IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-会計装置およびプログラム 図1
  • 特開-会計装置およびプログラム 図2
  • 特開-会計装置およびプログラム 図3
  • 特開-会計装置およびプログラム 図4
  • 特開-会計装置およびプログラム 図5
  • 特開-会計装置およびプログラム 図6
  • 特開-会計装置およびプログラム 図7
  • 特開-会計装置およびプログラム 図8
  • 特開-会計装置およびプログラム 図9
  • 特開-会計装置およびプログラム 図10
  • 特開-会計装置およびプログラム 図11
  • 特開-会計装置およびプログラム 図12
  • 特開-会計装置およびプログラム 図13
  • 特開-会計装置およびプログラム 図14
  • 特開-会計装置およびプログラム 図15
  • 特開-会計装置およびプログラム 図16
  • 特開-会計装置およびプログラム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003509
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】会計装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240105BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20240105BHJP
   G06Q 30/0238 20230101ALI20240105BHJP
【FI】
G07G1/12 351B
G07G1/06 B
G06Q30/02 376
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102700
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鹿埜 和生
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142DA04
3E142EA04
3E142EA21
3E142EA23
3E142JA01
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、店舗の会員である顧客の購買意欲を向上させることを可能とする会計装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の会計装置は、取引を行う顧客の情報であって、予め定められた設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクおよび取引前における当該設定期間内の購入金額を取得する取得部と、前記取引における取引金額の算出および決済に係る処理を実行する会計処理部と、前記会計処理部で算出された取引金額およびメッセージを含むレシート情報を出力するレシート情報出力部と、を備え、前記レシート情報出力部は、前記設定期間内の購入金額と前記算出された取引金額とを加算した対象金額が前記取得部によって取得された会員ランクに設定された閾値以上か否かに応じて前記メッセージを決定する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引を行う顧客の情報であって、予め定められた設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクおよび取引前における当該設定期間内の購入金額を取得する取得部と、
前記取引における取引金額の算出および決済に係る処理を実行する会計処理部と、
前記会計処理部で算出された取引金額およびメッセージを含むレシート情報を出力するレシート情報出力部と、を備え、
前記レシート情報出力部は、前記設定期間内の購入金額と前記算出された取引金額とを加算した対象金額が前記取得部によって取得された会員ランクに設定された閾値以上か否かに応じて前記メッセージを決定する、
ことを特徴とする会計装置。
【請求項2】
前記レシート情報出力部は、前記対象金額が前記閾値未満である場合、前記対象金額を含むメッセージを出力し、前記対象金額が前記閾値以上である場合、上位の会員ランクになるまでに必要な購入金額を含むメッセージを出力する、
請求項1に記載の会計装置。
【請求項3】
前記レシート情報出力部は、前記対象金額が前記取得部によって取得された会員ランクより上位の会員ランクに対応するものである場合、取引を行った顧客が当該上位の会員ランクになったことを示すメッセージを出力する、
請求項1または請求項2に記載の会計装置。
【請求項4】
取引を行う顧客の情報であって、予め定められた設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクを取得する取得部と、
前記取引における取引金額の算出および決済に係る処理を実行する会計処理部と、
前記会計処理部で算出された取引金額、および前記取得部が取得した会員ランクの会員が得られる特典の内容を示すメッセージを含むレシート情報を出力するレシート情報出力部と、
を備えることを特徴とする会計装置。
【請求項5】
会計装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
取引を行う顧客の情報であって、予め定められた設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクおよび取引前における当該設定期間内の購入金額を取得する取得部と、
前記取引における取引金額の算出および決済に係る処理を実行する会計処理部と、
前記会計処理部で算出された取引金額およびメッセージを含むレシート情報を出力するレシート情報出力部と、して機能させ、
前記レシート情報出力部は、前記設定期間内の購入金額と前記算出された取引金額とを加算した対象金額が前記取得部によって取得された会員ランクに設定された閾値以上か否かに応じて前記メッセージを決定する、
よう機能させるプログラム。
【請求項6】
会計装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
取引を行う顧客の情報であって、予め定められた設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクを取得する取得部と、
前記取引における取引金額の算出および決済に係る処理を実行する会計処理部と、
前記会計処理部で算出された取引金額、および前記取得部が取得した会員ランクの会員が得られる特典の内容を示すメッセージを含むレシート情報を出力するレシート情報出力部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やサービス(以下、総称して「商品」という)を販売する店舗では、顧客の囲い込みを図るために、会員登録を行った顧客に対して特典を付与するサービスを実施している。例えば、店舗は、会員に対して購入金額に対して所定比率のポイントを付与するサービスなどを展開している。
