(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003487
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】作業管理装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240105BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102670
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山崎 景太
(72)【発明者】
【氏名】竹野 唯志
(72)【発明者】
【氏名】ミヤ タンダル
(72)【発明者】
【氏名】神谷 卓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の工程からなる作業に対する作業者の作業に関連する情報を工程毎に取得する作業管理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】作業管理装置10において、プロセッサ11は、第1検知手段と、第2検知手段と、第3検知手段と、情報取得手段と、を備える。第1検知手段は、作業エリアで作業が実行されたことを検知する。第2検知手段は、作業エリアでの作業が終了したことを検知する。第3検知手段は、作業に関連する物品が置かれた物品エリアに作業者の手が入ったことを検知する。情報取得手段は、第3検知手段により物品エリアに作業者の手が入ったことが検知されてから、第2検知手段により作業エリアでの作業が終了したことが検知されるまでの間に、第1検知手段により作業エリアで作業が実行されたことが検知された場合に、作業エリアでの作業に関連する情報を取得する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業エリアで作業が実行されたことを検知する第1検知手段と、
前記作業エリアでの前記作業が終了したことを検知する第2検知手段と、
前記作業に関連する物品が置かれた物品エリアに作業者の手が入ったことを検知する第3検知手段と、
前記第3検知手段により前記物品エリアに作業者の手が入ったことが検知されてから、前記第2検知手段により前記作業エリアでの前記作業が終了したことが検知されるまでの間に、前記第1検知手段により前記作業エリアで前記作業が実行されたことが検知された場合に、前記作業エリアでの作業に関連する情報を取得する情報取得手段と、
を具備する作業管理装置。
【請求項2】
前記作業エリアを撮影するカメラから撮影画像を取得する画像取得手段と、
前記撮影画像から前記作業者の手の位置を検出する画像解析手段と、
をさらに具備し、
前記第1検知手段は、前記画像解析手段により検出された前記作業者の手が所定時間以上前記作業エリア内に位置している場合に、前記作業エリアで前記作業が実行されたことを検知する、請求項1記載の作業管理装置。
【請求項3】
前記物品エリアは、複数に区分されており、
前記第2検知手段は、前記第3検知手段により第1の物品エリアに作業者の手が入ったことが検知された後に、他の第2の物品エリアに前記作業者の手が入ったことが検知されると、前記作業エリアでの前記第1の物品エリアに置かれた物品に関連する作業が終了したことを検知する、請求項1記載の作業管理装置。
【請求項4】
媒体情報を読み取る読取手段、
をさらに具備し、
前記第2検知手段は、前記読取手段による前記媒体情報の読取結果に基づいて前記作業エリアでの作業が終了したことを検知する、請求項1記載の作業管理装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、前記第3検知手段により前記物品エリアに作業者の手が入ったことが検知された時点から、前記第2検知手段により前記作業エリアでの前記作業が終了したことが検知された時点までの経過時間を、前記作業エリアでの作業時間として取得する、請求項1乃至4のうちいずれか一記載の作業管理装置。
【請求項6】
作業エリアで行われる作業を管理する作業管理装置のコンピュータに、
作業エリアで作業が実行されたことを検知する第1検知機能、
前記作業エリアでの前記作業が終了したことを検知する第2検知機能、
前記作業に関連する物品が置かれた物品エリアに作業者の手が入ったことを検知する第3検知機能、及び、
前記第3検知機能により前記物品エリアに作業者の手が入ったことが検知されてから、前記第2検知機能により前記作業エリアでの前記作業が終了したことが検知されるまでの間に、前記第1検知機能により前記作業エリアで前記作業が実行されたことが検知された場合に、前記作業エリアでの作業に関連する情報を取得する機能、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、作業管理装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業エリアを予め定義しておき、その作業エリア内で作業者の手が動いている場合には作業中と判断し、手が動いていない又は作業エリア内に手が存在しない場合には非作業中であると判断して、作業の稼働状況を管理する技術がある。このような作業管理技術を例えば作業者が製品を組み立てる作業に適用することによって、作業に要した時間を取得し、標準作業時間に対する作業毎の遅れを計測することが可能となる。
【0003】
しかしながら、従来の作業管理技術では、作業全般の作業時間を取得することはできるが、例えば複数の工程からなる作業を行う場合に、工程毎に作業時間を取得することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、複数の工程からなる作業に対する作業者の作業に関連する情報を工程毎に取得できる作業管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、作業管理装置は、第1検知手段と、第2検知手段と、第3検知手段と、情報取得手段とを備える。第1検知手段は、作業エリアで作業が実行されたことを検知する。第2検知手段は、作業エリアでの作業が終了したことを検知する。第3検知手段は、作業に関連する物品が置かれた物品エリアに作業者の手が入ったことを検知する。情報取得手段は、第3検知手段により物品エリアに作業者の手が入ったことが検知されてから、第2検知手段により作業エリアでの作業が終了したことが検知されるまでの間に、第1検知手段により作業エリアで作業が実行されたことが検知された場合に、作業エリアでの作業に関連する情報を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態の作業管理装置を含む作業管理システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、作業者データの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図3】
図3は、作業データの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図4】
図4は、作業ログデータの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図5】
図5は、作業管理装置の要部回路構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、作業管理装置のメインメモリに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【
図7】
図7は、プロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図8】
