(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035157
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】正平面バネを使用した油圧逆止弁
(51)【国際特許分類】
F16H 7/08 20060101AFI20240306BHJP
F16K 15/02 20060101ALI20240306BHJP
F16F 1/18 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
F16H7/08 B
F16K15/02
F16F1/18 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138480
(22)【出願日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】17/823736
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】ケラーソン,アダム ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フライシュマン,スティーブン エム.
【テーマコード(参考)】
3H058
3J049
3J059
【Fターム(参考)】
3H058AA02
3H058CA04
3H058CC05
3H058CD07
3H058EE12
3J049AA08
3J049BB02
3J049BB13
3J049BB17
3J049BB26
3J049BB35
3J049BC03
3J059BA12
3J059BA13
3J059BA15
3J059GA20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】目標性能特性を維持しながら、予測疲労寿命を向上させる。
【解決手段】油圧テンショナ用の正平面バネは、正平面バネの平坦な中心部分がオイル供給源とテンショナの高圧室の間の入口孔を封止する平坦な閉位置と、正平面バネの平坦な中心部分が一定の距離で移動して入口孔の封止を解除し、流体が入口供給源から正平面バネの開口部、平坦な中心部分の周囲を通って高圧室に流れるようにする変形した開位置とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧テンショナであって、
入口孔を介して、入口供給源及び前記入口孔と流体連通する逆止弁ボアに接続されたボアを画定するハウジングと、
前記ボア内に摺動可能に収容される中空ピストンと、
前記ボア及び前記中空ピストン内に収容されるピストンバネと、
前記ボアと前記中空ピストンとの間に画定される高圧室と、
前記入口供給源と前記ボアへの前記入口孔との間の前記逆止弁ボア内に収容される逆止弁であって、正平面バネを備える逆止弁とを含み、前記正平面バネは、
外側リムと、
平坦な中心部分と、
前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続し、それぞれが外面及び内面を有する少なくとも2つの円弧状のアームと、
前記外側リムの内周、前記平坦な中心部分の外周、前記少なくとも2つの円弧状のアームの第1の円弧状のアームの前記外面、及び前記少なくとも2つの円弧状のアームの第2の円弧状のアームの内面によって画定される第1の半円形開口部と、
少なくとも前記外側リムの前記内周、前記平坦な中心部分の前記外周、及び前記少なくとも2つの円弧状のアームのうちの前記第2の円弧状のアームの前記外面によって画定される第2の半円形開口部とを含み、
前記平坦な中心部分は、前記入口孔と位置合わせされ、前記入口孔に隣接し、
前記正平面バネは、平坦な閉位置と、前記外側リムの上面と前記平坦な中心部分の底面との間の距離が、前記外側リムの前記上面と前記少なくとも2つの円弧状のアームの底面との間の距離よりも大きい変形した開位置とを有し、
前記正平面バネが前記平坦な閉位置にあるとき、前記正平面バネの前記平坦な中心部分は前記入口孔を封止し、前記正平面バネが前記変形した開位置にあるとき、前記平坦な中心部分は、前記外側リムの前記上面と前記平坦な中心部分の前記底面との間の前記距離で移動し、前記入口孔の封止を解除し、それにより、流体は、前記入口供給源から前記第1の半円形開口部、前記第2の半円形開口部、及び前記平坦な中心部分の周囲を通って前記高圧室に流れる、油圧テンショナ。
【請求項2】
前記正平面バネと前記入口孔との間の前記逆止弁ボア内のリテーナをさらに含み、前記リテーナは、ある幅の環状外側リムと、平坦な中心部分と、前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続する、径方向に延びる複数の接続部分と、隣接する径方向に延びる接続部分の間に画定された複数の開口部とを含み、前記リテーナの前記平坦な中心部分は、前記正平面バネの前記平坦な中心部分と位置合わせされる、請求項1に記載の油圧テンショナ。
【請求項3】
前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続する、外面及び内面を有する第3の円弧状のアームと、前記外側リムの前記内周、前記平坦な中心部分の前記外周、前記第1の円弧状のアームの前記内面、及び前記第3の円弧状のアームの外面によって画定される第3の半円形開口部とをさらに含み、前記第2の半円形開口部は、さらに、前記第3の円弧状のアームの前記内面によって画定され、前記正平面バネが前記変形した開位置にあるとき、流体はさらに前記第3の半円形開口部を通って流れる、請求項1に記載の油圧テンショナ。
【請求項4】
前記第2の周方向開口部が、前記第1の円弧状のアームの前記内面によってさらに画定される、請求項1に記載の油圧テンショナ。
【請求項5】
油圧テンショナであって、
入口孔を介して、入口供給源及び前記入口孔と流体連通する逆止弁ボアに接続されたボアを画定するハウジングと、
前記ボア内に摺動可能に収容される中空ピストンと、
前記ボア及び前記中空ピストン内に収容されるピストンバネと、
前記ボアと前記中空ピストンとの間に画定される高圧室と、
前記入口供給源と前記ボアへの前記入口孔との間の前記逆止弁ボア内に収容され、正平面バネを備える逆止弁とを含み、前記正平面バネは、
外側リムと、
平坦な中心部分と、
前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続する少なくとも第1のS字形のアーム、第2のS字形のアーム、及び第3のS字形のアームと、