【0003】
この種のサービスを実施する店舗が発行するレシートには、会員に関する情報が印字されるのが一般的である。会員に関する情報として、取引で会員に付与されるポイント、会員が保有する累計ポイント、会員ランクなどをレシートに印字するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
上記従来技術のレシートは、顧客に対して会員情報を知らせることができるが、当該顧客の購買意欲を向上させる効果が期待できるものではなかった。店舗にとっては、顧客の購買意欲の向上に繋がる内容をレシートに印字することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、店舗の会員である顧客の購買意欲を向上させることを可能とする会計装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の会計装置は、取引を行う顧客の情報であって、予め定められた設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクおよび取引前における当該設定期間内の購入金額を取得する取得部と、前記取引における取引金額の算出および決済に係る処理を実行する会計処理部と、前記会計処理部で算出された取引金額およびメッセージを含むレシート情報を出力するレシート情報出力部と、を備え、前記レシート情報出力部は、前記設定期間内の購入金額と前記算出された取引金額とを加算した対象金額が前記取得部によって取得された会員ランクに設定された閾値以上か否かに応じて前記メッセージを決定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態の店舗システムの概略を示す図である。
図2図2は、実施形態のPOS端末の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される商品マスタのデータ構成を示す図である。
図4図4は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶されるランク設定テーブルのデータ構成を示す図である。
図5図5は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶されるメッセージパターン設定テーブルのデータ構成を示す図である。
図6図6は、実施形態のPOS端末の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態のサーバ装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される会員マスタのデータ構成を示す図である。
図9図9は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される会員情報管理ファイルのデータ構成を示す図である。
図10図10は、実施形態のサーバ装置の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図11図11は、実施形態のPOS端末の制御部による取引処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態のPOS端末が発行するメッセージパターン1のレシートを示す図である。
図13図13は、実施形態のPOS端末が発行するメッセージパターン2のレシートを示す図である。
図14図14は、実施形態のPOS端末が発行するメッセージパターン3のレシートを示す図である。
図15図15は、実施形態のPOS端末が発行するその他のメッセージパターンのレシートを示す図である。
図16図16は、変形例におけるPOS端末の制御部による取引処理の流れを示すフローチャートである。
図17図17は、変形例におけるPOS端末が発行するレシートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態の会計装置およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、店員が商品登録および会計処理に係る操作を行うPOS(Point Of Sales)端末を会計装置とした例について説明するが、これに限らない。会計装置は、顧客が商品登録および会計処理に係る操作を行うセルフPOS端末、店員が登録装置で商品登録に係る操作を行い顧客が会計装置で会計処理に係る操作を行うセミセルフPOSの会計装置、顧客がスマートフォンやタブレット端末を操作して商品登録された情報を取得して会計処理を行う会計装置などとしてもよい。
【0009】
また、以下に説明する実施形態では、レシートを紙レシートとした例について説明するが、これに限らない。レシートは、電子レシートであってもよい。この場合、会計装置は、例えば会計処理機能を有するPOS端末とレシート情報を出力する機能を有するサーバ装置とによって構成されてもよい。
【0010】
図1は、実施形態の店舗システム1の概略を示す図である。本実施形態の店舗システム1は、例えば、アパレル商品など特定のジャンルの商品を中心に販売する専門店や、スーパーマーケットなどの量販店に適用される。店舗システム1は、複数のPOS(Point Of Sales)端末2と、サーバ装置3とを有する。各POS端末2とサーバ装置3とはLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0011】
POS端末2は、店員が商品登録および会計処理に係る操作を行うものである。POS端末2は、店員の操作によって、顧客が購入する商品の商品コードを読取り、読取った商品コードに基づいて取得した商品情報を記憶することによって商品登録を実行する。また、POS端末2は、商品登録された情報に基づいて会計処理を実行する。
【0012】
会計処理は、顧客が支払を行うための処理であって、算出処理、決済処理、レシート発行処理を含む。算出処理は、取引金額を算出する処理等である。決済処理は、算出処理にて算出された取引金額の支払を完了させるための処理で、現金決済においては釣銭の算出および払出等、キャッシュレス決済においては決済用サーバとの通信等を含む。レシート発行処理は、紙レシートあるいは電子レシートを発行するための処理である。POS端末2は、会計装置の一例である。
【0013】
また、POS端末2は、会計処理が完了した取引の取引データをサーバ装置3に送信する。取引データは、取引日時、取引No、取引金額、購入された商品の商品情報、顧客の会員ID等を含む。
【0014】
