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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003515
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】遊技場管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 340
A63F7/02 352L
A63F7/02 352F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102712
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】591085972
【氏名又は名称】日本ゲームカード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】野口 哲
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA04
2C088CA31
2C088FA01
(57)【要約】
【課題】遊技客が所持する標準的な携帯端末装置と遊技場内の遊技用装置とを無線接続することで、遊技客にとって有益なサービスを提供できる遊技場管理システムを提供する。
【解決手段】遊技場PPに設置された遊技機1や遊技媒体貸出装置2等を管理装置3によって管理する遊技場管理システムでは、遊技場PP内に設置された遊技媒体貸出装置2と遊技客が所持する携帯端末装置7とを通信可能状態にすることができる。その後、携帯端末装置7との通信状態が近距離無線通信の中断となり、遊技媒体貸出装置2に対応する遊技機1の動作状態が遊技の進行中である場合、携帯端末装置7の盗難や携帯端末装置7のバッテリー切れなどが発生した可能性があるので、遊技客に知らせるサービスを行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置されて所定の遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応付けて設置される遊技用装置と、前記遊技機および前記遊技用装置を含む遊技場内の諸装置に対する管理が可能な管理装置と、を含む遊技場管理システムであって、
前記遊技用装置は、
当該遊技場を訪れた遊技客が所持する携帯端末装置が使用可能な所定の通信規約に基づく近距離用の無線通信である近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
前記近距離無線通信手段によって前記携帯端末装置と前記近距離無線通信を行える通信可能状態において、前記携帯端末装置との通信状態と、前記遊技用装置および/または前記遊技機にて管理する有価価値の状態と、前記遊技機の動作状態と、を監視し、これらの状態の組み合わせが所定の処理実行条件を満たすことに基づいて、前記処理実行条件に対応する所定の処理を実行する対応処理実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項2】
前記遊技用装置の前記対応処理実行手段は、前記携帯端末装置との通信状態が前記近距離無線通信の中断となり、当該遊技用装置に対応する前記遊技機の動作状態が遊技の進行中である場合、報知動作実行条件を満たすと判断し、所定の報知動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技場管理システム。
【請求項3】
前記遊技用装置は、自装置および/または対応する前記遊技機の操作ができない操作禁止状態にする遊技保留制御手段を備え、
前記遊技用装置の前記対応処理実行手段は、前記携帯端末装置との通信状態が前記近距離無線通信の中断となり、前記有価価値が残っている状態、または当該遊技用装置に対応する前記遊技機の動作状態が遊技者にとって有利な状態である場合、遊技保留実行条件を満たすと判断し、前記遊技保留制御手段によって前記操作禁止状態を開始させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技場管理システム。
【請求項4】
前記遊技用装置は、前記携帯端末装置と前記通信可能状態になったとき、当該携帯端末装置を一意に特定できる携帯端末装置特定情報を自装置の接続対象情報として記憶し、前記携帯端末装置との通信状態が前記近距離無線通信の中断となったとき、前記接続対象情報として記憶していた前記携帯端末装置特定情報を再接続対象情報として記憶することで、接続対象の前記携帯端末装置および再接続対象の前記携帯端末装置を管理する接続端末管理手段を備え、
前記遊技用装置の前記遊技保留制御手段は、前記操作禁止状態を開始することに伴って、前記再接続対象情報における前記携帯端末装置特定情報を受け入れる再接続準備状態へ移行し、前記再接続準備状態において前記携帯端末装置特定情報を受け入れた場合、受け入れた前記携帯端末装置特定情報と、前記再接続対象情報における前記携帯端末装置特定情報とが一致したときに接続を許可して前記操作禁止状態を解除することを特徴とする請求項3に記載の遊技場管理システム。
【請求項5】
前記遊技用装置の前記接続端末管理手段は、前記携帯端末装置の前記携帯端末装置特定情報を取得したとき、当該携帯端末装置特定情報が他の前記遊技用装置で管理されている多重接続異常の有無を確認し、前記多重接続異常の発生を検知すると、所定の報知動作を行うことを特徴とする請求項4に記載の遊技場管理システム。
【請求項6】
前記遊技用装置は、前記携帯端末装置と前記通信可能状態になったとき、当該携帯端末装置を一意に特定できる携帯端末装置特定情報と、自装置を一意に特定できる遊技用装置特定情報とを含む接続ペア情報を前記管理装置へ送信し、前記携帯端末装置との前記通信可能状態が解消されたとき、当該携帯端末装置の前記携帯端末装置特定情報と自装置の前記遊技用装置特定情報とを含む解消ペア情報を前記管理装置へ送信するペア情報送信手段を備え、
前記管理装置は、遊技場内の各遊技用装置より送信された前記接続ペア情報と前記解消ペア情報とに基づいて、前記通信可能状態にある前記遊技用装置特定情報と前記携帯端末装置特定情報との組み合わせである接続ペアをリアルタイムに管理する接続ペア管理手段を備え、
前記遊技用装置の前記遊技保留制御手段は、前記操作禁止状態を開始することに伴って、前記接続ペアとなっている前記携帯端末装置からの前記携帯端末装置特定情報を受け入れる再接続準備状態へ移行し、前記再接続準備状態において前記携帯端末装置特定情報を受け入れた場合、受け入れた前記携帯端末装置特定情報と、記憶している前記携帯端末装置特定情報とが一致したときに接続を許可して前記操作禁止状態を解除することを特徴とする請求項3に記載の遊技場管理システム。
【請求項7】
前記管理装置の前記接続ペア管理手段は、1つの前記携帯端末装置特定情報が複数の前記接続ペアに含まれている多重接続異常の有無を監視し、前記多重接続異常の発生を検知すると、所定の報知動作を行うことを特徴とする請求項6に記載の遊技場管理システム。
【請求項8】
前記遊技用装置の前記遊技保留制御手段は、前記再接続準備状態へ移行して前記携帯端末装置の再接続が無いまま予め定めた保留猶予時間が経過した際、所定の報知動作を行うことを特徴とする請求項4~請求項7の何れか1項に記載の遊技場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置されて所定の遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応付けて設置される遊技用装置と、前記遊技機および前記遊技用装置を含む遊技場内の諸装置に対する管理が可能な管理装置と、を含む遊技場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場では遊技媒体を使用した遊技機による遊技を提供している。遊技を行うには、遊技機での遊技に使用できる遊技媒体を遊技店から借り受ける必要があるので、遊技媒体を貸し出すための遊技用装置として遊技媒体貸出装置が遊技機に対応して設けられている。遊技媒体貸出装置に金銭を投入、あるいはチャージ済みの記録媒体(ICカードなど)を投入すると、使用可能な金銭の範囲内で遊技媒体の貸し出しを受けられる。例えば、弾球遊技機では、遊技球を遊技媒体として借り受け、遊技球を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う。遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定個数の遊技球が賞遊技媒体として遊技者に付与される。一方、回胴式遊技機では、遊技メダルを遊技媒体として借り受け、遊技メダルの投入により回胴リールを回転させ、リール図柄の停止状況に基づいて、所定枚数の遊技メダルが賞遊技媒体として遊技者に付与される。
【0003】
近年は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置の機能が向上したことにより、非接触決済サービスに対応したICチップを搭載する携帯端末装置に記憶された電子マネーを使って遊技媒体を貸し出すサービスを可能にした遊技媒体貸出システムも提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献2】特開2013-116397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された発明においては、遊技客の携帯端末装置と遊技媒体貸出装置(CRユニット)との通信が、電子マネーの読み取りや徴収による遊技媒体の貸出サービスのみに使われており、遊技客にとって有益なサービスを十分に提供できているとは言えない。
【0006】
そこで、本発明は、遊技客が所持する標準的な携帯端末装置と遊技場内の遊技用装置とを無線接続することで、遊技客にとって有益なサービスを提供できる遊技場管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、遊技場に設置されて所定の遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応付けて設置される遊技用装置と、前記遊技機および前記遊技用装置を含む遊技場内の諸装置に対する管理が可能な管理装置と、を含む遊技場管理システムであって、前記遊技用装置は、当該遊技場を訪れた遊技客が所持する携帯端末装置が使用可能な所定の通信規約に基づく近距離用の無線通信である近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、前記近距離無線通信手段によって前記携帯端末装置と前記近距離無線通信を行える通信可能状態において、前記携帯端末装置との通信状態と、前記遊技用装置および/または前記遊技機にて管理する有価価値の状態と、前記遊技機の動作状態と、を監視し、これらの状態の組み合わせが所定の処理実行条件を満たすことに基づいて、前記処理実行条件に対応する所定の処理を実行する対応処理実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記発明において、前記遊技用装置の前記対応処理実行手段は、前記携帯端末装置との通信状態が前記近距離無線通信の中断となり、当該遊技用装置に対応する前記遊技機の動作状態が遊技の進行中である場合、報知動作実行条件を満たすと判断し、所定の報知動作を行ってもよい。
【0009】
上記発明において、前記遊技用装置は、自装置および/または対応する前記遊技機の操作ができない操作禁止状態にする遊技保留制御手段を備え、前記遊技用装置の前記対応処理実行手段は、前記携帯端末装置との通信状態が前記近距離無線通信の中断となり、前記有価価値が残っている状態、または当該遊技用装置に対応する前記遊技機の動作状態が遊技者にとって有利な状態である場合、遊技保留実行条件を満たすと判断し、前記遊技保留制御手段によって前記操作禁止状態を開始させてもよい。
【0010】
