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特開2024-35057早強低収縮低熱ポルトランドセメント及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035057
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】早強低収縮低熱ポルトランドセメント及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 7/19 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
C04B7/19
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079610
(22)【出願日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】202211053589.2
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523176990
【氏名又は名称】中国建筑材料科学研究総院有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523177001
【氏名又は名称】中国建材集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】張坤悦
(72)【発明者】
【氏名】▲ぢー▼暁
(72)【発明者】
【氏名】王敏
(72)【発明者】
【氏名】文寨軍
(72)【発明者】
【氏名】安暁鵬
(72)【発明者】
【氏名】黄文
(72)【発明者】
【氏名】姚広
(72)【発明者】
【氏名】余楊
(72)【発明者】
【氏名】瀋▲しん▼
(57)【要約】      (修正有)
【課題】早強低収縮低熱ポルトランドセメント及びその製造方法を開示し、建築材料の技術分野に関わる。低い水和熱及び高い後期強度などの性能上の長所を保つ前提でより一歩に早期強度を向上させ、鉄道工事における快速施工の需要を満たすと同時に、より一歩に収縮率を低下させて有効にコンクリート収縮変形及び割れを抑えることができる。
【解決手段】セメントクリンカーの90~97重量分及び石膏の3~10重量分を含む。その中、セメントクリンカーは焼成されたセメント原料によるものである。前記のセメント原料は大理石の10~20重量分、蛍石の3~5重量分、ドロマイトの20~35重量分、石英の2~9重量分、雲母の8~12重量分、カオリナイトの2~3重量分、プレファブ鉄スラグの2~5重量分、プレファブ銅スラグの3~4重量分、プレファブバナジウム鉱スラグの8~15重量分及びプレファブニッケル鉱スラグの5~13重量分を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントクリンカーが焼成されたセメント原料によるものであることを特徴とし、セメントクリンカーの90~97重量分及び石膏の3~10重量分を含み、
前記のセメント原料は、大理石の10~20重量分、蛍石の3~5重量分、ドロマイトの20~35重量分、石英の2~9重量分、雲母の8~12重量分、カオリナイトの2~3重量分、プレファブ鉄スラグの2~5重量分、プレファブ銅スラグの3~4重量分、プレファブバナジウム鉱スラグの8~15重量分及びプレファブニッケル鉱スラグの5~13重量分を含む、早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項2】
飛灰の5~10重量分も含むことを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項3】
前記のセメント原料におけるプレファブ鉄スラグ及びプレファブ銅スラグがD50≦30μm、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグがD90≦30μm、雲母及びカオリナイトが混合されてからD50≦50μm、他の組成が混合されてからD50≦60μmまでに研磨されることを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項4】
前記のセメントクリンカーが1450g/L以上にあることを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項5】
前記のセメントクリンカーにおけるC3Sの重量%が30~40%、C2Sの重量%が40~50%、C3Aの重量%が1~6%、C4AFの重量%が15~20%にあることを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項6】
