(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035024
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】支持枠及び落下防止ネットモジュール
(51)【国際特許分類】
E04G 21/32 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
E04G21/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014705
(22)【出願日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2022138107
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】513026399
【氏名又は名称】三菱ケミカルインフラテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142309
【弁理士】
【氏名又は名称】君塚 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】田口 直宏
(72)【発明者】
【氏名】小林 勇太
(57)【要約】
【課題】外観・美観を損ねることなく、十分な強度を確保することができ、且つ、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能な支持枠、及び、この支持枠を有する落下防止ネットモジュールを提供する。
【解決手段】建築物に固定された天窓本体枠80に支持され、且つ、網状の落下防止ネット5を支持する支持枠1であって、長尺の枠材2が複数で組み合わせられることで枠状とされてなり、複数の枠材2は、落下防止ネット5を鉛直下方から支持するネット受け部材21と、ネット受け部材21と組み合わせられることで、落下防止ネット5の端部を収容可能な断面矩形状の内部空間25を形成する蓋部材22とからなり、さらに、支持枠1による落下防止ネット5の支持力を補強するための補強手段を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物に固定された天窓本体枠に支持され、且つ、網状の落下防止ネットを支持する支持枠であって、
前記支持枠は、長尺の枠材が複数で組み合わせられることで枠状とされてなり、
複数の前記枠材は、前記落下防止ネットを鉛直下方から支持するネット受け部材と、該ネット受け部材と組み合わせられることで、前記落下防止ネットの端部を収容可能な断面矩形状の内部空間を形成する蓋部材とからなり、
さらに、前記支持枠による前記落下防止ネットの支持力を補強するための補強手段を備えることを特徴とする支持枠。
【請求項2】
前記補強手段は、前記内部空間に収容され、且つ、複数の前記枠材の長尺方向における少なくとも一部に配置される補強部材からなることを特徴とする請求項1に記載の支持枠。
【請求項3】
前記補強部材は、前記枠材の長尺方向における中央部に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の支持枠。
【請求項4】
前記補強部材は、前記枠材の長尺方向における全体にわたって配置されていることを特徴とする請求項2に記載の支持枠。
【請求項5】
前記補強部材は、前記内部空間において、前記蓋部材と前記落下防止ネットの前記端部との間に配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の支持枠。
【請求項6】
前記支持枠は、複数の前記枠材が組み合わせられることで平面視矩形状とされていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の支持枠。
【請求項7】
前記ネット受け部材及び前記蓋部材、並びに、前記補強部材が板状の金属材料からなり、且つ、前記補強部材が、前記ネット受け部材及び前記蓋部材よりも肉厚であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の支持枠。
【請求項8】
前記補強部材が、前記ネット受け部材及び前記蓋部材よりも高強度の金属材料からなることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の支持枠。
【請求項9】
前記ネット受け部材は、前記補強部材を締結固定する締結部を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の支持枠。
【請求項10】
前記ネット受け部材の前記締結部と前記補強部材とが締結固定されるとともに、前記締結部を挟み込むように、前記補強部材と前記蓋部材とが締結固定されていることを特徴とする請求項9に記載の支持枠。
【請求項11】
さらに、前記締結部と前記蓋部材との間に締結部材が配置されていることを特徴とする請求項10に記載の支持枠。
【請求項12】
前記補強手段は、前記支持枠が複数で前記天窓本体枠に支持されたとき、隣接する複数の前記支持枠同士を連結する支持枠連結部材からなることを特徴とする請求項1に記載の支持枠。
【請求項13】
前記補強手段は、前記天窓本体枠に支持された中桟に前記支持枠を連結する中桟連結部材からなることを特徴とする請求項1に記載の支持枠。
【請求項14】
請求項1に記載の支持枠に、請求項2、請求項12及び請求項13の何れか一項に記載の支持枠に備えられる補強手段が、それぞれ単独又は2以上で組み合わせて用いられ、前記支持枠に、網状の落下防止ネットが取り付けられてなることを特徴とする落下防止ネットモジュール。
【請求項15】
前記落下防止ネットが、建築物に設けられる天窓の鉛直下方で、該天窓と相対するように配置されることを特徴とする請求項14に記載の落下防止ネットモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持枠、及び、この支持枠を有する落下防止ネットモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、高所において作業に従事する作業者の安全を確保するため、作業箇所の鉛直下方に、万が一の場合に作業者を受け止めることが可能な落下防止ネットを設置することが知られている。また、近年では、建築物の屋根における開口部に設けられた天窓の鉛直下方に、安全対策として、人が落下するのを防止するための落下防止ネットを設置することも行われている。
【0003】
上記のような天窓は、例えば、建築物の内部への採光や換気を行うために設けられ、屋根の開口部の縁に固定される額縁状の枠体と、該枠体に開閉可能あるいは固定状態で取り付けられて開口部を覆う遮蔽体とを備えたものが挙げられる(
図1の斜視図も参照)。天窓に用いられる遮蔽体としては、例えば、外部から入射する光を透過可能な透明あるいは白色のガラス板や樹脂板等から構成されるものが挙げられ、その形状としても、例えば、平板状や半球状等、各種形状のものが天窓の様々な用途に合わせて採用される。
【0004】
上記のような各種の天窓は、例えば、公共施設や商業施設のルーフトップ等に設けられている場合には、施設のメンテナンスを実施する作業員のみならず、多くの利用客が近傍に滞在するか、あるいは近傍を通過する。このため、上記のように、利用客が天窓のドームやガラス板を突き破って下方に落下したりするのを防止する観点から、天窓の鉛直下方に落下防止ネットが配置される。このような目的を達成するためには、落下防止ネットには所定の強度を有していることが求められる。
【0005】
