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特開2024-35029プログラム、情報処理方法及び情報処理端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035029
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法及び情報処理端末
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/72457 20210101AFI20240306BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240306BHJP
   G01S 1/68 20060101ALI20240306BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240306BHJP
【FI】
H04M1/72457
H04M11/00 302
G01S1/68
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022196
(22)【出願日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2022137469
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022194665
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520175189
【氏名又は名称】oVice株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・セーヒョン
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博和
(72)【発明者】
【氏名】ウ ダーウィン ダーミン
【テーマコード(参考)】
5K127
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB33
5K127CB21
5K127DA13
5K127GA14
5K127JA06
5K127JA14
5K127JA23
5K127JA25
5K127KA23
5K201CC04
5K201DC02
5K201DC06
5K201EB06
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED09
5K201EF10
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を確保しつつ、安定して、位置情報を利用したサービスを提供する。
【解決手段】仮想空間処理部100は、サーバ2から送信されてきた仮想空間情報を、通信部20を介して取得する。入力操作受付部101は、ユーザからの入力操作を受け付ける。ビーコン信号受信部120は、各種近距離無線通信の規格等によりビーコン装置3等から送信されてきたビーコン信号を受信する。センサ情報取得部121は、情報処理端末に備えられたセンサからセンサ情報を取得する。受信状態決定部122は、センサ情報が所定の条件を満たしている場合、ビーコン信号に関する処理を許可し、センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、ビーコン信号に関する処理を禁止する。位置情報管理部103は、受信した識別情報に基づいて、情報処理端末に係るユーザの位置を推定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報を送信する送信装置と通信を行う情報処理端末に、
前記送信装置により発信された識別情報を受信する識別情報受信ステップと、
受信した前記識別情報に基づいて、前記情報処理端末に係るユーザの位置を推定する第1位置推定ステップと、
前記情報処理端末に備えられたセンサからセンサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、
前記センサ情報が所定の条件を満たしている場合、前記識別情報に関する処理を許可し、前記センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、前記識別情報に関する処理を禁止する処理決定ステップと、
を含む処理を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記処理決定ステップは、前記センサ情報が所定の条件を満たしている場合、前記識別情報の受信を許可し、前記センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、前記識別情報の受信を禁止する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1位置推定ステップで推定された前記ユーザの位置に基づいて、前記ユーザの仮想空間における配置を決定する配置決定ステップを含む処理をさらに実行させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記仮想空間は、前記ユーザのそれぞれのコミュニケーションに利用し得る仮想空間である、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記センサは、ジャイロセンサであり、
前記処理決定ステップは、前記センサから取得された値が所定の閾値を超えている場合には、前記識別情報に関する処理を許可し、前記センサから取得された値が所定の閾値を超えていない場合には、前記識別情報に関する処理を禁止する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
充電機能を備えた所定のデバイスから取得された情報に基づいて、前記ユーザの位置を推定する第2位置推定ステップを含む処理をさらに実行させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
所定の条件を満たした場合に、前記ユーザの前記仮想空間における位置を前記仮想空間内に表示しない表示禁止ステップを含む処理をさらに実行させる、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項8】
