイルと称する)が、無人店舗システム100の設計者などによる指示に応じて、管理サーバ3のSSD34に保存される。
【0026】
無人店舗システム100を店舗に構築するに当たっては、まずは店舗に通信ネットワーク200が整備され、アクセスポイント201が設置される。そして店舗のバックヤードなどに処理装置2が設置されて通信ネットワーク200に接続される。また、例えばクラウドサーバとして提供される管理サーバ3への通信ネットワーク200を介したアクセスが可能な環境が整えられる。
こののちに、店舗の売り場のさまざまな位置に、複数の店内機器1が配置される。これら複数の店内機器1のうちの1つは、設置作業者などによって初期設定用に定められる。以下、初期設定用に定められた店内機器1と、それ以外の店内機器1とを区別する必要がある場合は、前者を代表端末と称し、後者を被設定端末と称することとする。
【0027】
代表端末では、製造時、出荷準備時、あるいは店舗での設置前などの任意のタイミングで、設置作業者又はその他の作業者による指示に応じてCPU11により、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信を行うための初期設定が実行される。この初期設定には、代表端末とされた店内機器1に関して上記のように定められた設定情報が用いられる。また代表端末のSSD14には、管理サーバ3のSSD34に保存されたのと同じ初期設定情報が、設置作業者又はその他の作業者による指示の下に書き込まれる。かくしてSSD14は、設定情報を記憶する記憶手段として機能する。
被設定端末は、無線コントローラ15による通信のためのカスタマイズは何ら行われないままの例えば工場出荷状態の店内機器1である。
【0028】
図4は代表端末1-1と初期設定が行われていない状態における2つの被設定端末1-2,1-3との関係を表した図である。
代表端末1-1のSSD14には、初期設定処理により、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信を行うための設定情報DAAが記憶されている。また同SSD14には、上述のように保存された初期設定情報DABが記憶されている。そして代表端末1-1は、設定情報DAAに基づき、無線コントローラ15がアクセスポイント201と無線通信を行うことができ、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信を行うことが可能な状態にある。
【0029】
被設定端末1-2,1-3のSSD14には、設定情報DAA及び初期設定情報DABはいずれも記憶されない。このため、被設定端末1-2,1-3は、無線コントローラ15がアクセスポイント201と無線通信を行うことができず、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信を行うことは不可能な状態にある。
【0030】
無線コントローラ16による他の店内機器1との無線通信は、代表端末1-1及び被設定端末1-2,1-3のいずれも可能である。ただし、図4の例では、被設定端末1-2は、代表端末1-1及び被設定端末1-3のいずれとも直接の通信が可能であるが、代表端末1-1と被設定端末1-3とは、通信可能距離以上に離れているために直接の通信は不可能であることとする。
【0031】
作業者は、無人店舗システム100に含める全ての店内機器1を店内の所要の位置にそれぞれ配置した上で、各店内機器1を初期設定モードで起動する。そうすると各店内機器1のそれぞれにて、CPU11はROM12に記憶された初期設定プログラムに基づく初期設定処理を開始する。
【0032】
図5は初期設定処理におけるCPU11の処理手順のフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0033】
ACT1としてCPU11は、920MHz帯通信を活性化する。つまりCPU11は例えば、無線コントローラ16を起動とする。
ACT2としてCPU11は、当該CPU11を備えている店内機器1(以下、自機器と称する)が代表端末であるか否かを確認する。そしてCPU11は、自機器が代表端末に定められているならばYESと判定してACT3へと進む。つまり図4に表す例の場合は、代表端末1-1に備えられたCPU11の場合、ACT3へと進むことになる。
【0034】
