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特開2024-35036GHG排出量導出装置、GHG排出量導出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035036
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】GHG排出量導出装置、GHG排出量導出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240306BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240306BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240306BHJP
【FI】
G06Q10/06
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034142
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2022137002の分割
【原出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】516140214
【氏名又は名称】booost technologies株式会社
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】永野 雄三
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA56
3C100BB12
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB33
5L049AA06
5L049CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】工場等において複数の製造装置を稼働させて製品を製造する場合、各製造装置がいずれの製品のGHG排出量に寄与したかを容易に把握できるGHG排出量導出装置を提供する。
【解決手段】GHG排出量導出装置は、少なくとも1つの種類の製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の規模を示すそれぞれの活動量を計測する複数の計測器から、前記活動量を示す活動量情報を取得する取得部を備えてよい。GHG排出量導出装置は、前記複数の計測器により計測されるそれぞれの活動量を割り当てるための、少なくとも1つの製品の種類と前記少なくとも1つの製品に割り当てる前記活動量の割合とを示す活動量割当情報、及び前記活動量情報に基づいて、前記製品の種類ごとに前記製品の製造に関して行われるそれぞれの前記活動の温室効果ガス排出量(GHG排出量)を導出する導出部を備えてよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの種類の製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の規模を示すそれぞれの活動量を計測する複数の計測器から、前記活動量を示す活動量情報を取得する取得部と、
前記複数の計測器により計測されるそれぞれの活動量を割り当てるための、少なくとも1つの製品の種類と前記少なくとも1つの製品に割り当てる前記活動量の割合とを示す活動量割当情報、及び前記活動量情報に基づいて、前記製品の種類ごとに前記製品の製造に関して行われるそれぞれの前記活動の温室効果ガス排出量(GHG排出量)を導出する導出部と
を備えるGHG排出量導出装置。
【請求項2】
前記活動量割当情報に示される前記複数の計測器のそれぞれに対応付けられる前記製品の種類、及び前記製品に割り当てられる前記活動量の割合の少なくとも一方の変更を受け付ける変更受付部をさらに備える、請求項1に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項3】
前記活動量割当情報は、前記複数の計測器のそれぞれに対して計測対象の前記活動の種類に応じた排出係数をさらに示し、
前記導出部は、前記活動量割当情報に示される前記排出係数にさらに基づいて、前記GHG排出量を導出する、請求項1に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項4】
前記活動量割当情報に示される前記複数の計測器のそれぞれに対応付けられる前記製品の種類、前記製品に割り当てられる前記活動量の割合、及び前記排出係数の少なくとも1つの変更を受け付ける変更受付部をさらに備える、請求項3に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項5】
前記製品の製造に関して行われる前記活動は、電気、ガス、油、及び水の少なくとも1つを消費する活動であり、
前記複数の計測器により計測される前記活動量は、電気、ガス、油、及び水の何れか1つの使用量である、請求項1に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項6】
前記製品の製造に関して行われる前記活動は、複数の区分に分かれ、
前記活動量割当情報は、前記複数の計測器のそれぞれに対応付けて前記複数の区分のうちの少なくとも1つの区分を示し、
前記導出部は、前記製品の前記種類ごとに前記製品の製造に関して行われるそれぞれの前記活動のGHG排出量を前記区分ごとに導出する、請求項1に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項7】
前記製品の製造に関して行われる前記活動は、
前記製品の製造ラインの単位、
前記製品の製造を行う施設の単位、
前記製品の製造を行う組織の単位、
前記製品の製造で使用される製造装置で消費する電気の供給地点または受電地点の単位、または
前記製品の製造のサプライチェーンの単位
で前記複数の区分に分かれる、請求項6に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項8】
前記製品の製造に関して行われる前記活動は、電気を使用する活動であり、
前記取得部は、特定の区分の電気の使用量を示す電気使用量情報をさらに取得し、
前記導出部は、
前記電気使用量情報に示される前記電気の使用量に基づいて、前記特定の区分の全体GHG排出量を導出し、
前記活動量割当情報に基づいて、前記特定の区分に属するそれぞれの計測器で計測される前記活動量から、前記特定の区分の直接GHG排出量を導出し、
前記全体GHG排出量から前記直接GHG排出量を減算することで、前記特定の区分における、前記複数の計測器で計測される対象ではない活動に伴う電気の使用による間接GHG排出量を導出し、
前記間接GHG排出量に、特定の種類の製品に対して予め定められた割合を乗じることで前記特定の種類の製品の前記特定の区分における間接GHG排出量を導出し、
前記活動量割当情報に基づく前記特定の種類の製品の前記特定の区分における前記直接GHG排出量に、前記特定の種類の製品の前記特定の区分における前記間接GHG排出量を加算することで、前記特定の種類の製品の前記特定の区分における前記全体GHG排出量を導出する、請求項6に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項9】
