(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034852
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】荷受け保管装置
(51)【国際特許分類】
B64F 1/32 20060101AFI20240306BHJP
B64F 3/00 20060101ALI20240306BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B64F1/32
B64F3/00
B65G1/00 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139375
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】福田 博之
(72)【発明者】
【氏名】山内 涼平
(72)【発明者】
【氏名】菅野 寿威
(72)【発明者】
【氏名】神戸 希美子
(72)【発明者】
【氏名】有井 透
(72)【発明者】
【氏名】白石 徹
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022FF29
(57)【要約】
【課題】荷物に付着した付着物が保管部内でゴミや汚れ等として堆積することを回避し易い技術を実現する。
【解決手段】荷受け保管装置10が、離着陸部21と、荷受け部22と、保管部と、保管部に保管されていた荷物Mが取り出される取出部と、荷受け部22、保管部、及び、取出部の間で荷物Mを搬送する搬送装置15と、荷受け部22又は荷受け部22から保管部までの荷物Mの搬送経路に設置され荷物Mに付着した付着物を除去するために荷物Mに気体を吹き付ける気体吹付装置80と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機が離着陸する離着陸部と、
前記無人航空機から荷物を受け取る荷受け部と、
複数の前記荷物を保管する保管部と、
前記保管部に保管されていた前記荷物が取り出される取出部と、
前記荷受け部、前記保管部、及び、前記取出部の間で前記荷物を搬送する搬送装置と、
前記荷受け部又は前記荷受け部から前記保管部までの前記荷物の搬送経路に設置され、前記荷物に付着した付着物を除去するために前記荷物に気体を吹き付ける気体吹付装置と、
を備えた荷受け保管装置。
【請求項2】
前記搬送装置は、前記荷物を少なくとも水平方向に沿って搬送する第1搬送部を備え、
前記気体吹付装置は、前記第1搬送部上の前記荷物に気体を吹き付けるように設置されている、請求項1に記載の荷受け保管装置。
【請求項3】
前記離着陸部は、前記無人航空機を下方から支持する支持台を備え、
前記保管部は、前記支持台よりも下側に配置され、
前記搬送装置は、前記保管部よりも上側に配置された前記第1搬送部と、前記荷物を少なくとも上下方向に搬送する第2搬送部と、を備え、
前記第1搬送部は、前記荷受け部を兼ね、前記支持台に支持された前記無人航空機の直下から前記第2搬送部まで前記荷物を搬送するように構成されている、請求項2に記載の荷受け保管装置。
【請求項4】
前記第1搬送部による前記搬送経路に沿う方向を搬送方向とし、上下方向視で前記搬送方向に直交する方向を搬送幅方向として、
前記気体吹付装置は、前記第1搬送部による前記搬送経路の対象箇所において、前記搬送幅方向における前記荷物の寸法よりも広い範囲に気体を吹き付けるように構成されている、請求項2又は3に記載の荷受け保管装置。
【請求項5】
前記離着陸部及び前記第1搬送部は、上下方向視で前記保管部と重複するように配置されている、請求項2又は3に記載の荷受け保管装置。
【請求項6】
前記気体吹付装置は、前記離着陸部に着陸した前記無人航空機にも気体を吹き付けるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の荷受け保管装置。
【請求項7】
前記保管部は建物の内部に配置され、
