(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035181
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/27 20200101AFI20240306BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20240306BHJP
【FI】
G06F30/27
G06F30/10
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139415
(22)【出願日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】17/823,274
(32)【優先日】2022-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514180812
【氏名又は名称】ダッソー システムズ アメリカス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジョセフ ドイル
(72)【発明者】
【氏名】アビジット チャトパディヤイ
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA10
5B146AA21
5B146DC03
5B146DJ11
(57)【要約】
【課題】エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】方法は、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのモデルを自動的に構築する。構築は、設計パラメータ空間に基づき、かつ機械学習プロセスを採用する。方法は、設計パラメータ空間、設計評価空間、および構築された少なくとも1つのモデルを使用して、エネルギー貯蔵装置のシミュレーションを自動的に実行する。実行ことは、少なくとも1つの予測を生成する。方法は、設計パラメータ空間および設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させる。少なくとも1つの予測が、製品設計目的またはモデル設計目的が達成されたことを表す場合、方法は、進化した設計パラメータ空間上で自動的に収束し、それによって、エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインを完了し、そうでなければ、構築、実行、および進化を繰り返す。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのコンピュータ実装方法であって、
エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのモデルを自動的に構築することであって、前記構築することが、設計パラメータ空間に基づき、かつ機械学習プロセスを採用する、ことと、
前記エネルギー貯蔵装置のシミュレーションを自動的に実行することであって、前記シミュレーションが、前記設計パラメータ空間、設計評価空間、および構築された前記少なくとも1つのモデルを採用し、前記実行することが、少なくとも1つの製品設計目的、または少なくとも1つのモデル設計目的を達成して構築された前記少なくとも1つのモデルを達成する、前記エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの予測を生成することを含む、ことと、
(i)前記設計パラメータ空間および(ii)前記設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させることであって、前記進化させることが、生成された前記少なくとも1つの予測に基づき、かつ前記機械学習プロセスを採用する、ことと、
前記少なくとも1つの予測が、前記少なくとも1つの製品設計目的が達成された、または前記少なくとも1つのモデル設計目的が達成されたことを表す場合に、進化した前記設計パラメータ空間上で自動的に収束し、それによって前記エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインを完了し、ならびに、そうでなければ、前記構築すること、実行すること、および進化させることを繰り返すことと、を含むコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記設計パラメータ空間および設計評価空間が、前記エネルギー貯蔵装置および構築された前記少なくとも1つのモデルのうちの少なくとも1つと関連付けられ、前記設計パラメータ空間が変数を含み、前記変数が、材料変数、システム変数、またはそれらの組み合わせを含み、かつ前記変数が、前記エネルギー貯蔵装置の化学空間、前記エネルギー貯蔵装置の調合空間、前記エネルギー貯蔵装置の材料空間、前記エネルギー貯蔵装置の構成空間、前記エネルギー貯蔵装置のプロセス空間、またはそれらの組み合わせと関連付けられる、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記設計評価空間が、前記エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの試験を含み、かつ前記シミュレーションを実行することが、構築された前記少なくとも1つのモデルを使用して前記少なくとも1つの試験をシミュレートすることを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの製品設計目的が、前記エネルギー貯蔵装置と関連付けられた少なくとも1つのユーザ指定の基準、前記エネルギー貯蔵装置と関連付けられた少なくとも1つの機械で生成された基準、またはそれらの組み合わせを含み、前記少なくとも1つの製品設計目的が、標的製品プロファイル(TPP)を含み、前記少なくとも1つのモデル設計目的が、シミュレートされた測定と現実世界の測定との間の差異と関連付けられた少なくとも1つの誤差閾値、前記設計パラメータ空間に対する標的サイズ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記進化させることが、(a)前記設計パラメータ空間を切り取ること、(b)前記設計評価空間を切り取ること、(c)前記設計パラメータ空間を拡張すること、(d)前記設計評価空間を拡張すること、または(e)(a)~(d)の組み合わせを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記進化させることが、前記設計パラメータ空間内の多様性を維持することを含み、かつ前記維持することが、クラスタリング法、パレート法、またはそれらの組み合わせを採用することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記構築すること、進化させること、またはそれらの組み合わせにおいて、少なくとも1つのモニターされたパラメータを採用することであって、前記少なくとも1つのモニターされたパラメータが、前記構築すること、進化させること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つの反復において採用され、前記少なくとも1つのモニターされたパラメータが、前記エネルギー貯蔵装置を採用する少なくとも1つの現実世界の実験を介して生成された少なくとも1つの現実世界の結果を表現し、前記現実世界の結果が、前記少なくとも1つの現実世界の実験において、進化した前記設計パラメータ空間を採用することに基づいて実施される、採用すること、
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記機械学習プロセスにおいて、敵対的生成ネットワーク(GAN)、深層ニューラルネットワーク(DNN)、ベイジアン最適化(BAO)、遺伝関数近似方法、またはそれらの組み合わせを採用することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記設計パラメータ空間が、前記エネルギー貯蔵装置の実験に関連付けられた、意味的に構造化された現実世界の証拠(RWE)データを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
生成された前記少なくとも1つの予測、構築された前記少なくとも1つのモデルの少なくとも1つの入力、および構築された前記少なくとも1つのモデルからの少なくとも1つの出力と関連付けられた、構築された前記少なくとも1つのモデルを、データベース内に自動的に格納することをさらに含み、前記シミュレーションを実行することが、前記少なくとも1つの入力を、構築された前記少なくとも1つのモデルへと入力すること、および前記少なくとも1つの入力に応答して、構築された前記少なくとも1つのモデルから前記少なくとも1つの出力を生成することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵装置が電池であり、かつ進化した前記設計パラメータ空間上で収束することが、前記エネルギー貯蔵装置の前記少なくとも1つの製品設計目的を達成することを可能にする化合物、成分、添加剤、調合、レシピ、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのコンピュータベースのシステムであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサであって、
設計パラメータ空間に基づいて、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのモデルを自動的に構築することであって、前記構築することが、機械学習プロセスを採用する、ことと、
前記エネルギー貯蔵装置のシミュレーションを自動的に実行することであって、前記シミュレーションが、前記設計パラメータ空間、設計評価空間、および構築された前記少なくとも1つのモデルを採用し、前記実行することが、少なくとも1つの製品設計目的、または少なくとも1つのモデル設計目的を達成して構築された前記少なくとも1つのモデルを達成する、前記エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの予測を生成することを含む、ことと、
(i)前記設計パラメータ空間および(ii)前記設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させることであって、前記進化させることが、生成された前記少なくとも1つの予測に基づき、かつ前記機械学習プロセスを採用する、ことと、