前記導出部により導出される前記GHG排出量を前記製品の種類ごとに、前記複数の計測器別に表示部に表示させる情報提供部をさらに備える、請求項1に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項10】
前記導出部により導出される前記GHG排出量を前記製品の種類ごとに、前記複数の区分別に表示部に表示させる情報提供部をさらに備える、請求項6に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項11】
取得部が、少なくとも1つの種類の製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の規模を示すそれぞれの活動量を計測する複数の計測器から活動量を示す活動量情報を取得する段階と、
導出部が、前記複数の計測器により計測されるそれぞれの活動量を割り当てる少なくとも1つの製品の種別及び前記少なくとも1つの製品に割り当てる活動量の割合とを示す活動量割当情報、及び前記活動量情報に基づいて、製品の種類ごとに製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の温室効果ガス排出量(GHG排出量)を導出する段階と
を備えるGHG排出量導出方法。
【請求項12】
少なくとも1つの種類の製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の規模を示すそれぞれの活動量を計測する複数の計測器から活動量を示す活動量情報を取得する段階と、
前記複数の計測器により計測されるそれぞれの活動量を割り当てる少なくとも1つの製品の種別及び前記少なくとも1つの製品に割り当てる活動量の割合とを示す活動量割当情報、及び前記活動量情報に基づいて、製品の種類ごとに製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の温室効果ガス排出量(GHG排出量)を導出する段階と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GHG排出量導出装置、GHG排出量導出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「工程や装置のエネルギー(CO排出量情報)と生産情報(個数、稼働状況、品質)をリンクさせ、製品別、ロット別のCO排出量を算出・管理する」エネルギー管理システムが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2010-67114号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様に係るGHG排出量導出装置は、少なくとも1つの種類の製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の規模を示すそれぞれの活動量を計測する複数の計測器から、前記活動量を示す活動量情報を取得する取得部を備える。前記GHG排出量導出装置は、前記複数の計測器により計測されるそれぞれの活動量を割り当てるための、少なくとも1つの製品の種類と前記少なくとも1つの製品に割り当てる前記活動量の割合とを示す活動量割当情報、及び前記活動量情報に基づいて、前記製品の種類ごとに前記製品の製造に関して行われるそれぞれの前記活動の温室効果ガス排出量(GHG排出量)を導出する導出部を備える。
【0004】
前記GHG排出量導出装置は、前記活動量割当情報に示される前記複数の計測器のそれぞれに対応付けられる前記製品の種類、及び前記製品に割り当てられる前記活動量の割合の少なくとも一方の変更を受け付ける変更受付部をさらに備えてよい。
【0005】
いずれかの前記GHG排出量導出装置において、前記活動量割当情報は、前記複数の計測器のそれぞれに対して計測対象の前記活動の種類に応じた排出係数をさらに示してよい。前記導出部は、前記活動量割当情報に示される前記排出係数にさらに基づいて、前記GHG排出量を導出してよい。
【0006】
いずれかの前記GHG排出量導出装置は、前記活動量割当情報に示される前記複数の計測器のそれぞれに対応付けられる前記製品の種類、前記製品に割り当てられる前記活動量の割合、及び前記排出係数の少なくとも1つの変更を受け付ける変更受付部をさらに備えてよい。
【0007】
いずれかの前記GHG排出量導出装置において、前記製品の製造に関して行われる前記活動は、電気、ガス、油、及び水の少なくとも1つを消費する活動であってよい。前記複数の計測器により計測される前記活動量は、電気、ガス、油、及び水の何れか1つの使用量であってよい。
【0008】
いずれかの前記GHG排出量導出装置において、前記製品の製造に関して行われる前記活動は、複数の区分に分かれてよい。前記活動量割当情報は、前記複数の計測器のそれぞれに対応付けて前記複数の区分のうちの少なくとも1つの区分を示してよい。前記導出部は、前記製品の前記種類ごとに前記製品の製造に関して行われるそれぞれの前記活動のGHG排出量を前記区分ごとに導出してよい。
【0009】
いずれかの前記GHG排出量導出装置において、前記製品の製造に関して行われる前記活動は、前記製品の製造ラインの単位、前記製品の製造を行う施設の単位、前記製品の製造を行う組織の単位、前記製品の製造で使用される製造装置で消費する電気の供給地点または受電地点の単位、または前記製品の製造のサプライチェーンの単位で前記複数の区分に分かれてよい。
【0010】
いずれかの前記GHG排出量導出装置において、前記製品の製造に関して行われる前記活動は、電気を使用する活動であってよい。前記取得部は、特定の区分の電気の使用量を示す電気使用量情報をさらに取得してよい。前記導出部は、前記電気使用量情報に示される前記電気の使用量に基づいて、前記特定の区分の全体GHG排出量を導出してよい。前記導出部は、前記活動量割当情報に基づいて、前記特定の区分に属するそれぞれの計測器で計測される前記活動量から、前記特定の区分の直接GHG排出量を導出してよい。前記導出部は、前記全体GHG排出量から前記直接GHG排出量を減算することで、前記特定の区分における、前記複数の計測器で計測される対象ではない活動に伴う電気の使用による間接GHG排出量を導出してよい。前記導出部は、前記間接GHG排出量に、特定の種類の製品に対して予め定められた割合を乗じることで前記特定の種類の製品の前記特定の区分における間接GHG排出量を導出してよい。前記導出部は、前記活動量割当情報に基づく前記特定の種類の製品の前記特定の区分における前記直接GHG排出量に、前記特定の種類の製品の前記特定の区分における前記間接GHG排出量を加算することで、前記特定の種類の製品の前記特定の区分における前記全体GHG排出量を導出してよい。
【0011】
いずれかの前記GHG排出量導出装置において、前記導出部により導出される前記GHG排出量を前記製品の種類ごとに、前記複数の計測器別に表示部に表示させる情報提供部をさらに備えてよい。
【0012】
いずれかの前記GHG排出量導出装置において、前記導出部により導出される前記GHG排出量を前記製品の種類ごとに、前記複数の区分別に表示部に表示させる情報提供部をさらに備えてよい。
【0013】
