(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035011
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】多機能温度調節糸、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
D02G 3/04 20060101AFI20240306BHJP
D02G 3/26 20060101ALI20240306BHJP
D04B 1/14 20060101ALI20240306BHJP
D04B 21/00 20060101ALI20240306BHJP
D03D 15/533 20210101ALI20240306BHJP
D03D 15/217 20210101ALI20240306BHJP
D03D 15/47 20210101ALI20240306BHJP
【FI】
D02G3/04
D02G3/26
D04B1/14
D04B21/00 B
D03D15/533
D03D15/217
D03D15/47
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198565
(22)【出願日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】202211060853.5
(32)【優先日】2022-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522164950
【氏名又は名称】福鋭登(上海)数字科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100168572
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 仁志
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(72)【発明者】
【氏名】陳鋭玲
【テーマコード(参考)】
4L002
4L036
4L048
【Fターム(参考)】
4L002AA02
4L002AB01
4L002AC00
4L002BA00
4L002CA00
4L002EA00
4L002EA03
4L002FA01
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4L048AA08
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4L048AC00
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4L048AC15
4L048CA00
4L048CA05
4L048CA07
4L048DA01
(57)【要約】
【課題】
多機能温度調節糸、その製造方法及び使用を提供する。
【解決手段】
質量パーセントで、20~30%の温度調節繊維、20~30%の抗菌繊維、および40~60%の綿繊維から混紡プロセスにより製造された多機能温度調節糸であり、前記綿繊維は繊維長10~50cmの短繊維であり、該多機能温度調節糸の線密度は18~45tex、単糸破断強度は12.5~12.8cN/tex、単糸破断強度変動係数Cv値は11.5~12.5%、糸むら変動係数CVm値は11.3~11.4%である。本発明は、3種の繊維を混紡してなり、糸に抗菌性と温度調節の優れた特性を同時に持たせることができ、開綿・除塵して、混合して巻きつける中に繊維を異なる相対湿度および水分率にする条件により、最終的な混紡糸は、必要な物理パラメータの要件を満たすことができ、糸の品質を向上させ、幅広い普及と応用価値がある。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能温度調節糸であって、質量パーセントで、20~30%の温度調節繊維、20~30%の抗菌繊維および40~60%の綿繊維から混紡プロセスにより製造され、前記綿繊維は繊維長10~50cmの短繊維で、該多機能温度調節糸の線密度は18~45tex、単糸破断強度は12.5~12.8cN/tex、単糸破断強度変動係数Cv値は11.5~12.5%、糸むら変動係数CVm値は11.3~11.4%であることを特徴とする多機能温度調節糸。
【請求項2】