前記少なくとも1つの予測が、前記少なくとも1つの製品設計目的が達成された、または前記少なくとも1つのモデル設計目的が達成されたことを表す場合に、進化した前記設計パラメータ空間上で自動的に収束し、それによって前記エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインを完了し、ならびに、そうでなければ、前記構築すること、実行すること、および進化させることを繰り返すことと、を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備えるコンピュータベースのシステム。
【請求項13】
前記設計パラメータ空間および設計評価空間が、前記エネルギー貯蔵装置および構築された前記少なくとも1つのモデルのうちの少なくとも1つと関連付けられ、
前記設計パラメータ空間が、変数を含み、
前記変数が、材料変数、システム変数、またはそれらの組み合わせを含み、
前記変数が、前記エネルギー貯蔵装置の化学空間、前記エネルギー貯蔵装置の調合空間、前記エネルギー貯蔵装置の材料空間、前記エネルギー貯蔵装置の構成空間、前記エネルギー貯蔵装置のプロセス空間、またはそれらの組み合わせと関連付けられ、
前記設計評価空間が、前記エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの試験を含み、前記シミュレーションを実行するために前記少なくとも1つのプロセッサが、構築された前記少なくとも1つのモデルを使用して前記少なくとも1つの試験をシミュレートするようにさらに構成され、
前記少なくとも1つの製品設計目的が、前記エネルギー貯蔵装置に関連付けられた少なくとも1つのユーザ指定の基準、前記エネルギー貯蔵装置に関連付けられた少なくとも1つの機械で生成された基準、またはそれらの組み合わせを含み、
前記少なくとも1つの製品設計目的が、標的製品プロファイル(TPP)を含み、かつ
前記少なくとも1つのモデル設計目的が、シミュレートされた測定と現実世界の測定との間の差異、前記設計パラメータ空間に対する標的サイズ、またはそれらの組み合わせに関連付けられた少なくとも1つの誤差閾値を含む、
請求項12に記載のコンピュータベースのシステム。
【請求項14】
前記設計パラメータ空間および前記設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させるために、前記少なくとも1つのプロセッサが、
(a)前記設計パラメータ空間を切り取り、(b)前記設計評価空間を切り取り、(c)前記設計パラメータ空間を拡張し、(d)前記設計評価空間を拡張し、または(e)(a)~(d)の組み合わせをすることと、
クラスタリング法、パレート法、またはそれらの組み合わせを採用することによって、前記設計パラメータ空間内の多様性を維持することと、を行うようにさらに構成される、請求項12に記載のコンピュータベースのシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記構築すること、進化させること、またはそれらの組み合わせにおいて、少なくとも1つのモニターされたパラメータを採用することであって、前記少なくとも1つのモニターされたパラメータが、前記構築すること、進化させること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つの反復において採用され、前記少なくとも1つのモニターされたパラメータが、前記エネルギー貯蔵装置を採用する少なくとも1つの現実世界の実験を介して生成された少なくとも1つの現実世界の結果を表現し、前記現実世界の結果が、前記少なくとも1つの現実世界の実験において、進化した前記設計パラメータ空間の使用を介して実施される、ことを行うようにさらに構成される、請求項12に記載のコンピュータベースのシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記機械学習プロセスを実装するように、および、前記機械学習プロセスにおいて敵対的生成ネットワーク(GAN)、深層ニューラルネットワーク(DNN)、ベイジアン最適化(BAO)、遺伝関数近似方法、またはそれらの組み合わせを採用するように、さらに構成される、請求項12に記載のコンピュータベースのシステム。
【請求項17】
前記設計パラメータ空間が、前記エネルギー貯蔵装置の実験に関連付けられた、意味的に構造化された現実世界の証拠(RWE)データを含む、請求項12に記載のコンピュータベースのシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサが、生成された前記少なくとも1つの予測、構築された前記少なくとも1つのモデルの少なくとも1つの入力、および構築された前記少なくとも1つのモデルからの少なくとも1つの出力と関連付けられた、構築された前記少なくとも1つのモデルを、前記少なくとも1つのメモリ内に自動的に格納するようにさらに構成され、前記シミュレーションを実行するために前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの入力を、構築された前記少なくとも1つのモデルへと入力するようにさらに構成され、かつ構築された前記少なくとも1つのモデルが、前記少なくとも1つの入力に応答して、前記少なくとも1つの出力を生成するように構成される、請求項12に記載のコンピュータベースのシステム。
【請求項19】
前記エネルギー貯蔵装置が電池であり、かつ進化した前記設計パラメータ空間上で収束するために前記少なくとも1つのプロセッサが、前記エネルギー貯蔵装置の前記少なくとも1つの製品設計目的を達成することを可能にする化合物、成分、添加剤、調合、レシピ、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを特定するようにさらに構成される、請求項12に記載のコンピュータベースのシステム。
【請求項20】
エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのための非一時的コンピュータ可読媒体であって、少なくとも1つのプロセッサによってロードおよび実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、
設計パラメータ空間に基づいて、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのモデルを自動的に構築することであって、前記構築することが、機械学習プロセスを採用する、ことと、
前記エネルギー貯蔵装置のシミュレーションを自動的に実行することであって、前記シミュレーションが、前記設計パラメータ空間、設計評価空間、および構築された前記少なくとも1つのモデルを採用し、前記実行することが、少なくとも1つの製品設計目的、または少なくとも1つのモデル設計目的を達成して構築された前記少なくとも1つのモデルを達成する、前記エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの予測を生成することを含む、ことと、
(i)前記設計パラメータ空間および(ii)前記設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させることであって、前記進化させることが、生成された前記少なくとも1つの予測に基づき、かつ前記機械学習プロセスを採用する、ことと、
前記少なくとも1つの予測が、前記少なくとも1つの製品設計目的が達成された、または前記少なくとも1つのモデル設計目的が達成されたことを表す場合に、進化した前記設計パラメータ空間上で自動的に収束し、それによって前記エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインを完了し、ならびに、そうでなければ、前記構築すること、実行すること、および進化させることを繰り返すことと、を行わせる命令のシーケンスがその上にコード化された、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ジェネレーティブデザインは、三次元(3D)コンピュータ支援設計(CAD)モデルまたは別のタイプのコンピュータベースのモデルなどのモデルが、コンピュータソフトウェアによって作り出され、かつ最適化され得る技術を指す。設計者/エンジニア/科学者は、典型的に、技術と相互作用して優れた設計を作り出し、より迅速に製品イノベーションを駆動することができる。ジェネレーティブデザインは、自身の設計上の課題に対する設計者の既知の有効なソリューションの世界を拡張する、設計探索プロセスと考えることができる。
【0002】
例えば、設計者は、非限定的な例として、材料、サイズ、重量、強度、製造方法などのパラメータを提供してもよく、ジェネレーティブデザインソフトウェアは、ソリューションの可能な組み合わせを探索する場合があり、数百または数千もの設計オプションを迅速に生成する場合がある。そこから、設計者、またはソフトウェアは、設計プロセスの目標を最良に満たす結果をフィルタリングし、かつ選択することができる。ジェネレーティブデザインを用いると、設計者は、自身の想像力または過去の経験に制限されない。
【0003】
ジェネレーティブデザインツールへの入力は、数多くの最適化ツールへの入力と類似である場合があるが、ジェネレーティブデザインは、1つの最適化されたソリューションのバージョンの代わりに、数多くの有効な(例えば、高性能だがコスト効率の高い)設計またはソリューションを生成する。完全に新しいソリューションを作り出すことに加えて、ジェネレーティブデザインが際立っている別の領域は、製造可能性を考慮に入れ得ることである。ジェネレーティブデザインを用いると、シミュレーションは、設計プロセスに組み込まれてもよく、ジェネレーティブデザインソフトウェアは、非限定的な例として、指定された製造方法(複数可)を用いて、または指定された製造方法(複数可)のパラメータおよび/または要件に従って製作することができる設計のみを生成することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の様々な実施形態は、概してエネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインに関する。例示の実施形態は、非限定的な例として、化合物、成分、添加剤、調合、およびレシピを、エネルギー貯蔵装置で使用するためのジェネレーティブデザインを介して設計/特定することを可能にする。例示の実施形態は、こうした化合物、成分、添加剤、調合、およびレシピの設計/特定が、単独でまたは組み合わせで、非限定的な例として、電池などのエネルギー貯蔵装置の性能に影響を与えることを可能にする。性能は、非限定的な例として、容量、温度公差、最大充電および放電速度またはプロファイル、サイクル寿命、製造の容易さ、品質、安全性、寿命の終わりにおける再処理または転用、ならびに電池の形状、構成、または形式などの属性に基づいてもよい。