本発明の一態様に係るGHG排出量導出方法は、取得部が、少なくとも1つの種類の製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の規模を示すそれぞれの活動量を計測する複数の計測器から活動量を示す活動量情報を取得する段階を備えてよい。前記GHG排出量導出方法は、導出部が、前記複数の計測器により計測されるそれぞれの活動量を割り当てる少なくとも1つの製品の種別及び前記少なくとも1つの製品に割り当てる活動量の割合とを示す活動量割当情報、及び前記活動量情報に基づいて、製品の種類ごとに製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の温室効果ガス排出量(GHG排出量)を導出する段階を備える。
【0014】
本発明の一態様に係るプログラムは、少なくとも1つの種類の製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の規模を示すそれぞれの活動量を計測する複数の計測器から活動量を示す活動量情報を取得する段階をコンピュータに実行させるためのものである。前記プログラムは、前記複数の計測器により計測されるそれぞれの活動量を割り当てる少なくとも1つの製品の種別及び前記少なくとも1つの製品に割り当てる活動量の割合とを示す活動量割当情報、及び前記活動量情報に基づいて、製品の種類ごとに製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の温室効果ガス排出量(GHG排出量)を導出する段階をコンピュータに実行させるためのものである。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るGHG排出量導出装置が適用される製造ラインの図である。
図2】本実施形態に係るGHG排出量導出装置の機能ブロックの図である。
図3A】活動量割当情報のテーブルを示す図である。
図3B】活動量割当情報のテーブルを示す図である。
図3C】活動量割当情報のテーブルを示す図である。
図3D】活動量割当情報のテーブルを示す図である。
図4】本実施形態による、製品の種類ごとに製品の製造に関して行われる各活動によるGHG排出量を導出するフロー図である。
図5】本実施形態による、特定の製品の特定の区分における直接GHG排出量と特定の製品の特定の区分における間接GHG排出量とを加算して、特定の製品の特定の区分における全体GHG排出量を導出するフロー図である。
図6】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、本実施形態のGHG排出量導出装置200が適用されてよい製造ラインの一例を示す図である。3つの製造ライン1~3は、第1製造工程~第3製造工程を経て、複数の種類の製品を製造する。製造装置10A01~10A18(以下、製造装置10と総称する場合がある)にはそれぞれ計測器20M01~20M18(以下、計測器20と総称する場合がある。)が取り付けられている。各計測器20は、各製造装置10の電気、ガス、油または水の使用量を計測する。各計測器20とGHG排出量導出装置200とは通信可能に接続されている。GHG排出量導出装置200は、各計測器20で計測された各製造装置10の電気、ガス、油または水の使用量に基づいて、第1製造工程~第3製造工程を経て製造される製品の温室効果ガス排出量(GHG排出量)を製品の種類ごとに導出する。
【0019】
図2は、GHG排出量導出装置200の機能ブロック図である。GHG排出量導出装置200は、通信部230、表示部240、記憶部220及び制御部210を備える。
【0020】
通信部230は、GHG排出量導出装置200内の各コンポーネント間の通信を管理する。また通信部230は、インターネット等により、外部にあるコンピュータと通信する。
【0021】
記憶部220は、GHG排出量を導出するために必要なプログラム等を格納する。また記憶部220は後述の活動量割当情報テーブルを格納する。さらに記憶部220は電気、ガス、油及び水のそれぞれの排出係数も格納してよい。さらに記憶部220は、各計測器20が計測した計測値データを格納してよい。記憶部220は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SD-RAM)、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリユニット、長期記憶装置、又は他の適切なメモリユニットを含む。記憶部220は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、又は他の適切な取り外し可能又は取り外し不可の記憶部を含む。
【0022】
制御部210は、GHG排出量導出装置200全体を制御する。制御部210は、CPUまたはMPU等のマイクロプロセッサ、及びMCU等のマイクロコントローラ等により構成されてよい。制御部210は、取得部212、導出部214、変更受付部216、及び情報提供部218を有する。
【0023】
近年、組織において製品・サービスの活動に伴い排出されるGHG排出量を正確に導出することが望まれている。例えば、メータ等により測定された設備及び機器等の電気使用量を取得し、当該電気使用量に温室効果ガス(GHG)の排出係数を乗じることでGHG排出量を計算することが知られている。ところで、GHG排出量は、企業及び団体等の組織の活動によって生じる活動量を組織単位で集計ですることで導出されたり、組織が生産・提供等する製品・サービス等の単位で一連のライフサイクルの評価値として導出されたり、あるいはカーボンフットプリントを行うために導出されたりする。ここで、例えば、組織の工場等において複数の製造機器等を稼働させて製品を生産・加工等する場合、各製造機器等がいずれの製品の生産・加工等のために使用され、当該製品のGHG排出量に寄与したかを特定することが望ましい。そこで、本実施形態では、組織の工場等において複数の製造装置10を稼働させて製品を製造する場合、各製造装置10がいずれの製品のGHG排出量に寄与したかを容易に把握できるGHG排出量導出装置200を提供する。
【0024】
以下に、再度図1を参照して、本実施形態のGHG排出量導出装置200について説明する。説明において、組織Xの工場Yにおいて、製品A、B、C、D、E及びFの5種類の製品を製造する前提とする。製品A、B、C、D、E及びFは、日用品、電化製品、化学製品、工業製品、車両、食料品など任意の製品である。第1拠点及び第2拠点は工場Y内の各製造拠点に該当する。製造ライン1は製品A、B及びCを製造する。製造ライン2は製品D及びEを製造する。製造ライン3は製品Fを製造する。但し、製造ライン2及び3の最終工程は、製造ライン1の製造装置10A18に集約される。製造ラインでは各製品の製造に用いられる原料、素材、部品(単一部品または構成部品)等の物が各種製造工程(加工・組立・焼成・仕分け・包装等を含む)を施される。製造対象となる各種原料、素材、部品等の物に関する情報は、各業界のデータベース等に連携させて取得してよい。当該データベースとして、例えば自動車業界向けの材料データベースであるIMDS(商標)が利用されてよい。本実施形態において、工場の稼働日は月に25日間である。製造ライン1では、稼働日25日間のうち、製品Aを10日間、製品Bを10日間及び製品Cを5日間製造する。製造ライン2では、稼働日25日間のうち、製品Dを10日間及び製品Eを15日間製造する。製造ライン3では、稼働日25日間のうち、製品Fを25日間製造する。
【0025】