セメントの3日水和熱が180~230kj/kg、7日水和熱が220~250kj/kg、3日耐圧強度が17~20MPa、7日耐圧強度が20~30MPa、28日耐圧強度が45~60MPa、28日乾燥収縮率が0.04~0.06%にあることを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項7】
下記のステップを含むことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメントの製造方法、
ステップ1:重量分で鉄スラグ、銅スラグ、バナジウム鉱スラグ及びニッケル鉱スラグを取って研磨してプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグを得る、
ステップ2:重量分で雲母及びカオリナイトを取って混合してから研磨してアルミ原料を得る、
ステップ3:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから一次焼成を行って鉄アルミニウム共晶鉱物を得る、
ステップ4:重量分で大理石、蛍石、ドロマイト及び石英を取ってプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してから研磨された鉄アルミニウム共晶鉱物との二次焼成を行ってセメントクリンカーを得る、
ステップ5:冷却したセメントクリンカー及び石膏を共に研磨して早強低収縮低熱ポルトランドセメントを得る。
【請求項8】
下記のステップの詳細を含むことを特徴とする請求項7に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメントの製造方法、
前記ステップ3の詳細:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから窯に設置して1100~1200℃で1.5~2時間に焼成し、窯から取り出してから50~100℃/minの速度で室温までに冷却してから鉄アルミニウム共晶鉱物を得る、
前記ステップ4の詳細:大理石、蛍石、ドロマイト及び石英をプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してからステップ3による鉄アルミニウム共晶鉱物と研磨してから共に予熱器で予熱(予熱温度:700~800℃、保温期間:0.5~1時間)してから窯に設置して1250~1350℃で1~2時間に焼成してセメントクリンカーを得、窯から取り出してから相次ぎに100~200℃/minの速度で800~1000℃、30~50℃/minの速度で300~500℃に冷却してから室温までに冷却する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築材料の技術分野、具体的に、早強低収縮低熱ポルトランドセメント及びその製造方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
鉄道は国の戦略的、先導的、キーとなる重大なインフラストラクチャー、国民経済の大動脈、重大な民生工事及び総合交通システムのバックボーンであり、中国の経済と社会の発展で地位も働きも極めて重要である。現代化の鉄道建設を強化することは鉄道輸送の有効供給の拡大、現代総合交通輸送システムの構築、交通強国の建設、「2つの百年」の奮闘目標及び中華民族の偉大な復興の中国夢の達成に、非常に重要な意義がある。鉄道工事建設で一般的に普通ケイ酸塩セメントを利用する。
【0003】
低熱ケイ酸塩セメントはケイ酸二カルシウム(C2S)を主な鉱物にし、低熱、高い後期強度、低乾燥収縮率及び高耐食性などの特徴があり、水上工事や海上工事のような大体積のコンクリート工事に適し、コンクリート断熱温度上昇の低下に顕著な効果があり、20世紀90年代から今まで、三峡、渓洛渡、烏東徳、白鶴灘などの水圧ダムに大量で利用されてきた。
【0004】
しかしながら、低熱ケイ酸塩セメントは早強の特性がないので、鉄道工事からの需要を満たすことができなく、強紫外線、大温差、大風乾燥、高地球応力、高地熱、頻繁な凍結・溶化などの複雑、過酷な周囲で特にそうである。
【0005】
その原因は主に従来の技術の低熱ケイ酸塩セメントに於けるケイ酸二カルシウムの高い含有量により、低水和熱及び高後期強度などの性能上の長所があり、大体積のコンクリート施工の需要を満たすことができるが、ケイ酸二カルシウムの前期水和速度が遅いので、セメントの早期強度が低く、従来の低熱ケイ酸塩セメントは早期拆模強度上の需要のある鉄道工事などの建設からの需要を満たすことができないことにある。それと同時に、高原の複雑、過酷な周囲では、鉄道工事構成はコンクリート抗収縮割れ上のリスクが顕著に大きくなり、より一歩にセメントの収縮率を低下させなければいけない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は低い水和熱及び高い後期強度などの性能上の長所を保つ前提でより一歩に早期強度を向上させ、鉄道工事における快速施工の需要を満たすと同時に、より一歩に収縮率を低下させて有効にコンクリート収縮変形及び割れを抑えることができる早強低収縮低熱ポルトランドセメント及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による早強低収縮低熱ポルトランドセメントは、セメントクリンカーの90~97重量分及び石膏の3~10重量分を含む。