前記外側リムの内周、前記平坦な中心部分の外周、前記第1のS字形のアーム、及び前記第2のS字形のアームによって画定される第1の開口部と、
前記外側リムの前記内周、前記平坦な中心部分の前記外周、前記第2のS字形のアーム、及び前記第3のS字形のアームによって画定される第2の開口部と、
少なくとも前記外側リムの前記内周、前記平坦な中心部分の前記外周、及び前記第3のS字形のアームによって画定される第3の開口部とを含み、
前記平坦な中心部分は、前記入口孔と位置合わせされ、前記入口孔に隣接し、
前記正平面バネは、平坦な閉位置と、前記外側リムの上面と前記平坦な中心部分の底面との間の距離が、前記外側リムの前記上面と、少なくとも前記第1のS字形のアーム、前記第2のS字形のアーム、及び前記第3のS字形のアームの底面との間の距離よりも大きい変形した開位置とを有し、
前記正平面バネが前記平坦な閉位置にあるとき、前記正平面バネの前記平坦な中心部分は前記入口孔を封止し、前記正平面バネが前記変形した開位置にあるとき、前記平坦な中心部分は、前記外側リムの前記上面と前記平坦な中心部分の前記底面との間の前記距離で移動し、前記入口孔の封止を解除し、それにより、流体は、前記入口供給源から前記第1の開口部、前記第2の開口部、前記第3の開口部、及び前記平坦な中心部分の周囲を通って前記高圧室に流れる、油圧テンショナ。
【請求項6】
少なくとも前記第1のS字形のアーム、前記第2のS字形のアーム、及び前記第3のS字形のアームの曲がりは、円弧状である、請求項5に記載の油圧テンショナ。
【請求項7】
少なくとも前記第1のS字形のアーム、前記第2のS字形のアーム、及び前記第3のS字形のアームの曲がりは、真っ直ぐである、請求項5に記載の油圧テンショナ。
【請求項8】
前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続する第4のS字形のアームと、前記第4のS字形のアームと前記第1のS字形のアームとによって画定される第4の開口部とをさらに含み、前記第3の開口部は、前記第4のS字形のアームによってさらに画定され、前記正平面バネが前記変形した開位置にあるとき、流体はさらに前記第4の開口部を通って流れる、請求項5に記載の油圧テンショナ。
【請求項9】
前記第3の開口部は、前記第1のS字形のアームによってさらに画定される、請求項5に記載の油圧テンショナ。
【請求項10】
前記正平面バネと前記入口孔との間の前記逆止弁ボア内のリテーナをさらに含み、前記リテーナは、ある幅の環状外側リムと、平坦な中心部分と、前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続する、径方向に延びる複数の接続部分と、隣接する径方向に延びる接続部分の間に画定された複数の開口部とを含み、前記リテーナの前記平坦な中心部分は、前記正平面バネの前記平坦な中心部分と位置合わせされる、請求項1に記載の油圧テンショナ。
【請求項11】
油圧テンショナであって、
入口孔を介して、入口供給源及び前記入口孔と流体連通する逆止弁ボアに接続されたボアを画定するハウジングと、
前記ボア内に摺動可能に収容される中空ピストンと、
前記ボア及び前記中空ピストン内に収容されるピストンバネと、
前記ボアと前記中空ピストンとの間に画定される高圧室と、
前記入口供給源と前記ボアへの前記入口孔との間の前記逆止弁ボア内に収容され、正平面バネを備える逆止弁とを含み、前記正平面バネは、
外側リムと、
平坦な中心部分と、
前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続し、外面及び内面を有し、前記平坦な中心部分の外周の少なくとも270度を取り囲む単一の円弧状のアームと、
前記外側リムの内周及び前記単一の円弧状のアームの前記外面によって画定される第1の半円形開口部と、
少なくとも前記外側リムの前記内周、前記平坦な中心部分の前記外周、及び前記単一の円弧状のアームの外面によって画定される第2の半円形開口部とを含み、
前記平坦な中心部分は、前記入口孔と位置合わせされ、前記入口孔に隣接し、
前記正平面バネは、平坦な閉位置と、前記外側リムの上面と前記平坦な中心部分の底面との間の距離が、前記外側リムの前記上面と前記単一の円弧状のアームの底面との間の距離よりも大きい変形した開位置とを有し、
前記正平面バネが前記平坦な閉位置にあるとき、前記正平面バネの前記平坦な中心部分は前記入口孔を封止し、前記正平面バネが前記変形した開位置にあるとき、前記平坦な中心部分は、前記外側リムの前記上面と前記平坦な中心部分の前記底面との間の前記距離で移動し、前記入口孔の封止を解除し、それにより、流体は、前記入口供給源から前記第1の半円形開口部、前記第2の半円形開口部、及び前記平坦な中心部分の周囲を通って前記高圧室に流れる、油圧テンショナ。
【請求項12】
前記正平面バネと前記入口孔との間の前記逆止弁ボア内のリテーナをさらに含み、前記リテーナは、ある幅の環状外側リムと、平坦な中心部分と、前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続する、径方向に延びる複数の接続部分と、隣接する径方向に延びる接続部分の間に画定された複数の開口部とを含み、前記リテーナの前記平坦な中心部分は、前記正平面バネの前記平坦な中心部分と位置合わせされる、請求項11に記載の油圧テンショナ。
【請求項13】
油圧テンショナであって、
入口孔を介して、入口供給源及び前記入口孔と流体連通する逆止弁ボアに接続されたボアを画定するハウジングと、
前記ボア内に摺動可能に収容される中空ピストンと、
前記ボア及び前記中空ピストン内に収容されるピストンバネと、
前記ボアと前記中空ピストンとの間に画定される高圧室と、
前記入口供給源と前記ボアへの前記入口孔との間の前記逆止弁ボア内に収容され、正平面バネを備える逆止弁とを含み、前記正平面バネは、
外側リムと、
外周を有する平坦な中心部分と、
前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続し、外面を有する単一の直線状のアームと、
前記外側リムの内周、前記単一の円弧状のアームの前記外面、及び前記単一の直線状のアームの前記外周によって画定される半円形開口部とを含み、
前記油圧テンショナは、前記正平面バネと前記入口孔との間の前記逆止弁ボア内にあり、ある幅の環状外側リムと、横方向に延びる突起を備えた中心部分と、前記外側リムを前記平坦な中心部分に接続する、径方向に延びる複数の接続部分と、隣接する径方向に延びる接続部分の間に画定された複数の開口部とを含むリテーナであって、前記突起が、前記正平面バネの前記平坦な中心部分と位置合わせされるリテーナをさらに含み、