製品A、B及びCは、製造装置10A01及び製造装置10A04を使用する第1製造工程を経る。その後に、製品A、B及びCは、製造装置10A06、製造装置10A08、製造装置10A11及び製造装置10A14を使用する第2製造工程を経る。最後に、製品A、B及びCは、製造装置10A15及び製造装置10A18を使用する第3製造工程を経て、製品A、B及びCが製造される。
【0026】
製品D及びEは、製造装置10A02を使用する第1製造工程を経る。その後に、製品D及びEは、製造装置10A07、製造装置10A09及び製造装置10A12を使用する第2製造工程を経る。最後に、製品D及びEは、製造装置10A16及び製造装置10A18を使用する第3製造工程を経て、製品D及びEが製造される。
【0027】
製品Fは、製造装置10A03及び製造装置10A05を使用する第1製造工程を経る。その後に、製品Fは、製造装置10A10及び製造装置10A13を使用する第2製造工程を経る。最後に、製品Fは、製造装置10A17及び製造装置10A18を使用する第3製造工程を経て、製品Fが製造される。
【0028】
各製造装置10にはそれぞれ計測器20が取り付けられている。各計測器20は、各製品の製造のために消費した電気、ガス、油または水の使用量を計測する。ここで、製造装置10A01、製造装置10A02、製造装置10A03、製造装置10A04、製造装置10A06、製造装置10A08、製造装置10A11、製造装置10A14、製造装置10A15、製造装置10A16、製造装置10A17及び製造装置10A18は電気を使用する装置である。特に、製造装置10A18は、太陽光発電装置から供給される電力でも稼働する。太陽光発電装置は、太陽光発電モジュールによって発電された電力を、インバータを介して電力会社の電力系統と連携し、太陽光発電モジュールによって発電された電力を優先的に製造装置10A18に供給する。製造装置10A18は、太陽光発電モジュールによって発電された電力のみでは賄えなかった電力不足分を電力系統側から供給(買電)を受けて稼働する。また太陽光発電装置は、余った電力を電力系統側に逆潮流(売電)する。製造装置10A05及び製造装置10A10は油を使用する装置である。製造装置10A07、製造装置10A12及び製造装置10A13は水を使用する装置である。製造装置10A09はガスを使用する装置である。
【0029】
ここから、本実施形態に係るGHG排出量導出装置200がどのように機能するかを、或る月の製品Aの製造に関連付けて説明する。
【0030】
取得部212は、少なくとも1つの種類の製品の製造に関して行われるそれぞれの活動の規模を示すそれぞれの活動量を計測する複数の計測器20から、活動量を示す活動量情報を取得する。取得部212は、記憶部220に格納された各計測器20からの計測値データを読み取って収集する。製品Aの製造に関与する製造装置の計測器20は、計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11、計測器20M14、計測器20M15及び計測器20M18である。稼働日25日間にわたり、取得部212が収集したこれら計測器の計測値は、以下のようであった。
計測器20M01により計測された電気使用量は1000kWh
計測器20M04により計測された電気使用量は1000kWh
計測器20M06により計測された電気使用量は1000kWh
計測器20M08により計測された電気使用量は1000kWh
計測器20M11により計測された電気使用量は1000kWh
計測器20M14により計測された電気使用量は1000kWh
計測器20M15により計測された電気使用量は1000kWh
計測器20M18により計測された電気使用量は1000kWh
【0031】
導出部214は、複数の計測器20により計測されるそれぞれの活動量を割り当てるための、少なくとも1つの製品の種類と少なくとも1つの製品に割り当てる活動量の割合とを示す活動量割当情報、及び活動量情報に基づいて、製品の種類ごとに製品の製造に関して行われるそれぞれの活動のGHG排出量を導出する。具体的に、導出部214は、記憶部220に格納された図3A図3B図3C、及び図3Dに示す活動量割当情報テーブルを読み取る。活動量割当情報テーブルは、予め製造計画に基づき製品の各種類に対して計測器及び製造時間又は日数を割り当てることにより作成されてよい。活動量割当情報テーブルは、実際に製造ラインを通過した物の種類分け及び計数等に基づき実績として製品の各種類に対して計測器20及び製造時間又は日数を割り当てることにより作成されてよい。記憶部220は、図3A図3B図3C、及び図3Dに示す活動量割当情報テーブルを記憶してよい。記憶部220は、図3A図3B図3C、及び図3Dに示す活動量割当情報テーブルのうちの少なくとも2つを1つのテーブルとして記憶してよい。活動量割当情報テーブルの列方向には、製品A~Fを示す列が含まれる。活動量割当情報テーブルの行方向には、計測器20M01M18を示す行が含まれる。活動量割当情報テーブル内の各製品の列によると、計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11、計測器20M14、計測器20M15及び計測器20M18に対する製品Aの割合はすべて40%である。導出部214は、さらに、記憶部220に格納された電気のGHG排出係数を読み取る。ここで電気のGHG排出係数は、0.441(kg‐CO/kWh)である。よって、導出部214は、これらの計測器20で計測した電気使用量に、電気のGHG排出係数及び製品Aの割合を乗じて、製品Aの製造に関して行われる電気を消費する活動によるGHG排出量を導出する。以下のようになる。
計測器20M01:1000(kWh)×0.441(kg‐CO/kWh)×40%=176.4(kg-CO
計測器20M04:1000(kWh)×0.441(kg‐CO/kWh)×40%=176.4(kg-CO
計測器20M06:1000(kWh)×0.441(kg‐CO/kWh)×40%=176.4(kg-CO
計測器20M08:1000(kWh)×0.441(kg‐CO/kWh)×40%=176.4(kg-CO
計測器20M011:1000(kWh)×0.441(kg‐CO/kWh)×40%=176.4(kg-CO
計測器20M014:1000(kWh)×0.441(kg‐CO/kWh)×40%=176.4(kg-CO
計測器20M018:1000(kWh)×0.441(kg‐CO/kWh)×40/300%=58.7(kg-CO
【0032】
以上の通り、導出部214は、製品Aの製造に関して行われる電気を消費する活動によるGHG排出量を計測器20ごとに導出する。製品の種類ごとに導出されたGHG排出量は、歩留まりを考慮された値であってよい。ここで、導出部214は、各計測器20で取得された活動量のうち、最終工程後に当該種類において製造された物の全体から不良品として除去された物の数量を減算した活動量をGHG排出量の導出に用いてよい。また、導出部214は、各工程において不良品を特定し、当該不良品を除く物に用いられた活動量に応じてGHG排出量の導出を行ってよい。なお、ここで、導出部214は、計測器20ごとに導出されるGHG排出量を合計してもよい。また、ここでは、導出部214は、記憶部220に格納されている電気の排出係数を使用する例について説明したが、導出部214は、例えば、通信部230を介して外部のコンピュータと通信して、排出係数を取得してもよい。本実施形態においては活動量に排出係数を乗じることでGHG排出量を計算したが、活動量として直接GHG排出量を計測してよい。排出係数は各組織、拠点、製造ライン、製品の種類等において固有のもの(一次データ)であってよい。この場合、排出係数は予め実験等により計測された数値を基に表されてよい。排出係数は産業関連表や各種積み上げ式によるもの(二次データ)であってよい。二次データの排出係数は、一次データの排出係数が利用できない場合に利用されてよい。なお、前述の通り、製造装置10A018は太陽光発電装置から供給される電力でも稼働する。太陽光発電装置により発電された電力の排出係数はゼロである。例えば、太陽光発電装置による発電量を毎月計測して月の平均値を導出し、記憶部220に格納しておく。その上で、導出部214は、計測器20M018による計測値から、太陽光による発電量の月の平均値を減算した値に、排出係数を乗算してGHG排出量を導出してもよい。