サーバ装置3は、POS端末2から会計処理にて決済された取引データを受信して管理する。サーバ装置3は、POS端末2から受信した取引データ等に基づいて会員の情報も管理する。サーバ装置3が管理する会員の情報は、予め定められた設定期間(以下、単に「設定期間」ともいう)内、例えば1月1日~1月31日まで間の購入金額や、当該設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクなどである。また、サーバ装置3は、店舗で扱う商品の商品情報を記憶した商品マスタを適宜更新し、各POS端末2に送信する。
【0015】
次に、POS端末2について詳細に説明する。図2は、POS端末2の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末2は、制御部20と、記憶部21と、表示部22と、操作部23と、スキャナ24と、プリンタ25と、カードリーダ26と、釣銭機27と、通信部28と、を備えている。制御部20、記憶部21、表示部22、操作部23、スキャナ24、プリンタ25、カードリーダ26、釣銭機27、および通信部28は、バス29等を介して互いに接続されている。
【0016】
制御部20は、CPU201(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス29を介して互いに接続されている。
【0017】
CPU201はPOS端末2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202や記憶部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶されてRAM203に展開された制御プログラムにしたがって動作することによって、POS端末2の各種制御処理を実行する。
【0018】
また、RAM203は、商品情報部2031および会員情報部2032を備える。商品情報部2031は、顧客が購入する商品の商品情報を記憶する。商品情報部2031に記憶される商品情報は、例えば、スキャナ24が商品に付されたコードシンボルから読取った商品コードに基づいて記憶部21から読み出される。商品情報部2031に商品情報が記憶(登録)されることを商品登録ともいう。
【0019】
会員情報部2032は、顧客が会員である場合に当該顧客の会員情報を記憶する。会員情報部2032に記憶される会員情報は、例えば、取引開始時にスキャナ24が顧客のスマートフォン等に表示されたコードシンボルから読取った会員IDに基づいてサーバ装置3から取得される。あるいは、会員情報部2032に記憶される会員情報は、取引開始時にカードリーダ26が顧客の会員カードから読取った会員IDに基づいてサーバ装置3から取得される。会員情報部2032に記憶される会員情報は、会員ランク、設定期間内の購入金額を含む。
【0020】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部21は、制御プログラム211、商品マスタ212、ランク設定テーブル213、およびメッセージパターン設定テーブル214を記憶する。
【0021】
制御プログラム211は、スキャナ24で読取られた商品コードに基づいて商品登録を行うためのプログラム、商品情報部2031に記憶された情報に基づいて一取引の会計処理を行うためのプログラム、メッセージが印字されたレシートを発行するためのプログラム、サーバ装置3と各種情報を送受信するためのプログラムなどである。
【0022】
商品マスタ212は、店舗が販売する商品の商品情報を記憶したマスタファイルであり、サーバ装置3から送信されて記憶部21に記憶される。店舗で扱う商品は日々変化するため、商品マスタ212は適宜更新される。図3は、商品マスタ212のデータ構成を示す図である。商品マスタ212は、商品コードに対応付けて、商品名、価格、画像を記憶する。
【0023】
商品コードは、商品を識別する商品識別情報である。商品名は、商品の名称である。価格は、商品の価格である。価格に登録される金額は、税込価格でも税抜価格でもよい。画像は、商品の外観を示す画像データである。
【0024】
ランク設定テーブル213は、会員ランクに関する情報を記憶するテーブルである。ランク設定テーブル213に登録される各情報は店舗が任意に設定することができる。図4は、ランク設定テーブル213のデータ構成を示す図である。ランク設定テーブル213は、会員ランクに対応付けて、ランク条件、閾値、および特典を記憶する。
【0025】
会員ランクは、会員のランクを示すものであり、設定期間内における会員の購入金額に応じて決定される。本実施形態では、会員ランクはA、B、Cの3ランクが設定されている。ランク条件は、会員ランクを決定するための条件である。図4は、設定期間内の顧客の購入金額が10万円以上であれば最上位の会員ランクAとなり、5万円以上10万円未満であれば次位の会員ランクBとなり、5万円未満であれば最下位の会員ランクCとなることを示している。設定期間は月初から月末までの1ヶ月間となっている。なお、会員となるには所定の会員登録の手続きが必要となっている。
【0026】
閾値は、会員ランクに設定された値である。閾値は、最上位の会員ランクAには設定されていない。閾値は、POS端末2がレシートに印字するメッセージを決定する際に参照される。特典は、各会員ランクの会員が得られる特典である。本実施形態では、会員ランクに応じてポイントの還元率が設定されている。ポイントは、次回以降の買物で利用できる金銭相当の価値を有するものであり、店舗が会員に付与する特典の一例である。還元率は、購入金額に対してポイントが付与される率であり、会員が得られる特典の内容であるということができる。
【0027】
メッセージパターン設定テーブル214は、レシートに印字するメッセージの内容を条件毎に記憶するテーブルである。メッセージパターン設定テーブル214に登録される各情報は店舗が任意に設定することができる。図5は、メッセージパターン設定テーブル214のデータ構成を示す図である。メッセージパターン設定テーブル214は、パターンNoに対応付けて、条件、および内容を記憶する。
【0028】
パターンNoは、レシートに印字されるメッセージのパターンを特定する番号である。条件は、パターンNoを選択するための条件である。内容は、メッセージの内容を示す情報である。本実施形態においては、取引を終了した時点における設定期間内の購入金額(以下、「対象金額」ともいう)が当該時点での会員ランクのランク条件の上限値以上である場合、次のランクに到達したことを示す内容のメッセージであるメッセージパターン1が選択される。また、会員ランクが最上位の会員ランクAである場合、または、対象金額がその時点での会員ランクの閾値未満である場合、当該対象金額を通知する内容のメッセージであるメッセージパターン2が選択される。対象金額がその時点での会員ランクの閾値以上かつ会員条件上限値未満である場合、上位の会員ランクに到達するまでに必要な購入金額を通知する内容のメッセージであるメッセージパターン3が選択される。
