IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルエムエス・カンパニー・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-粘着剤組成物 図1
  • 特開-粘着剤組成物 図2
  • 特開-粘着剤組成物 図3
  • 特開-粘着剤組成物 図4
  • 特開-粘着剤組成物 図5
  • 特開-粘着剤組成物 図6
  • 特開-粘着剤組成物 図7
  • 特開-粘着剤組成物 図8
  • 特開-粘着剤組成物 図9
  • 特開-粘着剤組成物 図10
  • 特開-粘着剤組成物 図11
  • 特開-粘着剤組成物 図12
  • 特開-粘着剤組成物 図13
  • 特開-粘着剤組成物 図14
  • 特開-粘着剤組成物 図15
  • 特開-粘着剤組成物 図16
  • 特開-粘着剤組成物 図17
  • 特開-粘着剤組成物 図18
  • 特開-粘着剤組成物 図19
  • 特開-粘着剤組成物 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035187
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】粘着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 4/02 20060101AFI20240306BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20240306BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20240306BHJP
   H10K 50/805 20230101ALI20240306BHJP
   H10K 50/85 20230101ALI20240306BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240306BHJP
   H10K 50/10 20230101ALN20240306BHJP
   H10K 59/00 20230101ALN20240306BHJP
   H10K 102/10 20230101ALN20240306BHJP
【FI】
C09J4/02
C09J7/38
G02B5/30
H10K50/805
H10K50/85
G09F9/00 313
G09F9/00 302
H10K50/10
H10K59/00
H10K102:10
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139695
(22)【出願日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0110946
(32)【優先日】2022-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509179087
【氏名又は名称】エルエムエス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LMS Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハム,ムン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ホン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,イェ ピル
(72)【発明者】
【氏名】チョ,チャン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ソン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ミン,チ ホン
【テーマコード(参考)】
2H149
3K107
4J004
4J040
5G435
【Fターム(参考)】
2H149BA02
2H149CA02
2H149EA12
2H149EA22
2H149FA66
2H149FD21
2H149FD30
2H149FD43
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC24
3K107DD22
3K107DD27
3K107EE21
3K107FF01
3K107FF05
3K107FF07
3K107FF09
3K107FF14
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA06
4J004DB03
4J004EA06
4J004FA08
4J040FA131
4J040GA05
4J040JB02
4J040JB04
4J040JB07
4J040JB09
4J040KA13
4J040KA24
4J040KA25
4J040KA26
4J040KA31
4J040LA02
4J040LA06
4J040NA17
5G435AA12
5G435AA14
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435HH02
5G435HH18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特定のアクリレート化合物成分を通じて濡れ性、耐光性及び耐熱性に優れており、段差及び異物をカバーでき、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、特に高熱で長時間放置されても耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる粘着剤組成物を提供し、ディスプレイまたは透明電極製品の合紙層の間に位置する異物をカバーできる光学粘着剤を提供する。
【解決手段】鎖状アルキルアクリレート化合物(P)、環状アルキルアクリレート化合物(Q)及びヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)を含み、(P)と(Q)の重量比(P/Q)は、1~30の範囲内であり、(R)と(Q)の重量比(R/Q)は、1.35~15の範囲内である、粘着剤組成物とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鎖状アルキルアクリレート化合物、環状アルキルアクリレート化合物及びヒドロキシ基含有アクリレート化合物を含み、