【0033】
なお、任意の製造装置10に、GHG吸収固定装置を設けてよい。GHG吸収固定装置は、COを吸収し固定する装置であって、例えばCCS(カーボン回収貯留)、CCUS(カーボン回収利用貯留)、DAC(直接空気回収)等の技術によりCOを吸収し固定してよい。導出部214は、GHG排出量の導出にあたり、GHG吸収固定装置が吸収したGHG排出量を減算してよい。導出部214は、GHG排出量の導出にあたり、GHG吸収固定装置が吸収したGHG排出量を減算せず、GHG排出量の合計から相殺するGHG削減量(例えばカーボンクレジット等による)として導出してよい。GHG吸収固定装置が吸収可能なGHG排出量は、実験等で事前に測定して、例えば、1時間あたりのCOの吸収量を記憶部220に格納しておいてよい。またはGHG吸収固定装置が自身でGHG吸収量を計測できる場合、GHG吸収固定装置から、取得部212がそのGHG吸収量を取得してよい。GHG吸収固定装置は、各製造工程または各拠点に少なくとも1つ設置されてよい。
【0034】
本実施形態によれば、各製造装置10に各計測器20が設けられており、活動量割当情報テーブルにおいて各計測器20に対する各製品の割合が指定されている。このため、工場等の複雑な製造ラインにおいて複数の製造装置10を稼働させて複数の製品を製造する場合に、各製造装置20が各製品の製造に伴い排出したGHG排出量を製品の種類ごとに精度良く導出できる。
【0035】
変更受付部216は、活動量割当情報に示される複数の計測器20のそれぞれに対応付けられる製品の種類、及び製品に割り当てられる活動量の割合の少なくとも一方の変更を受け付ける。ユーザは、変更受付部216を介して、活動量割当情報テーブル内の製品の種類を追加、削除または変更することができる。同様にユーザは、変更受付部216を介して、活動量割当情報テーブル内の各計測器20に対する各製品の割合を変更することができる。変更受付部216は、各計測器20を通過する原料等の種類分け及び個数、稼働時間又は日数等に応じて、活動量割当情報テーブル内の各計測器20に対する各製品の割合を変更してもよい。
【0036】
活動量割当情報は、複数の計測器20のそれぞれに対して計測対象の活動の種類に応じた排出係数をさらに示してよい。また導出部214は、活動量割当情報に示される排出係数にさらに基づいて、GHG排出量を導出してよい。具体的には、図3A及び図3Bに示されるように、活動量割当情報テーブルには、電気、ガス、油及び水の排出係数が含まれている。前述した、導出部214による製品Aの製造に関して行われる電気を消費する活動によるGHG排出量の導出においては、導出部214は、記憶部220に格納された排出係数を使用した。一方、ここでは、活動量割当情報テーブルに、各排出係数が保持されている。導出部214は、活動量割当情報テーブルに保持された電気、ガス、油または水の排出係数を、各計測器20で計測した電気使用量、ガス使用量、油使用量または水使用量にそれぞれ乗じてGHG排出量を導出する。導出方法については、前述と同一であるので繰り返さない。
【0037】
変更受付部216は、活動量割当情報に示される複数の計測器20のそれぞれに対応付けられる製品の種類、製品に割り当てられる活動量の割合、及び排出係数の少なくとも1つの変更を受け付けてよい。ユーザは、変更受付部216を介して、活動量割当情報テーブル内の製品の種類を追加、削除または変更することができる。同様にユーザは、変更受付部216を介して、活動量割当情報テーブル内の各計測器に対する各製品の割合を変更することができる。同様に、ユーザは、変更受付部216を介して、活動量割当情報テーブル内の各排出係数を追加、削除、または変更することができる。
【0038】
情報提供部218は、導出部214で導出されたGHG排出量を示す情報を表示部240に表示させる。表示部240は、GHG排出量導出装置200と別体として、GHG排出量導出装置200にネットワークを介して接続されてよい。パーソナルコンピュータ、あるいはスマートフォンなどのユーザ端末のディスプレイが表示部240として機能してよい。情報提供部218は、導出部214により導出されるGHG排出量を製品の種類ごとに、複数の計測器20別に表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、導出部214により導出されるGHG排出量を製品の種類ごとに、複数の後述の区分別に表示部240に表示させてよい。
【0039】
情報提供部218は、各製造装置10で排出されるGHG排出量を一覧で表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、各製造装置10で排出されるGHG排出量を一覧で区分ごとに表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、各製造装置10で排出されるGHG排出量を対象年度と、比較年度とを並列で表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、各製造装置10で排出されるGHG排出量を対象年度と、比較年度とを並列で区分ごとに表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、各製造装置10で排出されるGHG排出量のうち閾値以上のGHG排出量を排出する製造装置10を表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、GHG排出量が多い順、または少ない順に製造装置10を表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、同じ工程を経て同じ製品を製造する複数の製造ラインのなかで、他の製造ラインの製造装置10で排出されるGHG排出量より予め定められた割合以上多いGHG排出量を排出する製造装置10を表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、活動量(例えば電気使用量)を1秒単位、5秒単位、30秒単位、1分単位、5分単位、30分単位、1時間単位、6時間単位等の任意の時間単位で表示部240に表示させてよい。このとき、情報提供部218は、活動量に加えてGHG排出量を同じ時間単位で表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、一定の計測器20を各製造工程のグループとしてまとめ、製品の各種類に対する活動量割当量(割合)を製造工程ごとに一覧又は内訳で表示部240に表示させてよい。情報提供部218は、一定の計測器20を取り付けた機器(例えばシーケンサー)ごとに製品の各種類に対する活動量割当量を表示部240に一覧又は内訳で表示させてよい。情報提供部218は、製品の種類ごとに異なる活動量(電気使用量、水使用量、ガス使用量、油使用量、その他の活動量)を表示部240に一覧又は内訳で表示させてよい。