前記離着陸部、前記荷受け部、及び前記気体吹付装置は、前記建物の屋上に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の荷受け保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機から荷物を受け取る荷受け保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機から荷物を受け取るドローンポートが知られている。特許文献1(特開2021-046111号公報)には、建物躯体の上面に離着陸部を有し、その離着陸部に着陸した無人航空機から解放された荷物を受け取るドローンポートが記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のドローンポートでは、離着陸部が外部に開放されているため、離着陸部での荷物の分離及び搬送の際に、荷物に水滴や塵埃等の付着物が付着する可能性がある。また、無人航空機の構造によっては、飛行中にも、荷物に水滴や塵埃等の付着物が付着する可能性がある。そして、無人航空機から分離した後の荷物を保管部に保管する場合には、荷物に付着した水滴や塵埃等の付着物が保管部内で荷物から分離し、ゴミや汚れ等として堆積する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、荷物に付着した付着物が保管部内でゴミや汚れ等として堆積することを回避し易い技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る荷受け保管装置は、無人航空機が離着陸する離着陸部と、前記無人航空機から荷物を受け取る荷受け部と、複数の前記荷物を保管する保管部と、前記保管部に保管されていた前記荷物が取り出される取出部と、前記荷受け部、前記保管部、及び、前記取出部の間で前記荷物を搬送する搬送装置と、前記荷受け部又は前記荷受け部から前記保管部までの前記荷物の搬送経路に設置され、前記荷物に付着した付着物を除去するために前記荷物に気体を吹き付ける気体吹付装置と、を備える。
【0007】
本構成によれば、無人航空機から受け取った荷物に付着した付着物を保管部に保管する前に除去することができる。従って、例えば、保管部内で付着物が荷物から離れ、保管部内にゴミや汚れ等が堆積する要因となることを回避し易い。なお、このような付着物としては、例えば、雨や雪等による水滴、塵埃、落ち葉等が想定される。また、本構成によれば、荷物に付着物が付着した状態の荷物が取出部に出てくる可能性を低減できる。
【0008】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る荷受け保管装置の側面図
【
図2】
図1の屋上における荷受け保管装置を示す平面図
【
図3】
図1の第2階における荷受け保管装置を示す平面図
【
図4】
図1の第1階における荷受け保管装置を示す平面図
【
図5】第2の実施形態に係る荷受け保管装置の平面図
【
図6】第3の実施形態に係る荷受け保管装置の平面図
【
図7】第3の実施形態に係る荷受け保管装置の側面図
【
図8】第4の実施形態に係る荷受け保管装置の平面図
【
図9】第4の実施形態に係る荷受け保管装置の側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1の実施形態〕
本実施形態に係る荷受け保管装置10について図面に基づいて説明する。
図1は、荷受け保管装置10の構成を示す断面図である。荷受け保管装置10は、無人航空機90が離着陸する離着陸部21と、無人航空機90から荷物Mを受け取る荷受け部22と、を備えている。また、荷受け保管装置10は、複数の荷物Mを保管する保管部40と、保管部40に保管されていた荷物Mが取り出される取出部45を備えている。また、荷受け保管装置10は、荷受け部22、保管部40、及び、取出部45の間で荷物Mを搬送する搬送装置15を備えている。
【0011】
本実施形態では、荷受け保管装置10は1棟の建物に備えられている。
図2は、屋上R3における荷受け保管装置10を示す拡大平面図である。
図3は、第2階R2における荷受け保管装置10を示す平面図である。
図4は、第1階R1における荷受け保管装置10を示す平面図である。また、本実施形態では、荷受け保管装置10は、無人航空機90へ荷物Mを引き渡す荷物引渡部23を備えている。また、本実施形態では、荷受け保管装置10は、複数の無人航空機90を格納すると共に格納された無人航空機90へのエネルギー(具体的には、飛行に必要なエネルギー)の補充を行う補充格納部50を備えている。
【0012】
無人航空機90は、例えば、遠隔操作或いは自律飛行が可能な固定翼機や回転翼機である。本実施形態では、無人航空機90は垂直離着陸可能な電動式の回転翼機である。
図3に示す例では、無人航空機90は充電式であって蓄電池92を備えている。また、無人航空機90は受電コイル94を備えている。また、無人航空機90は自律飛行が可能なマルチコプター(所謂ドローン)である。無人航空機90は、
図1及び
図2に示すように接地部96を備えている。接地部96は、
図2に示す例では4本の脚部であるが、接地部96がソリや車輪であっても良い。
【0013】
