(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034881
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】検知装置、検知方法、及び検知プログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/54 20200101AFI20240306BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G01R31/54
G01R31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139426
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 高志
【テーマコード(参考)】
2G014
2G036
【Fターム(参考)】
2G014AA02
2G014AB53
2G036AA12
2G036AA24
2G036BB02
(57)【要約】
【課題】充電電圧の影響による誤差を生じさせることなく、比較的短い測定周期で断線を検出すること。
【解決手段】検知装置10は、充電部12aと計測部12bと判定部12cと放電部12dとを備える。充電部12aは、内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う。計測部12bは、充電部12aによる充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを計測する。判定部12cは、充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する。放電部12dは、判定部12cにより断線が生じていないと判定された場合、コンデンサの放電を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う充電部と、
前記充電部による充電後の前記コンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後の前記コンデンサの電圧とを計測する計測部と、
充電後の前記コンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後の前記コンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により断線が生じていないと判定された場合、前記コンデンサの放電を行う放電部と
を備えることを特徴とする検知装置。
【請求項2】
前記計測部は、充電前のコンデンサの電圧を計測し、
前記放電部は、前記計測部により計測されたそれぞれの電圧に応じて、コンデンサの放電を行う時間を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
検知装置で実行される検知処理工程であって、
内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う充電工程と、
前記充電工程による充電後の前記コンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後の前記コンデンサの電圧とを計測する計測工程と、
充電後の前記コンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後の前記コンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により断線が生じていないと判定された場合、前記コンデンサの放電を行う放電工程と
を含むことを特徴とする検知方法。
【請求項4】
内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う充電手順と、
前記充電手順による充電後の前記コンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後の前記コンデンサの電圧とを計測する計測手順と、
充電後の前記コンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後の前記コンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により断線が生じていないと判定された場合、前記コンデンサの放電を行う放電手順と
をコンピュータに実行させるための検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知装置、検知方法、及び検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱電対入力をAD変換した記録値と、断線検出用電源による充電が行われ一定時間が経過した後の記録値とを比較することにより断線を検出するという技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、内部フィルタのコンデンサに定期的に微小量の充電を行い、それが放電されるか否かを測定することにより断線を検出する技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の従来技術では、電圧が十分に放電されてから測定しなければ、充電電圧の影響を受け測定値に誤差が生じるため、コンデンサに充電した電圧が放電される十分な時間が経過した後でなければ、断線検出について正しい測定をすることができず、断線検出についての測定周期を早くすることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の検知装置は、内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う充電部と、充電部による充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを計測する計測部と、充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する判定部と、判定部により断線が生じていないと判定された場合、コンデンサの放電を行う放電部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、充電電圧の影響による誤差を生じさせることなく、比較的短い測定周期で断線を検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る検知処理の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る検知装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る検知処理における断線の判定方法を説明する図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る検知装置における検知処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、検知プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る検知装置、検知方法及び検知プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る検知装置、検知方法及び検知プログラムが限定されるものではない。