ACT3としてCPU11は、無線コントローラ16を送信状態とし、SSD14に記憶されている初期設定情報DABをアンテナ18から無線送信させる。このときにCPU11は、予め定められた時間間隔で予め定められた回数、初期設定情報DABを繰り返し送信するのでも、初期設定情報DABを一度のみ送信するのでもよい。なお、ここで初期設定情報DABを繰り返し送信する場合、一例として100ミリ秒間隔で3回送信することが想定される。これは、短期的な無線伝送上の欠送、すなわち間欠的なビット化け等に対応することを目的とする。かくして初期設定プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは第1の送信制御手段として機能する。
ACT4としてCPU11は、予め定められた待機時間に渡り待機する。これにより、CPU11がこののちにACT3を再度実行する場合には、その時間間隔の調整が図られることになる。従って、待機時間は、典型的には、ACT3での繰り返しの送信間隔よりも十分に長く定められる。これは、長期的な無線伝送上の欠送が生じる場面で、ACT3を繰り返す時間間隔をある程度あけることによって、無線周波数を過度に占有しないことを目的とする。長期的な無線伝送上の欠送が生じる場面は、一例としては、伝送路上に人間のような障害物が歩いていたなどの事情によりACT3での繰り返しの送信のいずれでも初期設定情報DABの伝送に失敗した場面である。
【0035】
さて、CPU11は、自機器が被設定端末であるならば、ACT2にてNOと判定し、ACT5へと進む。つまり図4に表す例の場合は、被設定端末1-2,1-3にそれぞれ備えられたCPU11の場合、ACT5へと進むことになる。
ACT5としてCPU11は、無線コントローラ16を受信状態とし、他の店内機器1から送信されて到来する初期設定情報DABを無線コントローラ16に受信させる。かくして初期設定プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは第1の受信制御手段として機能する。
【0036】
図6図4に表される3つの店内機器1と管理サーバ3とでの各種の情報の授受に関するシーケンスの一例を表す図である。図7図4に表される3つの店内機器1と管理サーバ3とでの各種の情報の授受に関するシーケンスの別の一例を表す図である。なお図6及び図7は、1つの被設定端末に関するイベントどうしの時間の前後関係は正しく表すが、別の被設定端末に関するイベントどうしの時間の前後関係は必ずしも図6及び図7に表す通りとはならない場合もある。
【0037】
図6及び図7中のイベントEAのように、代表端末1-1から送信された初期設定情報DABは、被設定端末1-2に到達し、被設定端末1-2の無線コントローラ16では受信されるが、被設定端末1-3の無線コントローラ16では受信されない。
【0038】
被設定端末1-2のように、初期設定情報DABを無線コントローラ16で受信できた店内機器1のCPU11は、ACT6へと進む。
ACT6としてCPU11は、無線コントローラ16により受信された初期設定情報DABを既に転送済みであるか否かを確認する。そしてCPU11は、まだ転送していないならばNOと判定し、ACT7へと進む。
【0039】
ACT7としてCPU11は、上記のように無線コントローラ16により受信された初期設定情報DABを他の店内機器1に向けて転送する。この初期設定情報DABの転送には、例えばフラッディングと呼ばれる方式が適用できる。つまりCPU11は、上記のように無線コントローラ16により受信された初期設定情報DABをそのまま無線コントローラ16に送信させる。かくして初期設定プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは第2の送信制御手段として機能する。
【0040】
なおフラッディングでは、初期設定情報DABが永遠に転送され続ける事態に陥る恐れがある。そこで、初期設定情報DABをパケット化して伝送するようにし、各パケットにはTTL(time to live)を付与し、転送する度にTTLをデクリメントし、TTLが0になっているパケットは転送しない、といった処置を講ずることが好ましい。あるいは、パケットにシーケンスナンバーを付与し、このシーケンスナンバーに基づいて転送済みであるか否かを確認して、過去に転送したパケットは転送しない、といった別の処理を講じても構わない。
【0041】
図6中のイベントEBのように、被設定端末1-2が初期設定情報DABを転送したならば、これは被設定端末1-3に到達し、被設定端末1-3の無線コントローラ16で受信される。これに応じて被設定端末1-3のCPU11は、ACT6へと進み、ACT6及びACT7を前述と同様に実行することになる。