本実施形態では、搬送装置15は、保管部40よりも上側に配置されて荷物Mを少なくとも水平方向に沿って搬送する外部搬送装置20と、荷物Mを少なくとも上下方向Zに搬送するリフタ30と、を備えている。本実施形態では、外部搬送装置20は、離着陸部21とリフタ30との間で無人航空機90の搬送を行う。また、外部搬送装置20とリフタ30との間には、第1出入口35が配置されている。ここで、鉛直方向に沿う方向を上下方向Zとする。また、水平方向に沿う特定の方向を特定方向Xとし、特定方向Xの一方側を特定方向第1側Xaとし、特定方向Xの他方側を特定方向第2側Xbとする。また、
図2に示すように、外部搬送装置20による搬送経路に沿う方向を搬送方向L1とし、上下方向視で搬送方向L1に直交する方向を搬送幅方向W1とする。外部搬送装置20としては、例えば、ローラコンベヤやベルトコンベヤ等が挙げられる。外部搬送装置20は第1搬送部に対応する。
【0014】
本実施形態では、リフタ30は、荷物M及び無人航空機90のそれぞれを少なくとも上下方向Zに搬送する。また、保管部40は、リフタ30に対して特定方向第1側Xaに隣接して配置されている。また、補充格納部50は、リフタ30に対して特定方向第2側Xbに隣接して配置されている。
図2に示す例では、リフタ30には荷物M及び無人航空機90を特定方向Xに搬送可能である内部搬送装置32が設けられている。ここで、内部搬送装置32による搬送経路に沿う方向を搬送方向L2とし、上下方向視で搬送方向L2に直交する方向を搬送幅方向W2とする。内部搬送装置32としては、例えば、ローラコンベヤやベルトコンベヤ等が挙げられる。リフタ30は第2搬送部に対応する。
【0015】
本実施形態では、離着陸部21は、無人航空機90を下方から支持する支持台27を備えている。支持台27は、保管部40及び補充格納部50よりも上側に配置されている。図示の例では、離着陸部21は建物の屋上R3に設けられている。また、離着陸部21は垂直離着陸用である。好適には、荷受け保管装置10は、離着陸部21を覆う開閉式の屋根を備えている。また、好適には、離着陸部21には離着陸部21上の凍った水を溶かすヒータが設けられる。
【0016】
本実施形態では、離着陸部21は、上下方向視で保管部40と重複するように配置されている。
図2に示す例では、外部搬送装置20が離着陸部21を兼ねている。また、離着陸部21には、搬送幅方向W1の少なくとも一方に外部搬送装置20から離れるにしたがって上下方向Zの上側に傾く傾斜部25が設けられている。この傾斜部25により、外部搬送装置20に対する無人航空機90の垂直着陸を容易とすることができ、外部搬送装置20の搬送幅方向W1の寸法を比較的小さくできる。
【0017】
本実施形態では、保管部40は、支持台27よりも下側に配置されている。また、保管部40は建物の内部に配置されている。また、補充格納部50は建物の内部に配置されている。また、荷受け部22及び荷物引渡部23は、建物の屋上R3に配置されている。
図4に示す例では、荷受け保管装置10は建物の第1階R1に荷物用入出庫口41及び無人航空機用入出庫口51を備えている。荷物用入出庫口41は、例えば、無人航空機90を用いないで荷物Mの入庫や出庫を行うために用いられる。また、無人航空機用入出庫口51は、例えば、無人航空機90の保守や点検を行うために用いられる。
図1に示す例では、荷受け保管装置10は地上2階建ての倉庫に備えられて、倉庫の第1階R1は地上1階である。なお、荷受け保管装置10の保管部40及び補充格納部50は自動倉庫であることが好ましい。ここで自動倉庫とは収納対象物の入庫や出庫が自動化された倉庫である。
【0018】
本実施形態では、荷物引渡部23は、無人航空機90に荷物Mを引き渡す荷物引渡装置24を備えている。また、本実施形態では、荷物引渡部23が荷受け部22を兼ねており、荷物引渡装置24が無人航空機90から荷物Mを分離する荷物受取装置を兼ねている。荷物引渡装置24の例としては、荷物受渡ロボットや昇降機等が挙げられる。また、本実施形態では、外部搬送装置20が荷受け部22を兼ねている。また、本実施形態では、外部搬送装置20が荷物引渡部23を兼ねている。
【0019】
本実施形態では、外部搬送装置20は、保管部40及び補充格納部50よりも上下方向Zの上側に配置されている。また、外部搬送装置20は、上下方向Zに沿う上下方向視で保管部40と重複するように配置されている。また、外部搬送装置20は、荷受け部22を兼ね、支持台27に支持された無人航空機90の直下からリフタ30まで荷物Mを搬送する。また、外部搬送装置20は、無人航空機90から分離された荷物Mを少なくとも水平方向に沿ってリフタ30まで搬送する荷物搬送動作S10と、荷物Mと分離され且つ外部搬送装置20に着陸した無人航空機90を少なくとも水平方向に沿ってリフタ30まで搬送する航空機搬送動作S20と、が実行可能に構成されている。