その中、セメントクリンカーは焼成されたセメント原料によるものである。前記のセメント原料は大理石の10~20重量分、蛍石の3~5重量分、ドロマイトの20~35重量分、石英の2~9重量分、雲母の8~12重量分、カオリナイトの2~3重量分、プレファブ鉄スラグの2~5重量分、プレファブ銅スラグの3~4重量分、プレファブバナジウム鉱スラグの8~15重量分及びプレファブニッケル鉱スラグの5~13重量分を含む。
【0008】
飛灰の5~10重量分も含む。
【0009】
前記のセメント原料におけるプレファブ鉄スラグ及びプレファブ銅スラグがD50≦30μm、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグがD90≦30μm、雲母及びカオリナイトが混合されてからD50≦50μm、他の組成が混合されてからD50≦60μmまでに研磨される。
【0010】
前記のセメントクリンカーは1450g/L以上にある。
【0011】
前記のセメントクリンカーにおけるC3Sの重量%が30~40%、C2Sの重量%が40~50%、C3Aの重量%が1~6%、C4AFの重量%が15~20%にある。
【0012】
セメントは3日水和熱が180~230kj/kg、7日水和熱が220~250kj/kg、3日耐圧強度が17~20MPa、7日耐圧強度が20~30MPa、28日耐圧強度が45~60MPa、28日乾燥収縮率が0.04~0.06%にある。
【0013】
本発明による早強低収縮低熱ポルトランドセメントの製造方法は下記のステップを含む。
ステップ1:重量分で鉄スラグ、銅スラグ、バナジウム鉱スラグ及びニッケル鉱スラグを取って研磨してプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグを得る。
ステップ2:重量分で雲母及びカオリナイトを取って混合してから研磨してアルミ原料を得る。
ステップ3:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから一次焼成を行って鉄アルミニウム共晶鉱物を得る。
ステップ4:重量分で大理石、蛍石、ドロマイト及び石英を取ってプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してから研磨された鉄アルミニウム共晶鉱物との二次焼成を行ってセメントクリンカーを得る。
ステップ5:冷却したセメントクリンカー及び石膏を共に研磨して早強低収縮低熱ポルトランドセメントを得る。
【0014】
ステップ3の詳細:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから窯に設置して1100~1200℃で1.5~2時間に焼成し、窯から取り出してから50~100℃/minの速度で室温までに冷却してから鉄アルミニウム共晶鉱物を得る。
ステップ4の詳細:大理石、蛍石、ドロマイト及び石英をプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してからステップ3による鉄アルミニウム共晶鉱物と研磨してから共に予熱器で予熱(予熱温度:700~800℃、保温期間:0.5~1時間)してから窯に設置して1250~1350℃で1~2時間に焼成してセメントクリンカーを得、窯から取り出してから相次ぎに100~200℃/minの速度で800~1000℃、30~50℃/minの速度で300~500℃に冷却してから室温までに冷却する。
【0015】
本発明は早期強度の向上及び収縮率の低下を達成できるので、コンクリートの後期収縮、変形及び割れのような技術上のリスクを抑えることができ、技術上の下記の有益な効果がある。
【0016】
第一、材料の組成を最適にする。バナジウム鉱スラグで水和活性及び後期強度を向上させ、ニッケル鉱スラグでセメントの乾燥収縮率を低下させ、耐久性を向上させ、鉄スラグ及び銅スラグで早期強度を向上させる。
【0017】
第二、異なる組成が緊密的に協力して堆積するようにする。組成の異なる鉱スラグを段階的に研磨し、異なる寸法のものにし、潜在的活性のあるプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグの細い粒子が他の組成の大粒子の間に嵌められ、後継ぎの焼成過程に化学エネルギーの増大により、メカノケミカル反応が更に充分になり、それによる鉱物組成が更に安定であり、活性が高く、セメントクリンカー更に密集し、性能が更に優良である。
【0018】
第三、早強低収縮低熱ポルトランドセメントクリンカーは次の2つの手順で焼成する。
【0019】
手順1:雲母とカオリナイトの混合物をプレファブ鉄スラグと共に焼成して高活性の鉄アルミニウム共晶鉱物が充分に生成するようにする。