【0042】
さて、CPU11は、ACT4での待機を終えるか、ACT7での転送を終えると、いずれの場合もACT8へと進む。なお、既にACT7で転送した初期設定情報が、他の店内機器1で転送されて到来し、無線コントローラ16により受信されることがあり得る。そしてこの場合にCPU11は、ACT6にてYESと判定し、ACT7をパスしてACT8へと進む。
【0043】
ACT8としてCPU11は、自機器が初期設定済み状態となっているか否かを確認する。そして自機器が後述するように初期設定済み状態とされているならばYESと判定し、ACT2へと戻る。しかしながら初期設定済み状態とされていないならばNOと判定し、ACT9へと進む。
ACT9としてCPU11は、初期設定情報に含まれる設定情報の中から、自機器の識別子に関連付けられている設定情報を抽出する。
【0044】
ACT10としてCPU11は、上記の抽出した設定情報を用いて、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信を行うための初期設定が実行される。この初期設定のための処理は、無線LANの利用のための周知の処理である。この初期設定が完了すれば、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信を、無線コントローラ15を用いて行うことが可能となる。かくして初期設定プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは第1の設定手段として機能する。
なおCPU11は、初期設定の完了後に、必要に応じて自機器を再起動させる場合もある。
【0045】
ACT11としてCPU11は、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信により管理サーバ3に問い合わせを行う。この問い合わせは、ACT9で抽出した設定情報が、自機器の初期設定に用いるのに正当な設定情報であったか否かの確認を管理サーバ3に要求するものである。従ってCPU11は例えば、当該の問い合わせに関して管理サーバ3と情報をやり取りする中で、ACT9で抽出した設定情報を管理サーバ3に送る。あるいはCPU11は例えば、ACT9で抽出した設定情報が多数の設定情報のいずれであるかを識別するための情報を管理サーバ3に送る。あるいはCPU11は例えば、ACT9で抽出した設定情報に対して予め定められた演算処理を施すことにより得られるハッシュ値等の値を管理サーバ3に送るのでもよい。
【0046】
図6及び図7中のイベントECは、被設定端末1-2が、イベントEAで受けた初期設定情報に含まれる設定情報に関して管理サーバ3に対して行った問い合わせである。また図6中のイベントEGは、被設定端末1-3が、イベントEBで受けた初期設定情報に含まれる設定情報に関して管理サーバ3に対して行った問い合わせである。
【0047】
さて管理サーバ3にてCPU31は、SSD34に記憶された管理プログラムに基づく管理処理を実行する。
図8は管理処理におけるCPU31の処理手順を表すフローチャートである。
【0048】
ACT21としてCPU31は、店内機器1のいずれかからの問い合わせがなされるのを待ち受ける。そしてCPU31は、CPU11による図5中のACT11の処理によって店内機器1からの問い合わせがなされたならばYESと判定し、図8中のACT22へと進む。
ACT22としてCPU31は、問い合わせ元の店内機器1に対して正当性を証明する。つまりCPU31は、店内機器1による問い合わせ先が、当該店内機器1の管理を行っている管理サーバ3であることを、問い合わせ元の店内機器1に対して証明するための処理を実行する。CPU31は例えば、予め用意されたデジタル証明書を問い合わせ元の店内機器1に宛てて通信ネットワーク200へと通信コントローラ35から送出する。
【0049】
ACT23としてCPU31は、問い合わせの対象となっている設定情報の正当性を確認する。CPU11は例えば、問い合わせに際して送られた設定情報と一致する設定情報がSSD34に記憶されている初期設定情報に含まれるかを確認する。
ACT24としてCPU31は、問い合わせの対象となっている設定情報が正当であるか否かを確認する。CPU31は例えば、ACT23で該当の設定情報を見つけることができなかったならば、正当ではないとしてNOと判定し、ACT25へと進む。
【0050】