現実の空間に設置されたカメラにより取得された情報を前記仮想空間において配信する配信ステップを含む処理をさらに実行させる、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1位置推定ステップは、前記送信装置のそれぞれに異なる電波強度の閾値を設定し、当該電波強度の閾値を超えているか否かの結果を加味し、前記情報処理端末に係るユーザの位置を推定する、
請求項1又は3に記載のプログラム。
【請求項10】
所定の位置に設置されている前記送信装置に基づく位置情報と、前記ユーザが保持している前記送信装置に基づく位置情報に基づいて、前記ユーザの位置情報を推定する第2推定ステップを含む処理をさらに実行させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
所定の情報を送信する送信装置と通信を行う情報処理端末が実行する情報処理方法であって、
前記送信装置により発信された識別情報を受信する識別情報受信ステップと、
受信した前記識別情報に基づいて、前記情報処理端末に係るユーザの位置を推定する第1位置推定ステップと、
前記情報処理端末に備えられたセンサからセンサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、
前記センサ情報が所定の条件を満たしている場合、前記識別情報に関する処理を許可し、前記センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、前記識別情報に関する処理を禁止する処理決定ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項12】
所定の情報を送信する送信装置と通信を行う情報処理端末であって、
前記送信装置により発信された識別情報を受信する識別情報受信手段と、
受信した前記識別情報に基づいて、前記情報処理端末に係るユーザの位置を推定する第1位置推定手段と、
前記情報処理端末に備えられたセンサからセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段と、
前記センサ情報が所定の条件を満たしている場合、前記識別情報に関する処理を許可し、前記センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、前記識別情報に関する処理を禁止する処理決定手段と、
を備える情報処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法及び情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の位置情報等を利用した多くのサービスが提供されている。この電子機器の位置情報の推定には、例えば、GPS(Global Positioning System)やビーコンを利用した方法等が知られている。そのような方法の一つとして、ビーコンを利用した電子機器の位置推定システムに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、近年、電子機器の位置情報を常時把握し、それぞれのユーザの位置情報をわかりやすく表示するような技術も提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-96978号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Beacapp HERE」、[online]、[令和4年7月19日検索]、インターネット(URL:https://jp.beacapp-here.com/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述の特許文献1を含む従来技術の多くは、電子機器の位置情報の精度の向上を目的とするものである。しかしながら、上述の特許文献1を含め、高い精度で位置情報を取得するためには多くの処理が必要であり、これを常時行った場合、通信する情報量が増大したり、電子機器のバッテリーが大きく消耗してしまう等の問題が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性を確保しつつ、安定して、位置情報を利用したサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様のプログラムは、
所定の情報を送信する送信装置と通信を行う情報処理端末に、
前記送信装置により発信された識別情報を受信する識別情報受信ステップと、
受信した前記識別情報に基づいて、前記情報処理端末に係るユーザの位置を推定する第1位置推定ステップと、
前記情報処理端末に備えられたセンサからセンサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、
前記センサ情報が所定の条件を満たしている場合、前記識別情報に関する処理を許可し、前記センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、前記識別情報に関する処理を禁止する処理決定ステップと、
を含む処理を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの利便性を確保しつつ、安定して、位置情報を利用したサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図1の情報処理システムのうちユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図2のユーザ端末、図1のサーバ及び図1のビーコン装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】本システムの適用対象となる第1サービスの一例を示す図である。
図5】本システムの適用対象となる第2サービスの概要を説明するためのイメージ図である。
図6】本システムの適用対象となる第1サービスに第2サービスを適用した場合を説明するためのイメージ図である。
図7図3の機能的構成を有するサーバの処理のうち、省電位置情報取得処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
図8】本サービスの適用対象となる第2サービスにおいて提供され得る付随的なサービスの概要を説明するためのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
ここで、実施形態の説明に先立ち、本発明の一実施形態にかかる情報処理システム(以下、「本システム」と呼ぶ)の適用対象となる第1サービス及び第2サービスについて説明する。
