(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035084
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/02 20060101AFI20240306BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】44
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107516
(22)【出願日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】P 2022139089
(32)【優先日】2022-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 鼎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠太
(72)【発明者】
【氏名】服部 智哉
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA02
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA01
3C064BA11
3C064BA12
3C064BA32
3C064BA33
3C064BB43
3C064BB44
3C064BB71
3C064BB81
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA24
3C064CA27
3C064CA53
3C064CB07
3C064CB08
3C064CB13
3C064CB14
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB36
3C064CB37
3C064CB39
3C064CB62
3C064CB67
3C064CB69
3C064CB73
3C064CB74
3C064CB75
3C064CB76
3C064CB81
3C064CB82
3C064CB83
3C064CB86
3C064CB94
(57)【要約】
【課題】電動工具の作業性の低下を抑制すること。
【解決手段】電動工具は、前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、モータよりも前方側に配置され、ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、モータを収容するモータ収容部と、モータ収容部から下方に延びるグリップ部と、ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、モータ収容部の後端部の開口を覆うように配置され、後側ロータベアリングを保持するリヤカバーと、を備える。モータ収容部は、リヤカバーを周方向一方側且つ前方側にガイドするガイド部と、ガイド部にガイドされたリヤカバーの前後方向の移動を規制する前後方向規制部と、前後方向の移動が規制されたリヤカバーの周方向の移動を規制する周方向規制部と、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、
前記モータよりも前方側に配置され、前記ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、
前記モータを収容するモータ収容部と、
前記モータ収容部から下方に延びるグリップ部と、
前記ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、
前記モータ収容部の後端部の開口を覆うように配置され、前記後側ロータベアリングを保持するリヤカバーと、を備え、
前記モータ収容部は、
前記リヤカバーを周方向一方側且つ前方側にガイドするガイド部と、
前記ガイド部にガイドされた前記リヤカバーの前後方向の移動を規制する前後方向規制部と、
前後方向の移動が規制された前記リヤカバーの周方向の移動を規制する周方向規制部と、を有する、
電動工具。
【請求項2】
前記モータ収容部は、
前記回転軸を囲むように配置され、後方側を向く支持面と、
前記支持面から後方側に突出し、前記開口を規定するハウジング筒部と、
前記ハウジング筒部の外周面から径方向外側に突出するハウジング爪部と、を有し、
前記ガイド部は、前記ハウジング爪部に設けられる、
請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
前記ハウジング爪部は、周方向一方側に向かって前方側に傾斜する傾斜面を有し、
前記ガイド部は、前記傾斜面を含む、
請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記前後方向規制部の少なくとも一部は、前記ハウジング爪部に設けられる、
請求項3に記載の電動工具。
【請求項5】
前記ハウジング爪部は、前方側を向く前面を有し、
前記前後方向規制部は、前記前面を含み、
前記前面は、前記リヤカバーの後方側への移動を規制する、
請求項4に記載の電動工具。
【請求項6】
前記支持面は、前記ハウジング筒部の周囲に配置され、
前記前面は、間隙を介して前記支持面と対向し、
前記前後方向規制部は、前記支持面を含み、
前記支持面は、前記リヤカバーの前方側への移動を規制する、
請求項5に記載の電動工具。
【請求項7】
前記リヤカバーは、前記ハウジング爪部に接触するカバー爪部を有し、
前記カバー爪部は、前記傾斜面にガイドされた後、前記前面と前記支持面との間に配置される、
請求項6に記載の電動工具。
【請求項8】
前記リヤカバーは、前記ハウジング筒部の周囲に配置されるカバー筒部を有し、
前記カバー爪部は、前記カバー筒部の内周面に設けられる、
請求項7に記載の電動工具。
【請求項9】
前記ハウジング爪部及び前記カバー爪部のそれぞれは、周方向に間隔をあけて複数設けられる、
請求項8に記載の電動工具。
【請求項10】
前記リヤカバーは、前記ガイド部にガイドされるカバー爪部を有する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項11】
前記前後方向規制部は、前記カバー爪部の前後方向の移動を規制する、
請求項10に記載の電動工具。
【請求項12】
前記周方向規制部は、前記前後方向規制部とは異なる位置に配置される、
請求項2に記載の電動工具。
【請求項13】
前記周方向規制部は、前記リヤカバーに設けられた係合部に掛けられるフック部を有するフック部材を含む、
請求項12に記載の電動工具。
【請求項14】
前記フック部材は、前記モータ収容部に固定される基端部及び前記フック部が設けられる先端部を有するアーム部を含む、
請求項13に記載の電動工具。
【請求項15】
前記アーム部は、前記フック部が径方向に移動するように弾性変形する、
請求項14に記載の電動工具。
【請求項16】
前記リヤカバーは、前記ハウジング筒部の周囲に配置されるカバー筒部を有し、
前記周方向規制部は、前記カバー筒部よりも径方向外側に配置される、
請求項15に記載の電動工具。
【請求項17】
前記リヤカバーは、前記カバー筒部の外周面から径方向外側に突出するリブ部を有し、
前記リブ部は、前記フック部が前記係合部に掛けられた状態で、前記フック部材の先端部に接触する、
請求項16に記載の電動工具。
【請求項18】
前記フック部は、前記リヤカバーの周方向他方側への移動を規制し、
前記フック部材の先端部は、前記リヤカバーの周方向一方側への移動を規制する、
請求項17に記載の電動工具。
【請求項19】
前記リヤカバーは、前記フック部材よりも径方向外側に配置される下板部を有し、
前記下板部に孔部が設けられる、
請求項16から請求項18のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項20】
前記モータ収容部に支持され、前記カバー筒部と前記下板部との間に配置される弾性部材を備える、
請求項19に記載の電動工具。
【請求項21】
前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、
前記モータよりも前方側に配置され、前記ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、
前記モータを収容する左モータ収容部及び右モータ収容部と、
前記左モータ収容部及び前記右モータ収容部のそれぞれから下方に延びるグリップ部と、
前記ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、
前記左モータ収容部と前記右モータ収容部との固定後、前記左モータ収容部の後部及び前記右モータ収容部への係合のみにより、前記左モータ収容部及び前記右モータ収容部に固定され、前記後側ロータベアリングを保持するリヤカバーと、を備える、
電動工具。
【請求項22】
前記左モータ収容部と前記右モータ収容部とは、複数のねじにより固定され、
複数の前記ねじは、前記ロータのロータコアよりも前方に配置される、
請求項21に記載の電動工具。
【請求項23】
前記リヤカバーは、前記左モータ収容部及び前記右モータ収容部の左右に配置されることにより、前記左モータ収容部の後部と前記右モータ収容部の後部との分離を防止する、
請求項21に記載の電動工具。
【請求項24】
前記リヤカバーの左側面及び右側面のそれぞれに、上下に延びる排気口が配置される、
請求項21に記載の電動工具。
【請求項25】
前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、
前記モータよりも前方側に配置され、前記ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、
前記モータを収容するモータ収容部と、
前記ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、
前記モータ収容部の後端部の開口を覆うように配置され、前記後側ロータベアリングを保持する第1リヤカバーと、を備え、
前記第1リヤカバーは、前記第1リヤカバーとは形状が異なる第2リヤカバーと交換可能である、
電動工具。
【請求項26】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、蓄光材料部を有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項27】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、フック部を有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項28】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、工具ホルダを有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項29】
前記工具ホルダは、前記カバープレート部に回転可能に支持される、
請求項28に記載の電動工具。
【請求項30】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、プレートを有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項31】
前記プレートは、ホワイトボードである、
請求項30に記載の電動工具。
【請求項32】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、通信機を有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項33】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、前記カバー筒部に設けられた排気口と、前記排気口から排出された空気を前記出力部にガイドするガイド部を、を有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項34】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、アナログカウンタを有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項35】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、前記カバープレート部に設けられ、前記ロータのロータシャフトが配置される開口部を有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項36】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーの外径は、前記第1リヤカバーの外径よりも大きい、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項37】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、水平器を有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項38】
前記第1リヤカバー及び前記第2リヤカバーのそれぞれは、カバープレート部と、前記カバープレート部の周縁部から前方に突出し、前記モータ収容部の後部の周囲に配置されるカバー筒部と、を含み、
前記第2リヤカバーは、サイドハンドルを有する、
請求項25に記載の電動工具。
【請求項39】
前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、
前記モータよりも前方側に配置され、前記ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、
前記モータを収容するモータ収容部と、
前記ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、
前記モータ収容部の後端部の開口を覆うように配置され、前記後側ロータベアリングを保持する第1リヤカバーと、を備え、
前記第1リヤカバーと前記モータ収容部とは係合のみで固定され、
前記第1リヤカバーは、前記第1リヤカバーとは色が異なる第2リヤカバーと交換可能である、
電動工具。
【請求項40】
前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、
前記モータよりも前方側に配置され、前記ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、
前記モータを収容するモータ収容部と、
前記ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、
前記モータ収容部の後端部の開口を覆うように配置され、前記後側ロータベアリングを保持する第1リヤカバーと、を備え、
前記第1リヤカバーは、前記第1リヤカバーとは組成が異なる第2リヤカバーと交換可能である、
電動工具。
【請求項41】
前記第1リヤカバーと前記モータ収容部とは係合のみで固定される、
請求項25又は請求項40に記載の電動工具。
【請求項42】
前記第1リヤカバーは、合成樹脂製であり、
前記第2リヤカバーは、蓄光材料部を有する、
請求項40に記載の電動工具。
【請求項43】
前記第2リヤカバーは、撥水性のプレートを有する、
請求項40に記載の電動工具。
【請求項44】
前記第1リヤカバーは、合成樹脂製であり、
前記第2リヤカバーは、金属製である、