上記のような、天窓の鉛直下方に配置される落下防止ネットとして、例えば、平板状の天窓の下方の両側に架台を配置し、架台の水平張り出し部に対して挟み金物を介して落下防止ネットをボルト留めした構成が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された、上記のような落下防止ネットの取り付け構造では、架台に対する取り付け強度が十分に得られず、例えば、重量物が落下防止ネット上に落下した場合に、落下防止ネットの支持枠が変形して架台から外れてしまうという問題がある。
【0008】
また、一般的に、落下防止ネットが平面視矩形状である場合には、この落下防止ネットを支持する支持枠を、天窓の本体枠側に対して4辺全てで支持させることで、支持部材としての効果を発揮する。
【0009】
また、
図1中に示すような長尺型の天窓の下方に落下防止ネットを配置する場合、用いられる落下防止ネットは、製造面や強度面等の問題から、落下防止ネットが長手方向で分割された構造とすることが不可避となる。特に、落下防止ネットの長手方向の寸法が非常に大きい場合には、
図6A及び
図6Bに示した落下防止ネットモジュール100のような3分割構造とするか、あるいはそれ以上の数で分割した構造とする必要が生じる。このように、落下防止ネットを3分割とした場合、3つのうちの中間に配置される落下防止ネットモジュール107は、対向する2辺でのみ、支持枠101が天窓本体枠180に支持された状態となる。このような支持構造だと、支持枠101における天窓本体枠180に支持されていない分割側の辺が、天窓本体枠による支持作用が得られないことから、この部分が変形してしまうとともに、結果として天窓本体枠に支持されている側の辺も変形してしまうおそれがある。ここで、支持枠101によって支持されている落下防止ネット105は、一般的に網状に構成されており、支持枠101に比べて強度が低いことから、まず、支持枠101よりも先に変形する。そして、落下防止ネット105の変形で吸収できなかった運動エネルギー(衝撃荷重)により、支持枠101も変形するが、この際、落下防止ネット105の端部105aが持ち上がることで、支持枠101を構成する蓋部材122を押し上げる方向の力(押し上げ荷重)が発生する。このような押し上げ荷重により、蓋部材122が固定ボルト124とともに飛ばされ、落下防止ネット105の端部105aがネット受け部材121から抜け落ちてしまい、落下防止機能が得られなくなるという問題がある。
その結果として、支持枠101を固定する図示略の固定部材が変形してしまい、支持枠101が天窓本体枠180に係止できなくなり、落下防止ネットモジュール107が脱落してしまうという問題がある。
【0010】
上記のような、支持枠が変形する問題を解消するため、従来、
図6Bの部分拡大断面図に示すような、内部が断面矩形状とされた中空補強部材109を支持枠101の下面側及び上面側の一方あるいは両側面側に取り付けることも行われている。しかしながら、このような中空補強部材109はサイズが大きいことから、支持枠101の強度は向上させられるものの、設置スペースの確保が難しく、天窓の形状によっては設置が困難になり、さらに、外観・美観を損ねてしまうという問題があった。また、
図6Aに示したような分割構造の落下防止ネットモジュール100に上記の中空補強部材109を適用した場合には、支持枠101における天窓本体枠180には支持されない辺にも中空補強部材109が配置されることから、天窓の開口面積(有効開口面積)が狭められてしまい、採光や排煙の効率が低下するという問題があった。
【0011】
また、
図9A及び
図9Bに示す落下防止ネットモジュール200のような、複数で落下防止ネットモジュールが並べられた分割構造とした場合には、例えば、落下防止ネットモジュール207A~207Cの各々の間に中桟260が配置され、これらが天窓本体枠180の長さ方向に沿って並べられて配置されることもある。中桟260は、有効開口面積が大きな天窓に対し、落下防止ネットモジュール100を複数で並べて配置する場合の補強材として設置されるものである。
【0012】
一方、
図9A及び
図9Bに示したような構造において、例えば、落下防止ネットモジュール207Bの上に人が落下した場合、この人の荷重を、落下防止ネットモジュール207A~207Cのうちの落下防止ネットモジュール207Bのみが負担することになる。このため、落下防止ネットモジュール207Bが荷重に耐えられず、上記同様、支持枠201が変形して天窓本体枠280に係止できなくなり、落下防止ネットモジュール207Bが脱落してしまうという問題があった。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、外観・美観を損ねることなく、十分な強度を確保することができ、且つ、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能な支持枠、及び、この支持枠を有する落下防止ネットモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ね、支持枠に変形が生じるのを防止し、支持枠が天窓本体枠に支持された状態を維持するためには、まず、支持枠自体により高い強度を付与する必要があることを知見した。そして、支持枠を構成する枠体における適切な位置に補強手段を配置するか、あるいは、枠体(支持枠)に取り付けることで、落下防止ネットの支持枠としての十分な強度を確保できることを突き止めた。これにより、外観・美観を損ねることなく、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
即ち、本発明は、建築物に固定された天窓本体枠に支持され、且つ、網状の落下防止ネットを支持する支持枠であって、前記支持枠は、長尺の枠材が複数で組み合わせられることで枠状とされてなり、複数の前記枠材は、前記落下防止ネットを鉛直下方から支持するネット受け部材と、該ネット受け部材と組み合わせられることで、前記落下防止ネットの端部を収容可能な断面矩形状の内部空間を形成する蓋部材とからなり、さらに、前記支持枠による前記落下防止ネットの支持力を補強するための補強手段を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、支持枠による落下防止ネットの支持力を補強するための補強手段を備えることで、落下防止ネットの支持枠としての十分な強度が得られるので、落下防止ネット上に人間が落下した場合であっても、支持枠が変形するのを防止できる。また、天窓本体枠に支持される枠材が、例えば、複数の枠材のうちの2辺(2箇所)のみの場合であっても、支持枠としての十分な強度を確保でき、変形が生じるのを防止することが可能となる。さらに、支持枠の一部が部分的に大型化するのを抑制できるので、落下防止ネットによる開口面積の欠損を最小限に抑制でき、十分な採光効率や排煙効率が得られる。
【0017】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記補強手段が、前記内部空間に収容され、且つ、複数の前記枠材の長尺方向における少なくとも一部に配置される補強部材からなる構成を採用できる。
【0018】
本発明によれば、複数の枠材の内部空間に、該複数の枠材の長尺方向における少なくとも一部に補強部材が配置されていることで、落下防止ネットの支持枠としての十分な強度が得られるので、落下防止ネット上に人間が落下した場合であっても、支持枠が変形するのをより確実に防止できる。
【0019】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記補強部材が、前記枠材の長尺方向における中央部に配置されていることがより好ましい。