【0009】
〔1.システムの構成例〕
図1は、本実施形態に係る検知処理の概要を示す図である。検知装置10は、内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う。そして、検知装置10は、充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する。その後、検知装置10は、断線が生じていないと判定した場合、コンデンサの放電を行う。
【0010】
検知装置10は、まず、内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う。例えば、検知装置10は、定電流回路等から、入力RCフィルタのコンデンサに定期的に一定時間の充電を行う。次に、検知装置10は、充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを計測する。例えば、検知装置10は、充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを、それぞれAD変換して計測する。
【0011】
そして、検知装置10は、充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する。例えば、検知装置10は、充電後のコンデンサの電圧と充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを比較し、両電圧が等しければ断線が生じていると判定し、充電後のコンデンサの電圧よりも充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧が低い場合、断線が生じていないと判定する。
【0012】
その後、検知装置10は、断線が生じていないと判定した場合、コンデンサの放電を行う。例えば、検知装置10は、前述の処理により断線が生じていないと判定した場合、充電を行った入力RCフィルタのコンデンサについて、充電された電荷に応じた放電を行う。
【0013】
このようにして、検知装置10は、内部フィルタのコンデンサに充電を行い、充電後のコンデンサの電圧と充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを計測し、両電圧を比較することで、断線が生じているか否かを判定した後、断線が生じていないと判定された場合は、充電された電荷に応じてコンデンサの放電を行う。その結果、検知装置10は、充電電圧の影響による誤差を生じさせることなく、比較的短い測定周期で断線を検出することができる。
【0014】
〔2.検知装置10の構成〕
次に、
図2を参照し、
図1に示した検知装置10の構成を説明する。
図2は、実施形態に係る検知装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る検知装置10は、入力部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。
【0015】
入力部11は、例えば、入力RCフィルタ等によって実現される。入力部11は、外部からの入力信号を受付けるインタフェースである。
【0016】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部13は、制御部12による各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、設定情報記憶部13aと、計測情報記憶部13bとを有する。
【0017】
設定情報記憶部13aは、後述する検知処理で使用される設定情報について記憶する。例えば、設定情報記憶部13aは、後述する充電部12aによる充電時間や、計測部12bによる充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧の計測の際の一定時間や、充電部12aによる充電を行う周期等の検知処理で使用される設定情報について記憶する。
【0018】
なお、前述の設定情報は、検知処理が行われる前に予め設定情報記憶部13aに記憶されているものとする。また、充電部12aが充電を行う周期は、後述する放電部12dによる放電が完了し、充電部12aにより充電された電荷が全て放電される時間を考慮して設定される。
【0019】
計測情報記憶部13bは、後述する計測部12bにより計測された、コンデンサの電圧の計測値を記憶する。例えば、計測情報記憶部13bは、後述する計測部12bにより計測された、充電後及び充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧をAD変換した値を、計測値として記憶する。
【0020】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、検知装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。制御部12は、充電部12a、計測部12bと、判定部12cと放電部12dとを有する。
【0021】
充電部12aは、内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う。例えば、充電部12aは、定電流回路等から前述の設定情報記憶部13aに記憶された充電時間を参照し、入力RCフィルタのコンデンサに対し充電を行う。そして、充電部12aは、設定情報記憶部13aに記憶された充電を行う周期を参照し、コンデンサへの充電を定期的に行う。
【0022】