【0020】
手順2:大理石、蛍石、ドロマイト、石英、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグを混合してから手順1で生成した高活性鉄アルミニウム共晶鉱物と共に焼成してケイ酸塩鉱物及び溶剤鉱物(共に高安定性・活性結晶形のクリンカーである)を得る。
【0021】
それによる製品セメントは3日水和熱が180~230kj/kg、7日水和熱が220~250kj/kg、3日耐圧強度が17~20MPa、7日耐圧強度が20~30MPa、28日耐圧強度が45~60MPa、28日乾燥収縮率が0.04~0.06%にある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明実施形態の早強低収縮低熱ポルトランドセメントは、セメントクリンカーの90~97重量分及び石膏の3~10重量分を含む。その中、セメントクリンカーは焼成されたセメント原料によるものである。前記のセメント原料は大理石の10~20重量分、蛍石の3~5重量分、ドロマイトの20~35重量分、石英の2~9重量分、雲母の8~12重量分、カオリナイトの2~3重量分、プレファブ鉄スラグの2~5重量分、プレファブ銅スラグの3~4重量分、プレファブバナジウム鉱スラグの8~15重量分及びプレファブニッケル鉱スラグの5~13重量分を含む。
【0023】
バナジウム鉱スラグ:バナジウムチタン鉱石の中のバナジウムイオンにより低熱ケイ酸塩セメントの中のB鉱石のC2S結晶形をβまたはα’形の高活性結晶形に安定化し、[MOx]配位数が増加し、M-O結合長が増大し、イオン結合能力及び結合エネルギーが低下し、水和活性が増加するようにすることができ、高活性結晶形を安定にしてC2S水和速度が向上するようにし、有効にセメントの後期強度を向上させる。
【0024】
ニッケル鉱スラグ:ニッケルに良好な耐食性があるので、ニッケルが入ると、セメント抗塩化イオン及び硫酸イオンの侵食に対する耐力を向上させ、有効にセメントの乾燥収縮率を低下させることができるので、コンクリートの耐久性を向上させることができる。
【0025】
鉄スラグ:アルミ質の材料(雲母及びカオリナイトなど)と共に研磨され、焼成されると、高活性の鉄アルミニウム共晶鉱物を形成できるので、顕著に低熱ケイ酸塩セメントの早期強度を増加できる。
【0026】
銅スラグ:銅イオンはクリンカーでC3Sのゲル化性及びその水和反応程度を向上させ、セメントの早期強度を増加させることができる。
【0027】
より一歩に、飛灰の5~10重量分も含む。飛灰は潜在的活性があるので、より一歩にセメントの性能を向上させることができる。
【0028】
より一歩に、セメント原料におけるプレファブ鉄スラグ及びプレファブ銅スラグがD50≦30μm、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグがD90≦30μm、雲母及びカオリナイトが混合されてからD50≦50μm、他の組成が混合されてからD50≦60μmまでに研磨される。
【0029】
セメント原料が焼成されるまでにプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグは個別に研磨されたものである。その中、プレファブ鉄スラグ及びプレファブ銅スラグがD50≦30μm、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグがD90≦30μm、他の組成を混合してからD50≦50μmまでに研磨される。他の組成と混合する時に、プレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグは潜在的活性のあるプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグ的細い粒子が他の組成の大粒子の間に嵌められ、後継ぎの焼成過程に化学エネルギーの増大により、メカノケミカル反応が更に充分であり、得た鉱物組成更に安定であり、活性が高く、セメントクリンカー更に密集し、性能が更に優良である。
【0030】
より一歩に、セメントクリンカーは1450g/L以上にある。
【0031】
より一歩に、前記のセメントクリンカーにおけるC3Sの重量%が30~40%、C2Sの重量%が40~50%、C3Aの重量%が1~6%、C4AFの重量%が15~20%にある。
【0032】
セメントは3日水和熱が180~230kj/kg、7日水和熱が220~250kj/kg、3日耐圧強度が17~20MPa、7日耐圧強度が20~30MPa、28日耐圧強度が45~60MPa、28日乾燥収縮率が0.04~0.06%にある。
【0033】
本発明実施形態の早強低収縮低熱ポルトランドセメントの製造方法は、下記のステップを含む。
【0034】
ステップ1:重量分で鉄スラグ、銅スラグ、バナジウム鉱スラグ及びニッケル鉱スラグを取って研磨してプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグを得る。