本発明によれば、補強部材が、枠材の長尺方向で中央部に配置されていることで、枠材、ひいては支持枠全体に対して効果的に強度を付与できる。
【0020】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記補強部材が、前記枠材の長尺方向における全体にわたって配置されている構成を採用してもよい。
本発明によれば、補強部材が、枠材の長尺方向における全体にわたって配置されていることで、枠材、ひいては支持枠全体に対してより顕著な強度を付与できる。
【0021】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記補強部材が、前記内部空間において、前記蓋部材と前記落下防止ネットの前記端部との間に配置されていることがより好ましい。
本発明によれば、補強部材が、蓋部材と落下防止ネットの端部との間に配置されていることで、枠材、ひいては支持枠全体に対して効果的に強度を付与できるとともに、落下防止ネットによる開口面積の欠損を最小限に抑制できるので、さらに顕著な採光効率や排煙効率が得られる。
【0022】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記支持枠が、複数の前記枠材が組み合わせられることで平面視矩形状とされていてもよい。
本発明によれば、支持枠が平面視矩形状とされていることで、落下防止ネットの支持枠としての強度がより顕著に高められるとともに、落下防止ネットによる開口面積の欠損を最小限に抑制できるので、さらに顕著な採光効率や排煙効率が得られる。
【0023】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記ネット受け部材及び前記蓋部材、並びに、前記補強部材が板状の金属材料からなり、且つ、前記補強部材が、前記ネット受け部材及び前記蓋部材よりも肉厚である構成を採用できる。
本発明によれば、補強部材が、ネット受け部材及び蓋部材よりも肉厚な板状の金属材料からなることで、落下防止ネットの支持枠としての強度がさらに顕著に高められる。
【0024】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記補強部材が、前記ネット受け部材及び前記蓋部材よりも高強度の金属材料からなる構成を採用できる。
本発明によれば、補強部材が、ネット受け部材及び蓋部材よりも高強度の金属材料から構成されることで、ネット受け部材及び蓋部材に高価な高強度材料を用いることなく、落下防止ネットの支持枠としての強度がさらに顕著に高められる。
【0025】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記ネット受け部材が、前記補強部材を締結固定する締結部を有する構成を採用してもよい。
本発明によれば、ネット受け部材に対して補強部材が締結部で締結されていることで、枠材、ひいては支持枠全体に対してさらに顕著に強度を付与できる。
【0026】
本発明の支持枠は、上記構成において、前記ネット受け部材の前記締結部と前記補強部材とが締結固定されるとともに、前記締結部を挟み込むように、前記補強部材と前記蓋部材とが締結固定された構成を採用してもよい。
本発明によれば、締結部と補強部材とを締結固定したうえで、さらに、締結部を挟み込むように補強部材と蓋部材とを締結固定した構成とすることで、枠材、ひいては支持枠全体に対して、特に顕著に強度を付与できる。
【0027】
本発明の支持枠は、上記構成において、さらに、前記締結部と前記蓋部材との間に締結部材が配置されていることがより好ましい。
本発明によれば、締結部と蓋部材との間に締結部材を配置することで、枠材、ひいては支持枠全体の強度をさらに高めることが可能になる。
【0028】
また、本発明の支持枠は、上記構成において、前記補強手段が、前記支持枠が複数で前記天窓本体枠に支持されたとき、隣接する複数の前記支持枠同士を連結する支持枠連結部材からなる構成を採用できる。
本発明によれば、補強手段が、隣接する複数の支持枠同士を連結する支持枠連結部材からなることで、独立して設けられる各々の支持枠の間が強固に連結されるので、落下防止ネットの支持枠としての十分な強度が得られる。これにより、上記同様、落下防止ネット上に人間が落下した場合であっても、支持枠が変形するのを確実に防止できる。
【0029】
また、本発明の支持枠は、上記構成において、前記補強手段が、前記天窓本体枠に支持された中桟に前記支持枠を連結する中桟連結部材からなる構成を採用できる。
本発明によれば、補強手段が、天窓本体枠に支持された中桟に支持枠を連結する中桟連結部材からなることで、支持枠が中桟に強固に連結されるので、落下防止ネットの支持枠としての十分な強度が得られる。これにより、上記同様、落下防止ネット上に人間が落下した場合であっても、支持枠が変形するのを確実に防止できる。
【0030】
本発明の落下防止ネットモジュールは、上記のような本発明に係る支持枠に備えられる補強手段が、それぞれ単独又は2以上で組み合わせて用いられた前記支持枠に網状の落下防止ネットが取り付けられてなることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成を備える本発明に係る支持枠に備えられた各種の補強手段が、単独又は適宜組み合わされてなる支持枠を備えるものなので、外観・美観を損ねることなく、十分な強度を確保することができ、且つ、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能となる。
【0031】
本発明の落下防止ネットモジュールは、上記構成において、前記落下防止ネットが、建築物に設けられる天窓の鉛直下方で、該天窓と相対するように配置された構成を採用できる。
本発明によれば、落下防止ネットが天窓の鉛直下方に相対配置されることで、十分な採光効率や排煙効率を確保しながら、万が一、天窓から人間が落下した場合であっても、確実に受け止めることが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る支持枠によれば、上記のように、支持枠による落下防止ネットの支持力を補強するための補強手段が備えられた構成を採用している。これにより、落下防止ネットの支持枠としての十分な強度が得られるので、落下防止ネット上に人間が落下した場合であっても、支持枠が変形するのを防止できる。また、天窓本体枠に支持される枠材が、たとえば、複数の枠材のうちの2箇所のみの場合であっても、支持枠としての十分な強度を確保でき、変形が生じるのを防止できる。
従って、外観・美観を損ねることなく、十分な強度を確保することができ、且つ、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能となる。
【0033】
また、本発明に係る落下防止ネットモジュールによれば、上記構成を備えた本発明に係る支持枠に備えられた補強手段が、それぞれ単独又は適宜組み合わされてなる支持枠を備えてなるものなので、上記同様、外観・美観を損ねることなく、十分な強度を確保することができ、且つ、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施形態である支持枠及び落下防止ネットモジュールについて模式的に説明する図であり、本発明の支持枠及び落下防止ネットモジュールを、開閉式の天窓の鉛直下方に配置した例を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態である支持枠及び落下防止ネットモジュールについて模式的に説明する図であり、落下防止ネットモジュールに備えられる支持枠が、建築物に固定される天窓本体枠に支持された状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態である支持枠及び落下防止ネットモジュールについて模式的に説明する図であり、支持枠を構成する枠材の内部空間に補強部材を配置する手順を示す要部拡大図である。