【0005】
電池に関連して、その電池に適用されるジェネレーティブデザインを介して対処される場合があるいくつかの課題がある。電池製造は、複雑で、反復的な、多要素プロセスである。例えば、電池製造は、電極の生産を含む場合がある。電極の生産は、非限定的な例として、アノード、カソード、活性材料、電解質、結合剤、およびセパレータの生産を含む場合がある。電池製造は、セルの生産を含む場合があり、ここでは、「電池」の機能を果たす単一のユニットが生産される。電池製造は、モジュールアセンブリを含む場合があり、ここでは、金属ケースに封入された複数のセルが、電子管理システムと接続される場合がある。電池製造は、パックアセンブリを実行することをさらに含む場合があり、ここでは複数のモジュール、センサ、およびコントローラの接続が、ケース内に据え付けられる場合がある。
【0006】
非限定的な例として、電池のジェネレーティブデザインは、非限定的な例として、充電の状態、電池の化学および技術、効率、安全性、エイジング、温度拡散、耐久性、ならびに持続可能性およびリサイクルを考慮に入れる場合がある。このようにして、ジェネレーティブデザインは、電池のユーザが、充電するのに不十分な時間について心配するのを止めることを可能にするように最適化されてもよく、ジェネレーティブデザインは、電池のために最も性能が高く、かつ最も安全な化学を見出す場合がある。ジェネレーティブデザインは、機能性を増すための十分な電力を生成することによって電池が効率的になるようにさせる場合があり、事故を防止するために電池の安全性を評価する場合がある。ジェネレーティブデザインは、容量損失を防止するために電池の耐久性を評価してもよく、電池の性能に対する温度拡散の効果を評価してもよい。ジェネレーティブデザインは、耐久性を評価し「グリーン」電池の設計を可能にする場合がある。
【0007】
非限定的な例として、および電池に関連して、ジェネレーティブデザインは、電解質のための添加剤、電極のためのコーティング、副産物スカベンジャー、および分解阻害剤などの化学成分の特定を実行する場合がある。ジェネレーティブデザインは、混合物設計(量)および仕様設計(グレード、純度、および不純物)などの調合の特定を実行する場合がある。ジェネレーティブデザインは、サイズおよびフォームファクター、電極構成および構造、ならびにタブ位置およびサイズなどの電池の幾何学的形状を決定する場合がある。ジェネレーティブデザインは、プロセスシーケンス、プロセス動作パラメータ、製造設備の選択および識別子、ならびにコーティングステージおよび動作など、電池のためのプロセス設計を決定する場合がある。ジェネレーティブデザインは、製造ラインの最後、ライン上、設置の際、使用/エイジングの際、およびリサイクルの際の、電池に対する試験および品質結果をさらに提供してもよい。
【0008】
ジェネレーティブデザインは、有利なことに、高度なデータサイエンス、機械学習、ケモインフォマティクス-マテインフォマティクス、および構造ベースのモデリングを組み合わせて、化学空間、構成空間、およびプロセス空間を探索および最適化する場合がある。例示の実施形態は、仮想生成、試験、および新規成分の選択、その調合中の量などを自動化してもよく、プロセスレベルのパラメータを組み込んでもよい。ジェネレーティブデザインの目標は、物理試験の量およびコストを低減することだけでなく、非限定的な例として、システム変数間でトレード研究を実行することであってもよい。
【0009】
例示の実施形態によれば、エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのコンピュータ実装方法は、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのモデルを自動的に構築することを含む。構築することは、設計パラメータ空間に基づいてもよく、機械学習プロセスを採用してもよい。コンピュータ実装方法は、エネルギー貯蔵装置のシミュレーションを自動的に実行することをさらに含む。シミュレーションは、設計パラメータ空間、設計評価空間、および構築された少なくとも1つのモデルを採用してもよい。実行することは、少なくとも1つの製品設計目的、または少なくとも1つのモデル設計目的を達成して構築された少なくとも1つのモデルを達成する、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの予測を生成することを含んでもよい。
【0010】
コンピュータ実装方法は、(i)設計パラメータ空間および(ii)設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させることをさらに含む。進化させることは、生成された少なくとも1つの予測に基づいてもよく、機械学習プロセスを採用してもよい。少なくとも1つの予測が、少なくとも1つの製品設計目的が達成された、または少なくとも1つのモデル設計目的が達成されたことを表す場合、コンピュータ実装方法は、進化した設計パラメータ空間上で自動的に収束し、それによってエネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインを完了し、ならびに、そうでなければ、構築すること、実行すること、および進化させることを繰り返すことをさらに含む。
【0011】
設計パラメータ空間および設計評価空間は、エネルギー貯蔵装置および構築された少なくとも1つのモデルのうちの少なくとも1つと関連付けられてもよい。設計パラメータ空間は、変数を含んでもよい。変数は、材料変数、システム変数、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。変数は、エネルギー貯蔵装置の化学空間、エネルギー貯蔵装置の調合空間、エネルギー貯蔵装置の材料空間、エネルギー貯蔵装置の構成空間、エネルギー貯蔵装置のプロセス空間、またはそれらの組み合わせと関連付けられてもよい。
【0012】
設計評価空間は、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの試験、例えば、現実世界の試験を含んでもよく、シミュレーションを実行することは、構築された少なくとも1つのモデルを使用して少なくとも1つの試験をシミュレートすることを含んでもよい。こうした現実世界の試験の非限定的な実施例は、異なる充電速度で、数多くの充電サイクルにわたる充電状態を繰り返し測定することによって、エネルギー貯蔵装置のセル不良の開始を特定する場合がある。各設計空間について、こうした測定は、モデルの検証、そして生産前の結果の予測に使用することができる。これは、より良好なプロセスおよび材料の仕様を、ならびにエネルギー装置のセル構成要素の設計、物理的構成、またはレシピに対する修正も、決定することを可能にする。
【0013】
少なくとも1つの製品設計目的は、エネルギー貯蔵装置に関連付けられた少なくとも1つのユーザ指定の基準、エネルギー貯蔵装置に関連付けられた少なくとも1つの機械で生成された基準、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。少なくとも1つの製品設計目的は、標的製品プロファイル(TPP)を含んでもよい。少なくとも1つのモデル設計目的は、シミュレートされた測定と現実世界の測定との間の差異、設計パラメータ空間に対する標的サイズ、またはそれらの組み合わせに関連付けられた少なくとも1つの誤差閾値を含んでもよい。
【0014】
進化させることは、(a)設計パラメータ空間を切り取ること、(b)設計評価空間を切り取ること、(c)設計パラメータ空間を拡張すること、(d)設計評価空間を拡張すること、または(e)(a)~(d)の組み合わせを含んでもよい。
【0015】
進化させることは、設計パラメータ空間内の多様性を維持することを含んでもよい。維持することは、クラスタリング法、パレート法、またはそれらの組み合わせを採用することを含んでもよい。
【0016】
コンピュータ実装方法は、構築すること、進化させること、またはそれらの組み合わせにおいて、少なくとも1つのモニターされたパラメータを採用することをさらに含んでもよい。少なくとも1つのモニターされたパラメータは、構築すること、進化させること、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つの反復に採用されてもよい。少なくとも1つのモニターされたパラメータは、エネルギー貯蔵装置を採用する少なくとも1つの現実世界の実験を介して生成される、少なくとも1つの現実世界の結果を表現してもよい。現実世界の結果は、少なくとも1つの現実世界の実験において、進化した設計パラメータ空間の採用に基づいて実施されてもよい。
【0017】
コンピュータ実装方法は、機械学習プロセスにおいて、敵対的生成ネットワーク(GAN)、深層ニューラルネットワーク(DNN)、ベイジアン最適化(BAO)、遺伝関数近似方法、またはそれらの組み合わせを採用することをさらに含んでもよい。
【0018】
設計パラメータ空間は、エネルギー貯蔵装置の実験に関連付けられた、意味的に構造化された現実世界の証拠(RWE)データを含んでもよい。
【0019】
コンピュータ実装方法は、生成された少なくとも1つの予測、構築された少なくとも1つのモデルの少なくとも1つの入力、および構築された少なくとも1つのモデルからの少なくとも1つの出力と関連付けられた、構築された少なくとも1つのモデルをデータベース内に自動的に格納することをさらに含んでもよい。シミュレーションを実行することは、少なくとも1つの入力を、構築された少なくとも1つのモデルに入力すること、および少なくとも1つの入力に応答して、構築された少なくとも1つのモデルから少なくとも1つの出力を生成することを含んでもよい。
【0020】
エネルギー貯蔵装置は、電池であってもよい。進化した設計パラメータ空間上で収束することは、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの製品設計目的を達成することを可能にする、化合物、成分、添加剤、調合、レシピ、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを特定することを含んでもよい。
【0021】