前記鎖状アルキルアクリレート化合物(P)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(P/Q)は、1~30の範囲内であり、
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)と前記環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(R/Q)は、1.35~15の範囲内である、粘着剤組成物。
【請求項2】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物が、下記構造式1で表される化合物を1つ以上含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【化1】
構造式1において、Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数1~20のアルキル基である。
【請求項3】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が-10℃以下であり、常温表面張力が30mN/m以下であり、
前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、直鎖状アルキルアクリレート化合物及び分岐鎖状アルキルアクリレート化合物を含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記直鎖状アルキルアクリレート化合物(LA)と前記分岐鎖状アルキルアクリレート化合物(BA)の重量比(LA/BA)が0.3~2の範囲内である、請求項3に記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
前記環状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が10℃以上であり、常温表面張力が30mN/m超過である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項6】
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、下記構造式2で表される化合物を1つ以上含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【化2】
構造式2において、Rは水素またはメチル基であり、Lは炭素数1~20のアルキレン基、炭素数2~20のアルケニレン基または炭素数2~20のアルカイニレン基である。
【請求項7】
前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、ガラス転移温度が0℃以下であり、常温表面張力が40mN/m以下である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項8】
環状エーテル基含有アクリレート化合物をさらに含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項9】
環状エーテル基含有アクリレート化合物は、下記構造式3で表される化合物を1つ以上含む、請求項8に記載の粘着剤組成物。
【化3】
構造式3において、Rは、水素またはメチル基であり、L及びLは、それぞれ独立して単結合または炭素数1~20のアルキレン基であり、Lは、単結合または炭素数1~8のアルキレン基である。
【請求項10】
前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、ガラス転移温度が10℃以下であり、常温表面張力が30mN/m超過である、請求項8に記載の粘着剤組成物。
【請求項11】
アクリレート化合物成分を含み、
下記一般式1による第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値が3以下であり、常温粘着力が0.5~5kgf/inchの範囲内である硬化物を形成する粘着剤組成物。
[一般式1]
R1=[(C-C)/C]×100
前記一般式1において、Cは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で500時間放置する前の水滴に対する常温接触角であり、Cは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で500時間放置した後の水滴に対する常温接触角である。
【請求項12】
下記一般式2のゲル分率(G)が85%以上である硬化物を形成する、請求項11に記載の粘着剤組成物。
[一般式2]
G=100×W/W
前記一般式2において、Wは、前記粘着剤組成物の硬化物に対する重量を表し、Wは、常温においてアセトンで24時間沈積させた後の前記粘着剤組成物の硬化物に対する不溶解分の乾燥重量を表す。
【請求項13】
下記一般式3による第1のゲル分率変化率(GR1)の絶対値が2~10の範囲内である硬化物を形成する、請求項11に記載の粘着剤組成物。
[一般式3]
R1=[(G-G)/G]×100
前記一般式3において、Gは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で500時間放置する前のゲル分率であり、Gは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で500時間放置した後のゲル分率である。
【請求項14】
下記一般式4による第2の接触角の変化率(AR2)の絶対値が2以下である硬化物を形成する、請求項11に記載の粘着剤組成物。
[一般式4]
R2=[(C4-C3)/C3]×100
前記一般式4において、Cは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で240時間放置する前の水滴に対する常温接触角であり、Cは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で240時間前記放置した後の水滴に対する常温接触角である。
【請求項15】