【0029】
ここで、商品マスタ212、ランク設定テーブル213、およびメッセージパターン設定テーブル214は、記憶部21でなく例えばサーバ装置3などの外部装置に記憶されていてもよい。この場合、POS端末2は、外部装置に記憶された商品マスタ、ランク設定テーブル、メッセージパターン設定テーブルを参照することで、商品マスタ212、ランク設定テーブル213、およびメッセージパターン設定テーブル214を記憶部21に記憶した場合と同様の処理を実行することができる。
【0030】
図2に戻って、POS端末2のハードウェア構成を説明する。
【0031】
表示部22は、表示デバイスであり、液晶ディスプレイなどで構成される。表示部22は、制御部20の制御の下、各種情報を表示する。例えば、表示部22は、商品登録された商品の商品情報や、取引金額(一取引の合計金額)などを表示する。
【0032】
操作部23は、入力デバイスであり、表示部22の表面に設けられたタッチパネル、表示部22とは別に設けられたキーボードなどで構成される。操作部23は、店員等の操作により入力された各種情報を制御部20に入力する。例えば、操作部23は、会計処理の開始を指示する取引開始入力を制御部20に入力する。
【0033】
スキャナ24は、商品に付されたバーコードなどのコードシンボル(以下、「商品バーコード」ともいう)から商品コードを読取る。具体的には、スキャナ24は、商品バーコードを光学的にまたは撮像して認識する。そして、スキャナ24は、認識した商品バーコードをデコードし、当該商品バーコードが示す商品コードを読み取る。なお、スキャナ24が認識した商品バーコードのデコードは、制御部20で行ってもよい。また、スキャナ24は、例えば顧客が携帯するスマートフォンに表示されたバーコードから店舗会員の会員IDを読取る。会員IDは、会員を識別する会員識別情報の一例である。スキャナ24は、POS端末2に固定的に設けられたものでもよいし、店員が手に取って操作可能なハンディ式のものでもよい。
【0034】
プリンタ25は、制御部20の制御の下、一取引に係るレシートを印字して発行する。プリンタ25は、レシートに取引金額を含む取引情報や各種メッセージを印字する。例えば、プリンタ25は、設定期間内の購入金額を含むメッセージ、上位の会員ランクになるまでに必要な購入金額を含むメッセージ、顧客が上位の会員ランクになったことを示すメッセージなどをレシートに印字する。
【0035】
カードリーダ26は、各種カードから情報を読取る。例えば、カードリーダ26は、顧客のクレジットカードからクレジットカード決済に必要な顧客情報を読取る。また、カードリーダ26は、顧客が所有する会員カードから会員IDを読取る。カードリーダ26は、磁気カードから情報を読取る磁気カードリーダでもよいし、ICチップを内蔵したカードから情報を読取るICカードリーダでもよい。
【0036】
釣銭機27は、顧客が購入代金を現金で支払った際に、顧客の支払った紙幣と硬貨を受け付け、必要に応じて釣り銭を払い出す。
【0037】
通信部28は、サーバ装置3などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部28を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0038】
続いて、POS端末2の制御部20の機能構成について説明する。図6は、POS端末2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部2001、入力部2002、登録部2003、会計処理部2004、比較部2005、レシート情報出力部2006、および表示制御部2007として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0039】
送受信部2001は、サーバ装置3等との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部2001は、取引開始時に入力部2002に入力された会員IDをサーバ装置3に送信する。そして、送受信部2001は、送信した会員IDで識別される会員の会員ランクや取引前における設定期間内の購入金額を含む会員情報をサーバ装置3から受信する。送受信部2001は、取引を行う会員の会員ランク、および設定期間内の購入金額を取得する取得部として機能する。
【0040】
入力部2002には、操作部23、スキャナ24、およびカードリーダ26から各種情報が入力される。例えば、入力部2002には、スキャナ24あるいはカードリーダ26から会員IDが入力される。また、入力部2002には、スキャナ24から商品コードが入力される。さらに、入力部2002には、操作部23から会計処理の開始を指示する取引開始入力が入力される。
【0041】
登録部2003は、商品登録を実行する。具体的には、登録部2003は、入力部2002に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出して商品情報部2031に登録(記憶)する。また、登録部2003は、送受信部2001がサーバ装置3から受信した会員ランクおよび設定期間内の購入金額を会員情報部2032に登録する。
【0042】
会計処理部2004は、商品情報部2031に記憶された情報に基づいて一取引の取引金額を算出する。また、会計処理部2004は、算出した取引金額と、送受信部2001が受信した取引前における設定期間内の購入金額とを加算して対象金額を算出する。対象金額は、取引後における設定期間内の購入金額である。
【0043】
会計処理部2004は、算出した取引金額の支払を完了させるための決済処理を実行する。顧客が現金決済による支払を行う場合、会計処理部2004は、釣銭機27に投入された金額から取引金額を差し引いて釣銭を算出し、算出した釣銭を釣銭機27から払い出させる。また、顧客がキャッシュレス決済による支払を行う場合、会計処理部2004は、送受信部2001を介して決済サーバと通信する。
【0044】
会計処理部2004は、取引の決済が完了すると、レシートに印字させるレシート情報をレシート情報出力部2006からプリンタ25に出力させる。プリンタ25は、入力されたレシート情報に基づいてレシートを印字して発行する。
【0045】
比較部2005は、会計処理部2004が算出した対象金額と、ランク設定テーブル213に記憶された閾値とを比較する。対象金額と比較する閾値は、送受信部2001が受信した会員ランクに対して設定された閾値である。なお、比較部2005は、送受信部2001が受信した会員ランクが最上位の会員ランクAである場合、対象金額と閾値との比較は行わない。
【0046】