請求項40に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような電動工具が知られている。特許文献1に開示されている電動工具は、DCブラシレスモータが収納される本体ケースと、本体ケースの後部を閉鎖する後部ケースとを備える。後部ケースは、2本のねじにより本体ケースの後部に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2本のねじで後部ケースを本体ケースの後部に固定するために、後部ケース及び本体ケースのそれぞれにボス部が設けられる。ボス部が後部ケース及び本体ケースのそれぞれから左右方向に突出すると、例えば壁に近い狭い場所で電動工具を使用し難くなる可能性がある。また、2本のねじを用いて後部ケースを本体ケースの後部に固定する方法の場合、電動工具の組立性が低下する可能性がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、電動工具の作業性の低下を抑制することを目的とする。また、電動工具の組立性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、電動工具を開示する。電動工具は、前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、モータよりも前方側に配置され、ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、モータを収容するモータ収容部と、モータ収容部から下方に延びるグリップ部と、ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、モータ収容部の後端部の開口を覆うように配置され、後側ロータベアリングを保持するリヤカバーと、を備えてもよい。モータ収容部は、リヤカバーを周方向一方側且つ前方側にガイドするガイド部と、ガイド部にガイドされたリヤカバーの前後方向の移動を規制する前後方向規制部と、前後方向の移動が規制されたリヤカバーの周方向の移動を規制する周方向規制部と、を有してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、電動工具の作業性の低下が抑制される。また、電動工具の組立性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電動工具を示す前方側からの斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る電動工具を示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る電動工具の上部を示す後方側からの斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る電動工具の上部を後方側から見た図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る電動工具の上部を示す側面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る電動工具の上部を示す縦断面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る電動工具の上部を示す横断面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る電動工具の上部を示す後方側からの分解斜視図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係るリヤカバーを示す前方側からの斜視図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係るリヤカバーを右方側から見た図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係るリヤカバーを左方側から見た図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係るリヤカバーを上方側から見た図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係るリヤカバーを下方側から見た図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係るリヤカバーを後方側から見た図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係るリヤカバーを前方側から見た図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係るリヤカバーが外された状態の電動工具の上部の後部を後方側から見た図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係るリヤカバーが外された状態の電動工具の上部の後部を示す右後方側からの斜視図である。
【
図18】
図18は、第1実施形態に係るリヤカバーが外された状態の電動工具の上部の後部を示す左後方側からの斜視図である。
【
図19】
図19は、第1実施形態に係るリヤカバーが外された状態の電動工具の上部の後部を右方側から見た図である。
【
図20】
図20は、第1実施形態に係るリヤカバーが外された状態の電動工具の上部の後部を左方側から見た図である。
【
図21】
図21は、第1実施形態に係るリヤカバーの固定方法を説明するための断面図である。
【
図22】
図22は、第1実施形態に係るリヤカバーの固定方法を説明するための断面図である。
【
図23】
図23は、第1実施形態に係るリヤカバーの固定方法を説明するための断面図である。
【
図24】
図24は、第1実施形態に係るリヤカバーの固定方法を説明するための断面図である。
【
図25】
図25は、第1実施形態に係るリヤカバーの固定解除方法を説明するための断面図である。
【
図26】
図26は、第2実施形態に係る電動工具の上部を示す後方側からの斜視図である。
【
図27】
図27は、第3実施形態に係る電動工具の上部を示す後方側からの斜視図である。
【
図28】
図28は、第4実施形態に係る電動工具を模式的に示す図である。
【
図29】
図29は、第5実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図30】
図30は、第5実施形態に係るリヤカバーを後方側から見た図である。
【
図31】
図31は、第6実施形態に係る電動工具を示す側面図である。
【
図32】
図32は、第7実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図33】
図33は、第7実施形態に係る電動工具の上部を示す側面図である。
【
図34】
図34は、第7実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図35】
図35は、第8実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図36】
図36は、第8実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図37】
図37は、第9実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図38】
図38は、第9実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図39】
図39は、第10実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図40】
図40は、第10実施形態に係る電動工具の上部を示す側面図である。
【
図41】
図41は、第11実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図42】
図42は、第11実施形態に係る電動工具の上部を示す側面図である。
【
図43】
図43は、第12実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図44】
図44は、第13実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図45】
図45は、第14実施形態に係る電動工具を示す前方側からの斜視図である。
【
図46】
図46は、第14実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図47】
図47は、第14実施形態に係る電動工具の上部を示す側面図である。
【
図48】
図48は、第14実施形態に係る電動工具の上部を前方側から見た図である。
【
図49】
図49は、第14実施形態に係る電動工具の上部を示す横断面図である。
【
図50】
図50は、第15実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図51】
図51は、第15実施形態に係る電動工具の上部を後方側から見た図である。
【
図52】
図52は、第16実施形態に係る電動工具の上部を示す横断面図である。
【
図53】
図53は、第17実施形態に係る電動工具の上部を示す横断面図である。
【
図54】
図54は、第18実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図55】
図55は、第18実施形態に係る電動工具の上部を後方側から見た図である。
【
図56】
図56は、第19実施形態に係る電動工具を示す後方側からの斜視図である。
【
図57】
図57は、第20実施形態に係る電動工具を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動工具は、前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、モータよりも前方側に配置され、ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、モータを収容するモータ収容部と、モータ収容部から下方に延びるグリップ部と、ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、モータ収容部の後端部の開口を覆うように配置され、後側ロータベアリングを保持するリヤカバーと、を備えてもよい。モータ収容部は、リヤカバーを周方向一方側且つ前方側にガイドするガイド部と、ガイド部にガイドされたリヤカバーの前後方向の移動を規制する前後方向規制部と、前後方向の移動が規制されたリヤカバーの周方向の移動を規制する周方向規制部と、を有してもよい。
【0010】
上記の構成では、ねじを使用することなく、モータ収容部の後部に対してリヤカバーを回転させるだけで、モータ収容部に対するリヤカバーの前後方向の移動及び周方向の移動が規制される。すなわち、ねじを使用することなく、モータ収容部の後部に対してリヤカバーを回転させるだけで、リヤカバーがモータ収容部の後部に固定される。ねじが不要になるので、リヤカバー及びモータ収容部にボス部を設けなくても済む。そのため、電動工具の大型化が抑制される。特に、リヤカバー及びモータ収容部の左右方向の大型化が抑制される。電動工具の大型化が抑制されるので、例えば壁に近い狭い場所においても、電動工具の作業性の低下が抑制される。また、ねじが不要になるので、電動工具の組立性の低下が抑制される。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施形態において、モータ収容部は、回転軸を囲むように配置され、後方側を向く支持面と、支持面から後方側に突出し、開口を規定するハウジング筒部と、ハウジング筒部の外周面から径方向外側に突出するハウジング爪部と、を有してもよい。ガイド部は、ハウジング爪部に設けられてもよい。
【0012】
上記の構成では、ハウジング爪部によりリヤカバーがガイドされる。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハウジング爪部は、周方向一方側に向かって前方側に傾斜する傾斜面を有してもよい。ガイド部は、傾斜面を含んでもよい。
【0014】
上記の構成では、ハウジング爪部の傾斜面によりリヤカバーが周方向一方側且つ前方側にガイドされる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、前後方向規制部の少なくとも一部は、ハウジング爪部に設けられてもよい。
【0016】
上記の構成では、ハウジング爪部によりリヤカバーの前後方向の移動が規制される。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハウジング爪部は、前方側を向く前面を有してもよい。前後方向規制部は、前面を含んでもよい。前面は、リヤカバーの後方側への移動を規制してもよい。
【0018】
上記の構成では、ハウジング爪部の前面によりリヤカバーの後方側の移動が規制される。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、支持面は、ハウジング筒部の周囲に配置されてもよい。前面は、間隙を介して支持面と対向してもよい。前後方向規制部は、支持面を含んでもよい。支持面は、リヤカバーの前方側への移動を規制してもよい。
【0020】
上記の構成では、支持面によりリヤカバーの前方側の移動が規制される。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、リヤカバーは、ハウジング爪部に接触するカバー爪部を有してもよい。カバー爪部は、傾斜面にガイドされた後、前面と支持面との間に配置されてもよい。
【0022】
上記の構成では、リヤカバーを所定角度に1回だけ回動させるだけで、リヤカバーが周方向一方側且つ前方側にガイドされた後、リヤカバーの前後方向の移動が規制される。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、リヤカバーは、ハウジング筒部の周囲に配置されるカバー筒部を有してもよい。カバー爪部は、カバー筒部の内周面に設けられてもよい。
【0024】
上記の構成では、ハウジング筒部の周囲においてリヤカバーを回転させることにより、ハウジング爪部とカバー爪部とが係合することができる。
【0025】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハウジング爪部及びカバー爪部のそれぞれは、周方向に間隔をあけて複数設けられてもよい。
【0026】
上記の構成では、リヤカバーのガイドが安定し、前後方向におけるリヤカバーの移動の規制が安定する。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施形態において、リヤカバーは、ガイド部にガイドされるカバー爪部を有してもよい。
【0028】
上記の構成では、リヤカバーは、カバー爪部を介してガイド部にガイドされる。
【0029】
1つ又はそれ以上の実施形態において、前後方向規制部は、カバー爪部の前後方向の移動を規制してもよい。
【0030】
上記の構成では、リヤカバーは、カバー爪部を介して前後方向の移動を規制される。
【0031】
1つ又はそれ以上の実施形態において、周方向規制部は、前後方向規制部とは異なる位置に配置されてもよい。
【0032】
上記の構成では、前後方向規制部及び周方向規制部のそれぞれの構造の複雑化が抑制される。
【0033】
1つ又はそれ以上の実施形態において、周方向規制部は、リヤカバーに設けられた係合部に掛けられるフック部を有するフック部材を含んでもよい。
【0034】
上記の構成では、係合部にフック部が掛けられることにより、リヤカバーの周方向の移動が規制される。
【0035】
1つ又はそれ以上の実施形態において、フック部材は、モータ収容部に固定される基端部及びフック部が設けられる先端部を有するアーム部を含んでもよい。
【0036】
上記の構成では、フック部が係合部に円滑に掛けられる。
【0037】
1つ又はそれ以上の実施形態において、アーム部は、フック部が径方向に移動するように弾性変形してもよい。
【0038】
上記の構成では、フック部が係合部に円滑に掛けられる。
【0039】
1つ又はそれ以上の実施形態において、リヤカバーは、ハウジング筒部の周囲に配置されるカバー筒部を有してもよい。周方向規制部は、カバー筒部よりも径方向外側に配置されてもよい。
【0040】
上記の構成では、ハウジング筒部の外周面とカバー筒部の内周面とが対向することができるので、リヤカバーは、周方向規制部により周方向の回転を規制されるまで、円滑に回転することができる。
【0041】
1つ又はそれ以上の実施形態において、リヤカバーは、カバー筒部の外周面から径方向外側に突出するリブ部を有してもよい。リブ部は、フック部が係合部に掛けられた状態で、フック部材の先端部に接触してもよい。
【0042】
上記の構成では、フック部材の先端部とリブ部との接触により、リヤカバーの周方向の移動が規制される。
【0043】
1つ又はそれ以上の実施形態において、フック部は、リヤカバーの周方向他方側への移動を規制し、フック部材の先端部は、リヤカバーの周方向一方側への移動を規制してもよい。
【0044】
上記の構成では、リヤカバーの周方向の移動が適正に規制される。
【0045】
1つ又はそれ以上の実施形態において、リヤカバーは、フック部材よりも径方向外側に配置される下板部を有してもよい。下板部に孔部が設けられてもよい。
【0046】
上記の構成では、孔部を介してフック部材にアクセスすることができる。例えば、リヤカバーの固定を解除する場合、治具を孔部に挿入して、フック部材を動かすことができる。
【0047】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動工具は、モータ収容部に支持され、カバー筒部と下板部との間に配置される弾性部材を備えてもよい。
【0048】
上記の構成では、弾性部材によりリヤカバーのがたつきが抑制される。
【0049】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動工具は、前後方向に延びる回転軸を中心に回転するロータ及びステータを有するモータと、モータよりも前方側に配置され、ロータの回転力に基づいて回転する出力部と、モータを収容する左モータ収容部及び右モータ収容部と、左モータ収容部及び右モータ収容部のそれぞれから下方に延びるグリップ部と、ロータの後部を支持する後側ロータベアリングと、左モータ収容部と右モータ収容部との固定後、左モータ収容部の後部及び右モータ収容部への係合のみにより、左モータ収容部及び右モータ収容部に固定され、後側ロータベアリングを保持するリヤカバーと、を備えてもよい。
【0050】
上記の構成では、ねじを使用することなく、モータ収容部の後部に対してリヤカバーを係合させるだけで、モータ収容部にリヤカバーが固定される。ねじが不要になるので、リヤカバー及びモータ収容部にボス部を設けなくても済む。そのため、電動工具の大型化が抑制される。また、ねじが不要になるので、電動工具の組立性の低下が抑制される。
【0051】
1つ又はそれ以上の実施形態において、左モータ収容部と右モータ収容部とは、複数のねじにより固定され、複数のねじは、ロータのロータコアよりも前方に配置されてもよい。
【0052】
上記の構成では、ねじを使用することなく、モータ収容部の後部に対してリヤカバーを係合させるだけで、モータ収容部にリヤカバーが固定される。そのため、電動工具の大型化が抑制される。また、電動工具の組立性の低下が抑制される。
【0053】
