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特開2024-35107情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035107
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130728
(22)【出願日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2022138049
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】307021210
【氏名又は名称】HRソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】武井 繁
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】食材の生産者、店舗、及び店内設備を対象として、顧客がチップを支払うことができる技術を提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、顧客がチップを支払うことができるチップ対象として、少なくとも店舗従業員、店舗が使用する食材の生産者、店舗、及び店内設備を含む前記チップ対象の情報を顧客端末に出力するチップ対象出力手段と、前記顧客が前記チップ対象から選択した前記チップを支払うチップ候補と、前記顧客が支払うチップ額を取得するチップ情報取得手段と、前記チップを配分する配分ルールを記憶する配分ルール記憶手段と、前記顧客が選択した前記チップ候補及び前記配分ルールに基づいて、前記チップ額を配分するチップ取得者及び前記チップ取得者の配分額を決定するチップ配分決定手段と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客がチップを支払うことができるチップ対象として、少なくとも店舗従業員、店舗が使用する食材の生産者、店舗、及び店内設備を含む前記チップ対象の情報を顧客端末に出力するチップ対象出力手段と、
前記顧客が前記チップ対象から選択した前記チップを支払うチップ候補と、前記顧客が支払うチップ額を取得するチップ情報取得手段と、
前記チップを配分する配分ルールを記憶する配分ルール記憶手段と、
前記顧客が選択した前記チップ候補及び前記配分ルールに基づいて、前記チップ額を配分するチップ取得者及び前記チップ取得者の配分額を決定するチップ配分決定手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記店舗従業員の勤怠情報を取得する勤怠情報取得手段をさらに備え、
前記配分ルールは、取得した前記店舗従業員の勤怠情報に基づく第1a配分ルールを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記店舗従業員の移動情報を取得する移動情報取得手段をさらに備え、
前記配分ルールは、取得した前記店舗従業員の移動情報に基づく第1b配分ルールを含む
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記顧客がサービスの提供を受ける前に前記店舗従業員を前記チップ候補として選択した場合に、選択された前記チップ候補である前記店舗従業員に、前記顧客への前記サービスを提供させる指示を出力する指示手段をさらに備える、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記店舗従業員の移動情報を取得する移動情報取得手段と、
前記店舗従業員の業務割当情報及び属性情報を取得する業務及び属性情報取得手段と、
取得した前記移動情報、業務割当情報及び属性情報に基づき、前記顧客へのサービスを提供する店舗従業員を特定する店舗従業員特定手段と、
特定された前記店舗従業員に対して、前記顧客へのサービスを提供させる指示を出力する指示手段と、をさらに備える、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記チップ情報取得手段は、さらに、前記顧客により設定された前記チップ候補毎の前記チップ額を取得する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記配分ルールは、前記チップ額の配分割合を少なくとも規定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記配分ルールは、前記食材の生産者が前記チップ候補の一つである場合に、前記食材の生産者に支払うとした前記チップ額のすべてを前記食材の生産者が取得するとする第2配分ルールと、前記店舗が前記チップ候補の一つである場合に、前記店舗に支払うとしたチップ額を前記店舗従業員の均等割りとすることができる第3配分ルールと、前記店内設備が前記チップ候補の一つである場合に、前記店内設備に支払うとした前記チップ額を、前記店内設備を担当する前記店舗従業員に配分することができる第4配分ルール、の少なくとも一つを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記店舗従業員が取得した前記チップの取得額及び前記店舗従業員の労働時間に基づいて、単位時間あたりのチップ取得額を算出する変動時給算出手段と、
前記店舗従業員の時給と単位時間当たりのチップ取得額とを合算する時給合算手段と、をさらに備える、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記チップ取得者より、前記チップを支払った前記顧客に対するメッセージを取得するメッセージ取得手段と、
取得した前記メッセージを前記顧客端末に出力するメッセージ出力手段と、をさらに備える、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置の制御方法であって、
顧客がチップを支払うことができるチップ対象として、少なくとも店舗従業員、店舗が使用する食材の生産者、店舗、及び店内設備を含む前記チップ対象の情報を顧客端末に出力するチップ対象出力ステップと、
前記顧客が前記チップ対象から選択した前記チップを支払うチップ候補と、前記顧客が支払うチップ額を取得するチップ情報取得ステップと、
前記チップを配分する配分ルールを記憶する配分ルール記憶ステップと、
前記顧客が選択した前記チップ候補及び前記配分ルールに基づいて、前記チップ額を配分するチップ取得者及び前記チップ取得者の配分額を決定するチップ配分決定ステップと、
を有する制御方法。
【請求項12】
情報処理装置のコンピュータプログラムであって、
顧客がチップを支払うことができるチップ対象として、少なくとも店舗従業員、店舗が使用する食材の生産者、店舗、及び店内設備を含む前記チップ対象の情報を顧客端末に出力するチップ対象出力ステップと、
前記顧客が前記チップ対象から選択した前記チップを支払うチップ候補と、前記顧客が支払うチップ額を取得するチップ情報取得ステップと、
前記チップを配分する配分ルールを記憶する配分ルール記憶ステップと、
前記顧客が選択した前記チップ候補及び前記配分ルールに基づいて、前記チップ額を配分するチップ取得者及び前記チップ取得者の配分額を決定するチップ配分決定ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の配分ルールに基づいて顧客が支払ったチップを複数の関係者に配分する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-79673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、食材の生産者、店舗、及び店内設備を対象として、顧客がチップを支払うことができなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、店舗従業員、食材の生産者、店舗、及び店内設備を対象として、顧客がチップを支払うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