上記発明において、前記遊技用装置は、前記携帯端末装置と前記通信可能状態になったとき、当該携帯端末装置を一意に特定できる携帯端末装置特定情報を自装置の接続対象情報として記憶し、前記携帯端末装置との通信状態が前記近距離無線通信の中断となったとき、前記接続対象情報として記憶していた前記携帯端末装置特定情報を再接続対象情報として記憶することで、接続対象の前記携帯端末装置および再接続対象の前記携帯端末装置を管理する接続端末管理手段を備え、前記遊技用装置の前記遊技保留制御手段は、前記操作禁止状態を開始することに伴って、前記再接続対象情報における前記携帯端末装置特定情報を受け入れる再接続準備状態へ移行し、前記再接続準備状態において前記携帯端末装置特定情報を受け入れた場合、受け入れた前記携帯端末装置特定情報と、前記再接続対象情報における前記携帯端末装置特定情報とが一致したときに接続を許可して前記操作禁止状態を解除してもよい。
【0011】
上記発明において、前記遊技用装置の前記接続端末管理手段は、前記携帯端末装置の前記携帯端末装置特定情報を取得したとき、当該携帯端末装置特定情報が他の前記遊技用装置で管理されている多重接続異常の有無を確認し、前記多重接続異常の発生を検知すると、所定の報知動作を行ってもよい。
【0012】
上記発明において、前記遊技用装置は、前記携帯端末装置と前記通信可能状態になったとき、当該携帯端末装置を一意に特定できる携帯端末装置特定情報と、自装置を一意に特定できる遊技用装置特定情報とを含む接続ペア情報を前記管理装置へ送信し、前記携帯端末装置との前記通信可能状態が解消されたとき、当該携帯端末装置の前記携帯端末装置特定情報と自装置の前記遊技用装置特定情報とを含む解消ペア情報を前記管理装置へ送信するペア情報送信手段を備え、前記管理装置は、遊技場内の各遊技用装置より送信された前記接続ペア情報と前記解消ペア情報とに基づいて、前記通信可能状態にある前記遊技用装置特定情報と前記携帯端末装置特定情報との組み合わせである接続ペアをリアルタイムに管理する接続ペア管理手段を備え、前記遊技用装置の前記遊技保留制御手段は、前記操作禁止状態を開始することに伴って、前記接続ペアとなっている前記携帯端末装置からの前記携帯端末装置特定情報を受け入れる再接続準備状態へ移行し、前記再接続準備状態において前記携帯端末装置特定情報を受け入れた場合、受け入れた前記携帯端末装置特定情報と、記憶している前記携帯端末装置特定情報とが一致したときに接続を許可して前記操作禁止状態を解除してもよい。
【0013】
上記発明において、前記管理装置の前記接続ペア管理手段は、1つの前記携帯端末装置特定情報が複数の前記接続ペアに含まれている多重接続異常の有無を監視し、前記多重接続異常の発生を検知すると、所定の報知動作を行ってもよい。
【0014】
上記発明において、前記遊技用装置の前記遊技保留制御手段は、前記再接続準備状態へ移行して前記携帯端末装置の再接続が無いまま予め定めた保留猶予時間が経過した際、所定の報知動作を行ってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技場内の遊技用装置と遊技客が所持する携帯端末装置とが通信可能状態となることで、対応処理実行手段が所定の処理実行条件の成否を判定し、成立した処理実行条件に対応する所定の処理を実行する。この所定処理の実行により、遊技客にとって有益なサービスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る遊技場管理システムの概略構成図である。
図2】(A)は弾球遊技機に対応する遊技用装置としての遊技媒体貸出装置の概略正面図である。(B)は回胴式遊技機に対応する遊技用装置としての遊技媒体貸出装置の概略正面図である。
図3】遊技媒体貸出装置に設けられる表示操作部の表示例を示し、(A)は無線接続開始前の表示イメージ図、(B)は近距離無線認証情報を提供するための二次元コードを提示した表示イメージ図、(C)は無線接続完了後の表示イメージ図である。
図4】遊技媒体貸出装置の概略構成図である。
図5】携帯端末装置の概略構成図である。
図6】遊技媒体貸出装置をマスターとしてスレーブの携帯端末装置と通信可能状態になるまでの手順を示すシーケンス図である。
図7】携帯端末装置をマスターとしてスレーブの遊技媒体貸出装置と通信可能状態になるまでの手順を示すシーケンス図である。
図8】マスターの遊技媒体貸出装置とスレーブの携帯端末装置が共に二次元コードを使って近距離無線認証情報を提供することで通信可能状態になるまでの手順を示すシーケンス図である。
図9】遊技用装置としての遊技媒体貸出装置と携帯端末装置との通信状態を示す説明図である。
図10】遊技媒体貸出装置の対応処理実行手段が行う遊技機動作状態判定処理を示すフローチャートである。
図11】遊技媒体貸出装置の対応処理実行手段が行う実行条件判定処理を示すフローチャートである。
図12】遊技媒体貸出装置に設けられる表示操作部の表示例を示し、(A)は報知動作実行条件の成立により行う報知動作の表示イメージ図、(B)は遊技保留実行条件の成立により操作禁止状態を開始した後の表示イメージ図である。
図13】遊技媒体貸出装置における接続端末管理手段と遊技保留制御手段との連携による通信接続制御の概要を示し、(A)は携帯端末装置と通信可能状態であるときの構成図、(B)は携帯端末装置と通信が中断されたときの構成図、(C)は携帯端末装置が再接続を要求したときの構成図である。
図14】遊技媒体貸出装置の接続端末管理手段が携帯端末装置の多重接続異常の発生を検知するまでの手順を示すシーケンス図である。
図15】第2構成例の遊技媒体貸出装置と第2構成例の管理装置を用いた遊技場管理システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面に基づいて、本発明に係る遊技場サービス提供システムの実施形態を詳細に説明する。図1に示すように、遊技場PPには、複数の遊技機1が設置され、各遊技機1と通信可能な遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2が併設され、遊技媒体貸出装置2で貸し出された遊技媒体を用いて遊技機1で遊技を行うことができる。また、遊技場PP内には、遊技機1や遊技媒体貸出装置2を管理する管理装置3、個人情報が特定された正規の会員や個人情報が不明な非会員の諸情報を管理する会員管理装置4のほか、賞品交換POS5、精算機6等のサービス提供装置が設置されている。遊技場PP内の諸装置は、場内ネットワークNTを介して接続されており、管理装置3は、遊技媒体貸出装置2の設定情報管理や、遊技媒体貸出装置2から送信される処理結果情報の管理を行う。この管理装置3は、各遊技機1における遊技結果の計数管理機能や遊技場PP内の諸装置に対する管理機能などを一体に備えるものとしたが、機能毎に異なる装置として構成してもよい。遊技機1での遊技結果として獲得した遊技媒体数は、遊技媒体貸出装置2で電子データ化され、遊技客は賞品交換POS5にて賞品と交換できる。また、遊技媒体貸出装置2に投入した紙幣の残金がある場合、遊技客は精算機6で精算できる。さらに、遊技客が所持している携帯端末装置7(例えば、スマートフォン、タブレット端末、フィーチャーフォン等)は、後述するように、簡易且つ安全に遊技媒体貸出装置2と通信可能状態にすることができる。
【0018】
また、遊技場PPに設置される遊技機1には、遊技に用いる遊技媒体の違いから、弾球遊技機1Aと回胴式遊技機1Bが設けられる。弾球遊技機1Aでは、遊技球を遊技媒体として用い、遊技球を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う。遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、遊技進行によって遊技球が入賞領域を通過すると、所定個数の遊技球が賞遊技媒体として遊技者に付与される。一方、回胴式遊技機1Bでは、遊技メダルを遊技媒体として用い、遊技メダルの投入により回胴リールを回転させ、停止ボタンの操作あるいは時間経過によりリールが停止するような遊技進行となる。そして、リール図柄の停止状況が賞に該当していれば、所定枚数の遊技メダルが賞遊技媒体として遊技者に付与される。遊技球を遊技媒体とする弾球遊技機1Aには、遊技媒体として遊技球を貸し出す制御が可能な遊技媒体貸出装置2Aが対応し、遊技メダルを遊技媒体とする回胴式遊技機1Bには、遊技媒体として遊技メダルを貸し出す制御が可能な遊技媒体貸出装置2Bが対応する。
【0019】
なお、以下の説明では、弾球遊技機1Aか回胴式遊技機1Bかを区別する必要が無い場合、単に遊技機1とよび、これに接続する遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2A,2Bも単に遊技媒体貸出装置2とよぶ。また、遊技機1での遊技により獲得した遊技媒体は、遊技球あるいは遊技メダルと区別せずに、遊技機1での遊技に供し得る持ち玉として扱う。便宜上、「持ち玉」には「持ち遊技球」と「持ち遊技メダル」の意味が含まれるものとする。遊技客が所持する持ち玉は、遊技場PPの同一店舗内、同一営業日付に限り、再度遊技に使用したり、賞品と交換したりできる。また、遊技客が氏名、住所、電話番号などの諸情報を登録して会員になると、会員カード等である記録媒体(後に詳述)が発行され、持ち玉を貯玉に変えるサービスを受けられる。貯玉とは、遊技場PPの同一店舗内に限り、翌日以降も再度遊技に使用したり、賞品と交換したりできるように、遊技終了時の持ち玉を当該遊技場PPに預けておけるサービスである。また、条件により、貯玉を持ち玉に変換して使用できるサービスを提供しても良い。貯玉を持ち玉に変換する際には、手数料分を貸出遊技媒体数より減算しても良い。
【0020】
次に、図2を参照して、遊技用装置である遊技媒体貸出装置2の概要を説明する。図2(A)に示す遊技媒体貸出装置2Aは、遊技媒体として遊技球を扱う装置であり、弾球遊技機1Aの左側に設置される。また、図2(B)に示す遊技媒体貸出装置2Bは、遊技媒体として遊技メダルを扱う装置であり、回胴式遊技機1Bの右側に設置される。遊技媒体貸出装置2A,2Bには、紙幣投入部21、表示操作部22、記録媒体挿排口23、無線通信部24が共通で設けられており、遊技媒体貸出装置2Aには遊技球供給部25及び遊技球計数器26が、遊技媒体貸出装置2Bには遊技メダル貸出部27及び遊技メダル計数部28がそれぞれ設けられている。
【0021】
会員カード等である記録媒体8を所持していない遊技客は、まず初めに紙幣投入部21に紙幣を投入する。紙幣投入部21から内部へ取り込まれた紙幣は、真正な紙幣か偽造が疑われる紙幣かの真贋判定が行われる。真正な紙幣と認識すると、遊技媒体貸出装置2は、その紙幣を内部に取り込むと同時に紙幣の価値に応じた金額を預り金(電子データ)として記録する。記録された預り金は、表示操作部22に自動表示(あるいは遊技客による所定の表示操作による選択表示)で確認できる。なお、預り金を金額表示にするか、金額に相当する遊技媒体数で表示するかは、管理装置3による設定動作によって決定される。また、投入された金額を預り金として管理するために、遊技媒体貸出装置2は、仮のカードIDを発行する。これにより、遊技媒体貸出装置2は、遊技客には手渡されていない記録媒体8の特定情報(カードID)と紐付けて預り金を管理すると共に、このカードIDと紐付けて持ち玉の記録処理を行う。そして、遊技終了時に残額や持ち玉数がカード価値を上回っていれば、カード発行条件を満たすので、仮のカードIDを正式のカードIDとして記録した記録媒体8を発行する。なお、遊技終了時の残額や持ち玉数が殆ど残っておらず、カード発行条件を満たしていない場合は、記録媒体8を発行しないで、適宜な残玉処理を行えばよい。
【0022】
表示操作部22のパネル表示例を図3(A)に示す。表示操作部22は、大きく分けて、情報表示用の表示部221とタッチ操作用の操作部222により構成されている。例えば、表示部221には、情報表示エリア221aが表示され、遊技客が遊技に使える金額(預り金)や遊技媒体(持ち玉および獲得玉)についての情報を確認できる。また、操作部222には、賞品選択ボタン222a、無線接続ボタン222b、返却ボタン222c、貸出ボタン222d、計数ボタン222e等を設け、遊技客が何れかのボタンを選択操作(操作部222におけるボタン表示領域をタッチ)することで、操作に応じた動作が遊技媒体貸出装置2によって行われる。