1つ又はそれ以上の実施形態において、リヤカバーは、左モータ収容部及び右モータ収容部の左右に配置されることにより、左モータ収容部の後部と右モータ収容部の後部との分離を防止してもよい。
【0054】
上記の構成では、リヤカバーにより、左モータ収容部と右モータ収容部との分離が防止される。
【0055】
1つ又はそれ以上の実施形態において、リヤカバーの左側面及び右側面のそれぞれに、上下に延びる排気口が配置されてもよい。
【0056】
上記の構成では、モータを冷却した空気が排気口から排出される。
【0057】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動工具1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。電動工具1は、動力源としてモータ6を有する。
【0058】
実施形態において、モータ6の回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称し、回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。
【0059】
回転軸AXは、前後方向に延びる。軸方向一方側は、前方側であり、軸方向他方側は、後方側である。また、径方向において、回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。また、周方向の所定の一方向を適宜、周方向一方側、と称し、周方向において周方向一方側とは反対側を適宜、周方向他方側、と称する。
【0060】
[1]第1実施形態
第1実施形態について説明する。
【0061】
[電動工具]
図1は、実施形態に係る電動工具1を示す前方側からの斜視図である。
図2は、実施形態に係る電動工具1を示す側面図である。
図3は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す後方側からの斜視図である。
図4は、実施形態に係る電動工具1の上部を後方側から見た図である。
図5は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す側面図である。
図6は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す縦断面図である。
図7は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す横断面図である。
【0062】
実施形態において、電動工具1は、ねじ締め工具の一種であるインパクトドライバである。電動工具1は、ハウジング2と、リヤカバー3と、ハンマケース4と、ベアリングボックス24と、ハンマケースカバー51と、モータ6と、減速機構7と、スピンドル8と、打撃機構9と、アンビル10と、工具保持機構11と、ファン12と、バッテリ装着部13と、トリガレバー14と、正逆転切換レバー15と、手元モード切換ボタン16と、ライトアセンブリ18と、ライトカバー52とを備える。
【0063】
ハウジング2は、合成樹脂製である。実施形態において、ハウジング2は、ナイロン製である。ハウジング2は、左ハウジング2Lと、左ハウジング2Lの右方側に配置される右ハウジング2Rとを含む。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、複数のねじ2Sにより固定される。ハウジング2は、一対の半割れハウジングにより構成される。
【0064】
ハウジング2は、モータ収容部21と、グリップ部22と、バッテリ保持部23とを有する。
【0065】
モータ収容部21は、モータ6を収容する。モータ収容部21は、ハンマケース4の少なくとも一部を収容する。モータ収容部21は、筒状である。
【0066】
以下の説明において、モータ収容部21を構成する左ハウジング2Lの一部分を適宜、左モータ収容部、と称し、モータ収容部21を構成する右ハウジング2Rの一部分を適宜、左モータ収容部、と称する。
【0067】
グリップ部22は、作業者に握られる。グリップ部22は、モータ収容部21から下方に延びる。グリップ部22は、左モータ収容部及び右モータ収容部のそれぞれから下方に延びる。トリガレバー14は、グリップ部22の上部に設けられる。
【0068】
バッテリ保持部23は、バッテリ装着部13を介してバッテリパック25を保持する。バッテリ保持部23は、グリップ部22の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、バッテリ保持部23の外形の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
【0069】
リヤカバー3は、モータ収容部21の後端部の開口を覆うように配置される。リヤカバー3は、モータ収容部21の後方側に配置される。リヤカバー3は、ファン12の少なくとも一部を収容する。ファン12は、リヤカバー3の内側に配置される。リヤカバー3は、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3は、合成樹脂製である。リヤカバー3は、モータ収容部21の後端部に固定される。
【0070】
モータ収容部21は、吸気口19を有する。リヤカバー3は、排気口20を有する。ハウジング2の外部空間の空気は、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間の空気は、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0071】
ハンマケース4は、減速機構7の少なくとも一部、スピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10の少なくとも一部を収容する。ハンマケース4は、金属製である。実施形態において、ハンマケース4は、アルミニウム製である。ハンマケース4は、筒状である。ハンマケース4は、大筒部4Aと、小筒部4Bと、接続部4Cとを含む。小筒部4Bは、大筒部4Aよりも前方側に配置される。大筒部4Aの前端部と小筒部4Bの後端部とは、接続部4Cを介して接続される。接続部4Cは、環状である。大筒部4Aの外径は、小筒部4Bの外径よりも大きい。大筒部4Aの内径は、小筒部4Bの内径よりも大きい。
【0072】
ベアリングボックス24は、減速機構7の少なくとも一部を収容する。ベアリングボックス24は、前側ロータベアリング38及びスピンドルベアリング44を保持する。ベアリングボックス24は、金属製である。ベアリングボックス24は、ハンマケース4の後部に固定される。ベアリングボックス24は、後側環状部24Aと、前側環状部24Bとを有する。前側環状部24Bは、後側環状部24Aよりも前方側に配置される。後側環状部24Aの前端部と前側環状部24Bの後端部とは、接続部24Cを介して接続される。接続部24Cは、環状である。後側環状部24Aの外径は、前側環状部24Bの外径よりも小さい。後側環状部24Aの内径は、前側環状部24Bの内径よりも小さい。ベアリングボックス24とハンマケース4とは、ねじ部により固定されてもよいし、嵌め込みにより固定されてもよい。例えば、前側環状部24Bの外周部にねじ山が形成され、大筒部4Aの内周部にねじ溝が形成されてもよい。前側環状部24Bのねじ山と大筒部4Aのねじ溝とが結合されることにより、ベアリングボックス24とハンマケース4とが固定されてもよい。前側環状部24Bが大筒部4Aに嵌め込まれることにより、ベアリングボックス24とハンマケース4とが固定されてもよい。前側ロータベアリング38は、後側環状部24Aの径方向内側に配置される。スピンドルベアリング44は、接続部24Cの径方向内側に配置される。
【0073】
ハンマケース4は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれる。ハンマケース4の後部は、モータ収容部21に収容される。ハンマケース4は、モータ収容部21の前部に接続される。ベアリングボックス24は、モータ収容部21及びハンマケース4のそれぞれに固定される。
【0074】
ハンマケースカバー51は、ハンマケース4を保護する。ハンマケースカバー51は、ハンマケース4とハンマケース4の周囲の物体との接触を抑制する。ハンマケースカバー51は、大筒部4Aの外周面を覆うように配置される。なお、ハンマケースカバー51は省略されてもよい。
【0075】
モータ6は、電動工具1の動力源である。モータ6は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ6は、ステータ26と、ロータ27とを有する。ステータ26は、モータ収容部21に支持される。ロータ27の少なくとも一部は、ステータ26の内側に配置される。ロータ27は、ステータ26に対して回転する。ロータ27は、前後方向に延びる回転軸AXを中心に回転する。
【0076】
ステータ26は、ステータコア28と、後側インシュレータ29と、前側インシュレータ30と、コイル31とを有する。
【0077】
ステータコア28は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア28は、筒状である。ステータコア28は、ロータ27よりも径方向外側に配置される。ステータコア28は、コイル31を支持する複数のティースを有する。
【0078】
後側インシュレータ29及び前側インシュレータ30のそれぞれは、合成樹脂製の電気絶縁部材である。後側インシュレータ29及び前側インシュレータ30のそれぞれは、ステータコア28とコイル31とを電気的に絶縁する。後側インシュレータ29は、ステータコア28の後部に固定される。前側インシュレータ30は、ステータコア28の前部に固定される。後側インシュレータ29は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。前側インシュレータ30は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。
【0079】
コイル31は、後側インシュレータ29及び前側インシュレータ30を介してステータコア28に装着される。コイル31は、複数配置される。コイル31は、後側インシュレータ29及び前側インシュレータ30を介してステータコア28のティースの周囲に配置される。コイル31とステータコア28とは、前側インシュレータ30及び後側インシュレータ29により電気的に絶縁される。複数のコイル31は、ヒュージング端子36を介して接続される。
【0080】
ロータ27は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ27は、ロータコア32と、ロータシャフト33と、ロータ磁石34Aと、センサ磁石34Bとを有する。
【0081】
ロータコア32及びロータシャフト33のそれぞれは、鋼製である。実施形態において、ロータコア32とロータシャフト33とは、一体である。ロータシャフト33の後部は、ロータコア32の後端面から後方に突出する。ロータシャフト33の前部は、ロータコア32の前端面から前方に突出する。
【0082】
ロータ磁石34Aは、ロータコア32に固定される。実施形態において、ロータ磁石34Aは、ロータコア32の周囲に配置される。センサ磁石34Bは、ロータコア32に固定される。実施形態において、センサ磁石34Bは、ロータコア32の前端面に配置される。
【0083】
左モータ収容部と右モータ収容部とは、複数のねじ2Sにより固定される。
図6に示すように、左モータ収容部と右モータ収容部とを固定する複数のねじ2Sの全てが、ロータ27のロータコア32よりも前方に配置される。
【0084】
前側インシュレータ30にセンサ基板35が取り付けられる。センサ基板35は、ねじ30Sにより前側インシュレータ30に固定される。センサ基板35は、円環状の回路基板と、回路基板に支持される回転検出素子とを有する。センサ基板35の少なくとも一部は、センサ磁石34Bの前端面に対向する。回転検出素子は、センサ磁石34Bの位置を検出することにより、ロータ27の回転方向の位置を検出する。
【0085】
ロータ27の後部は、後側ロータベアリング37に支持される。ロータ27の前部は、前側ロータベアリング38に支持される。実施形態において、後側ロータベアリング37は、ロータシャフト33の後端部を支持する。前側ロータベアリング38は、ロータシャフト33の前端部を支持する。ロータシャフト33の後端部は、後側ロータベアリング37に回転可能に支持される。ロータシャフト33の前端部は、前側ロータベアリング38に回転可能に支持される。後側ロータベアリング37は、リヤカバー3に保持される。前側ロータベアリング38は、ベアリングボックス24に保持される。
【0086】
ロータシャフト33の前端部は、ベアリングボックス24の後側環状部24Aに設けられた開口を介してハンマケース4の内部空間に配置される。
【0087】
ロータシャフト33の前端部にピニオンギヤ41が固定される。ピニオンギヤ41は、減速機構7の少なくとも一部に連結される。ロータシャフト33は、ピニオンギヤ41を介して減速機構7に連結される。
【0088】
減速機構7は、ロータシャフト33とスピンドル8とを連結する。減速機構7のギヤは、ロータ27により駆動される。減速機構7は、ロータ27の回転をスピンドル8に伝達する。減速機構7は、ロータシャフト33の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル8を回転させる。減速機構7は、ステータ26よりも前方側に配置される。減速機構7は、遊星歯車機構を含む。
【0089】
減速機構7は、ピニオンギヤ41の周囲に配置される複数のプラネタリギヤ42と、複数のプラネタリギヤ42の周囲に配置されるインターナルギヤ43とを有する。ピニオンギヤ41、プラネタリギヤ42、及びインターナルギヤ43のそれぞれは、ハンマケース4に収容される。複数のプラネタリギヤ42のそれぞれは、ピニオンギヤ41に噛み合う。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。スピンドル8は、プラネタリギヤ42により回転される。インターナルギヤ43は、プラネタリギヤ42に噛み合う内歯を有する。
【0090】
インターナルギヤ43は、ハンマケース4の大筒部4Aに固定される。インターナルギヤ43は、ハンマケース4に対して常に回転不可能である。
【0091】
モータ6の駆動によりロータシャフト33が回転すると、ピニオンギヤ41が回転し、プラネタリギヤ42がピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合いながら公転する。プラネタリギヤ42の公転により、ピン42Pを介してプラネタリギヤ42に接続されているスピンドル8は、ロータシャフト33の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0092】
スピンドル8は、モータ6により回転軸AXを中心に回転される。スピンドル8は、ロータ27により回転される。スピンドル8は、減速機構7を介して伝達されたロータ27の回転力により回転する。スピンドル8は、モータ6の回転力を、ボール48及びハンマ47を介してアンビル10に伝達する。スピンドル8の少なくとも一部は、モータ6よりも前方側に配置される。スピンドル8は、ステータ26よりも前方側に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、ロータ27よりも前方側に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、減速機構7よりも前方側に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、アンビル10よりも後方側に配置される。
【0093】
スピンドル8は、スピンドルシャフト部8Aと、第1フランジ部8Bと、第2フランジ部8Cと、連結部8Dと、スピンドル凸部8Fとを有する。
【0094】
スピンドルシャフト部8Aは、前後方向に長いロッド状である。スピンドルシャフト部8Aの中心軸と回転軸AXとは、一致する。第1フランジ部8Bは、スピンドルシャフト部8Aの外周面の後端部から径方向外側に延びる。第2フランジ部8Cは、第1フランジ部8Bよりも後方側に配置される。第2フランジ部8Cは、環状である。連結部8Dは、第1フランジ部8Bの一部と第2フランジ部8Cの一部とを連結する。スピンドル凸部8Fは、スピンドルシャフト部8Aの前端部から前方に突出する。ピン42Pの前端部は、第1フランジ部8Bに支持される。ピン42Pの後端部は、第2フランジ部8Cに支持される。プラネタリギヤ42は、第1フランジ部8Bと第2フランジ部8Cとの間に配置される。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介して第1フランジ部8B及び第2フランジ部8Cに回転可能に支持される。スピンドルベアリング44は、第2フランジ部8Cの後面から後方に突出するスピンドル8の筒状部の内側に配置される。スピンドルベアリング44は、スピンドル8の筒状部を保持する。スピンドルベアリング44は、ベアリングボックス24に保持される。
【0095】
打撃機構9は、モータ6により駆動される。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介して打撃機構9に伝達される。打撃機構9は、モータ6により回転するスピンドル8の回転力に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。打撃機構9は、ハンマ47と、ボール48と、コイルスプリング49と、ワッシャ50とを有する。ハンマ47、ボール48、コイルスプリング49、及びワッシャ50を含む打撃機構9は、ハンマケース4の大筒部4Aに収容される。