図8は、プロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図9】
図9は、プロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図10】
図10は、プロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図11】
図11は、プロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、作業管理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、本実施形態は、2工程からなる製品の組立作業を管理する作業管理装置を例示する。具体的には、作業管理装置は、予め定義された作業エリア内で、作業者が第1の部品エリアに置かれている第1の部品を用いて製品を組み立てる第1組立工程と、第2の部品エリアに置かれている第2の部品を用いて製品を組み立てる第2組立工程とからなる組立作業を管理する。
【0009】
[作業管理システムの説明]
図1は、一実施形態の作業管理装置10を含む作業管理システム100の概略構成図である。作業管理システム100は、作業台1において作業者Pにより実施される製品の組立作業を管理するものである。作業台1の台上は、予め作業エリア2と第1部品エリア3と第2部品エリア4とに区分けされている。作業エリア2と第1部品エリア3と第2部品エリア4とは、互いに重複することはない。作業エリア2は、作業者Pによって製品の組立作業が実施されるエリアである。本実施形態において、組立作業は、第1の部品を用いて製品を組み立てる第1組立工程と、第2の部品を用いて製品を組み立てる第2組立工程とからなる。第1部品エリア3は、第1組立工程の作業で必要な第1の部品を置いておくためのエリアである。第2部品エリア4は、第2組立工程の作業で必要な第2の部品を置いておくためのエリアである。なお、第1の部品及び第2の部品は、いずれも1種類に限定されない。2種類以上の第1の部品又は第2の部品が第1部品エリア3又は第2部品エリア4に置かれていてもよい。
【0010】
作業管理システム100は、作業管理装置10とサーバ20とを含む。作業管理装置10とサーバ20とは、通信ネットワーク30を介して双方向通信自在に接続されている。通信ネットワーク30は、例えば有線LAN(Local Area Network)又は無線LANである。サーバ20は、クラウドコンピューティングを利用したサーバであってもよい。その場合、通信ネットワーク30は、インターネットプロトコルを利用した広域のネットワークとなる。例えば通信ネットワーク30は、公衆回線又は専用回線を中継網とし、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、移動体通信網、携帯電話通信網等をアクセス網とした広域のネットワークであってもよい。
【0011】
作業管理システム100は、カメラ40、リーダ50及び報知器60の各種デバイスを作業管理装置10に接続している。カメラ40は、作業台1の上方から作業台1の少なくとも作業エリア2と第1部品エリア3と第2部品エリア4とを撮影可能な位置に取り付けられた撮影デバイスである。カメラ40は、作業エリア2内で作業を行う作業者Pの手を撮影するためのものである。またカメラ40は、作業者Pが第1部品エリア3又は第2部品エリア4から部品を取り出す手を撮影するためものでもある。カメラ40は、静止画を撮影するデジタルスチルカメラであってもよいし、動画を撮影するビデオカメラであってもよい。
【0012】
リーダ50は、媒体から情報を読み取るための入力デバイスである。本実施形態において、媒体はバーコードである。よって、リーダ50は、バーコードリーダである。リーダ50は、定置式のバーコードリーダであってもよいし、手持ち式のバーコードリーダであってもよい。
【0013】
報知器60は、作業管理装置10によって管理される作業に関連する情報を基に報知動作を行う出力デバイスである。報知器60は、作業の管理者に対して報知動作を行うものであってよいし、作業者Pに対して報知動作を行うものであってもよい。あるいは、作業の管理者に対して報知動作を行う報知器60と作業者Pに対して報知動作を行う報知器60とを併用してもよい。作業の管理者に対して報知動作を行う報知器60としては、ディスプレイ、タッチパネル等が考えられる。作業者Pに対して報知動作を行う報知器60としては、ランプ、ブザー等が考えられる。ディスプレイ、タッチパネル等を作業者Pに対する報知器60とし、ランプ、ブザー等を管理者に対する報知器60としてもよいのは言うまでもない。
【0014】
サーバ20は、作業者データベース21、作業データベース22、ログファイル23等を用いて作業管理装置10にサービスを提供するサーバ用コンピュータである。作業者データベース21は、作業エリア2での組立作業を担当する作業者P毎に作成される作業者データ211(
図2を参照)の集合体である。作業データベース22は、作業エリア2で実施される組立作業の工程毎に作成される作業データ221(
図3を参照)の集合体である。ログファイル23は、作業管理装置10によって生成される作業ログデータ231(
図4を参照)を保存するための領域である。
【0015】
図2は、作業者データ211の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように、作業者データ211は、作業者コード、作業者名等の項目を含む。作業者コードは、各作業者Pを個々に識別するために作業者毎に設定された一意の識別コードである。作業者名は、その作業者コードで識別される作業者の氏名である。
【0016】
図3は、作業データ221の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように、作業データ221は、作業コード、作業名、部品エリアコード、有効作業時間Tx、標準作業時間Ty等の項目を含む。作業コードは、作業エリア2で実施される組立作業の工程を個々に識別するために工程毎に設定された一意の識別コードである。作業名は、その作業コードで識別される工程の名称である。例えば、第1組立工程、第2組立工程等が作業名となり得る。部品エリアコードは、第1部品エリア3と第2部品エリア4とを個々に識別するために部品エリア毎に設定された一意の識別コードである。有効作業時間Txは、作業コードで識別される工程の組立作業が実行されたと確定するのに足りる最短の時間である。標準作業時間Tyは、作業者が、作業エリア2において作業コードで識別される工程の組立作業を実施するのに要する標準的な所要時間である。有効作業時間Txは標準作業時間Tyに対して数%短い時間となる。数%の値は、任意である。
【0017】
図4は、作業ログデータ231の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように、作業ログデータ231は、作業者コード、作業者名、作業コード、作業名、作業開始時刻、作業終了時刻、作業時間T、有効フラグF等の項目を含む。作業者コード、作業者名は、作業者データ211から得られる。作業コード及び作業名は、作業データ221から得られる。作業開始時刻、作業終了時刻、作業時間T及び有効フラグFは、作業管理装置10において導出される。作業開始時刻及び作業終了時刻は、作業者コードで識別される作業者による、作業コードで識別される工程の作業開始時刻と作業終了時刻である。作業時間Tは、作業開始時刻から作業終了時刻までの経過時間である。有効フラグFは、作業ログデータ231に係る作業が、有効な作業であるか否かを識別するための1ビットデータである。有効な作業とは、その作業が作業エリア2内で確実に実施されたと認定された作業である。本実施形態では、有効な作業を表す有効フラグFを“1”とし、無効な作業を示す有効フラグFを“0”とする。