第1サービスは、例えば、仮想空間を利用したコミュニケーションサービスである。ユーザは、仮想空間内に存在する自身のアバタを利用することで、仮想空間内に存在する複数のユーザと音声等によりコミュニケーションを図ることができる。
ここで、第1サービスにおける仮想空間は、例えば、現実のユーザが存在するオフィスを模して生成することができる。そして、本システムは、例えば、後述する第2サービスにより取得された現実のオフィスにおける各ユーザの位置情報を取得し、その情報に基づいて、仮想空間内にそれぞれのユーザに対応するアバタを配置する。
これにより、ユーザは、仮想空間においても、より現実世界と近い環境でのコミュニケーションを実現することができる。
【0012】
次に、第2サービスは、例えば、ビーコンを利用してオフィス内の電子機器の位置情報を推定するサービスである。具体的には、現実のオフィス等にビーコンを配置し、電波を受信した電子機器の位置情報を推定する。ここで重要な点は、第2サービスにおいて、位置情報の推定は、常に行われるわけではなく、電子機器の位置が変化する蓋然性が高い状況においてのみ実施される。具体的には、対象の電子機器に設けられたセンサ等の値が所定の条件を満たした場合にのみビーコンからの電波を受信し。電子機器の位置情報を推定する。これにより、本システムは、過度のバッテリー消費を抑えて、実質的にユーザに不利益のないような形で関連するサービスを提供することができる。
以上をまとめると、本システムは、例えば、第2サービスを利用して取得された位置情報を、第1サービスの仮想空間に自動で反映し、現実のユーザ位置をそのまま仮想空間内に表示することができる。しかし、上述の通り、このようなサービスにおいて位置情報の推定を常に行ってしまうと、情報処理端末のバッテリーの消耗は著しく、効率的ではない。そこで、第2サービスでは、センサ等を用いた方法によりバッテリーの消耗を抑えつつ、位置情報の推定が必要な場合にのみ位置情報を推定し、その結果を仮想空間等に表示する。
なお、以降の説明で本サービスと呼んだ場合、第1サービス及び第2サービスのいずれか又はその両方を示すものとする。
【0013】
図1を参照しながら、本システムの構成を説明する。図1は、本システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す通り、本システムは、ユーザ端末1と、サーバ2と、ビーコン装置3とを含む。ユーザ端末1とサーバ2とは、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されている。なお、ネットワークNは、必須の要素でなく、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)等が利用されてもよい。
【0015】
ユーザ端末1は、本サービスの提供を受けるユーザにより使用される情報処理端末である。ユーザ端末1は、後述する省電位置情報取得処理を含む各種処理を実行する。なお、ユーザ端末1には、
本サービスの提供に必要となる各種アプリケーション等があらかじめインストールされているものとする。
【0016】
サーバ2は、本サービスの管理者等により管理される情報処理装置である。サーバ2は、各ユーザ端末1から送信された各ユーザ端末1の位置情報の管理及びユーザ端末1で表示される仮想空間に関する各種処理を実行する。
【0017】
ビーコン装置3は、本サービスの管理者等により管理される。ビーコン装置3は、ユーザ端末1で位置情報を推定するために必要となるビーコン信号を発信する。
具体的にビーコン装置3は、例えば、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)等の規格に基づき、各ビーコンのビーコン識別情報(以下、「ビーコンID」と呼ぶ)等を含む電波を、一定の時間間隔で発信する。なお、これらの規格は、例示であり、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)等の任意の規格や通信方法等が採用されてもよい。
【0018】
図2は、図1の情報処理システムのうちユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図2に示す通り、ユーザ端末1は、制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、センサ部19、通信部20と、ドライブ21とを備えている。
【0020】
制御部11は、CPUやGPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータ等で構成され、ROM12に記録されているプログラム、または記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、制御部11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0021】
制御部11、ROM12およびRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、センサ部19、通信部20およびドライブ21が接続されている。
【0022】
出力部16は、液晶ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
【0023】
入力部17は、タッチパネル等で構成され、各種情報を入力する。
【0024】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。例えば、記憶部18は、各ビーコンに関するビーコンIDとその他の各種情報を関連付けて記憶してもよい。
【0025】
センサ部19は、例えば、ジャイロセンサ等により構成される。すなわち、ユーザ端末1は、センサ部19の構成を有することで、ユーザ端末1の角速度の変化を検出することができる。なお、センサ部19の構成は、例示であり、センサ部19は、GPSセンサ、加速度センサ等の他のセンサを構成として採用してもよい。
【0026】
通信部20は、所定のネットワークNを介して、他のハードウェア等と通信を行う。なお、ネットワークNには、インターネットやBluetooth(登録商標)等を含め、互いに通信が可能であれば任意の方法が含まれてもよい。
【0027】
ドライブ21は、必要に応じて設けられる。ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0028】
図3は、ユーザ端末1、サーバ2及びビーコン装置3の機能的構成の一例を示している。
【0029】
図3に示すように、ユーザ端末1の制御部11は、各種プログラムを実行することにより、仮想空間処理部100と、入力操作受付部101と、ビーコン管理部102と、位置情報管理部103とが機能する。