【0096】
ハンマ47は、減速機構7よりも前方側に配置される。ハンマ47は、スピンドル8の周囲に配置される。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Aの周囲に配置される。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Aに保持される。ボール48は、スピンドル8とハンマ47との間に配置される。
【0097】
ハンマ47は、ボディ部47Aと、外筒部47Bと、内筒部47Cと、ハンマ突起部47Dとを有する。ボディ部47Aは、スピンドルシャフト部8Aの周囲に配置される。ボディ部47Aは、環状である。外筒部47B及び内筒部47Cのそれぞれは、ボディ部47Aから後方に突出する。外筒部47Bは、内筒部47Cよりも径方向外側に配置される。ボディ部47Aの後面と外筒部47Bの内周面と内筒部47Cの外周面とにより凹部47Eが規定される。凹部47Eは、ハンマ47の後端部から前方に窪むように設けられる。凹部47Eは、リング状である。スピンドルシャフト部8Aは、ボディ部47A及び内筒部47Cよりも径方向内側に配置される。ハンマ突起部47Dは、ボディ部47Aから前方に突出する。ハンマ突起部47Dは、2つ設けられる。
【0098】
ハンマ47は、モータ6により回転される。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介してハンマ47に伝達される。ハンマ47は、モータ6により回転するスピンドル8の回転力に基づいて、スピンドル8と一緒に回転可能である。ハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。ハンマ47は、回転軸AXを中心に回転する。
【0099】
ワッシャ50は、凹部47Eの内側に配置される。ワッシャ50は、複数のボール54を介してハンマ47に支持される。ボール54は、ワッシャ50よりも前方側に配置される。ボール54は、ボディ部47Aの後面とワッシャ50の前面との間に配置される。
【0100】
コイルスプリング49は、スピンドルシャフト部8Aの周囲に配置される。コイルスプリング49の後端部は、第1フランジ部8Bに支持される。コイルスプリング49の前端部は、凹部47Eの内側に配置され、ワッシャ50に支持される。コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を常時発生する。
【0101】
ボール48は、鉄鋼のような金属製である。ボール48は、スピンドルシャフト部8Aとボディ部47Aとの間に配置される。スピンドルシャフト部8Aは、ボール48の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝8Gを有する。スピンドル溝8Gは、スピンドルシャフト部8Aの外周面の一部に設けられる。ハンマ47は、ボール48の少なくとも一部が配置されるハンマ溝47Gを有する。ハンマ溝47Gは、ボディ部47A及び内筒部47Cの内周面の一部に設けられる。
【0102】
ボール48は、2つ設けられる。スピンドル溝8Gは、スピンドルシャフト部8Aの外周面に2つ設けられる。ハンマ溝47Gは、ボディ部47A及び内筒部47Cの内周面に2つ設けられる。一方のボール48は、一方のスピンドル溝8Gと一方のハンマ溝47Gとの間に配置される。他方のボール48は、他方のスピンドル溝8Gと他方のハンマ溝47Gとの間に配置される。ボール48は、スピンドル溝8Gの内側及びハンマ溝47Gの内側のそれぞれを転がることができる。ハンマ47は、ボール48に伴って移動可能である。スピンドル8とハンマ47とは、スピンドル溝8G及びハンマ溝47Gにより規定される可動範囲において、軸方向及び回転方向のそれぞれに相対移動することができる。
【0103】
アンビル10は、モータ6よりも前方側に配置される。アンビル10は、ロータ27の回転力に基づいて回転する電動工具1の出力部である。アンビル10の少なくとも一部は、スピンドル8よりも前方側に配置される。アンビル10の少なくとも一部は、ハンマ47よりも前方側に配置される。アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。
【0104】
アンビル10は、アンビルシャフト部10Aと、アンビル突起部10Bとを有する。アンビルシャフト部10Aは、前後方向に長いロッド状である。アンビルシャフト部10Aの中心軸と回転軸AXとは、一致する。アンビル突起部10Bは、アンビルシャフト部10Aの後端部に設けられる。アンビル突起部10Bは、アンビルシャフト部10Aの後端部から径方向外側に突出する。アンビル突起部10Bは、2つ設けられる。
【0105】
アンビル10の前端面に工具孔10Cが設けられる。アンビル10の後端面にアンビル凹部10Dが設けられる。工具孔10Cは、アンビルシャフト部10Aの前端面から後方に延びるように形成される。工具孔10Cに先端工具が挿入される。先端工具は、アンビル10に装着される。アンビル凹部10Dは、アンビル10の後端面から前方に窪むように設けられる。アンビル凹部10Dにスピンドル凸部8Fが配置される。
【0106】
アンビル10は、アンビルベアリング46に回転可能に支持される。アンビル10の回転軸とハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。アンビル10は、回転軸AXを中心に回転する。アンビルベアリング46は、アンビルシャフト部10Aの周囲に配置される。アンビルベアリング46とアンビルシャフト部10Aとの間にOリング45が配置される。アンビルベアリング46は、ハンマケース4の小筒部4Bの内側に配置される。アンビルベアリング46は、ハンマケース4の小筒部4Bに保持される。ハンマケース4は、アンビルベアリング46を介してアンビル10を支持する。アンビルベアリング46は、アンビルシャフト部10Aの前部を回転可能に支持する。実施形態において、アンビルベアリング46は、前後方向に2つ配置される。
【0107】
アンビル突起部10Bの前方側にワッシャ56及び支持部材57が配置される。支持部材57は、接続部4Cの後面及びアンビルベアリング46の外輪の後面に接触するように配置される。支持部材57は、リング状である。支持部材57は、アンビルベアリング46が小筒部4Bから後方に抜けることを抑制する。また、支持部材57は、アンビル突起部10Bの前面とハンマケース4との接触を抑制する。ワッシャ56は、支持部材57を後方から支持する。ワッシャ56は、大筒部4Aの内周面に設けられた溝に配置される。
【0108】
ハンマ突起部47Dは、アンビル突起部10Bに接触可能である。ハンマ突起部47Dとアンビル突起部10Bとが接触している状態で、モータ6が駆動することにより、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。
【0109】
アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。例えばねじ締め作業において、アンビル10に作用する負荷が高くなると、コイルスプリング49の荷重だけではアンビル10を回転させることができなくなる状況が発生する場合がある。コイルスプリング49の荷重だけではアンビル10を回転させることができなくなると、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。スピンドル8とハンマ47とは、ボール48を介して軸方向及び周方向のそれぞれに相対移動可能である。ハンマ47の回転が停止しても、スピンドル8の回転は、モータ6が発生する動力により継続される。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ボール48がスピンドル溝8G及びハンマ溝47Gのそれぞれにガイドされながら後方に移動する。ハンマ47は、ボール48から力を受け、ボール48に伴って後方に移動する。すなわち、ハンマ47は、アンビル10の回転が停止された状態で、スピンドル8が回転することにより、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ突起部47Dとアンビル突起部10Bとの接触が解除される。
【0110】
上述のように、コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を常時発生する。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、前方に移動する。ハンマ47は、前方に移動するとき、ボール48から回転方向の力を受ける。すなわち、ハンマ47は、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動すると、ハンマ47は、回転しながらアンビル突起部10Bに接触する。これにより、アンビル突起部10Bは、ハンマ47のハンマ突起部47Dにより回転方向に打撃される。アンビル10には、モータ6の動力とハンマ47の慣性力との両方が作用する。したがって、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転することができる。
【0111】
工具保持機構11は、アンビル10の前部の周囲に配置される。工具保持機構11は、アンビル10の工具孔10Cに挿入された先端工具を保持する。工具保持機構11は、先端工具を着脱可能である。
【0112】
工具保持機構11は、ボール71と、リーフスプリング72と、スリーブ73と、コイルスプリング74と、位置決め部材75とを有する。
【0113】
アンビル10は、ボール71を支持する支持凹部76を有する。支持凹部76は、アンビルシャフト部10Aの外面に形成される。実施形態において、支持凹部76は、アンビルシャフト部10Aに2つ形成される。
【0114】
ボール71は、アンビル10に移動可能に支持される。ボール71は、支持凹部76に配置される。ボール71は、1つの支持凹部76に1つ配置される。
【0115】
アンビルシャフト部10Aに、支持凹部76の内面と工具孔10Cの内面とを結ぶ貫通孔が形成される。ボール71の直径は、貫通孔の直径よりも小さい。ボール71が支持凹部76に支持された状態で、ボール71の少なくとも一部を介して、工具孔10Cの内側に配置される。ボール71は、工具孔10Cに挿入された先端工具を固定することができる。ボール71は、先端工具を固定する係合位置と先端工具の固定を解除する解除位置とに移動可能である。
【0116】
リーフスプリング72は、ボール71を係合位置に移動させる弾性力を発生する。リーフスプリング72は、アンビルシャフト部10Aの周囲に配置される。リーフスプリング72は、ボール71を前方に移動させる弾性力を発生する。
【0117】
スリーブ73は、円筒状の部材である。スリーブ73は、アンビルシャフト部10Aの周囲に配置される。スリーブ73は、アンビルシャフト部10Aの周囲において軸方向に移動可能である。スリーブ73は、係合位置に配置されているボール71が係合位置から脱出することを阻止することができる。スリーブ73は、軸方向に移動されることにより、ボール71を係合位置から解除位置に移動可能な状態に変化させることができる。
【0118】
スリーブ73は、アンビルシャフト部10Aの周囲において、ボール71の径方向外側への移動を阻止する阻止位置と径方向外側への移動を許容する許容位置とに移動可能である。
【0119】
スリーブ73が阻止位置に配置されることにより、係合位置に配置されているボール71が径方向外側に移動することが抑制される。すなわち、スリーブ73が阻止位置に配置されることにより、係合位置に配置されているボール71が係合位置から脱出することが阻止される。スリーブ73が阻止位置に配置されることにより、先端工具がボール71により固定された状態が維持される。
【0120】
スリーブ73が許容位置に移動されることにより、係合位置に配置されているボール71が径方向外側に移動することが許容される。スリーブ73は、許容位置に移動されることにより、ボール71を係合位置から解除位置に移動可能な状態に変化させる。すなわち、スリーブ73が許容位置に配置されることにより、係合位置に配置されているボール71が係合位置から脱出することが許容される。スリーブ73が許容位置に配置されることにより、先端工具がボール71により固定された状態が解除可能になる。
【0121】
コイルスプリング74は、スリーブ73が阻止位置に移動するように弾性力を発生する。コイルスプリング74は、アンビルシャフト部10Aの周囲に配置される。阻止位置は、許容位置よりも後方側に規定される。コイルスプリング74は、スリーブ73を後方に移動させる弾性力を発生する。
【0122】
位置決め部材75は、アンビルシャフト部10Aの外面に固定されたリング状の部材である。位置決め部材75は、スリーブ73の後端部に対向可能な位置に固定される。位置決め部材75は、スリーブ73を阻止位置に位置決めする。コイルスプリング74から後方に移動する弾性力を付与されているスリーブ73は、位置決め部材75に接触することにより、阻止位置に位置決めされる。
【0123】
ファン12は、モータ6のステータ26よりも後方側に配置される。ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ファン12は、ロータ27の少なくとも一部に固定される。ファン12は、ブッシュ12Aを介してロータシャフト33の後部に固定される。ファン12は、後側ロータベアリング37とステータ26との間に配置される。ファン12は、ロータ27の回転により回転する。ロータシャフト33が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト33と一緒に回転する。ファン12が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流通することにより、モータ6を冷却する。ハウジング2の内部空間を流通した空気は、ファン12が回転することにより、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0124】
バッテリ装着部13は、バッテリ保持部23の下部に配置される。バッテリ装着部13は、バッテリパック25に接続される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13に装着される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13に着脱可能である。バッテリパック25は、バッテリ保持部23の前方からバッテリ装着部13に挿入されることにより、バッテリ装着部13に装着される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13から前方に抜去されることにより、バッテリ装着部13から外される。バッテリパック25は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック25は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部13に装着されることにより、バッテリパック25は、電動工具1に電力を供給することができる。モータ6は、バッテリパック25から供給される電力に基づいて駆動する。
【0125】
トリガレバー14は、グリップ部22に設けられる。トリガレバー14は、モータ6を起動するために作業者に操作される。トリガレバー14が操作されることにより、モータ6の駆動と停止とが切り換えられる。
【0126】
正逆転切換レバー15は、グリップ部22の上部に設けられる。正逆転切換レバー15は、作業者に操作される。正逆転切換レバー15が操作されることにより、モータ6の回転方向が正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えられる。モータ6の回転方向が切り換えられることにより、スピンドル8の回転方向が切り換えられる。
【0127】
手元モード切換ボタン16は、トリガレバー14の上方側に設けられる。手元モード切換ボタン16は、作業者に操作される。手元モード切換ボタン16の後方側に回路基板16A及びスイッチ16Bが配置される。スイッチ16Bは回路基板16Aの前面に搭載される。手元モード切換ボタン16は、スイッチ16Bの前方側に配置される。手元モード切換ボタン16が後方に押し操作されることにより、スイッチ16Bが作動し、回路基板16Aから操作信号が出力される。回路基板16Aから出力された操作信号は、コントローラ(不図示)に送信される。コントローラは、回路基板16Aから出力された操作信号に基づいて、モータ6の制御モードを切り換える。
【0128】
ライトアセンブリ18は、照明光を射出する。ライトアセンブリ18は、アンビル10及びアンビル10の周辺を照明光で照明する。ライトアセンブリ18は、アンビル10の前方を照明光で照明する。また、ライトアセンブリ18は、アンビル10に装着された先端工具及び先端工具の周辺を照明光で照明する。実施形態において、ライトアセンブリ18は、小筒部4Bの周囲に配置される。ライトアセンブリ18は、回路基板18Aと、回路基板18Aに支持される発光素子18Bと、発光素子18Bから射出された光が通過する光学部材18Cとを有する。光学部材18Cは、リング状である。
【0129】
ライトカバー52は、ライトアセンブリ18を保護する。ライトカバー52は、ライトアセンブリ18とライトアセンブリ18の周囲の物体との接触を抑制する。ライトカバー52は、光学部材18Cの周囲に配置される。