【0023】
例えば、表示操作部22の表示部221にて残高(使用可能な預り金)が確認できる状態で、操作部222の貸出ボタン222dを押下することにより、遊技媒体が貸し出される。遊技媒体が遊技球である遊技媒体貸出装置2Aの場合には、遊技球供給部25から弾球遊技機1Aの球皿に遊技球が供給され、遊技媒体が遊技メダルである遊技媒体貸出装置2Bの場合には、遊技メダル貸出部27から回胴式遊技機1Bのメダル皿に遊技メダルが供給される。なお、紙幣投入部21に投入された紙幣が真正紙幣と判定されて取り込まれた際、貸出ボタン222dを押下することなく、最低紙幣単価に該当する数の遊技媒体を貸し出し、最低紙幣単価分の預り金を減算する自動貸出モードで遊技媒体貸出装置2を稼動させておけば、遊技客の利便性が向上する。遊技媒体貸出装置2に対する自動貸出モードの設定は、管理装置3からの制御や、遊技店の係員による手動操作などで行える。
【0024】
貸し出された遊技媒体を使用して遊技機1にて遊技を行った結果として獲得した遊技媒体は、遊技球計数器26あるいは遊技メダル計数部28により計数することで、持ち玉として電子データ化を行うことができる。獲得した遊技媒体の計数動作は、遊技媒体の検出による自動計数が基本であるが、図3の表示操作部22に例示するように、計数ボタン222eを備え、計数ボタン222eが押下される毎に計数を実行するシステムも存在する。また、近年注目されている遊技媒体封入式の遊技機1に於いては、遊技媒体貸出装置2ではなく、遊技機1側に獲得遊技媒体計数用のボタンが設けられている。
【0025】
預り金もしくは持ち玉が存在する場合、返却ボタン222cを押下することにより、預り金もしくは持ち玉の価値情報を利用できるように、記録媒体8を記録媒体挿排口23より発行し、遊技客に提供する。記録媒体8として、ICチップを含む薄板状のICカード8Aやコイン形状のICコイン8Bが用いられているが、電気的に認識可能な識別子(特定情報)を含んでいれば、媒体の種類は特に限定されるものではない。例えば、遊技客が所持する携帯端末装置7を記録媒体8として用いても構わない。また、記録媒体8は、付与する遊技客に応じて2種類ある。個人情報が特定された会員の遊技客には会員カードとなる記録媒体8が付与され、会員以外の遊技客には一般カードとなる記録媒体8が付与される。なお、一般カードでは、ICを内蔵するカード自体に価値があるので、一般カードの盗難等を防止するため、預り金もしくは持ち玉の価値が、カード自体の価値に達しない場合は、カードの発行を禁止する機能を遊技媒体貸出装置2が備える。
【0026】
遊技客は、遊技媒体貸出装置2から排出された記録媒体8を使用して、賞品への交換を行ったり、他の遊技機1へ移動して再び遊技を行ったりできる。記録媒体8を使用して賞品交換を行う場合、サービス提供装置の一つである賞品交換POS5を使う。なお、賞品交換POS5へ行かずに賞品交換サービスを利用できる機能を遊技媒体貸出装置2に設けた場合は、賞品選択ボタン222aを押下することで賞品の選択画面が表示され、遊技客が希望する交換賞品を選択できる。他の遊技機1へ移動する場合には、目的の遊技機1に併設された遊技媒体貸出装置2の記録媒体挿排口23に記録媒体8を挿入すると、記録媒体8の特定情報と紐付いて管理されている預り金および持ち玉の情報が表示され、再び遊技を行うことが可能となる。
【0027】
また、記録媒体8の特定情報と紐付いた預り金に残金がある場合、サービス提供装置の一つである精算機6にて預り金を精算できる。預り金の精算は現金であるが、遊技客の選択により、電子マネー等への加算が行えるようなサービスを提供できるようにしても良い。精算金額を電子マネー等へ加算する場合、わざわざ精算機6へ行かずに、遊技媒体貸出装置2で精算できるようにすれば、遊技客の利便性が一層向上する。
【0028】
さらに、遊技場PPを訪れた遊技客が所持する携帯端末装置7が使用可能な所定の通信規約に基づく近距離用の無線通信、例えばブルートゥース(登録商標)による近距離無線通信を行う機能(近距離無線通信手段)が遊技媒体貸出装置2に設けられている。遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7とで、近距離無線通信によるデータ通信を行えるようにするためには、お互いの通信相手を特定する相互認証が必要である。そこで、遊技客が携帯端末装置7を所有している場合、表示操作部22の無線接続ボタン222bを遊技客が操作することによって、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7とで相互認証を行うための処理手順が開始される。
【0029】
先ず、ホストとして遊技媒体貸出装置2が自ら管理している近距離無線認証情報を携帯端末装置7に提供する。この近距離無線認証情報は、図3(B)の表示操作部22に示すように、QRコード(登録商標)に代表される二次元コード221bとして提示する。二次元コード221bを携帯端末装置7が読み取ることで、遊技媒体貸出装置2の近距離無線認証情報(例えば、遊技媒体貸出装置2のアクセスID及び認証コード)が携帯端末装置7に提供される。近距離無線認証情報を取得するために二次元コード221bの読取を行う場合、携帯端末装置7を遊技媒体貸出装置2の表示操作部22に近接させる必要があるので、遊技客が望む遊技媒体貸出装置2とのペア関係が明確となり、近隣の遊技媒体貸出装置2との誤接続を排除できる。
【0030】
なお、遊技媒体貸出装置2による近距離無線認証情報の提供と携帯端末装置7による近距離無線認証情報の取得は、二次元コード221bを介した手法に限定されず、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7とを近接させることが近距離無線認証情報の提供条件となっていれば、如何様な手法であっても構わない。例えば、IrDA(登録商標)等の赤外線通信によって近距離無線認証情報を遊技媒体貸出装置2から携帯端末装置7へ送信しても良いし、遊技媒体貸出装置2に設けた非接触ICチップやICタグに記録された近距離無線認証情報を携帯端末装置7が備える非接触ICリーダの機能で読み出すようにしても良い。或いは、携帯端末装置7に設けられた接続端子を介して、遊技媒体貸出装置2と有線接続することにより、携帯端末装置7へ近距離無線認証情報を提供しても良い。この場合、携帯端末装置7から遊技媒体貸出装置2への近距離無線認証情報の提供も接続ラインを介して行うことができる。
【0031】
遊技媒体貸出装置2より近距離無線認証情報を受け取った携帯端末装置7は、周辺のブルートゥース(登録商標)機器探索を行い、検出された機器群のアクセスIDの中から、近距離無線認証情報として取得したアクセスIDを探す。認証情報のアクセスIDが見つかれば、それが接続対象の遊技媒体貸出装置2であるから、携帯端末装置7が自ら管理している近距離無線認証情報(例えば、携帯端末装置7のアクセスID及び認証コード)を接続対象の遊技媒体貸出装置2に送信する。なお、遊技媒体貸出装置2は、二次元コード221bを表示することと併せて、接続開始ボタン222f1を操作可能とし、遊技客が接続開始ボタン222f1を操作することで接続モードに移行し、携帯端末装置7からの近距離無線認証情報を受け入れ可能となる。また、何らかの事情で携帯端末装置7の接続を取りやめたい場合には、遊技客が自ら接続中止ボタン222f2を操作することで、通常モードに復帰する。無論、遊技客が接続開始ボタン222f1や接続中止ボタン222f2を操作する必要が無いように、二次元コード221bを表示すると同時に自動で接続モードに移行し、一定時間内に携帯端末装置7から近距離無線認証情報が提供されなかった場合は自動で通常モードに復帰する制御を行っても良い。
【0032】
上記のようにして、接続対象となる遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7が互いの近距離無線認証情報を取得すると、両者間で近距離無線認証情報に基づく相互認証を行い、双方向での近距離無線通信が可能な通信可能状態となる。接続対象となった携帯端末装置7の近距離無線認証情報は、接続対象情報として遊技媒体貸出装置2が管理しており、後述するように、突然の通信断が生じても、通信接続の復旧を簡易に行うことができる。また、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7とが通信可能状態になると、図3(C)の表示操作部22に示すように、接続状態表示欄221cを表示部221に表示して、携帯端末装置7が接続中である旨を遊技客に報らせる。一方、表示操作部22の操作部222では、接続終了ボタン222gが操作可能となり、遊技客が接続終了ボタン222gを操作することで、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7との接続を終了できる。なお、接続終了ボタン222gを操作して遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7との接続を終了させた場合には、接続終了した携帯端末装置7の近距離無線認証情報はクリアされるので、携帯端末装置7を再接続するためには、二次元コード221bの表示からやり直す必要がある。
【0033】
携帯端末装置7と遊技媒体貸出装置2とを通信可能状態にすると、遊技客は、遊技媒体貸出装置2と接続された携帯端末装置7を介して、遊技場PP内のサービスを受けることが可能になる。遊技客に提供されるサービスは特に限定されるものではないが、一例として、遊技途中に遊技客が遊技機1から離れても当該遊技機1を他の遊技客が利用できないようにしておく遊技継続サービス、携帯端末装置7に保存されている電子マネーを使用した遊技媒体貸出サービスがある。また、会員カードとしての記録媒体8を遊技媒体貸出装置2に投入しているときに受けられる貯玉サービスや来店ポイント付与サービス等を、携帯端末装置7を介して受けられるようにすることも可能である。また、遊技媒体貸出装置2が備える近距離無線通信機能を賞品交換POS5や精算機6に設けておき、携帯端末装置7と無線通信回線接続(図1中、破線で示す)を可能としておけば、携帯端末装置7を介して賞品交換POS5や精算機6が提供するサービスを受けることができ、利便性を高められる。
【0034】
次に、遊技媒体貸出装置2の内部機能の一例として、弾球遊技機1Aに対応する遊技媒体貸出装置2Aについて、図4に示す機能ブロック図に基づき説明する。遊技媒体貸出装置2Aは、制御部201、記憶部202、紙幣識別部203、表示操作部22、カード処理部204、遊技球払出部205、遊技球計数部206、外部通信部207、無線通信部24、遊技機通信部208等を有する。
【0035】
紙幣識別部203は、紙幣投入部21より投入された紙幣の真贋判定を行う。紙幣識別部203により、真正の紙幣と判定された場合には、当該紙幣の金種を識別判定した後に内部へ格納する。一方、真贋判定に失敗した場合(紙幣識別部203により真正の紙幣と判定されなかった場合)には、当該紙幣を遊技客へ返却する。なお、紙幣識別部203にて真正の紙幣と判定されて内部へ格納した場合、当該紙幣の金額が、制御部201の預り金管理部201aにより記憶部202の預り金データ記憶領域202aに書き込まれ、以後も預り金として管理される。
【0036】
表示操作部22は、前述したように、預り金(使用可能な残高)、持ち玉数、獲得玉数などを表示部221の情報表示エリア221aに表示すると共に、遊技媒体の貸出要求や返却などの操作を受け付ける入出力装置である。表示操作部22に対する表示制御は、制御部201の表示制御部201cで行い、遊技媒体貸出や返却などの操作制御は、操作制御部201dで行う。また、表示操作部22における表示部221には、LCDや有機ELパネル等を用いた薄型表示パネルを用いて実現でき、表示操作部22における操作部222には、抵抗膜方式や静電容量方式等を用いたタッチパネルを用いて実現できる。
【0037】