下記一般式5による第2のゲル分率変化率(GR2)の絶対値が1.5~10の範囲内である硬化物を形成する、請求項11に記載の粘着剤組成物。
[一般式5]
R2=[(G-G)/G]×100
前記一般式5において、Gは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で240時間放置する前のゲル分率であり、Gは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で240時間放置した後のゲル分率である。
【請求項16】
表面で水滴に対する常温接触角が110°~130°である硬化物を形成する、請求項11に記載の粘着剤組成物。
【請求項17】
前記アクリレート化合物成分は、鎖状アルキルアクリレート化合物、環状アルキルアクリレート化合物及びヒドロキシ基含有アクリレート化合物を含み、
前記鎖状アルキルアクリレート化合物(P)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(P/Q)は、1~30の範囲内であり、前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(R/Q)は、1.35~15の範囲内である、請求項11に記載の粘着剤組成物。
【請求項18】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物(P)と前記ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)の重量比(P/R)が0.1~3の範囲内である、請求項17に記載の粘着剤組成物。
【請求項19】
請求項1または11に記載の粘着剤組成物の硬化物を含む、光学フィルム。
【請求項20】
請求項19に記載の光学フィルムを含む、ディスプレイ。
【請求項21】
透明電極をさらに含む、請求項20に記載のディスプレイ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、粘着剤組成物、前記粘着剤組成物によって形成される光学粘着剤及び前記粘着剤組成物と光学粘着剤の応用に関する。
【背景技術】
【0002】
光学粘着剤(OCA,Optically Clear Adhesive)は、ディスプレイ製品または透明電極を含む製品(以下、透明電極製品)を構成する機能性層の間を接合させるために挿入される粘着剤で、機能を果たすために前記光学粘着剤の粘着力は重要である。特に、前記機能性層は、2つ以上の異なる素材または部品からなっている場合があるが、このような場合にも両方とも粘着力に優れていることが要求される。特許文献1には、部分重合されたアクリル樹脂を用いてガラス基材に対する優れた粘着力を確保した光学粘着剤が知られている。
【0003】
光学粘着剤を含むディスプレイ製品または透明電極製品は、ガラス基材に含まれるか、または工程間で浸透した異物、光学粘着剤または偏光板から発生するガス及び偏光板の熱的収縮など様々な理由により気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象が発生した。特に、このような現象は、高熱環境に長時間放置する場合に顕著であり、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象は、主にディスプレイ製品または透明電極製品の合紙層の間に位置する異物(defect)が核(nucleus)として作用して発生した。
【0004】
過量の架橋剤と熱安定性の高いモノマーを導入して高架橋密度とガラス転移温度を有するように形成された従来の光学粘着剤は、高温、高温/高湿及び熱衝撃評価において優れた安定性を示したが、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象が依然として発生した。
【0005】
したがって、安定性を備えながらも、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を防止でき、特に高熱環境に長時間放置する場合でも、このような特性を有する光学粘着剤が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2016-0105354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、前述した問題点を解決することができる粘着剤組成物と光学粘着剤を提供することを目的とする。
【0008】
また、本開示は、濡れ性、耐光性及び耐熱性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーできる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
また、本開示は、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また、本開示は、高熱で長時間放置されても耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0011】
また、本開示は、ディスプレイ製品または透明電極製品の合紙層の間に位置する異物(defect)をカバーすることができる光学粘着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示で言及する物性の中で測定温度と圧力がその物性に影響を及ぼす場合、特に規定しない限り、当該物性は常温及び大気圧(約1atm)で測定した物性である。また、本開示において物性について具体的に測定方法を示さない場合には、本技術分野で主に使用する方式を用いて測定してもよく、下記本開示の物性測定方式を参照して測定してもよい。
【0013】
本開示で使用される用語の常温とは、加熱または冷却されていない自然のままの温度で、例えば、10℃~30℃の範囲内のいずれかの温度、例えば、約15℃以上、約18℃以上、約20℃以上、約23℃以上、約27℃以下であるか、または25℃の温度を意味することができる。また、本開示で特に規定しない限り、温度の単位は、摂氏(℃)である。
【0014】