比較部2005は、会計処理部2004が算出した対象金額と、ランク設定テーブル213に記憶された条件の上限値との比較も行う。対象金額と比較する条件の上限値は、送受信部2001が受信した会員ランクに対して設定された条件の上限値である。例えば、送受信部2001が受信した会員ランクが会員ランクCである場合、比較部2005は、対象金額と5万円とを比較する。また、送受信部2001が受信した会員ランクが会員ランクBである場合、比較部2005は、対象金額と10万円とを比較する。なお、比較部2005は、送受信部2001が受信した会員ランクが最上位の会員ランクAである場合、対象金額と条件の上限値との比較は行わない。
【0047】
レシート情報出力部2006は、レシート情報をプリンタ25に出力する。レシート情報は、プリンタ25がレシートを印字するための情報、あるいは会員の端末装置が電子レシートを表示するための情報であって、取引に係る情報およびメッセージを含む。レシート情報出力部2006は、比較部2005による比較結果に応じてレシート情報に含めるメッセージを決定する。具体的には、レシート情報出力部2006は、メッセージパターン設定テーブル214を参照して、比較部2005による比較の結果に応じたメッセージパターンを選択してメッセージを決定する。
【0048】
例えば、比較部2005による比較の結果、対象金額が閾値よりも小さい場合、レシート情報出力部2006は、メッセージパターン設定テーブル214を参照して条件に合致するメッセージパターン2を選択する。これにより、レシート情報出力部2006は、レシート情報に含めるメッセージを、対象金額を通知する内容のメッセージに決定する。
【0049】
また、比較部2005による比較の結果、対象金額が閾値以上かつ会員条件上限値未満である場合、レシート情報出力部2006は、メッセージパターン設定テーブル214を参照して条件に合致するメッセージパターン3を選択する。これにより、レシート情報出力部2006は、レシート情報に含めるメッセージを、上位の会員ランクまでに必要な購入金額を通知する内容のメッセージに決定する。
【0050】
同様に、比較部2005による比較の結果、対象金額が会員条件上限値以上である場合、レシート情報出力部2006は、メッセージパターン設定テーブル214を参照して条件に合致するメッセージパターン1を選択する。これにより、レシート情報出力部2006は、レシート情報に含めるメッセージを、上位の会員ランクに到達したことを通知する内容のメッセージに決定する。
【0051】
そして、レシート情報出力部2006は、会計処理部2004で算出された取引金額および決定したメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力する。プリンタ25は、入力されたレシート情報に基づいてレシートを印字する。なお、レシート情報出力部2006は、会計処理部2004で算出された取引金額および決定したメッセージを含むレシート情報を、会員が所有する端末装置に電子レシートを送信する電子レシートサーバ(図示せず)に出力してもよい。
【0052】
表示制御部2007は、表示部22に各種情報を表示させる。例えば、表示制御部2007は、商品登録された商品の商品情報や一取引の取引金額などを表示部22に表示させる。
【0053】
次に、サーバ装置3について詳細に説明する。図7は、サーバ装置3の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部30と、記憶部31と、表示部32と、操作部33と、通信部34と、を備えている。制御部30、記憶部31、表示部32、操作部33、および通信部34は、バス35等を介して互いに接続されている。
【0054】
制御部30は、CPU301、ROM302、RAM303を備えたコンピュータ構成となっている。CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス35を介して互いに接続されている。
【0055】
CPU301はサーバ装置3の全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用され、ROM302や記憶部31に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部30は、CPU301がROM302や、記憶部31に記憶されRAM303に展開された制御プログラムにしたがって動作することによって、サーバ装置3の各種制御処理を実行する。
【0056】
記憶部31は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部31は、制御プログラム311、会員マスタ312、会員情報管理ファイル313、および商品マスタ314を記憶する。
【0057】
制御プログラム311は、POS端末2から取引データを取得するためのプログラム、取得した取引データに基づいて会員情報を管理するためのプログラム、POS端末2から受信した会員IDに対応する会員情報を抽出して当該POS端末2に送信するためのプログラムなどである。
【0058】
会員マスタ312は、店舗会員の情報すなわち顧客の情報を記憶するマスタファイルである。図8は、会員マスタ312のデータ構成を示す図である。会員マスタ312は、会員IDに対応付けて、氏名、性別、年齢、および通知先を記憶する。通知先は、例えば会員が所有する端末のメールアドレスである。
【0059】
会員情報管理ファイル313は、会員情報を管理するファイルである。会員情報管理ファイル313は、POS端末2から受信した取引データに基づいて更新される。図9は、会員情報管理ファイル313のデータ構成を示す図である。会員情報管理ファイル313は、会員IDと会員情報とを対応付けて記憶する。会員IDに対応付けられる会員情報は、会員ランクと当月購入額とである。
【0060】
会員ランクは、店舗会員のランクを示すものであって、設定期間内の店舗における購入金額に応じて決定される。会員ランクは、毎月の購入金額に応じて翌月の会員ランクを変更してもよいし、設定期間中にランク条件を満たした場合直ちに会員ランクがアップするようにしてもよい。例えば、会員ランクCの会員の1月の購入額が1月20日時点で5万円を超えた場合、当該会員の会員ランクを2月から会員ランクBとしてもよいし、1月20日から会員ランクBとしてもよい。また、一度設定された会員ランクは下位の会員ランクにダウンしないようにしてもよいし、毎月の購入金額によってはダウンするようにしてもよい。当月購入額は、当月(設定期間)の店舗での購入合計金額である。
【0061】
商品マスタ314は、POS端末2の商品マスタ212と同様の構成である。このため、重複する説明は省略する。
【0062】
図7に戻ってサーバ装置3のハードウェア構成について説明する。
【0063】