カード処理部204は、カード制御部201eの制御により、記録媒体挿排口23に挿入されたカード(薄板カード状の記録媒体8)を内部に取り込み、カード識別子(遊技客が所有する記録媒体8に記録された特定情報)を読み込む装置である。読み込んだカード識別子は、記憶部202のカードデータ記憶領域202dに書き込み、このカード識別子と紐付けられた持ち玉情報など(後に詳述)を管理装置3から受け取る。また、カード処理部204には、誤動作防止の為にロック機能が設けられ、カードを内部に取り込んだ後には、カードロック機能を作動させる。遊技客が表示操作部22の返却ボタン222cを押下すると、カード返却条件が達成されていればカードロックを解除し、カードを返却する。また、新規にカードを発行する制御も、主としてカード処理部204が行う。なお、遊技客が所有する携帯端末装置7等の近距離無線通信機能を備えた記録媒体8として用いる場合、カード処理部204に記録媒体8をかざすことでカード識別子等の特定情報を読み込めるようにしおけば、遊技客の利便性を高めることができる。
【0038】
カード処理部204によって、カード識別子が特定されると、管理装置3へカード識別子の照会を行い、管理装置3によって管理されている持ち玉情報や貯玉情報、預り金があれば、諸情報が遊技媒体貸出装置2Bへ送信される。これにより、遊技客が所有している持ち玉や貯玉、預り金を遊技媒体貸出装置2Aで使うことができる。遊技球の貸出要求に対しては、制御部201の預り金管理部201aによって、記憶部202の預り金データ記憶領域202aに記憶されている残額データから遊技媒体の貸出可否が判断される。預り金管理部201aが貸出可能と判断すると、球制御部201fに遊技球払出の指示を出し、貸し出した遊技球数に相当する金額を残額データから減算し、新たな残額を預り金データ記憶領域202aに書き込む。また、カード識別子に紐付いた貯玉情報を記憶している貯玉データ記憶領域202cに、貸出要求分の貯玉がある場合には、例えば、持ち玉管理部201bの制御によって、貯玉を持ち玉に変換できるようにしてもよい。
【0039】
遊技球払出部205は、表示操作部22の貸出ボタン222dの押下により、遊技客が要望した個数の遊技球を貸し出すとき、制御部201の球制御部201fの制御により、例えば、弾球遊技機1Aの発射球供給皿に遊技球を払い出す。なお、遊技媒体封入式の遊技機1が接続されている場合には、遊技球払出部205による遊技球の払出動作を行わないので、球制御部201fにより貸し出した個数分の遊技球を電子データ上の貸出遊技媒体として持ち玉管理部201bが管理すればよい。
【0040】
遊技球計数部206は、球制御部201fの制御により、遊技球計数器26に投入された遊技球を計数する。計数された遊技球数は、持ち玉管理部201bの制御により、記憶部202の持ち玉データ記憶領域202bに持ち玉情報として書き込まれる。このとき、既に持ち玉データが記憶されていれば、書き込み済みの持ち玉数と新規に計数された持ち玉数とを合算した値を持ち玉数として持ち玉データ記憶領域202bに書き込む。なお、遊技媒体封入式の遊技機1が接続されている場合には、遊技球計数器26による遊技球の計数動作は行えないので、電子データ上の演算処理によって持ち玉データを管理することとなる。例えば、遊技機1から送信される遊技結果により払い出された個数分の獲得遊技媒体数を獲得玉データとして持ち玉管理部201bにより管理しておき、計数ボタン222eの操作等に基づく計数要求を受けたときには、データ上の獲得玉数を持ち玉数に加算して新たな持ち玉数に書き替える更新処理を行う。なお、持ち玉データ記憶領域202b内に獲得玉データ記憶エリアを設けても良いが、獲得玉データの記憶管理を容易にするために、記憶部202に獲得玉データ記憶領域を別途設け、持ち玉とは別に記憶管理しても良い。
【0041】
外部通信部207は、場内ネットワークNTを介して接続された管理装置3等との通信を可能にするものである。例えば、外部通信制御部201gの制御により、遊技媒体貸出装置2Aが動作する為に必要な設定データや画像データ等をダウンロードしたり、記録媒体挿排口23に挿入されたカードのカード識別子に紐付いた諸情報を管理装置3より受領したりする。カード識別子に紐付いた諸情報として、例えば、預り金の残額データ、持ち玉データ、貯玉データ等があり、預り金データ記憶領域202a、持ち玉データ記憶領域202b、貯玉データ記憶領域202cに書き込んで管理する。また、外部通信部207は、記憶部202に書き込んで管理した諸情報を管理装置3へ出力する処理、遊技機1の上方に設けられた遊技機データ表示装置(図示省略)に当該遊技機1のデータを出力する処理等も行う。
【0042】
外部通信部207を介して外部装置へ出力する信号には、例えば、入金信号、貸出信号、貯玉払出信号、持ち玉払出信号、計数信号などがある。入金信号は、紙幣投入部21に投入された紙幣が紙幣識別部203により真贋判定および金種の識別判定が適正に行われた場合に、金種に対応して出力する信号である。貸出信号は、制御部201の球制御部201fの制御により預り金データ記憶領域202aに記憶している預り金の一部または全部を遊技媒体に変換し、遊技球として貸し出した際、貸出個数に対応して出力する信号である。貯玉払出信号は、球制御部201fの制御により貯玉データ記憶領域202cに記憶されている貯玉データの一部または全部を遊技に供し得る遊技媒体に変換した際、変換個数に対応して出力する信号である。持ち玉払出信号は、球制御部201fの制御により持ち玉データ記憶領域202bに記憶されている持ち玉データの一部または全部を遊技に供し得る遊技媒体に変換した際、変換個数に対応して出力する信号である。計数信号は、球制御部201fの制御により遊技球を計数し、記憶部202の持ち玉データ記憶領域202bに持ち玉数に加算した際、計数個数に対応して出力する信号である。
【0043】
また、遊技機1での遊技終了を意味する返却ボタン222cの押下により、外部通信部207は、記憶部202の預り金データ記憶領域202a、持ち玉データ記憶領域202b、貯玉データ記憶領域202c、カードデータ記憶領域202dに記憶されている遊技終了時のデータを管理装置3に送る。これらのデータを受けた管理装置3は、カード識別子(例えば、記録媒体8に付されたユニークなカードID)に紐付いた持ち玉管理情報や預り金管理情報を更新する。管理装置3へ諸情報が適正に送信された後、記憶部202の預り金データ記憶領域202a、持ち玉データ記憶領域202b、貯玉データ記憶領域202c、カードデータ記憶領域202dの記憶内容は消去され、カード処理部204によってカードの返却処理が行われる。
【0044】
遊技機通信部208は、弾球遊技機1Aと専用ケーブルで接続されており、遊技機通信制御部201hにより、セキュリティ確認や、弾球遊技機1Aの変化情報が通信される。また、遊技に関連する信号として、遊技球が何れかの入賞領域を通過して入賞したことを示すセーフ信号、入賞しなかった遊技球がアウト口から回収されたことを示すアウト信号、遊技球が特定入賞領域に入賞したことを示すスタート信号、遊技者に有利な特別遊技状態が発生していることを示す特賞状態信号なども遊技機1から遊技媒体貸出装置2へ入力される。貸出ボタン222dの押下により遊技媒体を貸し出す場合、遊技媒体貸出装置2から遊技媒体封入式の遊技機1に対して遊技媒体貸出情報を通信することもある。さらに、遊技用装置である遊技媒体貸出装置2接続されて遊技制御が可能となる遊技機1は、遊技媒体貸出装置2と適正に接続されていないと、エラーが発生して正常稼働しない仕様となっているので、遊技媒体貸出装置2が遊技機1との信号授受を止めて接続を断てば、遊技機1は正常稼働できなくなる。よって、遊技媒体貸出装置2は、遊技機通信部208を介した遊技機1との通信を絶つことで、遊技客が遊技機1を操作できない状態にできる。当然ながら、遊技媒体貸出装置2は、自装置の操作を受け付けないことで、遊技客に操作させない状態とすることも可能である。したがって、遊技媒体貸出装置2には、自装置および対応する遊技機1の操作ができない操作禁止状態にする遊技保留制御手段としての機能が備わっている。なお、操作禁止状態は、遊技媒体貸出装置2自身のみを操作不能として対応する遊技機1は操作可能とした状態でも良いし、対応する遊技機1のみを操作不能として遊技媒体貸出装置2自身は操作可能とした状態でも良い。遊技媒体貸出装置2と対応する遊技機1が共に正常動作していなければ、実質的に遊技機1での遊技進行を規制できるからである。
【0045】
無線通信部24は、制御部201の近距離無線制御部201iの制御により、遊技客が所持する携帯端末装置7と所定の通信規約に基づく近距離用の無線通信(例えば、ブルートゥース(登録商標)通信)の送受信を行う。すなわち、無線通信部24および制御部201が協働することにより、携帯端末装置7と近距離無線通信を行う近距離無線通信手段として機能し、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7とで、近距離無線通信によるデータ通信を行える。なお、通信可能状態においては、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7との間で定期的にビーコンのやりとりを行うなどして、通信可能状態が保持できているか否かを確認する。例えば、携帯端末装置7からの定期的なビーコンが途絶え、所定の猶予期間内にビーコンを確認できない等の通信可能状態終了条件が成立すると、遊技媒体貸出装置2は、携帯端末装置7との通信可能状態が終了した(通信断が発生した)と判断する。
【0046】
また、無線通信部24は、制御部201の無線接続制御部201jの制御により、接続対象の携帯端末装置7と通信可能状態になるための相互認証における無線信号の送受信を行う。なお、無線接続制御部201jは、携帯端末装置7が近接することで、遊技媒体貸出装置2自身が管理している近距離無線認証情報を携帯端末装置7に提供するために、表示操作部22の表示部221に二次元コードを表出するよう表示制御部201cに指示する。すなわち、表示操作部22と制御部201が協働することにより、携帯端末装置7が近接することで、自装置が管理している近距離無線認証情報を携帯端末装置7に提供する近距離無線認証情報提供手段として機能する。また、表示操作部22と制御部201が協働することにより、近距離無線認証情報を提供した携帯端末装置7と相互認証することにより、双方向での近距離無線通信が可能な通信可能状態にする近距離無線接続確認手段として機能する。接続対象となった携帯端末装置7の近距離無線認証情報等は、記憶部202の接続端末データ記憶領域202eに書き込んで記憶しておき、通信接続が終了すると、接続端末データ記憶領域202eの内容をクリアする。
【0047】
なお、本構成例の遊技媒体貸出装置2では、近距離無線通信用の無線通信部24を近距離無線接続確認の相互認証に使うものとしたが、これに限定されるものではなく、近距離無線接続確認の相互認証を行うための通信機能を別途設けても良い。例えば、10cm程度の近接範囲でのみ通信可能な近接無線通信部29a(図4中、破線で示す)を設け、携帯端末装置7が近接無線通信可能なNFCチップを搭載している場合には、近距離無線認証情報の提供を含めた近距離無線接続確認の相互認証を、近接無線通信部29aを介した近接通信で行っても良い。また、携帯端末装置7がホストとなって近距離無線認証情報を二次元コードで表示する場合など、二次元コードの画像を認識して近距離無線認証情報に復号できるコード読取り部29b(図4中、破線で示す)を設けても良い。
【0048】
上述した遊技媒体貸出装置2との接続対象となり得る携帯端末装置7の概略構成を図5に示す。なお、図5の携帯端末装置7においては、遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2と通信接続するための主要な機能に絞って示してある。
【0049】
携帯端末装置7は、主制御部701と主記憶部702によって主たる制御と情報記憶を行う。例えば、モバイル通信制御部703およびモバイル通信部704の動作により、モバイル用アンテナ705を介したモバイル通信(高速大容量の通信規格による移動体通信)を行える。また、タッチパネルディスプレイ706は、表示装置として機能する薄型表示器706aと、入力装置として機能する操作入力パネル706bとが一体となっており、映像表示制御部707によって表示内容が制御され、入力分析制御部708によって入力情報の分析を行う。
【0050】