顧客がチップを支払うことができるチップ対象として、少なくとも店舗従業員、店舗が使用する食材の生産者、店舗、及び店内設備を含む前記チップ対象の情報を顧客端末に出力するチップ対象出力手段と、
前記顧客が前記チップ対象から選択した前記チップを支払うチップ候補と、前記顧客が支払うチップ額を取得するチップ情報取得手段と、
前記チップを配分する配分ルールを記憶する配分ルール記憶手段と、
前記顧客が選択した前記チップ候補及び前記配分ルールに基づいて、前記チップ額を配分するチップ取得者及び前記チップ取得者の配分額を決定するチップ配分決定手段と、
を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、食材の生産者、店舗、及び店内設備を対象として、顧客がチップを支払うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置としてのサーバを含む情報処理システムにより提供されるサービスの概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムに関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
図3図2の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図2の情報処理システムのうち、サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図2の情報処理システムのうち、サーバが実行するチップ配分決定処理の一例を示すフローチャートである。
図6】チップの配分ルールの一例を示す図である。
図7】店舗従業員の勤務情報の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における各機能の概要を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理装置における、チップ配分ルールの振り分け処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
<概要>
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置としてのサーバを含む情報処理システムにより提供されるサービス(以下、本サービスという)の概要を示す図である。
本サービスでは、顧客が、例えば食材の生産者、店舗従業員、店舗、及び店内設備を対象として、チップを支払うことができることが特徴である。また、チップを支払う対象に含まれる店舗従業員に関しては、顧客が支払ったチップ額を店舗従業員に配分するに際して、店舗従業員の勤怠情報及び移動情報などを含む勤務情報が考慮されることも、本サービスの特徴である。
図1を説明する。図1は、顧客Cがチップ制を採用する飲食店を利用し、チップ対象に対してチップを支払う場合に、本サービスに係る情報処理装置(図1においてサーバ1)によりチップ取得者及びチップ取得者の配分額が決定されるまでをイメージしている。
まず、サーバ1が顧客の端末(後述する顧客端末2)にチップ対象を出力する。即ち、顧客Cに対してチップ対象が提示される。チップ対象とは、顧客Cがチップを支払うことができる対象をいう。サーバ1は、店舗がチップ制を採用する旨を顧客端末2に表示してもよい。
チップ対象としては、例えば、店舗従業員S(以下、従業員Sという)、店舗が使用する食材の生産者F(以下、生産者Fという)、店舗T、店内設備E(例えばトイレ)等が挙げられる。なお、このチップ対象については、チップ対象の特徴を示す詳細な情報(例えば、有機野菜である旨や、生産者Fを示す顔画像等)を顧客端末2に示してもよい。これにより、顧客Cはチップ対象がどのような物(者)であるかを認識し易くなり、何に(誰に)チップを支払うか決め易くなる。
次に、顧客Cは、チップ対象の中からチップ候補を選択し、選択したチップ候補に支払うチップ額を入力する。チップ候補とは、チップ対象のうち、顧客Cが選択したものをいう。サーバ1は、顧客Cが選択したチップ候補と、チップ候補に対して支払うチップ額とを取得する。
ここで、サーバ1には、顧客Cが支払ったチップ額をどのように配分するかを決めた配分ルールRが記憶されている。また、前述のように、従業員Sに顧客Cが支払ったチップを配分するに際しては、従業員Sの勤務情報Iを考慮するため、従業員Sの勤務情報Iもサーバ1に記憶されている。
最後に、サーバ1は配分ルールRを用いて、チップ取得者とチップ取得者の配分額を決定する(配分ルールRに基づいてチップが配分される詳細については後述する)。チップ取得者とは、配分ルールRに基づき、実際にチップを取得する者をいい、図1においては、生産者Fがチップ取得者である。
【0010】
<システム構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムに関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置は、サーバ1によって実現されている。当該サーバ1は、インターネット等の所定のネットワークNを介して、顧客端末2と、従業員端末3と、管理者端末4と、生産者端末5が相互に接続されている。管理者端末4は、店舗Tを管理する管理者(図示せず。以下管理者という)が操作する端末をいうものとする。
顧客端末2、従業員端末3、管理者端末4及び生産者端末5は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチ等の情報処理端末である。なお、各端末は、ここでは1台であるものとして説明するが、当該サーバ1にそれぞれ接続されるよう複数台であってもよい。また、本実施形態では、サーバ1は1台であるものとして説明するが、サーバ1は複数台あってもよい。
【0011】
<ハードウェア構成>
図3は、実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0012】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0013】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、近距離無線通信や、インターネットを含むネットワークNを介して他の対象(例えば図2の顧客端末2)との間で通信を行う。
【0014】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0015】
なお、顧客端末2、従業員端末3、管理者端末4及び生産者端末5は、ここでは特に図示しないが、前述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを備える。
【0016】
以上のようなサーバ1は、各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。また、顧客端末2と、従業員端末3と、管理者端末4と、生産者端末5に関しても、各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
【0017】
<機能構成>
本発明の情報処理装置の機能を、図8を参照しつつ、図4を用いて説明する。