前記正平面バネは、平坦な閉位置と、前記外側リムの上面と前記平坦な中心部分の底面との間の距離が、前記外側リムの前記上面と前記単一の直線状のアームの底面との間の距離よりも大きい変形した開位置とを有し、
前記正平面バネが前記平坦な閉位置にあるとき、前記正平面バネの前記平坦な中心部分は前記入口孔を封止し、前記正平面バネが前記変形した開位置にあるとき、前記平坦な中心部分は、前記リテーナの前記突起に当接して前記入口孔の封止を解除するまで移動し、それにより、流体が前記入口供給源から前記半円形開口部、及び前記平坦な中心部分の周囲を高圧室に流れる、油圧テンショナ。
【請求項14】
前記平坦な中心部分の直径と前記単一の直線状のアームの幅とがほぼ等しい、請求項13に記載の油圧テンショナ。
【請求項15】
前記平坦な中心部分の直径は、前記単一の直線状のアームの幅よりも大きい、請求項13に記載の油圧テンショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧逆止弁に関し、具体的には、正平面バネを利用した油圧逆止弁に関する。
【0002】
平面ねじりバネは、さまざまな目的のさまざまな技術で使用される。米国特許出願公開第2010/0145510号は、ロボットアームの回転関節の器用さを容易にする平面ねじりバネである。平面ねじりバネは、2つのスプラインを介して内側セグメントに接続された外側セグメントを備える。内側セグメントには、一連の開口部に囲まれた中央孔がある。
【0003】
米国特許第2,407,757号は、クラッチ部材を駆動シャフトにバネディスクとして接続するクラッチ解除部材である。いくつかの例では、バネディスクは、中心孔を外側リムに接続するさまざまな方法で中心孔を有する。中実の中央ハブが存在する他の実施形態では、外側リムと中央ハブとの間にリジット接続が存在する。
【0004】
米国特許第2,767,973号は、加速度計の外側リム及び中心からのケーシング部分にボルトで固定されるディスクである。
【0005】
米国特許第4,323,994号は、脚部材によって接続された外側リングと内側リングを備えたジオホンスプリングである。内側リングは中央孔を囲んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リード式逆止弁として機能する他の平面バネも使用される。これらの平面バネは、複数の開口部を封止して開く二重のアームと平坦な部分を有する。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、油圧テンショナが開示される。油圧テンショナは、入口孔を介して、入口供給源及び入口孔と流体連通する逆止弁ボアに接続されたボアを画定するハウジングと、ボア内に摺動可能に収容される中空ピストンと、ボア及び中空ピストン内に収容されるピストンバネと、ボアと中空ピストンとの間に画定される高圧室と、入口供給源とボアへの入口孔との間の逆止弁ボア内に収容される逆止弁とを含む。逆止弁は、正平面バネを備える。正平面バネは、外側リムと、平坦な中心部分と、外側リムを平坦な中心部分に接続し、それぞれが外面及び内面を有する少なくとも2つの円弧状のアームと、外側リムの内周、平坦な中心部分の外周、少なくとも2つの円弧状のアームの第1の円弧状のアームの外面、及び少なくとも2つの円弧状のアームの第2の円弧状のアームの内面によって画定される第1の半円形開口部と、少なくとも外側リムの内周、平坦な中心部分の外周、及び少なくとも2つの円弧状のアームのうちの第2の円弧状のアームの外面によって画定される第2の半円形開口部とを含む。平坦な中心部分は、入口孔と位置合わせされ、入口孔に隣接する。正平面バネは、平坦な閉位置と、外側リムの上面と平坦な中心部分の底面との間の距離が、外側リムの上面と少なくとも2つの円弧状のアームの底面との間の距離よりも大きい変形した開位置とを有する。正平面バネが平坦な閉位置にあるとき、正平面バネの平坦な中心部分は入口孔を封止し、正平面バネが変形した開位置にあるとき、平坦な中心部分は、外側リムの上面と平坦な中心部分の底面との間の距離で移動し、入口孔の封止を解除し、それにより、流体は、入口供給源から第1の半円形開口部、第2の半円形開口部、及び平坦な中心部分の周囲を通って高圧室に流れる。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、油圧テンショナが開示される。油圧テンショナは、入口孔を介して、入口供給源及び入口孔と流体連通する逆止弁ボアに接続されたボアを画定するハウジングと、ボア内に摺動可能に収容される中空ピストンと、ボア及び中空ピストン内に収容されるピストンバネと、ボアと中空ピストンとの間に画定される高圧室と、入口供給源とボアへの入口孔との間の逆止弁ボア内に収容される逆止弁とを含む。逆止弁は、正平面バネを備える。正平面バネは、外側リムと、平坦な中心部分と、外側リムを平坦な中心部分に接続する少なくとも第1のS字形のアーム、第2のS字形のアーム、及び第3のS字形のアームと、外側リムの内周、平坦な中心部分の外周、第1のS字形のアーム、及び第2のS字形のアームによって画定される第1の開口部と、外側リムの内周、平坦な中心部分の外周、第2のS字形のアーム、及び第3のS字形のアームによって画定される第2の開口部と、少なくとも外側リムの内周、平坦な中心部分の外周、及び第3のS字形のアームによって画定される第3の開口部とを含む。平坦な中心部分は、入口孔と位置合わせされ、入口孔に隣接し、正平面バネは、平坦な閉位置と、外側リムの上面と平坦な中心部分の底面との間の距離が、外側リムの上面と、少なくとも第1のS字形のアーム、第2のS字形のアーム、及び第3のS字形のアームの底面との間の距離よりも大きい変形した開位置とを有する。正平面バネが平坦な閉位置にあるとき、正平面バネの平坦な中心部分は入口孔を封止し、正平面バネが変形した開位置にあるとき、平坦な中心部分は、外側リムの上面と平坦な中心部分の底面との間の距離で移動し、入口孔の封止を解除し、それにより、流体は、入口供給源から第1の開口部、第2の開口部、第3の開口部、及び平坦な中心部分の周囲を通って高圧室に流れる。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、油圧テンショナが開示される。本発明の別の実施形態によれば、油圧テンショナが開示される。油圧テンショナは、入口孔を介して、入口供給源及び入口孔と流体連通する逆止弁ボアに接続されたボアを画定するハウジングと、ボア内に摺動可能に収容される中空ピストンと、ボア及び中空ピストン内に収容されるピストンバネと、ボアと中空ピストンとの間に画定される高圧室と、入口供給源とボアへの入口孔との間の逆止弁ボア内に収容される逆止弁とを含む。