【0018】
[作業管理装置の構成説明]
図5は、作業管理装置10の要部回路構成を示すブロック図である。作業管理装置10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、時計14、通信インターフェース15、デバイスインターフェース16及びシステム伝送路17を備える。システム伝送路17は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。作業管理装置10は、システム伝送路17に、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、時計14、通信インターフェース15及びデバイスインターフェース16を接続する。作業管理装置10では、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、時計14、通信インターフェース15及びデバイスインターフェース16と、これらを接続するシステム伝送路17とによってコンピュータが構成される。
【0019】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)に従って、作業管理装置10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0020】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データは、不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0021】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0022】
時計14は、日付及び時刻を計時する。作業管理装置10は、時計14によって計時される日付及び時刻を、現時点の日付及び時刻として取得する。
【0023】
通信インターフェース15は、通信ネットワーク30を介して接続されるサーバ20との間で、所定の通信プロトコルに従いデータの送受信を行うための回路である。
【0024】
デバイスインターフェース16は、作業管理装置10に接続されるカメラ40、リーダ50及び報知器60との間でデータ信号を送受信するための回路である。
【0025】
かかる構成の作業管理装置10において、プロセッサ11は、画像取得手段111、画像解析手段112、読取手段113、第1検知手段114、第2検知手段115、第3検知手段116及び情報取得手段117としての機能を有する。画像取得手段111は、作業エリア2を撮影するカメラ40から撮影画像を取得する機能である。画像解析手段112は、撮影画像から作業者Pの手の位置を検出する機能である。読取手段113は、リーダ50と協働して、媒体から情報を読み取る機能である。
【0026】
第1検知手段114は、作業エリア2で作業が実行されたことを検知する機能である。詳しくは、第1検知手段114は、所定時間以上にわたり画像解析手段112により検出された作業者Pの手が作業エリア2内に位置している場合に、作業エリア2で作業が実行されたことを検知する。
【0027】
第2検知手段115は、作業エリア2での作業が終了したことを検知する機能である。第3検知手段116は、作業に関連する部品が置かれた第1部品エリア3又は第2部品エリア4に作業者の手が入ったことを検知する機能である。この機能は、第2検知手段115において利用される。すなわち第2検知手段115は、第3検知手段116により第1部品エリア3に作業者Pの手が入ったことが検知された後に第2部品エリア4に作業者Pの手が入ったことが検知されると、作業エリア2での第1部品エリア3に置かれた第1の部品に関連する作業、すなわち第1組立工程の作業が終了したことを検知する。第2検知手段115は、第3検知手段116により第2部品エリア4に作業者Pの手が入ったことが検知された後に第1部品エリア3に作業者Pの手が入ったことが検知されると、作業エリア2での第2部品エリア4に置かれた第2の部品に関連する作業、すなわち第2組立工程の作業が終了したことを検知する。また第2検知手段115は、読取手段113による媒体情報の読取結果に基づいて作業エリア2での作業が終了したことを検知する場合もある。
【0028】
情報取得手段117は、第3検知手段116により第1部品エリア3又は第2部品エリア4に作業者の手が入ったことが検知されてから、第2検知手段115により作業エリア2での作業が終了したことが検知されるまでの間に、第1検知手段114により作業エリア2で作業が実行されたことが検知された場合に、作業エリア2での作業に関連する情報を取得する機能である。作業に関連する情報は、例えば作業時間Tである。すなわち情報取得手段117は、第3検知手段116により第1部品エリア3又は第2部品エリア4に作業者の手が入ったことが検知された時点から、第2検知手段115により作業エリア2での作業が終了したことが検知された時点までの経過時間を、作業エリア2での作業時間Tとして取得する。
【0029】
作業管理装置10は、上述した各機能111~117を実現するために、
図6に示すように、メインメモリ12における揮発性メモリ領域の一部を作業者データエリア121、作業データエリア122及びログデータエリア123としている。作業者データエリア121は、作業者Pの作業者コード、作業者名を記憶するためのメモリエリアである。作業データエリア122は、その作業者Pによって実行される工程単位の作業の作業コード、作業者名、有効作業時間Tx及び標準作業時間Tyを記憶するためのメモリエリアである。ログデータエリア123は、作業ログデータ231の作業開始時刻、作業終了時刻、作業時間T、ステータスST及び有効フラグFを記憶するためのメモリエリアである。
【0030】
ステータスSTは、作業の状態を表す値である。作業の状態には、作業を開始する前の作業前状態と、第1部品エリア3又は第2部品エリア4から部品を取り出す部品取出し状態と、作業エリア2で作業を行っている作業中状態とがある。本実施形態では、作業前状態を表すステータスSTを“0”とし、部品取出し状態を表すステータスを“1”とし、作業中状態を“2”とする。
【0031】
さて、画像取得手段111、画像解析手段112、読取手段113、第1検知手段114、第2検知手段115、第3検知手段116及び情報取得手段117としての機能は、プロセッサ11が、制御プログラムに従って情報処理を実行することにより実現される。制御プログラムは、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールされている。制御プログラムをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、制御プログラムをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0032】
[作業手順の説明]
ここで、作業管理装置10によって管理される作業の基本的な手順について説明する。
はじめに、作業者Pは、開始媒体と終了媒体の2種類の媒体を所持している。開始媒体は、開始媒体であることを示す開始データをバーコード化したものである。開始データには、その開始媒体を所持する作業者Pの作業者コードが含まれている。終了媒体は、終了媒体であることを示す終了データをバーコード化したものである。終了データには、作業者Pの作業者コードが含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。例えば開始データ又は終了データのバーコードが印刷された紙、薄板、プラスチックカード等のシート状部材を開始媒体及び終了媒体とすると、使い勝手が良い。
【0033】