図4は、図2の情報処理システムのうち、サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。図8は、図4における各ブロックで表される機能のうち、一部の機能の相互関係を示すものである。
【0018】
サーバ1は、前述したように、CPU11と、記憶部18と、通信部19等とを備える。サーバ1には、通信部19を介して顧客端末2と、従業員端末3と、管理者端末4と、生産者端末5が夫々接続される。
【0019】
サーバ1のCPU11においては、チップ対象出力部111と、チップ情報取得部112と、勤務情報取得部113と、チップ配分決定部114と、指示部115と、評価部116と、配分状態表示部117と、メッセージ取得部118と、メッセージ出力部119と、注文受付部120と、領収書情報取得部121と、納税部122と、業務割当・属性情報取得部123、店舗従業員特定部124、変動時給算出部125が機能する。また勤務情報取得部113は、勤怠情報取得部113aと移動情報取得部113bの機能を含む。なお、本明細書中において、CPU11における各機能を表す用語として「部」又は「手段」を用いているが、両者は異なる意味を有するものではない。
【0020】
サーバ1の記憶部18においては、この一領域に、チップ対象DB(データベース)181と、チップ情報DB182と、勤務情報DB183と、配分ルールDB184と、配分決定DB185と、メッセージDB186と、顧客インセンティブDB187と、業務割当・属性情報DB188が構築されている。また勤務情報DB183内には勤怠情報DB183a及び移動情報DB183bとなる領域を含む。
【0021】
チップ対象出力部111は、チップ対象を顧客端末2に出力する。具体的には、顧客Cがチップを支払うことができるチップ対象として、少なくとも従業員S、生産者F、店舗T、及び店内設備Eを含むチップ対象の情報を顧客端末2に出力する。チップ対象の情報については、予め、後述するチップ対象DB181に格納されている。チップ対象出力部111は、当該チップ対象の情報をチップ対象DB181より読み出し、顧客端末2に出力する(図8:S101)。
チップ対象出力部111は、チップ対象の情報として、前述の生産者F等の情報の他に、例えば、チップ対象の特徴を示す情報を、顧客端末2に出力してもよい。例えば、チップ対象出力部111は、従業員Sや生産者Fの顔画像や、従業員Sや生産者FのSNS情報(例えば、生産者Fが生産する食材について投稿しているSNSの情報)、店舗Tが使用する食材の特徴を出力してもよい。店舗Tが使用する食材の特徴としては、例えば、有機野菜である旨や、天然物である旨(例えば、天然ぶり等)、食材のランク(例えば、A5ランクの牛肉等)が挙げられる。チップ対象の特徴を示す情報が顧客端末2に出力されることで、顧客Cはチップ対象がどのような物(者)であるかを認識し易くなり、何に(誰に)チップを支払うか決め易くなる。
【0022】
チップ情報取得部112は、顧客Cがチップ対象から選択したチップを支払うチップ候補と、顧客が支払うチップ額を取得する。チップ情報取得部112は、さらに、顧客Cにより設定されたチップ候補毎のチップ額を取得する(図8:S102)。
例えば、顧客Cは、チップ対象の中から生産者Fを選択し、当該生産者Fに対して1000円支払うと決定したとする。チップ情報取得部112は、通信部19を介して、顧客端末2から送信されたチップ候補(生産者F)とチップ額(1000円)に係る情報を取得し、チップ情報DB182に格納する。
また例えば、顧客Cが2人の従業員Sをチップ候補として選択し、提供されるサービスに掛かる総額の6%を1人の従業員Sに、4%を他方の従業員Sに支払うと決定したとする。本サービスにおいて、顧客Cは、チップ候補毎に支払うチップ額又は総額に占める割合を設定できるものとする。チップ情報取得部112は、通信部19を介して、顧客Cにより選択されたチップ候補(2人の従業員S)と、チップ額(総額の10%)に係る情報を顧客端末2から取得し、チップ情報DB182に格納する。
【0023】
チップ対象出力部111、チップ情報取得部112は、顧客Cがサービスの提供を受けた後に動作する。例えば、顧客Cは、飲食店にて飲食を行った後に(サービスの提供を受けた後に)、チップ対象出力部111により顧客端末2に出力されたチップ対象の中からチップ候補を選び、チップ額を決定する。チップ情報取得部112は、この顧客Cが選択したチップ候補と、支払うチップ額を取得する。なお、後述する指示部115が動作する場合には、チップ対象出力部111、チップ情報取得部112は、顧客Cがサービスの提供を受ける前に動作してもよい。
【0024】
勤務情報取得部113は、従業員Sの勤務情報Iを取得する。ここで従業員Sの勤務情報Iとは、従業員Sの勤務に係る全般的な情報であり、出退勤及び欠勤有無に関する勤怠情報Ia、従業員の勤務時間中の移動に関する移動情報Ibなどを含む。勤務情報取得部113は、勤怠情報Iaを取得する勤怠情報取得部113a、移動情報Ibを取得する移動情報取得部Ibを有する。なお、勤務情報Iは勤怠情報Ia及び移動情報Ibに限定されるものではない。
【0025】
勤怠情報取得部113aは、従業員Sの勤怠情報Iaを取得する。勤怠情報取得部113aは、例えば、店舗Tを管理する店舗管理者により入力された従業員Sの勤怠情報Iaを、通信部19を介して、管理者端末4より取得する(図8:S103)。取得された従業員Sの勤怠情報Iaは、勤怠情報DB183aに格納される。なお、勤怠情報取得部113aは、別途設けられたシフト管理ツール等の勤怠情報管理装置(図8)から従業員Sの勤怠情報Iaを取得し、これを勤怠情報DB183aに格納してもよい。取得された従業員Sの勤怠情報Iaは、例えば、顧客Cが支払うチップ額を従業員Sに配分する処理に用いられる(図8:S104)。これにより、従業員Sは、自己の勤怠情報等に基づいたチップ額の配分を受けることができる。
【0026】
移動情報取得部113bは、従業員Sの移動情報Ibを取得する。ここで移動情報Ibとは従業員Sの勤務時間中における接客、片付け、店内設備の準備などのために従業員Sが移動する際の動線や移動速度などを含む情報である。移動情報Ibは店舗に設置されたビデオカメラ、赤外線センサ、電波発信機などの移動情報検出ツールにより取得される(図8:S105)。例えば、従業員Sが携帯する携帯端末(例:スマートフォンやスマートウォッチのアプリ)は、複数の場所に配置された電波発信機(例:ビーコン、Wi―Fi)から発信される位置情報信号を受信する。受信した携帯端末が、従業員SのIDと、電波発信機IDと、受信した位置情報信号の強度とを移動情報取得部113bに送信することにより、移動情報取得部113bは、電波発信機の配置位置と、位置情報信号の強度とに基づき、従業員Sの移動情報を取得できる。移動情報検出ツールはネットワークを介して又は有線でサーバに接続され、サーバへ情報を送信する。
【0027】
移動情報取得部113bは、例えば、移動情報検出ツールにより取得されたデータを、通信部19を介して、移動検出ツールから直接取得する。取得されたデータは、適宜加工され、従業員Sの移動情報Ibとして移動情報DB183bに格納される。取得された従業員Sの移動情報Ibは、例えば、顧客Cが支払うチップ額を従業員Sに配分する処理に用いられる(図8:S106)。これにより、従業員Sは、自己の移動情報等に基づいたチップ額の配分を受けることができる。
【0028】
チップ配分決定部114は、チップ取得者及びチップ取得者が取得する配分額を決定する。具体的には、顧客Cが選択したチップ候補及び配分ルールR(後述する)に基づいて、チップ額を配分するチップ取得者及びチップ取得者の配分額を決定する。配分ルールRは、後述する配分ルールDB184に予め格納されているものとする。また、決定されたチップ取得者及びチップ取得者の配分額は、後述する配分決定DB185に格納され、後述の配分状態表示部により表示することができる(図8:S107)。