【
図4】本発明の一実施形態である支持枠及び落下防止ネットモジュールについて模式的に説明する図であり、支持枠を構成する枠材の内部空間に補強部材が配置された状態を示す要部拡大図である。
【
図5】本発明の一実施形態である支持枠及び落下防止ネットモジュールについて模式的に説明する図であり、
図3中に示したA-A断面図である。
【
図6A】従来の支持枠及び落下防止ネットモジュールを示す概略図である。
【
図6B】従来の支持枠及び落下防止ネットモジュールを示す概略図であり、支持枠の下面側に断面略矩形状とされた中空補強部材が配置された支持枠及び落下防止ネットモジュールの部分拡大断面図である。
【
図7】本発明の他の実施形態である支持枠及び落下防止ネットモジュールについて模式的に説明する図であり、隣接する複数の支持枠同士を支持枠連結部材で連結した状態を示す平面図である。
【
図8】本発明の他の実施形態である支持枠及び落下防止ネットモジュールについて模式的に説明する図であり、天窓本体枠に支持された中桟に対し、支持枠を中桟連結部材で連結した状態を示す平面図である。
【
図9A】従来の支持枠及び落下防止ネットモジュールを示す概略図であり、支持枠及び中桟が複数で天窓本体枠に支持された状態を示す斜視図である。
【
図9B】従来の支持枠及び落下防止ネットモジュールを示す概略図であり、支持枠及び中桟が複数で天窓本体枠に支持された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る支持枠及び落下防止ネットモジュールの第1,2の実施形態について、
図1~
図5、並びに、
図7及び
図8を適宜参照しながら説明する(
図6A及び
図6Bに示す従来図も適宜参照する場合がある)。なお、以下の説明で用いる図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なることがある。
【0036】
<第1の実施形態>
第1の実施形態の支持枠及び落下防止ネットモジュールの構成について、
図1~
図5を参照しながら以下に詳述する(
図6A及び
図6Bの従来図も参照)。
図1は、本実施形態の支持枠1、及び、この支持枠1を備える落下防止ネットモジュール10を、建築物のルーフトップに設けられ、ジャッキ構造で開閉可能とされた天窓90の鉛直下方に配置した例を示す斜視図である。
図2は、落下防止ネットモジュール10に備えられた支持枠1が、図示略の建築物に固定される天窓本体枠80に支持された状態を示す斜視図である。
図3は、
図2中に示した支持枠1を構成する複数の枠材2の内部空間25に補強部材(補強手段)3を配置する手順を示す要部拡大図である。
図4は、支持枠1を構成する枠材2の内部空間25に補強部材3が配置された状態を示す要部拡大図である。
図5は、
図3中に示したA-A断面図である。
【0037】
[天窓]
まず、本実施形態の支持枠1を備える落下防止ネットモジュール10を下方に配置して用いることが可能な天窓の一例について、
図1中に示した天窓90を例に挙げて、その全体構成を説明する。
【0038】
図1中に示す天窓90は、パンタグラフ型のジャッキ機構93による動作で窓枠91を上下移動させることにより、開口部90aの開閉を行うことが可能なものである。図示例の天窓90は、平面視矩形状(長方形状)とされ、所謂屋上(ルーフトップ)に開口するように設置されており、開口部90aに沿うように、窓枠91を収容することが可能な天窓本体枠80が設置されている。
そして、図示例においては、落下防止ネットモジュール10を構成する支持枠1が、天窓本体枠80に支持されている。
図1、
図2及び
図4に示す例では、詳細な図示を省略しているが、支持枠1は、図示略の固定部材やボルト等によって天窓本体枠80に固定されるか、あるいは、ねじ留め不要の構成で天窓本体枠80に固定される。
【0039】
天窓本体枠80の材質としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、ステンレス、又は銅等を主成分とした合金材料が挙げられる。特に、生産性等の観点からは、天窓本体枠80として、アルミニウム合金材料を押出成形して得られたものを採用することが好ましい。
【0040】
窓枠91は、例えば、一般的な窓枠部材に用いられる金属材料からなり、その枠内に、開口部90aの遮蔽体となるガラス板92がはめ込まれることで窓を構成している。
窓枠91は、ジャッキ機構93による上昇動作により、開口部90aを開口する一方、ジャッキ機構93による下降動作によって天窓本体枠80に収容させることで、開口部90aを覆うことが可能に構成されている。
【0041】
窓枠91の材質としても、特に限定されないが、上述した天窓本体枠80と同様、例えば、アルミニウム、ステンレス、又は銅等を主成分とした合金材料を用いることができ、特に、アルミニウム合金材料を押出成形して得られたものを採用することが好ましい。
一方、窓枠91としては、軽量化や生産性等の観点から、例えば、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレン、又はナイロン等の樹脂材料を押出成形することで得られたものであってもよい。
【0042】
ジャッキ機構93は、上述したように、パンタグラフ型に構成されており、第1アーム93Aと第2アーム93BとがX字状に交差するように組み付けられ、その交差部に、第1アーム93Aと第2アーム93Bとを、交差部を中心として各々回転自在に組み付けるためのシャフト93Cが設けられている。
また、ジャッキ機構93は、窓枠91及び天窓本体枠80において対向する二辺に各々配置され、図示例においては、計4箇所に配置されている。
【0043】
第1アーム93A及び第2アーム93Bは、長尺で板状に構成され、図示略の各々の上端に窓枠91が取り付けられている。また、第1アーム93Aの図示略の下端側が天窓本体枠80に固定されている。また、第2アーム93Bの下端93cは、天窓本体枠80の側壁81に配置されたスライド部材93Dに対して、水平方向でスライド移動可能に取り付けられている。これにより、ジャッキ機構93は、例えば、作業者が手動で第2アーム93Bの下端93cをスライド移動させることで、第1アーム93A及び第2アーム93Bの上端側に取り付けられた窓枠91を上昇させて開口部90aを開放するか、あるいは、窓枠91を下降させて開口部90aを覆うことが可能に構成されている。
【0044】
ジャッキ機構93を構成する第1アーム93A、第2アーム93B、シャフト93C及びスライド部材93Dの材質としては、特に限定されず、例えば、所定の強度を有するステンレス合金材料等を採用することができる。
【0045】
一方、詳細な図示を省略するが、ジャッキ機構93の動作は、上述した手動によるものに限定されるものではなく、例えば、図示略のねじ棒を回転させることで、第2アーム93Bの下端93cをスライド移動できるような構造を採用することも可能である。
【0046】
なお、本実施形態の支持枠1及び落下防止ネットモジュール10を適用することが可能な天窓は、上記の天窓90のような、遮蔽体としてガラス板を用いた平板状のものには限定されない。例えば、ドーム状の遮蔽体を有する天窓の他、長円形状や四角錐状等、各種形状の遮蔽体を有する如何なる天窓に対しても、本実施形態の支持枠1及び落下防止ネットモジュール10を適用することが可能である。