作業者Pは先ず、作業台1の前に来ると、開始媒体をリーダ50に翳す。開始媒体をリーダ50に翳すことによって、開始データのバーコードが読み取られる。次に、作業者Pは、第1組立工程から作業を始める。すなわち作業者Pは、第1部品エリア3に手を伸ばして、第1組立工程の作業で必要な第1の部品を取り出す。そして作業者Pは、作業エリア2内で第1の部品を用いて製品を組み立てる。このとき作業者Pは、必要に応じて第1部品エリア3に再度手を伸ばして、第1の部品を補充する場合がある。
【0034】
第1組立工程の作業が終了すると、第2組立工程の作業へと移行する。すなわち作業者Pは、第2部品エリア4に手を伸ばして、第2組立工程の作業で必要な第2の部品を取り出す。そして作業者Pは、作業エリア2内で第2の部品を用いて製品を組み立てる。このときも作業者Pは、必要に応じて第2部品エリア4に再度手を伸ばして、第2の部品を補充する場合がある。
【0035】
第2組立工程の作業が終了すると、第1組立工程の作業に戻る。すなわち作業者Pは、第1部品エリア3に手を伸ばして、第1組立工程の作業で必要な第1の部品を取り出す。そして作業者Pは、作業エリア2内で第1の部品を用いて製品を組み立てる。
【0036】
以後、作業者Pは、第1組立工程の作業と第2組立工程の作業とを交互に繰り返し実行する。そして、全ての作業が終了すると、作業者Pは、終了媒体をリーダ50に翳してから作業台1の前を離れる。終了媒体をリーダ50に翳すことによって、終了データのバーコードが読み取られる。
【0037】
なお、作業者Pは、第1組立工程の作業が終了した段階で作業台1の前から一旦離れることも可能である。その場合も作業者Pは、終了媒体をリーダ50に翳してから作業台1の前を離れる。そして、作業に復帰する際には、作業者Pは、開始媒体をリーダ50に翳してから第2組立工程の作業に入ることとなる。
【0038】
[作業管理装置の動作説明]
次に、上記の手順で行われる作業を管理するようにした作業管理装置10の動作について、
図7乃至
図11の流れ図を用いて説明する。
図7乃至
図11は、プロセッサ11が制御プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。なお、流れ図によって示される情報処理の手順は一例である。同様な作用効果が得られるのであれば、手順及びその内容は適宜変更することができる。
【0039】
作業管理装置10が起動すると、プロセッサ11は、
図7の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ず、プロセッサ11は、ACT1としてリーダ50により開始媒体の情報、つまりは開始データのバーコードが読み取られるのを待ち受けている。作業者Pが開始媒体をリーダ50に翳すことによって開始データのバーコードが読み取られると、プロセッサ11は、ACT1からACT2へと進む。プロセッサ11は、ACT2として開始データのバーコードから作業者コードを取得する。そしてプロセッサ11は、ACT3としてその作業者コードで識別される作業者Pの作業者データをサーバ20から取得し、作業者データエリア121で記憶する。
【0040】
具体的にはプロセッサ11は、作業者データの問合せコマンドを送信するように通信インターフェース15を制御する。この制御により、通信インターフェース15から問合せコマンドが送信される。問合せコマンドは、通信ネットワーク30を介してサーバ20へと送信される。問合せコマンドには、開始データのバーコードから取得した作業者コードが含まれる。サーバ20は、問合せコマンドに含まれる作業者コードで作業者データベース21を検索する。サーバ20は、作業者データベース21から当該作業者コードを含む作業者データ211を読出す。そしてサーバ20は、この作業者データ211を含む応答コマンドを問合せコマンド送信元の作業管理装置10へと送信する。プロセッサ11は、サーバ20からの応答コマンドを待ち受ける。通信インターフェース15を介して応答コマンドを受信すると、プロセッサ11は、その応答コマンドから作業者データ211を取得する。プロセッサ11は、作業者データエリア121に作業者データ211の作業者コード及び作業者名を記述する。
【0041】
ACT3の処理を終えると、プロセッサ11は、ACT4へと進む。プロセッサ11は、ACT4としてログデータエリア123にステータスSTとして作業前状態を表す値“0”を記述する。またプロセッサ11は、ACT5としてカメラ40にオン信号を出力する。オン信号を入力したカメラ40は起動し、撮影が開始される。その結果、カメラ40で撮影された画像が、順次、作業管理装置10に送り込まれる。
【0042】
プロセッサ11は、ACT6としてデバイスインターフェース16を介してカメラ40で撮影された画像を取得する。そしてプロセッサ11は、ACT7としてその撮影画像を解析する。プロセッサ11は、ACT8として撮影画像を解析した結果、作業者Pの手の動きが検出されたか否かを確認する。撮影画像から作業者Pの手の動きを検出するためには、周知の画像解析技術を適用すればよい。
【0043】
作業者Pの手の動きを検出できない場合、プロセッサ11は、ACT9へと進む。プロセッサ11は、ACT9としてリーダ50により終了媒体の情報、つまりは終了データのバーコードが読み取られたか否かを確認する。終了データのバーコードが読み取られていない場合、プロセッサ11は、ACT6へと戻る。このようにプロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の処理により、作業者Pの手の動きが検出されるか、終了媒体の情報が読み取られるのを待ち受ける。
【0044】
ACT6乃至ACT9の待ち受け状態において、作業者Pの手の動きを検出されると、プロセッサ11は、ACT8からACT10へと進む。プロセッサ11は、ACT10乃至ACT12として作業者Pの手の動きが検出されたエリアを判別する。すなわちプロセッサ11は、ACT10として第1部品エリア3において作業者Pの手の動きが検出されたか否かを確認する。否の場合、プロセッサ11は、ACT11として第2部品エリア4において作業者Pの手の動きが検出されたか否かを確認する。否の場合、プロセッサ11は、ACT12として作業エリア2において作業者Pの手の動きが検出されたか否かを確認する。否の場合、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。すなわち作業エリア2、第1部品エリア3又は第2部品エリア4以外のエリアで作業者Pの手の動きが検出された場合には、プロセッサ11は、再び、作業者Pの手の動きが検出されるか終了媒体の情報が読み取られるのを待ち受ける。
【0045】
開始媒体をリーダ50に翳した作業者が、第1組立工程の作業を始めるために第1部品エリア3に手を伸ばすと、カメラ40による撮影画像から第1部品エリア3内で作業者Pの手の動きが検出される。第1部品エリア3内で作業者Pの手の動きが検出されると、プロセッサ11は、ACT10から
図8のACT21へと進む。プロセッサ11は、ACT21として作業データエリア122に作業コード「100」が記述されているか否かを確認する。作業コード「100」は、第1作業工程を識別する作業コードである。因みに、第2作業工程を識別する作業コードは「200」とする。
【0046】
この時点では、作業データエリア122に作業コード「100」が記述されていない。したがってプロセッサ11は、ACT21からACT22へと進む。プロセッサ11は、ACT22としてログデータエリア123のステータスSTが作業前状態を表す値“0”であるか否かを確認する。この時点では、ステータスSTが“0”である。したがってプロセッサ11は、ACT22からACT23へと進む。プロセッサ11は、ACT23としてステータスSTを“0”から部品取出し状態を表す値“1”へと書き換える。またプロセッサ11は、ACT24として作業コード「100」で識別される第1作業工程の作業データを作業データエリア122に記述する。