【0030】
仮想空間処理部100は、サーバ2から送信されてきた仮想空間情報を、通信部20を介して取得する。また、仮想空間処理部100は、サーバ2から送信されてきた各ユーザの位置情報を、通信部20を介して取得する。
仮想空間処理部100は、取得した仮想空間情報及び各ユーザの位置情報に基づいて、生成した仮想空間に関する画像を出力部16等に表示する。なお、表示される画像の具体的な例は、図4乃至6を参照しながら後述する。
【0031】
入力操作受付部101は、ユーザからの入力操作を受け付ける。また、入力操作受付部101は、受け付けた入力操作に関する入力操作情報を、サーバ2へ送信する。
【0032】
ビーコン管理部102は、ビーコンに関する各種処理を実行する。ビーコン管理部102には、ビーコン信号受信部120と、センサ情報取得部121と、受信状態決定部122とが設けられている。
【0033】
ビーコン信号受信部120は、各種近距離無線通信の規格等によりビーコン装置3等から送信されてきたビーコン信号を受信する。また、ビーコン信号受信部120は、受信したビーコン信号の強度及びビーコン信号を受信した時刻等を記憶部18等に設けられたデータベース等に記録する。なお、ビーコン信号受信部120は、受信したビーコン信号に含まれるビーコンID等に基づいて、受信した電波の送出元を特定する。
【0034】
センサ情報取得部121は、情報処理端末に備えられたセンサからセンサ情報を取得する。具体的にセンサ情報取得部121は、例えば、センサ部19を構成するジャイロセンサ等により出力された情報を、センサ情報として取得する。
【0035】
受信状態決定部122は、センサ情報が所定の条件を満たしている場合、識別情報に関する処理を許可し、センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、識別情報に関する処理を禁止する。具体的に受信状態決定部122は、センサ情報取得部121で取得されたセンサ情報が所定の閾値を超えている場合には、ビーコン信号受信部120によるビーコン信号を受信できる状態とし(受信を許可)、センサ情報取得部121で取得されたセンサ情報が所定の閾値を超えていない場合には、ビーコン信号受信部120によるビーコン信号を受信できない状態とする(受信を禁止)。
これにより、本システムは、ジャイロセンサが所定の閾値以上の値を出力している場合に限り、ビーコン信号を受信するため、バッテリーの消耗等を大きく抑えることができる。
【0036】
位置情報管理部103は、受信した識別情報に基づいて、ユーザ端末1にかかるユーザの位置を推定する。具体的に位置情報管理部103は、ビーコン信号受信部120で受信されたビーコン信号に基づいて、ユーザ端末1を使用するユーザの位置情報を推定する。
なお、位置情報管理部103は、ビーコン信号受信部120でビーコン信号の受信が行われなかった場合には、過去に取得されたビーコン信号のうち、最新のビーコン信号に基づいてユーザの位置を推定する。
また、位置情報管理部103は、新たに推定したユーザの位置情報をサーバ2へ送信する。
【0037】
図3に示すように、サーバ2の制御部210は、各種プログラムを実行することにより、仮想空間管理部220と、位置情報管理部221とが機能する。
仮想空間管理部220は、図示せぬDBなどに格納されている画像情報などに基づいて、ユーザの夫々に提示し得る仮想空間を生成し、生成した仮想空間に関する情報(以下、「仮想空間情報」と呼ぶ)を、ユーザ端末1のそれぞれに送信する。
【0038】
位置情報管理部221は、ユーザ端末1のそれぞれから送信されてきた各ユーザの位置情報を取得し、管理する。また、位置情報管理部221は、管理している各ユーザの位置情報を、ユーザ端末1のそれぞれへ送信する。
【0039】
図3に示すように、ビーコン装置3は、ビーコン信号送信部300を備える。
ビーコン信号送信部300は、ビーコン信号を、例えば、Bluetooth(登録商標)等の規格に基づき、送出する。なお、ビーコン信号の電波強度は、例えばRSSI等の値により示すことが可能であり、この電波強度の違いにより発信源からの距離等を推定することができる。
なお、ビーコン装置3は、例えば、図示せぬ制御部や記憶部等の汎用的な情報処理端末としての機能をも備えていてもよい。
【0040】
図4を参照しながら、本システムにかかる第1サービスについて簡単に説明する。図4は、本システムの適用対象となる第1サービスの一例を示す図である。
図4には、現実のオフィスを模した仮想空間(以下、「オフィス空間」と呼ぶ)が表示されている。そして、図4の例では、ユーザの夫々に対応するアイコンA乃至Dがオフィス空間の所定の位置に表示されている。なお、図4の例では、現実のオフィスに存在するユーザの夫々の位置情報に基づいて、アイコンA乃至Dの配置場所が決定される。
第1サービスは、このような仮想空間を利用したコミュニケーションサービスである。マイク等を介して入力された音声情報は、他のユーザのスピーカ等を介して出力される。これにより、各ユーザは、現実世界だけでなく仮想空間内においても容易にコミュニケーションを図ることが可能となる。ここで、第1サービスにおいて、本システムは、例えば、オフィス空間におけるアイコンの距離に応じて、出力する音声の音量を調整することができる。
例えば、図4の例では、アイコンAとアイコンBは互いに近い位置に配置されているのに対して、アイコンAとアイコンCは比較的離れた位置にアイコンが配置されている。アイコンAとアイコンDは、さらに離れた位置にアイコンが配置されている。そのため、例えば、「A」のアイコンに対応するユーザにより入力された音声は、「B」のアイコンに対応するユーザのユーザ端末1では大きく出力され、「C」のアイコンに対応するユーザのユーザ端末1では小さく出力される。なお、図4図6の例で、アイコンAの周囲に表示されている演出はアイコンAに対応するユーザが、音声を入力中(発言中)であることを示している。
また、例えば、図4における点線は、例えば「A」のアイコンに対応するユーザの音声の可聴域を示している。そのため、アイコン「D」に対応するユーザのユーザ端末1では、「A」に対応するユーザの音声は出力されない。
なお、第1サービスの詳細については、例えば、本出願人による特願2020-187756等を参照することができる。ただし、上記文献に記載の方法を採用するか否かは、本システム等の任意である。
【0041】
なお、上述の通り、第1サービスにおいて、例えば、アイコンをドラッグする操作などにより、自身に対応するアイコンをオフィス空間内で自由に移動させることができる。