逆止弁は、正平面バネを備える。正平面バネは、外側リムと、平坦な中心部分と、外側リムを平坦な中心部分に接続し、外面及び内面を有し、平坦な中心部分の外周の少なくとも270度を取り囲む単一の円弧状のアームと、外側リムの内周及び単一の円弧状のアームの外面によって画定される第1の半円形開口部と、少なくとも外側リムの内周、平坦な中心部分の外周、及び単一の円弧状のアームの外面によって画定される第2の半円形開口部とを含む。平坦な中心部分は、入口孔と位置合わせされ、入口孔に隣接し、正平面バネは、平坦な閉位置と、外側リムの上面と平坦な中心部分の底面との間の距離が、外側リムの上面と単一の円弧状のアームの底面との間の距離よりも大きい変形した開位置とを有する。正平面バネが平坦な閉位置にあるとき、正平面バネの平坦な中心部分は入口孔を封止し、正平面バネが変形した開位置にあるとき、平坦な中心部分は、外側リムの上面と平坦な中心部分の底面との間の距離で移動し、入口孔の封止を解除し、それにより、流体は、入口供給源から第1の半円形開口部、第2の半円形開口部、及び平坦な中心部分の周囲を通って高圧室に流れる。
【0010】
上記の実施形態のいずれにおいても、正平面バネと入口孔との間の逆止弁ボア内にリテーナが存在してもよい。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、油圧テンショナが開示される。油圧テンショナは、入口孔を介して、入口供給源及び入口孔と流体連通する逆止弁ボアに接続されたボアを画定するハウジングと、ボア内に摺動可能に収容される中空ピストンと、ボア及び中空ピストン内に収容されるピストンバネと、ボアと中空ピストンとの間に画定される高圧室と、入口供給源とボアへの入口孔との間の逆止弁ボア内に収容される逆止弁とを含む。正平面バネを備えた逆止弁は、外側リムと、外周を有する平坦な中心部分と、外側リムを平坦な中心部分に接続し、外面を有する単一の直線状のアームと、外側リムの内周、単一の円弧状のアームの外面、単一の直線状のアームの外周によって画定される半円形開口部とを含む。リテーナも、正平面バネと入口孔の間の逆止弁ボア内にある。リテーナは、ある幅の環状外側リムと、横方向に延びる突起を備えた中心部分と、外側リムを平坦な中心部分に接続する、径方向に延びる複数の接続部分と、隣接する径方向に延びる接続部分の間に画定された複数の開口部とを含み、突起は、正平面バネの平坦な中心部分と位置合わせされる。正平面バネは、平坦な閉位置と、外側リムの上面と平坦な中心部分の底面との間の距離が、外側リムの上面と単一の直線状のアームの底面との間の距離よりも大きい変形した開位置とを有する。正平面バネが平坦な閉位置にあるとき、正平面バネの平坦な中心部分は入口孔を封止し、正平面バネが変形した開位置にあるとき、平坦な中心部分は、リテーナの突起に当接して入口孔の封止を解除するまで移動し、それにより、流体が入口供給源から半円形開口部、及び平坦な中心部分の周囲を高圧室に流れる。正平面バネが平坦な閉位置にあるとき、正平面バネの平坦な中心部分は入口孔を封止し、正平面バネが変形した開位置にあるとき、平坦な中心部分は、リテーナの突起に当接して入口孔の封止を解除するまで移動し、それにより、流体が入口供給源から半円形開口部、及び平坦な中心部分の周囲を高圧室に流れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ピストンを含む油圧テンショナの断面図を示す。
【
図2】
図2は、油圧テンショナのハウジングと、関連するチェックバネディスク及びリテーナの斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る正平面バネの上面斜視図を示す。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係る正平面バネの上面図を示す。
【
図7】
図7は、第3の実施形態に係る正平面バネの等角図を示す。
【
図10】
図10は、第4の実施形態に係る正平面バネの等角図を示す。
【
図13】
図13は、第5の実施形態に係る、テンショナハウジング内に収容されたリテーナを備えた正平面バネを示す。
【
図15】
図15は、第6実施形態に係るリテーナ及び平面バネを示す。
【
図17】
図17は、第7の実施形態に係る正平面バネの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態において、本明細書に記載の実施形態の正平面バネの幾何学的形状は、流量、シール能力、逆流防止、全開位置流量、平面閉位置流量などの目標性能特性を維持しながら、予測疲労寿命を向上させる。
【0014】
図1~2は、本発明の実施形態に係るテンショナを示す。テンショナは、軸方向に延びるボア102aを有するハウジング102を含む。軸方向に延びるボア102a内には、ピストン103が摺動可能に収容される。ピストン103は、第1の端部103a、第2の端部103c、外周103d、及び閉じた内部の第1の端部103fを有する中空内部103bを有する本体を有する。外周103dは、本体の長さに沿って一連のラチェット溝112を有し、第2の端部103cに近い止め溝113は、ラチェット溝112よりも大きく、ラチェットクリップ170をキャプチャする。ラチェットクリップ170は、ピストン103がハウジング102から遠くなるにつれてラチェット溝112に出入りする拡張可能なクリップである。ラチェットクリップ170は、テンショナアーム又はシューがピストン103を押すときに、ピストン103がハウジング102に向かって移動するのを防止する。
【0015】
ピストン103の中空内部103b内にはピストンバネ104が存在する。ピストンバネ104は、圧力リリーフ弁120と接触する第1の端部104aを有する。又は、ピストンバネ104の第1の端部104aは、ピストン103の閉じた内部の第1の端部103fと接触している。ピストンバネ104の第2の端部104bは、ハウジング102の軸方向に延びるボア102aの底部102b、又は逆止弁108などの逆止弁と接触している。圧力室111は、ピストン103と軸方向に延びるボア102aとの間に形成される。流体は、供給源106から入口逆止弁108を介して圧力室111に供給される。ピストン103は、ピストンバネ104の力及び圧力室111内のオイルの圧力によって、ハウジング102から外側に付勢され、ピストン103の第1の端部103aを介してチェーン(図示せず)を付勢する。
【0016】