【0035】
ステップ2:重量分で雲母及びカオリナイトを取って混合してから研磨してアルミ原料を得る。
【0036】
ステップ3:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから一次焼成を行って鉄アルミニウム共晶鉱物を得る。
【0037】
ステップ4:重量分で大理石、蛍石、ドロマイト及び石英を取ってプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してから研磨された鉄アルミニウム共晶鉱物との二次焼成を行ってセメントクリンカーを得る。
【0038】
ステップ5:冷却したセメントクリンカー及び石膏を共に研磨して早強低収縮低熱ポルトランドセメントを得る。
【0039】
ステップ3の詳細:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから窯に設置して1100~1200℃で1.5~2時間に焼成し、窯から取り出してから50~100℃/minの速度で室温までに冷却してから鉄アルミニウム共晶鉱物を得る。
【0040】
ステップ4の詳細:大理石、蛍石、ドロマイト及び石英をプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してからステップ3による鉄アルミニウム共晶鉱物と研磨してから共に予熱器で予熱(予熱温度:700~800℃、保温期間:0.5~1時間)してから窯に設置して1250~1350℃で1~2時間に焼成してセメントクリンカーを得、窯から取り出してから相次ぎに100~200℃/minの速度で800~1000℃、30~50℃/minの速度で300~500℃に冷却してから室温までに冷却する。
【0041】
早強低収縮低熱ポルトランドセメントクリンカーは次の2つの手順で焼成する。
【0042】
手順1:雲母とカオリナイトの混合物をプレファブ鉄スラグと共に焼成して高活性の鉄アルミニウム共晶鉱物が充分に生成するようにする。
【0043】
手順2:大理石、蛍石、ドロマイト、石英、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグを混合してから手順1で生成した高活性鉄アルミニウム共晶鉱物と共に焼成してケイ酸塩鉱物及び溶剤鉱物(共に高安定性の活性結晶形のクリンカーである)を得る。
【0044】
次に実施例と結び合わせてより一層、本発明実施形態について説明する。
【実施例0045】
構成がセメントクリンカーの90質量分及び石膏の10質量分である早強低収縮低熱ポルトランドセメント。その中、セメントクリンカーは大理石の10質量分、蛍石の3質量分、ドロマイトの35質量分、石英の9質量分、雲母の8質量分、カオリナイトの2質量分、モンモリロナイトの8質量分、鉄スラグの2質量分、銅スラグの4質量分、バナジウム鉱スラグの15質量分及びニッケル鉱スラグの5質量分からなるセメント原料が焼成されてなるものである。
【実施例0046】
構成がセメントクリンカーの97質量分及び石膏の3質量分である早強低収縮低熱ポルトランドセメント。セメントクリンカーは大理石の20質量分、蛍石の3質量分、ドロマイトの20質量分、石英の2質量分、雲母の12質量分、カオリナイトの3質量分、モンモリロナイトの5質量分、鉄スラグの5質量分、銅スラグの3質量分、バナジウム鉱スラグの8質量分及びニッケル鉱スラグの13質量分からなるセメント原料が焼成されてなるものである。
【実施例0047】
構成がセメントクリンカーの90質量分、石膏の3質量分、飛灰の5質量分及び鉱石粉末の2質量分である早強低収縮低熱ポルトランドセメント。セメントクリンカーは大理石の20質量分、蛍石の3質量分、ドロマイトの35質量分、石英の9質量分、雲母の10質量分、カオリナイトの2質量分、モンモリロナイトの6質量分、鉄スラグ5質量分、銅スラグの3質量分、バナジウム鉱スラグの10質量分及びニッケル鉱スラグの10質量分からなるセメント原料が焼成されてなるものである。
【0048】
本分野の常規検出方法で実例1~3の早強低収縮低熱ポルトランドセメント及びクリンカーについて性能検出を行った(成績は表1に示す)。
【0049】
【表1】
【0050】
検出データによると、普通の低熱ケイ酸塩セメントと比べて、本発明による早強低収縮低熱ポルトランドセメントは3日耐圧強度が20~40%、7日耐圧強度が10~20%高く、28日乾燥収縮率が20~30%低いので、本発明の予期目標を達成した。
【0051】
本発明実施形態は例示であり、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で改変できることは無論である。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メントクリンカーと、セメントクリンカー100重量部に対して3.1~11重量部の膏を含み、前記のセメントクリンカーが、焼成されたセメント原料によるものであることを特徴とし、