例えば、ユーザは、他のユーザとの会話を希望するのであれば会話を希望するユーザの近くにアイコンを配置して、会話を行うことができる。他方、例えば、ユーザが仕事に集中したい場合であれば、敢えて他のユーザと遠い距離(可聴域外)にアイコンを配置することで、他のユーザの音声が出力されないように設定してもよい。
すなわち、上述の第1サービスにおいて、原則として、現実のオフィスの位置情報を反映した仮想空間内の位置関係であたかも現実世界と同様のコミュニケーションを実現しつつ、必要に応じて、オフィス空間内の任意の場所にアイコンを移動して、容易にコミュニケーションを図ることができる。なお、本システムは、この第1サービスを単独で提供することもできるが、後述する第2サービスと組み合わせて提供することで、ユーザに対してより利便性の高いコミュニケーション手段を提供することができる。
【0042】
続いて、図5及び図6を参照しながら本システムにかかる第2サービスについて説明する。
図5は、本システムの適用対象となる第2サービスの概要を説明するためのイメージ図である
図5の例では、所定の空間(例えば、現実のオフィス)に設置されたビーコン装置3から送信されたビーコン信号を、ユーザUA、UB、UC、UDのそれぞれが使用するユーザ端末1A、1B、1C、1Dで受信し、その情報に基づいて、各ユーザの位置情報が推定される。
そして、ユーザ端末1A、1B、1C、1Dで推定された各ユーザの位置情報はサーバ2へと送信され、サーバ2で仮想空間内におけるそれぞれのユーザに対応するアバタの位置が決定される。
なお、図5の例を含め、所定の空間内に設置されるビーコンの台数は、任意である。対象となる空間の広さや構造等に応じて、ビーコン装置3は、任意の台数が設置されてもよい。
【0043】
これに対して、図6は、本システムの適用対象となる第1サービスに第2サービスを適用した場合を説明するためのイメージ図である。具体的に図6の例は、アイコンAに対応するユーザが、オフィス内の丸いテーブルの付近(図4に示した状態)から、会議室内のカウンターの付近(図6に示した状態)へと移動した場合の例を示している。図6の例では、オフィス内のユーザの実際の移動を反映し、オフィス空間においても、アイコンAの場所の配置場所が変更されている。
このように図6の例では、図5に示す位置情報推定技術をうまく利用することで、実際に現実のオフィスで行われたユーザの移動は速やかにオフィス空間の位置の変化に反映することができる。これにより、仮想空間内の配置を見た他のユーザは、容易に現実のオフィスに存在する各ユーザの位置関係等を把握することができ、また、その状態を前提として現実世界と近いコミュニケーションを図ることができる。
【0044】
ここで、このような第1サービス及び第2サービスを提供する場合、通常、常時すべてのユーザの位置情報を取得し続ける必要がある。しかし、位置情報を定期的に取得し続ける処理は、それぞれのユーザ端末1における処理が増大するだけでなく、ユーザ端末1とサーバ2との間でやり取りする情報量が増加するという意味でも非効率である。特に本サービスは、本来、常時ユーザの位置情報を取得する必要はなく、各ユーザが移動した場合にのみ位置情報を更新すれば、問題なくユーザにサービスを提供できるとも考えられる。
そのため、本システムは、必要な場合にのみ位置情報を取得するための手段として、各種センサを利用して効率的にユーザの動き出しの有無を検知し、動き出しが検知された場合にのみ位置情報を更新するという仕様を採用している。
【0045】
図7は、図3のユーザ端末1が実行する省電位置情報取得処理の流れの一例を示している。
【0046】
ステップS1において、センサ情報取得部121は、例えば、センサ部19を構成するジャイロセンサ等により出力された情報を、センサ情報として取得する。
【0047】
ステップS2において、受信状態決定部122は、センサ情報取得部121で取得されたセンサ情報が所定の閾値を超えているか否かを判定する。
センサの値が閾値を超えていない場合、ステップS2はNOと判定され、処理はステップS3に進む。
これに対して、センサの値が閾値を超えている場合、ステップS2はYESと判定され、処理はステップS4に進む。
【0048】
ステップS3において、受信状態決定部122は、センサ情報が閾値を超えていない場合、ビーコン信号受信部120において、ビーコン信号を受信することを禁止する。
【0049】
ステップS4において、受信状態決定部122は、センサ情報が閾値を超えている場合、ビーコン信号受信部120において、ビーコン信号を受信することを許可する。
【0050】
ステップS5において、ビーコン信号受信部120は、各種近距離無線通信の規格等によりビーコン装置3等から送信されてきたビーコン信号を受信する。
【0051】
ステップS6において、位置情報管理部103は、ビーコン信号受信部120で受信されたビーコン信号に基づいて、ユーザ端末1にかかるユーザの位置情報を推定する。
【0052】
ステップS7において、位置情報管理部103は、新たに推定したユーザの位置情報をサーバ2へ送信する。これにより、ユーザ端末1で実行される省電位置情報取得処理は終了する。
【0053】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0054】
ここで、上述の実施形態では説明を省略したが、第1サービス及び第2サービスを組み合わせて提供する場合の具体的なサービスの提供方法の一例を紹介する。
第1サービスと第2サービスを合わせて提供した場合、基本的にユーザの現実のオフィスでの位置と、仮想空間内での位置は対応していることになる。
これは、例えば、現実にオフィスに出勤している社員と在宅勤務で仮想空間内でのみ出勤している(以下、「リモートワーク」とも呼ぶ)社員が混在しているような場合に特に有用である。具体的には、実際にオフィスに出社している社員の立場からすれば、実際にはオフィスに出社せず在宅勤務を行っている社員を現実と対応した仮想空間において、常にリモートワークを行っている社員の存在を意識しながら仕事を行うことができる。そして、逆にリモートワークを行っている社員の立場からすれば、実際にオフィスで他の社員と働いているような一体感を持ちながら在宅で仕事を行うことが可能となる。
【0055】
また、上述の実施形態において、1台のユーザ端末1が位置情報のみを取得するものとして説明したが、限定されない。すなわち、本システムは、複数のユーザ端末1から取得した位置情報を総合的に勘案し、ユーザの位置情報を推定してもよい。なお、この場合、複数のユーザ端末1は、例えば、スマートフォンとノートパソコンなど異なる種別のハードウェアであってもよいし、例えば、位置情報の取得を目的とした専用のハードウェアであってもよい。
