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  • 特開-折り畳みハンガー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034996
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】折り畳みハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/40 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
A47G25/40 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022149581
(22)【出願日】2022-09-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】522370528
【氏名又は名称】株式会社あるて設計
(72)【発明者】
【氏名】葉山 洋
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA01
3K099BA12
3K099BA14
3K099BA15
3K099CB24
(57)【要約】
【課題】素材を選ばない単純な機構で低価格化ができ、スマートに折り畳め首元の制約のある衣服の掛け外しが容易で作業効率が良い、費用対効果の高い折り畳みハンガーを提供することを目的とする。
【解決手段】作業効率を考えアームの左右の開閉を連動させ、更に回転と移動の複合による単純な掛り留め機構でコンパクトに収納可能なハンガーを実現させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿掛けフックと左右の肩掛けアームで構成され、竿掛けフックには吊元留具用の長穴とガイドピンを有する吊元プレートが設けられ、左右の肩掛けアームにはL字形のガイド溝を有するアームプレートが設けられ、それらを回転・移動可能な吊元留具にて結合することを特徴とするハンガー。
【請求項2】
左右の肩掛けアームの開閉による垂線からの変位角を開き角とした場合に、吊元プレートのL字形のガイド溝は肩掛けアームの吊元留具を通る部材芯の直交方向対し開き角を超える角度の回転用の長辺溝と吊元留具を通る部材芯に反回転方向とする開き角と同角度の固定用の短辺溝に回転用溝から固定溝に誘導する遊びを加えた形状とし、アームプレ-トに連動する吊元プレートのガイドピンは吊元プレートとアームプレートを束ねるピンとする留具に代替でき、アームプレートの留具用の長穴は吊元留具が連動するガイドピンが回転溝から固定溝に移動するに足る長さを有する形状の請求項1に記載のハンガー。
【請求項3】
ハンガー下部に取り付くタオル用端ビームとタオル用ビームの組み合わせでW字形とし、アームを閉じる際に先ず端部ビームはアームに格納される方向に回転を起こし、更に閉じるアームはタオル用ビームの中間留具の端をビームの軸方向に押すことになり、中央留具部にむくりを設けることで、ビームは上方向に回転を起こし閉じる左右のアームの内側に格納される機構を持つ請求項1もしくは、請求項2に記載のハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣服用の折り畳みハンガーの折り畳み機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
傘を傘立てに挿す様に折り畳みハンガーを収納すれば片付き美観が保てる。しかしながら使い終わった傘は閉じるが、折り畳みハンガーは普及せず嵩張る通常のハンガーが一般的である。普及しないのは、耐久性のある低価格で衣服の掛け外しに優れた費用対効果の良いと感じる製品が無いことが原因といえる。
【0003】
ところで衣服用ハンガーに折り畳み機能を持たせる場合に吊元を中心に左右のアームを上側収納・下側収納・前側収納の概ね三つに分類される。アームの上側収納と前側収納は簡単な掛り留めでコンパクト化できる反面、アームの下側収納の様に閉じた状態での衣服の挿入による使用及び取り外しに不向きである。しかしながらアームの下向き収納は左右の収納と衣服の負荷力の回転方向が同一となるため掛り留めの制御機構が必要となるが、その制御機構は素材の弾性力を利用したり金属製のバネを用いたりと生産費や折り畳み形状や操作性に影響を及ぼしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5530796号公報
【特許文献2】特許第6449525号公報