携帯端末装置7を遊技媒体貸出装置2と接続させる場合、先ず、遊技媒体貸出装置2の表示操作部22に表示された二次元コードから近距離無線通信認証情報を取得する必要があるので、二次元コードをカメラ711で撮影する。カメラ711で撮影された動画映像を映像解析制御部712にて解析し、二次元コードを識別したら、二次元コードの映像を静止画として切り出し、コード分析部713に引渡す。コード分析部713では、二次元コードの情報により、無線接続先である遊技媒体貸出装置2の近距離無線認証情報(遊技媒体貸出装置2のアクセスID及び認証コード)を取り出し、無線通信接続制御部714に引渡す。近距離無線認証情報を受けた無線通信接続制御部714は、無線通信部715を無線接続モードに切替えて、近距離無線通信用アンテナ716を介して遊技媒体貸出装置2と近接無線通信を行い、遊技媒体貸出装置2の近距離無線認証情報を用いて、遊技媒体貸出装置2とのペアリング(相互認証による接続確認)を行う。ペアリング完了後には、無線通信接続制御部714は無線通信部715を無線接続モードから無線通信モードに切替え、無線通信モードとなった無線通信部715は近距離無線通信制御部717の制御により、近距離無線通信による遊技媒体貸出装置2とのデータ通信が可能となる。
【0051】
本構成例の携帯端末装置7においては、カメラ711,映像解析制御部712、コード分析部713によって、遊技媒体貸出装置2の近距離無線認証情報を取得するものとしたが、これに限らず、遊技媒体貸出装置2の近距離無線認証情報提供手段に応じて、適宜な取得手法を採用すれば良い。また、本構成例の携帯端末装置7においては、無線通信接続制御部714、無線通信部715、近距離無線通信用アンテナ716によって、遊技媒体貸出装置2と双方向での近距離無線通信が可能な通信可能状態にする近距離無線接続確認手段としての機能を備えるものとしたが、これに限定されない。例えば、携帯端末装置7がNFCチップ720を標準で備えている場合、無線通信接続制御部714とNFCチップ720によって近距離無線接続確認手段を構成することができる。その場合、遊技媒体貸出装置2から近距離無線認証情報を受けた無線通信接続制御部714は、NFCチップ720に遊技媒体貸出装置2のアクセスID及び認証コードを引き渡し、これを受けたNFCチップ720が近接無線通信機能を使って遊技媒体貸出装置2とのペアリングを行う。具体的には、NFCチップ720のICカード記憶部721に記憶された近距離無線認証情報を受けた近接無線通信部722が、近接無線用アンテナ723を介して遊技媒体貸出装置2との近接無線通信を制御して、相互認証による接続確認を行うのである。なお、携帯端末装置7のNFCチップ720を用いたペアリングを行う場合、遊技媒体貸出装置2には、NFCリーダ・ライタ等を近接無線通信部29aとして設けるなど、携帯端末装置7との近接無線通信が可能な機能を予め設けておく必要がある。
【0052】
上述した遊技媒体貸出装置2がマスター(或いはセントラル)となり、携帯端末装置7をスレーブ(或いはペリフェラル)として、近距離無線通信(例えば、ブルートゥース(登録商標)通信)を行うためのペアリングを完了させて通信可能状態になるまでの手順を図6のシーケンス図に基づいて説明する。
【0053】
遊技媒体貸出装置2は、表示操作部22の無線接続ボタン222bが遊技客によって操作されたことを検知すると、無線接続要求を受けたものとして、自装置が管理している近距離無線認証情報M(少なくともアクセスIDと認証コードを含む情報)を符号化した二次元コード221bを表示操作部22に表示する。この二次元コード221bを携帯端末装置7が読取・復号化することで遊技媒体貸出装置2の近距離無線認証情報Mを取得できる。この近距離無線認証情報Mから通信相手である遊技媒体貸出装置2のアクセスIDが分かるので、携帯端末装置7は、自装置が管理している近距離無線認証情報S(少なくともアクセスIDと認証コードを含む情報)をアクセスIDの遊技媒体貸出装置2に向けて送信する。なお、遊技媒体貸出装置2は、二次元コード221bを表示した後は、携帯端末装置7からの近距離無線認証情報Sを受信可能なモードで待機しても良いし、表示操作部22の接続開始ボタン222f1が遊技客によって操作されるのを待ってから受信可能モードへ移行してもよい。
【0054】
携帯端末装置7より送信された近距離無線認証情報Sを受信した遊技媒体貸出装置2は、近距離無線認証情報SのアクセスIDである携帯端末装置7に対して近距離無線認証情報Sの認証コードを付けて接続確認要求を行う。接続確認要求を受けた携帯端末装置7は、遊技媒体貸出装置2から送信された認証コードと自装置が管理している認証コードとが一致していれば、このアクセスIDの遊技媒体貸出装置2が接続対象として間違いないことを確認できるので、接続を認証する旨の信号をこのアクセスIDの遊技媒体貸出装置2に対して送信する。続いて、携帯端末装置7は、接続を認証したアクセスIDの遊技媒体貸出装置2に対し、近距離無線認証情報Mの認証コードを付けて接続確認要求を行う。接続確認要求を受けた遊技媒体貸出装置2は、携帯端末装置7から送信された認証コードと自装置が管理している認証コードとが一致していれば、このアクセスIDの携帯端末装置7が接続対象として間違いないことを確認できるので、接続を認証する旨の信号をこのアクセスIDの携帯端末装置7に対して送信する。
【0055】
上記のようにして、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7との相互認証が完了した時点で、双方向での近距離無線通信が可能な通信可能状態としても良いが、データ通信の秘匿性を高めるために、相互に暗号化情報の交換を行うものとした。例えば、携帯端末装置7にて、暗号化情報としての暗号化鍵Sを生成して自装置内に保存すると共に、接続対象の遊技媒体貸出装置2へ暗号化鍵Sを送信する。暗号化鍵Sを受信した遊技媒体貸出装置2は、この暗号化鍵Sを近距離無線認証情報Sと紐付けて保存し、携帯端末装置7とのデータ通信におけるデータ暗号化に用いる。続いて、遊技媒体貸出装置2は、暗号化情報としての暗号化鍵Mを生成して自装置内に保存すると共に、接続対象の携帯端末装置7へ暗号化鍵Mを送信する。暗号化鍵Mを受信した携帯端末装置7は、この暗号化鍵Mを近距離無線認証情報Mと紐付けて保存し、遊技媒体貸出装置2とのデータ通信におけるデータ暗号化に用いる。このようにして、暗号化鍵Sと暗号化鍵Mの交換が完了すれば、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7とは、通信可能状態となる。
【0056】
なお、図6では、遊技媒体貸出装置2がマスターとなり、携帯端末装置7をスレーブとして、近距離無線通信を行うためのペアリングを完了させて通信可能状態になるまでの手順を示したが、これに限定されるものではない。例えば、携帯端末装置7がマスター(或いはセントラル)となり、遊技媒体貸出装置2をスレーブ(或いはペリフェラル)として、近距離無線通信を行うためのペアリングを完了させて通信可能状態になるまでの手順を図7のシーケンス図に基づいて説明する。なお、携帯端末装置7をマスターとして通信可能状態にする場合、遊技機1や遊技媒体貸出装置2等に加えて、携帯端末装置7も遊技場管理システムを構成するための必須構成要素となる。
【0057】
携帯端末装置7には、遊技媒体貸出装置2との無線接続を可能にするプログラム(例えば、遊技場PP等が提供する携帯端末装置7用のアプリケーションプログラム)が予めインストールされており、そのアプリを立ち上げることで、遊技客は接続開始の操作を行うことができる。携帯端末装置7は、遊技客が行った接続開始操作を検知すると、無線接続要求を受けたものとして、自装置が管理している近距離無線認証情報S(少なくともアクセスIDと認証コードを含む情報)を符号化した二次元コードをタッチパネルディスプレイ706の薄型表示器706aに表示する。すなわち、携帯端末装置7は、遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2に近接することで、自装置が管理している近距離無線認証情報を遊技媒体貸出装置2に提供する近距離無線認証情報提供手段としての機能を備えることにより、ペアリング動作時のマスターとして利用できるのである。
【0058】
一方、遊技媒体貸出装置2に携帯端末装置7の二次元コードを読み取らせるために、例えば、接続対象の遊技媒体貸出装置2における表示操作部22の無線接続ボタン222bを遊技客が操作し、遊技媒体貸出装置2を無線接続モードにしておく。無線接続モードになった遊技媒体貸出装置2は、コード読取り部29bを介して二次元コードの読取および復号化が可能となり、携帯端末装置7からの近距離無線認証情報Mを取得できる。この近距離無線認証情報Mから通信相手である携帯端末装置7のアクセスIDが分かるので、遊技媒体貸出装置2は、自装置が管理している近距離無線認証情報S(少なくともアクセスIDと認証コードを含む情報)をアクセスIDの携帯端末装置7に向けて送信する。
【0059】
遊技媒体貸出装置2より送信された近距離無線認証情報Sを受信した携帯端末装置7は、近距離無線認証情報SのアクセスIDである遊技媒体貸出装置2に対して近距離無線認証情報Sの認証コードを付けて接続確認要求を行う。接続確認要求を受けた遊技媒体貸出装置2は、携帯端末装置7から送信された認証コードと自装置が管理している認証コードとが一致していれば、このアクセスIDの携帯端末装置7が接続対象として間違いないことを確認できるので、接続を認証する旨の信号をこのアクセスIDの携帯端末装置7に対して送信する。続いて、遊技媒体貸出装置2は、接続を認証したアクセスIDの携帯端末装置7に対し、近距離無線認証情報Mの認証コードを付けて接続確認要求を行う。接続確認要求を受けた携帯端末装置7は、遊技媒体貸出装置2から送信された認証コードと自装置が管理している認証コードとが一致していれば、このアクセスIDの遊技媒体貸出装置2が接続対象として間違いないことを確認できるので、接続を認証する旨の信号をこのアクセスIDの遊技媒体貸出装置2に対して送信する。すなわち、携帯端末装置7は、近距離無線認証情報Mを提供した遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2と相互認証することにより、双方向での近距離無線通信が可能な通信可能状態にする近距離無線接続確認手段としての機能を備えることにより、ペアリング動作時のマスターとして利用できるのである。
【0060】
上記のようにして、携帯端末装置7と遊技媒体貸出装置2との相互認証が完了した時点で、双方向での近距離無線通信が可能な通信可能状態としても良いが、データ通信の秘匿性を高めるために、相互に暗号化情報の交換を行うものとした。例えば、遊技媒体貸出装置2にて、暗号化情報としての暗号化鍵Sを生成して自装置内に保存すると共に、接続対象の携帯端末装置7へ暗号化鍵Sを送信する。暗号化鍵Sを受信した携帯端末装置7は、この暗号化鍵Sを近距離無線認証情報Sと紐付けて保存し、遊技媒体貸出装置2とのデータ通信におけるデータ暗号化に用いる。続いて、携帯端末装置7は、暗号化情報としての暗号化鍵Mを生成して自装置内に保存すると共に、接続対象の遊技媒体貸出装置2へ暗号化鍵Mを送信する。暗号化鍵Mを受信した遊技媒体貸出装置2は、この暗号化鍵Mを近距離無線認証情報Mと紐付けて保存し、携帯端末装置7とのデータ通信におけるデータ暗号化に用いる。このようにして、暗号化鍵Sと暗号化鍵Mの交換が完了すれば、携帯端末装置7と遊技媒体貸出装置2とは、通信可能状態となる。なお、遊技場PPを訪れた遊技客が所持する携帯端末装置7が使用可能な所定の通信規約に基づく近距離用の無線通信を用いたデータ通信を行うためには、遊技用装置である遊技媒体貸出装置2が、携帯端末装置7の使用可能な近距離無線通信を行う近距離無線通信手段を備えている必要がある。
【0061】
なお、図6および図7に示したペアリングの手順では、スレーブ側からマスター側への近距離無線認証情報Sの提供に近接無線通信を用いるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、スレーブ側からマスター側への近距離無線認証情報Sの提供にも、二次元コードを用いた提供手法を採用しても良い。一例として、マスターである遊技媒体貸出装置2とスレーブである携帯端末装置7との間で、互いに近距離無線認証情報Mと近距離無線認証情報Sを二次元コードで提供し合い、近距離無線通信を行うためのペアリングを完了させて通信可能状態になるまでの手順を、図8に示すシーケンス図に基づいて説明する。
