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特開2024-34950情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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  • 特開-情報処理装置、情報処理方法およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034950
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20240306BHJP
【FI】
G16H50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139540
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】502136780
【氏名又は名称】中津川 重一
(74)【代理人】
【識別番号】100218062
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】中津川 重一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】患者に適切な薄毛の治療方法を特定する。
【解決手段】情報処理装置は、患者の薄毛の病態に関する病態情報を含む患者情報を学習済モデルに入力することで、当該患者の薄毛を治療するための治療方法を特定する特定部を具備し、前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の薄毛の病態に関する病態情報を含む患者情報を学習済モデルに入力することで、当該患者の薄毛を治療するための治療方法を特定する特定部を具備し、
前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む
情報処置装置。
【請求項2】
患者の勃起障害の病態に関する病態情報を含む患者情報を入力することで、当該患者の勃起障害を治療するための治療方法を特定する特定部を具備し、
前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む
情報処置装置。
【請求項3】
前記患者情報は、患者の検査結果に関する検査情報と、患者の生活に関する生活情報と、患者の身体に関する身体情報と、患者の病気に関する情報とを含む
請求項1または請求項2の情報処理装置。
【請求項4】
前記経過情報は、過去の治療および当該治療の結果に関する情報を含む
請求項1または請求項2の情報処理装置。
【請求項5】
前記経過情報は、現在の病態に至るまでの症状の経時変化に関する情報を含む
請求項1または請求項2の情報処理装置。
【請求項6】
前記患者情報は、前記患者の性格に関する性格情報を含む
請求項1または請求項2の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記特定した治療方法による治療の効果に関する情報を前記学習済モデルに入力することで、前記治療方法を再度特定する
請求項1または請求項2の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記特定した治療方法により治療をした患者の検査結果に関する検査情報を前記学習済モデルに入力することで、前記治療方法を再度特定する
請求項1または請求項2の情報処理装置。
【請求項9】
前記患者情報は、患者が治療について希望する予算に関する情報を含む
請求項1または請求項2の情報処理装置。
【請求項10】
前記患者情報は、患者が治療について希望する治療期間に関する情報を含む
請求項1または請求項2の情報処理装置。
【請求項11】
患者の薄毛の病態に関する病態情報を含む患者情報を学習済モデルに入力することで、当該患者の薄毛を治療するための治療方法を特定し、
前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む
コンピュータにより実現される情報処理方法。
【請求項12】
患者の勃起障害の病態に関する病態情報を含む患者情報を学習済モデルに入力することで、当該患者の勃起障害を治療するための治療方法を特定し、
前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む
コンピュータにより実現される情報処理方法。
【請求項13】
患者の薄毛の病態に関する病態情報を含む患者情報を学習済モデルに入力することで、当該患者の薄毛を治療するための治療方法を特定する特定部としてコンピュータを機能させ、
前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む
プログラム。
【請求項14】
患者の勃起障害の病態に関する病態情報を含む患者情報を入力することで、当該患者の勃起障害を治療するための治療方法を特定する特定部としてコンピュータを機能させ、
前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む
プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、地球規模でのオゾン層破壊による紫外線暴露の増強、地球温暖化、衣類や住環境温度調節の進歩、新型コロナウイルスによるパンデミック、新たなウイルス感染、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、世界大戦の可能性、世界経済の低迷による不安感の蔓延、IT・SASの普及による情報過剰、PTSDなど含め、複雑化の一途を辿る社会環境の変化と共に、本人の意思では制御できない自律神経や内分泌機能などの変化で、動物として本来極めて重要である、体温調節と関連した体毛に関する薄毛や生殖に関わる勃起障害が男性(薄毛に関しては女性も)にとって大きな悩みとなってきた。
【0003】
そこで、薄毛や勃起障害を改善するための各種の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、勃起不全に関する治療方法を特定するためのプログラムが開示されている。具体的には、特許文献1の技術では、患者の状況に応じて疾患のタイプを判別し、判別したタイプに応じた治療法を決定する。そして、判別したタイプが特定のタイプである場合には、心理療法に基づくシステムとの治療のための会話が患者に提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-177707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、薄毛や勃起障害の治療には、現在の病状に至るまでの経過が非常に重要であると考えられる。しかし、特許文献1の技術では、治療方法の特定において、患者の現在の状況は加味されるものの、現在の病態に至るまでの過程が加味されない。したがって、特許文献1の技術では、患者に適切な治療方法を特定するという観点からは、改善の余地がある。以上の事情を考慮して、本発明では、患者に適切な治療方法を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、患者の薄毛の病態に関する病態情報を含む患者情報を学習済モデルに入力することで、当該患者の薄毛を治療するための治療方法を特定する特定部を具備し、前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む。