【0040】
製品の製造に関して行われる活動は、電気、ガス、油、及び水の少なくとも1つを消費する活動であってよい。複数の計測器20により計測される活動量は、電気、ガス、油、及び水の何れか1つの使用量であってよい。前述の例では、製品Aの製造に関して行われる活動は、すべて電気を消費する活動であった。一方、製造ライン2で製造する製品Dは、電気を消費する活動のほかに、第2製造工程において、水(計測器20M07及び計測器20M12)及びガス(計測器20M09)を消費する活動が含まれる。また製造ライン3で製造する製品Fは、電気を消費する活動のほかに、第1製造工程において油(計測器20M05)と、第2製造工程において油(計測器20M10)及び水(計測器20M13)とを消費する活動が含まれる。製品の製造に関して行われる活動は、燃料を消費する活動であってよい。燃料には固体燃料(原料炭、一般炭、無煙炭、コークス、石油コークス、練炭又は豆炭、木材、木炭、その他の固体燃料)、液体燃料(コールタール、石油アスファルト、コンデンセート、原油(コンデンセート(NGL)を除く。)、ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、A重油、B・C重油、潤滑油、その他の液体燃料)、および気体燃料(液化石油ガス(LPG)、石油系炭化水素ガス、液化天然ガス(LNG)、天然ガス(液化天然ガス(LNG)を除く。)、コークス炉ガス、高炉ガス、転炉ガス、都市ガス、その他の気体燃料)が含まれてよい製品の製造に関して行われる活動は、熱および蒸気の少なくとも1つを消費する活動であってよい。
【0041】
製品の製造に関して行われる活動は、複数の区分に分かれてよい。活動量割当情報は、複数の計測器20のそれぞれに対応付けて複数の区分のうちの少なくとも1つの区分を示してよい。導出部214は、製品の種類ごとに製品の製造に関して行われるそれぞれの活動のGHG排出量を区分ごとに導出してよい。製品A~Fの製造に関して行われる電気、ガス、油または水を消費する活動は、例えば、工場Y、第1拠点及び第2拠点、第1製造工程、第2製造工程及び第3製造工程、並びに製造ライン1、製造ライン2及び製造ライン3という区分に分けることができる。例えば、製造ライン1という区分でGHG排出量を導出するには、導出部214は、製造ライン1に含まれる計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11、計測器20M14、計測器20M15及び計測器20M18の各計測値に各排出係数を乗じて導出された各GHG排出量を合計する。第2製造工程という区分でGHG排出量を導出するには、導出部214は、第2製造工程に含まれる計測器20M06、計測器20M07、計測器20M08、計測器20M09、計測器20M10、計測器20M11、計測器20M12、計測器20M13及び計測器20M14の各計測値に各排出係数を乗じて導出された各GHG排出量を合計する。第2拠点という区分でGHG排出量を導出するには、導出部214は、第2拠点に含まれる計測器20M15、計測器20M16、計測器20M17及び計測器20M18の各計測値に各排出係数を乗じて導出された各GHG排出量を合計する。工場Yという区分でGHG排出量を導出するには、導出部214は、工場Yに含まれるすべての計測器の各計測値に各排出係数を乗じて導出された各GHG排出量を合計する。図3C及び図3Dに示される活動量割当情報のテーブルは、区分の情報として、製造ライン、拠点、工場、組織、供給地点及び受電地点を示す列を含む。もちろん、ここでの区分の例は一例に過ぎず、実施のニーズにより様々な他の区分が活動量割当情報のテーブルに含められてよい。
【0042】
製品の製造に関して行われる活動は、(1)製品の製造ラインの単位、(2)製品の製造を行う施設の単位、(3)製品の製造を行う組織の単位、(4)製品の製造で使用される製造装置10で消費する電気の供給地点または受電地点の単位、または(5)製品の製造のサプライチェーンの単位で、複数の区分に分かれてよい。(1)について、製造ライン1という区分でGHG排出量を導出することについて前述した通りである。すなわち、導出部214は、製品の各製造ラインの単位で、製品の製造に関して行われる電気、ガス、油または水を消費する活動に基づくGHG排出量を導出してよい。(2)について、導出部214は、工場Yという区分でGHG排出量を導出することについて前述した通りである。すなわち、工場Y等の施設の単位で、製品の製造に関して行われる当該活動に基づくGHG排出量を導出してよい。(3)について、導出部214は、組織Xの単位で、製品の製造に関して行われる当該活動に基づくGHG排出量を導出してよい。例えば、組織Xが工場Yのほかに工場Z、並びに事業所A及びBを有する場合は、導出部214は、工場Y及びZ並びに事業所A及びBを合わせた組織Xの単位で、製品の製造に関して行われる当該活動に基づくGHG排出量を導出してよい。
【0043】
(4)について、図3C及び図3Dに示される活動量割当情報テーブルは、供給地点及び受電地点を示す列を含み、それら列には22桁の番号が含まれている。供給地点番号は、電気の使用場所を特定するための22桁の番号である。受電地点番号は、再生可能エネルギー(太陽光等)の発電設備の場所を特定するための22桁の番号である。例えば、計測器20M01、計測器20M02、計測器20M03、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14に対して1つの供給地点番号“××‐××××‐××××‐××××‐××××‐××××”が割り当てられてよい。すなわち、導出部214は、計測器20M01、計測器20M02、計測器20M03、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14の1単位で、製品の製造に関して行われる電気、ガス、油または水を消費する活動に基づくGHG排出量を導出してよい。
【0044】
(5)について、導出部214は、製品の製造のサプライチェーンの単位で、製品の製造に関して行われる電気、ガス、油または水を消費する活動に基づくGHG排出量を導出してよい。サプライチェーンには、組織Xの活動に関連する他の組織が含まれる。例えば、組織Xの製品A~Fのサプライチェーンに、組織A及び組織Bが含まれる場合、組織A及びBにおいても本実施形態によるGHG排出量導出装置200を配備することで、サプライチェーンの単位でGHG排出量を導出でき、特にスコープ3のGHG排出量の算定が容易になる。
【0045】