調温繊維、抗菌繊維、綿繊維の各原料を比率に合わせて選定した後、帯電防止剤溶液に前記各原料を所定の時間接触させて帯電防止剤を前記各原料に浸透させた後、前記温度調節繊維と前記抗菌繊維の水分率を1~1.5%に制御し、前記綿繊維の水分率を2~4%に制御するまで前記各原料を乾燥させる繊維前処理ステップS1と、
前記温度調節繊維、前記抗菌繊維、前記綿繊維の前記各原料をそれぞれ開繊し、不純物を取り除き、ここでこのプロセスの相対湿度を25~45%に制御し、温度は22~30℃とする開綿・除塵ステップS2と、
開綿・除塵後の前記各原料を加湿し、前記温度調節繊維及び前記抗菌繊維の水分率を2~3%、前記綿繊維の水分率を6~7%に制御する加湿ステップS3と、
前記温度調節繊維、前記抗菌繊維、前記綿繊維を混合して綿巻きにし、ここでこのプロセスの相対湿度を55~70%に制御し、温度は25~38℃とする、混合・巻きつけるステップS4と、
梳綿してスライバーになるステップS5と、
カードスライバーを製条するステップS6と、
粗紡工程ステップS7と、
精紡工程ステップS8と、
ワインディング工程ステップS9と、を含み、
以上の工程を経て、多機能温度調節糸が得られることを特徴とする請求項1に記載の多機能温度調節糸の製造方法。
【請求項3】
前記接触の時間は24時間であることを特徴とする請求項2に記載の多機能温度調節糸の製造方法。
【請求項4】
前記ステップS4において、前記混合におけるビーター速度は400~460r/min、巻き付けた綿巻きの指定された重量は100~360g/m、綿巻きの長さは25~50mであることを特徴とする請求項3に記載の多機能温度調節糸の製造方法。
【請求項5】
前記ステップS5において、梳綿機で綿巻きを梳いて混合カードスライバーにカージングし、前記ステップS5のプロセスにおけるパラメータは、雰囲気の相対湿度が55~70%、シリンダー速度が300~350r/min、テーカイン速度が720~780r/min、ドッファー速度が15~25r/min、混合カードスライバーの指定された重量が20~25g/5mであることを特徴とする請求項3に記載の多機能温度調節糸の製造方法。
【請求項6】
前記ステップS6において、3つの製条工程により混合カードスライバーを混合練条スライバーに製造し、ここで、雰囲気の相対湿度が55~70%であり、各製条工程はすべて、フロントローラーの線速度が160~260m/min、ローラー間隔が8mm×6mm×14mm、カードスライバーの混合本数が4~8本、延伸総倍数が6.5~10.0に設定され、混合練条スライバーが15~18g/5mに定量されることを特徴とする請求項3に記載の多機能温度調節糸の製造方法。
【請求項7】
前記粗紡工程ステップS7において、混合練条スライバーを太糸に加工し、ここで、雰囲気の相対湿度は55~70%、スピンドル速度は500~800r/min、総延伸倍数は7.0~10.0倍、太糸を3~7.5g/10mに定量し、ロービング撚り係数は80~100であることを特徴とする請求項3に記載の多機能温度調節糸の製造方法。
【請求項8】
前記精紡工程ステップS8において、太糸を精紡機で細糸に紡績し、ここで、雰囲気の相対湿度は60~70%、速度は8000~11000r/min、総延伸倍数は16~55倍、細糸を1.1~5.9g/100mに定量し、撚り係数は300~380であることを特徴とする請求項3に記載の多機能温度調節糸の製造方法。
【請求項9】
前記ワインディング工程ステップS9において、細糸を自動ワインダー上でコニカル糸コーンに巻き取り、ここでワインディング工程の雰囲気の相対湿度は60~70%で、巻き取り速度は700~1600m/minであることを特徴とする請求項3に記載の多機能温度調節糸の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の多機能温度調節糸又は請求項2~9のいずれか一項に記載の多機能温度調節糸の製造方法で得られた多機能温度調節糸で得られた、編物又は織物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡織の分野に関し、特に、多機能温度調節糸、その製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の生産力と科学技術の継続的な発展、ならびに人々の生活水準の継続的な改善により、人々は質の高い生活を追求することにますます注意を払い、生地の多機能性が人々に注目を集め、機能性材料の独自性と伝統的な織物産業を組み合わせ、紡績品の機能化に新たな力を注入し、機能性紡績品を高品質と多機能性の方向に発展させている。紡織生地の発展動向を反映した機能性生地や製品として、ますます多くの人々に愛されている。