前記のセメント原料は、大理石と、大理石100重量部に対して15~50重量部の蛍石大理石100重量部に対して100~350重量部のドロマイト大理石100重量部に対して10~90重量部の石英大理石100重量部に対して40~120重量部の雲母大理石100重量部に対して10~30重量部のカオリナイト大理石100重量部に対して10~50重量部のプレファブ鉄スラグ大理石100重量部に対して15~40重量部のプレファブ銅スラグ大理石100重量部に対して40~150重量部のプレファブバナジウム鉱スラグ及大理石100重量部に対して25~130重量部のプレファブニッケル鉱スラグを含む、早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項2】
セメントクリンカー100重量部に対して5.2~11重量部の灰も含むことを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項3】
前記のセメントクリンカーが1450g/L以上にあることを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項4】
前記のセメントクリンカーにおけるC3Sの重量%が30~40%、C2Sの重量%が40~50%、C3Aの重量%が1~6%、C4AFの重量%が15~20%にあることを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項5】
セメントの3日水和熱が180~230kj/kg、7日水和熱が220~250kj/kg、3日耐圧強度が17~20MPa、7日耐圧強度が20~30MPa、28日耐圧強度が45~60MPa、28日乾燥収縮率が0.04~0.06%にあることを特徴とする請求項1に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメント。
【請求項6】
下記のステップを含むことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメントの製造方法、
ステップ1:重量部で鉄スラグ、銅スラグ、バナジウム鉱スラグ及びニッケル鉱スラグを取って研磨してプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグを得る、
ステップ2:重量部で雲母及びカオリナイトを取って混合してから研磨してアルミ原料を得る、
ステップ3:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから一次焼成を行って鉄アルミニウム共晶鉱物を得る、
ステップ4:重量部で大理石、蛍石、ドロマイト及び石英を取ってプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してから研磨された鉄アルミニウム共晶鉱物との二次焼成を行ってセメントクリンカーを得る、
ステップ5:冷却したセメントクリンカー及び石膏を共に研磨して早強低収縮低熱ポルトランドセメントを得る。
【請求項7】
下記のステップの詳細を含むことを特徴とする請求項6に記載の早強低収縮低熱ポルトランドセメントの製造方法、
前記ステップ3の詳細:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから窯に設置して1100~1200℃で1.5~2時間に焼成し、窯から取り出してから50~100℃/minの速度で室温までに冷却してから鉄アルミニウム共晶鉱物を得る、
前記ステップ4の詳細:大理石、蛍石、ドロマイト及び石英をプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してからステップ3による鉄アルミニウム共晶鉱物と研磨してから共に予熱器で予熱(予熱温度:700~800℃、保温期間:0.5~1時間)してから窯に設置して1250~1350℃で1~2時間に焼成してセメントクリンカーを得、窯から取り出してから相次ぎに100~200℃/minの速度で800~1000℃、30~50℃/minの速度で300~500℃に冷却してから室温までに冷却する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明による早強低収縮低熱ポルトランドセメントは、セメントクリンカーの90~97重量部及び石膏の3~10重量部を含む。その中、セメントクリンカーは焼成されたセメント原料によるものである。前記のセメント原料は大理石の10~20重量部、蛍石の3~5重量部、ドロマイトの20~35重量部、石英の2~9重量部、雲母の8~12重量部、カオリナイトの2~3重量部、プレファブ鉄スラグの2~5重量部、プレファブ銅スラグの3~4重量部、プレファブバナジウム鉱スラグの8~15重量部及びプレファブニッケル鉱スラグの5~13重量部を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