【0130】
[リヤカバー]
図8は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す後方側からの分解斜視図である。
図9は、実施形態に係るリヤカバー3を示す前方側からの斜視図である。
図10は、実施形態に係るリヤカバー3を右方側から見た図である。
図11は、実施形態に係るリヤカバー3を左方側から見た図である。
図12は、実施形態に係るリヤカバー3を上方側から見た図である。
図13は、実施形態に係るリヤカバー3を下方側から見た図である。
図14は、実施形態に係るリヤカバー3を後方側から見た図である。
図15は、実施形態に係るリヤカバー3を前方側から見た図である。
【0131】
リヤカバー3は、ねじを使用することなく、モータ収容部21の後部に固定される。リヤカバー3は、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3は、カバープレート部301と、カバー筒部302と、ピラー部303と、凸部304と、収容部305と、カバー爪部306と、中央背板部307と、側方背板部308と、中央下板部309と、側方下板部310と、リブ部311と、係合部312と、孔部313とを有する。
【0132】
カバープレート部301は、円板状である。カバープレート部301は、ファン12よりも後方に配置される。カバー筒部302は、カバープレート部301の周縁部から前方に突出する。排気口20は、カバー筒部302の左部及び右部のそれぞれに設けられる。排気口20は、上下方向に長いスリット状である。排気口20は、リヤカバー3の左側面及び右側面のそれぞれに、上下に延びるように配置される。ピラー部303は、上下方向において排気口20の中央部に設けられる。
【0133】
凸部304は、カバープレート部301の前面の中央部に設けられる。凸部304は、円筒状である。凸部304は、カバープレート部301の前面から前方に突出する。収容部305は、凸部304の内側に規定される。後側ロータベアリング37は、収容部305に配置される。後側ロータベアリング37の外周部は、凸部304に支持される。後側ロータベアリング37の後部は、カバープレート部301に支持される。
【0134】
カバー爪部306は、カバー筒部302の内周面に設けられる。カバー爪部306は、カバー筒部302の内周面から径方向内側に突出する。カバー爪部306は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。実施形態において、カバー爪部306は、周方向に間隔をあけて2つ設けられる。カバー爪部306は、カバープレート部301の中心よりも左方側に配置されるカバー爪部306Lと、カバープレート部301の中心よりも右方側に配置されるカバー爪部306Rとを含む。
【0135】
中央背板部307及び側方背板部308のそれぞれは、カバー筒部302の下部から下方側に突出するように設けられる。中央背板部307は、下方に向かって前方側に傾斜する。側方背板部308は、中央背板部307よりも前方側に配置される。左右方向において、側方背板部308は、中央背板部307の両側に配置される。側方背板部308は、中央背板部307よりも左方側に配置される側方背板部308Lと、中央背板部307よりも右方側に配置される側方背板部308Rとを含む。
【0136】
中央下板部309及び側方下板部310のそれぞれは、カバー筒部302よりも径方向外側に配置される。径方向において、カバープレート部301の中心から中央下板部309までの距離は、カバープレート部301の中心から側方下板部310までの距離よりも長い。中央下板部309は、中央背板部307の下端部に接続される。中央下板部309は、中央背板部307の下端部から前方側に延びるように配置される。左右方向において、側方下板部310は、中央下板部309の両側に配置される。側方下板部310は、中央下板部309よりも左方側に配置される側方下板部310Lと、中央下板部309よりも右方側に配置される側方下板部310Rとを含む。側方下板部310Lの一部は、側方背板部308Lの下端部に接続される。側方下板部310Lの一部は、側方背板部308Lの左端部に接続される。側方下板部310Lの左端部は、カバー筒部302の外周面に接続される。側方下板部310Lは、側方背板部308Lの周縁部から前方側に延びるように配置される。側方下板部310Rの一部は、側方背板部308Rの下端部に接続される。側方下板部310Rの一部は、側方背板部308Rの右端部に接続される。側方下板部310Rの右端部は、カバー筒部302の外周面に接続される。側方下板部310Rは、側方背板部308Rの周縁部から前方側に延びるように配置される。
【0137】
リブ部311は、カバー筒部302の外周面から径方向外側に突出する。左右方向において、リブ部311は、カバープレート部301の中心よりも右方側に配置される。リブ部311の径方向内側の端部は、カバー筒部302の外周面に接続される。リブ部311の径方向外側の端部は、中央下板部309の上面の右端部に接続される。なお、リブ部311の径方向外側の端部は、側方下板部310Rの上面の左端部に接続されてもよい。リブ部311の後面は、中央背板部307の前面に接続される。なお、リブ部311の後面は、側方背板部308Rの前面に接続されてもよい。
【0138】
係合部312は、中央下板部309の上面から径方向内側に突出するように設けられる。左右方向において、係合部312は、カバープレート部301の中心よりも右方側に配置される。
【0139】
孔部313は、中央下板部309に設けられる。孔部313は、中央下板部309の上面と下面とを貫通するように設けられる。左右方向において、孔部313は、カバープレート部301の中心に一致する位置に設けられる。孔部313は、中央背板部307の一部を切り欠くように設けられる。
【0140】
図16は、実施形態に係るリヤカバー3が外された状態の電動工具1の上部の後部を後方側から見た図である。
図17は、実施形態に係るリヤカバー3が外された状態の電動工具1の上部の後部を示す右後方側からの斜視図である。
図18は、実施形態に係るリヤカバー3が外された状態の電動工具1の上部の後部を示す左後方側からの斜視図である。
図19は、実施形態に係るリヤカバー3が外された状態の電動工具1の上部の後部を右方側から見た図である。
図20は、実施形態に係るリヤカバー3が外された状態の電動工具1の上部の後部を左方側から見た図である。
【0141】
モータ収容部21は、円筒部210と、ハウジング筒部200と、ハウジング爪部201と、フック部材202と、弾性部材204とを有する。
【0142】
円筒部210は、モータ収容部21の後部に設けられる。円筒部210は、後方側を向く支持面211を有する。支持面211は、実質的に平坦面である。支持面211は、回転軸AXに平行な軸に直交する。支持面211は、回転軸AXを囲むように配置される。支持面211は、リング状である。
【0143】
ハウジング筒部200は、支持面211から後方に突出する。ハウジング筒部200は、モータ収容部21の後端部の開口を規定する。モータ収容部21の後端部の開口は、ハウジング筒部200の内側に規定される。リヤカバー3は、ハウジング筒部200により規定される開口を覆うように配置される。ハウジング筒部200は、実質的に円筒状である。支持面211は、円筒部210の前端部の周囲に配置される。
【0144】
ハウジング爪部201は、ハウジング筒部200の外周面に設けられる。ハウジング爪部201は、ハウジング筒部200の外周面から径方向外側に突出する。ハウジング爪部201は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。実施形態において、ハウジング爪部201は、周方向に間隔をあけて2つ設けられる。ハウジング爪部201は、回転軸AXよりも左方側に配置されるハウジング爪部201Lと、回転軸AXよりも右方側に配置されるハウジング爪部201Rとを含む。
【0145】
ハウジング爪部201は、傾斜面201Aと、前面201Bとを有する。傾斜面201Aは、実質的に前方側を向く。傾斜面201Aは、周方向一方側に向かって前方側に傾斜する。前面201Bは、前方側を向く。前面201Bは、回転軸AXに平行な軸に直交する。
図19に示すように、ハウジング爪部201Rにおいて、傾斜面201Aは、前面201Bよりも上方側に配置される。
図20に示すように、ハウジング爪部201Lにおいて、傾斜面201Aは、前面201Bよりも下方側に配置される。
【0146】
前面201Bは、間隙を介して支持面211と対向する。前面201Bと支持面211との間に収容部203が設けられる。収容部203は、ハウジング爪部201Rの前面201Bと支持面211との間に設けられる収容部203Rと、ハウジング爪部201Lの前面201Bと支持面211との間に設けられる収容部203Lとを含む。
【0147】
フック部材202は、ハウジング筒部200よりも径方向外側に配置される。フック部材202は、ハウジング筒部200の下方側に配置される。フック部材202は、アーム部202Aと、フック部202Dとを有する。アーム部202Aは、周方向に延びる円弧状である。アーム部202Aの基端部202Bは、モータ収容部21に固定される。フック部202Dは、アーム部202Aの先端部202Cに設けられる。アーム部202Aの基端部202Bは、左ハウジング2Lの後面に固定される。フック部202Dは、モータ収容部21に固定されない。フック部202Dは、右ハウジング2Rの後面に対向する。アーム部202Aは、フック部202Dが径方向に移動するように弾性変形することができる。
【0148】
弾性部材204は、モータ収容部21に支持される。弾性部材204は、円柱状である。弾性部材204は、例えばゴム製である。右ハウジング2Rの後面に凹部が設けられる。弾性部材204の前部は、凹部に配置される。弾性部材204の後面は、フック部材202の少なくとも一部に対向する。実施形態において、弾性部材204の後面は、フック部202Dに対向する。
【0149】
リヤカバー3は、モータ収容部21の後部に対して回転されることにより、モータ収容部21の後部に固定される。モータ収容部21は、リヤカバー3を周方向一方側且つ前方側にガイドするガイド部と、ガイド部にガイドされたリヤカバー3の前後方向の移動を規制する前後方向規制部と、前後方向の移動が規制されたリヤカバー3の周方向の移動を規制する周方向規制部と、を有する。
【0150】
ガイド部は、ハウジング爪部201に設けられる。ガイド部は、ハウジング爪部201の傾斜面201Aを含む。実施形態において、ガイド部は、リヤカバー3のカバー爪部306をガイドする。カバー爪部306が傾斜面201Aにガイドされることによって、リヤカバー3がガイド部に周方向一方側且つ前方側にガイドされる。
【0151】
前後方向規制部の少なくとも一部は、ハウジング爪部201に設けられる。前後方向規制部は、ハウジング爪部201の前面201Bを含む。また、前後方向規制部は、円筒部210の支持面211を含む。前面201Bは、リヤカバー3の後方側への移動を規制する。支持面211は、リヤカバー3の前方側への移動を規制する。実施形態において、前後方向規制部は、カバー爪部306の前後方向の移動を規制する。カバー爪部306は、傾斜面201Aに周方向一方側且つ前方側にガイドされた後、前面201Bと支持面211との間の収容部203に配置される。カバー爪部306の後面は、前面201Bに接触する。カバー爪部306の前面は、支持面211に接触する。カバー爪部306が収容部203に配置されることによって、リヤカバー3の前後方向の移動が規制される。
【0152】
周方向規制部は、前後方向規制部とは異なる位置に配置される。周方向規制部は、フック部材202を含む。フック部材202のフック部202Dは、リヤカバー3に設けられた係合部312に掛けられる。リヤカバー3のリブ部311は、フック部202Dが係合部312に掛けられた状態で、フック部材202の先端部に接触する。フック部202Dは、リヤカバー3の周方向他方側への移動を規制する。フック部材202の先端部は、リヤカバー3の周方向一方側への移動を規制する。
【0153】
【0154】
左モータ収容部を含む左ハウジング2Lと右モータ収容部を含む右ハウジング2Rとが複数のねじ2Sにより固定される。左モータ収容部を含む左ハウジング2Lと右モータ収容部を含む右ハウジング2Rとの固定後、左モータ収容部の後部及び右モータ収容部の後部にリヤカバー3が固定される。
【0155】
リヤカバー3をモータ収容部21の後部に固定する場合、カバー爪部306Lがハウジング爪部201Lよりも周方向他方側に配置され、カバー爪部306Rがハウジング爪部201Rよりも周方向他方側に配置されるように、ハウジング筒部200の周囲にカバー筒部302が配置される。また、カバー筒部302と側方下板部310Lとの間にフック部材202が配置されるように、ハウジング筒部200の周囲にカバー筒部302が配置される。
【0156】
カバー爪部306Lがハウジング爪部201Lよりも周方向他方側に配置され、カバー爪部306Rがハウジング爪部201Rよりも周方向他方側に配置され、カバー筒部302と側方下板部310Lとの間にフック部材202が配置された後、
図21及び
図22の矢印で示すように、モータ収容部21に対してリヤカバー3が周方向一方側に回転される。リヤカバー3が周方向一方側に回転すると、カバー爪部306Lがハウジング爪部201Lに接触し、カバー爪部306Rがハウジング爪部201Rに接触する。リヤカバー3が周方向一方側に更に回転されると、カバー爪部306Lがハウジング爪部201Lの傾斜面201Aに周方向一方側且つ前方側にガイドされ、カバー爪部306Rがハウジング爪部201Rの傾斜面201Aに周方向一方側且つ前方側にガイドされる。これにより、周方向一方側に回転されるリヤカバー3は、前方側に移動する。
【0157】
カバー爪部306(306L,306R)が傾斜面201Aにガイドされた後、リヤカバー3が周方向一方側に更に回転されると、カバー爪部306Lがハウジング爪部201Lの前面201Bと支持面211との間の収容部203Lに配置され、カバー爪部306Rがハウジング爪部201Rの前面201Bと支持面211との間の収容部203Rに配置される。カバー爪部306Lの後面は、ハウジング爪部201Lの前面201Bに接触し、カバー爪部306Lの前面は、支持面211に接触する。カバー爪部306Rの後面は、ハウジング爪部201Rの前面201Bに接触し、カバー爪部306Rの前面は、支持面211に接触する。これにより、カバー爪部306(306L,306R)の前後方向の移動が規制される。カバー爪部306の前後方向の移動が規制されることにより、リヤカバー3の前後方向の移動が規制される。
【0158】
カバー爪部306Lを含むリヤカバー3の一部は、左モータ収容部よりも左側に配置される。カバー爪部306Rを含むリヤカバー3の一部は、右モータ収容部よりも右側に配置される。リヤカバー3は、左モータ収容部及び右モータ収容部の左右に配置されることにより、記左モータ収容部の後部と右モータ収容部の後部との分離を防止する。
【0159】
図23及び
図24に示すように、カバー爪部306が収容部203に配置され、リヤカバー3の前後方向の移動が規制された状態で、フック部材202のフック部202Dが、リヤカバー3に設けられた係合部312に掛けられる。フック部材202のアーム部202Aは、フック部202Dが径方向に移動するように弾性変形する。リヤカバー3の回転において、アーム部202Aが弾性変形することにより、フック部202Dは、中央下板部309の上面に沿うように径方向に移動することができる。リブ部311は、フック部202Dが係合部312に掛けられた状態で、フック部材202の先端部に接触する。フック部202Dが係合部312に掛かることにより、リヤカバー3の周方向他方側への移動が規制される。フック部材202の先端部がリブ部311に接触することにより、リヤカバー3の周方向一方側への移動が規制される。
【0160】
フック部202Dが係合部312に掛けられた状態で、弾性部材204は、圧縮された状態で、カバー筒部302と中央下板部309とリブ部311とのそれぞれに接触する。すなわち、弾性部材204は、カバー筒部302と中央下板部309とリブ部311との間に嵌まり込む。弾性部材204により、リヤカバー3のがたつきが抑制される。また、弾性部材204がフック部材202に押し付けられることにより、アーム部202Aが意図せずに弾性変形することが抑制される。すなわち、弾性部材204がフック部材202に押し付けられることにより、フック部202Dが意図せずに径方向に移動することが抑制される。したがって、フック部202Dが係合部312から外れてしまうことが抑制される。
【0161】
以上のように、実施形態においては、モータ収容部21の後部に対してリヤカバー3をねじ込むだけで、モータ収容部21に対するリヤカバー3の前後方向の移動が規制され、モータ収容部21に対するリヤカバー3の周方向一方側への移動が規制される。リヤカバー3は、モータ収容部21の後部に固定される。リヤカバー3は、ねじ2Sによる左モータ収容部と右モータ収容部との固定後、左モータ収容部の後部及び右モータ収容部への係合のみにより、左モータ収容部及び右モータ収容部に固定される。
【0162】