【0029】
配分ルールRは、顧客Cが支払うチップ額の配分割合を少なくとも規定する。配分ルールRは、例えば、配分ルールRについての権限を有する者(例えば管理者)により決定される。例えば、店舗Tにて配分ルールRの見直しがあった場合、管理者は、管理者端末4を用いて後述する配分ルールDB184に格納されている配分ルールRを変更してもよい。管理者は、配分ルールRについて、配分割合及び配分額、配分割合のみ、配分額のみ、というように規定してもよい。例えば、顧客Cが支払うチップ額の10%を管理者が取得するというルールが設けられてもよい。また、例えば管理者には必ず50円が配分されるようなルールが設けられてもよい。
【0030】
配分ルールRについて、図6及び図7を用いて更に詳細に説明する。
図6は、配分ルールの一例を示す図である。図6には、顧客Cがチップを支払う対象として、従業員S、生産者F、店舗T及び店内設備Eと、夫々に適用される配分ルールRが示されている。なお、配分ルールRは、例えば管理者により適宜決定変更されるものとする。
生産者Fに適用される配分ルールR(第2配分ルール)は、「顧客Cが支払うチップ額の全て」である。顧客Cがチップ候補の一つとして生産者Fを選択した場合、生産者Fは顧客Cが生産者Fに支払うとしたチップ額の全てを取得するということである。
店舗Tに適用される配分ルールR(第3配分ルール)は、「従業員Sの均等割り」である。顧客Cがチップ候補の一つとして店舗Tを選択した場合、顧客Cが店舗Tに支払うとしたチップ額を店舗Tに勤務する従業員Sで均等割りし、均等割りされた額のチップを従業員Sが取得するということである。
店内設備Eに適用される配分ルールR(第4配分ルール)は、「担当者に配分」である。顧客Cがチップ候補の一つとして店内設備Eを選択した場合、顧客Cが店内設備Eに支払うとしたチップ額が、当該店内設備Eを担当する従業員Sに配分されるということである。例えば、トイレ(店内設備E)を顧客Cがチップ候補として選択した場合、当該トイレ掃除等をする従業員Sに、顧客Cがトイレに支払うとしたチップ額が配分されるということである。
【0031】
従業員Sに適用される配分ルールR(第1配分ルール)は、従業員Sの勤務情報Iに基づいて、従業員Sに対するチップ額が配分されるということである。例えば、第1配分ルールは、勤怠情報Iaを考慮した第1a配分ルールと移動情報Ibを考慮した第1b配分ルールとを含む。
【0032】
ここで図7を参照しながら、従業員Sの勤務情報Iに基づいて、チップ額が配分される例を説明する。図7に示される表の上側部分は、従業員Sの勤怠情報Iaにおける評価項目の一例を示している。図7には、従業員Sの氏名、担当、欠勤や早退状況、同僚からの評価、チップ取得額が評価項目として示されている。
例えば、顧客Cが、従業員SであるKさんとLさんをチップ候補として選択したとする。Kさんは、欠勤・早退があるのに対して、Lさんは欠勤・早退がない。また、Kさんは、同僚からの評価が星2つであるのに対して、Lさんは同僚からの評価が星4つである。例えば管理者は、この欠勤や早退の状況、同僚からの評価に、夫々点数(ポイント)を決めているとする。例えば、欠勤1日につきマイナス1ポイント、同僚からの評価星1つにつき1ポイントというように、勤務内容の優劣を判別する項目に対してポイントを決めておいてもよい。このポイントという観点でKさんとLさんを比較すると、Kさんのポイントは、プラス1であり、Lさんのポイントはプラス4である。このため、Lさんの勤務情報(勤務内容)の方がKさんより優れているといえる。この場合、Lさんに、顧客Cが支払うチップ額がKさんより多く配分される。
【0033】
図7に示される表の下側部分は、従業員Sの移動情報Ibの一例を示している。図7の例では、移動情報Ibは動線の適切性、移動速度の適切性などの評価項目から構成されているが、移動情報Ibの評価項目は、これらに限定されるものではない。
【0034】
従業員Sの移動情報Ibの評価項目は、特定の業務(例えばホール係など)の内容に対する従業員Sの動線の適切性であってよい。例えばホール係である従業員Sの場合、一つのテーブルに対して最短距離で移動するよりも、複数のテーブルへの接客を一つの動線で行う方が好ましい。また、従業員Sの移動情報Ibの項目は、従業員Sの動線における速度であってよい。迅速に移動する従業員Sは業務効率が高く、同じ時間であっても多くの業務を遂行することができる。その他にも、従業員Sの移動距離や指示部115からの指示回数を移動情報Ibの評価項目とすることができる。例えば、指示回数が少なく、移動距離が長い移動情報Ibを高評価としてもよい。
移動情報Ibの評価は、店舗の管理者の方針によっても変動する。例えば短時間に多数の顧客への接客を求められる店舗では、移動速度は速く、複数の席の注文や片づけを短時間に多数遂行できる動線で動ける方が高評価であるのに対し、少数の顧客が長時間滞在する店舗などでは、移動速度はそれほど重要でなく、むしろ顧客Cからの注文を常に受けられるように顧客Cからの声が届く位置で長く待機できるようにすることが高評価となる。
【0035】
なお、移動情報Ibを評価する方法は、従業員Sの行動を分析する公知の手法が利用できる。例えば管理者が行動データを視覚化し、従業員Sの行動パターンを目視で評価してもよいし、理想的な従業員Sの移動パターンを学習した学習済みモデルに、評価したい従業員Sの行動データを評価させてもよい。移動距離及び要した時間に基づいて移動速度も算出できる。
【0036】
図7の例では、移動情報Ibは「動線の適切性」「移動速度の適切性」の項目につき、星が1~3つで評価されている。この場合、星の数が多い従業員の動きが(当該業務において)効率的であると判断されていることを意味する。例えば動線のパターンが効率的でない場合は星が1つ、従業員Sの平均レベルの場合には星が2つ、動線のパターンが非常に効率的である場合は星3つが割り振られ、それぞれプラス1、ゼロ、マイナス1ポイントが付加される。このポイントを評価項目ごとに合計し、前述の勤怠情報から算出されたポイントに加えることにより、勤務情報に基づく総合ポイントとしてもよい。
【0037】
また、上記例では第1配分ルールは勤怠情報Ia及び移動情報Ibの2つの情報に基づいて算出するものとしているが、第1a配分ルールのみを適用するケースや、第1b配分ルールのみを適用するケースを店舗責任者の裁量により特定して運用してもよい。例えばチップを取得した時間帯やシフト中の対応可能人数などにより、第1a配分ルール又は第1b配分ルールのいずれか一方のみを適用してもよい。
【0038】
図4に戻り、チップ配分決定部114は、前述の配分ルールRに基づいて、チップ取得者とチップ取得者の配分額を決定する。例えば、顧客Cがチップ候補の一つとして生産者Fを選択した場合、チップ配分決定部114は、チップ情報DB182を参照して、チップ候補を確認する。チップ情報DB182には、顧客Cがチップ候補として生産者Fを選択したという情報が格納されているため、チップ配分決定部114は、チップ候補が生産者Fであると確認する。次に、チップ配分決定部114は、配分ルールDB184を参照し、生産者Fに適用される配分ルールRを確認する。生産者Fに適用される配分ルールRは、「顧客が支払うチップ額の全て」である。そして、チップ配分決定部114は、チップ対象者を生産者Fとし、生産者Fの配分額を生産者Fに支払うとしたチップ額の全てと決定する。
【0039】