【0020】
本実施形態では、
図2に示すように、外部搬送装置20は、外部搬送装置20の上面に無人航空機90と無人航空機90から分離された荷物Mとが載置されている場合に、荷物Mと無人航空機90とを別々に搬送できる分配搬送装置26を備えている。本実施形態では、分配搬送装置26によって外部搬送装置20が無人航空機90のみを搬送する場合が上述の航空機搬送動作S20となり、分配搬送装置26によって外部搬送装置20が荷物Mのみを搬送する場合が上述の荷物搬送動作S10となる。
【0021】
本実施形態では、外部搬送装置20は、搬送速度を互いに異なる速度にできる、無人航空機90の接地部96を支持し搬送する航空機搬送面20Bと、荷物Mを支持し搬送する荷物搬送面20Aと、を備えている。本実施形態では、荷物搬送面20Aと航空機搬送面20Bとが分配搬送装置26として機能する。また、本実施形態では、航空機搬送面20Bが上述の支持台27として機能する。図示の例では、搬送幅方向W1における荷物搬送面20Aの外側の両方に航空機搬送面20Bが設けられている。
【0022】
荷受け保管装置10は、荷受け部22と保管部40との間及び荷物引渡部23と保管部40との間で荷物Mを搬送する荷物搬送装置60を備えている。また、荷受け保管装置10は、離着陸部21と補充格納部50との間で無人航空機90を搬送する航空機搬送装置70を備えている。本実施形態では、荷物搬送装置60及び航空機搬送装置70は、共用の外部搬送装置20を備えている。また、本実施形態では、荷物搬送装置60及び航空機搬送装置70は、共用のリフタ30を備えている。
【0023】
本実施形態では、
図3に示すように、荷物搬送装置60は、外部搬送装置20と、リフタ30と、リフタ30と保管部40との間で荷物Mを搬送する保管搬送装置61とを備えている。本実施形態では、リフタ30に備えられた上述の内部搬送装置32が荷物Mを特定方向第1側Xaに搬送することで、保管部40に荷物Mが搬送される。図示の例では、周回搬送装置62と分岐搬送装置63とが保管部40内に設けられている。リフタ30から保管部40へ搬送された荷物Mは、周回搬送装置62に載置されて保管される。分岐搬送装置63は、荷物Mを周回搬送装置62又はリフタ30に分岐搬送する。
図3及び
図4に示す例では、周回搬送装置62と分岐搬送装置63とが各階に設けられ、第1階R1に設けられた分岐搬送装置63は、荷物Mを周回搬送装置62、リフタ30、又は、荷物用入出庫口41に分岐搬送する。図示の例では、内部搬送装置32と分岐搬送装置63とがリフタ30と保管部40との間で荷物Mを搬送する保管搬送装置61として機能している。
【0024】
本実施形態では、保管部40は建物の複数階に渡って設置されている。また、本実施形態では、上述の取出部45として機能する第2出入口が、保管部40とリフタ30との間に配置されている。保管部40は保管部40内において荷物Mを保管及び搬送できる保管搬送装置61を備えることにより、荷物Mの自動倉庫として機能している。
【0025】
本実施形態では、
図3に示すように、航空機搬送装置70は、外部搬送装置20と、リフタ30と、リフタ30と補充格納部50との間で無人航空機90を搬送する格納搬送装置71とを備えている。本実施形態では、リフタ30に備えられた上述の内部搬送装置32が無人航空機90を特定方向第2側Xbに搬送することで、補充格納部50に無人航空機90が搬送される。図示の例では、分岐搬送装置73が補充格納部50内に設けられている。リフタ30から補充格納部50へ搬送された無人航空機90は、分岐搬送装置73により後述の格納庫52又はリフタ30に分岐搬送される。
図3及び
図4に示す例では、分岐搬送装置73は各階に設けられ、第1階R1に設けられた格納搬送装置71は無人航空機90を無人航空機用入出庫口51に搬送可能に構成されている。図示の例では、内部搬送装置32と分岐搬送装置73とがリフタ30と補充格納部50との間で無人航空機90を搬送する格納搬送装置71として機能している。
【0026】
本実施形態では、補充格納部50は建物の複数階に渡って設置されている。図示の例では、補充格納部50とリフタ30との間に第3出入口55が配置されている。また、補充格納部50は補充格納部50内において無人航空機90を搬送できる格納搬送装置71を備えることにより、無人航空機90の自動倉庫として機能している。
【0027】