リヤカバー3がモータ収容部21の後部に固定された状態で、ハウジング筒部200の外周面とカバー筒部302の内周面とは対向する。ハウジング筒部200の外周面とカバー筒部302の内周面とは、接触してもよいし、離隔してもよい。リヤカバー3がモータ収容部21の後部に固定された状態で、カバー爪部306は、ハウジング爪部201に接触する。リヤカバー3がモータ収容部21の後部に固定された状態で、カバー筒部302は、ハウジング筒部200の周囲に配置される。リヤカバー3がモータ収容部21の後部に固定された状態で、フック部材202は、カバー筒部302よりも径方向外側に配置される。リヤカバー3がモータ収容部21の後部に固定された状態で、中央下板部309は、フック部材202よりも径方向外側に配置される。リヤカバー3がモータ収容部21の後部に固定された状態で、弾性部材204は、カバー筒部302と中央下板部309との間に配置される。
【0163】
図25は、実施形態に係るリヤカバー3の固定解除方法を説明するための断面図である。モータ収容部21からリヤカバー3を外す場合、孔部313の下方側から孔部313に治具80が挿入される。治具80は、孔部313に挿入可能な棒状の部材である。孔部313に挿入された治具80は、係合部312からフック部202Dが外れるように、アーム部202Aを上方に移動させる。アーム部202Aは、弾性変形可能なので、治具80により上方に移動することができる。アーム部202Aが上方に移動することにより、係合部312からフック部202Dが外れる。係合部312からフック部202Dが外れた状態で、リヤカバー3が周方向他方側に回転されることにより、モータ収容部21からリヤカバー3が外れる。
【0164】
[インパクト工具の動作]
次に、電動工具1の動作について説明する。例えば、作業対象にねじ締め作業を実施するとき、ねじ締め作業に使用される先端工具(ドライバビット)が、アンビル10の工具孔10Cに挿入される。工具孔10Cに挿入された先端工具は、工具保持機構11により保持される。先端工具がアンビル10に装着された後、作業者は、グリップ部22を例えば右手で握ってトリガレバー14を右手の人差し指で引き操作する。トリガレバー14が引き操作されると、バッテリパック25からモータ6に電力が供給され、モータ6が起動し、同時にライトアセンブリ18が点灯する。モータ6の起動により、ロータ27のロータシャフト33が回転する。ロータシャフト33が回転すると、ロータシャフト33の回転力がピニオンギヤ41を介してプラネタリギヤ42に伝達される。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合った状態で、自転しながらピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。プラネタリギヤ42の公転により、スピンドル8は、ロータシャフト33の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0165】
ハンマ突起部47Dとアンビル突起部10Bとが接触している状態で、スピンドル8が回転すると、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。アンビル10が回転することにより、ねじ締め作業が進行する。
【0166】
ねじ締め作業の進行により、アンビル10に所定値以上の負荷が作用した場合、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ハンマ47は、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ突起部47Dとアンビル突起部10Bとの接触が解除される。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動することにより、アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。これにより、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転する。そのため、ねじは作業対象に高いトルクで締め付けられる。
【0167】
[効果]
以上説明したように、実施形態において、電動工具1は、前後方向に延びる回転軸AXを中心に回転するロータ27及びステータ26を有するモータ6と、モータ6よりも前方側に配置され、ロータ27の回転力に基づいて回転する出力部であるアンビル10と、モータ6を収容するモータ収容部21と、モータ収容部21から下方に延びるグリップ部22と、ロータ27の後部を支持する後側ロータベアリング37と、モータ収容部21の後端部の開口を覆うように配置され、後側ロータベアリング37を保持するリヤカバー3と、を備える。モータ収容部21は、リヤカバー3を周方向一方側且つ前方側にガイドするガイド部と、ガイド部にガイドされたリヤカバー3の前後方向の移動を規制する前後方向規制部と、前後方向の移動が規制されたリヤカバー3の周方向の移動を規制する周方向規制部と、を有する。
【0168】
上記の構成では、ねじを使用することなく、モータ収容部21の後部に対してリヤカバー3を回転させるだけで、モータ収容部21に対するリヤカバー3の前後方向の移動及び周方向の移動が規制される。すなわち、ねじを使用することなく、モータ収容部21の後部に対してリヤカバー3を回転させるだけで、リヤカバー3がモータ収容部21の後部に固定される。ねじが不要になるので、リヤカバー3及びモータ収容部21にボス部を設けなくても済む。そのため、電動工具1の大型化が抑制される。特に、リヤカバー3及びモータ収容部21の左右方向の大型化が抑制される。電動工具1の大型化が抑制されるので、例えば壁に近い狭い場所においても、電動工具1の作業性の低下が抑制される。また、ねじが不要になるので、電動工具1の組立性の低下が抑制される。
【0169】
実施形態において、モータ収容部21は、回転軸AXを囲むように配置され、後方側を向く支持面211と、支持面211から後方側に突出し、開口を規定するハウジング筒部200と、ハウジング筒部200の外周面から径方向外側に突出するハウジング爪部201と、を有する。ガイド部は、ハウジング爪部201に設けられる。
【0170】
上記の構成では、ハウジング爪部201によりリヤカバー3がガイドされる。
【0171】
実施形態において、ハウジング爪部201は、周方向一方側に向かって前方側に傾斜する傾斜面201Aを有する。ガイド部は、傾斜面201Aを含む。
【0172】
上記の構成では、ハウジング爪部201の傾斜面201Aによりリヤカバー3が周方向一方側且つ前方側にガイドされる。
【0173】
実施形態において、前後方向規制部の少なくとも一部は、ハウジング爪部201に設けられる。
【0174】
上記の構成では、ハウジング爪部201によりリヤカバー3の前後方向の移動が規制される。
【0175】
実施形態において、ハウジング爪部201は、前方側を向く前面201Bを有する。前後方向規制部は、前面201Bを含む。前面201Bは、リヤカバー3の後方側への移動を規制する。
【0176】
上記の構成では、ハウジング爪部201の前面201Bによりリヤカバー3の後方側の移動が規制される。
【0177】
実施形態において、支持面211は、ハウジング筒部200の周囲に配置される。前面201Bは、間隙を介して支持面211と対向する。前後方向規制部は、支持面211を含む。支持面211は、リヤカバー3の前方側への移動を規制する。
【0178】
上記の構成では、支持面211によりリヤカバー3の前方側の移動が規制される。
【0179】
実施形態において、リヤカバー3は、ハウジング爪部201に接触するカバー爪部306を有する。カバー爪部306は、傾斜面201Aにガイドされた後、前面201Bと支持面211との間に配置される。
【0180】
上記の構成では、リヤカバー3を所定角度に1回だけ回動させるだけで、リヤカバー3が周方向一方側且つ前方側にガイドされた後、リヤカバー3の前後方向の移動が規制される。
【0181】
実施形態において、リヤカバー3は、ハウジング筒部200の周囲に配置されるカバー筒部302を有する。カバー爪部306は、カバー筒部302の内周面に設けられる。
【0182】
上記の構成では、ハウジング筒部200の周囲においてリヤカバー3を回転させることにより、ハウジング爪部201とカバー爪部306とが係合することができる。
【0183】
実施形態において、ハウジング爪部201及びカバー爪部306のそれぞれは、周方向に間隔をあけて複数設けられる。
【0184】
上記の構成では、リヤカバー3のガイドが安定し、前後方向におけるリヤカバー3の移動の規制が安定する。
【0185】
実施形態において、リヤカバー3は、ガイド部にガイドされるカバー爪部306を有する。
【0186】
上記の構成では、リヤカバー3は、カバー爪部306を介してガイド部にガイドされる。
【0187】
実施形態において、前後方向規制部は、カバー爪部306の前後方向の移動を規制する。
【0188】
上記の構成では、リヤカバー3は、カバー爪部306を介して前後方向の移動を規制される。
【0189】
実施形態において、周方向規制部は、前後方向規制部とは異なる位置に配置される。
【0190】
上記の構成では、前後方向規制部及び周方向規制部のそれぞれの構造の複雑化が抑制される。
【0191】
実施形態において、周方向規制部は、リヤカバー3に設けられた係合部312に掛けられるフック部202Dを有するフック部材202を含む。
【0192】
上記の構成では、係合部312にフック部202Dが掛けられることにより、リヤカバー3の周方向の移動が規制される。
【0193】
実施形態において、フック部材202は、モータ収容部21に固定される基端部202B及びフック部202Dが設けられる先端部202Cを有するアーム部202Aを含む。
【0194】
上記の構成では、フック部202Dが係合部312に円滑に掛けられる。
【0195】
実施形態において、アーム部202Aは、フック部202Dが径方向に移動するように弾性変形する。
【0196】
上記の構成では、フック部202Dが係合部312に円滑に掛けられる。
【0197】
実施形態において、リヤカバー3は、ハウジング筒部200の周囲に配置されるカバー筒部302を有する。周方向規制部は、カバー筒部302よりも径方向外側に配置される。
【0198】
上記の構成では、ハウジング筒部200の外周面とカバー筒部302の内周面とが対向することができるので、リヤカバー3は、周方向規制部により周方向の回転を規制されるまで、円滑に回転することができる。
【0199】
実施形態において、リヤカバー3は、カバー筒部302の外周面から径方向外側に突出するリブ部311を有する。リブ部311は、フック部202Dが係合部312に掛けられた状態で、フック部材202の先端部に接触する。
【0200】
上記の構成では、フック部材202の先端部とリブ部311との接触により、リヤカバー3の周方向の移動が規制される。
【0201】
実施形態において、フック部202Dは、リヤカバー3の周方向他方側への移動を規制し、フック部材202の先端部は、リヤカバー3の周方向一方側への移動を規制してもよい。
【0202】
上記の構成では、リヤカバー3の周方向の移動が適正に規制される。
【0203】
実施形態において、リヤカバー3は、フック部材202よりも径方向外側に配置される中央下板部309を有する。中央下板部309に孔部313が設けられる。
【0204】
上記の構成では、孔部313を介してフック部材202にアクセスすることができる。例えば、リヤカバー3の固定を解除する場合、治具80を孔部313に挿入して、フック部材202を動かすことができる。
【0205】
実施形態において、電動工具1は、モータ収容部21に支持され、カバー筒部302と中央下板部309との間に配置される弾性部材204を備える。
【0206】
上記の構成では、弾性部材204によりリヤカバー3のがたつきが抑制される。
【0207】
実施形態において、電動工具1は、前後方向に延びる回転軸AXを中心に回転するロータ27及びステータ26を有するモータ6と、モータ6よりも前方側に配置され、ロータ27の回転力に基づいて回転する出力部であるアンビル10と、モータ6を収容する左モータ収容部及び右モータ収容部と、左モータ収容部及び右モータ収容部のそれぞれから下方に延びるグリップ部22と、ロータ27の後部を支持する後側ロータベアリング37と、左モータ収容部と右モータ収容部との固定後、左モータ収容部の後部及び右モータ収容部への係合のみにより、左モータ収容部及び右モータ収容部に固定され、後側ロータベアリング37を保持するリヤカバー3と、を備える。
【0208】
上記の構成では、ねじを使用することなく、モータ収容部21の後部に対してリヤカバー3を係合させるだけで、モータ収容部21にリヤカバー3が固定される。ねじが不要になるので、リヤカバー3及びモータ収容部21にボス部を設けなくても済む。そのため、電動工具1の大型化が抑制される。また、ねじが不要になるので、電動工具1の組立性の低下が抑制される。
【0209】
実施形態において、左モータ収容部と右モータ収容部とは、複数のねじ2Sにより固定され、複数のねじ2Sは、ロータ27のロータコア32よりも前方に配置される。
【0210】
上記の構成では、ねじを使用することなく、モータ収容部21の後部に対してリヤカバー3を係合させるだけで、モータ収容部21にリヤカバー3が固定される。そのため、電動工具1の大型化が抑制される。また、電動工具1の組立性の低下が抑制される。
【0211】
実施形態において、リヤカバー3は、左モータ収容部及び右モータ収容部の左右に配置されることにより、左モータ収容部の後部と右モータ収容部の後部との分離を防止する。
【0212】
上記の構成では、リヤカバー3により、左モータ収容部と右モータ収容部との分離が防止される。
【0213】
実施形態において、リヤカバー3の左側面及び右側面のそれぞれに、上下に延びる排気口20が配置される。
【0214】
上記の構成では、モータ6を冷却した空気が排気口20から排出される。
【0215】
[2]第2実施形態
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0216】
図26は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す後方側からの斜視図である。上述の実施形態においては、周方向規制部がフック部材202を含むこととした。周方向規制部は、ねじを含んでもよい。
【0217】
図26に示すリヤカバー3Bは、カバープレート部301と、カバー筒部302と、カバー筒部302から下方に突出する凸部320とを有する。また、左ハウジング2Lの後部には、固定部220が固定される。固定部220は、左ハウジング2Lのグリップ部22の後部から後方に突出する。凸部320と固定部220とがねじ330により固定される。ねじ330は、凸部320よりも右方側から、凸部320に設けられた開口に挿入された後、固定部220に設けられたねじ孔に挿入される。リヤカバー3Bの凸部320とグリップ部22に固定された固定部220とがねじ330により固定されることにより、モータ収容部21に対するリヤカバー3Bの周方向の移動が規制される。
【0218】
[3]第3実施形態
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0219】
図27は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す後方側からの斜視図である。
図27に示すリヤカバー3Cは、カバープレート部301と、カバー筒部302と、カバー筒部302から下方に突出する凸部340とを有する。凸部340とグリップ部22とがねじ350により固定される。ねじ350は、凸部340よりも後方側から、凸部340に設けられた開口に挿入された後、グリップ部22に設けられたねじ孔に挿入される。リヤカバー3Cの凸部340とグリップ部22とがねじ350により固定されることにより、モータ収容部21に対するリヤカバー3Cの周方向の移動が規制される。
【0220】
[4]第4実施形態
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0221】
図28は、実施形態に係る電動工具1を模式的に示す図である。上述の第1実施形態と同様、リヤカバー3は、モータ収容部21の後端部の開口を覆うように配置される。リヤカバー3は、ねじを使用することなく、モータ収容部21の後部に固定される。リヤカバー3は、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3は、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3は、モータ収容部21とは係合のみで固定される。リヤカバー3は、合成樹脂製である。
【0222】
リヤカバー3は、リヤカバー3とは色が異なるリヤカバー3Dと交換可能である。リヤカバー3と同様、リヤカバー3Dも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Dは、ねじを使用することなく、モータ収容部21の後部に固定される。リヤカバー3Dは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Dは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Dは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。
【0223】
リヤカバー3Dは、第1色のリヤカバー3D1と、第1色とは異なる第2色のリヤカバー3D2と、第1色及び第2色とは異なる第3色のリヤカバー3D3と、を含む。リヤカバー3とリヤカバー3Dとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。リヤカバー3がリヤカバー3Dに交換されることにより、電動工具1の使用者は、電動工具1を色で識別することができる。
【0224】
[5]第5実施形態