【0047】
具体的には、プロセッサ11は、作業データの問合せコマンドを送信するように通信インターフェース15を制御する。この制御により、通信インターフェース15から問合せコマンドが送信される。問合せコマンドは、通信ネットワーク30を介してサーバ20へと送信される。問合せコマンドには、作業コード「100」が含まれる。サーバ20は、問合せコマンドに含まれる作業コードで作業データベース22を検索する。サーバ20は、作業データベース22から当該作業コード「100」を含む作業データ221を読出す。そしてサーバ20は、この作業データ221を含む応答コマンドを問合せコマンド送信元の作業管理装置10へと送信する。プロセッサ11は、サーバ20からの応答コマンドを待ち受ける。通信インターフェース15を介して応答コマンドを受信すると、プロセッサ11は、その応答コマンドから作業データ221を取得する。プロセッサ11は、作業データエリア122に作業データ221の作業コード、作業名、有効作業時間Tx及び標準作業時間Tyを記述する。
【0048】
ACT24の処理を終えたプロセッサ11は、ACT25へと進む。プロセッサ11は、ACT25として時計14によって計時されている現時点の時刻を取込み、その時刻を作業開始時刻としてログデータエリア123に記述する。またプロセッサ11は、ACT26としてタイマをスタートさせる。タイマは、作業時間Tを計時するためのもので、例えばプロセッサ11が内蔵している。
【0049】
ACT26の処理を終えると、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。したがって、カメラ40による撮影画像から引き続き第1部品エリア3で作業者Pの手の動きが検出された場合には、プロセッサ11は、ACT10から
図8のACT21へと進む。この時点では、作業データエリア122に作業コード「100」が記述されているので、プロセッサ11は、ACT21からACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。このように、第1部品エリア3で作業者Pの手の動きが検出され、ACT23乃至ACT26の処理が実行された後は、第1部品エリア3で作業者Pの手の動きが検出されなくなるまで、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態を維持する。
【0050】
一方、開始媒体をリーダ50に翳した作業者が、第2組立工程の作業を始めるために第2部品エリア4に手を伸ばした場合には、カメラ40による撮影画像から第2部品エリア4内で作業者Pの手の動きが検出される。
【0051】
ACT6乃至ACT9の待ち受け状態において、第2部品エリア4内で作業者Pの手の動きが検出されると、プロセッサ11は、ACT11から
図9のACT41へと進む。プロセッサ11は、ACT41として作業データエリア122に作業コード「200」が記述されているか否かを確認する。
【0052】
この時点では、作業データエリア122に作業コード「200」が記述されていない。したがってプロセッサ11は、ACT41からACT42へと進む。プロセッサ11は、ACT42としてログデータエリア123のステータスSTが作業開始前を表す値“0”であるか否かを確認する。この時点では、ステータスSTが“0”である。したがってプロセッサ11は、ACT42からACT43へと進む。プロセッサ11は、ACT43としてそのステータスSTを“0”から部品取出し状態を表す値“1”へと書き換える。またプロセッサ11は、ACT44として作業コード「200」で識別される第2作業工程の作業データを作業データエリア122に記述する。
【0053】
具体的には、プロセッサ11は、作業データの問合せコマンドを送信するように通信インターフェース15を制御する。この制御により、通信インターフェース15から問合せコマンドが送信される。問合せコマンドは、通信ネットワーク30を介してサーバ20へと送信される。問合せコマンドには、作業コード「200」が含まれる。サーバ20は、問合せコマンドに含まれる作業コードで作業データベース22を検索する。サーバ20は、作業データベース22から当該作業コード「200」を含む作業データ221を読出す。そしてサーバ20は、この作業データ221を含む応答コマンドを問合せコマンド送信元の作業管理装置10へと送信する。プロセッサ11は、サーバ20からの応答コマンドを待ち受ける。通信インターフェース15を介して応答コマンドを受信すると、プロセッサ11は、その応答コマンドから作業データ221を取得する。プロセッサ11は、作業2データエリア131に作業データ221の作業コード、作業名、有効作業時間Tx及び標準作業時間Tyを記述する。
【0054】
ACT44の処理を終えたプロセッサ11は、ACT45へと進む。プロセッサ11は、ACT45として時計14で計時されている現時点の時刻を取込み、その時刻を作業開始時刻としてログデータエリア123に記述する。またプロセッサ11は、ACT46としてタイマをスタートさせる。
【0055】
ACT46の処理を終えると、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。したがって、カメラ40による撮影画像から引き続き第2部品エリア4で作業者Pの手の動きが検出された場合には、プロセッサ11は、ACT11から
図9のACT41へと進む。この時点では、作業データエリア122に作業コード「200」が記述されているので、プロセッサ11は、ACT41からACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。このように、第2部品エリア4で作業者Pの手の動きが検出され、ACT43乃至ACT46の処理が実行された後は、第2部品エリア4で作業者Pの手の動きが検出されなくなるまで、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態を維持する。
【0056】
第1部品エリア3から第1の部品を取り出した作業者Pが、作業エリア2内で第1組立工程の作業を開始すると、カメラ40による撮影画像から作業エリア2内で作業者Pの手の動きが検出される。同様に、第2部品エリア4から第2の部品を取り出した作業者Pが、作業エリア2内で第2組立工程の作業を開始した場合も、カメラ40による撮影画像から作業エリア2内で作業者Pの手の動きが検出される。
【0057】
ACT6乃至ACT9の待ち受け状態において、作業エリア2内で作業者Pの手の動きが検出されると、プロセッサ11は、ACT12から
図10のACT61へと進む。プロセッサ11は、ACT61としてログデータエリア123のステータスSTが作業開始前を表す値“0”であるか否かを確認する。この時点では、ステータスSTが部品取出し状態を表す“1”であるので、プロセッサ11は、ACT61からACT62へと進む。
【0058】
なお、作業者Pが第1部品エリア3又は第2部品エリア4から第1の部品又は第2の部品を取り出す前に作業エリア2内で手を動かしたために、カメラ40による撮影画像から作業エリア2内で作業者Pの手の動きが検出される場合がある。この場合には、ACT61においてステータスSTが“0”であるので、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。
【0059】
ACT61においてステータスSTが“0”でない場合、プロセッサ11は、ACT62としてステータスSTが“1”であるか否かを確認する。ステータスSTが“1”であるということは、第1部品エリア3又は第2部品エリア4において作業者Pの手の動きが検出された後に、作業エリア2で作業者Pの手の動きが検出されたことを意味する。したがって、第1部品エリア3又は第2部品エリア4から第1の部品又は第2の部品を取り出した作業者Pが、第1組立工程又は第2組立工程の作業を開始したと考えられる。