本開示で使用される用語の表面張力とは、液状物質の表面を最小化する方向に作用する力であり、白金リング(ring)を使用する表面張力測定装置(surface tension meter)を通じてISO 304基準に従って測定した値であってもよい。また、本開示で使用される用語の常温表面張力は、常温環境で前記方式により測定した値であってもよい。また、ここで常温は具体的に約25℃であってもよい。
【0015】
本開示で使用される用語のa~bは、a及びbを含むaとbの間の範囲内を意味する。例えば、a~b重量部として含むとは、a~b重量部の範囲内で含むという意味と同一である。
【0016】
本開示で使用される用語の相対湿度(relative humidity)は、単位体積の空気が最大で含有することができる飽和水蒸気圧に対して単位体積の現在の空気が含有する水蒸気量の割合を百分率(%)で表したもので、RH%と表記してもよい。本開示で言及する物性の中で相対湿度がその物性に影響を及ぼす場合には特に規定しない限り、当該物性は、常湿環境(約30~70RH%)で測定した物性である。
【0017】
本開示で使用される用語のガラス転移温度は、ISO 1135762によって示差走査熱量測定器(Differential Sacnning Calorimetery;DSC)を用いて測定された値を意味することができる。具体的に、ガラス転移温度を測定する方式は、下記<物性測定方法>を参照してもよく、前記方式を通じて粘着剤組成物はもちろん、その他のモノマーやポリマーを対象としてガラス転移温度を測定してもよい。
【0018】
本開示で使用される用語の厚さ(または高さ)、幅及び長さは特に言及しない限り、平均値を意味し、厚さ(または高さ)、幅及び長さをそれぞれ測定することができる測定器を通じて本技術分野に属する方式によって測定を行ってもよい。
【0019】
本開示で使用される用語の置換は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば特に限定されず、2つ以上置換される場合には、前記置換基が互いに同一でも異なっていてもよい。
【0020】
本開示で使用される用語の置換基(substituent)とは、炭化水素の母体鎖上の1つ以上の水素原子を置換する原子または原子団を意味する。また、置換基は、下記で説明するが、これに限定されるものではなく、前記置換基は、本開示に特に記載がない限り、下記で説明する置換基にさらに置換されるか、またはいかなる置換基にも置換されていなくてもよい。
【0021】
本開示で使用される用語のアルキル基またはアルキレン基は、特に記載のない限り、炭素数1~20、または炭素数1~16、または炭素数1~12、または炭素数1~8、または炭素数1~6の直鎖または分枝鎖のアルキル基またはアルキレン基であってもよく、炭素数3~20、または炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状アルキル基またはアルキレン基であってもよい。ここで、環状アルキル基またはアルキレン基は、環状構造のみを有するアルキル基またはアルキレン基及び環状構造を含むアルキル基またはアルキレン基も含む。例えば、シクロヘキシル基とメチルシクロヘキシル基は、すべて環状アルキル基に該当する。また、例えば、アルキル基またはアルキレン基は、具体的にメチル(レン)、エチル(レン)、n-プロピル(レン)、イソプロピル(レン)、n-ブチル(レン)、イソブチル(レン)、tert-ブチル(レン)、sec-ブチル(レン)、1-メチル-ブチル(レン)、1-エチル-ブチル(レン)、n-ペンチル(レン)、イソペンチル(レン)、ネオペンチル(レン)、tert-ペンチル(レン)、n-ヘキシル(レン)、1-メチルペンチル(レン)、2-メチルペンチル(レン)、4-メチル-2-ペンチル(レン)、3,3-ジメチルブチル(レン)、2-エチルブチル(レン)、n-ヘプチル(レン)、1-メチルヘキシル(レン)、n-オクチル(レン)、tert-オクチル(レン)、1-メチルヘプチル(レン)、2-エチルヘキシル(レン)、2-プロピルペンチル(レン)、n-ノニル(レン)、2,2-ジメチルヘプチル(レン)、1-エチルプロピル(レン)、1,1-ジメチルプロピル(レン)、イソヘキシル(レン)、2-メチルペンチル(レン)、4-メチルヘキシル(レン)、5-メチルヘキシル(レン)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、シクロアルキル基またはシクロアルキレン基は、具体的にシクロプロピル(レン)、シクロブチル(レン)、シクロペンチル(レン)、3-メチルシクロペンチル(レン)、2,3-ジメチルシクロペンチル(レン)、シクロヘキシル(レン)、3-メチルシクロヘキシル(レン)、4-メチルシクロヘキシル(レン)、2,3-ジメチルシクロヘキシル(レン)、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル(レン)、4-tert-ブチルシクロヘキシル(レン)、シクロヘプチル(レン)、シクロオクチル(レン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0022】
本開示で使用される用語のアルケニル基またはアルケニレン基は、特に記載のない限り、炭素数2~20、炭素数2~16、または炭素数2~12、または炭素数2~8、または炭素数2~6の直鎖または分枝鎖の非環状のアルケニル基またはアルケニレン基、炭素数3~20、炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状アルケニル基またはアルケニレン基であってもよい。ここで、環状構造のアルケニル基またはアルケニレン基を含むと、環状アルケニル基またはアルケニレン基に該当する。