計測部12bは、充電部12aによる充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを計測する。そして、計測部12bは、計測値を計測情報記憶部13bに格納する。例えば、計測部12bは、設定情報記憶部13aに記憶された計測時の一定時間を参照し、充電部12aによる充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過した後のコンデンサの電圧とを、それぞれAD変換した値を計測値として計測情報記憶部13bに格納する。
【0023】
また、計測部12bは、充電前のコンデンサの電圧を計測してもよい。そして、計測部12bは、計測値を計測情報記憶部13bに格納する。例えば、計測部12bは、充電部12aによる充電前のコンデンサの電圧をAD変換した値を計測値として計測情報記憶部13bに格納する。
【0024】
判定部12cは、充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する。そして、判定部12cは、断線が生じていないと判定した場合、放電部12dに判定結果を通知する。
【0025】
例えば、判定部12cは、計測情報記憶部13bに記憶された、充電後のコンデンサの電圧の計測値と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧の計測値とを比較し、両計測値が等しい場合は断線が生じていると判定し、充電後のコンデンサの電圧の計測値よりも充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧の計測値の方が低い場合は断線が生じていないと判定する。そして、判定部12cは、断線が生じていないと判定した場合、放電部12dに判定結果を通知する。
【0026】
放電部12dは、判定部12cにより断線が生じていないと判定された場合、コンデンサの放電を行う。例えば、放電部12dは、前述の判定部12cからの断線が生じていないと判定した判定結果の通知により、充電が行われたコンデンサに対し放電を行う。
【0027】
また、放電部12dは、計測部12bにより計測されたそれぞれの電圧に応じて、コンデンサの放電を行う時間を決定してもよい。例えば、放電部12dは、計測情報記憶部13bに記憶された、充電前の計測値、充電後の計測値及び充電後一定時間経過後の計測値から、充電前後の計測値の差と、充電後一定時間経過後の計測値と充電前の計測値との差とから算出される比率により、コンデンサの電圧が充電前のコンデンサの電圧と等しくなるように、コンデンサの放電を行う時間を決定する。
【0028】
なお、放電部12dが有する放電回路が定電流回路であれば、放電量は放電時間に比例するため、放電時間により放電量が決定されることから、放電部12dは、前述の比率により放電すべき量を算出することにより、コンデンサの放電を行う時間を決定することができる。
【0029】
〔3.情報処理の具体例〕
ここで、
図3を参照し、検知装置10による充電処理を行った後、断線が生じているか否かを判定する判定処理及び放電処理における放電時間の決定処理の具体例について説明する。
図3は、実施形態に係る検知処理における断線の判定方法を説明する図である。
【0030】
まず、計測部12bは、充電前のコンデンサの電圧を計測する。
図3の例では、Vaが充電前のコンデンサの電圧の計測値であり、その計測値を「0」としている。次に、充電部12aは、コンデンサに充電を行い、計測部12bは、充電後のコンデンサの電圧を計測する。
図3の例では、Vbが充電後のコンデンサの電圧の計測値であり、充電処理によりVbは「1」の値となる。
【0031】
そして、計測部12bは、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧を計測する。
図3の例では、充電処理が終了した時間を「0」とし、充電後一定時間経過後の時間を「0.7」(
図3のグラフの点線)としている。
図3の例では、非断線時の充電後一定時間経過後の計測値をVcとし、断線時の充電後一定時間経過後の計測値をVc´としている。
【0032】
ここで、入力配線に断線が生じていない場合、充電後から時間の経過とともにコンデンサの電圧は徐々に放電されるため、充電後一定時間経過後の計測値Vcは、「0.5」付近の値となる。一方、入力配線に断線が生じている場合、充電後から一定時間が経過してもコンデンサの電圧は放電されず、充電後一定時間経過後の計測値Vc´は、Vbと同じ「1」となる。
【0033】
その後、判定部12cは、充電後の計測値Vbと充電後一定時間経過後の計測値Vc又はVc´とを比較することで、断線が生じているか否かを判定する。前述の通り、断線が生じていない場合の充電後一定時間経過後の計測値Vcは「0.5」付近の値となっているため、充電後の計測値Vbの「1」よりも低いことから、判定部12cは、断線が生じていないと判定し、放電部12dに判定結果を通知する。
【0034】
一方、前述の通り、断線が生じている場合の充電後一定時間経過後の計測値Vc´は「1」となっているため、充電後の計測値Vbの「1」と同じ値であることから、判定部12cは、断線が生じていると判定する。
【0035】
そして、放電部12dは、断線が生じていないと判定された場合、コンデンサの放電を行う。
図3の例では、放電部12dは、判定部12cからの通知により、Vc「0.5」の値が充電前の電圧Va「0」と同じになるように、コンデンサの放電を行う。ここで、放電部12dは、充電前後の計測値の差と、充電後一定時間経過後の計測値と充電前の計測値との差とから算出される比率により、コンデンサの電圧が充電前のコンデンサの電圧と等しくなるように、コンデンサの放電を行う時間を決定する。
【0036】
図3の例では、充電前後の計測値の差は、Vb-Vaであり、「1-0=1」となる。また、充電後一定時間経過後の計測値と充電前の計測値の差は、Vc-Vaであり、「0.5-0=0.5」となる。よって、放電部12dは、算出されたVb-Va「1」とVc-Va「0.5」との比率「1:0.5=2:1」により、充電時間の2分の1の時間で放電することを決定し、放電後のコンデンサの電圧は、充電前のコンデンサの電圧Va「0」と同じ値となる。
【0037】
前述の放電処理により、放電後のコンデンサの電圧は、充電前のコンデンサの電圧と同じ値となるため、放電後の時間「0.75」付近から後の時間で、いつでも検知処理を繰り返し行うことができる。一方、放電処理が行われなければ、充電後のコンデンサの電圧が、充電前のコンデンサの電圧と等しくなるには、多大な時間を要することになり、
図3のグラフの時間「3.75」においても両電圧に差が生じ、その差が測定誤差となるため、正確な検知処理を行うことができない。