製品の製造に関して行われる活動は、電気を使用する活動であってよい。取得部212は、特定の区分の電気の使用量を示す電気使用量情報をさらに取得してよい。導出部214は、電気使用量情報に示される電気の使用量に基づいて、特定の区分の全体GHG排出量を導出してよい。導出部214は、活動量割当情報に基づいて、特定の区分に属するそれぞれの計測器20で計測される活動量から、特定の区分の直接GHG排出量を導出してよい。導出部214は、全体GHG排出量から直接GHG排出量を減算することで、特定の区分における、複数の計測器20で計測される対象ではない活動に伴う電気の使用による間接GHG排出量を導出してよい。導出部214は、間接GHG排出量に、特定の種類の製品に対して予め定められた割合を乗じることで特定の種類の製品の特定の区分における間接GHG排出量を導出してよい。導出部214は、活動量割当情報に基づく特定の種類の製品の特定の区分における直接GHG排出量に、特定の種類の製品の特定の区分における間接GHG排出量を加算することで、特定の種類の製品の特定の区分における全体GHG排出量を導出してよい。
【0046】
具体的に、取得部212は、記憶部220に格納された第1拠点の電気の使用量を示す電気使用量情報を取得してよい。例えば、電気使用量情報は、毎月の電気の領収書に示された電気使用量である。ここで、第1拠点の或る月の電気の領収書に示される電気使用量は10,000kWhである。取得部212は、第1拠点の或る月の電気使用量情報として10,000kWhを取得する。
【0047】
次に、導出部214は、電気使用量情報に示される電気の使用量10,000kWhに基づいて、特定の区分である第1拠点の全体GHG排出量を導出する。本明細書において、全体GHG排出量とは、後述の直接GHG排出量と間接GHG排出量とを合わせたGHG排出量をいう。導出部214は、電気使用量10,000kWhに、電気の排出係数0.441(kg‐CO/kWh)を乗じて、第1拠点の全体GHG排出量4410(kg‐CO)を導出する。次に、導出部214は、活動量割当情報テーブルを参照して、第1拠点に属する電気使用量を計測する計測器20が、計測器20M01、計測器20M02、計測器20M03、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14であることを特定する。導出部214は、記憶部220に格納された当該或る月において計測器20M01、計測器20M02、計測器20M03、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14がそれぞれ計測した電気使用量を特定して、それぞれの値を合計する。その合計値は、8,000kWhであった。導出部214は、合計した電気使用量8,000kWhに、電気の排出係数0.441(kg‐CO/kWh)を乗じて、第1拠点における当該或る月分の製品の製造のために排出した直接GHG排出量を導出する。本明細書においては、製品の製造のために排出され、計測器20で計測される使用量から直接的に導出されるGHG排出量を直接GHG排出量という。導出部214は、8000(kWh)に0.441(kg‐CO/kWh)を乗じて、第1拠点の直接GHG排出量3528(kg‐CO)を導出する。
【0048】
続けて、導出部214は、第1拠点の全体GHG排出量4410(kg‐CO)から、第1拠点の直接GHG排出量3528(kg‐CO)を減算して、間接GHG排出量882(kg‐CO)を導出する。本明細書において、間接GHG排出量とは、計測器で計測される対象ではない活動に伴う電気の使用によるGHG排出量をいう。間接GHG排出量としては、例えば、第1拠点の休憩室、事務室、トイレといった直接的に製品の製造を行わない場所における電気の使用によるGHG排出量が挙げられよう。
【0049】
次に、導出部214は、間接排出量882(kg‐CO)に、特定の種類の製品に対して予め定められた割合を乗じることで、特定の種類の製品の第1拠点における間接GHG排出量を導出する。予め定められた割合は、例えば、製品の販売数、生産数等により定めてよい。ここでは、予め定められた割合は、製品A、製品B、製品C、製品D、製品E及び製品Fについてそれぞれ、20%、20%、20%、15%、15%及び10%とする。導出部214は、間接GHG排出量882(kg‐CO)に0.2を乗じて、製品Aの第1拠点における間接GHG排出量176.4(kg‐CO)を導出する。なお、活動量割当情報テーブルに、当該予め定められた割合を記録しておいてもよい。
【0050】
次に、導出部214は、活動量割当情報テーブルに基づき、製品Aの第1拠点における直接GHG排出量を導出する。導出部214は、活動量割当情報テーブルを参照して、第1拠点における製品Aの製造に関わる電気使用量を計測する計測器は、計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14であることを特定する。導出部214は、記憶部220に格納された、計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14がそれぞれ計測した当該或る月の電気使用量を特定して、それぞれの値を合計する。合計値は、6,000kWhであった。これら計測器に対する製品Aの割合は、すべて40%である。そこで、導出部214は、6000kWhに、排出係数0.441(kg‐CO/kWh)及び割合40%を乗じて、製品Aの第1拠点における直接GHG排出量1058.4(kg‐CO)を導出する。その後、導出部214は、製品Aの第1拠点における直接GHG排出量1058.4(kg‐CO)に、導出済みの製品Aの第1拠点における間接GHG排出量176.4(kg‐CO)を加算して、製品Aの第1拠点における全体GHG排出量1234.8(kg‐CO)を導出する。
【0051】
本実施形態によれば、活動量割当情報テーブルに複数の区分が含まれており、GHG排出量を各区分で導出でき、様々な単位でGHG排出量を算定できる。また、計測器に対する各製品の割合、及び、間接GHG排出量に対する特定の製品の予め定められた割合により、特定の製品の特定の区分における直接GHG排出量及び間接GHG排出量を導出でき、さらに特定の製品の特定の区分における全体的なGHG排出量も導出できる。またサプライチェーンに本実施形態によるGHG排出量導出装置を導入することで、サプライチェーンにおけるGHG排出量の算定が容易になる。また、変更受付部216を介して、活動量割当情報テーブルに示される、製品の種類、製品に割り当てられる活動量の割合、及び排出係数を適宜変更できる。よって、製品ラインで製造される製品の種類、製品の割合などを変更した場合でも、活動量割当情報テーブルに示す内容を修正するだけで済む。
【0052】
図4は、本実施形態による、製品の種類ごとに製品の製造に関して行われる各活動によるGHG排出量を導出するフロー図である。
【0053】
S100において、取得部212は、複数の計測器20から、少なくとも1つの種類の製品の製造に関する電気、ガス、油、または水の使用量を取得する。例えば、製品Aの製造に関して行われる活動によるGHG排出量を導出する場合、取得部212は、記憶部220に格納された計測値データを取得する。例えば、取得部212は、或る月の計測値データに基づき、製品Aの製造に関与する計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11、計測器20M14、計測器20M15及び計測器20M18が計測した電気の使用量を取得する。
【0054】