【0060】
ステータスSTが“1”の場合、プロセッサ11は、ACT62からACT63へと進む。プロセッサ11は、ACT63としてステータスSTを“1”から作業中を表す値“2”へと書き換える。その後、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。したがって、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態において、カメラ40により撮影された画像から、引き続き、作業エリア2内で作業者Pの手の動きが検出された場合には、ステータスSTが“2”であるので、プロセッサ11は、ACT62からACT64へと進む。
【0061】
プロセッサ11は、ACT64としてタイマの計時時間を作業時間Tとして取得する。そしてプロセッサ11は、ACT65として作業時間Tが作業データエリア122に記述されている標準作業時間Tyに所定の遅延時間αを加算した時間(Ty+α)を超えたか否かを確認する。遅延時間αは、任意の時間である。遅延時間αは、1分、2分または3分等であってもよいし、それ以上の時間であってもよい。遅延時間αは0分であってもよい。作業時間Tが時間(Ty+α)を超えていない場合、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。
【0062】
これに対し、作業時間Tが時間(Ty+α)を超えた場合には、プロセッサ11は、ACT66へと進む。プロセッサ11は、ACT66として報知器60を動作させて、作業が遅延していることを報知する。その後、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。
【0063】
このように、例えば第1組立工程の作業時間Tが、第1組立工程の標準作業時間Tyに所定の遅延時間αを加算した時間(Ty+α)を超えてしまった場合には、報知器60が動作する。この動作により、作業者Pは、標準作業時間Tyよりも第1組立工程の作業が遅れていることを自覚できる。あるいは管理者は、作業者Pによる第1組立工程の作業が標準作業時間Tyに対して遅れていることを把握できる。このような動作は、作業が第2作業工程の作業であっても同様である。
【0064】
作業者Pは、第1組立工程の作業を終えて第2組立工程の作業に移行する場合、第2部品エリア4に手を伸ばす。このとき、作業データエリア122に記述されている作業コードは「100」であり、ログデータエリア123に記述されているステータスSTは“2”である。したがって、カメラ40による撮影画像から第2部品エリア4において作業者Pの手の動きが検出されると、プロセッサ11は、
図9のACT41においてNOと判定し、ACT42においてもNOと判定して、ACT47へと進む。プロセッサ11は、ACT47としてステータスSTが“1”であるか否かを確認する。この場合、ステータスSTが“2”であるので、プロセッサ11は、ACT47からACT48へと進む。
【0065】
プロセッサ11は、ACT48として時計14によって計時されている現時点の時刻を取込む。プロセッサ11は、ACT49としてその現時点の時刻を作業終了時刻としてログデータエリア123に記述する。またプロセッサ11は、ACT50としてタイマを停止させる。そしてプロセッサ11は、ACT51として作業時間Tをログデータエリア123に記述する。作業時間Tは、タイマによる計時時間であってもよいし、ログデータエリア123の作業開始時刻から作業終了時刻までの経過時間であってもよい。
【0066】
プロセッサ11は、ACT52として作業時間Tを、作業データエリア122に記述されている第1組立工程の有効作業時間Txと比較する。その結果、作業時間Tが有効作業時間Tx以上の場合には、プロセッサ11はACT52からACT53へと進む。プロセッサ11は、ACT53としてログデータエリア123に“1”の有効フラグFを記述する。これに対し、作業時間Tが有効作業時間Tx未満の場合には、プロセッサ11はACT52からACT54へと進む。プロセッサ11は、ACT54としてログデータエリア123に“0”の有効フラグFを記述する。
【0067】
ACT53又はACT54の処理を終えると、プロセッサ11は、ACT55へと進む。プロセッサ11は、ACT55として作業ログデータ231を作成する。すなわちプロセッサ11は、作業者データエリア121の作業者コード及び作業者名と、作業データエリア122の作業コード及び作業名と、ログデータエリア123の作業開始時刻、作業終了時刻、作業時間T及び有効フラグFとから作業ログデータ231を作成する。
【0068】
プロセッサ11は、ACT56として作業ログデータ231をサーバ20へと送信出力するように通信インターフェース15を制御する。この制御により、作業ログデータ231が通信ネットワーク30を介してサーバ20へと送信される。そして、サーバ20の作用により、ログファイル23に保存される。
【0069】
作業ログデータ231を出力した作業管理装置10のプロセッサ11は、ACT57へと進む。プロセッサ11は、ACT57としてログデータエリア123のデータをクリアする。その後、プロセッサ11は、ACT43へと進む。そしてプロセッサ11は、ACT43乃至ACT46の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ11は、ステータスSTを“2”から部品取出し状態を表す値“1”へと書き換える。またプロセッサ11は、作業コード「200」で識別される第2作業工程の作業データを作業データエリア122に記述する。さらにプロセッサ11は、時計14によって計時されている現時点の時刻を作業開始時刻としてログデータエリア123に記述する。その後、プロセッサ11は、タイマをスタートさせて、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。
【0070】
このように、第1組立工程の作業から第2組立工程の作業に移行する際に、プロセッサ11は、作業ログデータ231を作成してサーバ20に出力する。作業ログデータには、作業者Pに係る情報として作業者コード及び作業者名が含まれ、作業に係る情報として第1作業工程の作業コード及び作業名が含まれる。また、作業管理データとして作業開始時刻,作業終了時刻、作業時間T及び有効フラグFも含まれる。ここで、有効フラグFは、作業時間Tが有効作業時間Tx以上の場合には有効な作業を表す値“1”となるが、作業時間Tが有効作業時間Tx未満の場合には、無効な作業を表す値“0”となる。
【0071】
作業者Pは、第2組立工程の作業を終えて第1組立工程の作業に移行する場合、第1部品エリア3に手を伸ばす。このとき、作業データエリア122に記述されている作業コードは「200」であり、ログデータエリア123に記述されているステータスSTは“2”である。したがって、カメラ40による撮影画像から第1部品エリア3において作業者Pの手の動きが検出されると、プロセッサ11は、
図8のACT21においてNOと判定し、ACT22においてもNOと判定して、ACT27へと進む。プロセッサ11は、ACT27としてステータスSTが“1”であるか否かを確認する。この場合、ステータスSTが“2”であるので、プロセッサ11は、ACT27からACT28へと進む。
【0072】
以後、プロセッサ11は、