表示部32は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。表示部32は、例えば会員マスタ312、会員情報管理ファイル313、商品マスタ314に記憶された情報を必要に応じて表示する。
【0064】
操作部33は、制御部30に情報を入力するためのもので、キーボード、タッチパネル、マウスなどで構成される。
【0065】
通信部34は、POS端末2などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部30は、通信部34を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0066】
続いて、サーバ装置3の制御部30の機能構成について説明する。図10は、サーバ装置3の制御部30の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部30は、CPU301がROM302や記憶部31に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部3001、入力部3002、およびデータ管理部3003として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0067】
送受信部3001は、POS端末2との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部3001は、取引の開始時にPOS端末2から当該取引を行う会員の会員IDを受信し、当該会員IDで識別される会員の会員ランクおよび当月購入額を当該POS端末2に送信する。また、送受信部3001は、取引の終了時にPOS端末2から取引データを受信する。
【0068】
入力部3002には、操作部33から各種情報が入力される。例えば、入力部3002には、会員マスタ312、会員情報管理ファイル313、商品マスタ314を手動で更新する場合に、更新するための情報が入力される。
【0069】
データ管理部3003は、記憶部31に記憶される各種データの登録、更新を行う。また、データ管理部3003は、記憶部31に記憶された情報を必要に応じて読み出す。例えば、データ管理部3003は、送受信部3001がPOS端末2から取引データを受信すると、当該取引データに基づいて会員情報管理ファイル313を更新する。また、データ管理部3003は、送受信部3001がPOS端末2から会員IDを受信すると、当該会員IDに対応する会員ランクおよび当月購入額を会員情報管理ファイル313から抽出する。
【0070】
上記構成の店舗システム1において、取引時にPOS端末2が実行する取引処理について説明する。図11は、POS端末2の制御部20による取引処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
制御部20は、入力部2002に取引開始入力がなされたか否か判断し(ステップS1)、入力されていなければ(ステップS1のN)、ステップS1の処理に戻って待機する。
【0072】
入力部2002に取引開始入力がなされると(ステップS1のY)、制御部20は、入力部2002に会員IDが入力されたか否か判断する(ステップS2)。言い換えれば、制御部20は、取引を行う顧客が会員であるか否か判断する。
【0073】
入力部2002に会員IDが入力されると(ステップS2のY)、送受信部2001は、入力された会員IDをサーバ装置3に送信する(ステップS3)。続いて、制御部20は、送受信部2001がサーバ装置3から会員情報を受信したか否か判断し(ステップS4)、受信していなければ(ステップS4のN)、ステップS4の処理に戻って待機する。
【0074】
送受信部2001が会員情報を受信すると(ステップS4のY)、登録部2003は、会員情報部2032に会員情報を登録する(ステップS5)。具体的には、登録部2003は、入力部2002に入力された会員IDに会員ランクと当月購入額とを対応付けて会員情報部2032に記憶する。
【0075】
次いで、制御部20は、入力部2002に商品コードが入力されたか否か判断し(ステップS6)、入力されていなければ(ステップS6のN)、ステップS6の処理に戻って待機する。
【0076】
入力部2002に商品コードが入力されると(ステップS6のY)、登録部2003は、商品登録を実行する(ステップS7)。具体的には、登録部2003は、入力部2002に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出して、商品情報部2031に記憶する。
【0077】
続いて、制御部20は、入力部2002に会計指示入力がなされたか否か判断し(ステップS8)、入力されなければ(ステップS8のN)、ステップS6の処理に戻る。入力部2002に会計指示入力がなされると(ステップS8のY)、会計処理部2004は、算出処理および決済処理を実行する(ステップS9)。具体的には、会計処理部2004は、商品情報部2031に記憶された情報に基づいて取引金額を算出し、顧客が希望する決済方法による支払を行うための決済処理を行う。
【0078】
次いで、制御部20は、会員情報部2032に会員情報が登録されているか否か判断する(ステップS10)。言い換えれば、制御部20は、取引を行った顧客が会員であるか否かを判断する。
【0079】
会員情報部2032に会員情報が登録されていると(ステップS10のY)、会計処理部2004は、対象金額を算出する。具体的には、会計処理部2004は、ステップS9の処理にて算出した取引金額と、会員情報部2032に記憶された当月購入額とを加算することによって対象金額を算出する。
【0080】
続いて、制御部20は、会員情報部2032に記憶された会員ランクが会員ランクAでないか否か判断する(ステップS12)。会員ランクAでないと(ステップS12のY)、すなわち会員ランクBまたは会員ランクCであると、比較部2005は、対象金額と閾値とを比較して、対象金額が閾値以上か否か判断する(ステップS13)。具体的には、比較部2005は、ステップS11の処理にて算出された対象金額と、ランク設定テーブル213において会員情報部2032に記憶された会員ランクに対応する閾値と、を比較する。
【0081】
対象金額が閾値以上であると(ステップS13のY)、比較部2005は、対象金額とランク上限値とを比較して、対象金額がランク上限値以上か否か判断する(ステップS14)。具体的には、比較部2005は、ステップS11の処理にて算出された対象金額と、ランク設定テーブル213において会員ランクに対応するランク条件の上限値と、を比較する。
【0082】