【特許文献3】実開昭61-34978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
折り畳みハンガーは、首元の制約がある衣服の掛け外しは一般的なハンガーに比べて長所となり得るが、閉じた肩掛けアームを首元から挿入後にアームを開く際に左右が連動し、開き終えた状態で自動的にアームが固定し、また衣服を外す際に吊元でのワンタッチ操作でアーム閉じなければ逆に作業効率が悪く不快に感じる。
【0006】
特許文献1はアームの左右の連動とアームの自動固定とワンタッチ操作での閉じ込みが備わっているが、アームに歯車を設け素材の弾性バネの掛り留めの複雑な制御機構ではコスト高となる。また素材が限られるため価格に吊り合う質感の製品ができない。
【0007】
特許文献2の第1から第3の実施形状は左右のアームの留具を共通とし回転させることでバネ等を用いず単純な構造としているが、開閉に要する指圧力はアームに作用する衣服等の重量に留具からアームの作用点と指圧点との長さに反比例する負荷力となるので、実態として負担の小さいアームの直接的開閉となり左右別々の動きでありワンタッチ操作での閉じ込みもできない。
【0008】
特許文献3は左右のアームの留具を共通とし補助材とスライド機構によりバネ等を用いず単純な構造であるが、左右のアームは連動するもののスライド留具を維持しながら吊元を持ち衣服に挿入後、吊元を保持しながら留具を解放する必要があり作業性が悪く、またワンタッチ操作での閉じ込みができない。
【0009】
そこで素材を選ばない単純な固定・解除ができる機構で低価格化ができ作業効率の良い、費用対効果の高い折り畳みハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係わるハンガーは竿掛けフックと左右の肩掛けアームで構成され、それぞれの端部にプレートを配し、回転・移動可能な留具にて結合させ、肩掛けアームのプレートにはL形のガイド溝を設け、竿掛けフックのプレートには長穴を設けることで固定および解除を可能とし、またタオル用ビームはW字形とし、肩掛けアームに内包することでコンパクトに収納可能なアンガーを実現させる。
【発明の効果】
【0011】
収納に便利な折り畳みハンガーの固定・解除方法を単純で素材を選ばない掛り留めの機構とすることで、洗濯用に多用される合成樹脂からお洒落な金属製や木製の商品まで幅広いニーズに対応可能である。特にタオル掛けを省いた肩掛けアームだけの折り畳みハンガーは衣服の掛け外しの利便性の高さに加えロープライスな提供が可能であることから革新的な製品となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係わるタオル掛け付きの折り畳みハンガーの実施の形態を示す正面図である。
図2】本実施の形態に係わるタオル掛け付きの折り畳みハンガーのアームを閉じる途中の状態を示す正面図である。
図3】本実施の形態に係わるタオル掛け付きの折り畳みハンガーのアームを閉じた状態を示す正面図である。
図4】本実施の形態に係わる折り畳みハンガーの実施の形態を示す正面図である。
図5】本実施の形態に係わる折り畳みハンガーのアームを閉じた状態を示す正面図である。
図6】本実施の形態に係わる折り畳みハンガーの回転と移動の複合による単純な掛り留め機構の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
衣服を吊るす際に閉じた左右の肩掛けアーム21を衣服の首元から挿入後に通常の開き位置まで連動する左右のアーム21を開くことで吊元プレート12のガイドピン14が左右のL字形のガイド溝23の長辺溝を移動し、左右のアーム21を更に開き戻すことで固定用短辺溝にガイドピン14が入り込み、竿にフック11を掛けることでL字形のガイド溝23の短辺溝端にガイドピン14が導かれ掛り留めがはたらくので円滑に衣服を吊るすことができる。また、ガイドピン14を留具化することで各プレートの面外拘束ができる。
【0014】
衣服を外す際に片側のアーム21を持ち竿からフック11を外した状態でフック11及び吊元プレート12を下方向に押し出すことでガイドピン14がガイド溝23の固定用溝から外され長辺溝に誘導され左右のアーム21が下方向に回転し閉じるので円滑に衣服を外すことができる。
【0015】
ハンガー下部に取り付くタオル用端ビーム41とタオル用ビーム42の組み合わせでW字形とし、アーム21を閉じる際に先ず端部ビーム41はアーム21に格納される方向に回転を起こし、更に閉じるアーム21はタオル用ビームの中間留具44の端をビームの軸方向に押すことにより、中央留具45に設けられたむくりで、ビーム42は上方向に回転を起こし閉じる左右のアーム21の内側に格納される。