圧力リリーフ弁120は、第1の端部121a及び第2の端部121bを含む本体121を有する。第1の端部121aは圧力室111に開口し、第2の端部121bは蛇行性経路ディスク130に開口している。本体121内には、物体127を本体121の第1の端部121aに向かって付勢するバネ126が存在する。
【0017】
圧力リリーフ弁120が閉じているとき、物体127は圧力リリーフ弁120の本体121の第1の端部121aをブロックし、流体が高圧室111から流れ、ピストン103のボア103gを通って排出される。
【0018】
圧力リリーフ弁120が開いているとき、流体圧力は物体127及びバネ126を本体121の第1の端部121aから遠ざけ、流体は圧力リリーフ弁120の本体121、ディスク130、及びピストン103のボア103gを通って流れる。
【0019】
供給源106と流体連通する逆止弁ボア102bが、軸方向に延びるボア102aに隣接している。逆止弁ボア102b内には、正平面バネ160とリテーナ151を含む逆止弁108が収容される。リテーナ151は、一連のスポーク又は径方向に延びる接続部分154を介して平坦な中心部分153に接続される、ある幅の環状外側リム152を有する。隣接するスポーク154の間には開口部155がある。外側リム152内には、平坦な平面閉位置(
図2参照)と変形したマルチレベル開位置(
図3~4参照)との間で移動可能な正平面バネ160が収容される。正平面バネ160がリテーナ151内に存在するとき、正平面バネ160の中心部分162はリテーナ151の平坦な中心部分153と位置合わせされる。正平面バネ160は、中心部分162の周囲を少なくとも270度取り囲む少なくとも1つの曲線状又は円弧状のアーム163によって中心部分162に接続された外側リム161を有する。
【0020】
高圧室111内の圧力降下により逆止弁108にわたる流体圧力が降下すると、正平面バネは、変形したマルチレベル開位置に移動し、それにより、供給源106からの流体は、正平面バネ160及びリテーナ151の開口部155を通って圧力室111に流入する。リテーナ151は、塑性変形を避けるために正平面バネ160の開き量を制限する。逆止弁108を横切る流体圧力が正平面バネ160のバネ力よりも大きい場合、バネは平坦な平面閉位置にあり、流体は正平面バネ160によって圧力室111から供給源106へ流れることが防止される。
【0021】
図3~4を参照すると、単一の曲げたか又は曲線状のアーム163は外側リム161を中心部分162に接続する。外側リム161の内周168と円弧状のアーム163の外面164との間に第1の半円形空間166が存在し、第2の半円形空間167は、中心部分162の外周162aと円弧状のアーム163の内面165との間に存在し、中心部分162の外周162aと外側リム161の内周168との間に存在する。円弧状のアーム163の第1の端部163aは外側リム161に接続され、円弧状のアーム163の第2の端部163bは中心部分162に接続される。円弧状のアーム163の外面164は、外側リム161の内周168に隣接する表面であり、円弧状のアーム163の内面165は、中心部分162を取り囲む円弧状のアーム163の表面である。中心部分162、外側リム161、及び円弧状のアーム163は、それぞれ、第1の表面161a、162a、163aと、第1の表面161a、162a、163aの反対側の第2の表面161b、162b、163bを有する。第2の表面161b、162b、163bは、ピストン103の高圧室に隣接し、より近くにある。
【0022】
正平面バネ160は、平坦な閉位置と変形したマルチレベル開位置との間で移動可能である。
図2に示す平坦な閉位置では、中心部分162がピストン103を収容するボア102aへの入口孔に当接して封止する。高圧室111内の圧力が正平面バネ160のバネ力より小さいとき、正平面バネ160は、変形したマルチレベル開位置に移動し、流体がオイル入口供給源106から第1及び第2の半円形空間166、167、及び入口孔を通って高圧室111内に流れることを可能にする。
【0023】
正平面バネ160が変形したマルチレベル開位置にあるとき、中心部分162は、中心部分162の第2の表面162bが外側リム161の第1の表面161aから距離d1にあるように、外側リム161から外側に付勢される。距離d1は、アーム163の第2の表面163bと外側リム161の第1の表面161aとの間の距離d2よりも大きい。この位置では、正平面バネ160の中心部分162がリテーナ151の平坦な中心部分153に当接し、それにより、リテーナ151が変形位置での正平面バネ160の移動を制限する。
【0024】
正平面バネ160が平坦な平面閉位置から変形したマルチレベル開位置に移動すると、流体が第1の半円形空間166及び第2の半円形空間167を通って高圧室111に流入することが可能になる。ピストン103にハウジング102に向かう力が加わると、高圧室111内に存在する流体が供給源106に向かって流れ、正平面バネ160を平坦な平面閉位置に向かって押す。
【0025】
テンショナ内にリテーナ151が存在するが、リテーナ151が存在しなくても正平面バネ160が逆止弁108として機能できることに注意する。
【0026】
図5及び
図6は、別の実施形態の正平面バネを示す。正平面バネ180は、少なくとも1つのS字形のアーム183a~183dによって中心部分182に接続された外側リム181を有する。この場合、4つのS字形のアーム183a~183dが、中心部分182の外周184の周りに等間隔に配置されて使用される。4つのS字形のアーム183a~183dのそれぞれの第1の端部185は外側リム181の内周187に接続され、4つのS字形のアーム183a~183dのそれぞれの第2の端部186は中心部分182の外周184に接続される。第1の開口部又は空間188は、S字形のアーム183a、S字形のアーム183b、中心部分182の外周184、及び外側リム181の内周187の間に存在する。第2の開口部又は空間189は、S字形のアーム183b、S字形のアーム183c、中心部分182の外周184、及び外側リム181の内周187の間に存在する。第3の開口部又は空間190は、S字形のアーム183c、S字形のアーム183d、中心部分182の外周184、及び外側リム181の内周187の間に存在する。第4の開口部又は空間191は、S字形のアーム183d、S字形のアーム183a、中心部分182の外周184、及び外側リム181の内周187の間に存在する。中心部分182、外側リム181、及びS字形のアーム183a、183b、183c、183dはそれぞれ、第1の表面182a、181a、193と、第1の表面182a、181a、193の反対側の第2の表面182b、181b、192とを有する。第2の面182b、181b、192は、ピストン103の高圧室111に隣接し、より近くにある。