本実施形態では、補充格納部50は複数の格納庫52を備えている。この格納庫52はそれぞれ無線式の充電装置53を備えている。充電装置53は給電コイル54を有し、格納庫52に格納された無人航空機90の受電コイル94を介して蓄電池92に電力を供給する。これにより、補充格納部50が格納された無人航空機90への無線式充電が可能となっている。このように、本実施形態では、補充格納部50による無人航空機90へのエネルギーの補充は、蓄電池92の充電により行われる。図示の例では、格納庫52の床部が分岐搬送装置73との間で無人航空機90を搬送可能となっている。
【0028】
図2に戻り、荷受け保管装置10は、荷受け部22から保管部40までの荷物Mの搬送経路に設置され、荷物Mに付着した付着物を除去するために荷物Mに気体を吹き付ける気体吹付装置80を備えている。本実施形態では、気体吹付装置80は、外部搬送装置20上の荷物Mに気体を吹き付けるように設置されている。図示の例では、気体吹付装置80は、門形状であって気体吹付装置80の直下を荷物Mが搬送される。荷物Mに吹き付けられる気体としては、例えば、空気、窒素、二酸化炭素、ジメチルエーテル、プロパン等が用いられる。好適には、荷物Mに吹き付けられる気体は温風である。
【0029】
本実施形態では、気体吹付装置80は、外部搬送装置20による搬送経路の対象箇所において、搬送幅方向W1における荷物Mの寸法Wmよりも広い範囲に気体を吹き付けるように構成されている。また、本実施形態では、気体吹付装置80は、外部搬送装置20による搬送経路の対象箇所において、搬送幅方向W1における無人航空機90の寸法Wdよりも広い範囲に気体を吹き付けるように構成されている。図示の例では、気体吹付装置80は上側吹付部82を備え、搬送幅方向W1における上側吹付部82の寸法Wbが荷物Mの寸法Wm及び無人航空機90の寸法Wdよりも大きい。
【0030】
本実施形態では、気体吹付装置80は、離着陸部21に着陸した無人航空機90にも気体を吹き付けるように構成されている。図示の例では、気体吹付装置80は、建物の屋上R3に配置されている。好適には、気体吹付装置80は、荷物M及び無人航空機90の通過中のみ気体を噴出する。更に、好適には、荷物Mと無人航空機90とが別々に搬送され、荷物M及び無人航空機90のそれぞれに気体吹付装置80により気体が吹き付けられる。無人航空機90への気体の吹き付けは、無人航空機90が翼を畳んでいる格納形態で行っても良く、翼を広げている飛行形態で行っても良い。図示の例では、搬送幅方向W1における無人航空機90の寸法Wd、及び、搬送方向L1における無人航空機90の寸法Ldは、無人航空機90が格納形態である時の寸法である。
【0031】
〔第2の実施形態〕
以下では、第2の実施形態に係る荷受け保管装置10について図面を参照して説明する。本実施形態では、荷受け保管装置10が荷物引渡部23、傾斜部25、分配搬送装置26、補充格納部50、及び、航空機搬送装置70を備えず、外部搬送装置20及びリフタ30が無人航空機90の搬送を行わない点で上記第1の実施形態と異なっている。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
図5は、屋上R3における第2の実施形態に係る荷受け保管装置10を拡大して示す平面図であって、
図2に対応する図である。
【0032】
本実施形態では、無人航空機90を下方から支持する支持台27は、上下方向視でC字状の着陸架台である。支持台27における上下方向視の中央部には、外部搬送装置20の搬送方向L1の一端が位置している。この外部搬送装置20の一端は、荷受け部22を兼ねている。従って、外部搬送装置20の一端である荷受け部22は、C字状の着陸架台である支持台27に着陸した無人航空機90の直下に位置する。そして、外部搬送装置20は、他端側のリフタ30まで荷物Mを搬送するように構成されている。
【0033】
本実施形態では、気体吹付装置80は外部搬送装置20上の荷物Mに気体を吹き付けるように設置されている、また、本実施形態では、気体吹付装置80は荷物Mの通過中のみ気体を噴出する。図示の例では、気体吹付装置80は門形状であって上側吹付部82を備え、搬送幅方向W1における上側吹付部82の寸法Wbは、荷物Mの寸法Wmよりも大きいが、無人航空機90の寸法Wdより小さい。
【0034】
〔第3の実施形態〕
以下では、第3の実施形態に係る荷受け保管装置10について図面を参照して説明する。本実施形態では、気体吹付装置80が搬送方向L1に移動する点で上記第2の実施形態と異なっている。以下では、上記第2の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第2の実施形態と同様とする。なお、本実施形態では、荷受け部22が荷物引渡部23を兼ねている。
図6は、屋上R3における第3の実施形態に係る荷受け保管装置10を拡大して示す平面図であって、
図2に対応する図である。