【0047】
また、ガラス板92としては、光透過性又は遮光性のガラス材料を用いることができ、透明ガラス及び不透明ガラスの何れも採用することが可能である。
さらに、ガラス板92としては、例えば、網入り強化ガラス、断熱性ガラス又は複層ガラス等を用いることもできる。
【0048】
また、遮蔽体の材質は、本実施形態で説明するガラス板92のような、ガラス材料からなるものには限定されない。例えば、上記のガラス板92に変えて、樹脂板や金属板等を遮蔽板として用いることも可能である。
上記の樹脂板としては、例えば、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレン等からなるものが挙げられる。
また、金属板としては、例えば、アルミニウム合金材料、ステンレス合金材料、又は亜鉛合金材料からなるものが挙げられる。
【0049】
[支持枠]
本実施形態の支持枠1は、上述したような、建築物に固定された天窓本体枠80に支持され、且つ、網状の落下防止ネット5を支持するものである。
図1及び
図2等に示す例の支持枠1は、長尺の枠材2が複数で組み合わせられることで枠状に構成されており、図示例では、4本の枠材が組み合わせられた平面視矩形状に構成されている。また、複数の枠材2は、ネット受け部材21と、このネット受け部材21と組み合わせられる蓋部材22とから構成される。
そして、本実施形態の支持枠1は、支持枠1による落下防止ネット5の支持力を補強するための補強手段を備える。本実施形態では、上記の補強手段として、複数の枠材2の内部空間25に収容され、且つ、複数の枠材2の長尺方向における少なくとも一部に配置される補強部材3を備える。
【0050】
枠材2は、上述したように、複数で組み合わせられて用いられることで支持枠1を構成するものである。より具体的には、枠材2は、落下防止ネット5を鉛直下方から支持するネット受け部材21と、このネット受け部材21と組み合わせられることで、落下防止ネット5の端部5aを収容可能な断面矩形状の内部空間25を形成する蓋部材22とから構成される。
【0051】
ネット受け部材21は、
図3及び
図5に示す例のように、上方に向けて開口した断面略コの字状の長尺部材として構成されており、底部21aから一対の側壁21b,21cが上方に向けて延出するように構成されている。また、ネット受け部材21の一方の側壁21bには、詳細を後述する落下防止ネット5の端部5a、具体的には棒状部材51の端部5aを、蓋部材22が組み合わせられることで確保される内部空間25に収容するためのスリット21dが設けられている。さらに、ネット受け部材21の側壁21bには、後述の補強部材3に備えられる凸部32が挿入される挿入孔21gが設けられている。
【0052】
さらに、ネット受け部材21の一方の側壁21bには、詳細を後述する補強部材3を締結固定するための締結部21eが設けられており、
図4中に示す例においては、枠材2の長尺方向で、スリット21dによって分割された締結部21eが複数箇所で設けられている。
図示例の締結部21eは、一方の側壁21bから内側に向かって延出したフランジ状に形成されている。また、締結部21eには、固定ねじ23によって補強部材3を締結固定するための締結孔21fが、1箇所の締結部21eにおいて計2箇所で形成されている。
【0053】
蓋部材22は、
図3及び
図5に示す例のように、ネット受け部材21の開口側を覆うように組み付けられる蓋状部材として構成される。また、図示例の蓋部材22には、枠材2の内部空間25に収容されるとともに、ネット受け部材21の締結部21eに締結固定された補強部材3に対し、固定ボルト24を用いて蓋部材22を固定するための図示略の挿通孔が設けられている。また、蓋部材22における短尺方向の一端22a側からは、ネット受け部材21の一方の側壁21bの上部を覆うように配置される側板22cが延出している。
【0054】
複数の枠材2を構成するネット受け部材21及び蓋部材22の材質としては、特に限定されず、従来からこの分野で用いられているアルミニウム合金材料等を何ら制限無く採用することが可能である。
【0055】
本実施形態の支持枠1は、上記のように、4つの枠材2が組み合わせられることで平面視矩形状とされ、より具体的には平面視正方形状とされている。支持枠1を平面視矩形状とすることで、落下防止ネット5を支持する支持枠1としての強度がより顕著に高められるとともに、落下防止ネット5による開口面積の欠損を最小限に抑制できるので、さらに顕著な採光効率や排煙効率が得られる。
一方、本実施形態においては、支持枠の平面視形状は特に限定されず、例えば、使用する枠材2の本数や長さを変更することで、平面視で六角形状や八角形状等の多角形状としてもよく、適宜変更することが可能である。
【0056】
補強部材3は、上記のように、複数の枠材2の内部空間25において、枠材2の長尺方向における少なくとも一部に配置され、支持枠1に強度を付与する板状部材である。
図4に示す例では、補強部材3は、枠材2の長尺方向における概略中央部に配置されている。また、
図5に示す例では、補強部材3は、内部空間25において、蓋部材22と落下防止ネット5の端部5aとの間に配置されている。
【0057】
また、補強部材3には、上述したネット受け部材21の締結部21eとの締結固定に用いられるねじ孔31が設けられており、図示例においては、一つの補強部材3に計4箇所のねじ孔31が設けられている。
本実施形態では、上記構成により、ネット受け部材21の締結部21eと補強部材3とが締結固定されるとともに、締結部21eを挟み込むように、補強部材3と蓋部材22とが締結固定される。
【0058】
また、補強部材3は、短尺方向における一端3a側の複数箇所に凸部32が形成されており、図示例では計5箇所に形成されている。また、これらの凸部32は、ネット受け部材21に設けられるスリット21d及び挿入孔21gに入り込むように構成されている。さらに、図示例の補強部材3には、計5箇所の凸部32に対応する位置であって、且つ、補強部材3の上を覆う蓋部材22に設けられた挿通孔(図示略)と対応する位置で、固定ボルト24を用いて蓋部材22を補強部材3に固定するためのねじ孔33が設けられている。
【0059】
補強部材3は、
図3~
図5に示す例のように、所定の強度を有した板状の材料からなる構成を採用できるが、例えば、所定の凹凸を有することで、より強度を高めた構成を採用することも可能である。
【0060】
補強部材3の材質としても、特に限定されないが、支持枠1全体の強度を高める観点から、枠材2を構成するネット受け部材21及び蓋部材22よりも高強度の金属材料からなることが好ましい。例えば、枠材2にアルミニウム合金材料を用いた場合には、補強部材3として、ステンレス合金材料等のような高強度金属材料を用いることが好ましい。これにより、ネット受け部材21及び蓋部材22に高価な高強度材料を用いることなく、支持枠1全体に対して効果的に強度を付与でき、落下防止ネット5を支持する支持枠1としての強度がさらに顕著に高められる。
【0061】
一方、本実施形態では、補強部材3による補強作用をより効果的に発現させることを目的として、例えば、ネット受け部材21及び蓋部材22、並びに、補強部材3を板状の金属材料から構成したうえで、補強部材3を、ネット受け部材21及び蓋部材22よりも肉厚である構成を採用することも可能である。このような構成を採用した場合においても、落下防止ネット5を支持する支持枠1としての強度がさらに顕著に高められる。
【0062】