図9を用いて説明したACT48乃至ACT57の処理と同一の処理を実行する。すなわちプロセッサ11は、ACT28として時計14によって計時されている現時点の時刻を取込む。プロセッサ11は、ACT29としてその現時点の時刻を作業終了時刻としてログデータエリア123に記述する。またプロセッサ11は、ACT30としてタイマを停止させる。そしてプロセッサ11は、ACT31として作業時間Tをログデータエリア123に記述する。この場合も、作業時間Tは、タイマによる計時時間であってもよいし、ログデータエリア123の作業開始時刻から作業終了時刻までの経過時間でもよい。
【0073】
プロセッサ11は、ACT32として作業時間Tを、作業データエリア122に記述されている第2組立工程の有効作業時間Txと比較する。その結果、作業時間Tが有効作業時間Tx以上の場合には、プロセッサ11はACT33としてログデータエリア123に“1”の有効フラグFを記述する。これに対し、作業時間Tが有効作業時間Tx未満の場合には、プロセッサ11はACT34としてログデータエリア123に“0”の有効フラグFを記述する。
【0074】
ACT33又はACT34の処理を終えると、プロセッサ11は、ACT35として作業ログデータ231を作成する。そしてプロセッサ11は、ACT36として作業ログデータ231をサーバ20へと送信出力するように通信インターフェース15を制御する。作業ログデータ231を出力後、プロセッサ11は、ACT37としてログデータエリア123のデータをクリアする。そしてプロセッサ11は、ACT23乃至ACT26の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ11は、ステータスSTを“2”から部品取出し状態を表す値“1”へと書き換える。またプロセッサ11は、作業コード「100」で識別される第1作業工程の作業データを作業データエリア122に記述する。さらにプロセッサ11は、時計14によって計時されている現時点の時刻を作業開始時刻としてログデータエリア123に記述する。その後、プロセッサ11は、タイマをスタートさせて、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。
【0075】
このように、第2組立工程の作業から第1組立工程の作業に移行する際にも、プロセッサ11は、作業ログデータ231を作成してサーバ20に出力する。そして、作業ログデータの有効フラグFは、作業時間Tが第2組立工程の有効作業時間Tx以上の場合には有効な作業を表す値“1”となるが、有効作業時間Tx未満の場合には無効な作業を表す値“0”となる。
【0076】
第1組立工程又は第2組立工程の作業を終えた作業者Pは、終了媒体をリーダ50に翳す。ACT6乃至ACT9の待ち受け状態において、終了媒体の情報が読み取られると、プロセッサ11は、ACT13へと進む。プロセッサ11は、ACT13としてカメラ40にオフ信号を出力する。オフ信号を入力したカメラ40は停止し、撮影動作が終了する。
【0077】
撮影動作が終了すると、プロセッサ11は、
図11のACT71へと進む。プロセッサ11、ACT71としてログデータエリア123のステータスSTが“0”であるか否かを確認する。この時点では、ステータスは“0”でないので、プロセッサ11は、ACT72へと進む。プロセッサ11は、ACT72としてログデータエリア123のステータスSTが“1”であるか否かを確認する。この時点では、ステータスは“1”でもない。すなわち、ステータスSTは“2”である。したがってプロセッサ11は、ACT73へと進む。そしてプロセッサ11は、ACT73乃至ACT81として、
図8を用いて説明したACT28乃至ACT36又は
図9を用いて説明したACT48乃至ACT56の処理と同様の処理を実行する。
【0078】
すなわちプロセッサ11は、ACT73として時計14によって計時されている現時点の時刻を取込む。そしてプロセッサ11は、ACT74としてその現時点の時刻を作業終了時刻としてログデータエリア123に記述する。またプロセッサ11は、ACT75としてタイマを停止させる。そしてプロセッサ11は、ACT76として作業時間Tをログデータエリア123に記述する。
【0079】
プロセッサ11は、ACT77として作業時間Tを、作業データエリア122に記述されている有効作業時間Txと比較する。有効作業時間Txは、第1作業工程を終えた後に終了媒体をリーダ50に翳した場合には第1作業工程の有効作業時間であり、第2作業工程を終えた後に終了媒体をリーダ50に翳した場合には第2作業工程の有効作業時間である。作業時間Tが有効作業時間Tx以上の場合には、プロセッサ11はACT78としてログデータエリア123に“1”の有効フラグFを記述する。これに対し、作業時間Tが有効作業時間Tx未満の場合には、プロセッサ11は、ACT79としてログデータエリア123に“0”の有効フラグFを記述する。
【0080】
ACT78又はACT79の処理を終えると、プロセッサ11は、ACT80として作業ログデータ231を作成する。そしてプロセッサ11は、ACT81として作業ログデータ231をサーバ20へと送信出力するように通信インターフェース15を制御する。
【0081】
作業ログデータ231を出力した作業管理装置10のプロセッサ11は、ACT82へと進む。プロセッサ11は、ACT82として初期化を行う。この初期化により、メインメモリ12の作業者データエリア121、作業データエリア122及びログデータエリア123はクリアされる。以上で、プロセッサ11は、
図7乃至
図11の流れ図で示される情報処理を終了する。
【0082】
因みに、開始媒体をリーダ50に翳した作業者Pが、作業を行うことなく終了媒体をリーダ50に翳す場合がある。この場合、ステータスSTは“0”である。また、開始媒体をリーダ50に翳した後、第1部品エリア3又は第2部品エリア4に手を伸ばした作業者Pが、作業を行うことなく終了媒体をリーダ50に翳す場合もある。この場合は、ステータスSTは“1”である。
【0083】
ステータスSTが“0”または“1”の状態で、終了媒体の情報が読み取られると、プロセッサ11は、ACT73乃至ACT81の処理をスキップしてACT82へと進む。プロセッサ11は、初期化を行って、
図7乃至
図11の流れ図で示される情報処理を終了する。
【0084】
このように、第1組立工程又は第2組立工程の作業を終えた作業者Pが終了媒体をリーダ50に翳した際にも、プロセッサ11は、作業ログデータ231を作成してサーバ20に出力する。そして、作業ログデータの有効フラグFは、作業時間Tが第1組立工程又は第2組立工程の有効作業時間Tx以上の場合には有効な作業を表す値“1”となるが、有効作業時間Tx未満の場合には無効な作業を表す値“0”となる。
【0085】
ところで、第1作業工程の作業を始める作業者Pが、誤って先に第2部品エリア4に手を伸ばしてしまい、その後、第1部品エリア3に手を移動させる場合がある。このような場合、第2部品エリア4に手を伸ばした段階で、プロセッサ11は、
図9のACT43乃至ACT46の処理を実行する。したがって、第1部品エリア3において手の動きが検知された時点では、作業コードが「200」でステータスSTが“1”となっている。このためプロセッサ11は、
図8のACT27においてYESと判定する。プロセッサ11は、ACT24へと進み、ACT24乃至ACT26の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ11は、作業コード「100」で識別される第1作業工程の作業データを作業データエリア122に記述する。さらにプロセッサ11は、時計14によって計時されている現時点の時刻を作業開始時刻としてログデータエリア123に記述する。その後、プロセッサ11は、タイマをスタートさせて、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。
【0086】