別の例示の実施形態によれば、エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのコンピュータベースのシステムは、少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備えてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、設計パラメータ空間に基づいて、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのモデルを自動的に構築することを行うように構成されてもよい。構築することは、機械学習プロセスを採用してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、エネルギー貯蔵装置のシミュレーションを自動的に実行することを行うようにさらに構成されてもよい。シミュレーションは、設計パラメータ空間、設計評価空間、および構築された少なくとも1つのモデルを採用してもよい。実行することは、少なくとも1つの製品設計目的、または少なくとも1つのモデル設計目的を達成して構築された少なくとも1つのモデルを達成する、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの予測を生成することを含んでもよい。
【0022】
少なくとも1つのプロセッサは、(i)設計パラメータ空間および(ii)設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させることを行うようにさらに構成されてもよい。進化させることは、生成された少なくとも1つの予測に基づいてもよく、機械学習プロセスを採用してもよい。少なくとも1つの予測が、少なくとも1つの製品設計目的が達成された、または少なくとも1つのモデル設計目的が達成されたことを表す場合、少なくとも1つのプロセッサは、進化した設計パラメータ空間上で自動的に収束し、それによってエネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインを完了し、ならびに、そうでなければ、構築すること、実行すること、および進化させることを繰り返すように、さらに構成されてもよい。
【0023】
代替的なコンピュータベースのシステムの実施形態は、例示の方法の実施形態に関連して上記に記述されたものと類似している。
【0024】
さらに別の例示の実施形態によれば、エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのための非一時的コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つのプロセッサによってロードされ、かつ実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサに、設計パラメータ空間に基づいて、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのモデルを自動的に構築させる命令のシーケンスを、その上にコード化してもよい。構築することは、機械学習プロセスを採用してもよい。
【0025】
命令のシーケンスはさらに、少なくとも1つのプロセッサに、エネルギー貯蔵装置のシミュレーションを自動的に実行させてもよい。シミュレーションは、設計パラメータ空間、設計評価空間、および構築された少なくとも1つのモデルを採用してもよい。実行することは、少なくとも1つの製品設計目的、または少なくとも1つのモデル設計目的を達成して構築された少なくとも1つのモデルを達成する、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの予測を生成することを含んでもよい。命令のシーケンスはさらに、少なくとも1つのプロセッサに、(i)設計パラメータ空間および(ii)設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させさせてもよい。
【0026】
進化させることは、生成された少なくとも1つの予測に基づいてもよく、機械学習プロセスを採用してもよい。少なくとも1つの予測が、少なくとも1つの製品設計目的が達成された、または少なくとも1つのモデル設計目的が達成されたことを表す場合、命令のシーケンスは、さらに、少なくとも1つのプロセッサに、進化した設計パラメータ空間上で自動的に収束し、それによってエネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインを完了させてもよく、ならびに、そうでなければ、少なくとも1つのプロセッサに、構築すること、実行すること、および進化させることを繰り返させてもよい。
【0027】
代替的な非一時的コンピュータ可読媒体の実施形態は、例示の方法の実施形態に関連して上記に記述されたものと類似している。
【0028】
当然のことながら、本明細書に開示される例示の実施形態は、方法、装置、システム、またはその上に具体化されたプログラムコードを備えた非一時的コンピュータ可読媒体の、任意の組み合わせで、およびそれらの形態で、実施することができる。
【0029】
前述のものは、添付の図面に例示されるように、例示の実施形態の以下のより具体的な記述から明らかであり、ここで同様の参照記号は、異なる図面全体を通して同じ部分を参照する。図面は必ずしも原寸に比例しておらず、その代わりに実施形態を例証することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】
図1Aは、材料科学者がエネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためにコンピュータベースのシステムを使用している、コンピューティング環境の例示の実施形態のブロック図である。
【
図1B】
図1Bは、ジェネレーティブプロセスの例示の実施形態のブロック図である。
【
図1C】
図1Cは、自動分子設計環境の例示の実施形態のブロック図である。
【
図1D】
図1Dは、コンピュータ実装されたジェネレーティブ方法の例示の実施形態のフロー図である。
【
図2】
図2は、エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのコンピュータベースのシステムの例示の実施形態のブロック図である。
【
図3】
図3は、設計パラメータ空間の例示の実施形態のブロック図である。
【
図4】
図4は、エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのコンピュータ実装方法の例示の実施形態のフロー図である。
【
図5】
図5は、本開示の様々な実施形態が実装されてもよいコンピュータの内部構造の実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
例示の実施形態の記述を、以下に示す。
【0032】
本明細書に開示される例示の実施形態は、非限定的な例として、エネルギー貯蔵装置で使用するための化合物、成分、添加剤、調合、およびレシピを設計するための、ならびに、非限定的な例として、電池などのこうしたエネルギー貯蔵装置のモデルを設計するための、ジェネレーティブシステムおよびその方法に関してもよい。例示の実施形態は、一般的に、非限定的な例として、電池などの複雑な材料ベースのシステムの材料モデリングおよびシミュレーションに関してもよい。本明細書に開示される例示の実施形態は、化学、材料、ナノ、およびドメイン微細構造が、製品の性能および挙動を予測および理解するために使用されてもよい、他の領域に適用可能であってもよい。本明細書に開示される例示の実施形態は、非限定的な例として、燃料電池および化学プロセス効果などの一般的な化学反応性のシステムにも適用されてもよい。
【0033】
ジェネレーティブ材料設計(GMD)は、本質的に、モデルベースの変数空間の探索の自動化である。変数は、化学(例えば、構造、異性体、毒性、置換、および配列)、材料(例えば、相、多形、挿入、間隔)、調合(例えば、量、純度、グレード)、およびプロセス(例えば、ステップ、作用、配列、条件、パラメータ)として考えられてもよい。変数は、設計段階で指定されてもよく、システムは見本の構築を自動化してもよい。次いで、こうした構築は、モデルベースのアプローチ、および進化的アプローチを介して特定された次のステップを使用して評価されてもよい。
【0034】
本明細書に開示される例示の実施形態は、非限定的な例として、材料および/またはシステム変数から、特性空間における最適条件を決定する、効率的で自動化された方法を提供する。本明細書に開示されるコンピュータベースのシステムの例示の実施形態は、非限定的な例として、現実世界の実験の結果から「学習」することによって、システムが電池などのエネルギー貯蔵装置のための特性空間を探索し得る、仮想サイクルを使用してもよい。
【0035】
本明細書に開示されるコンピュータベースのシステムの例示の実施形態は、非限定的な例として、機械学習モデルと構造ベースのモデリングおよびシミュレーション方法との組み合わせを使用して、候補化合物を仮想的にスクリーニングおよび最適化してもよい。多目的最適化方法を採用して、競合する目的のバランスを取り、製品設計者が設計または標的製品プロファイル(TPP)に向かって改善する化合物を生成することを可能にしてもよい。
【0036】
「実際」のサイクル段階では、こうした製品設計者は、実験室設定において最も有望な仮想化合物を合成し、試験してもよい。こうした試験を介して生成される新しいデータは、予測モデルを改善し、かつ非限定的な例として、化学空間の探索を改良するために、コンピュータベースのシステムに入力されてもよい。現実世界の実験のこうした実行は、モデルを改善し、かつ最適化を実行するために使用される新しいデータを生成するために有用である場合がある。例示の実施形態によれば、こうした仮想(V)および現実(R)、すなわち、V+R、アクティブラーニングサイクルは、製品設計者が、非限定的な例として、TPPを満たす化合物を特定するまで継続してもよい。
【0037】
本明細書に開示される例示の実施形態は、非限定的な例として、電池の現実的なコンピュータモデルを得るために、反復的かつ確率論的なプロセスを用いる敵対的な深層ニューラルコンピューティングアプローチを使用する、コンピュータによる方法を含んでもよい。非限定的な例として、コンピュータベースのシステムまたはコンピュータ実装方法の例示の実施形態は、科学およびモデリングの以下の4つの領域をリンクしてもよい。
1. 定量的構造活性相関モデリング(QSAR)-品質、化学、および材料システムに関する経験的データのQSARモデリングは、確立され、かつ検証された機械学習方法を使用して実行することができる。これらは、提案された化学および混合物に対する性能/活性の高度に予測的かつ拡張可能な推定をもたらす。
2. TPP-化学システムが新製品のイノベーション段階からパイロットスケールおよび製造段階へと進むために必要とされるすべての属性のバランスを取ることに対する早期の注目は、すべてのステージ(例えば、安全性、製造可能性、新規性など)でマルチパラメータの最適化を採用する場合がある。