本実施形態の支持枠1によれば、上記のように、複数の枠材2の内部空間25に、これら複数の枠材2の長尺方向における少なくとも一部に補強部材3が配置されていることで、従来の補強構造(
図6Bとして示した従来図も参照)に比べて、落下防止ネット5の支持枠1としての十分な強度が得られる。これにより、落下防止ネット5上に人間が落下した場合であっても、支持枠1が変形するのを防止できる。
また、建築物に固定された天窓本体枠80に支持される枠材2が、例えば、複数の枠材2のうちの2辺(2箇所)である場合、例えば、平面視矩形状の支持枠1における計4辺のうちの2辺のみの場合であっても(
図6Aとして示した従来図も参照)、支持枠1としての十分な強度を確保でき、変形が生じるのを防止することが可能となる。これにより、落下防止ネットモジュール全体の長手方向の寸法が非常に大きく、落下防止ネットモジュールを複数に分割して組み合わせなければならず、落下防止ネットモジュール10において天窓本体枠80に支持される枠材2が2辺(2箇所)のみである場合であっても、落下物等の荷重による変形が生じるのを防止できる。
さらに、補強部材3が枠材2の内部空間25に配置されることで、支持枠1の一部が、追加部材(
図6Bとして示した従来図も参照)によって部分的に大型化すること等を抑制できるので、本来の支持枠の形状の特徴を活かしながら、支持枠1全体の強度を高めることが可能になるとともに、落下防止ネット5による開口面積の欠損を最小限に抑制できる。これにより、外観・美観を損ねることなく、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態の支持枠1では、補強部材3が、蓋部材22と落下防止ネット5の端部5aとの間に配置された構成を採用した場合には、枠材2、ひいては支持枠1全体に対してより効果的に強度を付与できるとともに、落下防止ネット5をより強固に支持できる。
【0064】
また、本実施形態の支持枠1では、ネット受け部材21に対して補強部材3が締結部21eで締結固定された構成とされることで、枠材2、ひいては支持枠1全体に対してさらに顕著に強度を付与できる。
さらに、上記のような締結部21eを備えた構成を採用した場合には、ネット受け部材21の締結部21eと補強部材3とが締結固定されるとともに、締結部21eを挟み込むように、補強部材3と蓋部材22とが締結固定された構成を採用することがより好ましい。このような構成を採用することにより、枠材2、ひいては支持枠1全体に対して、特に顕著に強度を付与できる。
【0065】
なお、本実施形態の支持枠1は、上記のように、補強部材3が、枠材2の長尺方向で中央部に配置されていることで、枠材2、ひいては支持枠1全体に対して効果的に強度を付与することができるが、補強部材3は上記のような配置形態には限定されない。例えば、補強部材3を、枠材2の長尺方向における全体にわたって配置した場合には、枠材2、ひいては支持枠1全体に対してより顕著な強度を付与できる。
【0066】
また、本実施形態においては、ネット受け部材21の締結部21eと補強部材3との間、並びに、補強部材3と蓋部材22との間を、ねじで締結固定した例を挙げて説明しているが、これらのうち、少なくとも補強部材3の固定については、ねじ留めによる締結固定は必須ではない。例えば、補強部材3の凸部32を、ネット受け部材21のスリット21d及び挿入孔21gに入り込むように組み付け、さらに、ネット受け部材21における側壁21c側にも、蓋部材22と同様の曲げ形状を有する図示略の蓋部材を配置することで、補強部材3とネット受け部材21との間のねじ留めによる締結固定を行わずとも、十分な強度が確保できる。一方、蓋部材22とネット受け部材21の締結部21eとの間については、ねじ留めによって締結固定することで、より優れた強度特性を確保できる。
【0067】
さらに、支持枠1の天窓本体枠80に対する固定方法に、ねじ留めが不要な構成を採用した場合には、天窓本体枠80にねじ孔を形成することが不要となるので、例えば、天窓本体枠80に雨樋の機能を持たせた場合に、雨水が外部に漏れ出すのを防止することが可能となる。
【0068】
また、一般に、天窓90のサイズが大きい場合、これに対応して配置される支持枠も大型化することになるため、支持枠の強度が不足するケースもあるが、本実施形態のように、枠材2の長尺方向における少なくとも一部に補強部材3を配置することで、効果的に強度を高めることが可能となる。
【0069】
また、本実施形態においては、例えば、ネット受け部材21の締結部21eと蓋部材22との間に、さらに、図示略の締結部材を配置した構成を採用してもよい。
このような締結部材を設けることにより、枠材2、ひいては支持枠1全体の強度をさらに高めることが可能になる。
【0070】
[落下防止ネットモジュール]
以下に、本実施形態の落下防止ネットモジュール10の構成について、上記同様、
図1~
図5を参照しながら説明する。
本実施形態の落下防止ネットモジュール10は、上述した本実施形態の支持枠1に、網状の落下防止ネット5が取り付けられてなるものである。
本実施形態の落下防止ネットモジュール10は、
図1に示すような天窓90の鉛直下方に配置されるか、あるいは、建築物の屋根や屋上等に設けられる種々の開口部から、人間が落下するのを防止することが必要な箇所に配置されるものである。
【0071】
落下防止ネット5は、
図1~
図4等に示す例のように、複数の棒状部材51を格子状に組み合わせて溶接固定した溶接金網から構成される。本実施形態の落下防止ネットモジュール10においては、落下防止ネット5の端部5a、即ち、棒状部材51の端部5aが支持枠1に支持される。具体的には、
図5に示す例においては、支持枠1の内部空間25において、落下防止ネット5(棒状部材51)の端部5aが、補強部材3とネット受け部材21の底部21aとの間に配置されている。
【0072】
落下防止ネット5を構成する棒状部材51の材質としては、特に限定されず、本実施形態の落下防止ネットモジュール10が設置される場所において、万が一の場合に落下してくることが予想される物品の重さ、あるいは、人間の体重等を考慮しながら、できる限り強度の高い金属材料等を採用することが好ましい。このような材料としては、例えば、溶融亜鉛めっき丸棒鋼材や、ステンレス丸棒材料等が挙げられる。
【0073】
また、棒状部材51の径も特に限定されず、上記同様、落下物や人間の重さ等を考慮しながら、十分な強度が得られる径の丸棒を選択して用いることができる。また、棒状部材51の断面形状としても特に限定されるものではなく、例えば、断面矩形状の棒材や、断面多角形状の棒材等を何ら制限無く採用することが可能である。
【0074】
また、格子状に組み合わせられる棒状部材51の配置ピッチ及び本数としても、特に限定されるものではない。棒状部材51の配置ピッチ及び本数は、上記同様、落下防止ネットモジュール10が設置される場所において落下してくることが予想される物品や人間の重さを勘案しながら、十分な強度が得られるよう、適宜決定すればよい。また、棒状部材51の配置ピッチ及び本数は、上述したような、棒状部材51の材質や太さ、断面形状等も勘案しながら、十分な強度が得られるよう、適宜決定することが好ましい。
【0075】
本実施形態の落下防止ネットモジュール10は、本実施形態の支持枠1に落下防止ネット5が取り付けられて支持されたものなので、上記同様、外観・美観を損ねることなく、十分な強度を確保することができる。また、支持枠1の一部が、追加部材によって部分的に大型化すること等もないので、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能となる。
【0076】