【0056】
また、近年では、一部の情報処理端末において、そもそも位置情報の取得が難しい場合や位置情報の取得のタイミングが制限される場合などが存在する。特に、スマートフォンを用いた位置情報の取得には、制限がかかることも多い。このような場合であっても、本システムは、複数のユーザ端末1の位置情報を利用することで、状況を改善できる場合がある。
例えば、Aの情報処理端末(例えば、スマートフォン)の位置が移動している情報を取得している状況で、Bの情報処理端末(例えば、ノートパソコン)の位置も移動している情報を取得しているのであれば、ユーザはAの情報処理端末(例えば、スマートフォン)とBの情報処理端末を同時に携行し室内を移動している状況であると考えられる。このような状況であれば、本システムは、Aの情報処理端末(例えば、スマートフォン)の位置情報の取得は行わず、Bの情報処理端末(例えば、ノートパソコン)の位置情報を取得し、Bの情報処理端末(例えば、ノートパソコン)の位置をユーザの位置として推定しても良いと考えられる。
他方、例えば、Aの情報処理端末(例えば、スマートフォン)の位置が移動している情報を取得している状況で、Cの情報処理端末(例えば、据え置き型のパソコン)の位置が移動していないのであれば、ユーザはAの情報処理端末(例えば、スマートフォン)のみを携行し室内を移動している状況であると考えられる。このような状況であれば、本システムは、たとえAの情報処理端末(例えば、スマートフォン)の同期のタイミングが制限されているとしても、Aの情報処理端末(例えば、スマートフォン)の位置情報を取得し、Aの情報処理端末(例えば、スマートフォン)の位置をユーザの位置として推定しても良いと考えられる。
本システムは、このように複数の情報処理端末の特徴やユーザの置かれた状況をうまく活用することで、効率的にユーザの位置情報を推定することもできる。
【0057】
また例えば、上述の実施形態において、ユーザ端末1で取得したセンサの値が所定の条件を満たし、位置情報を推定した場合、位置情報をサーバ2に送信するものとして説明したが、特に限定されない。ユーザ端末1は、推定した位置情報をサーバ2に送信せず、ユーザの位置情報をユーザ端末1のみで処理してもよい。
【0058】
また例えば、上述の実施形態では説明を省略したが、本サービス(特に第1サービス)におけるコミュニケーションは、会話であってもよいし、チャットやメール等であってもよい。すなわち、上述の本サービス(特に第1サービス)において、あらゆるコミュニケーション手段が採用されてもよい。
【0059】
また例えば、上述の実施形態では説明を省略したが、上述のオフィス空間には、任意のオブジェクトが設置されてもよい。オブジェクトは、例えば、オフィス空間の任意の位置に固定して配置され、全てのユーザに共通したコンテンツの利用を促すことに利用される。すなわち、オブジェクトは、指示操作(クリックなど)を行ったユーザに共通して会話を実現させることに利用できるだけでなく、例えば、動画像の再生や各種ゲーム(将棋、オセロ、人狼ゲームなど)への参加、動画像の共有(カメラ画像やPC画像など)、広告の再生など、あらゆる内容のコンテンツを共有し得るオブジェクトであってもよい。
【0060】
また、このようなオブジェクトの利用には、自身が使用して楽しむ要素の他、他者とのインタラクティブを実現するという意味合いを含んでいる。すなわち、例えば、オブジェクトとして一人でプレイすることを前提とするゲームを採用する場合には、自身が楽しむことを主たる目的とする。これに対して、他者とプレイすることを前提とするゲームや画面の共有などを行う場合には、他者とのインタラクティブを実現することを主たる目的とする。
これにより、サービスの提供を受けたユーザの夫々は、さらに現実に近い多様なコミュニケーションを実現することができる。
【0061】
さらに言えば、オブジェクトは、設定されるコンテンツの内容などに応じて、動的オブジェクトまたは静的オブジェクトを含むことができる。
すなわち、動的オブジェクトとは、テレビやプロジェクターなど、設定されたコンテンツの内容が頻繁に変更され得るオブジェクトであってもよい。他方、静的オブジェクトとは、大型の看板や案内板など、設定されたコンテンツの内容が変更されることが少ないオブジェクトであってもよい。これにより、サービスの提供を受けたユーザの夫々は、さらに現実に近い多様なコミュニケーションを実現することができる。
【0062】
また例えば、上述の実施形態において、第1サービスと第2サービスは組み合わせて提供されるものとして説明しているが、限定されない。本システムは、第1サービス又は第2サービスを、それぞれ単独でユーザに提供してもよい。
【0063】
また例えば、本サービス(特に第1サービス)において、上述の実施形態で示すアイコンの他、図示はしないが、メガフォン、マイク、ドア(出入口)等を示すアイコンが任意の位置に配置されてもよい。
具体的に例えば、メガフォンは、オフィスに入室しているユーザ以外の全てのユーザに音声を届かせる必要があるときに利用するアイコンである。また、マイクは、自身が発する音声のミュートのONとOFFとを切り替えるときに利用するアイコンである。また、ドアは、オフィス空間を退室してロビー(図示せず)に移動する際に利用するアイコンである。
【0064】
また例えば、上述の実施形態において、本システムは、位置情報の推定をビーコンにより行うものとして説明したが、限定されない。例えば、本システムは、GPSやWi-fi(登録商標)等を利用して、ユーザの位置情報を推定してもよい。
【0065】
また例えば、上述の実施形態において、位置情報の検知対象となる空間はオフィス(及びオフィス空間)であるものとして説明しているが、限定されない。例えば、本システムは、位置情報の検知対象となる空間として、例えば、イベント会場、パーティールーム、レストラン、お見合い会場、駅、商業施設(スーパーやコンビニ等)等を採用してもよい。
【0066】
また、上述の実施形態において、センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、ビーコン信号受信部120はビーコン信号の受信自体を行わないものとして説明したが、限定されない。本システムは、ビーコン信号の受信自体は許可し、ビーコン信号に基づく位置情報の推定に関する処理を行わない仕様を採用してもよい。
【0067】
ここで、ビーコンによる位置情報の推定は、上述のような便利な側面を有するものの、高い精度でユーザの位置を推定することが難しい場合がある。例えば、オフィスでユーザの座っている座席の位置を推定する場合、複数の座席が近接して配置されているとユーザの座っている座席を正確に特定できない場合も起こりえる。このような問題の解決策の一つとして、例えば、以下の非特許文献1に示すような、ネットワーク等を利用してそれぞれの座席の状況を常時管理する方法がビーコンによる位置情報の推定と併用されることがある。