【0038】
前述の一連の処理により、検知装置10は、充電後のコンデンサの電圧の計測値と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧の計測値とを比較することにより断線を検出し、断線が生じていない場合は、即座に放電することによって、充電電圧の影響による誤差を生じさせることなく、比較的短い測定周期で断線を検出することができる。
【0039】
〔4.検知装置の検知処理の一例〕
次に、
図4を用いて、検知装置10の検知処理について説明する。
図4は、実施形態に係る検知装置における検知処理の流れを示すフローチャートである。検知装置10は、例えば、入力信号を受付ける(ステップS101)。
【0040】
検知装置10が、入力信号を受付けた場合(ステップS101;Yes)、充電部12aは、内部フィルタのコンデンサに充電を行う(ステップS102)。一方、検知装置10は、入力信号を受付けていない場合(ステップS101;No)、入力信号を受付けるまで待機する。
【0041】
そして、計測部12bは、充電後のコンデンサの電圧と充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを計測する(ステップS103)。その後、判定部12cは、断線が生じているか否かを判定する(ステップS104)。検知装置10は、断線が生じていると判定された場合(ステップS104;Yes)、検知処理を停止する(ステップS105)。一方、放電部12dは、断線が生じていないと判定された場合(ステップS104;No)、コンデンサの放電を行う(ステップS106)。そして、検知装置10は、ステップS102に戻り処理を続ける。
【0042】
〔5.実施形態の効果〕
前述してきたように、本実施形態に係る検知装置10は、内部フィルタのコンデンサに定期的に充電を行う充電部12aと、充電部12aによる充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを計測する計測部12bと、充電後のコンデンサの電圧と、充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とに基づき、断線が生じているか否かを判定する判定部12cと、判定部12cにより断線が生じていないと判定された場合、コンデンサの放電を行う放電部12dとを備える。
【0043】
充電部12aは、内部フィルタのコンデンサに、定電流回路等から予め設定された時間充電を行う。また、計測部12bは、充電後のコンデンサの電圧と充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とをAD変換した値を計測値として計測する。さらに、判定部12cは、充電後のコンデンサの電圧の計測値と充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧の計測値とを比較することにより、断線が生じているか否かを判定する。また、放電部12dは、断線が生じていると判定された場合、コンデンサの電圧が充電前の値となるようにコンデンサの放電を行う。
【0044】
これにより、検知装置10は、充電後のコンデンサの電圧と充電後一定時間経過後のコンデンサの電圧とを比較することにより断線を検出し、断線が生じていない場合であっても、即座にコンデンサの放電をすることによって、充電電圧の影響による誤差を生じさせることなく、比較的短い測定周期で断線を検出することができるという効果を奏する。
【0045】
また、検知装置10の計測部12bは、充電前のコンデンサの電圧を計測し、検知装置10の放電部12dは、計測されたそれぞれの電圧に応じて、コンデンサの放電を行う時間を決定する。これにより、検知装置10は、それぞれの時点でのコンデンサの電圧の計測値から放電時間を決定するため、コンデンサ容量の違いに関わらず、時間配分により放電量をコントロールすることができるという効果を奏する。
【0046】
[6.ハードウェア構成]
前述した、本実施形態に係る検知装置10は、例えば、
図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図5は、検知装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、補助記憶装置1400、通信I/F(インタフェース)1500、入出力I/F(インタフェース)1600が、バス1800により接続された形態を有する。
【0047】
CPU1100は、ROM1300又は補助記憶装置1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0048】
補助記憶装置1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信I/F1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0049】
CPU1100は、入出力I/F1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入出力装置1700を制御する。CPU1100は、入出力I/F1600を介して、入出力装置1700からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータについて入出力I/F1600を介して入出力装置1700へ出力する。
【0050】
例えば、コンピュータ1000が本実施形態に係る検知装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部12の機能を実現する。
【0051】
[7.その他]
前述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0052】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の通り構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0053】
前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0054】
また、前述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
10 検知装置
11 入力部
12 制御部
12a 充電部
12b 計測部
12c 判定部
12d 放電部
13 記憶部
13a 設定情報記憶部
13b 計測情報記憶部