また、本実施形態の落下防止ネットモジュール10は、落下防止ネット5が、建築物に設けられる天窓90の鉛直下方で、この天窓90と相対するように配置することが好ましい。このように、落下防止ネットモジュール10に備えられる落下防止ネット5が天窓90の鉛直下方に相対配置されることで、十分な採光効率や排煙効率を確保しながら、万が一、天窓90から人間が落下した場合であっても、確実に受け止めることが可能となる。
【0077】
<第2の実施形態>
以下に、第2の実施形態の支持枠及び落下防止ネットモジュールの構成について、主として
図7を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、上記の
図7に加えて、第1の実施形態の支持枠1及び落下防止ネットモジュール10を示した
図1~
図5も参照して説明する場合がある。
【0078】
図7は、本実施形態の支持枠1A、及び、この支持枠1Aを備える落下防止ネットモジュール10Aについて模式的に説明する図であり、隣接する複数の支持枠1A同士を支持枠連結部材4Aで連結した例を示す平面図である。
【0079】
なお、本実施形態においては、上述した第1の実施形態の支持枠1及び落下防止ネットモジュール10と同様の構成については、同じ符号を付与して説明するとともに、その詳細な説明を省略する。
【0080】
図7に示すように、本実施形態の支持枠1Aは、支持枠1Aによる落下防止ネット5の支持力を補強するための補強手段として、支持枠連結部材4Aを備える。具体的には、支持枠1Aは、この支持枠1Aが複数で天窓本体枠(
図1及び
図2に示した天窓本体枠80を参照)に支持されたとき、隣接する複数の支持枠1A同士を連結するための支持枠連結部材4Aを備える。
図7に示す例においては、支持枠1Aを有する2台の落下防止ネットモジュール10Aが並べられて配置されており、支持枠連結部材4Aの両端が、2台の落下防止ネットモジュール10Aの各々が備える支持枠1Aに対して、それぞれ、スリーブ40によって固定されている。また、図示例では、支持枠連結部材4Aが、2台の落下防止ネットモジュール10Aの間に配置された中桟6を避けて迂回するように配置されている。
【0081】
支持枠連結部材4Aとしては、例えば、ステンレス線を撚り合わせたワイヤの他、金属性のチェーン等、高強度を有し、且つ、可撓性を有する長尺の部材を何ら制限無く採用することができる。
また、支持枠連結部材4Aを構成するワイヤやチェーンは、詳細な図示は省略するが、例えば、樹脂製のチューブで被覆された構成とすることが、見栄えや品質の安定性、並びに、施工時の作業性等の観点から好ましい。
【0082】
また、図示例においては、2台の落下防止ネットモジュール10Aに備えられる支持枠1Aの各々に対し、支持枠連結部材4Aの両端がスリーブ40で固定された例を示しているが、これには限定されず、例えば、ボルトを用いて固定することも可能である。
一方、
図7においては詳細な図示を省略しているが、支持枠1Aに図示略の孔を設け、この孔に対して簡便な操作で嵌め込み固定が可能なスリーブ40を用いて、支持枠連結部材4Aの両端を各々の支持枠1Aに固定する方法を採用することが、以下の観点から好ましい。即ち、スリーブ40を用いた固定方法は、ボルトを用いた固定方法とは異なり、ボルトの緩みを解消するための定期的な増し締めを行う等のメンテナンスが不要になり、また、落下を防止できる強度を長期間にわたって維持することが可能になるという利点がある。また、スリーブ40を用いた固定方法を採用することで、施工現場において、複数の落下防止ネットモジュール10Aの間を固定するのが容易になるので、作業性が高められる効果が得られる。
【0083】
本実施形態の支持枠1A及び落下防止ネットモジュール10Aによれば、隣接する複数の支持枠1A同士を連結する支持枠連結部材4Aを備えることで、独立して設けられる各々の支持枠1Aの間が強固に連結されるので、落下防止ネットの支持枠としての十分な強度が得られる。例えば、
図7に示す例において、一方の落下防止ネットモジュール10Aに備えられる落下防止ネット5に落下物等による荷重が加わった場合でも、この荷重を単独で負担することなく、支持枠連結部材4Aを介して他方の落下防止ネットモジュール10Aでも荷重を負担することができる。これにより、上記同様、落下防止ネット5上に人間が落下したようなケースにおいても、支持枠1Aが変形するのを確実に防止できる。
【0084】
なお、本実施形態の支持枠1Aは、第1の実施形態の支持枠1とは異なり、補強部材3を備えていないものを用いることができる。本実施形態では、このような、補強部材3を備えていない支持枠1Aを用いた場合でも、支持枠連結部材4Aによって得られる上記効果により、落下防止ネット5の支持枠としての十分な強度を確保することが可能となる。
【0085】
一方、例えば、
図7に示す例において、複数の落下防止ネットモジュールのうちの何れか一方又は両方に備えられる支持枠を、第1の実施形態で説明した補強部材3を備えた支持枠1とした場合でも、本実施形態で説明する支持枠連結部材4Aによる顕著な効果が得られる。
即ち、例えば、第1の実施形態で説明した支持枠1及び落下防止ネットモジュール10に、さらに、本実施形態で説明した支持枠連結部材4Aを適用した場合には、以下のような効果が得られる。例えば、1台の落下防止ネットモジュール10上に人間が落下して単独で荷重を負担する状況となった場合に、万が一、荷重を負担した落下防止ネットモジュール10に備えられる支持枠1の変形量が大きくなったとしても、支持枠連結部材4Aを介して他の落下防止ネットモジュール10でも荷重を負担することができる。これにより、支持枠1及び落下防止ネットモジュール10が落下するのを防止できる効果が得られる。
即ち、補強手段として、第1の実施形態で説明した補強部材3と、本実施形態で説明した支持枠連結部材4Aとを併用した構成を採用することで、より優れた強度を有し、安全性の高い支持枠及び落下防止ネットモジュールを提供することが可能となる。
【0086】
なお、
図7に示す例では、図示の都合上、支持枠1Aの一辺側のみに支持枠連結部材4Aを配置した例を説明しているが、これには限定されず、例えば、支持枠1Aにおける図示していない一辺側にも支持枠連結部材4Aを配置して固定することが、より安定した強度が得られる観点から好ましい。
【0087】
<第3の実施形態>
第3の実施形態の支持枠及び落下防止ネットモジュールの構成について、主として
図8を参照しながら説明する。なお、本実施形態においても、上記の
図8に加えて、第1の実施形態の支持枠1及び落下防止ネットモジュール10を示した
図1~
図5や、第2の実施形態の支持枠1A及び落下防止ネットモジュール10Aを示した
図7も参照して説明する場合がある。
【0088】
図8は、本実施形態の支持枠1B、及び、この支持枠1Bを備える落下防止ネットモジュール10Bについて模式的に説明する図であり、支持枠1Bを、図示略の天窓本体枠(
図1及び
図2に示した天窓本体枠80を参照)に支持された中桟6に対して、中桟連結部材4Bで連結した例を示す平面図である。
【0089】
なお、本実施形態においても、上述した第1,2の実施形態の支持枠1,1A及び落下防止ネットモジュール10,10Aと同様の構成については、同じ符号を付与して説明するとともに、その詳細な説明を省略する。
【0090】
図8に示すように、本実施形態の支持枠1Bは、支持枠1Bによる落下防止ネット5の支持力を補強するための補強手段として、中桟連結部材4Bを有する。具体的には、支持枠1Bは、この支持枠1Bが複数で天窓本体枠(
図1及び