[非特許文献1]ホテリング機能[2022年10月17日検索],インターネット<https://jp.beacapp-here.com/hotelling/>
【0068】
しかし、例えば、非特許文献1に記載の技術は、個別の座席等を管理する技術としては有用であるものの、インターネット等を用いて座席の予約や管理等を行う必要がある。また、他の従来技術においては、例えば、NFCタグにタッチすることで、座席の予約や管理を行うことができる技術が提案されているものの、タッチ操作を行わないユーザも多いと予想される。
そこで、本システムは、例えば、NFC(Near Field Communication)タグとスマートフォン等の充電操作を組み合わせることで、ユーザがタッチ操作を行うよう誘導可能な技術を提供する。
具体的に例えば、本システムは、無線又は有線の充電デバイス(スマートフォンの充電器等)にNFCタグ等を組み込むことで、ユーザの充電操作の際に自動的に座席の予約や管理、位置情報の取得等を行う。NFCタグには、例えば、設置されている座席の管理番号や位置情報等の各種情報を含むことができるため、本システムは、ユーザの使用する座席やユーザの位置を高精度かつ容易に推定することができる。
このような方法は、本システムで採用するビーコンによる位置情報の推定と組み合わせることで特に有効に機能する。すなわち、ビーコンによる位置情報の推定が必ずしも十分でない場合にも、ユーザに煩わしい操作をさせることなく、容易にユーザの位置情報や座席の使用状況等を管理することができる。ただし、本システムは、充電デバイスを利用したこの方法と、上述のビーコンを利用した方法を併用せず、充電デバイスを利用した位置情報等の推定を単独のサービスとして実施してもよい。
【0069】
さらに言えば、本システムは、例えば、上述の充電デバイスへのタッチ操作に関して、タッチ操作を行ったユーザに所定の特典を付与してもよい。具体的に本システムは、例えば、タッチ操作(充電)を行ったユーザに対して、買い物などに利用できるポイント、物品、お菓子、クーポン等を付与してもよい。
【0070】
また例えば、上述の実施形態では説明を省略したが、仮想空間において現実のオフィス内の人の所在を完全に反映することが必ずしも望ましくない状況が存在する。具体的に例えば、トイレ等のプライベートな空間に存在する場合、その情報を、あえて仮想空間に反映しない等の配慮が考えられる。
そこで、本システムは、オフィス等におけるトイレ等のプライバシーの観点で配慮が望まれる場所に、異なる機能を有するビーコンを設置してもよい。本システムは、例えば、この異なる機能を有するビーコンで人の所在が確認された場合、仮想空間から除外する、休憩モードに入る等の表示を行ってもよい。
【0071】
また例えば、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、例えば、現実のオフィスと仮想空間を連動させるような場合、すなわち、例えば、現実のオフィスに設置されたカメラの情報を仮想空間で配信(ストリーミング配信等)する機能を備えていてもよい。
なお、本システムが、このような配信機能を備えている場合、現実のオフィスの状況を配信してしまうと、各種バッテリーの消費、ネットワーク帯域の圧迫、データ量の消費等による問題を引き起こす可能性がある。この点、本システムの利用目的等により、現実のオフィスに人が存在しないのであれば、ストリーミング配信等が不要となる場合がある。このような場合、本システムは、現実のオフィス内に人がいない場合(ビーコンで人が検知されていない場合)にはストリーミング配信等を停止し、現実のオフィス内に人がいる場合(ビーコンで人が検知されている場合)にのみカメラの情報を仮想空間で配信してもよい。
【0072】
ここで、上述の実施形態では簡易的な説明に留めたが、現状の汎用的なビーコンによる位置情報の特定には精度上の問題が存在する。具体的には、汎用的なビーコンは一律の閾値に設定され、電波強度の減衰状況等から所定の範囲内に対象が存在するか否かを特定する。そのため、ビーコンによる位置情報の特定は、ある程度広い領域において対象が存在するか否かを簡易的に判断するためには有用であるものの、例えば、フリーアドレスのオフィス等でユーザが座っている座席を特定するような、詳細なユーザの位置情報を特定するような用途には適用が難しい状況も存在する。
本システムは、このような状況を想定し、各ビーコンの役割に応じて異なる閾値を設定することで、位置情報の特定(特定した位置情報を仮想空間に配置することを含む)の精度を向上させる工夫を行ってもよい。例えば、図8の例は、本システムが、広い領域の状況を把握するために閾値を低く設定したビーコン(例えば、「エリアビーコン」と呼ぶ)と狭い領域の状況を把握するために閾値を高く設定したビーコン(例えば、「席ビーコン」と呼ぶ)の2種類の役割を備えたビーコンを採用した場合の例が示されている。
図8の例では、例えば、ユーザが図8のポイントP1にいる場合には、席ビーコンの閾値の範囲内に存在するため、エリアビーコンと席ビーコンの夫々からの直線距離に関わらずユーザが席ビーコンの近辺に存在していることが明確となる。
他方、例えば、ユーザが図8のポイントP2にいる場合には、席ビーコンの閾値の範囲内に存在しないため、エリア内には存在するが、席ビーコンの近辺には存在しないことが明確となる。
本システムはこのような工夫を合わせて採用することで、より位置情報の特定(特定した位置情報を仮想空間に配置することを含む)の精度を向上させることができる。
【0073】
また例えば、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、ビーコンの置かれた場所に応じて、各人の行動状況のステータスを取得できる仕様を備えていてもよい。例えば、本システムは、喫煙所に設置したビーコンでユーザを検知した場合、ユーザの行動状況を「離籍状態」として分類し、その情報を仮想空間等に表示してもよい。同様に、本システムは、例えば、車等に設置したビーコンでユーザを検知した場合、ユーザの行動状況を「移動中」であるとして分類し、その情報を仮想空間等に表示してもよい。
【0074】
ここで、上述の実施形態では説明を省略したが、ビーコンでユーザの位置情報を検知する場合に行う方法は1つには限られない。例えば、一般的にビーコンでユーザの位置情報を検知する方法として、(1)ユーザがビーコンを持ち歩き、受信機等を介してそのビーコンの位置情報からユーザの位置を特定する方法、(2)設置されているビーコンをモバイル端末等で検知して位置情報を検知する方法等が考えられる。