【0007】
本発明の情報処理装置は、患者の勃起障害の病態に関する病態情報を含む患者情報を入力することで、当該患者の勃起障害を治療するための治療方法を特定する特定部を具備し、前記病態情報は、現在の病態に至るまでの過程に関する経過情報を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報処理装置によれば、現在の病態に至るまでの過程が治療方法の特定に加味されるから、薄毛または勃起不全について、利用者に最適な治療方法を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る情報処理装置の構成を例示するブロック図である。
図2】制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図3】制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図4】変形例に係る情報処理装置の構成を例示する構成図である。
図5】変形例に係る情報処理装置の構成を例示する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の構成を例示するブロック図である。具体的には、情報処理装置100は、患者の薄毛または勃起障害を治療するための治療方法を特定する装置である。なお、勃起障害に関しては利用者の対象は男性であるが、薄毛に関しては利用者の対象は男性だけでなく女性(特に更年期以降の女性)も含む。
【0011】
なお、勃起障害(ED:Erectile Dysfunction)には、勃起不全(勃起機能の低下)の状態、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない(または維持できない)状態、勃起できるか不安になる状態、勃起に満足できない状態などの各種の症状が含まれる。薄毛に関しては、男性だけでなく女性の患者も対象となる。
【0012】
なお、以下の説明では、薄毛と勃起障害との双方を区別する必要がない場合には、単に「対象疾患」と表記する。
【0013】
図1は、本発明の本実施形態に係る情報処理装置100の構成を例示するブロック図である。具体的には、情報処理装置100は、患者の対象疾患を治療するための治療方法を特定する装置である。例えば、スマートフォンおよびタブレット等の可搬型の情報端末、またはパーソナルコンピュータ等の可搬型または据置型の情報端末が、情報処理装置100として好適に利用される。具体的な治療方法については後述する。
【0014】
本実施形態の情報処理装置100は、制御装置11と記憶装置13と表示装置15と操作装置17とを具備する。
【0015】
表示装置15(例えば液晶表示パネル)は、制御装置11による制御のもとで各種の画像を表示する。本実施形態では、情報処理装置100により特定した治療方法を表示する。
【0016】
操作装置17は、操作者(医師等の医療従事者や患者)からの入力を受け付ける入力機器である。例えば、操作者が操作可能な複数の操作子、または、表示装置15の表示面に対する接触を検知するタッチパネルが操作装置17として好適に利用される。
【0017】
制御装置11(コンピュータの例示)は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の単数または複数の処理回路で構成され、情報処理装置100の各要素を統括的に制御する。
【0018】
記憶装置13は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成された単数または複数のメモリであり、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する。また、情報処理装置100に対して着脱可能な可搬型の記録媒体、または情報処理装置100が通信網を介して通信可能な外部記録媒体(例えばオンラインストレージ)を、記憶装置13として利用してもよい。
【0019】
図2は、制御装置11の機能的な構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、本実施形態の制御装置11は、患者の対象疾患(薄毛または勃起障害)の治療方法Kを特定するための複数の機能(取得部112,特定部114,表示制御部116)として機能する。なお、複数の装置の集合(すなわちシステム)で制御装置11の機能を実現してもよいし、制御装置11の機能の一部または全部を専用の電子回路(例えば信号処理回路)で実現してもよい。
【0020】
具体的には、患者に関する各種の情報(以下「患者情報」とうい)Pに応じて、治療方法Kが特定される。本実施形態では、以下の[1]~[5]の情報が患者情報Pに含まれる。
[1]患者の対象疾患の病態に関する情報(以下「病態情報P1」という)
[2]患者の検査結果に関する情報(以下「検査情報P2」という)
[3]患者の生活に関する情報(以下「生活情報P3」という)
[4]患者の身体に関する情報(以下「身体情報P4」という)
[5]患者の病気(対象疾患以外の病気)に関する情報(以下「病気情報P5」という)
【0021】
以下、病態情報P1、検査情報P2、生活情報P3、身体情報P4、および、病気情報P5の具体的な例示を記載する。
【0022】
[病態情報P1]
病態情報P1は、現在の病態に関する情報(以下「現在情報」という)と、現在の病態に至るまでの過程に関する情報(以下「経過情報」という)とを含む。
【0023】
現在情報は、例えば、性的刺激により勃起するか、勃起が維持できる時間、勃起できる自信があるか、性交が行える程度の硬さがあるか、勃起が起こらない頻度、または、勃起への満足度に関する情報などである。
【0024】
経過情報は、例えば、現在の病態に至るまでの症状の経時変化(症状そのものの変化、重症度の変化や再発の有無も含む)、過去の治療(例えば治療方法、治療時期・期間など)および当該治療の結果(例えば改善したか、または、本人の意思の有無に関わらず中断したかなど)などに関する情報である。
【0025】
ただし、病態情報P1に含まれる情報は、患者の対象疾患の病態に関する情報であれば、以上の例示に限定されない。
【0026】
[検査情報P2]
検査情報P2は、各種の検査(例えば、血圧測定、CAVI検査、不整脈含め脈拍数測定、体温測定、心電図、男性ホルモン・女性ホルモン等含む血液検査、脂肪肝の経過観察の為の腹部超音波検査、眼底検査、頭部・頚部・心臓MRI検査、心臓X線CT検査、頸動脈超音波検査、遺伝子検査など)の結果を表す情報である。ただし、検査情報P2に含まれる情報は、以上の例示に限定されない。
【0027】
[生活情報P3]