3. アクティブラーニング(AL)-この機械学習の特別な事例は、現実世界と仮想アクティビティを密接に結合し、学習方法がユーザ(または別の情報源)に問い合わせて、新しいデータポイントに望ましい出力でラベルを付けることを可能にする。GMDでは、これは、機械学習モデルの適用可能性のドメインを拡大する、混合物およびレシピを意図的に合成することを意味する。
4. ジェネレーティブ化学-非限定的な例として、電池電極のコーティングまたは電解質の開発に大きい影響を与える可能性のあるすべての化学物質の列挙は、合理的な資源では不可能であるが、化学者は、特性ベースの多次元適応度関数によって誘導された開始化学または調合配列の反復的な変更を通して、化学空間の大きい領域を探索することができる。
【0038】
本明細書に開示されるGMDは、次いで、進化的方法を使用して、非限定的な例として、電池などの材料ベースのシステムを、最大の望ましさだけでなく、最大合成可能性/プロセス可能性まで駆動してもよい。こうしたプロセスは、非限定的な例として、複数のサイクルにわたって数百万個のオプションを生成してもよく、これは、例示の実施形態によれば、ソリューションセット用の小さい最適なオプションのセットを最終的に得るために、ユーザ定義された基準に対して自動的に切り取ることができる。例示の実施形態によれば、クラスタリング法またはパレート法を採用して多様性を維持し、ソリューションのセットが、互いからのわずかなバリエーションのみを有する材料の、ほぼ同一のグループではないことを確実にしてもよい。最適化、すなわち「仮想実験」またはシミュレーションが完了した後、材料科学者は、非限定的な例として、結果として得られた構造の一部を合成し、かつ試験するかどうかを決定するために、チャート(複数可)内の収束を見ることができる。別の方法として、材料科学者は、最適化パラメータを調整し、別の実行、すなわち、別の仮想実験/シミュレーションを実行することができる。こうした材料科学者によって使用されてもよいコンピュータベースのシステムの例示の実施形態は、
図1Aおよび
図2に関して下記にさらに開示される。
【0039】
コンピュータベースのシステムの例示の実施形態は、非限定的な例として、材料科学者などのユーザが有利なことに以下のことを行うことを可能にする場合がある。
・望ましさプロファイルを使用して、各最適化の目的を構成する。
・機械学習モデルを既知の化合物に適用することによって決定される確率に基づいて、各望ましさプロファイルをグラフィカルに調整する。
・最も重要な目的(例えば、活性)の「重み」を上げて、最適化中にこうした目的を確実に達成するのを助ける。
・非限定的な例として、化合物の即時の改善または化学空間の探索をモデルの改善のために使用するべきかどうか、製品の生産性能および品質指標を改善するために化合物改善機能を適用するべきかどうか、ならびに、より良好、かつより正確またはより堅牢なモデル開発を可能にするために一連の低スケールモデルを採用するべきかどうかなど、最適化の全体的な目標を指定する。
【0040】
本明細書に開示されるコンピュータベースのシステムまたはコンピュータ実装方法の例示の実施形態は、非限定的な例として、2つのレベルで、第1に、閉ループアプローチで、特徴生成で使用される形態を富ませるために、第2に、高いレベルの後続のモデルで、特定された、モデルの形態のエネルギー貯蔵装置の抽象化を使用してもよい。本明細書に開示される例示の実施形態は、ユーザ入力無しでまたは最小限のユーザ入力で自動的に使用されてもよく、これは、試験または生産システムから新しいデータが蓄積される際に、設計パラメータ空間および自律型のモデル開発の迅速な探索を可能にし、複数のモデルの可用性に起因して改善されたユーザ体験をもたらす。このアプローチの利点は、化合物の合成可能性を組み入れることである。列挙はまた、非限定的な例として、反応ベースの(R)グループ位置および結合断片のセットを有するコア分子を有するマーカッシュ構造に基づくこともできる。こうしたアプローチは、下記に開示される
図1Aのコンピュータベースのシステム104などの、コンピュータベースのシステムで採用されてもよい。
【0041】
図1Aは、材料科学者102がエネルギー貯蔵装置106のジェネレーティブデザインのためのコンピュータベースのシステム104を使用している、コンピューティング環境100の例示の実施形態のブロック図である。材料科学者は、新しい製品を開発する、または既存のものを強化するために、様々な材料の構造および化学特性を研究する人である。当然のことながら、コンピュータベースのシステム104は、材料科学者によって使用されることに限定されない。さらに、
図1Aの例示の実施形態では、非限定的な例として、エネルギー貯蔵装置106は、電池である。
図1Aの例示の実施形態は、エネルギー貯蔵装置106を電池として、より具体的には、リチウムイオン電池として、記述する場合があるが、当然のことながら、本明細書に開示される例示の実施形態は、電池またはリチウムイオン電池に限定されない。
【0042】
図1Aの例示の実施形態では、材料科学者102は、コンピュータベースのシステム104によって提供される2つのユーザインターフェース、すなわち、第1のユーザインターフェース(UI)103および第2のUI105と相互作用している。1つのコンピュータオペレーティングシステムでは、ユーザインターフェース103、105は、いわゆるウィンドウとして実装される。グローバルネットワーク(インターネット)サーバーベースのコンピュータシステムでは、ユーザインターフェース103、105は、異なるタブ、画面ビュー、またはこれに類するものとして実装されてもよい。第1のUI103および第2のUI105は、ユーザ相互作用のためにコンピュータベースのシステム104のディスプレイ画面107上に提示される。当然のことながら、コンピュータベースのシステム104は、2つのユーザインターフェース(UI)を提供することに限定されない。
【0043】
例示の実施形態では、エネルギー貯蔵装置106は、リチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は、何年も長持ちすることができるが、時として電池の寿命を著しく制限する急速な非線形的な劣化を示す。
図1Aの例示の実施形態では、第1のUI103は、リチウムイオン電池の「ゼリーロール」のスライスの寿命の開始時における第1のシミュレートされた表現109を含み、第2のUI105は、ゼリーロールのスライスのサイクル寿命シミュレーション後の第2のシミュレートされた表現111を含む。スライスの第2のシミュレートされた表現111では、ゼリーロールがゼリーロールのコア115(すなわち、中心)に向かって内向きに変形したように、変形113が形成されている。こうした変形113は、サイクル寿命シミュレーション中のゼリーロールの内部圧力のシミュレートされた増加に帰する場合がある。材料科学者102は、こうしたリチウムイオン電池のGMDを実行するためにコンピュータベースのシステム104を採用して、非限定的な例として、こうした変形113を回避する設計を生成してもよい。
【0044】
例示の実施形態によれば、コンピュータベースのシステム104は、非限定的な例として、以下のように構成され得る。
・化学空間を探索する、
・反応ベース/Rグループベースの列挙を含む、
・ユニバーサル、会社、およびプロジェクト固有の基準に基づいて、望ましくないサブ構造に対して仮想化合物をフィルタリングする、
・材料機能領域に対してカスタマイズされた電池成分プロファイルに基づいて、設計の選好を組み込む、ならびに
・合成可能性の考慮に基づいて優先順位を付ける。
【0045】
GMDは、仮想化合物を生成するための様々な方法を提供する。進化的方法は、マッチした分子対(MMP)、環アセンブリの置換、分子足場、分子バリエーション(分割、トリミング、伸長、再配置、クロスオーバー)、および分子変異(原子および結合タイプの変化、原子の付加および欠失、開環および閉環)を含む、様々な分子変換を使用して、各入力分子のための分子を生成する場合がある。標的構造にまたはある特定の足場を含有するものに類似する化合物を生成するために、ジェネレーティブ方法をバイアスするオプションがある。
【0046】
リード化合物の検索に関連する課題のうちの1つは、複数の設計基準を最適化するときに行うためのトレードオフを理解することである。GMDは、材料科学者、化学者などが、TPPに基づく個々の望ましさプロファイルに基づいて全体的な望ましさ関数を最大化することによって、改善されたリード化合物を設計することを可能にする。TPPにおける各目的に対して、材料科学者102はプロファイルを使用して、プロジェクトの目標を達成するために「十分良好」とはどの程度「良好」かを指定してもよい。GMDは、モデル予測分布および経験的確率値(例えば、モデルスコアがある特定の値を超える場合、化合物が活性になる確率)を表示するために、例えば、ディスプレイ画面107を介して、このプロセスにおいて支援するために使用されてもよい。別の方法として、GMDは、TPPに基づいて合理的なデフォルト望ましさプロファイルを提供するために、使用されてもよい。
【0047】
ポジティブおよびネガティブの両方のデータへの即座のアクセスは、材料科学者102などの科学者が、予測モデルを強化し、着想から開発へと化合物の系統を追跡することを可能にする。この「デジタル継続性」は、ディスカバリー組織内で生成された知的財産(IP)の追跡のために有用である。これを可能にするジェネレーティブプロセスの例示の実施形態は、
図1Bに関して、下記に記述される。
【0048】
図1Bは、ジェネレーティブプロセス150の例示の実施形態のブロック図である。ジェネレーティブプロセス150は、データ入力段階152、着想段階154、プロトタイプ段階156、試験段階158、および評価段階160を含んでもよい。ジェネレーティブプロセス150は、反復的設計162(評価段階160に基づいて着想段階154に戻る)を実行してもよく、これは最終的に、評価段階160の結果に基づいて製品設計164につながる。ジェネレーティブプロセス150は、
図1Cに関して下記に開示される環境170などの自動分子設計環境の一部として採用されてもよい。
【0049】
図1Cは、自動分子設計環境170の例示の実施形態のブロック図である。自動分子設計環境170は、データ172、ツール174、およびクライアント176を含む。非限定的な例として、データ172は、アッセイ172-1、候補172-2、入力172-3、および/または履歴172-4を含んでもよい。ツール174は、データアクセス174-1、データ準備および探索174-2、機械学習方法174-3、および/または送達、統合、および展開174-5を含んでもよい。
【0050】