S102において、導出部214は、製品の種類と製品に割り当てる活動量の割合とを示す活動量割当情報に基づき、取得した電気、ガス、油または水の使用量に、各排出係数及び製品の割合を乗じる。導出部214は、記憶部220に格納された活動量割当情報テーブルを参照して、製品Aの製造に関与する計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11、計測器20M14、計測器20M15及び計測器20M18に対する製品Aの割合、及び、これらの計測器に関連付けられた排出係数を特定する。導出部214は、取得した電気の使用量に、排出係数及び製品Aの割合を乗じる。
【0055】
S104において、導出部214は、乗算の結果の値を、製品の製造に関して行われる電気、ガス、油、または水を消費する活動によるGHG排出量として導出する。導出部214は、乗算の結果の値を、製品Aの製造に関して行われる電気を消費する活動によるGHG排出量として導出する。フローは終了する。
【0056】
図5は、本実施形態による、特定の製品の特定の区分における直接GHG排出量と間接GHG排出量とを加算して、特定の製品の特定の区分における全体GHG排出量を導出するフロー図である。
【0057】
S200において、取得部212は、特定の区分の電気使用量を取得する。例えば、取得部212は、記憶部220に格納された第1拠点の或る月の電気使用量として10,000kWhを取得する。
【0058】
S202において、導出部214は、取得部212が取得した電気使用量に、排出係数を乗じて、特定の区分の全体GHG排出量を導出する。導出部214は、S200において取得部212が取得した電気使用量10,000kWhに、電気の排出係数0.441(kg‐CO/kWh)を乗じて、第1拠点の全体GHG排出量4410(kg‐CO)を導出する。
【0059】
S204において、導出部214は、活動量割当情報テーブルに基づき、特定の区分に属する各計測器20で計測された電気使用量に、排出係数を乗じて特定の区分の直接GHG排出量を導出する。具体的に、導出部214は、記憶部220に格納された活動量割当情報テーブルを参照して、第1拠点に属する電気使用量を計測する計測器は、計測器20M01、計測器20M02、計測器20M03、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14であることを特定する。導出部214は、記憶部220に格納された計測値データから、計測器20M01、計測器20M02、計測器20M03、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14がそれぞれ計測した電気使用量を特定して、それぞれの値を合計する。その合計値は、8,000kWhである。導出部214は、合計した電気使用量8,000kWhに、電気の排出係数0.441(kg‐CO/kWh)を乗じて、第1拠点における当該或る月分の製品の製造のために排出したGHG排出量、すなわち直接GHG排出量を導出する。導出部214は、8,000(kWh)に0.441(kg‐CO/kWh)を乗じて、第1拠点の直接GHG排出量3528(kg‐CO)を導出する。
【0060】
S206において、導出部214は、特定の区分の全体GHG排出量から、特定の区分の直接GHG排出量を減じて、特定の区分の間接GHG排出量を導出する。導出部214は、第1拠点の全体GHG排出量4410(kg‐CO)から、第1拠点の直接GHG排出量3528(kg‐CO)を減じて、第1拠点の間接GHG排出量882(kg‐CO)を導出する。
【0061】
S208において、導出部214は、間接GHG排出量に、特定の種類の製品に対して予め定められた割合を乗じて、特定の製品の特定の区分における間接GHG排出量を導出する。製品Aについての予め定められた割合は20%であるとする。導出部214は、S206で導出した第1拠点の間接GHG排出量882(kg‐CO)に、0.2を乗じて、製品Aの第1拠点における間接GHG排出量176.4(kg‐CO)を導出する。
【0062】
S210において、導出部214は、活動量割当情報に基づき、特定の製品の特定の区分における直接GHG排出量に、特定の製品の特定の区分における間接GHG排出量を加算して、特定の製品の特定の区分における全体GHG排出量を導出する。まず、導出部214は、活動量割当情報テーブルに基づき、製品Aの第1拠点における直接GHG排出量を導出する。導出部214は、活動量割当情報テーブルを参照して、第1拠点における製品Aの製造に関わる電気使用量を計測する計測器20は、計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14であることを特定する。導出部214は、記憶部220に格納された、計測器20M01、計測器20M04、計測器20M06、計測器20M08、計測器20M11及び計測器20M14がそれぞれ計測した当該或る月の電気使用量を特定して、それぞれの値を合計する。合計値は、は6,000kWhであった。これら計測器に対する製品Aの割合は、すべて40%である。そこで、導出部214は、6000kWhに、排出係数0.441(kg‐CO/kWh)及び製品の割合40%を乗じて、製品Aの第1拠点における直接GHG排出量1058.4(kg‐CO)を導出する。続けて、導出部214は、製品Aの第1拠点における直接GHG排出量1058.4(kg‐CO)に、S208で導出した製品Aの第1拠点における間接GHG排出量176.4(kg‐CO)を加算して、製品Aの第1拠点における全体GHG排出量1234.8(kg‐CO)を導出する。フローは終了する。
【0063】
図6は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0064】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0065】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CD-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0066】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0067】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0068】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0069】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0070】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM(登録商標))、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0071】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0072】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0073】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0074】
10 製造装置
20 計測器
200 GHG排出量導出装置
210 制御部
212 取得部
214 導出部
216 変更受付部
218 情報提供部
220 記憶部
230 通信部
240 表示部
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6