【0027】
S字形のアーム183a~183dは曲げた湾曲した屈曲部を有することに注意する。
【0028】
正平面バネ180は、平坦な閉位置と変形したマルチレベル開位置との間で移動可能である。
図5に示す平坦な閉位置では、中心部分182がピストン103を収容するボア102aへの入口孔に当接して密閉する。高圧室111内の圧力が正平面バネ180のバネ力より小さいとき、正平面バネ180は、変形したマルチレベルの開位置に移動し、流体がオイル入口供給源106から第1及び第2の開口部又は空間188、189、190、191、及び入口孔を通って高圧室111内に流れることを可能にする。
【0029】
正平面バネ180が変形したマルチレベル開位置にあるとき、中心部分182は、中心部分182の第2の表面182bが外側リム181の第1の表面181aから距離d1にあるように、外側リム181から外側に付勢される。距離d1は、S字形アーム183a~183dの第2の表面192と外側リム181の第1の表面181aとの間の距離d2よりも大きい。リテーナ151がテンショナ内に存在する場合、正平面バネの中心部分182はリテーナ151の平坦な中心部分153に当接し、それにより、リテーナが変形位置における正平面バネ180の移動を制限する。
【0030】
正平面バネ180が平坦な平面閉位置から変形したマルチレベル開位置に移動すると、流体が空間又は開口部188~191を通って高圧室111内に流れることが可能になる。ピストン103にハウジング102に向かう力が加わると、高圧室111内に存在する流体が供給源106に向かって流れ、正平面バネ180を平坦な平面閉位置に向かって押す。
【0031】
図7~9は、第3の実施形態に係る正平面バネを示す。正平面バネ210は、3つの曲線状又は円弧状のアーム213a~213cによって中心部分212に接続された外側リム211を有する。3つの曲線状のアーム213a~213cのそれぞれは、外側リム211の内周211aに接続された第1の端部214と、中心部分212の外周212aに接続された第2の端部215とを有する。外側リム211の内周縁211aと、第1のアーム213aの外面230と、中心部分212の外周212aと、第2のアーム213bの内面233との間には、第1の半円形空間222が存在する。外側リム211の内周縁211aと、第2のアーム213bの外面230と、中心部分212の外周212aと、第3のアーム213cの内面235との間には、第2の半円形空間223が存在する。外側リム211の内周縁211aと、第3のアーム213cの外面234と、中心部分212の外周212aと、第1のアーム213aの内面231との間には、第3の半円形空間224が存在する。
【0032】
本発明の一実施形態では、曲線状のアーム213a~213cのそれぞれは、中心部分212の外周212aの約3分の1を取り囲んでいる。より具体的には、曲線状のアーム213bは、中心部分212の外周212aを約120度取り囲み、第1の周方向開口部222を画定する曲線状のアーム213bの第1の端部214の第1の縁216と、第2の周方向開口部223を画定する曲線状のアーム213cの第1の縁218との間で測定される。
【0033】
曲線状のアーム213cは、中心部分212の外周212aを約120度取り囲み、第2の周方向開口部223を画定する曲線状のアーム213cの第1の端部214の第1の縁218と、第3の周方向開口部224を画定する曲線状のアーム213aの第1の縁220との間で測定される。
【0034】
曲線状のアーム213aは、中心部分212の外周212aを約120度取り囲み、第3の周方向開口部224を画定する曲線状のアーム213aの第1の端部の第1の縁220から、第1の周方向開口部222を画定する曲線状のアーム213bの第1の縁216まで測定される。
【0035】
この実施形態では、3つの曲線状のアーム213a~213cは、中心部分212の外周212aの周囲に等間隔で配置されている。
【0036】
正平面バネ210が変形したマルチレベル開位置にあるとき、中心部分212は、中心部分212の底面212bが外側リム211の上面211bから距離を置くように、外側リム211から外側に付勢される。該距離は、3つのアーム213a~213cのうちのいずれか1つの底面236と外側リム211の上面211bとの間の距離よりも大きい。この位置で、リテーナ151がテンショナ内に存在する場合、正平面バネ210の中心部分282がリテーナ151の平坦な中心部分153に当接して付勢する。
【0037】
正平面バネ210が平坦な平面閉位置から変形したマルチレベル開位置に移動すると、流体が周方向空間222、223、224を通って高圧室111内に流れることが可能になる。ピストン103にハウジング102に向かう力が加わると、高圧室111内に存在する流体が供給源106に向かって流れ、正平面バネ210を平坦な平面閉位置に向かって押す。
【0038】
図10~12は、第4の実施形態に係る正平面バネを示す。正平面バネ250は、2つの曲線状のアーム253a、253bによって中心部分252に接続された外側リム251を有する。2つの曲線状のアーム253a、253bのそれぞれは、外側リム251の内周251aに接続された第1の端部254と、中心部分252の外周252aに接続された第2の端部255とを有する。外側リム251の内周縁251aと、第1のアーム253aの外面270と、中心部分252の外周252aと、第2のアーム253bの内面273との間には、第1の半円形空間262が存在する。外側リム251の内周縁251aと、第2のアーム253bの外面272と、中心部分252の外周252aと、第3のアーム253cの内面271との間には、第2の半円形空間263が存在する。
【0039】
本発明の一実施形態では、曲線状のアーム253a~253bのそれぞれは、中心部分252の外周252aを約3分の1取り囲んでいる。より具体的には、曲線状のアーム253bは、中心部分252の外周252aを約20パーセント又は75度取り囲み、第1の周方向開口部262を画定する曲線状のアーム253bの第1の端部254の第1の縁256と、第2の半円形開口部263を画定する曲線状のアーム253aの第2の端部255の第1の縁258との間で測定される。曲線状のアーム253aは、中心部分252の外周252aを約75度取り囲み、第2の半円形開口部263を画定する曲線状のアーム253bの第2の端部255の第1の縁259と曲線状のアーム253aの第1の端部254の第1の縁260との間で測定される。
【0040】
