(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035120
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】芳香デバイスを備える自動車
(51)【国際特許分類】
B60H 3/00 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B60H3/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023133293
(22)【出願日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】22193043
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】513206898
【氏名又は名称】ズーパイル-テル・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ・ハインリヒ・グッゲンハイム
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA11
3L211DA76
(57)【要約】
【課題】芳香デバイスを備える自動車を提供すること。
【解決手段】特には乗用車である、自動車が、インテリア(5)と、ドア(6)と、芳香剤を備える芳香デバイス(1)と、を備える。芳香デバイス(1)が、ドア(6)が開けられているときのみに芳香デバイス(1)が芳香剤を放出することになるように、配置構成および設計される。結果として、自動車の使用者が車両に乗るときおよび車両から降りるときのみ芳香剤を知覚し、運転中に芳香剤に慣れることがない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特には乗用車である自動車であって、
- インテリア(5)と、
- ドア(6)と、
- 芳香剤を備える芳香デバイス(1)と、
を備える自動車において、
前記芳香デバイス(1)が、前記ドア(6)が開けられているときのみに前記芳香デバイス(1)が前記芳香剤を放出することになるように、配置構成および設計される、ことを特徴とする自動車。
【請求項2】
前記芳香デバイス(1)が、前記ドア(6)が開けられているときに少なくとも部分的に露出し、前記ドア(6)が閉じられているときに遮蔽され、特には完全に遮蔽されることになるように、配置構成および設計される、請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
前記芳香デバイス(1)が、前記ドア(6)が閉じられているときに前記芳香デバイス(1)が乗員および前記自動車の外側にいる人の両方にとって可視またはアクセス可能とならないように、配置構成および設計される、前記請求項のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項4】
前記芳香デバイス(1)が、
- 前記ドア(6)を閉じる動きのみにより前記芳香デバイス(1)を遮蔽し、
- 前記ドア(6)を開ける動きのみにより前記芳香デバイス(1)を露出させる
ことになるように、配置構成および設計される、前記請求項にいずれか一項に記載の自動車。
【請求項5】
前記芳香デバイス(1)が、前記ドア(6)が閉じられているときに前記芳香デバイス(1)がドアフレーム(7)に接触することになるようにさらには前記ドア(6)に接触することになるように、配置構成および設計される、前記請求項のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項6】
前記芳香デバイス(1)が前記ドア(6)の狭い側面(62)に配置構成され、具体的には、特には接着により、また特には二重接着ストリップにより、固着される、前記請求項のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項7】
前記芳香デバイス(1)が前記自動車の前記ドアフレーム(7)に配置構成され、具体的には、特には接着により、また特には二重接着ストリップにより、固着される、前記請求項のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項8】
前記芳香デバイス(1)が、前記ドア(6)が閉じられているときに、前記ドア(6)によってまた特には前記ドア(6)の前記狭い側面(62)によって遮蔽された自動車ボディの表面に配置構成される、前記請求項のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項9】
