(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034906
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】成形機用洗浄剤
(51)【国際特許分類】
C08L 81/06 20060101AFI20240306BHJP
C08L 39/06 20060101ALI20240306BHJP
C08K 5/524 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
C08L81/06
C08L39/06
C08K5/524
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139470
(22)【出願日】2022-09-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】520303232
【氏名又は名称】三菱ガス化学トレーディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】長井 聡
(72)【発明者】
【氏名】戸田 雄士
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002BJ002
4J002CN031
4J002EJ066
4J002EW066
4J002FD076
4J002FD312
4J002GD00
4J002GT00
4J002HA09
(57)【要約】
【課題】より生産性の高い成形機用洗浄剤を提供すること。
【解決手段】成形機の内部を洗浄するための樹脂製の洗浄剤であって、ポリサルフォン100重量部に対して、ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含有した成形機用洗浄剤である。成形機用洗浄剤の生産性の向上、洗浄効果の向上および離型効果の向上を図ることができる。さらに、フォスファイト構造とヒンダードフェノール構造とを有する化合物を0.03~1重量部含有してもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリサルフォン100重量部に対して、ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含有した成形機用洗浄剤。
【請求項2】
さらに、フォスファイト構造とヒンダードフェノール構造とを有する化合物を0.03~1重量部含有した請求項1に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項3】
前記化合物は、以下の構造式を有する請求項2に記載の成形機用洗浄剤。
【化2】
[式中、R
1、R
2、R
4およびR
5は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基または炭素数7~12のフェニル基を表し、R
3は水素原子または炭素数1~8のアルキル基を表す。Xは単結合、イオウ原子または-CHR
6-基を表す。R
6は水素原子、炭素数1~8のアルキル基または炭素数5~8のシクロアルキル基を表す。Aは炭素数2~8のアルキレン基または*-COR
7-基を表す。R
7は単結合または炭素数1~8のアルキレン基を表し、*印を付したCOは上記構造式におけるフォスファイト構造の酸素原子と結合していることを表す。YおよびZは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1~8のアルコキシ基または炭素数7~12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子または炭素数1~8のアルキル基を表す。]
【請求項4】
請求項3に記載の構造式におけるYがヒドロキシル基であるときは、R4およびR5の一方は炭素数3~8アルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基またはフェニル基を表す請求項3に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項5】
請求項3に記載の構造式における2個のR1、2個のR2、2個のR3がそれぞれ異なる請求項3に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項6】
6-tert-ブチル-4-[3-[(2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ]プロピル]-2-メチルフェノールである請求項3に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項7】
ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含むポリサルフォン中空糸の粉砕物を成形したペレットである請求項1に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項8】
ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含むポリサルフォン中空糸の粉砕物に、同一分子内にフォスファイト構造とヒンダードフェノール構造とを有する化合物を0.03~1重量部加えて成形したペレットである請求項1に記載の成形機用洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形機用洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、熱可塑性樹脂30~90質量%と、平均長さが100μm以下のガラス繊維70~10質量%とを含有し、引火温度が400℃以上である成形機用洗浄剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、実際にはポリカーボネイトを主原料としており、離型性がよくなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にかかる成形機用洗浄剤は、ポリサルフォン100重量部に対して、ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含有した成形機用洗浄剤である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より高品質な成形機用洗浄剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る中空糸処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る中空糸処理システムの処理の流れをフローチャートである。
【
図3】第1実施形態に係る装置の実験結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての成形機用洗浄剤製造システム100について、
図1を用いて説明する。
図1のように、成形機用洗浄剤製造システム100は、細断装置101と混練装置102と造粒機103とを備える。
【0011】
細断装置101は、ダイアライザ製造工程で端材として廃棄されるポリサルフォン(Poly arylether-aryl sulfone/PSF)製の中空糸110やその端材を小さく(例えば、10mm~30mm)切断する。ポリサルフォン中空糸110やその端材は、製造時に添加されるポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidone、略称PVP)を1~5wt%含有している。
【0012】
混練装置102は、細断されたポリサルフォン小片130に特定の化合物を混練させることによりポリサルフォン樹脂成形材料を生成し、ポリサルフォンに添加されたポリビニルピロリドンを安定化させる。
【0013】
ポリビニルピロリドンが添加されたポリサルフォンと安定剤は、共に固体であり、一般的にタンブラー、ブレンダー、ミキサー等の混合機を用いて、樹脂を溶融させずに混合する。
【0014】
この段階ではポリビニルピロリドンが添加されたポリサルフォンと安定剤は不均一に混合された状態となる。
【0015】
このポリビニルピロリドンは、後段の造粒加工(押出成形加工)における約300℃の高温条件(ポリサルフォンの溶融温度)に対して、十分な耐熱性を有していない。すなわち、押出成形加工中に分解し、樹脂の変色の原因となっていた。そこで、この変色を低減させるべく種々の安定剤を検討した結果、同一分子内にフォスファイト構造とヒンダードフェノール構造とを有する化合物が特に効果があることを見出した。そこで、混練押出装置102が添加する安定剤として、同一分子内にフォスファイト構造とヒンダードフェノール構造とを有する化合物を選択している。
【0016】
造粒機103は、安定剤を添加されたポリサルフォン樹脂成形材料を溶融し、押出成形によりペレット化する。この工程で安定剤はポリサルフォン樹脂中に均一に分散しポリビニルピロリドンの変質を防止する。
【0017】
これにより、ダイアライザ製造工程で廃棄されるポリサルフォン中空糸は、耐熱性の成形材料として再利用可能となる。本実施形態によれば、ペレット製造中の変色を抑制することができ、高品質な成形機用洗浄剤を提供することが可能となる。
【0018】
[成形機用洗浄剤]
中空糸粉砕品100重量部に対して、ポリビニルピロリドンが0.2~5重量部含まれている。より好ましくは、さらに安定剤を0.03~1重量部添加したものである。
【0019】
(安定剤)
本実施形態で用いた安定剤は、同一分子内にフォスファイト構造とヒンダードフェノール構造とを有する化合物であって、例えば、6-tert-ブチル-4-[3-[(2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ]プロピル]-2-メチルフェノールである。
【0020】
この例は、下記の構造式で表される。
【0021】
【化1】
式中、R
1、R
2、R
4およびR
5は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基または炭素数7~12のフェニル基を表し、R
3は水素原子または炭素数1~8のアルキル基を表す。Xは単結合、イオウ原子または-CHR
6-基を表す。R
6は水素原子、炭素数1~8のアルキル基または炭素数5~8のシクロアルキル基を表す。Aは炭素数2~8のアルキレン基または*-COR
7-基を表す。R
7は単結合または炭素数1~8のアルキレン基を表し、*印を付したCOは上記構造式におけるフォスファイト構造の酸素原子と結合していることを表す。YおよびZは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1~8のアルコキシ基または炭素数7~12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子または炭素数1~8のアルキル基を表す。
【0022】
構造式におけるYがヒドロキシル基であるときは、R4およびR5の一方は炭素数3~8のアルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基またはフェニル基を表す。
【0023】
構造式における2個のR1、2個のR2、2個のR3は、同じでもよいが、それぞれ異なってもよい。
【0024】
(上記安定剤によってポリビニルピロリドンを安定化する原理)