この実施形態では、2つの曲線状のアーム253a~253bは、中心部分212の外周212aの周囲に等間隔に配置される。
【0041】
正平面バネ250が変形したマルチレベル開位置にあるとき、中心部分252は、中心部分252の底面252bが外側リム251の上面251bから距離を置くように、外側リム251から外側に付勢される。該距離は、2つの曲線状のアーム253a~253bのうちのいずれか1つの底面286と外側リム251の上面251bとの間の距離よりも大きい。この位置で、リテーナ151がテンショナ内に存在する場合、正平面バネ250の中心部分252がリテーナ151の平坦な中心部分153に当接して付勢する。
【0042】
正平面バネが平坦な平面閉位置から変形したマルチレベル開位置に移動すると、流体が半円形空間262及び263を通って高圧室111内に流れることが可能になる。ピストン103にハウジング102に向かう力が加わると、高圧室111内に存在する流体が供給源106に向かって流れ、正平面バネ250を平坦な平面閉位置に向かって押す。
【0043】
図13~14は、第5の実施形態に係る正平面バネを示す。正平面バネ310は、3つの蛇行アーム313a~313cによって中心部分312に接続された外側リム311を有する。
【0044】
各蛇行又はS字形のアーム313a~313cは、外側リム311に接続された第1の端部314と、中心部分312に接続された第2の端部315とを有する。第1の端部314と第2の端部315との間には、半円形部分340a~340d及び接続部分341~343がある。半円形部分340a~340dのそれぞれの間には、半円形空間344~347がある。より具体的には、蛇行アーム313a~313cのそれぞれについて、第1の端部314は、接続部分341に接続される半円形部分340aに接続される。接続部分341は半円形部分340bにも接続される。半円形部分340bは、接続部分342に接続されている。接続部分342は、半円形部分340cに接続されている。半円形部分340cは接続部分343に接続される。接続部分343は、半円形部分340dに接続される。半円形部分340dは、第2の端部315によって中心部分312に接続される。半円形部分340aと半円形部分340bとの間には、半円形空間344がある。半円形部分340bと半円形部分340cとの間には、半円形空間345がある。半円形部分340cと半円形部分340dとの間には、半円形空間346がある。
【0045】
蛇行アーム313a~313cの曲がりは、円弧状であり、真っ直ぐであることに注意する。
【0046】
中心部分312の外周312aと、第1の蛇行アーム313aと、第2の蛇行アーム313bとの間には、第1の周方向空間348が存在する。より具体的には、第1の周方向空間348は、中心部分312の外周312aと、第2の蛇行アーム313bの半円形部分340dと、第2の蛇行アーム313bの接続部分343、341と、第1の蛇行アーム313aの接続部分342とによって形成される。
【0047】
中心部分312の外周312aと、第2の蛇行アーム313bと、第3の蛇行アーム313cとの間には、第2の周方向空間349が存在する。より具体的には、第2の周方向空間349は、中心部分312の外周312aと、第3の蛇行アーム313cの半円形部分340dと、第3の蛇行アーム313cの接続部分343、341と、第2の蛇行アーム313bの接続部分342とによって形成される。
【0048】
中心部分312の外周312aと、第3の蛇行アーム313cと、第1の蛇行アーム313aとの間には、第3の周方向空間350が存在する。より具体的には、第3の周方向空間350は、中心部分312の外周312aと、第1の蛇行アーム313aの半円形部分340dと、第1の蛇行アーム313aの接続部分343、341と、第3の蛇行アーム313cの接続部分342とによって形成される。
【0049】
この実施形態では、3つの蛇行アーム313a~313cは、中心部分312の外周312aの周囲に等間隔に配置される。
【0050】
正平面バネ310は、
図15に示すリテーナ内に収容される。リテーナ500は、正平面バネ310によって逆止弁ボア102b内に収容される。リテーナ500は、3つのスポーク又は径方向に延びる接続部分504a~504cを介して平坦な中心部分503に接続される、ある幅の環状外側リム502を有する。隣接するスポーク504a~504cの間には、3つの開口部505a~505cがある。より具体的には、径方向に延びる接続部分504aと径方向に延びる接続部分504bとの間には、開口部505aがある。径方向に延びる接続部分504bと径方向に延びる接続部分504cとの間には、開口部505bがある。径方向に延びる接続部分504cと径方向に延びる接続部分504aとの間には開口部504cがある。
【0051】
正平面バネ312が変形したマルチレベル開位置にあるとき、中心部分312は、中心部分312の底面312bが外側リム311の上面311bから距離d4にあるように、外側リム311から外側に付勢される。該距離は、3つのアーム313a~313cの接続部341の底面337から外側リム311の上面311bまでの距離d5よりも大きく、3つのアーム313a~313cの接続部分343の底面336から外側リム311の上面311bまでの距離d6よりも大きく、又は、3つのアーム313a~313cの接続部分342の底面338から外側リム311の上面311bまでの距離d7よりも大きい。この位置では、正平面バネ310の中心部分312がリテーナ500の平坦な中心部分503に当接して付勢する。
【0052】
正平面バネ312が平坦な平面閉位置から変形したマルチレベル開位置に移動すると、流体が周方向空間341~343を通って高圧室111内に流れることが可能になる。ピストン103にハウジング102に向かう力が加わると、高圧室111内に存在する流体が供給源106に向かって流れ、正平面バネ310を平坦な平面閉位置に向かって押す。
【0053】
図15~16は、第6の実施形態に係るリテーナ及び正平面バネを示す。この実施形態のリテーナは、追加の予圧突起を含む。
【0054】
リテーナ600は、正平面バネ710によって逆止弁ボア102b内に収容される。リテーナ600は、複数の径方向に延びる接続部分604a~604fを介して中心部分603に接続される、ある幅の環状外側リム602を有する。隣接するスポーク604a~604fの間には、複数の開口部605a~605fがある。
【0055】