前記ドア(6)がサイドドアまたはバックドアである、前記請求項のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項10】
前記ドア(6)が窓を有し、前記芳香デバイス(1)が前記窓(8)の下方に配置構成される、前記請求項のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項11】
芳香剤を備え、特には一定の厚さである厚さを有する平坦形状を有する、芳香デバイス(1)。
【請求項12】
前記厚さが、前記芳香デバイス(1)の最も長い延在距離より、5分の1、特には10分の1、特には20分の1、特には40分の1、小さい、請求項11に記載の芳香デバイス。
【請求項13】
鋳造物(2)、および、前記芳香剤を備える芳香剤ボディ(3)を備え、
特には、前記鋳造物(2)が、前記芳香剤のために、透過性であり、特には有孔性であり、
特には、前記芳香剤ボディ(3)が波形である、
請求項11または12のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項14】
前記芳香デバイス(1)が、その最も長い延在距離に沿って、少なくとも1/100mm-1の曲率、特には少なくとも1/75mm-1の曲率、特には少なくとも1/50mm-1の曲率まで弾性的に湾曲可能である、請求項11、12、または13のいずれか一項に記載の芳香デバイス(1)。
【請求項15】
前記芳香デバイス(1)が請求項11から13のいずれか一項に従って構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項16】
前記芳香デバイス(1)が請求項11に従って構成される、請求項1に記載の自動車。
【請求項17】
請求項1から10あるいは15または16のいずれか一項に記載の自動車に対して工場で保守管理作業を実施するための方法であって、前記芳香デバイス(1)内の前記芳香剤を詰め替えるかまたは前記芳香デバイス(1)を交換する前記保守管理作業を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車に関し、詳細には、インテリアと、ドアと、芳香剤(scent)を備える芳香デバイスと、を有する乗用車に関する。加えて、本発明は、このような芳香デバイスと、この芳香デバイスを交換するための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車インテリア内に懸吊され得る芳香デバイスが知られており、これは、例えば、芳香剤をしみ込ませた物質を備えることができる。このようなデバイスは製造が安価であるが、それらの芳香効果が非一様になり得、通常はインテリアのバックミラーから懸吊された芳香剤ボディが視覚的に邪魔になり得る。
【0003】
さらに、車両のインテリア内で換気グリルに取り付けられる、芳香剤を備える鋳造物が知られている。芳香剤のための鋳造物が入口開口部を有し、その結果、換気システムからの空気が鋳造物の中へ流れて芳香剤に接触し、芳香剤の分子を豊富に含有した状態で、出口開口部を通って鋳造物から外に出る。このような鋳造物は、挟扼部品により、換気グリルに取り付けられ得、換気グリルから取り外され得る。
【0004】
一定時間後、乗員が芳香剤に慣れてそれ以降は芳香剤を意識的には知覚しなくなる。芳香デバイスがその目的を果たさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、自動車の使用者が芳香デバイスの芳香剤を良好に知覚することができる、芳香デバイスを備える自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的が、請求項1の特徴を有する自動車によって解決される。したがって、特には乗用車である、自動車が、インテリアと、ドアと、芳香デバイスと、を備える。芳香デバイスが芳香剤を備える。芳香デバイスが、ドアが開けられているときのみに芳香デバイスが芳香剤を放出することになるように、配置構成および構成される。
【0007】
芳香剤が短時間でのみ放出され、つまりドアが開けられているときのみ、放出される。ドアが閉じられているとき、芳香剤が放出されない。特には、芳香剤が、ドアを開けることにより作動される1回のプッシュにより放出されるか、ドアが開いている状態を維持する間において恒久的に放出される。
【0008】