生活情報P3は、自律神経のバランスに重要である睡眠(睡眠時間、起床時間、就寝時間、熟睡度など)、食事(食事時間、内容、回数、間食の有無、外食の頻度、食の好みなど)、ストレス(家庭・学校・仕事での対人関係でのストレスの有無)、入浴(時間、温度、サウナの利用の有無、シャワーのみかなど)、嗜好品(飲酒・喫煙の有無・一日当たりのたばこの本数・タイミング(特に入眠4時間以内の本数)、牛乳・ヨーグルト・お茶(濃いお茶か薄いお茶かなども含む)・ジュース・コーヒーの摂取回数・摂取量・タイミング(特に午後3時以降の摂取量))、運動(運動習慣の有無、内容など)、仕事(内容、勤務時間帯など)、学校、および、家族(同居家族の年齢・性別、介護家族の有無、配偶者の有無、親族構成など)に関する情報のうち少なくとも1つを含む。
【0028】
薄毛の場合には、例えば、日常的な太陽光の曝露や帽子の着用や、ウイルス性又は脂漏性皮膚炎、アトピーを含む頭皮の慢性炎症や物理的刺激に関する情報を生活情報P3が含む構成が好適である。
【0029】
ただし、生活情報P3に含まれる情報は、以上の例示に限定されない。例えば、1日の消費・摂取カロリーに関する情報、排尿(昼および夜での回数など)・排便に関する情報等が生活情報P3に含まれてもよい。また、過去の喫煙、過去の飲酒、過去の運動等の患者の過去の生活に関する情報を生活情報P3として含んでもよい。
【0030】
[身体情報P4]
身体情報P4は、年齢、身長、体重(急激な体重変化であるか慢性的な肥満であるか等の体重の変化を含む)、BMI(Body Mass Index)、体組成(例えば、筋肉量、体脂肪率)、および、腹囲に関する情報のうち少なくとも1つを含む。
【0031】
ただし、身体情報P4に含まれる情報は、以上の例示に限定されない。例えば、患者の部位毎について計測した結果(例えば四肢の筋肉量)等が身体情報P4に含まれてもよい。なお、対象疾患が薄毛である場合には、さらに性別等を身体情報P4が含んでもよい。
【0032】
[病気情報P5]
病気情報P5は、病歴(現病歴および既往歴を含む)、および、自覚症状(対象疾患に関するものを除く)に関する情報のうち少なくとも1つを含む。病歴は、例えば、現在罹患している、または、過去に罹患した各種の病気(不整脈等の心臓病、呼吸器疾患、肝疾患、腎臓病、自律神経失調症、運動機能障害、悪性腫瘍、内分泌疾患、うつ・統合失調症、高血圧症、脳卒中、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、高度脳機能障害、脂質異常、高尿酸血症、脂肪肝、肝嚢胞、睡眠時無呼吸症候群、腎嚢胞、肺気腫、水腎症、LOH症候群(男性更年期障害)、貧血、喘息など)、帯状疱疹、メタボリック症候群、頭部外傷、感染症、慢性炎症、自己免疫疾患、PTSDなどに関する情報の他に、合併疾患(例えば、ストレートネック、椎間板ヘルニア・変形性脊椎症など脊椎症、慢性扁桃腺炎、副鼻腔炎、症候性肥満、うつ、統合失調症、甲状腺機能低下症、クッシング症候群、心血管疾患、1型糖尿病(自己免疫性を含む)、耐糖能異常、2型糖尿病、小児糖尿病、摂食障害など)に関する情報、現在服薬中の薬剤に関する情報、薬剤の副作用に関する情報、アレルギーに関する情報等も含む。なお、過去の病歴には、上記各種の病気の経時的な変化を含む。特に、薄毛や勃起障害が合併症として引き起こされる糖尿病、脳卒中や脂肪肝の病気に関する情報を含むことが好ましい。
【0033】
自覚症状は、例えば、過食、体重増加、頻脈、動悸、息切れ、むくみ、火照り、咳・痰、乏尿、頸静脈怒張、発作性夜間呼吸困難、頻呼吸、起座呼吸、夜間咳嗽、労作性呼吸困難、右季肋部痛、膨満感、食欲不振、心窩部不快感、意識障害、不穏、記銘力低下、耳鳴り、めまい・立ちくらみ、自律神経失調傾向、倦怠感、疲れが取れない、咽頭違和感、慢性疼痛、膝痛・腰痛、起床時頭痛、胸焼け、胃もたれ、便秘・血便・黒色便、ニキビ等何らかの皮膚症状、手足のしびれ、筋肉のこり、多汗、口の渇き、下肢静脈瘤、排尿痛、残尿感、血尿、疼痛、乳腺のしこり、乳頭分泌、腫脹など女性ホルモン投与時の副作用、吐き気、血圧上昇、片(偏)頭痛、頭のモヤモヤ違和感、歯痛、歯茎からの出血など歯周病、薄毛、不安、抑うつ、不定愁訴などである。
【0034】
なお、対象疾患が薄毛である場合には、皮膚の感染症(新型コロナウイルス感染症、帯状疱疹など含む)、アトピー性皮膚炎、過去の頭部における火傷や熱傷、腫瘍の放射線治療や化学療法に関する情報を病気情報P5が含む構成が好適である。
【0035】
ただし、病気情報P5に含まれる情報は、以上の例示に限定されない。例えば、血縁者(例えば3親等くらいまで)に高血圧症、心臓病、脳卒中、くも膜下出血、脳出血或いは脳梗塞、大動脈瘤或いは解離、肥満、(2型)糖尿病、脂質異常、悪性腫瘍(特に大腸、膵臓、腎臓、甲状腺、乳腺の腫瘍)等に罹患している者がいるか等の親族に関する病歴も病気情報P5に含まれる。
【0036】
患者情報P(P1-P5)は、患者または担当者(典型的には医師等の医療従事者)による操作装置17の操作のもと、事前に記憶装置13に記憶される。
【0037】
取得部112は、記憶装置13に記憶された患者情報P(P1-P5)を取得する。
【0038】
特定部114は、取得部112が取得した患者情報P(P1-P5)に応じて治療方法Kを特定する。具体的には、特定部114は、患者情報P(P1-P5)を学習済モデルMに入力することで、患者の対象疾患を治療するための治療方法Kを特定する。本実施形態では、事前に用意された複数の治療方法のうちの何れかを患者の対象疾患を治療するための治療方法Kとして特定する。複数の治療方法は、患者に提示する治療方法Kの候補であるとも換言できる。特定部114により特定された治療方法Kは、患者に推奨される治療方法である。
【0039】
患者に推奨される治療方法Kの候補となる複数の治療方法は、例えば、以下の[1]~[6]の治療方法である。
[1]生活習慣改善療法
[2]心理療法
[3]認知行動療法
[4]教育入院
[5]専門診療科の受診
[6]薬物療法
【0040】
[1]生活習慣改善療法は、例えば、食事指導、運動指導(例えば有酸素運動の指導)、および、睡眠環境の指導(例えば入浴時間やアルコールの摂取等の睡眠前の過ごし方などの指導)等を行うことで生活習慣を改善させる療法である。食事指導には、例えば、特に朝食時の高タンパク食の摂取、各種のサプリメント(例えば亜鉛等のミネラル類、ビタミン類)の摂取量などの指導が含まれる。
【0041】
その他に、脳内セロトニン分泌量を上昇させる生活習慣の指導(朝の日光を30分以内浴びる、食事等でトリプトファンを摂取する、食物線維を取ることで腸内環境を整える、歌を歌うことで腹式呼吸により呼吸を整える、歩行やダンスなどリズム運動を行う、映画等で感動して涙を流す、好きな音楽を聴く、歌う、ガムを噛む、瞑想する、親しい人と会話する、働き方を変えるなど)も生活習慣改善療法に含まれる。なお、対象疾患が薄毛の場合には、頭部のマッサージの指導を行ってもよい。
【0042】
[2]心理療法(個人)および[3]認知行動療法(団体)は、教示、対話および訓練を通して認知、情緒および行動などに変化をもたらすことで精神面から対象疾患を改善するための療法である。
【0043】