より具体的には、径方向に延びる接続部分604aと径方向に延びる接続部分604bとの間には、開口部605aがある。径方向に延びる接続部分604bと径方向に延びる接続部分604cとの間には、開口部605bがある。径方向に延びる接続部分604cと径方向に延びる接続部分604dとの間には、開口部605cがある。径方向に延びる接続部分604dと径方向に延びる接続部分604eとの間には、開口部605dがある。径方向に延びる接続部分604eと径方向に延びる接続部分604fとの間には、開口部604eがある。径方向に延びる接続部分604fと径方向に延びる接続部分604aとの間には、開口部605fがある。
【0056】
中心部分603は、複数の径方向に延びる接続部分604a~604f、外側リム602、及び中心部分603によって画定される空間607内で横方向に延びる突起606を含む。
【0057】
リテーナ600は、正平面バネ710を収容する。正平面バネ710は、外側リム721を平坦な中心部分722に接続する単一の直線状のアーム723を有する。外側リム721の内周728と、単一の直線状のアーム723の外面724と、中心部分722の外周722aとの間には、単一の半円形空間766が存在する。直線状のアーム723は、中心部分722の直径d1よりも小さい幅w1を有することに注意する。アーム723と外側リム721との間には接続点723aが存在し、アーム723と中心部分722との間には第2の接続点723bが存在する。
【0058】
中心部分722、外側リム721、及び直線状のアーム723はそれぞれ、第1の表面729a、730a、731aと、第1の表面729a、730a、731aの反対側の第2の表面729b、730b、731bを有する。第2の表面729b、730b、731bは、ピストン103の高圧室に隣接し、より近くにある。
【0059】
外側リム721の第1の表面730aは、リテーナ600の外側リム602の表面602aに隣接し、接触することに注意する。
【0060】
正平面バネ710は、平坦な閉位置と変形した開位置との間で移動可能である。
図15に示す平坦な閉位置では、中心部分722がピストン103を収容するボア102aへの入口孔に当接して封止する。高圧室111内の圧力が正平面バネ710のバネ力より小さいとき、正平面バネ710は変形した開位置に移動し、流体がオイル入口供給源106から単一の半円形空間766、及び入口孔を通って高圧室111内に流れることを可能にする。
【0061】
正平面バネ710が変形した開位置にあるとき、中心部分722は、中心部分722の第2の表面729bが外側リム721の第1の表面730aから距離を置くように、外側リム721から外側に付勢される。該距離は、直線状のアーム163の第2の表面731bと外側リム721の第1の表面730aとの間の距離よりも大きい。この位置では、正平面バネ710の中心部分722は、中心部分722がリテーナ600の突起606に当接するまで、横方向外側に遠ざかるか、又は外側リム721から遠ざかることができ、それにより、リテーナ600は、変形位置における正平面バネ710の移動を制限する。
【0062】
正平面バネ710が平坦な平面閉位置から変形したマルチレベル開位置に移動すると、流体が単一の半円形空間766を通って高圧室111に流入することが可能になる。ピストン103にハウジング102に向かう力が加わると、高圧室111内に存在する流体が供給源106に向かって流れ、正平面バネ710を平坦な平面閉位置に向かって押す。
【0063】
図17は、リテーナ600とともに使用する代替の正平面バネを示す。
【0064】
正平面バネ800は、外側リム821を平坦な中心部分822に接続する単一の直線状のアーム823を有する。外側リム821の内周828と、単一の直線状のアーム823の外面824と、中心部分822の外周822aとの間には、単一の半円形空間826が存在する。なお、直線状のアーム823の幅w2は、中心部分822の直径d2と等しい。
【0065】
中心部分822、外側リム821、及び直線状のアーム823はそれぞれ、第1の表面829a、830a、831aと、第1の表面829a、830a、831aの反対側の第2の表面829b、830b、831bを有する。第2の表面829b、830b、831bは、ピストン103の高圧室に隣接し、より近くにある。
【0066】
外側リム821の第1の表面830aは、リテーナ600の外側リム602の表面602aに隣接し、接触することに注意する。
【0067】
正平面バネ800は、平坦な閉位置と変形した開位置との間で移動可能である。
図17に示す平坦な閉位置では、中心部分822がピストン103を収容するボア102aへの入口孔に当接して封止する。高圧室111内の圧力が正平面バネ800のバネ力より小さいとき、正平面バネ800は変形した開位置に移動し、流体がオイル入口供給源106から単一の半円形空間826、及び入口孔を通って高圧室111内に流れることを可能にする。
【0068】
正平面バネ800が変形した開位置にあるとき、中心部分822は、中心部分822の第2の表面829bが外側リム821の第1の表面830aから距離を置くように、外側リム821から外側に付勢される。該距離は、直線状のアーム863の第2の表面831bと外側リム821の第1の表面830aとの間の距離よりも大きい。この位置では、正平面バネ800の中心部分822は、中心部分822がリテーナ600の突起606に当接するまで、横方向外側に遠ざかるか、又は外側リム821から遠ざかることができ、それにより、リテーナ600は、変形位置における正平面バネ800の移動を制限する。
【0069】
正平面バネ800が平坦な平面閉位置から変形したマルチレベル開位置に移動すると、流体が単一の半円形空間826を通って高圧室111に流入することが可能になる。ピストン103にハウジング102に向かう力が加わると、高圧室111内に存在する流体が供給源106に向かって流れ、正平面バネ800を平坦な平面閉位置に向かって押す。
【0070】
正平面バネの各実施形態におけるすべての空間のサイズは、流量を増加又は減少させるために、より大きく又はより小さくするために変更できることに注意する。
【0071】
図示されていないが、目標の通気流量を達成するために、単一サイズ又は様々なサイズの単一又は複数の通気孔を上記実施形態の正平面バネの中心部分に設けられる。
【0072】
本願の実施形態の正平面バネは使用中に回転する可能性があるが、この回転はテンショナ内の正平面バネの機能を妨げないことに注意する。
【0073】
したがって、本明細書に記載された本発明の実施形態は、本発明の原理の適用例にすぎないことが理解されるべきである。本明細書において示された実施形態の詳細への参照は特許請求の範囲の範囲を限定することを意図するものではなく、それら自体が本発明に不可欠であるとみなされる特徴を列挙している。