【0016】
掛り留めの機構を回転と移動の複合により単純化することで、洗濯用ハンガー等に用いられる合成樹脂等に留まらず、折り畳みハンガーの材質を金属製や木製にすることで雰囲気やおもむきを大切にする催事場等の使用に適応可能である。
【符号の説明】
11 フック
12 吊元プレート
13 吊元用長穴
14 ガイドピン
21 肩掛けアーム
22 アームプレート
23 ガイド溝
31 吊元留具
41 タオル用端部ビーム
42 タオル用ビーム
43 ビーム端部留具
44 ビーム中間留具
45 ビーム中央留具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊元プレート12の付くフック11と左右のアームプレート22の付く肩掛けアーム21で構成され、吊元プレート12には中心に吊元留具31が上下する吊元用長穴13を配し直下にL字形のガイド溝23が往来するガイドピン14が設けられ、左右のアームプレート22には吊元留具31用の孔とL字形のガイド溝23が設けられ、吊元プレート12の吊元用長穴13は左右のアームプレート22に挟まれる形で吊元留具31により結合され、吊元プレート12のガイドピン14は左右のアームプレート22のL字形のガイド溝23内の往来で左右の肩掛けアーム21を左右対称に回転及び固定を可能とすることを特徴とするハンガー。
【請求項2】
L字形のガイド溝23肩掛けアーム21の回転に要する長辺と肩掛けアーム21の固定に要する短辺で構成され、短辺溝はガイドピン14を誘導する遊びを加えた形状とし、吊元プレート12の吊元用長穴13の上下の長さ吊元プレート12のガイドピン14アームプレート22のL字形のガイド溝23の長辺溝端から短辺溝端まで移動するに足る長さを有する形状の請求項1に記載のハンガー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係わるハンガーはフック11と左右の肩掛けアーム21で構成され、それぞれの端部にプレートを配し吊元用長穴13と吊元留具31用の孔に、回転及び移動可能な吊元留具31にて結合させ、肩掛けアーム21アームプレート22にはL形のガイド溝23を設け、フック11吊元プレート12には吊元用長穴13とガイドピン14を設けることで固定および解除を可能とし、またタオル用端部ビーム41とタオル用ビーム42を結合させ折畳みとし、肩掛けアーム21に内包することでコンパクトに収納可能なハンガーを実現させる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
衣服を吊るす際に閉じた左右の肩掛けアーム21を衣服の首元から挿入後に通常の開き位置まで連動する左右の肩掛けアーム21を開くことで吊元プレート12のガイドピン14が左右のL字形のガイド溝23の長辺溝を移動し、左右の肩掛けアーム21を固定位置より更に開き戻すことでガイドピン14を誘導する遊び幅を持つ短辺溝に入り込ませて、肩掛けアーム21を固定させ円滑に衣服を吊るすことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
衣服を外す際に左右のアームプレート22に挟まれる吊元プレート12を下方に押し出すことでガイドピン14がL字形のガイド溝23の短辺溝から抜出しL字形のガイド溝23の長辺溝に誘導され左右の肩掛けアーム21が下方向に回転し閉じるので円滑に衣服を外すことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
ハンガー下部に取り付くタオル用端ビーム41とタオル用ビーム42を結合させ折畳みとし、肩掛けアーム21を閉じる際に先ずタオル用端部ビーム41は肩掛けアーム21に格納される方向に回転を起こし、更に閉じる肩掛けアーム21はタオル用ビーム42ビーム中間留具44の端をタオル用ビーム42の軸方向に押すことにより、ビーム中央留具45に設けられたむくりで、タオル用ビーム42は上方向に回転を起こし閉じる左右の肩掛けアーム21の内側に格納される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
掛り留めの機構を回転と移動の複合により単純化することで、洗濯用ハンガー等に用いられる合成樹脂等に留まらず、折り畳みハンガーの材質を金属製や木製にすることで雰囲気やおもむきを大切にする催事場等の使用に適応可能である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6