また例えば、顧客Cがチップ候補の一つとして店舗Tを選択した場合、チップ配分決定部114は、チップ情報DB182を参照して、チップ候補を確認する。チップ情報DB182には、顧客Cがチップ候補として店舗Tを選択したという情報が格納されているため、チップ配分決定部114は、チップ候補が店舗Tであると確認する。次に、チップ配分決定部114は、配分ルールDB184を参照し、店舗Tに適用される配分ルールRを確認する。店舗Tに適用される配分ルールRは、「従業員で均等割り」である。そして、チップ配分決定部114は、チップ取得者を店舗Tの従業員S全員とし、配分額を、顧客Cが店舗Tに支払うとしたチップ額をこの店舗Tの従業員数で均等割りした額と決定する。なお、チップ額を従業員Sの数で割り端数が出た場合に、チップ配分決定部114は、例えば、勤務内容が優秀な従業員Sが当該端数を取得するよう決定してもよい。
【0040】
また例えば、顧客Cがチップ候補の一つとして店内設備Eを選択した場合、チップ配分決定部114は、チップ情報DB182を参照して、チップ候補を確認する。チップ情報DB182には、顧客Cがチップ候補として店内設備Eを選択したという情報が格納されているため、チップ配分決定部114は、チップ候補が店内設備Eであると確認する。次に、チップ配分決定部114は、配分ルールDB184を参照し、店内設備Eに適用される配分ルールRを確認する。店内設備Eに適用される配分ルールRは、「担当者に配分」である。そして、チップ配分決定部114は、店内設備Eを担当した従業員Sをチップ取得者とし、当該従業員Sに対する配分額を、顧客Cが店内設備Eに支払うとしたチップ額と決定する。具体的には、例えば、チップ配分決定部114は、トイレの掃除等を担当する従業員Sをチップ取得者と決定し、当該従業員Sに対する配分額を、顧客Cがトイレに支払うとしたチップ額と決定する。
【0041】
また例えば、顧客Cがチップ候補として従業員Sを選択した場合、チップ配分決定部114は、チップ情報DB182を参照して、チップ額を配分すべき対象を確認する。例えば、顧客Cは、前述の従業員Kさんと従業員Lさんをチップ候補として選択したとする。チップ情報DB182には、顧客Cがチップ候補として従業員S(従業員Kさんと従業員Lさん)を選択したという情報が格納されているため、チップ配分決定部114は、チップ候補が従業員S(従業員Kさんと従業員Lさん)であると確認する。チップ配分決定部114は、配分ルールDB184を参照し、従業員Sに適用される配分ルールRを確認する。従業員Sに適用される配分ルールRは、「勤務情報を考慮する」である。チップ配分決定部114は、例えば、従業員Kさんと従業員Lさんの勤務内容の優劣を判別する項目である、欠勤・早退の状況、同僚からの評価の項目などの勤怠情報、及び/又は移動情報に基づく評価を確認し(例えば、これらのポイント数を確認する)、従業員Lさんの方が優良であると確認する。そして、チップ配分決定部114は、チップ取得者を従業員KさんとLさんと決定する。また、チップ配分決定部114は、例えば、顧客Cが支払うチップ額の4割をKさんの配分額と決定し、顧客Cが支払うチップ額の6割をLさんの配分額と決定する。
なお、チップ候補として選択された従業員Sが複数である場合において、従業員Sの勤務情報Iに基づいてどのような配分とするか(優秀な従業員Sに対するチップ額の配分を、前述のように6割とするか、7割とするか等)は、例えば実際の状況に合わせて適宜設定変更されるものとする。また、顧客Cが選択した従業員Sが一人である場合には、勤務情報Iが考慮されない場合がある。換言すると、従業員Sの勤務情報Iが、チップ額の配分に考慮されればよく、その態様は限定されないということである。
【0042】
指示部115は、従業員Sへの指示を出力する。具体的には、顧客Cがサービスの提供を受ける前に従業員Sをチップ候補として選択した場合に、選択されたチップ候補である従業員Sに、顧客Cへのサービスを提供させる指示を出力する。これにより、顧客Cが、希望する従業員Sからサービスを受けることができる。
例えば、顧客Cが、サービスの提供を受けたい従業員Sを事前に決めている場合がある。顧客Cは、顧客端末2を用いて、例えば、当該従業員Sを指名する情報をサーバ1へ送信する。例えば、チップ対象出力部111の制御により顧客端末2には「指名ボタン」が表示されており、顧客Cは当該指名ボタンを押下してもよい。サーバ1は当該従業員Sを指名する情報を、通信部19を介して指示部115より取得する。指示部115は、当該指名に係る情報の取得後、例えば指名のあった従業員Sの従業員端末3へ、当該顧客Cへサービスを提供させる指示を出力する。
なお、指示部115が動作した場合において、チップ候補(例えば前述の従業員S)は顧客Cがサービスの提供を受ける前にサーバ1に取得され、顧客Cが支払うチップ額は顧客Cがサービスの提供を受けた後でサーバ1に取得されてもよい。従業員Sへの指示は、従業員が携帯する携帯端末(例:スマートフォンホやスマートウォッチのアプリ)を動作させることによって行うことができる。
【0043】
指示部115は、顧客Cによる指名が無くとも、店舗の状況に応じ特定の従業員Sに対し、顧客Cへのサービス提供を行うように指示することができる。すなわち、勤務情報取得部113から従業員Sの勤務情報Iを取得し(図8:S108)、さらに業務割当・属性情報取得部123が業務割当・属性情報DB188から従業員Sの業務割当及び属性情報(役職、勤務年数、業務履歴、評価など)を取得し(図8:S109)、これら取得した勤務情報I、業務割当及び属性情報に基づいて、店舗従業員特定部124が特定の顧客Cに対するサービス提供に最適な従業員Sを特定する(図8:S110)。さらに顧客インセンティブDB187に格納された顧客情報を取得して、従業員Sを特定することもできる。指示部115は、店舗従業員特定部124の判断に基づき特定された従業員Sに対し、顧客Cに対するサービス提供を行うための指示を出力する(図8:S111)。例えば店内が大変混雑している場合や、大人数のグループが突然来店した場合、又は店舗にとって重要な顧客が来店した場合などは、業務割当・属性情報に加え、上述の移動情報Ibに基づいて、評価が高い従業員や即時の対応が可能な従業員に対応させることで、注文や片づけなどの渋滞を回避し、或いは常連の顧客の心証を良化させることで、顧客満足度を高めることができる。なお、店舗従業員特定部124は、店舗内に設置された撮像カメラによる撮像画像を用いて、サービス提供が必要な顧客Cを特定することや、従業員Sの位置情報を取得して顧客Cに近い従業員Sを特定してもよい(図8:S112)。撮像画像により、来店した顧客、来店又は前回の注文から所定時間を経過した顧客、メニューを見ている顧客、所定回数を超えて店舗従業員を見ている顧客、店舗従業員に向けて手を挙げている顧客等を特定することができる。
【0044】
評価部116は、従業員Sの評価に係る処理を実行する。具体的には、従業員Sが取得したチップの取得額及び/又は事情により従業員Sが仮想的に取得(後述する)したとする、チップの取得額に基づいて、従業員Sを評価するための処理を実行する。
評価部116は、例えば、勤務情報DB183に格納された従業員Sの勤務情報Iのうち、チップの取得額を参照して、従業員Sの評価を行う。例えば、従業員Sが一月に取得したチップの総額が、例えば、当該従業員Sの一月の給与の20%以上である場合に、例えば、従業員Sを「優良」とする評価をしてもよい。従業員Sのチップの取得額は、配分決定DB185又は勤務情報DB183に格納された配分額から算出する。
ここで、評価部116が従業員Sの評価を行うに際して用いられる従業員Sのチップ取得額は、従業員Sが実際に取得したチップ額と、従業員Sが仮想的に取得(後述する)したチップの取得額の双方を含むこととする。従業員Sの中には、諸事情(例えば、配偶者控除や扶養控除の上限額を超えないように所得を制限したい等)から、あえてチップを受け取らない従業員Sがある。このような従業員Sに対して公正な評価をするためには、当該従業員Sが辞退したチップ額を、当該従業員Sが取得したと仮定してその者のチップ取得額を算出し、これに基づいて評価すべきである。即ち、従業員Sが前述の仮定において仮想的に取得したチップ額に基づいて評価すべきである。