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0225】
図29は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図30は、実施形態に係るリヤカバー3Eを後方側から見た図である。
図29及び
図30に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、蓄光材料部100を有するリヤカバー3Eと交換可能である。蓄光材料部100により、リヤカバー3Eは、リヤカバー3とは形状が異なる。蓄光材料部100は、リヤカバー3とは組成及び色が異なる。組成は、材質を含む概念である。
【0226】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Eも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Eは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Eは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Eは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。
【0227】
蓄光材料部100は、カバープレート部301の後面に円環状に設けられる。
【0228】
リヤカバー3とリヤカバー3Eとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。リヤカバー3がリヤカバー3Eに交換されることにより、電動工具1の使用者は、電動工具1を識別することができる。蓄光材料部100により、例えば夜間においても、電動工具1の使用者は、電動工具1を識別することができる。
【0229】
なお、リヤカバー3Eは、リヤカバー3と形状が等しくてもよい。リヤカバー3Eの少なくとも一部が蓄光材料で形成されてもよい。
【0230】
[6]第6実施形態
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0231】
図31は、実施形態に係る電動工具1を示す側面図である。
図31に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、フック部101を有するリヤカバー3Fと交換可能である。フック部101により、リヤカバー3Fは、リヤカバー3とは形状が異なる。フック部101は、リヤカバー3とは組成及び色が異なる。
【0232】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Fも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Fは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Fは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Fは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。フック部101は、カバープレート部301の後面に固定される。
【0233】
図31に示すように、ソケット102がアンビル10に装着される場合がある。ソケット102の前端部には六角形の孔が設けられる。ソケット102の後部にはアンビル10の工具孔10Cに挿入される挿入部が設けられる。ソケット102の六角形の孔にボルトの頭部が配置された状態で、アンビル10が回転することにより、ボルトが対象に締め付けられる。
【0234】
ソケット102は、連結部材103を介してフック部101に連結される。連結部材103は、ワイヤ状である。連結部材103は、紐を含んでもよいし、チェーンを含んでもよいし、フレキシブルチューブを含んでもよい。連結部材103の一端部は、ソケット102の前部に装着される。連結部材103の他端部は、フック部101に装着される。ソケット102の前部が連結部材103を介してフック部101に保持されることにより、仮にソケット102の中間部が折れても、ソケット102の前部が落下することが抑制される。
【0235】
なお、電動工具1は、フック部101に連結された連結部材104を介して作業者に連結されてもよい。
【0236】
リヤカバー3とリヤカバー3Fとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。
【0237】
[7]第7実施形態
第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0238】
図32は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図33は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す側面図である。
図34は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
【0239】
図32、
図33、及び
図34に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、工具ホルダ105を有するリヤカバー3Gと交換可能である。工具ホルダ105により、リヤカバー3Gは、リヤカバー3とは形状が異なる。工具ホルダ105は、リヤカバー3とは組成及び色が異なる。
【0240】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Gも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Gは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Gは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Gは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。工具ホルダ105は、カバープレート部301の後面に固定される。
【0241】
工具ホルダ105は、工具106を保持する複数の保持溝107を有する。保持溝107は、左右方向に延びるように形成される。
【0242】
リヤカバー3とリヤカバー3Fとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。工具ホルダ105に複数種類の工具106が保持されることにより、電動工具1の使用者は、作業内容に応じて使用する工具106を効率良く交換することができる。
【0243】
[8]第8実施形態
第8実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0244】
図35は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図36は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
【0245】
第8実施形態は、上述の第7実施形態の変形例である。
図35及び
図36に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、工具ホルダ105を有するリヤカバー3Hと交換可能である。工具ホルダ105は、工具106を保持する複数の保持溝107を有する。保持溝107は、上下方向に延びるように形成される。
【0246】
[9]第9実施形態
第9実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0247】
図37は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図38は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
【0248】
第9実施形態は、上述の第7実施形態及び第8実施形態の変形例である。
図37及び
図38に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、工具ホルダ105を有するリヤカバー3Iと交換可能である。工具ホルダ105は、工具106を保持する複数の保持溝107を有する。保持溝107は、左右方向及び上下方向のそれぞれに傾斜する傾斜方向に延びるように形成される。
【0249】
[10]第10実施形態
第10実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0250】
図39は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図40は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す側面図である。
【0251】
第10実施形態は、上述の第7実施形態、第8実施形態、及び第9実施形態の変形例である。
図39及び
図40に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、工具ホルダ105を有するリヤカバー3Jと交換可能である。工具ホルダ105は、工具106を保持する複数の保持溝107を有する。工具ホルダ105は、回転機構108を介してカバープレート部301に連結される。工具ホルダ105は、カバープレート部301に回転可能に支持される。工具ホルダ105は、回転軸AXを中心に回転可能である。工具ホルダ105が回転することにより、保持溝107が延びる方向を任意に決定することができる。
【0252】
[11]第11実施形態
第11実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0253】
図41は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図42は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す側面図である。
【0254】
第11実施形態は、上述の第7実施形態の変形例である。
図41及び
図42に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、工具ホルダ109を有するリヤカバー3Kと交換可能である。工具ホルダ109は、工具106を保持する複数の保持孔110を有する。保持孔110は、左右方向に延びるように形成される。
【0255】
なお、保持孔110は、上下方向に延びるように形成されてもよい。保持孔110は、左右方向及び上下方向のそれぞれに傾斜する傾斜方向に延びるように形成されてもよい。工具ホルダ109は、カバープレート部301に回転可能に支持されてもよい。
【0256】
[12]第12実施形態
第12実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0257】
図43は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図43に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、プレート111を有するリヤカバー3Lと交換可能である。プレート111により、リヤカバー3Lは、リヤカバー3とは形状が異なる。プレート111は、リヤカバー3とは組成及び色が異なる。
【0258】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Lも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Lは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Lは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Lは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。プレート111は、カバープレート部301の後面に固定される。
【0259】
プレート111の表面(後面)は、平坦面である。電動工具1の使用者は、プレート111に付箋を貼ってもよいしラベルを貼ってもよい。プレート111の表面は、撥水性である。水に対するプレート111の表面の接触角は、90度以上でもよいし、100度以上でもよいし、110度以上でもよい。プレート111は、ホワイトボードでもよい。
【0260】
リヤカバー3とリヤカバー3Lとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。プレート111がホワイトボードである場合、電動工具1の使用者は、ホワイトボードに作業手順を記入することができる。
【0261】
[13]第13実施形態
第13実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0262】
図44は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図44に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、通信機112を有するリヤカバー3Mと交換可能である。通信機112により、リヤカバー3Mは、リヤカバー3とは形状が異なる。通信機112は、リヤカバー3とは組成及び色が異なる。
【0263】
通信機112は、GNSS受信機と、GNSS受信機の検出信号を送信する送信機とを有する。GNSS受信機は、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して電動工具1の位置を検出する。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。送信機は、GNSS受信機により検出された電動工具1の位置を送信する。電動工具1が産業施設において使用されている場合、送信機は、産業施設の管理コンピュータに電動工具1の位置を送信してもよい。送信機は、サーバを介して電動工具1の使用者が所持する携帯端末に電動工具1の位置を送信してもよい。
【0264】
リヤカバー3とリヤカバー3Mとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。通信機112がGNSS受信機を含むことにより、電動工具1の位置が管理される。
【0265】
なお、通信機112は、GNSS受信機を含まなくてもよい。通信機112は、例えば電動工具1の識別データを管理コンピュータに送信したり、携帯端末に送信したりしてもよい。通信機112は、RFID(Radio Frequency Identification)を含んでもよい。
【0266】
[14]第14実施形態
第14実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0267】
図45は、実施形態に係る電動工具1を示す前方側からの斜視図である。
図46は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図47は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す側面図である。
図48は、実施形態に係る電動工具1の上部を前方側から見た図である。
図49は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す横断面図である。
図49は、
図47のC-C線断面矢視図に相当する。
【0268】
図45、
図46、
図47、
図48、及び
図49に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、ガイド部314を有するリヤカバー3Nと交換可能である。ガイド部314により、リヤカバー3Nは、リヤカバー3とは形状が異なる。ガイド部314は、リヤカバー3とは組成が異なってもよいし、同じでもよい。ガイド部314は、リヤカバー3とは色が異なってもよいし、同じでもよい。
【0269】
リヤカバー3Nは、カバープレート部301と、カバー筒部302と、ガイド部314とを有する。カバープレート部301は、円板状である。カバープレート部301の前面に、後側ロータベアリング37を保持する凸部304が設けられる。カバー筒部302は、カバープレート部301の周縁部から前方に突出する。カバー筒部302は、モータ収容部21の後部の周囲に配置される。リヤカバー3Nは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Nは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。
【0270】
カバー筒部302は、排気口20を有する。排気口20は、カバー筒部302の左部及び右部のそれぞれに設けられる。
【0271】
ガイド部314は、排気口20から排出された空気を電動工具1の出力部であるアンビル10の前端部にガイドする。
【0272】
ガイド部314は、カバープレート部301の周縁部から前方に突出する。ガイド部314は、カバー筒部302よりも径方向外側に配置される。ガイド部314の前端部は、カバー筒部302の前端部よりも前方側に配置される。実施形態において、ガイド部314の前端部は、ハンマケース4の径方向外側に配置される。前後方向において、ガイド部314の前端部との位置とハンマケース4の少なくとも一部の位置とは、一致する。
【0273】