ACT25としてCPU31は、問い合わせ元の店内機器1の初期設定で用いるべき正当な設定情報を、SSD34に保存されている初期設定情報に含まれる設定情報のなかから抽出した上で、問い合わせ元の店内機器1に宛てて、問い合わせへの応答として通信ネットワーク200へと送出する。なおCPU31は、SSD34に保存されている初期設定情報を問い合わせ元の店内機器1に宛てて送信するのでもよい。そしてCPU31はこののち、ACT21の待ち受け状態に戻り、次の問い合わせに備える。
【0051】
CPU31は一方、例えばACT23で該当の設定情報を見つけることができたならば、正当としてACT24にてYESと判定し、ACT26へと進む。
ACT26としてCPU31は、問い合わせ元の店内機器1に必要な追加ファイルをSSD14から読み出して、問い合わせ元の店内機器1に宛てて、問い合わせへの応答として通信ネットワーク200へと送出する。そしてCPU31はこののち、ACT21の待ち受け状態に戻り、次の問い合わせに備える。
【0052】
図6及び図7中のイベントEDは、イベントECでの問い合わせへの応答としての追加ファイルの送信である。また図6中のイベントEHは、イベントEGでの問い合わせへの応答としての追加ファイルの送信である。つまり図6は、被設定端末1-2,1-3のいずれも、正当な設定データを得られた場合を表している。
【0053】
店内機器1にてCPU11は、図5中のACT11にて問い合わせた後には、ACT12へと進む。
ACT12としてCPU11は、問い合わせ先の管理サーバ3が正当か否かを確認する。CPU11は例えば、CPU31による図8中のACT22の処理によって管理サーバ3から送出されたデジタル証明書が通信ネットワーク200を介して伝送されて、自機器の無線コントローラ15により受信されるのを待つ。そしてCPU11は例えば、無線コントローラ15により受信されたデジタル証明書に基づいて、認証情報の送信元が正当な管理サーバ3であるか否かを確認する。
【0054】
無線コントローラ16を介した通信に関しては、通信相手の認証を行っていない。このため、ACT5で受信される初期設定情報は、代表端末とされている店内機器1から送信されたもの、あるいは当該の情報が他の被設定端末により正しく転送されたものである保証はない。何らかの事情で、代表端末のSSD14に記憶された初期設定情報DABとは異なる初期設定情報がACT5で受信されることもあり得る。そしてこのような場合には、ACT10での初期設定が失敗するか、ACT10での初期設定が誤って行われてしまうことにより、正当な管理サーバ3にアクセスできない場合がある。これらの場合には、CPU11はACT12にてNOと判定し、ACT2に戻って、ACT2以降の処理を前述と同様に繰り返す。
【0055】
CPU11は、管理サーバ3が正当であると判定したならば、ACT12にてYESと判定してACT13へと進む。
ACT13としてCPU11は、ACT9で抽出した設定情報が正当であるか否かを確認する。CPU11は例えば、問い合わせへの応答として管理サーバ3から送信される情報の受信を無線コントローラ15に開始させる。前述のように管理サーバ3からは、設定情報が正当では無い場合に設定情報が送出される。かくしてCPU11は、この設定情報が自機器の無線コントローラ15で受信されたならば設定情報が正当ではなかったとしてNOと判定し、ACT10へと戻る。そしてCPU11は、ACT10における初期設定を、管理サーバ3から送られた設定情報を用いてやり直す。かくして初期設定プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは確認手段、第2の受信制御手段及び第2の設定手段として機能する。
【0056】
図7中のイベントEJでは、送信元が不明な初期設定情報が被設定端末1-3に到達し、被設定端末1-3の無線コントローラ16で受信されている。このため、ここで受信された初期設定情報に含まれる設定情報に関するイベントEKでの問い合わせに対する応答として、イベントELとして設定情報が送られている。この設定情報の送信を受けて被設定端末1-3では、この設定情報に基づく初期設定が再度行われた上で、この設定情報に関する問い合わせをイベントEMとして行っている。イベントEMでの問い合わせの対象となる設定情報は管理サーバ3が送った正当な設定情報であるから、イベントEMでの問い合わせに対する応答として、イベントENでは管理サーバ3が追加ファイルを送信している。
【0057】