図2に示した天窓本体枠80を参照)に支持されたとき、天窓本体枠に支持された中桟6に支持枠1Bを連結する中桟連結部材4Bを備える。図示例においては、支持枠1Bを有する2台の落下防止ネットモジュール10Bが並べられて配置されており、中桟連結部材4Bが中桟6の内部空間6Aに挿通されるとともに、中桟連結部材4Bの両端が、それぞれ同一の支持枠1Bの端部にスリーブ40で固定されている。これにより、支持枠1B及び落下防止ネットモジュール10Bが、中桟6に連結されている。
【0091】
中桟連結部材4Bとしても、第2の実施形態で説明した支持枠連結部材4Aと同様、例えば、ステンレス線を撚り合わせたワイヤの他、金属性のチェーン等、高強度を有し、且つ、可撓性を有する長尺の部材を何ら制限無く採用することができる。また、中桟連結部材4Bも、支持枠連結部材4Aと同様、例えば、樹脂製のチューブで被覆された構成とすることが、見栄えや品質の安定性、施工時の作業性等の観点から好ましい。
【0092】
また、図示例においては、落下防止ネットモジュール10Bに備えられる支持枠1Bに対し、中桟連結部材4Bの両端がスリーブ40で固定された例を示しているが、これには限定されず、ボルト等を用いて固定する構成を採用することも可能である。
一方、第2の実施形態で説明した支持枠連結部材4Aの場合と同様、支持枠1Bに図示略の孔を設け、この孔に対して簡便な操作で嵌め込み固定が可能なスリーブ40を用いて、中桟連結部材4Bの両端を支持枠1Bに固定する方法を採用することが好ましい。これにより、上記同様、ボルトを用いた場合のような定期的なメンテナンスが不要になり、また、落下を防止できる強度を長期間にわたって維持できるとともに、落下防止ネットモジュール10Bの施工現場における作業性が向上する。
【0093】
本実施形態の支持枠1B及び落下防止ネットモジュール10Bによれば、天窓本体枠に支持された中桟6に支持枠1Bを連結する中桟連結部材4Bを備えることで、支持枠1Bが中桟6に強固に連結されるので、支持枠連結部材4Aを備える第2の実施形態の支持枠1の場合と同様、落下防止ネットの支持枠としての十分な強度が得られる。例えば、
図8に示す例において、一方の落下防止ネットモジュール10Bに備えられる落下防止ネット5に落下物等による荷重が加わった場合でも、この荷重を単独で負担することなく、中桟連結部材4Bを介して中桟6でも荷重を負担することができる。これにより、上記同様、落下防止ネット5上に人間が落下したようなケースにおいても、支持枠1Bが変形するのを確実に防止できる。
【0094】
なお、本実施形態の支持枠1Bについても、第2の実施形態の支持枠1Aと同様、第1の実施形態の支持枠1とは異なり、補強部材3を備えていないものを用いることができる。本実施形態でも、第2の実施形態と同様、補強部材3を備えていない支持枠1Aを用いた場合でも、中桟連結部材4Bによって得られる上記効果により、落下防止ネット5の支持枠としての十分な強度を確保することが可能となる。
【0095】
また、第2の実施形態でも説明したように、例えば、
図8に示す例において、複数の落下防止ネットモジュールのうちの何れか一方又は両方に備えられる支持枠を、第1の実施形態で説明した補強部材3を備えた支持枠1とした場合でも、本実施形態で説明する中桟連結部材4Bによる顕著な効果が得られる。
【0096】
即ち、例えば、第1の実施形態で説明した支持枠1及び落下防止ネットモジュール10に、さらに、本実施形態で説明した中桟連結部材4Bを適用した場合には、以下のような効果が得られる。例えば、1台の落下防止ネットモジュール10上に人間が落下して単独で荷重を負担する状況となった場合に、万が一、荷重を負担した落下防止ネットモジュール10に備えられる支持枠1の変形量が大きくなったとしても、中桟連結部材4Bを介して中桟6でも荷重を負担することができる。これにより、支持枠1及び落下防止ネットモジュール10が落下するのを防止できる効果が得られる。
【0097】
即ち、補強手段として、第1の実施形態で説明した補強部材3と、本実施形態で説明した中桟連結部材4Bとを併用した構成を採用することで、より優れた強度を有し、安全性の高い支持枠及び落下防止ネットモジュールを提供することが可能となる。
【0098】
さらに、本実施形態においては、第1の実施形態で説明した補強部材3と、第2の実施形態で説明した支持枠連結部材4Aと、本実施形態で説明した中桟連結部材4Bとを併用した構成を採用した場合には、さらに優れた強度を有し、非常に優れた安全性を有する支持枠及び落下防止ネットモジュールを提供することが可能となる。
【0099】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の支持枠1,1A,1Bによれば、上記のように、支持枠による落下防止ネットの支持力を補強するための補強手段である補強部材3、支持枠連結部材4A又は中桟連結部材4Bが備えられた構成を採用している。これにより、落下防止ネット5の支持枠としての十分な強度が得られるので、落下防止ネット5上に人間が落下した場合であっても、支持枠1が変形するのを防止できる。また、建築物等に固定された天窓本体枠80に支持される枠材2が、例えば、複数の枠材2のうちの2辺(2箇所)のみの場合であっても、支持枠1,1A,1Bとしての十分な強度を確保でき、変形が生じるのを防止できる。
従って、外観・美観を損ねることなく、十分な強度を確保することができ、且つ、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能となる。
【0100】
また、本実施形態の落下防止ネットモジュール10,10A,10Bによれば、本実施形態の支持枠1、1A,1Bに備えられた補強手段、即ち、補強部材3、支持枠連結部材4A及び中桟連結部材4Bが、それぞれ単独又は適宜組み合わされてなる支持枠を備えてなるものなので、上記同様、外観・美観を損ねることなく、十分な強度を確保することができ、且つ、十分な採光効率や排煙効率を確保することが可能となる。
【0101】
<その他>
上記で説明した実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0102】
例えば、上記の実施形態においては、支持枠に備えられる補強手段として、第1の実施形態の補強部材3、第2の実施形態の支持枠連結部材4A、及び、第3の実施形態の中桟連結部材4Bを挙げ、それらの組み合わせについても説明しているが、これらを組み合わせた構成を採用する場合、その組み合わせは特に限定されない。例えば、補強部材3と支持枠連結部材4Aとの組み合わせ、補強部材3と中桟連結部材4Bとの組み合わせ、支持枠連結部材4Aと中桟連結部材4Bとの組み合わせ、並びに、補強部材3、支持枠連結部材4A及び中桟連結部材4Bの全ての組み合わせ等、補強手段の組み合わせを適宜選択して支持枠を構成することも可能である。
【符号の説明】
【0103】
1,1A,1B…支持枠
2…枠材(複数の枠材)
21…ネット受け部材
21a…底部
21b,21c…側壁
21d…スリット
21e…締結部
21f…締結孔
21g…挿入孔
22…蓋部材
22a…一端
22c…側板
23…固定ねじ
24…固定ボルト
25…内部空間
3…補強部材(補強手段)
3a…一端
31,33…ねじ孔
32…凸部
4A…支持枠連結部材(補強手段)
4B…中桟連結部材(補強手段)
40…スリーブ
10,10A,10B…落下防止ネットモジュール
5…落下防止ネット
5a…端部
51…棒状部材
6…中桟
6A…内部空間
61,62…開口部
80…天窓本体枠
81…側壁
90…天窓
90a…開口部
91…窓枠
92…ガラス板
93…ジャッキ機構
93A…第1アーム
93B…第2アーム
93c…下端
93C…シャフト
93D…スライド部材