ドアが閉じられているときに芳香デバイスが芳香剤を一切放出しないこと、および、ドアが開けられているときの放出期間が短いことにより芳香剤が自動車のシートまたは他の構成要素に定着しないことを理由として、乗員が自動車のインテリアでのその滞在中に芳香剤を知覚せず、自動車に乗るときおよび自動車から降りるときのみ芳香剤を知覚する。したがって、乗員は短時間でのみ芳香剤を浴びせられ、芳香剤に慣れることがなく、特には長時間の移動でも芳香剤に慣れることなく、短い放出期間中に、つまり自動車に乗るときおよび自動車から降りるときに、大幅により意識的に芳香剤を知覚する。
【0009】
有利には、芳香デバイスが、ドアが開けられているときに少なくとも部分的に露出し、ドアが閉じられているときに遮蔽され、特には完全に遮蔽されることになるように、配置構成および設計される。ドアが閉じられているときに芳香デバイスが遮蔽される場合、ドアが閉じられているときには芳香剤の放出が単純な手法で防止され得る。ドアを開けることにより芳香デバイスが露出すると、すぐに芳香剤が放出される。
【0010】
特には、芳香デバイスが、ドアが閉じられているときに芳香デバイスがパッセンジャーさらには自動車の外側にいる人にとって可視またはアクセス可能とならないように、配置構成および設計される。
【0011】
有利には、芳香デバイスが、
- ドアを閉じる動きのみにより芳香デバイスを遮蔽し、
- ドアを開ける動きのみにより芳香デバイスを露出させる
ことになるように、配置構成および設計される。
【0012】
この構成は、一方で、芳香剤が通常通りに放出されることが短時間保証される、という利点を有する。他方で、使用者が、芳香剤の放出を、自分で、つまりドアを開けたり閉じたりすることにより、制御するが、これは無意識であり、これが、使用者が近傍にいて芳香剤を意識的に知覚することができるような場合にのみ芳香剤が放出されるという利点と組み合わされる。
【0013】
特には、芳香デバイスが、ドアが閉じられているときに芳香デバイスがドアフレームに接触することになるようにさらにはドアに接触することになるように、配置構成および構成される。ドアフレームはドアに対しての対応部分として理解される。閉位置ではドアフレームがドアを中に嵌め込み、対してドアが開けられるときはドアが動いてドアフレームから外れる。ドアフレームの構成要素は、例えば、Aピラー、Bピラー、Cピラー、またはDピラーとなり得るか、あるいはさらにはドアの敷居となり得る。
【0014】
したがって、ドアが閉じられているとき、芳香デバイスがドアおよびドアフレームによって囲まれるか、または、ドアが閉じられているとき、ドアおよびドアフレームが芳香デバイスを挟扼する。
【0015】
有利には、芳香デバイスがドアの狭い側面に配置構成され、具体的には、特には接着により、また特には二重接着ストリップにより、狭い側面に固着される。ドアの狭い側面は、ドアの厚さにわたって延在するドアの側面である。通常、ドアが閉じられているとき、ドアの狭い側面がドアフレームに接触するかまたはドアフレームによって囲まれる。狭い側面に芳香デバイスが配置されることは目立つものではないが、ドアが開けられているときは容易にアクセス可能なものであり、その結果、芳香デバイスが単純な手法で交換され得る。
【0016】
有利には、芳香デバイスが自動車のドアフレームに配置構成され、具体的には、特には接着により、また特には二重接着ストリップにより、ドアフレームに取り付けられる。この構成ではまた、芳香デバイスは目立たないように配置されるが、ドアが開けられているときは容易にアクセス可能である。
【0017】
特には、芳香デバイスが、ドアが閉じられているときに、ドアによってまた特にはドアの狭い側面によって遮蔽されるボディの表面に配置構成される。
【0018】
「ドア」は特にはサイドドアまたはバックドアを意味することができる。したがって、芳香デバイスは、使用者が車に乗ったり車から降りたりするときに加えて、トランクの中に物を挿入したりまたはドランクから物を取り出したりする間においてドアが開けられているときも使用者が芳香剤を知覚することになるように、設置され得る。
【0019】
有利には、ドアが窓を有し、芳香デバイスが窓の下方に配置構成される。この配置構成は、ドアの上にある窓自体を中に嵌め込む必要がないことを理由として特に有利である。窓自体を中に嵌め込むような事例では窓の領域に芳香デバイスを装着することには問題が生じる。
【0020】
さらに、目的は、自動車の使用者が芳香デバイスの芳香剤を良好に知覚することになるように自動車に装着され得る芳香デバイスを提供することである。
【0021】
この目的が、芳香剤を備え、平坦形状を有する、芳香デバイスによって解決される。平坦形状が、特には芳香デバイスの全体にわたって一定となり得る厚さを有することができる。