機械学習方法174-3は、非限定的な例として、性能およびスケーラビリティ方法175-1、自動化方法175-2、アクティブラーニング方法175-3、および/またはマルチパラメータ最適化方法175-4を含んでもよい。クライアント176は、非限定的な例として、最適化ワークベンチ176-1、プロジェクト管理176-2、モデル管理176-3、コラボレーションおよび分析176-4、ならびに/またはビジュアルプログラミング環境176-5を含んでもよい。こうした自動分子設計環境170は、上記に開示され、かつ下記にさらに詳細に開示される、
図1Aのコンピューティング環境100内に含まれてもよい。化学および材料設計アプローチは、電池電解質中のアンチエイジング添加剤の設計を含んでもよい。数多くの競合する設計要件を考慮すると、大きい化学空間を人間が理解可能なセットまでスクリーニングし、その後、性能目標またはモデル開発目標のいずれかに対してそのセットに優先順位を付ける能力は、人工知能によって達成することができる。加えて、競合要件は、こうしたモデルを使用して評価されて、競合ニーズ間のバランスを達成することができる。
【0051】
図1Aおよび
図1Cを参照すると、自動分子設計環境170は、例示の実施形態によるコンピュータベースのシステム104の構成要素を表す。
図1Cに示すように、こうした構成要素は、データ源および現実世界の証拠、すなわち、データ172の、アッセイ172-1、候補172-2、入力172-3、および履歴172-4を含む。構成要素は、これらの様々なデータ源172に対してアクセス、変換、具象化、および分析に使用される、ツール174をさらに含む。構成要素は、クライアント技術または単純にクライアント176と呼ばれる、消費するシステムをさらに含む。クライアント176は、ツール174、その派生物、それについてのモデル、およびネイティブデータ172と相互作用することができる。こうしたフレームワーク、すなわち、自動分子設計環境170は、その構成部分の単なる総和をはるかに超えるものである。環境170は、データ172、ツール174、およびクライアント176によって特定されるマルチユーザ/マルチロール環境内に、実体のライフサイクルだけでなく状態およびメッセージフレームワークも黙示的に含有する。
【0052】
戻って
図1Aおよび
図1Bを参照すると、ジェネレーティブプロセス150は、コンピュータベースのシステム104によって実施されてもよく、例えば
図1Dに関して下記に開示される、ジェネレーティブ方法を実施してもよい。
【0053】
図1Dは、コンピュータ実装されたジェネレーティブ方法(180)の例示の実施形態のフロー図である。ジェネレーティブ方法(180)は、開始し(182)、(1)データを収集し、かつ意味的に整列させ、(2)非限定的な例として、製品設計164が、非限定的な例として、電池に対するものである場合の、開放セル電圧、可燃性、容量、最大サイクル寿命、放電および/または充電の際の最大充電電流(Cレート)などの、興味がある特性のモデルを構築し、(3)モデルを予測器として使用して、変数のセットにわたって設計空間実験設計を実行し、(4)データベースへと格納し、(5)ユーザまたは定義された機械基準上でフィルタリングし、(6)最良の候補を選択し、かつこうした選択を確認し、ならびに、(7)こうした選択(6)が少なくとも1つの基準を満たさない場合、(2)から反復してもよく、または収束(例えば、選択が、前記少なくとも1つの基準を満たす)に伴い、方法が、その後、例示の実施形態において終了する(184)。少なくとも1つの基準は、非限定的な例として、例えば下記で
図4に関してさらに開示される、少なくとも1つの製品設計目的または少なくとも1つのモデル設計目的と関連付けられてもよい。一実施形態では、少なくとも1つの基準は、ユーザによって設定されてもよく、または要件に基づいて自動的に設定されてもよい。
【0054】
引き続き
図1Dを参照すると、(1)におけるデータのこうしたアライメント、(2)における現実世界の証拠に基づくモデル構築、および(3)における特性/性能の目標またはモデル構築の改善のいずれかのための設計空間の最適化は、評価段階160におけるより良好な仮想評価につながる。上記の(4)において取られた格納アクションは、着想段階154において、新しいアイデアへの反復、および設計空間の管理可能な試験および評価のセットへの制限を、あおる、または可能にする、格納を提供する。プロトタイプ段階156および試験段階158は、コンピュータベースのシステム104によって実行される評価段階160へと入力される結果を提供する、現実世界で実行されるアクションであってもよく、着想段階154へと戻ることによって、コンピュータベースのシステム104に反復的設計162を実行させる。上記で開示したアクション(1)~(7)に関するさらなる詳細は、下記に提供される。こうしたアクションは、ジェネレーティブアクションと呼ばれてもよく、コンピュータベースのシステム104、および下記にさらに開示される
図2のコンピュータベースのシステム204によって実行されてもよい。
【0055】
ジェネレーティブ方法
【0056】
(1)データを収集し、意味的に整列させる
【0057】
電池などの装置のためのデータは、数多くの異なるレベルから来てもよい。非限定的な例として、データは、サブセル化学レベル(例えば、原子構造、量子電子特性)および材料レベル(例えば、純度、グレード、構造、および/または相だけでなく、熱力学的状態および動的もしくは反応性の挙動、化学分解経路、ならびに/または他の情報)から来てもよい。データは、電極中の粒子サイズ、粒子分布、構造、または層状配列、および材料の分布構造、ならびに電極(すなわち、セパレータ、アノード、および/またはカソード)上の多孔性、屈曲性、および浸透性などの、メソスコピック情報からさらに来てもよい。加えて、電極上の細孔サイズ分布および加工の影響(例えば、カレンダー加工巻き取りおよび圧縮または積み重ね)などの多数の材料の物理的特徴は、セルの性能に直接影響を与える可能性がある。
【0058】
セルレベルでは、情報は、セルの幾何学的形状、例えば、円筒対パウチ対角柱対ブレードからだけでなく、非限定的な例として、それらのサイズ(例えば、円筒では、セルの直径および高さ(例えば、18×65、23×70、または46×80)など、異なる寸法がある)から来てもよい。こうしたセルおよびサブセルの特徴は製造され、それ故に、非限定的な例として、製造の周囲条件、および電極のコーティングに使用されるプロセスまたは設備、カレンダー加工のためのプレスの幾何学的形状、ならびに「ゼリーロール」またはパウチの積み重ね構成の周りに二次的属性がある。電池が組み立てられると、その第1の「形成」ステップにおいて、固体電解質インターフェースを作製するために試験され、その後、異なる充電速度および異なる試験温度で寿命の繰り返しサイクル性能について試験される。
【0059】
こうしたデータの意味的アライメントは、状況(例えば、どの試験がどのセルに関連するか)だけでなく、どのプロセスがそのセルを通過させたか、およびどの材料のバッチからそれらのセルが構築されたかを、特定するためのものである。こうしたアライメントは、原材料、サブセル、セル、および試験レベルで、材料の特徴の接続を提供する。
【0060】
何がバッチ対試料対試験対実験対品質ゲートであるかの、複雑さは、単純な言語的意味論だけでなく、時間および長さのスケール(ナノ秒から数時間、またはサイクル)の相互変換、モデルおよび元データ(マスターデータアライメント)への設計の接続、ならびに要件および検証の遂行の持続性にも依存する。例示の実施形態は、非限定的な例として、化学、材料、試験指数を、論理的要件、機能的要件、物理的要件、および結果を組み込む統一されたデータモデル内の仮想データおよび現実データの両方のアライメントに対して可能にする。
【0061】
上記のアクション(2)において、ジェネレーティブ方法180は、非限定的な例として、開放セル電圧、可燃性、容量、最大サイクル寿命、放電および/または充電の際の最大充電電流(Cレート)などの、興味がある特性のモデルを構築する。ジェネレーティブ方法180は、非限定的な例として、電池の、テレメトリー、寿命、およびエイジング挙動などの、原子/材料および使用中データのハイブリッドから推定するモデルを構築してもよい。ジェネレーティブ方法180は、ボリュームおよびスケールアップ生産における電池の生産品質指標における期待される分散の程度を表すモデルを構築してもよい。
【0062】
試験からのデータがシステムの中へと統合されると、モデルは完全な三次元忠実性を使用して構築することができ、貯蔵装置(例えば、電池)内で高い忠実性で、かつ貯蔵装置のライフサイクルの異なる部分に対して行われるプロセスおよび変化のモニタリングを可能にする。こうしたモデルは、物理的な特性ベースの特徴、幾何学的形状ベースの特徴、プロセスベースの特徴、および試験ベースのデータの構築されたピラミッドであってもよい。さらに、追加的なデータが生成されると、これらのモデルは、バージョン化され、その後、それらの先行するモデルに対してインクリメントされ、それらの値の精度および誤差予測に関して評価されてもよい。
【0063】
上記のアクション(3)において、コンピュータベースのシステム104は、予測器としてモデルを使用し、モデルを物理的な試験のための模倣として用いて変数にわたって設計空間実験設計を実行してもよく、設計空間要件に対する最適なソリューションを特定するために、モンテカルロおよび進化的アプローチを使用してもよい。
【0064】
上記のアクション(4)において、コンピュータベースのシステム104は、データをデータベース(図示せず)へと格納してもよい。非限定的な例として、コンピュータベースのシステム104は、アクティビティの追跡およびトレースの両方のため、ならびに知識および予測の増加した格納を構築するために、モデル、それらのバージョン、それらの入力/出力/パラメータ/構成要素をデータベース内に格納してもよい。シミュレーションは迅速であってもよく、複雑なソリューションのスクリーニングおよび検証を実行してもよいため、設計空間の興味のあるドメイン(例えば、化学、レシピ、およびプロセス)を特定するために、より低い解像度で近似トレードオフを行う能力が有用である。
【0065】
上記のアクション(5)において、コンピュータベースのシステム104は、ユーザまたは定義された機械基準をフィルタリングしてもよい。システム内のモデルの出力をフィルタリングおよびソーティングすることにより、ユーザに対してループ内でパレートベースの最適化の能力が提供され、生成されたデータの、値の追加的な生成およびサブシナリオ分析が可能になる。これは、ハイブリッドまたは敵対的訓練プロセスのベースモデル構築後の段階において有用である。
【0066】
アクション(6)において、コンピュータベースのシステム104は、最良の候補を選択し、かつ設計を確認してもよい。予測の現実世界の証拠が作成され、実験データにリンクされてもよい。モデル予測における偏差は、モデルバージョンにリンクされてもよく、再学習プロセスは、自動的に開始されて、サイクリックな形態でモデルを改善し、最適化してもよい。
