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▶ 高橋 敦史の特許一覧

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  • 特開-焚火台 図1
  • 特開-焚火台 図2
  • 特開-焚火台 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034993
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】焚火台
(51)【国際特許分類】
   F24B 1/18 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
F24B1/18 E
F24B1/18 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022148589
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】522368178
【氏名又は名称】高橋 敦史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 敦史
(57)【要約】
【課題】 燃焼室内部に二次燃焼機構及び酸化触媒を設けた焚火台を提供する。
【解決手段】 外気導入口を有する外管と、二次燃焼機構および酸化触媒を設けた燃焼管とを有することを特徴とする焚火台。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に一次空気導入口を有し、内側の底面及び側壁面を被覆するように配置され通気性を持ったいずれかの形状に加工された酸化触媒と、を有する一次燃焼室と、一次燃焼室の上方に連結され、上端部付近に二次空気導入口を有する二次燃焼室とで構成される燃焼管と、燃焼管の外周を取り囲むように配置され、上端部が燃焼管と接続され、下端部付近かつ燃焼管底面よりも低い位置に外気導入口が設けられ、燃焼管との間に二次空気導入路を設けるよう設置された外管を有することを特徴とする焚火台。
ここで上記酸化触媒は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウムあるいは二酸化ケイ素のいずれか一種類または複数成分の混合物を含有するものが好ましく、布状、多孔質フィルム状、網目状等、に加工されていても良い。また燃焼管開口部の上方には、五徳が設置されていてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼室内部に二次燃焼機構及び酸化触媒を設けた焚火台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
焚火台に関する従来技術として、燃焼室と外壁を隔離するよう設けられた二次空気導入路を有し、焚き火の際に発生する煙や未燃焼ガスを完全燃焼させるための焚火台があった(特許文献1)。
また、練炭を使用する練炭コンロとして、燃焼室の内壁に断熱材としてアスベストやセラミックファイバーを設けるとともに練炭燃焼室の上部に二次空気導入口を設け、更に燃焼室の上方に開口部を設けた蓋を配置することで、断熱保温性を高めて練炭の消火を防止しつつ、不完全燃焼により発生する異臭や一酸化炭素を二次燃焼により除去するための練炭コンロがあった(特許文献2及び特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3234669号公報
【特許文献2】実全昭51-119966号公報
【特許文献3】実全昭56-021101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの先行技術には以下のような問題点があった。
(1)燃焼効率が高すぎるため薪や炭などの燃料の消費速度が著しく早くなり、結果として焚火台使用中の二酸化炭素排出量を著しく増加させる等、環境負荷が大きくなる問題があった(特許文献1)。
(2)燃焼速度を下げるべく一次空気の導入口の開口面積を下げ、一次空気の導入量を絞ると不完全燃焼が促進され、多量の一酸化炭素が発生する問題があった(特許文献1)。
(3)また燃焼管内壁が完全に断熱材で覆われているため、二次空気が十分加熱されず二次燃焼の効率が著しく低下する問題があった(特許文献2及び特許文献3)。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
底面に一次空気導入口を有し、内側の底面及び側壁面を被覆するように設けられ、通気性を持った形状に加工された酸化触媒と、を有する一次燃焼室と、一次燃焼室の上方に連結され、上端部付近に二次空気導入口を有する二次燃焼室とで構成される燃焼管と、燃焼管の外周を取り囲むように設けられ、上端部が燃焼管と接続され、下端部付近かつ燃焼管底面よりも低い位置に外気導入口が設けられ、燃焼管との間に二次空気導入路を設けるよう設置された外管を有することを特徴とする焚火台。ここで燃焼管開口部の上方には、五徳が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、一次燃焼室に流入する空気の量を抑えることで燃料の燃焼速度を抑えつつ、不完全燃焼により発生する一酸化炭素を酸化触媒で酸化して無害化し、未燃焼ガスや煙、異臭の成分を二次燃焼により除去することで環境負荷を低減し、更に一酸化炭素中毒の危険性を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 本発明の断面図である。
図2】 本発明の正面図である。
図3】 本発明の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
底面に一次空気導入口(4)を有する一次燃焼室(7)と、一次燃焼室の垂直方向に連結され、上端部に開口部を有し、開口部付近に二次空気導入口(6)を有する二次燃焼室(8)とで構成される燃焼管(2)を設ける。ついで、一次燃焼室(7)内部の底面及び壁面を完全に覆うように、通気性の酸化触媒(10)を設ける。この燃焼管(2)の外周を取り囲み、上端部が燃焼管(2)と接続され、下端部付近かつ燃焼管底面よりも低い位置に外気導入口(3)を設け、燃焼管(2)との間に二次空気導入路(5)を設けるように、外管(1)を設ける。ここで燃焼管(2)の開口部の上には、調理器具等を乗せるための五徳(9)が設置されていてもよい。
例えば、CANWAY製ウッドストーブ バックパッキングコンロ(壱ノ型)の五徳(9)を除いた部分を組み立て、一次燃焼室(7)内部の底面及び壁面を完全に覆うように、ニチアス製ファインフレックスBIO、キジマ製耐熱シリカウールなどを、通気性の酸化触媒(10)として設置し、その後、五徳(9)を設置しても良い。
本発明は以上のような構成である。
本発明を使用するときは、以下のようにする。
まず一次燃焼室(7)の中に薪やチップ、木炭、練炭等の燃料を配置し、これらの燃料に着火する。
燃料が燃えると同時に燃焼管(2)内に上昇気流が発生し、外気導入口(3)から一次空気導入口(4)および酸化触媒(10)を経由して一次空気が徐々に燃焼管に導入され、燃料の燃焼を緩やかに促進する。このとき、燃料の不完全燃焼により発生した成分のうち、一酸化炭素の一部または全部が酸化触媒(10)の作用により二酸化炭素に酸化される。
更に、燃焼により発生した熱が、一次燃焼室(7)および二次燃焼室(8)の壁材を加熱することで、外気導入口(3)を経由して二次空気導入路(5)に導かれた二次空気を高温に加熱し、上昇気流を生じる。この高温の二次空気は二次空気導入口(6)を経由して二次燃焼室(8)内に導かれ、一次燃焼室で発生した残留一酸化炭素や未燃焼ガス、煙や異臭の成分を完全燃焼する。
【符号の説明】
【0009】
1 外管
2 燃焼管
3 外気導入口
4 一次空気導入口
5 二次空気導入路
6 二次空気導入口
7 一次燃焼室
8 二次燃焼室
9 五徳
10 酸化触媒
図1
図2
図3