このため、管理者は、従業員Sの勤務情報Iを管理者端末4にて入力する際に、従業員Sが実際に及び/又は仮想的に取得したチップ額を、従業員Sの勤務情報Iとして入力する。そして、従業員Sのチップ取得額が、管理者端末4からサーバ1へ送信され、サーバ1は、従業員Sのチップ取得額を勤務情報取得部113より取得する。取得された当該従業員Sのチップ取得額は、勤務情報DB183に格納される。
なお、あえてチップを受け取らない従業員Sが辞退したチップ額は、他の従業員Sが取得することになるが、他の従業員Sに対しても、余計に取得したチップ額を減額して仮想的に取得するチップ額を算出してもよい。
【0045】
配分状態表示部117は、チップの配分状態を表示する。例えば、配分状態表示部117は、チップ配分決定部114により決定されたチップ取得者及びチップ取得者の配分額を配分決定DB185から読み出し、従業員端末3や管理者端末4に表示されるよう制御する。チップの配分状態に係る表示は特に限定されない。チップ取得者と、当該チップ取得者が取得した配分額や配分割合が表示されていればよく、例えば、チップ取得者が複数の場合において、円グラフにてチップ取得者毎の取得比率を表示してもよい。また、チップ取得者とチップ取得者のチップの配分額のみを表示してもよい。
【0046】
メッセージ取得部118は、チップ取得者より、チップを支払った顧客に対するメッセージを取得する。例えば、生産者Fや従業員Sが、チップを支払った顧客Cに対してお礼のメッセージを送る場合がある(図8:S113)。また、店内設備Eにチップが支払われた場合に、管理者が顧客Cに対してお礼のメッセージを送る場合がある。メッセージ取得部118は、通信部19を介して、生産者端末5、管理者端末4、従業員端末3から当該お礼のメッセージを取得する。取得されたメッセージは後述するメッセージDB186に格納される。
【0047】
メッセージ出力部119は、メッセージ取得部118が取得したメッセージを顧客端末2に出力する。メッセージ出力部119は、例えば、取得した前述の生産者F、従業員S、管理者のメッセージをメッセージDB186から読み出し、チップを支払った顧客Cの所有する顧客端末2に出力する。生産者Fや従業員Sがメッセージを顧客Cに送ることができるため、店舗側と顧客Cとの交流が深まる。
【0048】
注文受付部120は、顧客端末2からの注文を受け付ける(図8:S114)。顧客Cは、例えば、飲食メニューに係る情報を持つ二次元コードを顧客端末2にて読み込み、顧客端末2に表示された食べ物や飲み物の中から希望するものを選択してもよい。注文受付部120は、顧客端末2から送信された、顧客Cが選択した食べ物等に係る情報を、顧客Cからの注文として受け付ける。なお、注文受付部120が受信し受け付けた注文(例えば顧客Cが選択した食べ物等に係る情報)は図示しない顧客情報DBに記憶され、例えば顧客Cに関する各種分析等に利用される。
【0049】
領収書情報取得部121は、顧客Cが選択した、領収書にチップ額を含めて記載するか否かの領収書情報を、顧客端末2より取得する(図8:S115)。例えば、顧客Cは、顧客端末2に表示されたチップ額を領収書の記載に含めるか否かの選択ボタンを押下する。当該選択ボタンは、領収書情報取得部121の制御により顧客端末2に表示されてもよい。当該顧客Cの選択ボタンの押下により、チップ額を領収書の記載に含めるか否かの領収書情報が顧客端末2より送信され、これを領収書情報取得部121が取得する。これにより、チップ額の領収書への記載の有無が明確となるため、店舗側の領収書作成の負担を軽減することができる。
【0050】
納税部122は、従業員Sの納税に係る処理を実行する。店舗Tを通さずに直接従業員Sが取得したチップは、従業員Sの雑所得として課税対象となるため、納税部122は、例えば、従業員Sが取得したチップの取得額を、例えば、勤務情報DB183から読み出し、当該チップの取得額を従業員Sの所得に加算して納税に係る処理をする。
【0051】
業務割当・属性情報取得部123は、前述のように、必要に応じ業務割当・属性情報DB188より従業員Sの業務割当(ホール係、会計係など)及び属性情報(役職、勤務年数など)を取得する。
【0052】
店舗従業員特定部124は、所定の業務を担当させる従業員Sを特定する。従業員Sの特定は、前述の例における勤務情報Iや業務割当及び属性情報に基づき、特定の顧客Cに対してサービスを提供するのに最適な従業員Sを特定するだけでなく、日常的な全従業員のシフト、役割などを決定する機能を有していてもよい。
【0053】
変動時給算出部125は、従業員Sが顧客Cからチップを取得することによりに、店舗での業務に基づき得られる金銭取得額の変動量を算出し管理する。
例えば従業員Sが管理者との間で時給1000円の条件で雇用契約を締結し、1日当たり5時間、一カ月に20日間勤務したものとする。一カ月で取得したチップのうち従業員Sに配分される総額が30000円であれば、1時間当たり300円のチップを取得していることになり、実質的な時給である変動時給は、時給1000円にチップ300円を加算した1300円である。そして変動時給は勤務情報DB183に記憶される。
【0054】
管理者が従業員Sの能力とチップ取得額に一定の相関を認める場合は、チップの取得額又は変動時給を従業員Sの勤務評価などの指標として利用してもよい。変動時給に係るデータは、従業員Sの勤務評価のほか、従業員の募集などに用いるデータとしてもよい。変動時給データを保有することで、例えば店舗従業員募集の際にそれらを提示することで、店舗側は良い人材を獲得できる可能性があり、求職側も高い収入が期待できることになるため、双方ともにメリットがある。
【0055】
チップ対象DB181には、顧客Cがチップを支払うことができるチップ対象に係る情報が格納される。チップ対象には、少なくとも従業員S、生産者F、店舗T、及び店内設備Eを含が含まれる。チップ対象DB181には、チップ対象の特徴を示す情報が格納されてもよい。チップ対象に係る情報は、顧客Cがチップ候補を選択する際に用いられる。
【0056】
チップ情報DB182には、顧客Cがチップ対象から選択したチップを支払うチップ候補と、顧客Cが支払うチップ額に係る情報が格納される。チップ情報DB182には、顧客により設定されたチップ候補毎のチップ額に係る情報が格納されてもよい。格納された顧客Cがチップを支払うチップ候補と、顧客Cが支払うチップ額に係る情報は、チップ配分の決定の処理に用いられる。
【0057】
勤務情報DB183には、前述のように従業員Sの勤怠情報Iaを格納する勤怠情報DB183a、移動情報Ibを格納する移動情報DB183bなどを有しており、変動時給情報を格納することもできる。従業員Sの勤怠情報Iaには、例えば、氏名、店舗にて担当する業務、勤務時間、欠勤や早退、同僚からの評価、チップ取得額等の情報が含まれる。従業員Sの移動情報Ibには、例えば授業員Sが移動する際の動線や移動速度等の情報が含まれる。従業員Sの勤務情報Iは、顧客Cにより支払われたチップ額を当該従業員Sに配分する処理や、従業員Sを評価する処理に用いられる。
【0058】
配分ルールDB184には、顧客Cが支払うチップの配分ルールRが格納される。配分ルールRには、例えば、従業員Sの勤務情報Iに基づくルール、店舗Tがチップ候補である場合はチップ額を従業員Sで均等割りするルール、店内設備Eがチップ候補である場合にはチップ額を担当者に配分するルール等が含まれる。チップ候補と当該配分ルールに基づいて、チップ額を配分する取得者及び取得者のチップ額が決定される。なお、配分ルールRが複数のルールから構成されている場合には、ルールごとの優先順位を付すことができる。
【0059】
配分決定DB185には、チップ配分決定部114により決定されたチップ取得者及びチップ取得者の配分額が格納される。チップ取得者及びチップ取得者の配分額は、例えば管理者端末4や従業員端末3に表示される。