【0003】
これまで人体の保温・冷却の断熱方法は主に生地の厚みや密度で調節していたが、生活水準の向上に伴い、人々はこの伝統的な生地及び該生地の温度調節方法に満足できなくなり、人間の体温エネルギーと外部環境の温度を一致させることができる生地を探しており、生地自体が、外部環境の熱と冷たさの変化に応じて、自動的に温度を調節することを望んでいる。それに応じて、温度調節繊維及び紡績品が現れた。
【0004】
従来の温度調節紡績品の製造方法には、主に次の2つの方法があり、それぞれ以下のとおりである。(1)まず、温度調節繊維と混紡を行うことによって糸線を製造し、その後、生地を製造した後、染色やセットなどの後仕上げ工程を経て、温度調節生地及び紡績品を得て、例えば特許文献1である。(2)生機を利用して後仕上げを行う方法で温度調節機能を仕上げ、それに機能性を与える。例えば特許文献2である。使用される方法に関係なく、紡績品の最終的な性能品質は、混紡によって製造される機能性糸に直接関係している。
【0005】
これらの既存の機能性糸は、使用される原材料の影響を受け、その物性が理想的ではない場合が多いため、実際に使用する際に他の糸と混紡することしかできず、比率を大きくしすぎると、糸の品質に影響を与え、機能性糸の比率が少ないと、ユーザーが求める機能が明確ではなく、機能性糸の使用が限られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願公開第102677379号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第106087435号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、多機能温度調節糸、その製造方法及び使用を提供することである。該多機能温度調節糸は、3種類の繊維によって混紡され、糸に抗菌性と温度調節の優れた特性を同時に持たせることができ、綿繊維の質感と物性を備えている。製造中、前処理、開綿・除塵、混合して巻きつけるプロセスにおける技術パラメータを細かく制御することにより、3種類の繊維がより均一に混合され、不純物が少なくなり、静電気による結節が発生しなくなり、最終混紡繊維の品質は効果的に改善され、先行技術センターの混紡糸中の機能性繊維の比率が大きい場合の糸の物性が低いという欠点が解決される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下のように実現される:質量パーセントで、20~30%の温度調節繊維、20~30%の抗菌繊維、および40~60%の綿繊維から混紡プロセスによって多機能温度調節糸を製造する。前記綿繊維は繊維長10~50cmの短繊維である。該多機能温度調節糸の線密度は18~45tex、単糸破断強度は12.5~12.8cN/tex、単糸破断強度変動係数Cv値は11.5~12.5%、糸むら変動係数CVm値は11.3~11.4%である。
【0009】
多機能温度調節糸の製造方法は、以下のステップを含む。
S1.繊維前処理であって、調温繊維、抗菌繊維、綿繊維の各原料を比率に合わせて選定した後、帯電防止剤溶液に前記各原料を所定の時間接触させて、帯電防止剤を前記各原材料に均一に浸透させた後、前記温度調節繊維と前記抗菌繊維の水分率を1~1.5%に制御し、前記綿繊維の水分率を2~4%に制御するまで前記各原料を乾燥させる。
S2.開綿・除塵であって、前記温度調節繊維、前記抗菌繊維、前記綿繊維の前記各原料をそれぞれ開繊し、不純物を取り除き、ここでこのプロセスの相対湿度を25~45%に制御し、温度は22~30℃とする。
S3.加湿であって、開綿・除塵後の前記各原料を加湿し、前記温度調節繊維及び前記抗菌繊維の水分率を2~3%、前記綿繊維の水分率を6~7%に制御する。
S4.混合して巻きつけることであって、前記温度調節繊維、前記抗菌繊維、前記綿繊維を均一に混合して綿巻きにして、このプロセスの相対湿度を55~70%に制御し、温度は25~38℃とする。
S5.梳綿してスライバーになる。
S6.カードスライバーを製条する。
S7.粗紡工程である。
S8.精紡工程である。
S9.ワインディング工程である。
【0010】
以上の工程を経て、使用する多機能温度調節糸が得られる。
【0011】
前記接触の時間は24時間であってもよい。
【0012】
前記ステップS4において、前記混合におけるビーター速度は400~460r/min、巻きつけた綿巻きの指定された重量(目標とする重量)は100~360g/m、綿巻きの長さは25~50mであってもよい。