【0062】
マスターである遊技媒体貸出装置2は、表示操作部22の無線接続ボタン222bが遊技客によって操作されたことを検知すると、無線接続要求を受けたものとして、自装置が管理している近距離無線認証情報M(少なくともアクセスIDと認証コードを含む情報)を符号化した二次元コード221bを表示操作部22に表示する。この二次元コード221bをスレーブである携帯端末装置7が読取・復号化することで遊技媒体貸出装置2の近距離無線認証情報Mを取得できる。近距離無線認証情報Mを取得した携帯端末装置7は、自装置が管理している近距離無線認証情報S(少なくともアクセスIDと認証コードを含む情報)を符号化した二次元コードをタッチパネルディスプレイ706の薄型表示器706aに表示する。遊技媒体貸出装置2に携帯端末装置7の二次元コードを読み取らせるために、例えば、接続対象の遊技媒体貸出装置2における表示操作部22の接続開始ボタン222f1を遊技客が操作し、遊技媒体貸出装置2を無線接続開始モードにしておく。無線接続開始モードになった遊技媒体貸出装置2は、コード読取り部29bを介して二次元コードの読み取りおよび復号化が可能となり、携帯端末装置7からの近距離無線認証情報Sを取得できる。
【0063】
携帯端末装置7より近距離無線認証情報Sを取得した遊技媒体貸出装置2は、近距離無線認証情報SのアクセスIDである携帯端末装置7に対して近距離無線認証情報Sの認証コードを付けて接続確認要求を行う。接続確認要求を受けた携帯端末装置7は、遊技媒体貸出装置2から送信された認証コードと自装置が管理している認証コードとが一致していれば、このアクセスIDの遊技媒体貸出装置2が接続対象として間違いないことを確認できるので、接続を認証する旨の信号をこのアクセスIDの遊技媒体貸出装置2に対して送信する。続いて、携帯端末装置7は、接続を認証したアクセスIDの遊技媒体貸出装置2に対し、近距離無線認証情報Mの認証コードを付けて接続確認要求を行う。接続確認要求を受けた遊技媒体貸出装置2は、携帯端末装置7から送信された認証コードと自装置が管理している認証コードとが一致していれば、このアクセスIDの携帯端末装置7が接続対象として間違いないことを確認できるので、接続を認証する旨の信号をこのアクセスIDの携帯端末装置7に対して送信する。
【0064】
上記のようにして、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7との相互認証が完了した時点で、双方向での近距離無線通信が可能な通信可能状態としても良いが、データ通信の秘匿性を高めるために、相互に暗号化情報の交換を行うものとした。例えば、携帯端末装置7にて、暗号化情報としての暗号化鍵Sを生成して自装置内に保存すると共に、接続対象の遊技媒体貸出装置2へ暗号化鍵Sを送信する。暗号化鍵Sを受信した遊技媒体貸出装置2は、この暗号化鍵Sを近距離無線認証情報Sと紐付けて保存し、携帯端末装置7とのデータ通信におけるデータ暗号化に用いる。続いて、遊技媒体貸出装置2は、暗号化情報としての暗号化鍵Mを生成して自装置内に保存すると共に、接続対象の携帯端末装置7へ暗号化鍵Mを送信する。暗号化鍵Mを受信した携帯端末装置7は、この暗号化鍵Mを近距離無線認証情報Mと紐付けて保存し、遊技媒体貸出装置2とのデータ通信におけるデータ暗号化に用いる。このようにして、暗号化鍵Sと暗号化鍵Mの交換が完了すれば、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7とは、通信可能状態となる。
【0065】
上述したように、遊技用装置の一例である遊技媒体貸出装置2は、当該遊技場PPを訪れた遊技客が所持する携帯端末装置7が使用可能な所定の通信規約に基づく近距離用の無線通信である近距離無線通信を行う近距離無線通信手段を備え、この近距離無線通信手段によって携帯端末装置7と近距離無線通信を行える通信可能状態においては、携帯端末装置7を所持する遊技客に対して様々なサービスを提供できる。サービス内容は特に限定されず、遊技機1の大当り履歴データ、確変データ、大当り確率データなどを携帯端末装置7で閲覧できるサービスのほか、遊技機1の動作状態などに応じて遊技客に利する対応を自動で行うサービスを提供しても良い。
【0066】
例えば、携帯端末装置7と近距離無線通信を行える通信可能状態において、携帯端末装置7との通信状態と、遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2(または遊技機1)にて管理する有価価値の状態と、遊技機1の動作状態と、を監視し、これらの状態の組み合わせが所定の処理実行条件を満たすことに基づいて、処理実行条件に対応する所定の処理を実行する対応処理実行手段を、遊技媒体貸出装置2に設けておく。すなわち、何らかの発生状況に応じた処理実行条件と、その処理実行条件に対応して実行するべき適切な処理を予め設定しておけば、発生状況に対応した適切な処理動作が対応処理実行手段により行われるサービスを提供できる。
【0067】
遊技媒体貸出装置2において、対応処理実行手段を適切に動作させるためには、処理実行条件の成否を判定するために、携帯端末装置7との通信状態、遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2(または遊技機1)にて管理する有価価値の状態、遊技機1の動作状態を監視し、これらの状態の組み合わせを判断する必要がある。
【0068】
先ず、遊技媒体貸出装置2の対応処理実行手段が監視する携帯端末装置7との通信状態について、図9に基づき説明する。図9は、弾球遊技機1A1~1A4に対応して設けられた遊技用装置としての遊技媒体貸出装置2A1~2A4と、携帯端末装置7-1~7-4との通信状態を示している。なお、弾球遊技機1A1~1A4に正対する椅子9に遊技客が座っている状態であれば、遊技客が携帯端末装置7をポケットなどに入れていても遊技媒体貸出装置2A1~2A4との通信が可能なように、各無線通信部24の通信エリア(例えば、主ビームの立体角α)を設定してある。
【0069】
弾球遊技機1A1で遊技中の遊技客は、遊技媒体貸出装置2A1の無線通信部24に近い位置に携帯端末装置7-1を置いているので、通信可能状態となっている遊技媒体貸出装置2A1と携帯端末装置7-1との通信レベルは高く、遊技媒体貸出装置2A1が携帯端末装置7-1との間で定期的に送受信しているビーコンを相互に確認できる。したがって、遊技媒体貸出装置2A1は、携帯端末装置7-1との通信状態を“通信継続”と判定する。
【0070】
弾球遊技機1A2で遊技中の遊技客は、遊技媒体貸出装置2A2の無線通信部24から遠い位置に携帯端末装置7-2を置いているが、無線通信部24の通信エリア内にあるので、通信可能状態となっている遊技媒体貸出装置2A1と携帯端末装置7-1との通信レベルは低いものの、遊技媒体貸出装置2A1が携帯端末装置7-1との間で定期的に送受信しているビーコンを相互に確認できる。したがって、遊技媒体貸出装置2A1は、携帯端末装置7-1との通信状態を“通信継続”と判定する。
【0071】
弾球遊技機1A3で遊技中だった遊技客は、遊技媒体貸出装置2A3と携帯端末装置7-3との通信接続を終了せずに、通信可能状態のまま席を離れたため、携帯端末装置7-3が無線通信部24の通信エリア外に出てしまったところである。遊技媒体貸出装置2A3と携帯端末装置7-3は、互いに近距離無線認証情報を記憶している通信可能状態であるが、携帯端末装置7-3が遊技媒体貸出装置2A3の通信エリアから外れてしまったために、遊技媒体貸出装置2A3は携帯端末装置7-3からのビーコンを確認できなくなる。したがって、遊技媒体貸出装置2A3は、携帯端末装置7-3との通信状態を“通信中断”と判定する。
【0072】
なお、弾球遊技機1A4で遊技中の遊技客は、遊技媒体貸出装置2A4と携帯端末装置7-4との通信接続を行っていない未接続か、接続終了動作を行った接続終了後であるから、遊技媒体貸出装置2A4と携帯端末装置7-4は、互いに近距離無線認証情報を記憶している通信可能状態ではない。通信可能状態でなければ、遊技媒体貸出装置2A4の対応処理実行手段は、所定の処理実行条件を判定するために通信状態の監視を行う必要はない。
【0073】
次に、遊技媒体貸出装置2の対応処理実行手段が監視する有価価値の状態について説明する。有価価値の状態とは、遊技に使用できる遊技媒体を借り受けるために使用できる有価価値が残っているか否かの状態である。そして、有価価値の残余の状態は、遊技媒体貸出装置2が遊技媒体の貸出制御を行う場合も、遊技機1が遊技媒体の貸出制御を行う場合も、遊技媒体貸出装置2が管理しているので、有価価値の状態を監視する機能は、遊技媒体貸出装置2に標準的に備わっている。なお、遊技客が投入した金額を遊技客の操作によって有価価値に変換する制御を行っている場合には、残っている金額も有価価値として扱い、残金がある場合には有価価値が残っている状態と判定する。
【0074】
次に、遊技媒体貸出装置2の対応処理実行手段が監視する遊技機1の動作状態の判定について、図10に基づき説明する。図10は、対応処理実行手段が行う遊技機動作状態判定処理を示すフローチャートである。
【0075】
先ず、遊技機1から遊技機通信部208を介して受信した各種信号に基づいて、当該遊技機1が大当り中か否かを判定する(ステップS01)。短時間で多くの賞遊技媒体を獲得可能な遊技進行が行える大当り中であれば、“遊技者にとって有利な状態”と判定する(ステップS02)。ステップS01で大当り中では無いと判定された場合、確変中か否かを判定する(ステップS03)。大当りが発生する確率が高くなる確率変動中(確変中)であれば、“遊技者にとって有利な状態”と判定し(ステップS02)、遊技機動作状態判定処理を終了する。
【0076】
上記ステップS03で確変中では無いと判定された場合、獲得数がゼロか否かを判定する(ステップS04)。遊技結果として獲得した遊技媒体の数である獲得数がゼロでなければ、“遊技の進行中”と判定し(ステップS05)、遊技機動作状態判定処理を終了する。上記ステップS04で獲得数が零であると判定された場合、一定時間内に回収数の変化が有ったか否かを判定する(ステップS06)。遊技を行うために投入した遊技媒体が回収されて、一定時間内に回収数の変化が有った場合には、“遊技の進行中”と判定し(ステップS05)、遊技機動作状態判定処理を終了する。上記ステップS06で一定時間内に回収数の変化が無かったと判定された場合、一定時間内にスタートの変化が有ったか否かを判定する(ステップS07)。図柄変動ゲームの開始あるいは終了によりスタート(始動記憶)の変化があれば、“遊技の進行中”と判定し(ステップS05)、遊技機動作状態判定処理を終了する。上記ステップS07で一定時間内にスタートの変化が無かったと判定された場合、会員カード受付中か否かを判定する(ステップS08)。遊技媒体貸出装置2あるいは遊技機1に投入された会員カードが遊技客に返却されていない会員カード受付中であれば、“遊技の進行中”と判定し(ステップS05)、遊技機動作状態判定処理を終了する。
【0077】
上記ステップS08で会員カード受付中では無いと判定された場合、“遊技終了状態”と判定し(ステップS09)、遊技機動作状態判定処理を終了する。すなわち、賞遊技媒体の獲得数がゼロで、一定時間内に回収数の変化もなく、一定時間内にスタートの変化も無く、会員カードも遊技客に返却されていた場合、遊技機1での遊技継続を遊技客が望んでいるとは考え難いので、遊技客はこの遊技機1での遊技を終了した状態であると判定する。
【0078】
上述した各状態(携帯端末装置7との通信状態、有価価値の状態、遊技機1の動作状態)を、遊技媒体貸出装置2の対応処理実行手段が監視する。そして、対応処理実行手段は各状態の組み合わせに応じて所定の処理実行条件の成否を判定し、処理実行条件に対応する所定の処理を実行する。図11は、遊技媒体貸出装置2の対応処理実行手段が行う実行条件判定処理を示すフローチャートである。
【0079】