【0060】
メッセージDB186には、メッセージに関する情報が格納される。メッセージに関する情報としては、例えば、従業員Sや生産者Fの、チップを支払った顧客Cに対するお礼のメッセージに係る情報が挙げられる。メッセージDB186には、当該お礼のメッセージを受け取った顧客Cからのメッセージに係る情報が格納されてもよい。
【0061】
顧客インセンティブDB187には、顧客Cの顧客情報(氏名、年齢、性別等)とともに、顧客Cに対して付与するインセンティブに関する情報が格納される。顧客Cに対するインセンティブに関する情報には、例えば飲食の際に利用可能な割引券等に関する情報が挙げられる。インセンティブに関する情報は、例えば、顧客端末2に出力される。例えば、インセンティブに関する情報は、前述の顧客Cへのメッセージが顧客端末2に出力される際に、メッセージと共に出力されてもよい。インセンティブに関する情報は、図示しないインセンティブに関する情報を出力する顧客インセンティブ出力部により出力されてもよい。
【0062】
業務割当・属性情報DB188は、従業員Sの業務割当(例えばホール係、会計係、厨房係など)及び属性(役職、ステータスなど)に係る情報が格納されている。
【0063】
<チップ配分決定処理>
図5は、図2の情報処理システムのうち、サーバが実行するチップ配分決定処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、チップ対象出力部111は、チップ対象DB181からチップ対象を読み出し、顧客端末2に出力する。チップ対象には、少なくとも従業員S、生産者F、店舗T、及び店内設備Eが含まれる。チップ対象出力部111は、顧客端末2に、チップ対象の特徴を示す情報、チップ制が採用されている旨を出力してもよい。
ステップS2において、チップ情報取得部112は、顧客Cがチップ対象から選択したチップ候補及び支払うチップ額についての情報を、通信部19を介して顧客端末2から取得する。取得された顧客Cが選択したチップ候補及び支払うチップ額はチップ情報DB182に格納される。
ステップS3において、勤務情報取得部113は、従業員Sの勤務情報Iを取得する。取得された従業員Sの勤務情報Iは勤務情報DB183に格納される。勤務情報取得部113は、例えば、管理者により入力された従業員Sの勤務情報Iを、通信部19を介して、管理者端末4から取得する(前述の図示しない勤務情報管理装置から取得してもよい)。取得された従業員Sの勤務情報Iは、例えば、顧客Cにより支払われたチップ額を従業員Sに配分する処理に用いられる。
ステップS4において、チップ配分決定部114は、配分ルールDB184に格納されているチップ額の配分ルールを確認する。
ステップS5において、チップ配分決定部114は、チップ情報DB182に格納されたチップ候補及び確認した配分ルールに基づいて、チップ額を配分するチップ取得者及びチップ取得者の配分額を決定する。
【0064】
次にチップの配分ルールの振り分けについて説明する。
図9は、図2の情報処理システムのうち、サーバが実行するチップ配分ルールの振り分け処理の一例を示すフローチャートである。
【0065】
チップ対象出力部111は顧客端末2に対して従業員S、生産者F、店舗T、及び店内設備Eを含むチップ対象の情報を顧客端末2に出力する(S201)。顧客Cがチップの対象を選択しチップを支払うことにより、チップ情報取得部112は顧客Cが選択したチップ候補及びチップ額のデータを取得する(S202)。
【0066】
顧客Cが選択したチップ候補に食材などの生産者が含まれる場合は(S203:YES)、生産者を対象としたチップ額の全てを生産者に提供する(S204:第2配分ルール)。顧客Cが選択したチップ候補に食材などの生産者が含まれない場合は(S203:NO)、生産者に対するチップ提供は行わない。
顧客Cが選択したチップ候補に店舗自体が含まれる場合は(S205:YES)、店舗を対象としたチップ額を従業員Sで均等割りして提供する(S206:第3配分ルール)。なお、店舗自体を対象としたチップの割り振りは均等割りに限定されず、勤務情報Iに基づく割り振り、或いは管理者と従業員Sとの間で所定の比率で配分してもよい。
顧客Cが選択したチップ候補に店舗自体が含まれない場合は(S205:NO)、第3配分ルールに基づくチップの分配は行わない。
【0067】
顧客Cが選択したチップ候補に店内設備が含まれる場合は(S207:YES)、店内設備を対象としたチップ額を、その設備を担当する従業員Sに提供する(S208:第4配分ルール)。なお、店内設備を対象としたチップの割り振りは、管理者と従業員Sとの間で所定の比率で配分してもよい。
顧客Cが選択したチップ候補に店内設備が含まれない場合は(S207:NO)、その設備を担当する従業員Sに対するチップの提供は行わない。
【0068】
次に勤怠情報取得部113aは、従業員Sの勤怠情報Iaを取得し(S209)、移動情報取得部113bは、従業員Sの移動情報Ibを取得する(S210)。チップ配分決定部114は勤怠情報Ia及び/又は移動情報Ibに基づき、従業員Sごとのチップの配分額を決定し(S211:第1a及び/又は第1b配分ルール)、配分状態表示部117は決定された配分額に基づき、従業員Sに対してチップ額を表示する(S212)。
【0069】
また、勤怠情報取得部113aが従業員Sの勤怠情報Iaを取得し(S209)、移動情報取得部113bが従業員Sの移動情報を取得した(S210)後、さらに業務割当・属性情報取得部123により、業務割当・属性情報を取得し(S213)、場合によっては顧客インセンティブDB187に格納された特定の顧客情報を取得し(S214)、店舗従業員特定部124は、これらの情報に基づき、サービスを提供する従業員Sを特定する(S215)。
【0070】
指示部115は特定された従業員に対する指示情報を作成し(S216)、指示情報を送信する(S217)。
【0071】
以上、図1から図9を用いて本サービスを説明したが、本サービスを利用することにより、顧客Cは、生産者F、従業員S、店舗T、及び店内設備Eを対象として、チップを支払うことができる。また、従業員Sに関しては、従業員Sの勤務情報Iがチップ額の配分に際し考慮されるため、自己の勤務態度に基づいたチップ額の配分を受けることができる。また、勤務情報Iに基づき、顧客Cに対しサービスを提供する従業員Sを特定し、指示することができる。
【0072】
<まとめ>
以上、本発明の情報処理装置の実施形態について説明したが、本発明は前述した本実施形態に限定されない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
【0073】
本実施形態において、図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。換言すると、図4に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、前述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。
【0074】
また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを複数のサーバに分散させてもよい。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0075】
また、例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよい。
【0076】
コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0077】