【0013】
前記ステップS5において、梳綿機で綿巻きを梳いて混合カードスライバーにカージングし、前記ステップ5のプロセスにおけるパラメータは、雰囲気の相対湿度が55~70%、シリンダー速度が300~350r/min、テーカイン速度が720~780r/min、ドッファー速度が15~25r/min、混合カードスライバーの指定された重量重量(目標とする重量)が20~25g/5mであってもよい。
【0014】
前記ステップS6では、3つの製条工程により混合カードスライバーを混合練条スライバーに製造し、雰囲気の相対湿度が55~70%であり、各製条工程はすべて、フロントローラーの線速度が160~260m/min、ローラー間隔が8mm×6mm×14mm、カードスライバーの混合本数が4~8本、延伸総倍数が6.5~10.0に設定され、混合練条スライバーが15~18g/5mに定量されてもよい。
【0015】
前記ステップS7において、混合練条スライバーを太糸に加工し、雰囲気の相対湿度は55~70%、スピンドル速度は500~800r/min、総延伸倍数は7.0~10.0倍、太糸を3~7.5g/10mに定量し、ロービング撚り係数は80~100であってもよい。
【0016】
前記ステップS8では、太糸を精紡機で細糸に紡績し、ここで、雰囲気の相対湿度は60~70%、速度は8000~11000r/min、総延伸倍数は16~55倍、細糸を1.1~5.9g/100mに定量し、撚り係数は300~380であってもよい。
【0017】
前記ステップS9では、細糸を自動ワインダー上でコニカル糸コーンに巻き取り、ワインディング工程の雰囲気の相対湿度は60~70%で、巻き取り速度は700~1600m/minであってもよい。
【0018】
多機能温度調節糸で製造された編物または織物(Woven fabrics)であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の多機能温度調節糸、製造方法及び使用は、3種の繊維を混紡してなり、糸に抗菌性と温度調節の優れた特性を同時に持たせることができ、綿繊維の質感と物性を備えている。製造中、繊維に帯電防止前処理を行い、開綿・除塵して、混合して巻きつける中に繊維を異なる相対湿度および水分率にする条件により、開綿中の高効率および不純物除去のスムーズさが保証されるだけでなく、混合均一性が向上でき、最終的な混紡糸は、必要な物理パラメータの要件を満たすことができ、糸の品質を向上させ、幅広い普及と応用価値がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、具体的な実施例を参照しながら、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。さらに、本発明で表現された内容を読んだ後、当業者は本発明にさまざまな変更または修正を加えることができ、これらの等価形態も本明細書の添付の特許請求の範囲によって定義される範囲内にあることを理解されたい。
【0021】
実施例
多機能温度調節糸を、質量パーセントで、20~30%の温度調節繊維、20~30%の抗菌繊維、40~60%の綿繊維から近紡プロセスにより製造した。前記綿繊維は繊維長10~50cmの短繊維で、該多機能温度調節糸の線密度は18~45tex、単糸破断強度は12.5~12.8cN/tex、単糸破断強度変動係数Cv値は11.5~12.5%、糸むら変動係数CVm値は11.3~11.4%であった。
【0022】
多機能温度調節糸の製造方法は、以下のステップを含む。
S1.繊維前処理であって、調温繊維、抗菌繊維、綿繊維の原料を比率に合わせて選定した後、帯電防止剤溶液に繊維原料を所定の時間接触させて、帯電防止剤を均一に浸透させた後、温度調節繊維と抗菌繊維の水分率A1を1~1.5%に制御し、綿繊維の水分率A2を2~4%に制御するまで繊維原料を乾燥させた。この実施例では、好ましくは、前記給湿時間は24時間であった。
【0023】
S2.開綿・除塵であって、温度調節繊維、抗菌繊維、綿繊維の原料をそれぞれ開繊し、不純物を取り除き、このプロセスの相対湿度を25~45%に制御し、温度は22~30℃であり、開繊工程のビーター速度は680~800r/minであった。
S3.加湿であって、開綿・除塵後の繊維原料を加湿し、温度調節繊維・抗菌繊維の水分率B1を2~3%、綿繊維の水分率B2を6~7%に制御した。
【0024】