【0022】
有利には、厚さが、芳香デバイスの最も長い延在距離、また特には直線の延在距離より、5分の1、特には10分の1、特には20分の1、特には40分の1、小さい。言い換えると、芳香デバイスは、厚さを芳香デバイスの別の延在距離より有意に小さくするくらいに、平坦である。
【0023】
平坦な構成要素としての芳香デバイスのデザインは、ドアまたはドアフレームに芳香デバイスを受けるための凹部を有させるのを必要とすることなくドアとドアを囲んでいるドアフレームとの間に容易に固定され得るという利点を有する。加えて、このような芳香デバイスは任意の自動車に容易に設置され得、特には増備され得る。
【0024】
有利には、芳香デバイスが鋳造物および芳香剤ボディを備える。鋳造物が、芳香剤ボディを保護するようにおよび芳香剤ボディを自動車に取り付けるように機能する。芳香剤が芳香剤ボディ内で保管される。
【0025】
特には、鋳造物が芳香剤に対して透過性であり、特には鋳造物が有孔性である。それにより、芳香デバイスからの芳香剤の放出が保証される。
【0026】
特には、芳香剤ボディの表面積を増大させるために、芳香剤ボディが波形である。したがって、芳香剤が芳香剤ボディからより良好に放出され得る。
【0027】
カバーが、例えば、PVC(polyvinyl chloride)(ポリ塩化ビニル)という物質で作られ得る。芳香剤ボディが、例えば、EVA(ethylene vinyl acetate)(エチレン酢酸ビニル)という物質で構成され得、ここでは射出成形中に芳香剤がプラスチックの中に注入される。
【0028】
有利には、芳香デバイスが、その最も長い延在距離に沿って、少なくとも1/100mm-1の曲率、特には少なくとも1/75mm-1の曲率、特には少なくとも1/50mm-1の曲率まで弾性的に湾曲可能である。これには、芳香デバイスが自動車ボディの湾曲表面またはドアの湾曲表面に取り付けられるという利点がある。芳香デバイスが柔軟的に使用され得る。
【0029】
さらに、自動車工場で車両に対して保守管理作業が実行されるたびに芳香デバイスを交換することが実現され得る。芳香剤が詰め替えられ得るかまたは芳香剤が完全に交換され得る。
【0030】
従属請求項からおよび図に基づく以下の説明から、本発明の別の実施形態、利点、および適用が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1aは、芳香デバイスを示す正面図である。
図1bは、芳香デバイスを示す側面図である。
図1cは、芳香デバイスの芳香剤ボディを示す側面図である。
【
図2】運転席のドアに設置された芳香デバイスを備える自動車を示す図である。
【
図3】運転席のドアフレームに設置された芳香デバイスを備える自動車を示す図である。
【
図4】リアシートのドアに設置された芳香デバイスを備える自動車を示す図である。
【
図5】リアシートの近くのドアのドアフレームに設置された芳香デバイスを備える自動車を示す図である。
【
図6】トランクに設置された芳香デバイスを備える自動車を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1aおよび1bが本発明による芳香デバイス1を示す。芳香デバイス1が、108mmの長さL、50mmの幅B、および2.7mmの厚さDを有する。したがって、芳香デバイス1が平坦形状を有し、ここでは、厚さDが芳香デバイス1の最も長い延在距離より有意に小さい。最も長い延在距離が、長さL、幅B、および厚さDにわたる対角線に一致する。
【0033】
芳香デバイス1が鋳造物2および芳香剤ボディ3を備える。鋳造物2が有孔性であり、ポリ塩化ビニルから構成され、芳香剤ボディ3を包囲する。
図1cが鋳造物2を備えない芳香剤ボディ3を示し、2.3mmの厚さD1を有する。芳香剤ボディ3がエチレン酢酸ビニルから構成され、芳香剤を詰め込まれている。加えて、芳香剤ボディ3が波形であり、その結果、表面が芳香剤の放出のために最適化される。芳香剤ボディ3が遮蔽されない場合、芳香剤ボディ3が有孔性カバー2を通して芳香剤を外側に恒久的に放出する。
【0034】
選定した材料のおかげでおよび小さい厚さのおかげで、芳香デバイス1が比較的容易に湾曲され得、その結果、芳香デバイス1が湾曲表面に容易に取り付けられ得るようにもなる。鋳造物2に取り付けられた特には二重接着ストリップである接着層4が、固着のために使用される。
【0035】
図2から6が、芳香デバイス1を設置することができる多様な位置を有する自動車を示す。