図7は、屋上R3における第3の実施形態に係る荷受け保管装置10を拡大して示す側面図である。
図7において、外部搬送装置20及び気体吹付装置80は、断面で示されている。
【0035】
本実施形態では、気体吹付装置80は荷受け部22に設置され、搬送方向L1に移動することにより、荷受け部22の荷物M及び離着陸部21に着陸した無人航空機90に気体を吹き付けるように構成されている。本実施形態では、気体吹付装置80は、C字状の着陸架台である支持台27及びその中央部に位置する荷受け部22において、搬送幅方向W1における無人航空機90の寸法Wdよりも広い範囲に気体を吹き付けるように構成されている。図示の例では、気体吹付装置80は門形状であって上側吹付部82を備え、搬送幅方向W1における上側吹付部82の寸法Wbは、荷物Mの寸法Wm及び無人航空機90の寸法Wdより大きい。また、気体吹付装置80は、その門柱部分に荷物Mの側面に気体を吹き付け可能な柱側吹付部84を備えている。
【0036】
〔第4の実施形態〕
以下では、第4の実施形態に係る荷受け保管装置10について図面を参照して説明する。本実施形態では、気体吹付装置80が上下方向Zに移動する点で上記第1の実施形態と異なっている。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
図8は、屋上R3における第4の実施形態に係る荷受け保管装置10を拡大して示す平面図であって、
図2に対応する図である。
図9は、屋上R3における第4の実施形態に係る荷受け保管装置10を拡大して示す側面図である。
図9において、外部搬送装置20及び気体吹付装置80は、断面で示されている。
【0037】
本実施形態では、気体吹付装置80は荷受け部22に設置され、上下方向Zに移動することにより、荷受け部22の荷物M及び離着陸部21に着陸した無人航空機90に気体を吹き付ける。本実施形態では、気体吹付装置80は荷受け部22に備えられ、搬送幅方向W1における荷物Mの寸法Wm及び搬送方向L1における荷物Mの寸法Lmよりも広い範囲に気体を吹き付けるように構成されている。また、本実施形態では、気体吹付装置80は離着陸部21を兼ねる荷受け部22に備えられ、搬送幅方向W1における無人航空機90の寸法Wd及び搬送方向L1における無人航空機90の寸法Ldよりも広い範囲に気体を吹き付けるように構成されている。また、本実施形態では、気体吹付装置80は上下方向Zに移動可能な上側吹付部82を備えている。図示の例では、上側吹付部82は上下方向視で略矩形である。好適には、無人航空機90の離着陸時には上側吹付部82は上下方向Zの下方に位置し、無人航空機90又は荷物Mをリフタ30へ向けて搬送する時には上側吹付部82は上下方向Zの上方に位置する。
【0038】
〔その他の実施形態〕
次に、荷受け保管装置10のその他の実施形態について説明する。
【0039】
(1)上記の実施形態では、無人航空機90が垂直離着陸可能な充電式の回転翼機である例について説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、無人航空機90が、例えば、燃料電池を備えた電動式の回転翼機或いは固定翼機であっても良い。
【0040】
(2)上記の実施形態では、搬送装置15が、荷物Mを少なくとも水平方向に沿って搬送する外部搬送装置20と、荷物Mを少なくとも上下方向Zに搬送するリフタ30と、を備え、気体吹付装置80が外部搬送装置20上の荷物Mに気体を吹き付ける構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、搬送装置15が外部搬送装置20及びリフタ30を備えない構成であって、気体吹付装置80が荷受け部22上の荷物Mに気体を吹き付けるように設置されていても良い。また、気体吹付装置80が、屋上R3に設けられた第1出入口35、又は、各階に設けられた第2出入口(取出部45)を通過する荷物Mに気体を吹き付けるように設置されていても良い。また、搬送装置15が、荷物Mを少なくとも水平方向に沿って搬送する第1搬送部として機能する外部搬送装置20を備え、第2搬送部を備えない構成であっても良い。また、搬送装置15が、荷物Mを少なくとも上下方向Zに搬送する第2搬送部として機能するリフタ30やスタッカクレーンを備え、第1搬送部を備えない構成であっても良い。
【0041】
(3)上記の実施形態では、気体吹付装置80が建物の屋上R3に配置されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、気体吹付装置80が、建物の内部に配置された第2搬送部として機能するリフタ30やスタッカクレーンに設けられていても良い。また、気体吹付装置80が複数設けられている構成であっても良い。また、気体吹付装置80が気体を常時噴出するものであっても良い。また、柱側吹付部84が第1の実施形態及び第2の実施形態の気体吹付装置80に設けられていても良い。