また、例えば、エテニル(レン)、n-プロフェニル(レン)、イソプロフェニル(レン)、n-ブテニル(レン)、イソブテニル(レン)、tert-ブテニル(レン)、sec-ブテニル(レン)、1-メチル-ブテニル(レン)、1-エチル-ブテニル(レン)、n-ペンテニル(レン)、イソペンテニル(レン)、ネオペンテニル(レン)、tert-ペンテニル(レン)、n-ヘキセニル(レン)、1-メチルペンテニル(レン)、2-メチルペンテニル(レン)、4-メチル-2-ペンテニル(レン)、3,3-ジメチルブテニル(レン)、2-エチルブテニル(レン)、n-ヘプテニル(レン)、1-メチルヘキセニル(レン)、n-オクテニル(レン)、tert-オクテニル(レン)、1-メチルヘプテニル(レン)、2-エチルヘキセニル(レン)、2-プロピルペンテニル(レン)、n-ノニレンニル(レン)、2,2-ジメチルヘプテニル(レン)、1-エチルプロフェニル(レン)、1,1-ジメチルプロフェニル(レン)、イソヘキセニル(レン)、2-メチルペンテニル(レン)、4-メチルヘキセニル(レン)、5-メチルヘキセニル(レン)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、シクロアルケニル基またはシクロアルケニレン基は、具体的にシクロプロフェニル(レン)、シクロブテニル(レン)、シクロペンテニル(レン)、3-メチルシクロペンテニル(レン)、2,3-ジメチルシクロフェンテニル(レン)、シクロヘキセニル(レン)、3-メチルシクロヘキセニル(レン)、4-メチルシクロヘキセニル(レン)、2,3-ジメチルシクロヘキセニル(レン)、3,4,5-トリメチルシクロヘキセニル(レン)、4-tert-ブチルシクロヘキセニル(レン)、シクロヘプテニル(レン)、シクロオクテニル(レン)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本明細書で使用される用語のアルキニル基またはアルキニレン基は、特に記載のない限り、炭素数2~20、炭素数2~16、または炭素数2~12、または炭素数2~8、または炭素数2~6の直鎖または分枝鎖の非環状のアルキニル基またはアルキニレン基であってもよく、炭素数3~20、または炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状のアルキニル基又はアルキニレン基であってもよい。ここで、環状構造のアルキニル基またはアルキニレン基を含むと、環状アルキニル基またはアルキニレン基に該当する。また、例えば、エチニル(レン)、n-プロピニル(レン)、イソプロピニル(レン)、n-ブチニル(レン)、イソブチニル(レン)、tert-ブチニル(レン)、sec-ブチニル(レン)、1-メチル-ブチニル(レン)、1-エチル-ブチニル(レン)、n-ペンチニル(レン)、イソペンチニル(レン)、ネオペンチニル(レン)、tert-ペンチニル(レン)、n-ヘキシニル(レン)、1-メチルペンチニル(レン)、2-メチルペンチニル(レン)、4-メチル-2-ペンチニル(レン)、3,3-ジメチルブチニル(レン)、2-エチルブチニル(レン)、n-ヘプチニル(レン)、1-メチルヘキシニル(レン)、n-オクチニル(レン)、tert-オクチニル(レン)、1-メチルヘプチニル(レン)、2-エチルヘクチニル(レン)、2-プロピルペンチニル(レン)、n-ノニニル(レン)、2,2-ジメチルヘプチニル(レン)、1-エチルプロピニル(レン)、1,1-ジメチルプロピニル(レン)、イソヘキシニル(レン)、2-メチルペンチニル(レン)、4-メチルヘキシニル(レン)、5-メチルヘキシニル(レン)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、シクロアルキニル基またはシクロアルキニレン基は、具体的にシクロプロピニル(レン)、シクロブチニル(レン)、シクロペンチニル(レン)、3-メチルシクロペンチニル(レン)、2,3-ジメチルシクロペンチニル(レン)、シクロヘキシニル(レン)、3-メチルシクロヘキシニル(レン)、4-メチルシクロヘキシニル(レン)、2,3-ジメチルシクロヘキシニル(レン)、3,4,5-トリメチルシクロヘキシニル(レン)、4-tert-ブチルシクロヘキシニル(レン)、シクロヘプチニル(レン)、シクロオクチニル(レン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0024】
前記アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、アルキニレン基は、任意に1つ以上の置換基で置換されていてもよい。この場合、置換基としては、ハロゲン(クロリン(Cl)、ヨーディン(I)、ブロミン(Br)、フルオリン(F))、アリール基、ヘテロアリール基、エポキシ基、アルコキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、カルボニル基及びヒドロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0025】
本開示で使用される用語のアリール基は、芳香族炭化水素環から1つの水素が除去された芳香族環を意味し、前記芳香族炭化水素環は、単環式または多環式環を含んでもよい。前記アリール基は、炭素数を特に限定するものではないが、特に記載のない限り、炭素数6~30、炭素数6~26、または炭素数6~22、または炭素数6~20、または炭素数6~18、または炭素数6~15のアリール基であってもよい。また、本開示で使用される用語のアリーレン基は、アリール基に結合位置が2つあること、すなわち、2価基を意味する。これらはそれぞれ2価基であることを除いては、前述のアリール基の説明が適用されてもよい。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基(xylyl group)、又はナフチル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0026】
本開示で使用される用語のヘテロアリール基は、炭素ではない異種原子を1つ以上含む芳香族環で、具体的に前記異種原子は、窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)及びテレニウム(Te)からなる群から選ばれる原子を1つ以上含んでもよい。このとき、ヘテロアリール基の環状構造を構成する原子を環原子と言える。また、ヘテロアリール基は、単環式または多環式環を含んでもよい。前記ヘテロアリール基は、炭素数を特に限定するものではないが、特に記載のない限り、炭素数2~30、または炭素数2~26、または炭素数2~22、または炭素数2~20、または炭素数2~18、または炭素数2~15のヘテロアリール基であってもよい。他の例では、ヘテロアリール基は環原子数を特に限定するものではないが、環原子数が5~30、5~25、5~20、5~15、5~10または5~8のヘテロアリール基であってもよい。前記ヘテロアリール基は、例えば、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、アクリジル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリニル基、インドール基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、ジベンゾフラン基、ベンゾシロール基、ジベンゾシロール基、フェナントロリニル基(phenanthrolinyl group)、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基、フェノキサジン基及びこれらの縮合構造などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0027】