(1)の方法は、相対的に高い精度で位置情報を検知できる反面、設置する受信機等の数が増加することでコストが増大してしまう傾向がある。他方、(2)の方法は、費用等は安く抑えられる一方で、位置情報を検知する対象となるユーザがモバイル端末等の受信デバイスを有している必要がある。具体的に(2)の方法のみでは、例えば、会社員のユーザであっても会社用のモバイル端末が支給されていない場合や会社にゲストとして訪問したユーザ等の位置情報の検知は難しい。
このような状況を踏まえて、本システムは、これらの方法を組み合わせた方法で、ユーザの位置情報を検知する機能を備えていてもよい。
具体的に本システムは、例えば、(2)の設置されているビーコンに基づく位置情報の検知を基本としつつ、所定のモバイル端末を持たない人(例えば、会社を初めて訪問したゲスト)には携帯用のビーコンを持ち歩いてもらい、そのゲストが持っているビーコンを所定のモバイル端末を有しているユーザ(例えば、会社用のモバイル端末を持っている社員)がゲストの位置情報を検知する方法を備えていてもよい。本システムは、このような仕様を備えることで、所定のモバイル端末やアプリケーション等を有していないユーザであっても容易に位置情報を検知することができる。
【0075】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0076】
また例えば、本システムを構成する各種ハードウェアの数や使用者は任意であるし、他のハードウェア等を含み構成されてもよい。さらに言えば、上述の各種ハードウェアには、同一のコンピュータ等が採用されてもよい。
【0077】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであっても良い。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
即ち、例えば、上述の実施形態における各種ハードウェアには、任意のコンピュータ、任意のスマートフォン等の携帯端末等が自由に採用されてもよい。さらに言えば、各種入力部や各種出力部等の種別や内容についても任意の組み合わせが採用されてもよい。
さらに言えば、上述の各種ハードウェアは、コンピュータ等の採用は任意であり、特に限定されない。
【0078】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に提供される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0079】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理を含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
さらに言えば、図7のフローチャートにおいて、通信は受信側と送信側は別途処理されてもよく、記載された全てのまたは一部の処理は、例えば、受信側または送信側のみで通信されてもよい。
【0080】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用されるプログラムは、
所定の情報を送信する送信装置と通信を行う情報処理端末に、
前記送信装置により発信された識別情報を受信する識別情報受信ステップ(例えば、ビーコン信号受信部120)と、
受信した前記識別情報に基づいて、前記情報処理端末に係るユーザの位置を推定する第1位置推定ステップ(例えば、位置情報管理部103)と、
前記情報処理端末に備えられたセンサからセンサ情報を取得するセンサ情報取得ステップ(例えば、センサ情報取得部121)と、
前記センサ情報が所定の条件を満たしている場合、前記識別情報に関する処理を許可し、前記センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、前記識別情報に関する処理を禁止する処理決定ステップ(例えば、受信状態決定部122)と、
を含む処理を実行させてもよい。
【0081】
前記処理決定ステップは、前記センサ情報が所定の条件を満たしている場合、前記識別情報の受信を許可し、前記センサ情報が所定の条件を満たしていない場合、前記識別情報の受信を禁止してもよい。
【0082】
前記プログラムは、前記第1位置推定ステップで推定された前記ユーザの位置に基づいて、前記ユーザの仮想空間における配置を決定する配置決定ステップを含む処理をさらに実行させてもよい。
【0083】
前記仮想空間は、前記ユーザのそれぞれのコミュニケーションに利用し得る仮想空間であってもよい。
【0084】
前記センサは、ジャイロセンサであり、
前記処理決定ステップは、前記センサから取得された値が所定の閾値を超えている場合には、前記識別情報に関する処理を許可し、前記センサから取得された値が所定の閾値を超えていない場合には、前記識別情報に関する処理を禁止してもよい。
【0085】
前記プログラムは、充電機能を備えた所定のデバイスから取得された情報に基づいて、前記ユーザの位置を推定する第2位置推定ステップを含む処理をさらに実行させてもよい。
【0086】
前記プログラムは、所定の条件を満たした場合に、前記ユーザの前記仮想空間における位置を前記仮想空間内に表示しない表示禁止ステップを含む処理をさらに実行させてもよい。
【0087】
前記プログラムは、現実の空間に設置されたカメラにより取得された情報を前記仮想空間において配信する配信ステップを含む処理をさらに実行させてもよい。
【0088】
前記第1位置推定ステップは、前記送信装置のそれぞれに異なる電波強度の閾値を設定し、当該電波強度の閾値を超えているか否かの結果を加味し、前記情報処理端末に係るユーザの位置を推定してもよい。
【0089】
前記プログラムは、所定の位置に設置されている前記送信装置に基づく位置情報と、前記ユーザが保持している前記送信装置に基づく位置情報に基づいて、前記ユーザの位置情報を推定する第2推定ステップを含む処理をさらに実行させてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 ユーザ端末
11 制御部
100 仮想空間処理部
101 入力操作受付部
102 ビーコン管理部
120 ビーコン信号受信部
121 センサ情報取得部
122 受信状態決定部
103 位置情報管理部
2 サーバ
210 制御部
220 仮想空間管理部
221 位置情報管理部
3 ビーコン装置
300 ビーコン信号送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8