【0042】
(4)上記の実施形態では、補充格納部50が無線式の充電装置53を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、補充格納部50が有線式の充電装置53を備えていても良い。また、補充格納部50が、例えば、燃料を無人航空機90の燃料電池に補充するものであっても良い。この場合、補充格納部50による無人航空機90へのエネルギーの補充は、エネルギー源となる燃料の補充(例えば、水素貯蔵容器への水素の充填)により行われる。
【0043】
(5)上記の実施形態では、荷受け保管装置10が地上2階建ての建物に備えられている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、荷受け保管装置10が例えば地下を備えた複数階建ての建物や、荷物搬送装置60及び航空機搬送装置70がそれぞれ共通の複数の建物に備えられていても良い。また、地上1階より上の階や地下の階が荷物用入出庫口41及び無人航空機用入出庫口51を備える第1階R1でも良い。また、荷物用入出庫口41と無人航空機用入出庫口51とが互いに異なる階に設けられていても良い。
【0044】
(6)上記の実施形態では、搬送装置15において、荷物搬送装置60及び航空機搬送装置70が共用の第2搬送部であるリフタ30を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、荷物搬送装置60及び航空機搬送装置70がそれぞれリフタ30を備えていても良い。また、例えば、荷受け保管装置10が地上1階のみの建物に備えられ、荷物搬送装置60がスタッカクレーンであり保管部40として機能する保管棚の複数段のそれぞれに荷物Mを搬送するものであっても良い。また、航空機搬送装置70がスタッカクレーンであり、補充格納部50として機能する格納棚の複数段のそれぞれに無人航空機90を搬送するものであっても良い。また、荷物搬送装置60及び航空機搬送装置70がそれぞれスタッカクレーンを備えていても良く、共用のスタッカクレーンを備えていても良い。また、取出部45がスタッカクレーンによる出庫口、例えば、出庫棚や出庫用コンベヤ等であっても良い。
【0045】
(7)上記の実施形態では、保管部40がリフタ30に対して特定方向第1側Xaに隣接して配置され、補充格納部50がリフタ30に対して特定方向第2側Xbに隣接して配置されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、保管部40と補充格納部50との両方がリフタ30に対して特定方向第2側Xbに、リフタ30から離れて配置されていても良い。また、保管搬送装置61及び格納搬送装置71が、保管部40と補充格納部50とリフタ30との間を走行する無人搬送車であっても良い。
【0046】
(8)上記の実施形態では、外部搬送装置20が屋上R3に設けられて、離着陸部21を兼ねる構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、離着陸部21の下流に外部搬送装置20が配置されていても良い。また、例えば、外部搬送装置20が、上下方向視で保管部40と重複していなくても良い。また、例えば、離着陸部21が壇状であっても良く、無人航空機90を引掛けて吊るすハンガー状であっても良い。また、例えば、離着陸部21の離陸部と着陸部とが別の場所に設けられていても良く、それぞれ複数の場所に設けられていても良い。
【0047】
(9)上記の実施形態では、外部搬送装置20が屋上R3に設けられて、荷受け部22及び荷物引渡部23を兼ねる構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、荷受け部22と荷物引渡部23とが別の場所に設けられていても良い。また、例えば、荷受け部22が屋上R3では無く第1階R1に設けられていても良い。また、例えば、荷受け部22と荷物引渡部23とがそれぞれ複数の場所に設けられていても良い。また、例えば、離着陸部21を兼ねる外部搬送装置20が屋内に設けられていても良い。
【0048】
(10)上記の実施形態では、外部搬送装置20が荷物受取装置を兼ねる荷物引渡装置24を備えている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、荷受け部22及び荷物引渡部23において、荷物引渡装置24が設けられず、作業者が荷物受取作業及び荷物引渡作業を行っても良い。また、荷受け部22が荷物受取装置を備えない載置台やシュートであっても良い。