ポリビニルピロリドンはオレフィン系重合体に分類される。ポリサルフォンの加工温度の様な極端な高温状態、酸素含有雰囲気下で、ポリビニルピロリドンは容易に分解反応が起こる。1次酸化防止剤で生成した準安定構造物質(ヒドロペルオキシド)が、(1)2次酸化防止剤と反応して安定な構造になるか、(2)熱でヒドロペルオキシドが再び活性なヒドロオキシラジカルやアルコキシラジカルを生成し分解の連鎖反応が開始するか、の競争反応である。
【0025】
ポリサルフォン加工温度の300℃以上というのは、通常のオレフィンの加工温度150-230℃より高い為に、ヒドロペルオキシドの分解反応が極めて速くなっていると推察される。そこで、2次酸化防止剤がヒドロペルオキシドの近傍に有る方が、この競争反応に対し時間的に優位であり、生成したヒドロペルオキシドを速やかに安定化すると考えられる。それ故に、1次酸化防止剤の構造と2次酸化防止剤の構造の両方を分子内に持っている安定剤(例えば、Sumilizer GP)の方が、1次酸化防止剤と2次酸化防止剤を組合せて使用するよりも効率的に安定化できると考えられる。
【0026】
(ポリサルフォン樹脂成形材料の製造方法)
ダイアライザの端材からポリサルフォンペレットを製造する方法は特に制限されるものではなく、例えば
図2のフローチャートに示す方法を適用することができる。
【0027】
ステップS201において、ポリサルフォンと、耐熱剤である安定剤と、その他任意成分を、一括して、または必要に応じ複数に分けて混合する。すなわち、単軸、2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、およびミキシングロールなどの溶融混練機のシリンダーに投入する。
【0028】
次にステップS203において、溶融混練機のヒーターを用いて、シリンダー内で投入された成分を加熱し、ポリサルフォンを溶融する。
【0029】
ステップS205では、溶融されたポリサルフォンと安定剤とを、溶融混練機のスクリューの回転により混練し、投入した成分が十分に混合された混練物とする。この際、安定剤が、ポリビニルピロリドンの分解を抑制し、臭気および変色を抑える。
【0030】
ステップS207では、混練物をダイより押し出し、紐状のストランドとする。
【0031】
次にステップS209において、ストランドを水槽に浸漬して直ちに冷却する。
【0032】
最後に、ステップS211において、冷却されたストランド状の混練物をペレタライザーでペレット化し、ペレット化された成形機用洗浄剤を得る。
【0033】
以上、本実施形態によれば、より高品質な成形機用洗浄剤を得ることができる。
【0034】
(実験設備および条件)
以下のような条件により実験を行った。
【0035】
(原料)
ポリサルフォンPSU:Solvey製 UDEL P-3500
ポリビニルピロリドンPVP:BASF製 Luviskol K-90
中空糸再生品A:PVP含有量2.0wt%
中空糸再生品B:PVP含有量2.4wt%
安定剤:住友化学製 Sumilizer GP
(試料調整)
押出機:株式会社プラエンジ製単軸押出機PSV-30mm単軸押出機
加工温度:320-330℃、スクリュー回転数:80rpm
(剥離性評価)
押出機:株式会社プラエンジ製 単軸押出機PSV-30mm単軸押出機
加工温度:320-330℃、スクリュー回転数:80rpm
先端ダイを開放し、内部に残存した樹脂を金属へらを用いて除去する際の剥離性を評価
(洗浄性評価)
成形機評価:ファナック株式会社製ROBOSHOT S-2000i 50A
シリンダー設定温度:360℃
1) ポリエーテルイミド(PEI):Sabic製 Ultem 1000(赤)を500g 使用し成形機シリンダー内を投入し、可塑化射出を繰り返し、シリンダー内をUltem 1000(赤)として、さらにできる限り排出する。(スクリュー溝などに若干の樹脂が残留する)
2) 洗浄樹脂を1kg投入し、Ultem (赤)の残留樹脂をパージする。赤い色の樹脂量を計量する。洗浄樹脂が少ない量で赤色樹脂が完全に排出される方が、洗浄性良好と判断する。
3) 洗浄剤を排出した後、Ultem 1000(自然色、N)を500g投入し、残留した洗浄剤が完全に排出されるのを確認する。洗浄剤が混入している樹脂量を計量する。少ない量で完全に排出される方が、被置換性良好と判断する。
【0036】
(実施例1)
PSU99.0wt%に対してPVP1.0wt%を加えた。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.43kg残留洗浄剤量は0.14kg、剥離に関する問題は僅かであって、十分に使用に足る洗浄剤を実現できた。
【0037】
(実施例2)
PSU97.6wt%に対してPVP2.4wt%を加えた。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.41kg残留洗浄剤量は0.13kg、剥離に関する問題はなく、高品質な洗浄剤を実現できた。
【0038】
(実施例3)
PSU95wt%に対してPVP5wt%を加えた。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.42kg残留洗浄剤量は0.12kg、剥離に関する問題はなく、高品質な洗浄剤を実現できた。
【0039】
(実施例4)
PSU66.7wt%に中空糸再生品A33.3%を混合した。結果としてPSU99.3%に対してPVP0.7wt%の組成比となった。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.48kg残留洗浄剤量は0.13kg、剥離に関する問題は僅かで、生産性に優れた十分に使用に足る洗浄剤を実現できた。
【0040】
(実施例5)
PSU33.3wt%に中空糸再生品A66.7%を混合した。結果としてPSU98.6%に対してPVP1.4wt%の組成比となった。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.43kg残留洗浄剤量は0.11kg、剥離に関する問題はなく、生産性に優れた高品質な洗浄剤を実現できた。