飛灰の5~10重量部も含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明による早強低収縮低熱ポルトランドセメントの製造方法は下記のステップを含む。
ステップ1:重量部で鉄スラグ、銅スラグ、バナジウム鉱スラグ及びニッケル鉱スラグを取って研磨してプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグを得る。
ステップ2:重量部で雲母及びカオリナイトを取って混合してから研磨してアルミ原料を得る。
ステップ3:プレファブ鉄スラグ及びアルミ原料を均一的に混合してから一次焼成を行って鉄アルミニウム共晶鉱物を得る。
ステップ4:重量部で大理石、蛍石、ドロマイト及び石英を取ってプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してから研磨された鉄アルミニウム共晶鉱物との二次焼成を行ってセメントクリンカーを得る。
ステップ5:冷却したセメントクリンカー及び石膏を共に研磨して早強低収縮低熱ポルトランドセメントを得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明実施形態の早強低収縮低熱ポルトランドセメントは、セメントクリンカーの90~97重量部及び石膏の3~10重量部を含む。その中、セメントクリンカーは焼成されたセメント原料によるものである。前記のセメント原料は大理石の10~20重量部、蛍石の3~5重量部、ドロマイトの20~35重量部、石英の2~9重量部、雲母の8~12重量部、カオリナイトの2~3重量部、プレファブ鉄スラグの2~5重量部、プレファブ銅スラグの3~4重量部、プレファブバナジウム鉱スラグの8~15重量部及びプレファブニッケル鉱スラグの5~13重量部を含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
より一歩に、飛灰の5~10重量部も含む。飛灰は潜在的活性があるので、より一歩にセメントの性能を向上させることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
ステップ1:重量部で鉄スラグ、銅スラグ、バナジウム鉱スラグ及びニッケル鉱スラグを取って研磨してプレファブ鉄スラグ、プレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグを得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
ステップ2:重量部で雲母及びカオリナイトを取って混合してから研磨してアルミ原料を得る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
ステップ4:重量部で大理石、蛍石、ドロマイト及び石英を取ってプレファブ銅スラグ、プレファブバナジウム鉱スラグ及びプレファブニッケル鉱スラグと均一的に混合してから研磨された鉄アルミニウム共晶鉱物との二次焼成を行ってセメントクリンカーを得る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
構成がセメントクリンカーの90重量部及び石膏の10重量部である早強低収縮低熱ポルトランドセメント。その中、セメントクリンカーは大理石の10重量部、蛍石の3重量部、ドロマイトの35重量部、石英の9重量部、雲母の8重量部、カオリナイトの2重量部、モンモリロナイトの8重量部、鉄スラグの2重量部、銅スラグの4重量部、バナジウム鉱スラグの15重量部及びニッケル鉱スラグの5重量部からなるセメント原料が焼成されてなるものである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
構成がセメントクリンカーの97重量部及び石膏の3重量部である早強低収縮低熱ポルトランドセメント。セメントクリンカーは大理石の20重量部、蛍石の3重量部、ドロマイトの20重量部、石英の2重量部、雲母の12重量部、カオリナイトの3重量部、モンモリロナイトの5重量部、鉄スラグの5重量部、銅スラグの3重量部、バナジウム鉱スラグの8重量部及びニッケル鉱スラグの13重量部からなるセメント原料が焼成されてなるものである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
構成がセメントクリンカーの90重量部、石膏の3重量部、飛灰の5重量部及び鉱石粉末の2重量部である早強低収縮低熱ポルトランドセメント。セメントクリンカーは大理石の20重量部、蛍石の3重量部、ドロマイトの35重量部、石英の9重量部、雲母の10重量部、カオリナイトの2重量部、モンモリロナイトの6重量部、鉄スラグ5重量部、銅スラグの3重量部、バナジウム鉱スラグの10重量部及びニッケル鉱スラグの10重量部からなるセメント原料が焼成されてなるものである。