S4.混合して巻きつけたことであって、温度調節繊維、抗菌繊維、綿繊維を均一に混合して綿巻きにして、このプロセスの相対湿度を55~70%に制御し、温度は25~38℃であり、混合工程のビーター速度は400~460r/min、巻き付けた綿巻きの指定された重量は100~360g/m、綿巻きの長さは25~50mであった。
S5.梳綿してスライバーになったことであって、梳綿機で綿巻きを梳いて混合カードスライバーにカージングし、プロセスパラメータは、空気の相対湿度が55~70%、シリンダー速度が300~350r/min、テーカイン速度が720~780r/min、ドッファー速度が15~25r/min、混合カードスライバーの指定された重量が20~25g/5mであった。
【0025】
S6.カードスライバーを製条したことであって、3つの製条工程により混合カードスライバーを混合練条スライバーに製造し、空気の相対湿度が55~70%であり、各製条工程はすべて、フロントローラーの線速度が160~260m/min、ローラー間隔が8mm×6mm×14mm、カードスライバーの混合本数が4~8本、延伸総倍数が6.5~10.0に設定され、混合練条スライバーが5~18g/5mに定量された。
【0026】
S7.粗紡工程であって、混合練条スライバーを太糸に加工し、空気の相対湿度は55~70%、スピンドル速度は500~800r/min、総延伸倍数は7.0~10.0倍、太糸を3~7.5g/10mに定量し、ロービング撚り係数は80~100であった。
【0027】
S8.精紡工程であって、太糸を精紡機で細糸に紡績し、ここで、空気の相対湿度は60~70%、速度は8000~11000r/min、総延伸倍数は16~55倍、細糸を1.1~5.9g/100mに定量し、撚り係数は300~380であった。
【0028】
S9.ワインディング工程であって、細糸を自動ワインダー上でコニカル糸コーンに巻き取り、ワインディング工程の空気の相対湿度は60~70%で、巻き取り速度は700~1600m/minであった。
【0029】
以上の工程を経て、使用する多機能温度調節糸が得られ、次に該多機能温度調節糸で製造された編物・織物を、最終生産して実際に使用した紡績品になった。
【0030】
この実施例では、選択された温度調節繊維は、青島尼希米生物科技有限公司から購入したTEMPSOLUTION(登録商標)恒温繊維、選択された抗菌繊維は、青島尼希米生物科技有限公司から購入したコラーゲン繊維であるCEANELOVE(登録商標)コラーゲン繊維であり、帯電防止剤溶液は、上海赫特化工有限公司から購入した帯電防止仕上げ剤SEP8260の5~20g/Lの水溶液である。
【0031】
前記綿繊維は、市販されている従来の綿繊維から選択され、繊維長は好ましくは、20~40cmの短繊維であり、短繊維の使用は、紡績工程で他の繊維とより均一に混紡するために使用され、糸をさまざまな繊維の優れた特性を同時に発揮することができるためである。
【0032】
S1~S4の具体的な加工プロセスパラメータを表1に示すように、
本実施例1~4及び比較例では、S5~S9の工程を以下の基準で統一した。
【0033】
S5.梳綿してスライバーにした、空気の相対湿度は65%であり、シリンダー速度は350r/min、テーカイン速度は780r/min、ドッファー速度は25r/min、混合カードスライバーの指定された重量は22g/5mであった。
S6.カードスライバーを製条した、空気の相対湿度は65%であり、各製条工程はすべて、フロントローラーの線速度が200m/min、ローラー間隔が8mm×6mm×14mm、カードスライバーの混合本数が6本、延伸総倍数が9.0に設定され、混合練条スライバーが16g/5mに定量された。
【0034】
S7.粗紡工程であり、空気の相対湿度は65%、スピンドル速度は700r/min、総延伸倍数は9.0倍、太糸を6.5g/10mに定量し、ロービング撚り係数は90であった。
【0035】
S8.細糸工程であり、空気の相対湿度は65%、速度は10000r/min、総延伸倍数は45倍、細糸を4.6g/100mに定量し、撚り係数は360であった。
S9.ワインディング工程であり、空気の相対湿度は65%、糸巻き速度は1350m/minであった。
【0036】
混紡によって得られた糸を、GB/T 3916-1997、GB/T 3292.1-2008に従ってテストし、テスト結果は表2に示すように、その結果、機能性繊維を50%使用した場合、本発明により得られた多機能温度調節糸の物性は、従来の多機能混紡糸の物性より著しく強いことが示された。
【0037】
【0038】