【0067】
アクション(7)において、コンピュータベースのシステム104は反復してもよい。このアプローチでは、有用な要素は、統合されたデータ、およびプロセスのサイクル性である。データは、実験(現実)とモデル(仮想)との両方から生成される。コンピュータベースのシステム104がモデルおよびデータをそのフレームワーク内に構築するにつれて、現実と仮想との間のバランスはシフトする。価値は、化学における材料、プロセス、イノベーションの仕様および限界を、継続的な試験を必要とすることなく仮想的にスクリーニングおよび最適化することができ、かつサイクルの終了時に確認し得ることである。下記に開示される
図2は、上記で開示した、コンピュータベースのシステム104として採用されてもよく、かつアクション(1)~(7)を実施するために採用されてもよい、コンピュータベースのシステム204の例示の実施形態のブロック図である。
【0068】
図2は、エネルギー貯蔵装置206のジェネレーティブデザインのためのコンピュータベースのシステム204の例示の実施形態のブロック図である。コンピュータベースのシステム204は、上記で開示された
図1Aの、コンピュータベースのシステム104として採用されてもよい。コンピュータベースのシステム204は、非限定的な例として、少なくとも1つのメモリ208と、
図5に関して下記にさらに開示される、メモリ508に結合された中央処理装置518などの、少なくとも1つのメモリ208に結合された少なくとも1つのプロセッサ218とを備える。
【0069】
引き続き
図2を参照すると、コンピュータベースのシステム204の少なくとも1つのプロセッサ218は、設計パラメータ空間210に基づいて、エネルギー貯蔵装置206の少なくとも1つのモデル212を自動的に構築するように構成される。こうした構築は、機械学習プロセス214を採用してもよい。少なくとも1つのプロセッサ218は、エネルギー貯蔵装置206のシミュレーション216を自動的に実行するようにさらに構成されてもよい。シミュレーション216は、設計パラメータ空間210、設計評価空間220、および構築された少なくとも1つのモデル212を採用してもよい。実行216は、少なくとも1つの製品設計目的(図示せず)、または少なくとも1つのモデル設計目的(図示せず)を達成して構築された少なくとも1つのモデル212を達成する、エネルギー貯蔵装置206の少なくとも1つの予測222を生成することを含んでもよい。
【0070】
上述のように、少なくとも1つのモデル212を構築することは、機械学習プロセス214を採用してもよい。機械学習は、モデルの構築および評価の、いくつかのステージで使用することができる。モデルは、パラメータ空間から特性空間へと効果的にマッピングされ、特徴の生成を含む。特徴は、現実世界の測定を含んでもよく、非限定的な例としてこうした現実世界の実験の集合体、派生物、または変換を含んでもよい。非限定的な例として、毎秒測定されるシグナルは、長期間の傾向モデルのために、数日または数週間にわたって平均化されてもよい。導出または生成された特徴を有する現実世界の証拠の拡張は、モデルを使用して実行することができる。さらに、大きい記述子空間がそのように生成されるとき、興味がある特性に対して実際にマッピングされる重要な変数の選択は、モデルを使用して実施することができる。当然、モデルの評価、すなわち、その構築の評価は、機械方法によって実行することができる。これらの評価の一部は、モデル形態、モデルで使用される関数、適用可能性のモデルドメイン、モデル誤差関数、およびその他の特徴または指標を含んでもよい。なおもさらに、最適条件またはトレードオフ領域に対するモデルの評価は、複数のモデル、コンセンサスモデル、敵対的モデル、またはさらにはシステムモデルのシステムのいずれかを用いて実行することができる。
【0071】
少なくとも1つのプロセッサ218は、(i)設計パラメータ空間210および(ii)設計評価空間220のうちの少なくとも1つを自動的に進化させるようにさらに構成されてもよい。進化は、生成された少なくとも1つの予測222に基づいてもよく、機械学習プロセス214を採用してもよい。少なくとも1つの予測222が、少なくとも1つの製品設計目的(例えば、より長い寿命、より低い重量、より低いコストなど)が達成された、または少なくとも1つのモデル設計目的(例えば、精度、対応範囲など)が達成されたことを表す場合、少なくとも1つのプロセッサ218は、進化した設計パラメータ空間210上で自動的に収束するようにさらに構成されてもよく、それによってエネルギー貯蔵装置206のジェネレーティブデザイン224を完了し、ならびに、そうでなければ、構築すること、実行すること、および進化させることを繰り返す。
【0072】
数多くの現実世界の事例では、モデルの精度および適用可能性に影響を与えるのは、管理可能な一連の軸に対する設計空間の制約、またはモデル内で使用される形態および関数の選択である。非限定的な例として、性能の勾配をモデル化するために、2つの点をリンクする単純な直線を使用することができ、これは次いで、より多くの情報が多項式適合に提示されるように進化することができ、その後、さらにより多くの情報が不連続表面関数へと提示されるようにさらに進化することができる。
【0073】
別の方法として、類似の用語の数が増加する場合があり、例えば、一次モデルy=f(x)は、線形であり、あるレベルのクロス変数相乗効果を用いて、二次モデルy2=f(x)+f(y)+f(x*y)へと進化してもよい。変数の数が4つ以上の変数へと増加すると、x、y、z、wの組み合わせの数は14に増加し、これらの変数のどのセットまたは組み合わせが、既知のデータのために最良か、すなわち、既知のデータに最も良好に適合するかを特定するために、進化プロセス(すなわち、進化)を使用してもよい。進化プロセスでは、変数およびその関数、多項式、または非線形は、コード化されたパターンによって記述されてもよい。パターンは、データに対してランク付けされてもよく、その後、ペアのクロスオーバーをランダムに実行して第2世代を形成してもよい。第2世代は、ランク順序付けされ、第1世代に対して比較されてもよく、最良のセットは、関数進化の次の完全な反復のために前進してもよい。こうした進化の利点は、システムが取り扱うことができる適合関数の範囲および広がりだけでなく、それが明らかにすることができる明らかでない発見の、両方の観点から実現されてもよい。主要な変数およびその組み合わせのこの特定は、設計空間の次元性を低減すること、ならびに仮想および現実の試験に対するその優先順位付けを可能にする。
【0074】
少なくとも1つのモデル212は、非限定的な例として、材料モデル、混合物およびレシピモデル、構成および設計モデル、プロセスおよび生産モデル、使用および寿命の終わりモデル、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0075】
少なくとも1つのプロセッサ218は、機械学習プロセス214を実装し、機械学習プロセス214において、敵対的生成ネットワーク(GAN)、深層ニューラルネットワーク(DNN)、ベイジアン最適化(BAO)、遺伝関数近似方法、またはそれらの組み合わせを採用するようにさらに構成されてもよい。
【0076】
設計評価空間220は、エネルギー貯蔵装置206の少なくとも1つの試験(図示せず)を含んでもよい。シミュレーション216を実行するために、少なくとも1つのプロセッサ218は、構築された少なくとも1つのモデル212を使用して、少なくとも1つの試験をシミュレートするようにさらに構成されてもよい。
【0077】
少なくとも1つの製品設計目的は、エネルギー貯蔵装置206に関連付けられた少なくとも1つのユーザ指定の基準(図示せず)、エネルギー貯蔵装置206に関連付けられた少なくとも1つの機械で生成された基準(図示せず)、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。少なくとも1つの製品設計目的は、TPPをさらに含んでもよい。
【0078】
少なくとも1つのモデル設計目的は、シミュレートされた測定と現実世界の測定との間の差異、設計パラメータ空間210に対する標的サイズ、またはそれらの組み合わせに関連付けられた、少なくとも1つの誤差閾値を含んでもよい。
【0079】
設計パラメータ空間210は、エネルギー貯蔵装置206の実験に関連付けられた、意味的に構造化された現実世界の証拠(RWE)データ(図示せず)を含んでもよい。設計パラメータ空間210および設計評価空間220は、エネルギー貯蔵装置206および構築された少なくとも1つのモデル212のうちの少なくとも1つと関連付けられてもよい。設計パラメータ空間210は、例えば下記の
図3に関して開示される、変数を含んでもよい。
【0080】
図3は、上記で開示された
図2の設計パラメータ空間210として採用されてもよい、設計パラメータ空間310の例示の実施形態のブロック図である。
図3の例示の実施形態では、設計パラメータ空間310は、変数330を含む。
図2および
図3を参照すると、変数330は、非限定的な例として、材料変数(図示せず)、システム変数(図示せず)、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。変数330は、エネルギー貯蔵装置206の化学空間332、エネルギー貯蔵装置206の調合空間334、エネルギー貯蔵装置206の材料空間336、エネルギー貯蔵装置206の構成空間338、エネルギー貯蔵装置206のプロセス空間340、またはそれらの組み合わせと関連付けられてもよい。
【0081】
図2に戻って参照すると、コンピュータベースのシステム204が、設計パラメータ空間210、設計評価空間220、またはそれらの組み合わせを自動的に進化させるために、少なくとも1つのプロセッサ218はさらに、(a)設計パラメータ空間210を切り取る、(b)設計評価空間220を切り取る、(c)設計パラメータ空間210を拡張する、(d)設計評価空間220を拡張する、または(e)(a)~(d)の組み合わせをするように構成されてもよい。少なくとも1つのプロセッサ218は、非限定的な例として、クラスタリング法、パレート法、またはそれらの組み合わせを採用することによって、設計パラメータ空間210内の多様性を維持するようにさらに構成されてもよい。
【0082】
少なくとも1つのプロセッサ218は、構築、進化、またはそれらの組み合わせにおいて、少なくとも1つのモニターされたパラメータ(図示せず)を採用するようにさらに構成されてもよい。少なくとも1つのモニターされたパラメータは、構築、進化、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つの反復に採用されてもよい。少なくとも1つのモニターされたパラメータは、エネルギー貯蔵装置206を採用する少なくとも1つの現実世界の実験を介して生成される、少なくとも1つの現実世界の結果を表現してもよい。現実世界の結果は、少なくとも1つの現実世界の実験において、進化した設計パラメータ空間210の使用を介して実施されてもよい。