実行条件判定処理においては、先ず、近距離無線通信の中断を検知したか否かを判定する(ステップS11)。このステップS11にて近距離無線通信の中断を検知していないと判定した場合には、予め設定された処理実行条件を満たすものが無いので、そのまま実行条件判定処理を終了する。一方、ステップS11にて近距離無線通信の中断を検知したと判定した場合には、監視中である遊技機1の動作状態が遊技の進行中か否かを判定する(ステップS12)。このステップS12で遊技機1の動作状態が遊技の進行中と判定した場合には、所定の報知動作を実行する(ステップS13)。
【0080】
すなわち、対応処理実行手段は、携帯端末装置7との通信状態が近距離無線通信の中断となり、遊技機1の動作状態が遊技の進行中である場合、報知動作実行条件を満たすと判断し、所定の報知動作を行うのである。この報知動作実行条件は、遊技客が遊技機1にて遊技を継続しているにもかかわらず、携帯端末装置7との通信が中断していることから、携帯端末装置7の盗難や携帯端末装置7のバッテリー切れなどが発生した可能性を判定する条件である。よって、報知動作実行条件を満たした場合には、携帯端末装置7の盗難や携帯端末装置7のバッテリー切れなどが発生した可能性を遊技客に報せる報知動作を行い、遊技客へのサービスとする。例えば、図12(A)に示すように、表示操作部22の表示部221に注意表示221dを表示したり、警告ブザーを鳴らしたり、注意喚起の音声を出力したりする。また、遊技場PP内を巡回している係員等に知らせる報知動作を行っても良い。
【0081】
上記ステップS12にて遊技機1の動作状態は遊技の進行中でないと判定した場合には、監視中である遊技機1の動作状態は遊技者にとって有利な状態か否かを判定する(ステップS14)。このステップS14で遊技機1の動作状態は遊技者にとって有利な状態であると判定した場合には、操作禁止状態を開始する(ステップS15)。
【0082】
すなわち、対応処理実行手段は、携帯端末装置7との通信状態が近距離無線通信の中断となり、遊技機1の動作状態が遊技者にとって有利な状態である場合、遊技保留実行条件を満たすと判断し、遊技保留制御手段によって操作禁止状態を開始させるのである。この遊技保留実行条件は、大当り中あるいは確変中であるにもかかわらず、遊技客が遊技機1から離れることで携帯端末装置7との通信が中断していることから、遊技客が休憩などで携帯端末装置7を持ったまま離席した可能性を判定する条件である。よって、遊技保留実行条件を満たした場合には、遊技客が休憩などで離席した遊技機1および/または対応する遊技装置としての遊技媒体貸出装置2を他の遊技客が使えないように、遊技保留制御手段によって操作禁止状態を開始させ、休憩中の遊技客へのサービスとする。なお、遊技保留制御手段は、前述したように、遊技媒体貸出装置2自身および/または対応する遊技機1の操作ができない操作禁止状態にする制御を行う。また、遊技媒体貸出装置2および/または遊技機1が操作禁止状態にあることを遊技客や係員等に知らせるため、例えば、図12(B)に示すように、表示操作部22の表示部221に休憩中表示221eを表示してもよい。
【0083】
上記ステップS14にて遊技機1の動作状態は遊技者にとって有利な状態でないと判定した場合には、監視中の遊技機1あるいは遊技媒体貸出装置2に有価価値は残っているか否かを判定する(ステップS16)。このステップS16で有価価値は残っていると判定した場合には、操作禁止状態を開始する(ステップS15)。
【0084】
すなわち、対応処理実行手段は、携帯端末装置7との通信状態が近距離無線通信の中断となり、遊技機1または遊技媒体貸出装置2(あるいは、遊技機1と遊技媒体貸出装置2の両方)に有価価値が残っている場合、遊技保留実行条件を満たすと判断し、遊技保留制御手段によって操作禁止状態を開始させるのである。この遊技保留実行条件は、遊技媒体を借り受けるために使用できる有価価値が残っている状態にもかかわらず、遊技客が遊技機1から離れることで携帯端末装置7との通信が中断していることから、遊技客が休憩などで携帯端末装置7を持ったまま離席した可能性を判定する条件である。よって、遊技保留実行条件を満たした場合には、遊技客が休憩などで離席した遊技機1および対応する遊技装置としての遊技媒体貸出装置2を他の遊技客が使えないように、遊技保留制御手段によって操作禁止状態を開始させ、休憩中の遊技客へのサービスとする。
【0085】
一方、上記ステップS16で有価価値は残っていないと判定した場合には、予め設定された処理実行条件を満たすものが無いので、そのまま実行条件判定処理を終了する。なお、通信可能状態において近距離無線通信が中断したが、遊技機の状態は遊技の進行中でも遊技者にとって有利な状態でも無く、有価価値も残っていない場合、遊技を終了した遊技客が、正規の手順で遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7との通信を終了させずに立ち去ったものと考えられるので、遊技保留実行条件には該当しない。
【0086】
上述したように、遊技媒体貸出装置2の対応処理実行手段が遊技保留実行条件を満たすと判断し、遊技保留制御手段によって操作禁止状態を開始させた場合、離席した遊技客が休憩から戻って来たときに、操作禁止状態を解除できなければ、遊技機保留サービスとして機能しない。そこで、図13に基づき、遊技媒体貸出装置2における接続端末管理手段2001と遊技保留制御手段2002との連携による通信接続制御の概要を説明する。
【0087】
接続端末管理手段2001は、携帯端末装置7と通信可能状態になったとき、この携帯端末装置7を一意に特定できる携帯端末装置特定情報を遊技媒体貸出装置2の接続対象情報として、例えば接続対象情報記憶領域2001aに記憶する。また、接続端末管理手段2001は、携帯端末装置7との通信状態が近距離無線通信の中断となったとき、接続対象情報として記憶していた携帯端末装置特定情報を再接続対象情報として、例えば再接続対象情報記憶領域2001bに記憶する。すなわち、接続端末管理手段2001は、接続対象の携帯端末装置7および再接続対象の携帯端末装置7を管理する。
【0088】
なお、携帯端末装置特定情報として何を用いるかは特に限定されず、近距離無線認証情報のアクセスIDや携帯端末装置7の電話番号を携帯端末装置特定情報に充てても良い。また、携帯端末装置特定情報を接続対象情報または再接続対象情報として記憶するために、物理的な記憶領域を接続対象情報記憶領域2001aと再接続対象情報記憶領域2001bに分ける必要はない。例えば、通信が中断したことを示す通信中断フラグがセットされていない場合には、携帯端末装置特定情報を接続対象情報として扱い、通信中断フラグがセットされている場合には、携帯端末装置特定情報を再接続対象情報として扱うようにしても構わない。
【0089】
一方、遊技保留制御手段2002は、遊技保留制御手段が遊技保留実行条件を満たすと判断したことに基づいて操作禁止状態を開始するが、この操作禁止状態を開始することに伴って、再接続対象情報における携帯端末装置特定情報を受け入れる再接続準備状態へ移行する。そして、遊技保留制御手段2002は、再接続準備状態において携帯端末装置特定情報を受け入れた場合、受け入れた携帯端末装置特定情報と、再接続対象情報における携帯端末装置特定情報とが一致したときに接続を許可して操作禁止状態を解除する。なお、遊技媒体貸出装置2が相互認証による接続確認を完了して通信可能状態になっている携帯端末装置7から通信要求を受けると、遊技媒体貸出装置2の近距離無線通信手段は近距離無線認証情報に基づいて接続対象の携帯端末装置7であると判断できる。よって、近距離無線認証情報のアクセスIDを携帯端末装置特定情報に設定していれば、携帯端末装置7から通信要求を受けた近距離無線通信手段が接続対象の携帯端末装置7であると判断することで、携帯端末装置特定情報を受け入れたことになる。近距離無線認証情報のアクセスIDではない別のデータを携帯端末装置特定情報に設定していた場合には、携帯端末装置7に対して携帯端末装置特定情報となるデータの送信要求を行い、該当するデータを受信できれば、携帯端末装置特定情報を受け入れたことになる。
【0090】
図13(A)は、遊技媒体貸出装置2が携帯端末装置7と通信可能状態であり、通信は中断していないので、接続端末管理手段2001は、通信可能状態にある携帯端末装置7の携帯端末装置特定情報を接続対象情報記憶領域2001aに記憶しており、再接続対象情報記憶領域2001bに携帯端末装置特定情報は記憶されていない。また、遊技保留制御手段2002も操作禁止状態を開始していない。
【0091】
図13(B)は、遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7との近距離無線通信に中断が生じた状態であり、接続端末管理手段2001は、通信が中断した携帯端末装置7の携帯端末装置特定情報を再接続対象情報記憶領域2001bに記憶し、接続対象情報記憶領域200aに携帯端末装置特定情報は記憶されていない。また、遊技保留制御手段2002は操作禁止状態を開始し、遊技媒体貸出装置2自身の操作を受け付けないと共に、対応する遊技機1との通信を遮断して、遊技機1も操作を受け付けないようにする。なお、遊技保留制御手段2002が開始する操作禁止状態は、遊技媒体貸出装置2自身か、対応する遊技機1のどちらか一方のみ、操作を受け付けないようにしても良い。
【0092】
上記のようにして遊技保留制御手段が操作禁止状態を開始した後、無制限に遊技客が戻るのを待っていたのでは、稼働率が著しく低下して、遊技場PPの不利益となってしまう。そこで、遊技保留制御手段2002には、予め定めた保留猶予時間(10分~15分程度)を計時するタイマ2002aを設けておき、再接続準備状態へ移行して携帯端末装置7の再接続が無いまま保留猶予時間が経過した際、所定の報知動作を行う。この報知動作として、遊技媒体貸出装置2の表示操作部22に保留猶予時間が経過した旨を表示したり、遊技場PPを巡回している係員等に知らせたりする。また、報知動作を所定時間(例えば、1分程度)行った後、操作禁止状態を解除して、他の遊技客が自由に使えるよう開放しても良い。
【0093】
図13(C)は、遊技保留制御手段2002が再接続準備状態に移行した後、タイマ2002aが保留猶予時間を計時する前に携帯端末装置7が再接続を要求し、再接続が許可された状態である。接続端末管理手段2001が再接続対象情報記憶領域2001bに記憶している再接続対象情報を遊技保留制御手段2002が参照し、受け入れた前記携帯端末装置特定情報と再接続対象情報における携帯端末装置特定情報とが一致したとき、遊技保留制御手段2002は再接続を許可して操作禁止状態を解除する。これにより、戻って来た遊技客は、遊技機1での遊技を再開できる。
【0094】
上述したように、遊技保留制御手段により操作禁止状態を開始させて遊技機保留サービスを提供した場合、ある遊技機1を保留にしたまま他の遊技機1での遊技を可能にしてしまうと、一人の遊技客が複数台の遊技機1を占有できてしまうので、望ましくない。そこで、1台の携帯端末装置7が複数台の遊技媒体貸出装置2と接続する多重接続の発生を検知できるように、遊技場PP内に設置された各遊技媒体貸出装置2は、場内ネットワークNTを介して互いに通信可能とした。図14に、遊技媒体貸出装置2の接続端末管理手段2001が携帯端末装置7の多重接続異常の発生を検知するまでの手順を示す。
【0095】
図14は、3台の遊技媒体貸出装置2-1,2-2,2-3が相互に通信を行って、携帯端末装置7の多重接続異常の発生を検知する過程を示している。遊技媒体貸出装置2-1は、携帯端末装置7とは未接続であったが、携帯端末装置7Aとの接続を開始するところである。遊技媒体貸出装置2-2は、携帯端末装置7Bと接続済みであり、接続対象情報として携帯端末装置7Bの携帯端末装置特定情報Bを記憶している。遊技媒体貸出装置2-3は、携帯端末装置7とは未接続である。
【0096】
ここで、遊技媒体貸出装置2の接続端末管理手段2001は、携帯端末装置7の携帯端末装置特定情報を取得したとき、当該携帯端末装置特定情報が他の遊技媒体貸出装置2の接続端末管理手段2001で管理されている多重接続異常の有無を確認し、多重接続異常の発生を検知すると、所定の報知動作を行う機能を備える。