[4]教育入院は、生活習慣(食生活、運動習慣、入浴習慣等)や喫煙習慣を見直すことで対象疾患を改善することを目的とした入院である。なお、食生活の見直しでは、例えば食事内容、食事時間、コーヒーやカフェイン摂取量や摂取時間などの見直しが含まれる。運動習慣の見直しでは、筋トレなど激しい無酸素運動の質量・時間、ウォーキングなど有酸素運動の従続時間・タイミングの見直しが含まれる。
【0044】
[5]専門診療科の受診は、例えば、循環器科、腎臓内科、糖尿病・代謝・内分泌専門医、精神神経科、神経内科、脳神経外科、整形外科、消化器外科、各種依存症外来(ニコチン・アルコール・薬剤依存など)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来、不眠症外来などの専門診療科の受診である。
【0045】
[6]薬物療法は、例えば、対象疾患を改善するための各種の医薬品を使用する療法である。なお、薬物療法を特定する場合には、具体的な医薬品の種類も特定してもよい。薬物療法に使用する医薬品には、対象疾患に使用される任意の医薬品やストレス治療薬が例示される。なお、対象疾患が薄毛の場合には、薬液(例えば育毛剤、成長因子、ホルモンなど)の新規投与法による局所注射も薬物療法に含まれる。なお、内分泌治療を用いる場合、例えば勃起障害に対しての男性ホルモン投与では前立腺がん等のリスクが、薄毛(特に女性の場合)に対しての女性ホルモン投与では、乳がん等のリスクが高まることが知られており、内分泌治療前後に様々ながん検診を受けることが推奨される。
【0046】
学習済モデルMは、統計的推定モデル(例えばニューラルネットワーク)であり、入力Aに応じた出力Bを生成する。具体的には、学習済モデルMは、入力Aから出力Bを特定する演算を制御装置11に実行させるプログラム(例えば人工知能ソフトウェアを構成するプログラムモジュール)と、当該演算に適用される複数の係数との組合せで実現される。学習済モデルMの複数の係数は、入力Aと出力Bとを対応させた複数の教師データを利用した事前の機械学習(深層学習)により最適化されている。すなわち、学習済モデルMは、入力Aと出力Bとの間の関係を学習した統計的推定モデルである。学習済モデルMは、機械学習に使用した複数の教師データに潜在する傾向(入力Aと出力Bとの間の関係)のもとで入力Aに対して統計的に妥当な出力Bを生成する。
【0047】
本発明において、入力Aは患者情報P(P1-P5)であり、出力Bは対象疾患の治療方法Kである。例えば、過去に対象疾患の治療を行った患者の患者情報P(P1-P5)と、当該患者が実際に対象疾患を改善することができた治療方法とを対応させた教師データが機械学習に利用される。
【0048】
具体的には、特定部114は、学習済モデルMに患者情報P(P1-P5)を入力し、当該学習済モデルMが出力した結果(すなわち複数の治療方法のうちの何れか)を、患者の治療方法Kとして特定する。なお、患者について特定した治療方法Kと、当該治療方法Kの特定に利用した患者情報Pとは、記憶装置13に記憶される。
【0049】
表示制御部116は、特定部114が特定した治療方法Kを表示装置15に表示させる。
【0050】
図3は、患者情報P(P1-P5)から治療方法Kを特定する処理を例示するフローチャートである。例えば、担当者(典型的には医療従事者)からの指示を契機として図3の処理が開始される。
【0051】
取得部112は、記憶装置13に記憶された患者情報P(P1-P5)を取得する(SA1)。特定部114は、取得部112が取得した患者情報P(P1-P5)から患者の対象疾患の治療方法Kを特定する(SA2)。具体的には、特定部114は、学習済モデルMに患者情報P(P1-P5)に入力した出力を患者に最適な治療方法Kとして特定する。表示制御部116は、特定部114が特定した治療方法Kを表示装置15に表示させる。
【0052】
以上の説明から理解される通り、本発明では、学習済モデルMに患者情報Pを入力することで患者の対象疾患を改善するための治療方法Kが特定されるから、患者の個別の事情を加味して適切に治療方法Kを特定することが可能である。すなわち、患者に個別最適化された治療方法Kが提供される。
【0053】
本実施形態では、現在情報に加えて経過情報を病態情報P1が含むことで、現在の病態にいたるまでの経過(患者の勃起不全に関する過去)を加味して治療方法Kが特定されるから、現在情報のみを病態情報P1が含む構成と比較して、患者に適切な治療方法Kを特定することが可能である。
【0054】
また、対象疾患(薄毛および勃起障害)は、生活習慣(睡眠不足、食生活や運動習慣など)、環境面(ストレスなど)、ホルモンバランスの乱れ、病気、遺伝や肥満などの各種の要因が複合的にかさなって引き起こされると考えられる。本実施形態では、病態情報P1に加えて、検査情報P2、生活情報P3、身体情報P4および病気情報P5を患者情報Pが含むことで、個別最適化された治療方法が特定できるという利点がある。
【0055】
<変形例>
以上に例示した形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
【0056】
(1)前述の各形態において、患者情報Pは、患者または担当者(医療従事者)が入力する。例えば、患者自身で入力が可能な患者情報P(例えばP1,P3,P4,P5)は患者が入力し、担当者でなければ入力が不可能な患者情報P(例えばP2)は担当者が入力することが想定される。したがって、例えば、図4に例示する情報処理装置100の構成も採用される。
【0057】
図4では、サーバ装置を情報処理装置100として使用する。図4のサーバ装置は、患者Uの端末装置Gおよび担当者Dの端末装置Gとそれぞれインターネット等の通信網Nを介して相互に通信可能である。患者Uおよび担当者Dは、それぞれ自身の端末装置Gにより患者情報Pを入力し、入力した患者情報Pは情報処理装置100に送信される。そして、情報処理装置100で治療方法Kを特定し、当該治療方法Kが患者Uの端末装置Gおよび担当者Dの端末装置Gに送信される。
【0058】
また、図5に例示される通り、例えば、担当者Dの端末装置Gに情報処理装置100の機能を搭載してもよい。以上の構成では、患者Uの端末装置Gから入力された患者情報Pが担当者Dの端末装置Gに送信される。なお、図4および図5の構成の何れにおいても、患者Uの端末装置Gに治療方法Kを送信することは必須ではない。
【0059】
(2)前述の各形態において、患者が各種の患者情報Pを入力するための情報端末(例えばタブレットまたはスマートフォン)を情報処理装置100とは個別に用意してもよい。以上の構成では、情報処理装置100と当該情報端末とは、インターネット等の通信網または近距離無線通信を介して相互に通信可能である。端末装置により患者に入力された患者情報Pは情報処理装置100に送信される。情報処理装置100は、端末装置から送信された患者情報Pを利用して治療方法Kを特定する。
【0060】
また、例えばインターネット等の通信網を介して端末装置(例えばタブレットまたはスマートフォン)と通信するサーバ装置により情報処理装置100を実現してもよい。以上の構成では、端末装置から患者情報Pが情報処理装置100に送信され、情報処理装置100は患者情報Pを利用して治療方法Kを特定する。そして、特定した治療方法Kを端末装置に送信する。
【0061】