【0083】
少なくとも1つのプロセッサ218は、生成された少なくとも1つの予測222と関連付けられた構築された少なくとも1つのモデル212、構築された少なくとも1つのモデル212の少なくとも1つの入力(図示せず)、および構築された少なくとも1つのモデル212からの少なくとも1つの出力(図示せず)を、少なくとも1つのメモリ208内に自動的に格納するようにさらに構成されてもよい。シミュレーション216を実行するために、少なくとも1つのプロセッサ218は、少なくとも1つの入力を、構築された少なくとも1つのモデル212へと入力するようさらに構成されてもよい。構築された少なくとも1つのモデル212は、少なくとも1つの入力に応答して少なくとも1つの出力を生成するように構成されてもよい。
【0084】
非限定的な実施例によれば、エネルギー貯蔵装置206は、例えば
図1Aに関して上記で開示される、電池であってもよい。進化した設計パラメータ空間210上で収束するために、少なくとも1つのプロセッサ218は、エネルギー貯蔵装置206の少なくとも1つの製品設計目的を達成するのを可能にする、化合物、成分、添加剤、調合、レシピ、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを特定するようにさらに構成されてもよい。
図1Aに戻って参照すると、非限定的な例として、少なくとも1つの製品設計目的は、指定された寿命サイクルにわたって、エネルギー貯蔵装置106のゼリーロールの中心115に変形113が形成されないことであってもよい。エネルギー貯蔵装置106のジェネレーティブデザインは、例えば
図4に関して下記に開示される、コンピュータ実装方法を介して実装されてもよい。
【0085】
図4は、エネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインのためのコンピュータ実装方法(400)の例示の実施形態のフロー図である。本方法は、開始し(402)、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのモデルを自動的に構築する(404)。構築(404)は、設計パラメータ空間に基づいてもよく、機械学習プロセスを採用してもよい。コンピュータ実装方法は、エネルギー貯蔵装置のシミュレーションを自動的に実行する(406)。シミュレーションは、設計パラメータ空間、設計評価空間、および構築された少なくとも1つのモデルを採用してもよい。実行(406)は、少なくとも1つの製品設計目的、または少なくとも1つのモデル設計目的を達成して構築された少なくとも1つのモデルを達成する、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの予測を生成することを含んでもよい。コンピュータ実装方法は、(i)設計パラメータ空間および(ii)設計評価空間のうちの少なくとも1つを自動的に進化させる(408)。進化(408)は、生成された少なくとも1つの予測に基づいてもよく、機械学習プロセスを採用してもよい。コンピュータ実装方法は、少なくとも1つの製品設計目的が達成されたか、または少なくとも1つのモデル設計目的が達成されたかを、少なくとも1つの予測が表すかどうかをチェックする(410)。少なくとも1つの予測が、少なくとも1つの製品設計目的が達成された、または少なくとも1つのモデル設計目的が達成されたことを表す場合、コンピュータ実装方法は、進化した設計パラメータ空間上で自動的に収束し(412)、それによってエネルギー貯蔵装置のジェネレーティブデザインを完了し、例示の実施形態においてコンピュータ実装方法は、その後、終了する(414)。そうでなければ、コンピュータ実装方法は、上記で開示した構築(404)、実行(406)、および進化(408)を繰り返す。
【0086】
進化(408)は、(a)設計パラメータ空間を切り取ること、(b)設計評価空間を切り取ること、(c)設計パラメータ空間を拡張すること、(d)設計評価空間を拡張すること、または(e)(a)~(d)の組み合わせを含んでもよい。進化(408)は、設計パラメータ空間内の多様性を維持することを含んでもよい。維持は、クラスタリング法、パレート法、またはそれらの組み合わせを採用することを含んでもよい。
【0087】
コンピュータ実装方法(400)は、構築、進化、またはそれらの組み合わせにおいて、少なくとも1つのモニターされたパラメータを採用することをさらに含んでもよい。少なくとも1つのモニターされたパラメータは、構築(404)、進化(408)、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つの反復に採用されてもよい。少なくとも1つのモニターされたパラメータは、エネルギー貯蔵装置を採用する少なくとも1つの現実世界の実験を介して生成される、少なくとも1つの現実世界の結果を表現してもよい。現実世界の結果は、少なくとも1つの現実世界の実験において、進化した設計パラメータ空間の採用に基づいて実施されてもよい。
【0088】
コンピュータ実装方法(400)は、機械学習プロセスにおいて、GAN、DNN、BAO、遺伝関数近似方法、またはそれらの組み合わせを採用することをさらに含んでもよい。
【0089】
コンピュータ実装方法(400)は、生成された少なくとも1つの予測、構築された少なくとも1つのモデルの少なくとも1つの入力、および構築された少なくとも1つのモデルからの少なくとも1つの出力と関連付けられた、構築された少なくとも1つのモデルをデータベース内に自動的に格納することをさらに含んでもよい。シミュレーションを実行することは、少なくとも1つの入力を、構築された少なくとも1つのモデルに入力すること、および少なくとも1つの入力に応答して、構築された少なくとも1つのモデルから少なくとも1つの出力を生成することを含んでもよい。
【0090】
エネルギー貯蔵装置は、電池であってもよい。進化した設計パラメータ空間上の収束(412)は、エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの製品設計目的を達成することを可能にする、化合物、成分、添加剤、調合、レシピ、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを特定することを含んでもよい。コンピュータ実装方法(400)は、非限定的な例として、例えば下記に開示される、内部構造を有するコンピュータを介して実装されてもよい。
【0091】
図5は、本開示の様々な実施形態が実装されてもよい、コンピュータ500の内部構造の実施例のブロック図である。コンピュータ500は、システムバス502を含み、バスは、コンピュータまたはデジタルプロセッシングシステムの構成要素間のデータ転送に使用される、ハードウェアラインのセットである。システムバス502は本質的に、要素間の情報転送を可能にする、コンピュータシステムの異なる要素(例えば、プロセッサ、ディスクストレージ、メモリ、入力/出力ポート、ネットワークポートなど)を接続する、共有コンジットである。様々な入力および出力装置(例えば、キーボード、マウス、ディスプレイモニター、プリンター、スピーカー、マイクロフォンなど)をコンピュータ500へと接続するために、I/Oデバイスインターフェース504がシステムバス502へと結合される。ネットワークインターフェース506は、コンピュータ500をネットワーク(例えば、グローバルコンピュータネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワークなど)に取り付けられた様々な他の装置へと接続することを可能にする。メモリ508は、本開示の実施形態(例えば、方法150、400)を実施するために使用されてもよい、コンピュータソフトウェア命令510およびデータ512のための揮発性または不揮発性ストレージを提供し、ここで揮発性および不揮発性メモリは、非一時的媒体の実施例である。ディスクストレージ513は、本開示の実施形態(例えば、方法400)を実施するために使用されてもよい、コンピュータソフトウェア命令510およびデータ512のための不揮発性ストレージも提供する。中央処理装置518も、システムバス502に連結され、コンピュータ命令の実行を提供する。
【0092】
本明細書に開示されるさらなる例示の実施形態は、コンピュータプログラム製品を使用して構成されてもよく、例えば、制御は、例示の実施形態を実施するためにソフトウェア内にプログラムされてもよい。さらなる例示の実施形態は、プロセッサによって実行されてもよい命令を含有する非一時的コンピュータ可読媒体を含んでもよく、ロードされ、かつ実行されたときに、プロセッサに本明細書に記述される方法および技法を完了させる。当然のことながら、ブロック図およびフロー図の要素は、例えば上記に開示された
図5の回路の1つ以上の配設を介する、ソフトウェアもしくはハードウェア、またはその均等物、ファームウェア、それらの組み合わせ、または将来決定される他の同様の実施、において実装されてもよい。
【0093】
加えて、本明細書に記述されるブロック図およびフロー図の要素は、ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアにおいて任意の様態で組み合わせられてもよく、または分割されてもよい。ソフトウェア内に実装される場合、ソフトウェアは、本明細書に開示される例示の実施形態をサポートすることができる任意の言語で書かれてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)などの、任意の形態のコンピュータ可読媒体内に格納されてもよい。動作において、汎用または特定用途向けのプロセッサまたはプロセッシングコアは、当技術分野においてよく理解された様態でソフトウェアをロードおよび実行する。さらに当然のことながらブロック図およびフロー図は、より多くのもしくはより少ない要素を含んでもよく、異なるように配置されもしくは向き付けられてもよく、または異なるように表されてもよい。当然のことながら、実装は、本明細書に開示される実施形態の実行を示す、ブロック図、フロー図、および/またはネットワーク図、ならびにブロック図およびフロー図の番号を指示してもよい。
【0094】
例示の実施形態を具体的に示し、かつ記述してきたが、添付の特許請求の範囲に包含される実施形態の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更がそこでなされてもよいことが、当業者には理解されるであろう。