前述のように管理サーバ3からは、設定情報が正当な場合に追加ファイルが送出される。かくしてCPU11は、この追加ファイルが自機器の無線コントローラ15で受信されたならば設定情報が正当であったとしてACT13にてYESと判定し、ACT14へと進む。かくして初期設定プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、設定情報とは別の情報である追加ファイルを無線コントローラ15に受信させる第3の受信制御手段として機能する。
【0058】
ACT14としてCPU11は、上記のように無線コントローラ15で受信された追加ファイルをSSD14に保存する。
ACT15としてCPU11は、自機器を初期設定済み状態とする。CPU11は例えば、初期設定済み状態であることを表す予め定められた情報をSSD14に保存する。そしてCPU11はこののち、ACT2に戻って、ACT2以降の処理を前述と同様に繰り返す。
【0059】
以上のような設定処理が、複数の店内機器1でそれぞれ実行されることにより、代表端末のSSD14に記憶されている初期設定情報DABに含まれる各店内機器1の設定情報に基づく初期設定が各被設定端末で行われて行き、被設定端末1-2,1-3はアクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信を行える状態となる。そして他の被設定端末も、同様に通信ネットワーク200を介した通信を行える状態となる。
図9は代表端末1-1といずれも初期設定が済んだ2つの被設定端末1-2,1-3との関係を表した図である。
【0060】
作業者は、全ての被設定端末の初期設定が完了するまで、ある程度の時間を待った上で、各店内機器1での初期設定処理の実行を終了させる。そして作業者は、各店内機器1を、アクセスポイント201を利用しての通信ネットワーク200を介した通信によって所要の情報を処理装置2に送信する通常の動作状態として起動する。
【0061】
以上のように無人店舗システム100によれば、作業者は、店内機器1の1つにだけ初期設定を行うとともに、当該店内機器1のSSD14に初期設定情報DABを記憶させて代表端末とした上で、この代表端末とその他の店内機器1である被設定端末とを店内に配置した上で各店内機器1に初期設定処理を実行させることにより、被設定端末である複数の店内機器1の初期設定を行わせることができる。
かくして、複数の店内機器1を、それぞれに初期設定を行わせるべく操作する場合に比べて、作業者の手間を大幅に軽減できる。
【0062】
また店内機器1は、他の店内機器1から送信された初期設定情報DABを受信したならば、この初期設定情報DABを転送する。これにより、無線コントローラ16による920mHz帯通信での通信可能範囲を大きくしなくとも、その通信可能範囲を越える範囲に配置されている複数の店内機器1に初期設定情報DABを受信させることが可能である。
【0063】
また店内機器1は、転送されてきた初期設定情報DABの再転送に際しては、予め定められた条件に従って制限する。これにより、初期設定情報DABが永遠に転送され続けることを防止できる。
【0064】
また店内機器1は、初期設定の終了後に管理サーバ3にアクセスし、初期設定に用いた設定情報の正当性を確認し、正当であることを確認できないならば、管理サーバ3から正当な設定情報を取得し、当該設定情報に基づく初期設定をやり直す。これにより、適正な初期設定を確実に行うことができる。
【0065】
また店内機器1は、初期設定の終了後に管理サーバ3にアクセスし、初期設定に用いた設定情報の正当性を確認し、正当であることを確認したならば、管理サーバ3から追加ファイルを取得することができる。
【0066】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
初期設定後の通信の利用目的は任意であってよく、無人店舗システム100を構成するのとは異なる任意の通信システムにおいて実施が可能である。
【0067】
情報処理によりCPU11が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1…店内機器、1-1…代表端末、1-2…被設定端末、1-3…被設定端末、2…処理装置、3…管理サーバ、11,31…CPU、12,32…ROM、13,33…RAM、14,34…SSD、15,16…無線コントローラ、17,18…アンテナ、19,36…伝送路、35…通信コントローラ、100…無人店舗システム、200…通信ネットワーク、201…アクセスポイント。
図1
図2
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