ガイド部314は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。ガイド部314は、モータ収容部21よりも左方側、右方側、及び上方側のそれぞれに配置される。隣り合うガイド部314の間に凹部315が設けられる。吸気口19は、凹部315に配置される。ガイド部314は、吸気口19を覆わないように配置される。
【0274】
図48に示すように、ガイド部314は、円弧部314Aと、周方向において円弧部314Aの一方側に設けられる第1壁部314Bと、周方向において円弧部314Aの他方側に設けられる第2壁部314Cとを有する。円弧部314Aは、回転軸AXを中心とする仮想円に沿うように設けられる。第1壁部314Bは、周方向において円弧部314Aの一端部から径方向内側に延びるように設けられる。第2壁部314Cは、周方向において円弧部314Aの他端部から径方向内側に延びるように設けられる。ガイド部314とモータ収容部21との間に流路316が形成される。
【0275】
モータ6の駆動によりファン12が回転すると、吸気口19からモータ収容部21の内部に空気が流入し、モータ収容部21の内部の空気は排気口20から排出される。排気口20から排出された空気は、ガイド部314によりアンビル10の前端部に向かって流れる。
【0276】
例えば、ねじ締め作業において作業対象から塵埃が発生する可能性がある。すなわち、アンビル10に装着された先端工具の回転により塵埃が発生する可能性がある。排気口20から排出され、ガイド部314によりアンビル10の前端部に向かって流れた空気により、塵埃は吹き飛ばされる。
【0277】
リヤカバー3とリヤカバー3Nとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。リヤカバー3がリヤカバー3Nに交換されることにより、電動工具1にブロワの機能を持たせることができる。
【0278】
[15]第15実施形態
第15実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0279】
図50は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図51は、実施形態に係る電動工具1の上部を後方側から見た図である。
【0280】
図50及び
図51に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、アナログカウンタ113を有するリヤカバー3Oと交換可能である。アナログカウンタ113により、リヤカバー3Oは、リヤカバー3とは形状が異なる。アナログカウンタ113は、リヤカバー3とは組成及び色が異なる。
【0281】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Oも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Oは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Oは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Oは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。アナログカウンタ113は、カバープレート部301の後面に固定される。
【0282】
アナログカウンタ113は、カウントボタン113Aと、表示部113Bと、リセットボタン113Cとを有する。
【0283】
リヤカバー3とリヤカバー3Oとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。アナログカウンタ113により、電動工具1の使用者は、例えば、ねじ締め作業したねじの本数をカウントすることができる。カウントボタン113Aが押されることにより、ねじの本数がカウントされ、表示部113Bに表示される。リセットボタン113Cが押されることにより、表示部113Bの表示がリセットされる。
【0284】
[16]第16実施形態
第16実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0285】
図52は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す横断面図である。
図52に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、カバープレート部301の中央部に開口部317を有するリヤカバー3Pと交換可能である。開口部317により、リヤカバー3Pは、リヤカバー3とは形状が異なる。
【0286】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Pも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Pは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Pは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Pは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。
【0287】
また、上述の第1実施形態で説明したロータ27は、開口部317を介してリヤカバー3Pよりも後方に突出するロータシャフト33Pを有するロータ27Pに交換可能である。開口部317には、ロータ27Pのロータシャフト33Pが配置される。
【0288】
リヤカバー3とリヤカバー3Pとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。ロータシャフト33Pの後端部がリヤカバー3Pよりも後方側に突出するので、ロータシャフト33Pの回転力を任意に利用することができる。
【0289】
[17]第17実施形態
第17実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0290】
図53は、実施形態に係る電動工具1の上部を示す横断面図である。
図53に示すように、上述の実施形態で説明したリヤカバー3は、径方向においてリヤカバー3の寸法よりも大きい寸法のリヤカバー3Qと交換可能である。リヤカバー3Qの外径は、リヤカバー3の外径よりも大きい。リヤカバー3Qは、リヤカバー3とは形状及び寸法が異なる。
【0291】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Qも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Qは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Qは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Qは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。
【0292】
また、上述の第1実施形態で説明したファン12は、径方向においてファン12の寸法よりも大きい寸法のファン12Qと交換可能である。
【0293】
リヤカバー3とリヤカバー3Qとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。ファン12よりも寸法が大きいファン12Qを使用したい場合、電動工具1の使用者は、リヤカバー3をリヤカバー3Qに交換することができる。
【0294】
[18]第18実施形態
第18実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0295】
図54は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図55は、実施形態に係る電動工具1の上部を後方側から見た図である。
【0296】
図54及び
図55に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、水平器114を有するリヤカバー3Rと交換可能である。水平器114により、リヤカバー3Rは、リヤカバー3とは形状が異なる。水平器114は、リヤカバー3とは組成及び色が異なる。水平器114は、丸型水平器である。
【0297】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Rも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Rは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Rは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Rは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。水平器114は、カバープレート部301の後面に固定される。
【0298】
水平器114は、丸型水平器である。水平器114は、丸型気泡管114Aと、標線114Bとを有する。丸型気泡管114Aの内部に気泡114Cが存在する。モータ6の回転軸AXが水平面に直交するように電動工具1の姿勢が調整された場合、気泡114Cが標線114Bの中心に配置される。
【0299】
リヤカバー3とリヤカバー3Rとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。例えば水平面に対してねじを垂直に捻じ込みたい場合、電動工具1の使用者は、気泡114Cが標線114Bの中心に配置されるように、電動工具1の姿勢を確認しながら、ねじ締め作業を実施することができる。また、また、電動工具1の使用者は、水平器114を確認することにより、水平面に対して先端工具を垂直にした状態でねじ締め作業を実施することができる。先端工具を垂直にした状態でねじ締め作業が実施されることにより、先端工具がねじの頭部から外れる現象(カムアウト)の発生が抑制される。
【0300】
[19]第19実施形態
第18実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0301】
図56は、実施形態に係る電動工具1を示す後方側からの斜視図である。
図56に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、サイドハンドル115を有するリヤカバー3Sと交換可能である。サイドハンドル115により、リヤカバー3Sは、リヤカバー3とは形状が異なる。サイドハンドル115は、リヤカバー3とは組成及び色が異なる。
【0302】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Sも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Sは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Sは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Sは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。サイドハンドル115は、カバー筒部302の左部から左方側に突出する。なお、サイドハンドル115は、カバー筒部302の右部から右方側に突出してもよい。サイドハンドル115は、カバー筒部302の上部から上方側に突出してもよい。
【0303】
リヤカバー3とリヤカバー3Sとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。電動工具1の使用者は、例えば右手でグリップ部22を握った状態でトリガレバー14を操作し、サイドハンドル115を左手で握ることにより、ねじ締め作業により電動工具1に作用する反力を受けることができる。
【0304】
[20]第20実施形態
第20実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0305】
図57は、実施形態に係る電動工具1を模式的に示す図である。上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、合成樹脂製である。
図57に示すように、上述の第1実施形態で説明したリヤカバー3は、金属製のリヤカバー3Tと交換可能である。リヤカバー3Tは、例えば鉄製である。リヤカバー3Tは、リヤカバー3とは組成が異なる。
【0306】
リヤカバー3と同様、リヤカバー3Tも、カバープレート部301と、カバープレート部301の周縁部から前方に突出し、モータ収容部21の後部の周囲に配置されるカバー筒部302と、を含む。リヤカバー3Tは、後側ロータベアリング37を保持する。リヤカバー3Tは、モータ収容部21に対して着脱可能である。リヤカバー3Tは、モータ収容部21とは係合のみで固定される。
【0307】
リヤカバー3とリヤカバー3Tとが交換可能なので、電動工具1の使用者は、必要に応じて電動工具1をカスタマイズすることができる。リヤカバー3Tが固い金属製なので、電動工具1を落下させても、リヤカバー3Tの変形が抑制される。また、リヤカバー3Tが固い金属製なので、電動工具1の使用者は、打撃対象をリヤカバー3Tで打撃することができる。
【0308】
[21]他の実施形態
上述の実施形態においては、電動工具1がインパクトドライバであることとした。電動工具1は、インパクトレンチでもよいし、ドライバドリルでもよい。
【0309】
上述の実施形態において、電動工具1の電源は、バッテリパック25でなくてもよく、商用電源(交流電源)でもよい。
【符号の説明】
【0310】
1…電動工具、2…ハウジング、2L…左ハウジング、2R…右ハウジング、2S…ねじ、3…リヤカバー、3B…リヤカバー、3C…リヤカバー、3D…リヤカバー、3D1…リヤカバー、3D2…リヤカバー、3D3…リヤカバー、3E…リヤカバー、3F…リヤカバー、3G…リヤカバー、3H…リヤカバー、3I…リヤカバー、3J…リヤカバー、3K…リヤカバー、3L…リヤカバー、3M…リヤカバー、3N…リヤカバー、3O…リヤカバー、3P…リヤカバー、3Q…リヤカバー、3R…リヤカバー、3S…リヤカバー、3T…リヤカバー、4…ハンマケース、4A…大筒部、4B…小筒部、4C…接続部、6…モータ、7…減速機構、8…スピンドル、8A…スピンドルシャフト部、8B…第1フランジ部、8C…第2フランジ部、8D…連結部、8F…スピンドル凸部、8G…スピンドル溝、9…打撃機構、10…アンビル(出力部)、10A…アンビルシャフト部、10B…アンビル突起部、10C…工具孔、10D…アンビル凹部、11…工具保持機構、12…ファン、12A…ブッシュ、12Q…ファン、13…バッテリ装着部、14…トリガレバー、15…正逆転切換レバー、16…手元モード切換ボタン、16A…回路基板、16B…スイッチ、18…ライトアセンブリ、18A…回路基板、18B…発光素子、18C…光学部材、19…吸気口、20…排気口、21…モータ収容部、22…グリップ部、23…バッテリ保持部、24…ベアリングボックス、24A…後側環状部、24B…前側環状部、24C…接続部、25…バッテリパック、26…ステータ、27…ロータ、27P…ロータ、28…ステータコア、29…後側インシュレータ、30…前側インシュレータ、30S…ねじ、31…コイル、32…ロータコア、33…ロータシャフト、33P…ロータシャフト、34A…ロータ磁石、34B…センサ磁石、35…センサ基板、36…ヒュージング端子、37…後側ロータベアリング、38…前側ロータベアリング、41…ピニオンギヤ、42…プラネタリギヤ、42P…ピン、43…インターナルギヤ、44…スピンドルベアリング、45…Oリング、46…アンビルベアリング、47…ハンマ、47A…ボディ部、47B…外筒部、47C…内筒部、47D…ハンマ突起部、47E…凹部、47G…ハンマ溝、48…ボール、49…コイルスプリング、50…ワッシャ、51…ハンマケースカバー、52…ライトカバー、54…ボール、56…ワッシャ、57…支持部材、71…ボール、72…リーフスプリング、73…スリーブ、74…コイルスプリング、75…位置決め部材、76…支持凹部、80…治具、100…蓄光材料部、101…フック部、102…ソケット、103…連結部材、104…連結部材、105…工具ホルダ、106…工具、107…保持溝、108…回転機構、109…工具ホルダ、110…保持孔、111…プレート、112…通信機、113…アナログカウンタ、113A…カウントボタン、113B…表示部、113C…リセットボタン、114…水平器、114A…丸型気泡管、114B…標線、114C…気泡、115…サイドハンドル、200…ハウジング筒部、201…ハウジング爪部、201A…傾斜面、201B…前面、201L…ハウジング爪部、201R…ハウジング爪部、202…フック部材、202A…アーム部、202B…基端部、202C…先端部、202D…フック部、203…収容部、203L…収容部、203R…収容部、204…弾性部材、210…円筒部、211…支持面、220…固定部、301…カバープレート部、302…カバー筒部、303…ピラー部、304…凸部、305…収容部、306…カバー爪部、306L…カバー爪部、306R…カバー爪部、307…中央背板部、308…側方背板部、308L…側方背板部、308R…側方背板部、309…中央下板部、310…側方下板部、310L…側方下板部、310R…側方下板部、311…リブ部、312…係合部、313…孔部、314…ガイド部、314A…円弧部、314B…第1壁部、314C…第2壁部、315…凹部、316…流路、317…開口部、320…凸部、330…ねじ、340…凸部、350…ねじ、AX…回転軸。