(3)患者が自身の端末装置において患者情報Pを入力する構成においては、例えば、変化し得る患者情報Pについては、患者に特定の周期で(例えば毎日)患者情報Pを入力させてもよい。例えば、食事に関する情報(例えば食事の内容や量)、嗜好品に関する情報(例えば飲酒の有無や量)、睡眠(例えば時間、質、睡眠の状態)に関する情報、運動(例えば運動の有無や内容)に関する情報、入浴(例えば時間)に関する情報、体重に関する情報、体調(例えば疲労感や頭痛の有無)に関する情報、現在行っている治療方法Kに対する感想・満足度などは、日々変化し得る。
【0062】
情報処理装置100は、患者により毎日入力された上記の患者情報Pを学習済モデルに入力して、治療方法Kを特定してもよい。また、情報処理装置100は、患者が患者情報Pを入力する度に治療方法Kを再度特定(すなわち更新)してもよい。すなわち、新規の患者情報Pが入力されたことを契機として、治療方法Kを特定する処理が再度実行される。特定部114は、学習済モデルMに入力する患者情報Pが更新された場合に、当該更新後の患者情報Pを学習済モデルMに入力することで治療方法Kを再度特定する要素として機能する。したがって、患者の変化を加味して適切に治療方法Kを特定することが可能である。
【0063】
なお、患者の睡眠の状態は、天候、季節、温度および湿度等の気候に応じても変化し得るから、患者情報Pと気候と学習済モデルMに入力して、治療方法Kを特定してもよい。
【0064】
さらに、情報処理装置100は、所定の期間毎にわたる患者情報Pの変化(例えば、所定の期間にわたる患者情報Pの平均、直前の期間における患者情報Pとの比較など)を加味して治療方法Kを特定してもよい。以上の通り、患者情報Pは、最初の治療方法Kを特定する前(すなわち治療前)と、特定後の治療方法Kに基づく治療中との双方において、入力され得る。そして、治療方法Kが特定された後も、患者情報Pが入力(更新)される度に治療方法Kが再度特定(更新)される。したがって、治療前、治療中随時、患者情報Pを学習済モデルに入力することで、その時々で個別最適化された治療方法Kが特定されるという利点がある。
【0065】
(4)対象疾患(薄毛および勃起障害)は、治療を中断すると再発する可能性が高い。特定した治療方法Kによる治療の経過を十分に観察し、追加治療の必要性を絶えず考慮する必要がある。以上の事情を考慮して、特定した治療方法Kによる治療の効果に関する情報を学習済モデルMに入力することで、治療方法を再度特定する構成が好適である。治療の効果に関する情報は、例えば、対象疾患が改善したか否か、どのように改善したか(例えば側頭部に発毛があったなど)、合併症や副作用の有無(薬物療法の場合)などである。治療方法の再度の特定は、治療方法Kを特定した後、所定期間毎(例えば1~2ヵ月毎)に行う構成が好適である。
【0066】
また、特定した治療方法Kで治療をした患者の状態を適切に把握するために、治療の効果に関する情報とともに、再度、患者に検査行って、当該検査の結果を表す検査情報P2も学習済モデルMに入力することで、治療方法を再度特定してもよい。以上の構成によれば、治療の効果と当該治療による患者の状態とを適切に加味して、治療方法Kを再度特定することが可能である。
【0067】
(5)前述の各形態において、例えば、治療方法Kによる治療中の患者は、体調、仕事でのストレス、運動時間・内容、食事時間・内容、飲酒の有無・量、入浴時間・内容等、睡眠時間・内容(目覚め回数、夜間のトイレ回数など含め)、起床時の体調、快眠感・頭痛・乾きなど症状等の日々変化し得る情報を情報処理装置100に日々入力する。そして、特定部114は、連日にわたり入力された情報を加味して、治療方法Kを特定してもよい。
【0068】
(6)前述の形態では、病態情報P1、検査情報P2、生活情報P3、身体情報P4および病気情報P5の全てを含む患者情報Pを例示したが、患者情報Pは少なくとも病態情報P1を含めばよい。また、患者情報Pにおいて病態情報P1以外に含まれる情報は任意である。ただし、患者の個別の事情を加味して最適な治療方法Kを特定するという観点からは、病態情報P1の他に、検査情報P2、生活情報P3、身体情報P4および病気情報P5の少なくとも1つを患者情報Pが含む構成が好適である。
【0069】
また、以上に例示にした患者情報P(P1-P5)の他に、患者に関する各種の情報が患者情報Pに含まれる。
【0070】
例えば、患者によっては、薬物療法は希望せず、生活習慣改善療法や心理療法等を中心に睡眠障害を改善したいというような要望もある。したがって、患者情報P(P1-P5)に加えて、患者自身が所望する治療方法Kに関する情報を学習済モデルに入力してもよい。
【0071】
薄毛について患者が女性である場合には、妊娠(妊娠の有無など)、出産(出産・授乳歴の有無など)、月経(周期、閉経の時期、初潮の時期など)、女性特有の疾患(例えば、乳がん、乳腺炎、子宮がん、子宮筋腫、子宮内膜症、貧血、卵巣がん、卵巣嚢腫、甲状腺がんなど)、更年期障害、不妊に関する情報を患者情報P(病気情報P5)として含める構成が好適である。さらには、経口避妊薬を飲んでいるか、豊胸手術をしたことがあるか、子宮内避妊具を使用しているか、アフターピルを使用しているか、更年期症状があるか、家庭内暴力があるか、家事・育児・介護等・家庭内にトラブルがあるか、恋愛中か、失恋したか、職場環境に問題があるか、相談相手がいるか、困った時には自分で抱え込むか、乳がん・子宮がん・大腸がん検診を受けたことがあるか、乳がん・子宮がん・大腸がんの精密検査を受けたことがあるか等を患者情報Pに含ませてもよい。
【0072】
(7)人の話を素直に聞けない場合には心理療法に不向きであり、集団での話し合いが苦手の場合には認知行動療法に不向きであり、自己制御ができない場合には食事療法や運動療法に不向きであり、薬物依存傾向にある場合には薬物療法に不向きであると考えられる。
以上の事情を考慮して、患者情報Pに患者の性格に関する情報(例えば、人の話を素直に聞けるか否か、集団での話し合いが苦手か否か、自己制御ができるか否か、薬物依存傾向にあるか否かなど)含める構成が好適である。以上の構成によれば、患者の性格を踏まえて治療方法Kを特定できるという利点がある。
【0073】
また、各種の問診に対する回答を患者情報Pとして含んでもよい。問診は、例えば、現在の生活・環境(身体的健康状態、精神的或いは心理的健康状態、交友関係、経済的状態、家庭環境学校生活、成績、学校環境、職場生活、職場環境)の満足度や、国内・世界状況(現在および将来を含む)・将来の政界状況・新型コロナウイルス感染症への安心度、または、現在の不安感、過去における治療の有無(もし治療をしていたが失敗をしている場合にはその原因)、経過観察中であるか否か等を問う内容である。
【0074】
(8)治療方法Kの候補となる複数の治療方法は、上記の[1]~[6]には限定されない。例えば、経過観察を治療方法Kの候補としてもよい。また、例えば、各治療方法をさらに細分類化したものを治療方法Kの候補となる複数の治療方法としてもよい。
【0075】
なお、特定部114は、薬物療法を患者に適切な治療方法Kとして特定する場合には、学習済モデルを利用して具体的な薬剤を特定してもよい。
【0076】