【0097】
そこで、遊技媒体貸出装置2-1は、携帯端末装置7Aとの接続を開始するに当たって、携帯端末装置7Aの携帯端末装置特定情報Aを取得し、携帯端末装置特定情報Aの接続有無を他の遊技媒体貸出装置2-2,2-3に問い合わせる。問い合わせを受けた遊技媒体貸出装置2-2,2-3は、携帯端末装置特定情報Aの携帯端末装置7Aと接続していないので、接続無しの回答をする。携帯端末装置7Aによる多重接続異常は発生していなかったので、遊技媒体貸出装置2-1は、携帯端末装置7Aとの相互認証による接続確認を行って通信可能状態となり、接続対象情報として携帯端末装置特定情報Aを記憶する。
【0098】
その後、携帯端末装置7Aとの通信接続が中断したことを検知した遊技媒体貸出装置2-1は、接続対象情報として記憶していた携帯端末装置特定情報Aを再接続対象情報として記憶する。すなわち、携帯端末装置7Aを所持する遊技客は、遊技媒体貸出装置2-1に対応する遊技機1で遊技を行っていないが、他の遊技客が利用できないように占有している状態である。
【0099】
その後、携帯端末装置7とは未接続であった遊技媒体貸出装置2-3が携帯端末装置7Aとの接続を開始する。遊技媒体貸出装置2-3は、携帯端末装置7Aとの接続を開始するに当たって、携帯端末装置7Aの携帯端末装置特定情報Aを取得し、携帯端末装置特定情報Aの接続有無を他の遊技媒体貸出装置2-1,2-2に問い合わせる。問い合わせを受けた遊技媒体貸出装置2-2は、携帯端末装置特定情報Aの携帯端末装置7Aと接続していないので、接続無しの回答をする。しかしながら、携帯端末装置特定情報Aを再接続対象情報として記憶している遊技媒体貸出装置2-1は、携帯端末装置特定情報Aの携帯端末装置7Aと接続有りの回答をする。遊技媒体貸出装置2-1から接続有りの回答を受けた遊技媒体貸出装置2-3は、携帯端末装置7Aの多重接続異常発生と判断し、報知動作を実行する。
【0100】
多重接続異常発生を検知した遊技媒体貸出装置2-3における接続端末管理手段2001による報知動作は特に限定されるものではない。例えば、表示操作部22の表示部221に保留中の遊技機1へ戻ることを遊技客に促す旨の表示を行えば、遊技客が自ら遊技媒体貸出装置2-3との接続を中止して、多重接続の発生を円滑に解消できる可能性が高い。また、遊技場PPを巡回中の係員に報せて、多重接続異常の発生した遊技媒体貸出装置2-3へ向かわせれば、係員から遊技客に事情を説明することで、多重接続の発生を円滑に解消できる可能性が高い。
【0101】
上述したように、各遊技媒体貸出装置2が自ら接続対象情報と再接続対象情報を管理して、遊技機1および/または遊技媒体貸出装置2自身を操作禁止状態にする遊技保留制御を行うと共に、携帯端末装置7の多重接続異常の発生を検知するために遊技媒体貸出装置2同士の通信を行うのは、煩雑である。遊技保留制御や多重接続異常を確認するための情報を一元管理できれば、効率的である。図15は、第2構成例の遊技媒体貸出装置2′と第2構成例の管理装置3′を用いた遊技場管理システムの概略を示す。
【0102】
先ず、第1構成例の遊技媒体貸出装置2と第2構成例の遊技媒体貸出装置2′で共通の構成について説明する。遊技媒体貸出手段2003は、少なくとも、遊技客が所持する有価価値を消費して、遊技機1での遊技に供し得る遊技媒体を貸し出す処理を行う。持ち玉処理手段2004は、遊技客が遊技機1での遊技進行により獲得した遊技媒体を遊技に供し得る持ち玉として記憶し、持ち玉を減じることで遊技媒体を遊技機1での遊技に供する処理を行う。記録媒体処理手段2005は、少なくとも、遊技客が所持する記録媒体8に記録された特定情報(例えば、会員カードのカードID)を読み出す機能を備える。近距離無線通信手段2006は、携帯端末装置7が使用可能な所定の通信規約に基づく近距離用の無線通信である近距離無線通信を行う。対応処理実行手段2007は、近距離無線通信手段2006によって携帯端末装置7と近距離無線通信を行える通信可能状態において、携帯端末装置7との通信状態と、遊技媒体貸出装置2または遊技機1(あるいは、遊技媒体貸出装置2および遊技機1の両方)にて管理する有価価値の状態と、遊技機1の動作状態と、を監視し、これらの状態の組み合わせが所定の処理実行条件を満たすことに基づいて、前記処理実行条件に対応する所定の処理を実行する。
【0103】
さらに、第2構成例の遊技媒体貸出装置2′は、ペア情報送信手段2008と遊技保留制御手段2002′を備える。ペア情報送信手段2008は、携帯端末装置7と通信可能状態になったとき、当該携帯端末装置7を一意に特定できる携帯端末装置特定情報と、遊技用装置である遊技媒体貸出装置2自身を一意に特定できる遊技用装置特定情報とを含む接続ペア情報を管理装置3′へ送信し、携帯端末装置7との通信可能状態が解消されたとき、当該携帯端末装置7の携帯端末装置特定情報と遊技媒体貸出装置2自身の遊技用装置特定情報とを含む解消ペア情報を管理装置3′へ送信する。遊技保留制御手段2002′は、対応処理実行手段2007の判定に基づいて操作禁止状態を開始し、後述するように、管理装置3′と協働することで操作禁止状態の解除を行う。
【0104】
図15に示す第2構成例の管理装置3′には、持ち玉管理手段31、預り金管理手段32、動作管理手段33、貯玉管理手段34、接続ペア管理手段35等を設ける。なお、管理装置3′は、単一のハードウエアに各種機能を搭載するように構成してもよいし、それぞれ異なるハードウエアで構成しても良い。持ち玉管理手段31は、遊技媒体貸出装置2,2′の持ち玉処理手段2004に記憶された持ち玉を、遊技客が所持する記録媒体8の特定情報(例えば、会員カードのカードID)と紐付けて記憶する情報管理を行う。預り金管理手段32は、遊技媒体貸出装置2,2′の遊技媒体貸出手段2003が遊技媒体の貸出に使っていない預り金を、遊技客が所持する記録媒体8の特定情報(例えば、会員カードのカードID)と紐付けて記憶する情報管理を行う。動作管理手段33は、遊技場PP内に設置された諸装置(遊技機1、遊技媒体貸出装置2、管理装置3、会員管理装置4、賞品交換POS5、精算機6など)に対する動作を設定するための設定情報を生成し、対応する装置に対して設定情報を送信することで、当該装置の動作を管理する。貯玉管理手段34は、遊技客が所持する記録媒体8に記録された特定情報と紐付けられた遊技媒体を預かり、翌日以降に引き出して使えるサービス(いわゆる貯玉サービス)を提供できる。
【0105】
さらに、管理装置3′は接続ペア管理手段35を備える。この接続ペア管理手段35は、遊技場PP内の各遊技媒体貸出装置2より送信された接続ペア情報と解消ペア情報とに基づいて、通信可能状態にある遊技用装置特定情報と携帯端末装置特定情報との組み合わせである接続ペアをリアルタイムに管理する。そして、接続ペア管理手段35によって一元管理されている接続ペアの情報は、遊技用装置である遊技媒体貸出装置2が必要に応じて参照可能である。
【0106】
遊技媒体貸出装置2の遊技保留制御手段2002′は、操作禁止状態を開始することに伴って、接続ペアとなっている携帯端末装置7からの携帯端末装置特定情報を受け入れる再接続準備状態へ移行する。この接続ペアとなっている携帯端末装置7からの携帯端末装置特定情報は、管理装置3′の接続ペア管理手段35から得ることができ、これを再接続対象の携帯端末装置特定情報として記憶しておく。そして、遊技保留制御手段2002′は、再接続準備状態において、携帯端末装置7の携帯端末装置特定情報を受け入れた場合、受け入れた携帯端末装置特定情報と、管理装置3′の接続ペア管理手段35から取得して記憶している携帯端末装置特定情報とが一致したときに接続を許可して、操作禁止状態を解除する。
【0107】
例えば、図15における遊技媒体貸出装置2′-1は、携帯端末装置7-1と接続中であるので、通信可能状態となったときにペア情報送信手段2008が管理装置3′へ接続ペア情報を送信している。よって、管理装置3′の接続ペア管理手段35は、遊技媒体貸出装置2′-1の遊技用装置特定情報と携帯端末装置7-1の携帯端末装置特定情報とを含む接続ペア情報を管理している。
【0108】
また、図15における遊技媒体貸出装置2′-2は、携帯端末装置7-2との通信可能状態を解消したので、ペア情報送信手段2008が管理装置3′へ解消ペア情報を送信している。よって、管理装置3′の接続ペア管理手段35は、遊技媒体貸出装置2′-2の遊技用装置特定情報と携帯端末装置7-2の携帯端末装置特定情報との組み合わせである接続ペア情報をクリアして、遊技媒体貸出装置2′-2と携帯端末装置7-2が接続ペアで無いことを反映し、接続ペア情報を管理する。
【0109】
図15における遊技媒体貸出装置2′-3は、通信可能状態となっている携帯端末装置7が存在しないので、ペア情報送信手段2008が管理装置3′へ接続ペア情報を送信していない。よって、管理装置3′の接続ペア管理手段35が管理する接続ペアには、遊技媒体貸出装置2′-3の遊技用装置特定情報を含む接続ペアは無い。
【0110】
図15における遊技媒体貸出装置2′-4は、携帯端末装置7-4と通信可能状態であるが、通信断が生じている。遊技媒体貸出装置2′-4は携帯端末装置7-4と通信可能状態となったときにペア情報送信手段2008が管理装置3′へ接続ペア情報を送信しているので、管理装置3′の接続ペア管理手段35は、遊技媒体貸出装置2′-4の遊技用装置特定情報と携帯端末装置7-4の携帯端末装置特定情報とを含む接続ペア情報を管理している。また、遊技媒体貸出装置2′-4と携帯端末装置7-4との通信可能状態は解消されていないので、通信断が生じていても、遊技媒体貸出装置2′-4のペア情報送信手段2008が管理装置3′へ解消ペア情報を送信していない。よって、管理装置3′の接続ペア管理手段35は、遊技媒体貸出装置2′-4と携帯端末装置7-4は接続ペアとして管理している。
【0111】
ここで、遊技媒体貸出装置2′-4と携帯端末装置7-4との通信断により、対応処理実行手段2007が遊技保留実行条件を満たすと判定し、遊技保留制御手段2002′による操作禁止状態が開始されたとする。
【0112】
遊技媒体貸出装置2′-4の遊技保留制御手段2002′による操作禁止状態が開始された後、タイマ2002aによって保留猶予時間の経過がカウントされた場合、前述したような所定の報知動作を行って、遊技保留サービスが打ち切られた旨を報せる。一方、保留猶予時間が経過する前に、携帯端末装置7-4を所持した遊技客が遊技媒体貸出装置2′-4の通信エリアに戻ってきて、再接続が受け入れられれば、遊技保留制御手段2002′により操作禁止状態が解除され、遊技客は遊技機1-4で遊技を続けられる。
【0113】
しかしながら、携帯端末装置7-4を所持する遊技客が遊技機1-3で遊技を行うために、携帯端末装置7-4を遊技媒体貸出装置2′-3と通信接続させようとした場合、管理装置3′に対して携帯端末装置7-4の携帯端末装置特定情報を問い合わせる。管理装置3′の接続ペア管理手段35は、遊技媒体貸出装置2′-4の遊技用装置特定情報と携帯端末装置7-4の携帯端末装置特定情報とを含む接続ペア情報を管理しているので、遊技媒体貸出装置2′-3から問い合わせを受けた携帯端末装置7-4の携帯端末装置特定情報が既に接続ペアに含まれている多重接続異常の発生を検知できる。接続ペア管理手段35には報知機能を備えており、多重接続異常が発生した旨を遊技媒体貸出装置2′-3や遊技場PPを巡回中の係員等に知らせ、速やかな対応を促す。
【0114】
このように、管理装置3′の接続ペア管理手段35によって、各遊技媒体貸出装置2と携帯端末装置7との接続ペアを一括管理すれば、管理装置3′によって多重接続異常の発生を効率良く検知できると共に、迅速な対処も可能となる。
【0115】
以上、本発明に係る遊技場管理システムを実施形態に基づき説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての遊技場管理システムを権利範囲として包摂するものである。
【符号の説明】
【0116】
1 遊技機
2 遊技媒体貸出装置
22 表示操作部
24 無線通信部
201 制御部
202 記憶部
7 携帯端末装置
PP 遊技場
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