図2が、インテリア5およびドア6を備える自動車を示す。自動車の前方左側に配置構成された運転席のドアまたはサイドドアが示される。ドア6が外側表面61および狭い側面62を備える。ドアハンドル63が外側表面61に配置構成される。閉状態で、ドア6がドアフレーム7によって囲まれ、ドアフレーム7がインテリア5のハウジングの一部である。ドアフレーム7の構成要素が、例えば、ドアの敷居71、Aピラー72、Bピラー73、Cピラー74、またはバックドアフレーム75となり得る。ドア6が閉じられているとき、ドア6の狭い側面62およびインテリア5のハウジングのドアフレーム7が接触している。
【0036】
図2に示される配置構成では、芳香デバイス1がパッセンジャードアの狭い側面62に配置構成される。ドア6が開けられているとき、芳香デバイス1が可視であり、取り外すために容易にアクセス可能である。芳香デバイス1が露出しており、インテリアに入ったりインテリアから出たりするときに使用者により容易に知覚され得る芳香剤を放出する。
【0037】
自動車が動いているかまたは駐車されていることを理由としてドア6が閉じられている場合、狭い側面62に配置構成された芳香デバイス1がドアフレーム7によって遮蔽される。より正確には、芳香デバイス1が、ドアフレーム7の一部分であるBピラー73によって遮蔽される。ドア6が閉じられているとき、芳香デバイス1がドア6およびドアフレーム7によって捕捉され、つまりドアフレーム7が、ドア6が開けられているときに露出するような芳香デバイス1の表面を圧迫する。言い換えると、芳香デバイス1がドア6およびドアフレーム7に接触する。ドア6が閉じられているとき、芳香デバイス1が芳香剤を一切放出しない。芳香デバイス1が、自動車の外側にいる人またはインテリア5にいる乗員にとって、可視ではなく、アクセス可能でもない。
【0038】
芳香デバイス1が、ドア6を閉じることのみにより芳香デバイス1が遮蔽され得るようになり、ドア6を開けることのみにより芳香デバイス1が露出するようになるように、配置構成される。したがって、芳香剤の放出を開始および停止するために、使用者がドア6を開けたりまたは閉じたりすること以外になにもする必要がない。
【0039】
図3が、芳香デバイス1がドア6に位置せずにドアフレーム7またはBピラー72に位置する配置構成を示す。したがって、芳香デバイス1が自動車ボディの表面に取り付けられる。ドア6が閉じられているとき、ドア6の狭い側面62が芳香デバイス1の表面を圧迫し、芳香デバイス1の表面はドア6が開けられているときに露出する。ドア6が開けられているとき、芳香デバイス1が露出し、芳香剤を放出する。ドア6が閉じられているとき、芳香デバイス1が遮蔽され、芳香剤を一切放出しない。
【0040】
図4が、リアシートのところにあるサイドドアであるドア6の狭い側面62上の配置構成を示す。
図5が、リアシートのサイドドアのところにあるドアフレーム7上での芳香デバイス1の配置構成を示す。この配置構成は、運転席のドアのための
図2および3に示される配置構成に類似する。特には、
図5では、芳香デバイス1がドアフレーム7の湾曲表面に配置構成されることを見ることができる。芳香デバイスが比較的薄いことを理由として、芳香デバイスは非常に容易に湾曲され得る。
【0041】
図2から5による配置構成では、芳香デバイス1の各々が窓8の下方に配置構成されることを見ることができる。
【0042】
図6が、トランク9の後方からの自動車の図を示す。トランク9のドア6が開いている。芳香デバイス1がドア6の外側領域に配置構成される。別法として、芳香デバイスがドアフレーム7にも配置構成され得る。両方の代替的実施形態が
図6に示される。トランク9のドア6が配置構成される場合、芳香デバイス1がドア6およびドアフレーム7によって挟扼される。芳香デバイス1が芳香剤を一切放出しない。使用者がトランク9のドア6を開けるとき、芳香デバイス1が露出し、使用者が、芳香デバイス1によって放出される芳香剤を知覚することができる。
【0043】
本出願では本発明の好適な実施形態が説明されるが、本発明がこの好適な実施形態のみに限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲内で他の手法でも実行され得る、ことに明確に留意されたい。
【符号の説明】
【0044】
1 芳香デバイス
2 鋳造物
3 芳香剤ボディ
4 接着層
5 インテリア
6 ドア
7 ドアフレーム
8 窓
61 外側表面
62 狭い側面
63 ドアハンドル
71 ドアの敷居
72 Aピラー
73 Bピラー
74 Cピラー
75 バックドアフレーム
B 幅
D 厚さ
D1 厚さ
L 長さ
【外国語明細書】