また、特定部114は、生活習慣改善療法を患者に適切な治療方法Kとして特定する場合には、具体的な食事の内容(例えば、糖質やタンパク質等の各栄養素の摂取量)や、具体的な運動の内容(例えば、有酸素運動の運動時間、無酸素運動の運動時間、無酸素運動を行うべき部位)等を治療方法Kとして特定してもよい。
【0077】
(9)前述の形態では、複数の治療方法(検査,生活習慣改善療法,心理療法,認知行動療法,薬物療法,教育入院,専門診療科の受診,経過観察)のうち患者に統計的に妥当な治療方法Kを特定したが、例えば、複数の治療方法において患者に妥当な順番を特定してもよい。すなわち、学習済モデルMの出力は所定の治療方法Kには限定されない。なお、学習済モデルMの出力に応じて、機械学習に利用される教師データも適宜に変更し得る。
【0078】
また、特定部114は、複数の治療方法のうちの2以上の治療方法を特定してもよい。例えば、学習済モデルが出力した患者に妥当な治療方法の順番において上位にある2以上の治療方法が特定される。以上の説明から理解される通り、特定部114は、複数の治療方法のうちの少なくとも1つを特定する要素として機能する。
【0079】
(10)患者情報Pのうち患者により入力可能な患者情報Pは、例えば、問診に対する回答として情報処理装置100に入力させる構成が好適である。各患者情報Pに対応する問診は、端末装置の表示制御部116により表示装置15に表示させる。問診に対する回答は、複数の選択肢から選択させる構成でも任意に記載させる構成でもよい。なお、患者による患者情報Pの入力は、患者の端末装置を介して行ってもよい。
【0080】
なお、対人恐怖や人間不信が著しい場合には、ロボットによる合成音声による問診、無人問診室で患者自身によるタブレット入力による問診が考慮されるべきで、本発明の主要な要素の一つである。また、効率的に運用する目的で、バーチャルリアリティーの手法を取り込むことも重要である。例えば、待合室などでの待ち時間に、患者情報Pの入力の参考にする観点、患者がどの治療方法が好ましく向いているかを検討する観点から、バーチャル健康健診(問診、血液検査、画像診断、内科診察)、バーチャル心理療法・バーチャル認知行動療法、バーチャル食事指導・運動指導、バーチャル教育入院(断食療法を含む)等を見ることが好ましい・
【0081】
ただ、患者の状態を観察する目的、安全を確保する目的で防犯カメラによる観察が、患者の同意のもとでの必要である。原則的には、看護師或いは保健師による問診、病歴確認が必要で、その際、受け答えの状態など含めて、気づいた点を担当者のみ入力可能な(パスワード或いは指紋・顔認証による本人確認後入力)ページに入力し、担当者間で情報共有することでその後の検査、診察をスムーズに行えるようにする。
【0082】
(11)前述の各形態において、患者情報Pを学習済モデルに入力して、対象疾患の原因(例えばホルモンバランスの乱れ、自律神経のバランスの乱れ、または、疾患、薬剤による副作用、ストレスなど)を特定するための処理部を具備してもよい。
【0083】
また、処理部が、患者の勃起障害のタイプを特定してもよい。例えば、複数のタイプ(例えば、血管や神経の障害が原因となる器質性、精神的なストレスが原因となる心因性、血管や神経の障害と精神的なストレスとの双方が原因となる混合性、および、常用している薬の副作用が原因となる薬剤性)のうち、患者の勃起障害のタイプが特定される。
【0084】
(12)前述の形態に係る情報処理装置100は、コンピュータ(具体的には制御装置11)とプログラムとの協働により実現される。前述の形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を含み得る。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。また、通信網を介した配信の形態でプログラムをコンピュータに提供することも可能である。
【0085】
また、本発明は、患者情報P(P1-P5)を学習済モデルに入力することで、当該患者の薄毛または対象疾患を改善するための治療方法Kを特定する、コンピュータにより実現される情報処理方法としても特定される。
【0086】
(13)対象疾患は、症状発現からの原因、症状の重症度変化と共に治療或いは対処後の経過・年単位での再発を含めての時間経過が治療効果に非常に大きな意味を持つ。薄毛に関しては、太陽光或いは紫外線の暴露、帽子など血流障害、ウイルス感染症やがんの化学療法・放射線治療の合併などの要因も、大きな影響を与える。
【0087】
体毛或いは頭髪は、体温の保持や集団におけるリーダーとしての威厳を保つなど動物として本来維持してきた形質で、また生殖行動も、また動物本来の繁殖の為の機能でもあった。しかし、現在では、社会環境の変化と共に、本人の意思では制御できない自律神経系や内分泌機能などの変化で、対象疾患(薄毛や勃起障害)が、男性または更年期以降の女性にとって、大きな悩みとなってきた。この自律神経系や内分泌機能は、睡眠に大きく影響されることはよく知られている。以上の事情を考慮して、患者の睡眠に関する情報を生活情報P3が含む構成が好適である。
【0088】
患者の睡眠に関する情報は、睡眠障害に関する自覚症状(例えば睡眠不足感、アルコールなしでは眠れないなど入眠が難しい、早朝覚醒、いびき、起床時口内乾燥感、頭痛・頭重感がある、爽快感がない、倦怠感、疲れが取れない、日中の眠気(エプワース眠気尺度)、寝返りの有無などに関する自覚症状)、睡眠時間(例えば、時間帯、起床時刻、就寝時刻、昼寝や二度寝の時間等を含む)、睡眠環境(例えば騒音・振動・煙・埃・塵・匂い・花粉の有無、住居周囲の照明の有無、標高、近隣における河川・海・国道・高速道路・鉄道の有無、個室/相部屋、隣室との間の壁の性状)、および、睡眠内容(例えば睡眠の質、睡眠の深さ、中途覚醒の回数、夜間のトイレ回数、寝返りのうちやすさなど)、日中の集中力・持続力など生産性を含む。
【0089】
以上の構成においては、治療方法Kの複数の候補に、睡眠環境の改善の提案が含む。睡眠環境の改善の提案には、例えば、睡眠環境を改善するための各種の製品の使用を推奨する。例えば、アイマスク、遮光カーテン、耳栓、寝具、睡眠時に着用する衣類などの製品の使用が提示される。
【0090】
(14)肥満と睡眠とには深い関係がある。そこで、治療方法Kを特定するにあたって、睡眠促進因子と覚醒促進因子と食欲促進因子と食欲抑制因子とのバランスが取れているかを考慮する構成も採用される。具体的には、以下の通りである。
【0091】
因子(睡眠促進因子,覚醒促進因子,食欲促進因子,食欲抑制因子)に関する各項目について1~5の何れかのスコアを付ける。
【0092】
例えば、例えば、睡眠促進因子または食欲抑制因子が十分であれば、1どちらとも言えない場合には3、覚醒促進因子または食欲促進因子が強ければ5というようにスコアを付ける。各因子について付されたスコアを学習済モデルMに入力することで、治療方法Kを特定してもよい。
【0093】
各因子におけるスコアの付け方は、例えば、以下の通りである。以下の複数の項目の各々についてスコアが付けられる。なお、各項目のAに該当する場合には、睡眠促進因子・食欲抑制因子覚醒促進因子・食欲促進因子が十分であると判断して、1を付ける。一方で、各項目のBに該当する場合には、覚醒促進因子・食欲促進因子が高いと判断して、5を付ける。AおよびBの何れにも該当しない場合には3を付ける。なお、以下の各項目は例示であり、その他の項目も適宜に採用される。