同様に、第2作業工程の作業を始める作業者Pが、誤って先に第1部品エリア3に手を伸ばしてしまい、その後、第2部品エリア4に手を移動させる場合がある。このような場合、第1部品エリア3に手を伸ばした段階で、プロセッサ11は、
図8のACT23乃至ACT26の処理を実行する。したがって、第2部品エリア4において手の動きが検知された時点では、作業コードが「100」でステータスSTが“1”となっている。このためプロセッサ11は、
図9のACT47においてYESと判定する。プロセッサ11は、ACT44へと進み、ACT44乃至ACT46の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ11は、作業コード「200」で識別される第2作業工程の作業データを作業データエリア122に記述する。さらにプロセッサ11は、時計14によって計時されている現時点の時刻を作業開始時刻としてログデータエリア123に記述する。その後、プロセッサ11は、タイマをスタートさせて、ACT6乃至ACT9の待ち受け状態に戻る。
【0087】
このように、作業者Pが誤って先に異なる部品エリアに手を伸ばしたために作業データエリア122及びログデータエリア123に記述されたデータは、後から正しい部品エリアに手を伸ばすことで書き換えられるので、第1作業工程又は第2作業工程の作業時間Tを精度よく求めることができる。
【0088】
[作業管理装置の作用効果]
以上詳述したように、作業管理装置10のプロセッサ11は、カメラ40と協働して、
図7のACT5及びACT6の処理を実行することにより、画像取得手段111として機能する。プロセッサ11は、
図7のACT7の処理を実行することにより、画像解析手段112として機能する。プロセッサ11は、リーダ50と協働して、ACT1及びACT9の処理を実行することにより、読取手段113として機能する。
【0089】
プロセッサ11は、
図8のACT25、ACT29及びACT21乃至ACT33の処理、
図9のACT45、ACT49及びACT51乃至ACT53の処理、さらには
図11のACT74及びACT76乃至ACT78の処理を実行することにより、第1検知手段114として機能する。プロセッサ11は、
図8のACT21、ACT22及びACT27の処理、
図9のACT41、ACT42及びACT47の処理、さらには
図11のACT71及びACT72の処理を実行することにより、第2検知手段115として機能する。プロセッサ11は、
図7のACT8、ACT10乃至ACT12の処理を実行することにより、第3検知手段116として機能する。プロセッサ11は、
図8のACT35、
図9のACT55、及び
図11のACT80の処理を実行することにより情報取得手段117として機能する。
【0090】
かかる構成の作業管理装置10によれば、第1作業工程及び第2作業工程の工程毎に、作業に対する作業者Pの作業に関する情報として、その作業に要した時間、すなわち作業時間Tを含む作業ログデータ231を取得することができる。そして、作業ログデータ231には、作業時間Tが有効作業時間Tx以上の場合には有効な作業であることを示す有効フラグF(F=1)が含まれる。作業時間Tが有効作業時間Tx未満の場合には無効な作業であることを示す有効フラグF(F=0)が含まれる。すなわち、有効フラグFが“0”の作業ログデータ231は、実際の作業が行われていないときのデータである。そこで、有効フラグFが“0”の作業ログデータ231を解析することによって、作業時間の遅れが発生する要因分析をすることができる。
【0091】
[変形例]
最後に、実施形態の変形例について説明する。なお、変形例は、以下の例に限定されるものではない。
前記実施形態では、カメラ40によって撮影された画像を解析することで、作業エリア2、第1部品エリア3及び第2部品エリア4に作業者の手が入ったことを検知した。この点に関しては、例えば周知の赤外線センサ等を利用して、各エリアに作業者の手が入ったことを検知してもよい。
【0092】
情報取得手段117が取得する作業に関連する情報は、作業時間Tに限定されない。例えば、1工程の作業中に部品エリアに手を伸ばした回数を作業に関する情報として取得してもよい。
【0093】
作業開始時刻を取得するタイミングは、
図8のACT25又は
図9のACT45のタイミングな限定されない。例えば、
図10のACT62においてYESと判定した後、若しくはACT63の処理の後のタイミングで現在時刻を取得し、作業開始時刻としてもよい。こうすることにより、部品エリアから部品を取り出すのに要する時間を作業時間Tから排除することができる。
【0094】
前記実施形態では、1つの作業台1で行われる作業を管理する作業管理装置10を例示した。作業管理装置10は、複数の作業台1でそれぞれ並行して行われる作業を管理してもよい。この場合、カメラ40とリーダ50は、作業台1毎に備えられる。カメラ40は、2以上の作業台1に対して1台を備え、画像処理により作業台1毎に作業者Pの手の動きを検知することも可能である。
【0095】
第1部品エリア3と第2部品エリア4は、必ずしも作業台1の台上になくてもよい。例えば、作業台1の脇に設けたり作業台1を挟んで作業者Pの正面に設けたりしてもよい。この場合、カメラ40は、作業エリア2を撮影するカメラと、第1部品エリア3と第2部品エリア4とを撮影するカメラとに分けてもよい。また、部品エリア毎にカメラを分けてもよい。
【0096】
作業は組立作業に限定されない。例えば製品の解体を行う作業であったり、メンテナンスを行う作業であったりしてもよい。解体作業の場合、部品エリアは、作業に必要な工具を揃えたエリアと、解体した部品等を集めるエリアとなることが想定される。すなわち部品エリアは、作業に関連する物品が置かれた物品エリアと言い換えることができる。
また、工程数も、工程に限定されない。3工程以上ある作業に対しても同様に適用可能であることは言うまでもないことである。
【0097】
前記実施形態では、作業者Pは、開始媒体と終了媒体の2種類の媒体を所持した。媒体は、1種類のバーコードからなるものであってもよい。すなわち、作業管理装置10のプロセッサ11は、最初にリーダ50で読み取ったバーコードを開始媒体のバーコードと認識し、その後に読み取ったバーコードが先に読み取ったバーコードと同一データであった場合に終了媒体のバーコードと認識する。
【0098】
媒体は、無線タグであってもよい。媒体が無線タグの場合、リーダ50は無線タグリーダとなる。作業者Pは、作業を開始する前に作業者コードを記憶した無線タグをリーダ50の読取部に置き、作業を終了したならば読取部から取り上げる。プロセッサ11は、リーダ50で無線タグのデータ読取りが始まるとACT7のACT2へと進み、データ読取りが終了するとACT13へと進む。このような媒体を採用しても、前記実施形態と同様な作用効果を奏し得る。
【0099】
プログラムは、装置に記憶された状態で譲渡されてよいし、装置に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0100】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1…作業台、2…作業エリア、3…第1部品エリア、4…第2部品エリア、10…作業管理装置、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…時計、15…通信インターフェース、16…デバイスインターフェース、20…サーバ、21…作業者データベース、22…作業データベース、23…ログファイル、30…通信ネットワーク、40…カメラ、50…リーダ、60…報知器、111…画像取得手段、112…画像解析手段、113…読取手段、114…第1検知手段、115…第2検知手段、116…第3検知手段、117…情報取得手段、121…作業者データエリア、122…作業データエリア、123…ログデータエリア。