【0041】
(実施例6)
中空糸再生品A100%を用いた。結果としてPSU98%に対してPVP2wt%の組成比となった。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.42kg残留洗浄剤量は0.12kg、剥離に関する問題はなく、生産性に優れた高品質な洗浄剤を実現できた。
【0042】
(実施例7)
中空糸再生品B100%を用いた。結果としてPSU97.6%に対してPVP2.4wt%の組成比となった。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.39kg残留洗浄剤量は0.12kg、剥離に関する問題はなく、生産性に優れた高品質な洗浄剤を実現できた。
【0043】
(実施例8)
中空糸再生品Aに対してさらに安定剤を加えた。結果としてPSU97.5wt%に対してPVP2wt%、安定剤0.5wt%の組成比となった。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.41kg残留洗浄剤量は0.11kg、剥離に関する問題はなく、変色も臭いもなく、生産性に優れた非常に高品質な洗浄剤を実現できた。
【0044】
(比較例1)
PSU100wt%を洗浄剤として用いた。洗浄剤分解はなく、必要な洗浄剤量は0.45kg残留洗浄剤量は0.14kg、剥離に関する問題があり、貼り付きが生じた。
【0045】
(比較例2)
ポリカーボネイト60wt%に対してガラス繊維40wt%を含有した従来品を用いた。洗浄剤分解があり、貼り付きも生じた。
【0046】
(比較例2)
ポリカーボネイト39wt%に対してポリプロピレン16wt%およびガラス繊維45wt%を含有した従来品を用いた。洗浄剤分解があり、貼り付きも生じた。
【0047】
(実験結果)
図3は、上記の実施例および比較例の結果を一つの図面にまとめたものである。上記の実施例および比較例から、ポリサルフォン100重量部に対して、ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含有させることで高品質な成形機用洗浄剤を得ることができることが確認できた。
【0048】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリサルフォン100重量部を主成分として、ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含有した成形機用洗浄剤。
【請求項2】
さらに、フォスファイト構造とヒンダードフェノール構造とを有する化合物を0.03~1重量部含有した請求項1に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項3】
前記化合物は、以下の構造式を有する請求項2に記載の成形機用洗浄剤。
【化2】
[式中、R
1、R
2、R
4およびR
5は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基または炭素数7~12のフェニル基を表し、R
3は水素原子または炭素数1~8のアルキル基を表す。Xは単結合、イオウ原子または-CHR
6-基を表す。R
6は水素原子、炭素数1~8のアルキル基または炭素数5~8のシクロアルキル基を表す。Aは炭素数2~8のアルキレン基または*-COR
7-基を表す。R
7は単結合または炭素数1~8のアルキレン基を表し、*印を付したCOは上記構造式におけるフォスファイト構造の酸素原子と結合していることを表す。YおよびZは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1~8のアルコキシ基または炭素数7~12のアラルキルオキシ基を表し、他方が水素原子または炭素数1~8のアルキル基を表す。]
【請求項4】
請求項3に記載の構造式におけるYがヒドロキシル基であるときは、R4およびR5の一方は炭素数3~8アルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基またはフェニル基を表す請求項3に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項5】
請求項3に記載の構造式における2個のR1、2個のR2、2個のR3がそれぞれ異なる請求項3に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項6】
6-tert-ブチル-4-[3-[(2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ]プロピル]-2-メチルフェノールである請求項3に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項7】
ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含むポリサルフォン中空糸の粉砕物を成形したペレットである請求項1に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項8】
ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含むポリサルフォン中空糸の粉砕物に、同一分子内にフォスファイト構造とヒンダードフェノール構造とを有する化合物を0.03~1重量部加えて成形したペレットである請求項1に記載の成形機用洗浄剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にかかる成形機用洗浄剤は、ポリサルフォン100重量部を主成分として、ポリビニルピロリドン0.2~5重量部を含有した成形機用洗浄剤である。