【0094】
スコア(合計)を複数の段階に区分して、当該区分毎に最適な治療方法Kが特定される。スコアが高いほど問題があると判断されるため、より専門的な治療方法Kが特定される。治療方法Kを特定するにあたって、例えば、長期的にわたり因子について問題が多いと、体重を減少させ体調を改善するのが難しく、生活習慣の見直し等の必要があるため、それも加味して治療方法Kを特定する。
【0095】
<長期的な背景:幼少期>
項目(a1)
A:環境(経済的、住環境、家族関係)が安定
B:環境(経済的、住環境、家族関係)が不安定
項目(a2)
A:家族が健康で、食事・運動バランスが良かった。
B:家族に肥満の上、通院或いは入院中の病気の方がいた。
項目(a3)
A:家族の健康の知識・情報が十分だった。
B:家族の健康の知識・情報が不十分だった。
項目(a4)
A:家族に喫煙や飲酒をする人がいなかった。
B:家族に喫煙や飲酒をする人がいた。
項目(a5)
A:運動が好きで、疲れて8時間以上よく眠れた。
B:運動が苦手で、睡眠が6時間程度以下と短かった。
項目(a6)
A:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが安定。
B:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが不安定。
項目(a7)
A:体重は標準体重か下回っていた。
B:体重が増え、肥満か肥満傾向にあった。
【0096】
<中長期的な背景:主に学校(生徒・学生)時代>
上記の項目(a1)~(a7)に加えて、例えば下記の項目が採用される。
項目(b1)
A:栄養のことに気を配ることができた。
B:栄養のことなど構う余裕がなかった。
項目(b2)
A:通学時間が短かく疲れを感じなかった。
B:通学時間が長く、いつも疲れて居眠りもしていた。
項目(b3)
A:ストレスは少なく、適度の有酸素運動など解決策を編み出していた。
B:ストレスが多く、食事や間食など口にすることで解決した。
項目(b4)
A:友人も多く、ストレスが少なかった。
B:人付合いが苦手で、苛め等ストレスがあった。
項目(b5)
A:授業内容が理解でき学業成績も良かった。
B:授業内容が理解できず、学業成績が悪かった。
項目(b6)
A:体重は標準体重以内で安定していた。
B:体重の増加・減少を繰り返し、平均して標準体重を超えていた。
【0097】
<中期的な背景:主に社会に出てからの期間>
項目(c1)
A:友人も多く、ストレスが少なかった。
B:人付合いが苦手で、苛め等ストレスがあった。
項目(c2)
A:恋愛など異性との付き合いも問題ない。
B:異性との付き合いもうまく行かなかった。
項目(c3)
A:業務内容が理解でき業務成績も良かった。
B:業務内容が理解できず、業務成績が悪かった。
項目(c4)
A:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが安定。
B:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが不安定。
項目(c5)
A:帰宅後食事を済ませ、入浴後、スマートフォンやパソコン等せずに就寝する。
B:帰宅後、まず入浴し、食事をし、喫煙しながらコーヒーを飲み、スマートフォンやパソコン等しながら寝床に入る。
項目(c6)
A:喫煙や飲酒を経験しなかった。
B:喫煙や飲酒を始めてしまった。
項目(c7)
A:通勤時間が短く疲れを感じなかった。
B:通勤時間も長く、いつも疲れて居眠りした。
項目(c8)
A:ストレスは少なく、適度の有酸素運動など解決策を編み出していた。
B:ストレスが多く、食事や間食など口にすることで解決した。
項目(c9)
A:体重は標準体重以内で安定していた。
B:体重の増加・減少を繰り返し、平均して標準体重を超えていた。
【0098】
<短期的な背景:数ヶ月以内>
項目(d1)
A:環境(経済的、住環境、家族関係)が安定。
B:環境(経済的、住環境、家族関係)が不安定。
項目(d2)
A:家族が健康で、食事・運動バランスが良かった。
B:家族に通院或いは入院中の病気の方がいた。
項目(d3)
A:家族の健康の知識・情報が十分だった。
B:家族の健康の知識・情報が不十分だった。
項目(d4)
A:栄養のことに気を配ることができた。
B:栄養のことなど構う余裕がなかった。
項目(d5)
A:体重は標準体重か下回っていた。
B:体重が増え、肥満か肥満傾向にあった。
項目(d6)
A:家族に喫煙や飲酒をする人がいなかった。
B:家族に喫煙や飲酒をする人がいた。
項目(d7)
A:運動が好きで、疲れて8時間以上よく眠れた。
B:運動が苦手で、睡眠が6時間以下と短かった。
項目(d8)
A:疼痛なく、運動しても平気。
B:腰痛や膝痛で歩けなくなって運動すること自体がストレスになり、運動量減少。
項目(d9)
A:友人も多く、ストレスが少なかった。
B:人付合いが苦手で、苛め等ストレスがあった。
項目(d10)
A:恋愛など異性との付き合いも問題ない。
B:異性との付き合いもうまく行かなかった。
項目(d11)
A:業務内容が理解でき業務成績も良かった。
B:業務内容が理解できず、業務成績が悪かった。
項目(d12)
A:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが安定。
B:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが不安定。
項目(d13)
A:健康で、手術や治療を受けずにいた。
B:他の疾病の為の手術や治療を受けていた。
項目(d14)
A:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが安定。
B:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが不安定。
項目(d15)
A:喫煙や飲酒を経験しなかった。
B:喫煙や飲酒を始めてしまった。
項目(d16)
A:通勤時間が短く疲れを感じなかった。
B:通勤時間が長く、いつも疲れていた。
項目(d17)
A:ストレスは少なく、安定している。
B:ストレスが強く、運動する時間もないので、ついつい食事・間食を口にすることで、ストレス解消をしている。
項目(d18)
A:体重は標準体重以内で安定している。
B:体重の増加・減少を繰り返し、平均して標準体重を超えている。
【0099】
<短期的な背景:2-3週間以内>
上記の項目(d1)~(d18)に加えて、例えば、以下の項目が採用される。
項目(e1)
A:業務内容が理解でき業務成績も良かった。
B:業務内容が理解できず、業務成績が悪かった。
項目(e2)
A:仕事の上で、高い評価を受けて居る。
B:仕事上、ミスが重なり、批判を浴びている。
項目(e3)
A:出張やプレゼンがなく、ストレスがない。
B:出張、プレゼン等緊張を強いられストレス有り。
項目(e4)
A:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが安定。
B:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが不安定。
項目(e5)
A:健康で、手術や治療を受けずにいた。
B:他の疾病の為の手術や治療を受けていた。
項目(e6)
A:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが安定。
B:夕食、入浴、就寝時間など生活リズムが不安定。
項目(e7)
A:喫煙や飲酒を経験しなかった。
B:喫煙や飲酒を始め、或いは再開してしまった。
項目(e8)
A:通勤時間が短かく疲れを感じなかった。
B:通勤時間が長く、いつも疲れて居眠りもする。
項目(e9)
A:最近もストレスは少なく、安定している。
B:特に最近ストレスが強く、運動する時間もない。
項目(e10)
A:体重は標準体重以内で安定していた。
B:体重は増加し、或いは減少しているが、平均して標準体重を超えている。
【0100】
<ごく短期的な背景:直近の2、3日以内>
上記の項目(d1)~(d18)や項目(e1)~(e10)と同様の項目が採用される。
【0101】
なお、肥満に対して影響力がある項目(例えば項目(a)~(c))については、適宜に重みづけをしてスコアを付けてもよい。
【0102】
さらに、睡眠時間、起床時間、就寝時間、室内外気温、寝室の状況、睡眠時に患者が置かれている環境、食生活、心理的な状況、緊張感、消化の状況、血圧、身体的な疲労、乳酸濃度、アドレナリン濃度、メラトニン濃度、オレキシン濃度、アミノ酸バランス、一日当たりの運動量、消費カロリー、身長の変化、脈拍、BMI、発汗効率、睡眠に関する自覚症状(例えば、いびき、寝返り、睡眠時無呼吸)、過去の治療の状況(減量の為、食事療法・運動療法などを受けたが失敗したなど)等に関する項目も採用される。
【0103】
(15)家族(例えば三親等以内)や自身の病歴については、病気毎にスコアを特定して、病気について付されたスコアを学習済モデルMに入力することで、治療方法Kを特定してもよい。例えば、新型コロナ感染症は5を付し、各種悪事性腫瘍は10を付し、循環器疾患は3を付す。また、現在服薬中の薬剤について特定したスコアを学習済モデルMに入力することで、治療方法Kを特定してもよい。
【0104】
(16)また、睡眠関連以外の自覚症状(例えば、過食、頻脈、動悸、息切れ、むくみ、咳・痰、乏尿、胸焼け、胃もたれ、便秘、意識障害、肩こり、関節痛、筋肉痛、筋肉のつり、しびれ、薄毛、発疹、ニキビ、排尿痛、残尿感、血尿、下腹部痛、側腹部痛、尿量増加、頻尿、口臭、眼精疲労、不安、抑うつ、前向きに考えられない、自殺念慮など)について特定したスコアを学習済モデルMに入力することで、治療方法Kを特定してもよい。さらには、自身の性格に関するスコアを学習済モデルMに入力することで、治療方法Kを特定してもよい。
【0105】
(17)勃起障害と薄毛との双方の多くが、自律神経系、内分泌代謝機能(特に、脂質異常、糖尿病、肥満等と相関している脂肪肝は、性ホルモンの活性化、不活化或いは男性ホルモンと女性ホルモンのバランスの変化などを介し、勃起障害および薄毛に直接大きく関係している)、循環機能、中枢神経系、および、鬱など精神疾患等と関係している。
【0106】
例えば薄毛の場合、習慣的な帽子の着用、アトピーなどアレルギー、ウイルス感染の慢性化、紫外線曝露等に伴う慢性炎症による頭皮組織の繊維化による頭皮血流低下など含めて、単純に一つの原因に依らず、遺伝的素因・環境的素因を含め複数の素因が絡まり合って、発症前後以来、悪き影響を及ぼし合う可能性も示唆されている。また、勃起障害および薄毛いずれも、現在の症状に至るまでの時間経過が長い程、様々な治療が行われてきた後であればある程、増悪傾向が強い程、治療に対する反応も乏しく、部分的な改善は期待できても、完全な回復までの時間は長くなる傾向にある。
【0107】
それだけでなく、勃起障害と薄毛とはいずれも、特に未婚率・晩婚率が高く、少子高齢化が著しい日本を含め東アジアにおいては、異性・同性に対する劣等感、自信喪失や諦めや鬱など非常にネガティブな精神或いは心理状態を招き、家庭生活のみならず社会における様々な活動にも、生産性の低下を含め、長期的にマイナスに作用する。また、勃起障害と薄毛との治療に用いられる薬剤の主たるものには、作用機序は異なるものの、末梢血管作動薬がある。即ち、副作用にも、狭心症など虚血性心疾患或いは動悸息切れなど心肺機能に関連したものがあり、両者への治療及び合併症への治療後の経過と共に、血液検査、超音波検査を含む画像診断或いは心電図での観察が欠かせない。特に、脳血管或いは心大動脈上に起こった変化の増悪、不変、或いは改善が安定的に観察された場合には、患者の主観的な治療効果を踏まえた上で、合併症を含めて治療内容の変更が検討されるべきである。
【0108】
例えば、薄毛に対してミノキシジル内服を含む治療がなされた場合、胸痛、鬱血性心不全など見られた場合には、ミノキシジルの休薬を、禁煙を実現して頂き脳動脈・頸動脈、或いは冠状動脈の狭窄が改善した場合などはAGAやEDの治療開始を慎重に検討するなどである。
【0109】
以上の通り、勃起障害および薄毛には、特に、血流に関する状態を知ることが重要になる。そこで、本発明では、特に、検査情報P2に血液に関する検査の結果を含める構成が好適である。血液に関する検査には、例えば、血液検査や、血流の搾取(例えば脳動脈、頸動脈および冠状動脈の狭窄)に関する検査(超音波検査、心電図、頭部MRIおよび血管造影検査など)などが含まれる。
【0110】
(17)薄毛や勃起障害の治療効果を左右する重症度を決めるにあたって、現在の病状に至るまでの経過の他に、年齢、脳卒中、脂肪肝、うつ、諦め、火傷などの合併症の種類や数などが非常に重要であると考えられる。なお、薄毛の場合、部位が前頭部が他の部位よりも、また脳梗塞部位に相応した薄毛でも、必要な治療法も複数の組み合わせが必要で治療期間も長く、治療コストも掛かり治療抵抗性で、重症度が高いとされる。
一方、勃起障害の場合、自律神経に支配された末梢循環が最大の因子であり、脳の高次機能障害と深く関連し、脳梗塞(ラクナ高速、隠れ脳梗塞も含め)、心原性脳血栓症(心房細動など不整脈が主な原因)、脳出血、くも膜下出血、その原因となる動脈硬化を招く喫煙習慣、糖尿病、高血圧症、脂質異常を合併した場合には、合併疾患の治療効果、後遺症やパートナーとの関係性の変化などと勃起障害の治療効果が関連する。
【0111】
(18)実際には、患者が治療に費やせる費用(すなわち予算)および治療期間とは、患者に応じて異なるのが実情である。以上の事情を考慮して、前述の各形態において、患者が治療について希望する予算に関する情報および治療期間に関する情報を患者情報Pが含んでもよい。以上の構成によれば、予算と治療期間とを加味した上で、治療方法Kが特定できるという利点がある。なお、予算に関する情報と治療期間に関する情報との何れか一方を患者情報Pが含んでもよい。
【符号の説明】
【0112】
11 :制御装置
13 :記憶装置
15 :表示装置
17 :操作装置
100 :情報処理装置
112 :取得部
114 :特定部
115 :処理部
116 :表示制御部

図1
図2
図3
図4
図5