また、例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために、装置本体とは別に配布される図示しないリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものであってもよい。
【0078】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含む。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味する。
【0079】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図3のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。
装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図3のROM12や、図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0080】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、図4のサーバ1)は、顧客がチップを支払うことができるチップ対象として、少なくとも店舗従業員、店舗が使用する食材の生産者、店舗、及び店内設備を含む前記チップ対象の情報を顧客端末に出力するチップ対象出力手段(例えば、図4のチップ対象出力部111)と、前記顧客が前記チップ対象から選択した前記チップを支払うチップ候補と、前記顧客が支払うチップ額を取得するチップ情報取得手段(例えば、図4のチップ情報取得部112)と、前記チップを配分する配分ルールを記憶する配分ルール記憶手段(例えば、図4の配分ルールDB184)と、前記顧客が選択した前記チップ候補及び前記配分ルールに基づいて、前記チップ額を配分するチップ取得者及び前記チップ取得者の配分額を決定するチップ配分決定手段(例えば、図4のチップ配分決定部114)と、を備える。
本発明によれば、店舗従業員、食材の生産者、店舗、及び店内設備を対象として、顧客がチップを支払うことができる。
【0081】
また、前記店舗従業員の勤務情報を取得する勤務情報取得手段(例えば、図4の勤務情報取得部113)をさらに備え、前記配分ルールは、取得した前記店舗従業員の勤務情報に基づく第1配分ルールを含んでもよい。
本発明によれば、従業員が、自己の勤務態度に基づいたチップ額の配分を受けることができる。
【0082】
また、前記店舗従業員の移動情報を取得する移動情報取得手段(例えば、図4の移動情報取得部113b)をさらに備え、前記配分ルールは、取得した前記店舗従業員の移動情報に基づく第1b配分ルールを含んでもよい。
本発明によれば、従業員が、自己の作業の効率性に基づいたチップ額の配分を受けることができる。
【0083】
また、前記顧客がサービスの提供を受ける前に前記店舗従業員を前記チップ候補として選択した場合に、選択された前記チップ候補である前記店舗従業員に、前記顧客への前記サービスを提供させる指示を出力する指示手段(例えば、図4の指示部115)をさらに備えてもよい。
本発明によれば、顧客が、希望する従業員からサービスを受けることができる。
【0084】
また、前記店舗従業員の移動情報を取得する移動情報取得手段と、前記店舗従業員の業務割当情報及び属性情報を取得する業務及び属性情報取得手段と、取得した前記移動情報、業務割当情報及び属性情報に基づき、前記顧客へのサービスを提供する店舗従業員を特定する店舗従業員特定手段と、特定された前記店舗従業員に対して、前記顧客へのサービスを提供させる指示を出力する指示手段と、をさらに備えてもよい。
本発明によれば、前記従業員の業務割当情報、属性情報及び移動情報に基づき、状況に応じて適した従業員に顧客へのサービス提供をさせることができる。
【0085】
また、前記チップ情報取得手段は、さらに、前記顧客により設定された前記チップ候補毎の前記チップ額を取得してもよい。
本発明によれば、複数のチップ候補がある場合に、顧客が、チップ候補毎に支払うチップの配分を決めることができる。
【0086】
また、前記配分ルールは、前記チップ額の配分割合を少なくとも規定してもよい。
本発明によれば、配分割合を規定することで、チップ取得者の取得するチップ額を効率的に算出できる。
【0087】
また、前記配分ルールは、前記食材の生産者が前記チップ候補の一つである場合に、前記食材の生産者に支払うとした前記チップ額のすべてを前記食材の生産者が取得するとする第2配分ルールと、前記店舗が前記チップ候補の一つである場合に、前記店舗に支払うとしたチップ額を前記店舗従業員の均等割りとすることができる第3配分ルールと、前記店内設備が前記チップ候補の一つである場合に、前記店内設備に支払うとしたチップ額を、前記店内設備を担当する前記店舗従業員に配分することができる第4配分ルール、の少なくとも一つを含んでもよい。
本発明によれば、チップ候補毎の配分ルールを設けることにより、チップの配分決定が行い易くなる。
【0088】
また、前記情報処理装置は、前記店舗従業員が取得したチップの取得額及び前記店舗従業員の労働時間に基づいて、単位時間あたりのチップ取得額を算出する変動時給算出手段と、
前記店舗従業員の時給と単位時間当たりのチップ取得額とを合算する時給合算手段と、をさらに備える。
本発明によれば、チップ取得額を含めた変動時給額のデータを保有することにより、従業員募集の際に提示するデータなどに活用できる。
【0089】
また、前記店舗従業員が取得した前記チップの取得額及び/又は事情により前記店舗従業員が仮想的に取得したとする前記チップの前記取得額に基づいて、前記店舗従業員を評価する評価手段(例えば、図4の評価部116)をさらに備えてもよい。
本発明によれば、チップ額の大小は明確なため、管理者が従業員の評価を行い易く、管理者の評価に係る業務負担を軽減することができる。
【0090】
また、前記チップ取得者より、前記チップを支払った前記顧客に対するメッセージを取得するメッセージ取得手段(例えば、図4のメッセージ取得部118)と、取得した前記メッセージを前記顧客端末に出力するメッセージ出力手段(例えば、図4のメッセージ出力部119)と、をさらに備えてもよい。
本発明によれば、チップ取得者がチップを支払った顧客にメッセージを送ることができる。
【0091】
また、前記顧客端末からの注文を受け付ける注文取得手段(例えば、図4の注文受付部120)をさらに備えてもよい。
本発明によれば、顧客が自己の所有する端末から、飲食に係る注文を行うことができる。
【符号の説明】
【0092】
1・・・サーバ、 2・・・顧客端末、 3・・・従業員端末、 4・・・管理者端末、 5・・・生産者端末、 111・・・チップ対象出力部、 112・・・チップ情報取得部、 113・・・勤務情報取得部、 113a・・・勤怠情報取得部、113b・・・移動情報取得部、 114・・・チップ配分決定部、 115・・・指示部、 116・・・評価部、 117・・・配分状態表示部、 118・・・メッセージ取得部、 119・・・メッセージ出力部、 120・・・注文受付部、 121・・・領収書情報取得部、 122・・・納税部、 123・・・業務割当・属性情報取得部、124・・・店舗従業員特定部、 125・・・変動時給算出部、 181・・・チップ対象DB、182・・・チップ情報DB、183・・・勤務情報DB、 183a・・・勤怠情報DB、 183b・・・移動情報DB、 184・・・配分ルールDB、 185・・・配分決定DB、 186・・・メッセージDB、 187・・・顧客インセンティブDB、 188・・・業務割当・属性情報DB
図1
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図9