対象金額がランク上限値以上であると(ステップS14のY)、レシート情報出力部2006は、メッセージパターン設定テーブル214からメッセージパターン1を選択し、新会員ランクに係るメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力してレシートを印字させる(ステップS15)。具体的には、レシート情報出力部2006は、顧客が上位の会員ランクに到達したことを示すメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力する。
【0083】
レシートの発行が完了すると、送受信部2001は、取引データをサーバ装置3に送信する(ステップS16)。このとき、送受信部2001は、併せて新会員ランクをサーバ装置3に送信してもよい。そして、制御部20は取引処理を終了する。
【0084】
ステップ2の処理において、会員IDが入力されない場合(ステップS2のN)、制御部20は、ステップS6の処理に移行する。会員IDが入力されない場合、制御部20は、取引を行う顧客が会員でないと判断して会員情報の登録に係る処理をスキップして、商品コードが入力されるまで待機する。
【0085】
ステップS10の処理において、会員情報の登録がない場合(ステップS10のN)、レシート情報出力部2006は、会員情報に係るメッセージを含まないレシート情報をプリンタ25に出力してレシートを印字させる(ステップS17)。会員情報の登録がない場合、レシート情報出力部2006は、会員でない顧客による取引であると判断して会員情報に係るメッセージを含まないレシート情報をプリンタ25に出力する。そして、制御部20は、ステップS16の処理に移行する。
【0086】
ステップS12の処理において、会員ランクAである場合(ステップS12のN)、レシート情報出力部2006は、メッセージパターン設定テーブル214からメッセージパターン2を選択し、対象金額に係るメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力してレシートを印字させる(ステップS18)。具体的には、レシート情報出力部2006は、顧客の対象金額を通知するメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力する。そして、制御部20は、ステップS16の処理に移行する。
【0087】
ステップS13の処理において、対象金額が閾値未満である場合(ステップS13のN)、制御部20は、ステップS18の処理に移行する。対象金額が閾値未満である場合、レシート情報出力部2006は、メッセージパターン設定テーブル214からメッセージパターン2を選択し、対象金額に係るメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力してレシートを印字させる。
【0088】
ステップS14の処理において、対象金額がランク上限値未満である場合(ステップS14のN)、レシート情報出力部2006は、メッセージパターン設定テーブル214からメッセージパターン3を選択し、上位の会員ランクまでに必要な購入金額に係るメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力してレシートを印字させる(ステップS19)。具体的には、レシート情報出力部2006は、顧客が上位の会員ランクに到達するまでに必要な購入金額を通知するメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力する。そして、制御部20は、ステップS16の処理に移行する。
【0089】
上記取引処理により、POS端末2は、顧客による購入代金の支払いを完了させるとともに、会員に対して当月の購入実績に応じたメッセージをレシートに印字することができる。
【0090】
ここで、プリンタ25が印字するレシートについて説明する。図12は、メッセージパターン1が選択された際に印字されるレシートの一例を示す図である。レシートには、店舗情報領域A、商品情報領域B、特典情報領域C、およびメッセージ領域Wが形成されている。
【0091】
店舗情報領域Aには、店舗名や企業名、広告など店舗が発信したい情報、取引年月日、会計処理を実行したレジ(POS端末)の番号、レジ担当者の氏名や従業員番号などが印字される。商品情報領域Bには、購入された商品の商品名や点数、商品毎の購入金額、税額、合計金額、釣銭額などが印字される。特典情報領域Cには、顧客である会員のポイントに関する情報が印字される。具体的には、今回の取引においてポイント対象となった金額、会員が前回の取引までに所有していたポイント数、今回の取引で付与されたポイント数、前回までのポイントと今回のポイントを合算した累計ポイント数などが印字される。
【0092】
メッセージ領域Wには、会員番号(会員ID)、軽減税率適用商品を説明するためのメッセージ、レシート番号、店番号などが印字される。またメッセージ領域Wには、顧客である会員の対象金額に応じて決定されるメッセージWAが印字される。メッセージWAは、上位の会員ランクに到達したことを通知するメッセージとして、「△△会員様、おめでとうございます。○○会員様となりました。」等のメッセージが印字される。ここで、例えば△△会員は会員ランクCの会員を示し、○○会員は1ランク上の会員ランクBの会員を示す。
【0093】
POS端末2は、メッセージパターン1のレシートを印字して発行することにより、顧客に対して会員ランクがアップしたことを知らせることができる。言い換えれば、POS端末2は、今後店舗から受ける特典が増えることを顧客に認識させることができ、顧客の購買意欲を向上させることができる。
【0094】
続いて、メッセージパターン2のレシートについて説明する。図13は、メッセージパターン2が選択された際に印字されるレシートの一例を示す図である。なお、図12に示すメッセージパターン1のレシートと同様な点については、同一符号を付し説明を省略する。図14図15図17のレシートについても同様とする。
【0095】
レシートには、メッセージ領域Xが形成される。メッセージ領域Xには、顧客である会員の対象金額に応じて決定されるメッセージXAが印字される。メッセージXAは、対象金額を通知するメッセージとして、「△△会員様、ありがとうございます。今月のご購入金額は○○円です。」等のメッセージが印字される。
【0096】
POS端末2は、メッセージパターン2のレシートを印字して発行することにより、顧客に対して当月の購入金額である対象金額を知らせることができる。
【0097】
続いて、メッセージパターン3のレシートについて説明する。図14は、メッセージパターン3が選択された際に印字されるレシートの一例を示す図である。
【0098】
レシートには、メッセージ領域Yが形成される。メッセージ領域Yには、顧客である会員の対象金額に応じて決定されるメッセージYAが印字される。メッセージYAは、上位の会員ランクまでに必要な購入金額を通知するメッセージとして、「△△会員様、ありがとうございます。月末までにあと○○円のお買上げで○○会員様となります。」等のメッセージが印字される。