【0049】
(11)上記の実施形態では、気体吹付装置80が搬送幅方向W1における荷物Mの寸法Wmよりも広い範囲に気体を吹き付ける構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、気体吹付装置80が搬送方向L1における荷物Mの寸法Lmよりも広い範囲に気体を吹き付ける構成であっても良い。
【0050】
(12)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0051】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した荷受け保管装置について説明する。
【0052】
本開示に係る荷受け保管装置は、無人航空機が離着陸する離着陸部と、前記無人航空機から荷物を受け取る荷受け部と、複数の前記荷物を保管する保管部と、前記保管部に保管されていた前記荷物が取り出される取出部と、前記荷受け部、前記保管部、及び、前記取出部の間で前記荷物を搬送する搬送装置と、前記荷受け部又は前記荷受け部から前記保管部までの前記荷物の搬送経路に設置され、前記荷物に付着した付着物を除去するために前記荷物に気体を吹き付ける気体吹付装置と、を備える。
【0053】
本構成によれば、無人航空機から受け取った荷物に付着した付着物を保管部に保管する前に除去することができる。従って、例えば、保管部内で付着物が荷物から離れ、保管部内にゴミや汚れ等が堆積する要因となることを回避し易い。なお、このような付着物としては、例えば、雨や雪等による水滴、塵埃、落ち葉等が想定される。また、本構成によれば、荷物に付着物が付着した状態の荷物が取出部に出てくる可能性を低減できる。
【0054】
ここで、前記搬送装置は、前記荷物を少なくとも水平方向に沿って搬送する第1搬送部を備え、前記気体吹付装置は、前記第1搬送部上の前記荷物に気体を吹き付けるように設置されていると好適である。
【0055】
本構成によれば、気体吹付装置が第1搬送部上の荷物に気体を吹き付けるため、気体吹付装置の簡素化を図ることができると共に、無人航空機から受け取った荷物を迅速に搬送することができる。
【0056】
また、前記離着陸部は、前記無人航空機を下方から支持する支持台を備え、前記保管部は、前記支持台よりも下側に配置され、前記搬送装置は、前記保管部よりも上側に配置された前記第1搬送部と、前記荷物を少なくとも上下方向に搬送する第2搬送部と、を備え、前記第1搬送部は、前記荷受け部を兼ね、前記支持台に支持された前記無人航空機の直下から前記第2搬送部まで前記荷物を搬送するように構成されていると好適である。
【0057】
本構成によれば、離着陸部よりも下側のスペースを利用して複数の荷物を保管することができる。また本構成によれば、第1搬送部が荷受け部を兼ねているため、装置構成の簡素化を図ることができると共に、無人航空機から受け取った荷物を迅速に搬送することができる。
【0058】
また、前記第1搬送部による前記搬送経路に沿う方向を搬送方向とし、上下方向視で前記搬送方向に直交する方向を搬送幅方向として、前記気体吹付装置は、前記第1搬送部による前記搬送経路の対象箇所において、前記搬送幅方向における前記荷物の寸法よりも広い範囲に気体を吹き付けるように構成されていると好適である。
【0059】
本構成によれば、第1搬送部による荷物の移動を利用して荷物の全体に気体を吹き付けることができる。
【0060】
また、前記離着陸部及び前記第1搬送部は、上下方向視で前記保管部と重複するように配置されていると好適である。
【0061】
本構成によれば、荷物の保管可能数を確保しつつ、荷受け保管装置の平面視での配置面積を小さく抑え易い。
【0062】
また、前記気体吹付装置は、前記離着陸部に着陸した前記無人航空機にも気体を吹き付けるように構成されていると好適である。
【0063】
本構成によれば、無人航空機に付着した付着物も除去することができる。
【0064】
また、前記保管部は、建物の内部に配置され、前記離着陸部、前記荷受け部、及び前記気体吹付装置は、前記建物の屋上に配置されていると好適である。
【0065】
本構成によれば、無人航空機の離着陸を行い易い構成にできる。また、気体吹付装置により吹き飛ばした付着物が建物の内部に入りにくい構成とし易い。
【符号の説明】
【0066】
10 :荷受け保管装置
15 :搬送装置
20 :外部搬送装置(第1搬送部)
21 :離着陸部
22 :荷受け部
27 :支持台
30 :リフタ(第2搬送部)
40 :保管部
45 :取出部
80 :気体吹付装置
90 :無人航空機
M :荷物
L1 :搬送方向
W1 :搬送幅方向
Wm :荷物の寸法