【0099】
POS端末2は、メッセージパターン3のレシートを印字して発行することにより、顧客に対して会員ランクをアップさせるために必要な購入金額を知らせることができる。これにより、顧客に会員ランクのアップを促すことができ、顧客の購買意欲を向上させることができる。しかも、会員ランクをアップさせるために必要な購入金額が大きい場合には対象金額を通知し、当該必要な購入金額が小さくなるとメッセージを切換える。このため、上位の会員ランクへアップする条件に近づいたことを顧客に実感させることができ、この点においても顧客の購買意欲を向上させることができる。
【0100】
続いて、会員でない顧客に対するレシートについて説明する。図15は、会員でない顧客に対するレシート一例を示す図である。
【0101】
レシートには、メッセージ領域Zが形成される。メッセージ領域Zには、顧客である会員の対象金額に応じて決定されるメッセージは印字されない。また、特典情報領域Cの各項目にはポイント等が印字されない。
【0102】
(変形例)
次に、変形例について説明する。変形例では、レシートに会員が得られる特典の内容を示すメッセージを印字するようにしたものである。
【0103】
図16は、変形例におけるPOS端末2の制御部20による取引処理の流れを示すフローチャートである。なお、図11に示す取引処理と同様の処理については、同一符号を付し説明を省略する。ステップS1~ステップS10の処理は、図11と同様である。
【0104】
会員情報部2032に会員情報が登録されていると(ステップS10のY)、レシート情報出力部2006は、会員情報部2032に記憶されている会員ランクに対応する特典をランク設定テーブル213から読み出し、読み出した特典を含むレシート情報をプリンタ25に出力してレシートを印字させる(ステップS21)。具体的には、レシート情報出力部2006は、会員ランクに対応したポイント還元率を示すメッセージを含むレシート情報をプリンタ25に出力する。そして、制御部20はステップS16の処理に移行する。
【0105】
会員情報部2032に会員情報の登録がない場合(ステップS10のN)、レシート情報出力部2006は、会員情報に係るメッセージを含まないレシート情報をプリンタ25に出力してレシートを印字させる(ステップS22)。このとき印字されるレシートは図15に示すレシートである。そして、制御部20はステップS16の処理に移行する。
【0106】
ここで、ステップS21の処理で印字されるレシートについて説明する。図17は、ステップS21の処理で印字されるレシートの一例を示す図である。
【0107】
レシートには、メッセージ領域Dが形成される。メッセージ領域Dには、顧客である会員の会員ランクの特典を通知するメッセージDAが印字される。メッセージDAは、会員ランクの特典を通知するメッセージとして、「△△会員様、ありがとうございます。△△会員様のポイント還元率は○○です。」等のメッセージが印字される。
【0108】
POS端末2は、顧客の会員ランクの特典を示すレシートを印字して発行することにより、顧客に対して当該顧客が得られる特典を知らせることができる。これにより、顧客の購買意欲を向上させることができる。
【0109】
以上説明したとおり、実施形態のPOS端末2は、取引を行う顧客の情報であって、予め定められた設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクおよび取引前における当該設定期間内の購入金額を取得する送受信部2001と、前記取引における取引金額の算出および決済に係る処理を実行する会計処理部2004と、会計処理部2004で算出された取引金額およびメッセージを含むレシート情報を出力するレシート情報出力部2006と、を備え、レシート情報出力部2006は、前記設定期間内の購入金額と前記算出された取引金額とを加算した対象金額が送受信部2001によって取得された会員ランクに設定された閾値以上か否かに応じて前記メッセージを決定する。
【0110】
これにより、POS端末2は、上位の会員ランクへアップする条件に近づいたことを顧客に実感させることができ、顧客の購買意欲を向上させることが可能となる。
【0111】
また、実施形態のPOS端末2において、レシート情報出力部2006は、対象金額が閾値未満である場合、対象金額を含むメッセージを出力し、対象金額が前記閾値以上である場合、上位の会員ランクになるまでに必要な購入金額を含むメッセージを出力する。
【0112】
これにより、POS端末2は、顧客の購入金額が上位の会員ランクへアップする条件に近づいた場合に顧客に対して上位の会員ランクになるまでに必要な購入金額を通知することで、顧客の購買意欲を向上させることが可能となる。
【0113】
さらに、実施形態のPOS端末2において、レシート情報出力部2006は、対象金額が送受信部2001によって取得された会員ランクより上位の会員ランクに対応するものである場合、取引を行った顧客が当該上位の会員ランクになったことを示すメッセージを出力する。
【0114】
これにより、POS端末2は、通常の取引で発行されるレシートによって、顧客に対して上位の会員ランクになったことを通知することができる。このため、顧客に対して別途会員ランクを通知する必要がなく、店舗の会員サービスの運用を容易にすることができる。
【0115】
また、実施形態のPOS端末2は、取引を行う顧客の情報であって、予め定められた設定期間内の購入金額に応じて決定される会員ランクを取得する送受信部2001と、前記取引における取引金額の算出および決済に係る処理を実行する会計処理部2004と、会計処理部2004で算出された取引金額、および送受信部2001が取得した会員ランクの会員が得られる特典の内容を示すメッセージを含むレシート情報を出力するレシート情報出力部2006と、を備える。
【0116】
これにより、POS端末2は、顧客が取引を行うたびに当該顧客に対して会員の特典を通知することができる。このため、POS端末2は、顧客が受けられる特典を取引のたびに当該顧客に対して認識させることで、顧客の購買意欲を向上させることができる。
【0117】
なお、上記実施形態において、POS端末2およびサーバ装置3の各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0118】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0119】
2 POS端末(会計装置)
2001 送受信部(取得部)
2004 会計処理部
2006 レシート情報出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2002-15378号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17