また、本開示で使用される用語のヘテロアリーレン基は、ヘテロアリール基に結合位置が2つあること、すなわち、2価基を意味する。これらはそれぞれ2価基であることを除いては、前述のヘテロアリール基の説明が適用されてもよい。
【0028】
前記アリール基またはヘテロアリール基は、任意に1つ以上の置換基で置換されていてもよい。この場合、置換基としては、ハロゲン(クロリン(Cl)、ヨーディン(I)、ブロミン(Br)、フルオリン(F))、アリール基、ヘテロアリール基、エポキシ基、アルコキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、カルボニル基及びヒドロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0029】
本開示で使用される用語のアクリレート化合物とは、(メタ)アクリレートを意味し、前記(メタ)アクリレートは、アクリレート(acrylate)及びメタクリレート(metacrylate)を総称する用語で、前記(メタ)アクリレートは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の誘導体及びメタクリル酸の誘導体をすべて総称する用語で、分子の末端に(メタ)アクリレート基((meta)acrylate group)を有する化合物を意味する。
【0030】
本開示の一例による粘着剤組成物は、アクリレート化合物成分を含んでもよい。
【0031】
本開示で使用される用語のアクリレート化合物成分とは、アクリレート化合物を前記アクリレート化合物成分の全重量に対して55重量%以上、60重量%以上、65重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上または99重量%以上で含む成分を意味し、前記アクリレート化合物成分は、1種または2種以上のアクリレート化合物を含んでもよい。
【0032】
本開示で使用される用語の粘着剤組成物は、樹脂成分を含む樹脂組成物であってもよく、硬化反応や重合反応を経て樹脂に転換できる成分はもちろん、一般に樹脂として知られる成分を含む硬化性組成物であってもよい。また、前記粘着剤組成物は、それ自体として接着ないし粘着性能を有していてもよく、硬化反応や重合反応を経て接着ないし粘着性能を有してもよい。
【0033】
また、前記粘着剤組成物は、溶剤型、水系または無溶剤型であってもよい。
【0034】
また、前記粘着剤組成物が硬化性組成物の場合には、活性エネルギー線(例えば、紫外線)硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または常温硬化型であってもよい。硬化性組成物が活性エネルギー線硬化型の場合、前記硬化性組成物の硬化は、紫外線などの活性エネルギー線照射により行われ、湿気硬化型の場合、前記硬化性組成物の硬化は、適切な湿気下で維持する方式により行われ、熱硬化型の場合、前記硬化性組成物の硬化は、適切な熱を印加する方式により行われ、または常温硬化型の場合、前記硬化性組成物の硬化は、常温で硬化性組成物を維持する方式により行われてもよい。
【0035】
本開示の一例による粘着剤組成物は、下記の各物性のいずれか1つまたは2つ以上を満たすか、または前記物性のいずれか1つまたは2つ以上を満たす硬化物を形成することにより、濡れ性、耐光性及び耐熱性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーでき、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、高熱で長時間放置されても耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる。
【0036】
本開示の一例による粘着剤組成物は、下記一般式1による第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値が3以下、2.9以下、2.8以下、2.7以下、2.6以下、2.5以下、2.4以下、2.3以下、2.2以下または2.1以下の硬化物を形成してもよい。下記一般式1による第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値は、その下限が0に近いほど優れた物性であると評価することができ、具体的に下限は、0以上、0.01以上、0.05以上または0.1以上であってもよい。前記粘着剤組成物が前記範囲内の第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値を有する硬化物を形成する場合、高温で長時間放置しても優れた濡れ性を維持し、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる。また、粘着剤組成物に含まれるアクリレート化合物成分の特性に起因し、前記範囲内の第1の接触角の変化率(AR1)を有する硬化物を形成してもよい。
【0037】
本開示の一例による粘着剤組成物は、下記一般式1による第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値が3以下、2.9以下、2.8以下、2.7以下、2.6以下、2.5以下、2.4以下、2.3以下、2.2以下または2.1以下の硬化物を形成してもよい。下記一般式1による第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値は、その下限が0に近いほど優れた物性であると評価することができ、具体的に下限は0以上、0.01以上、0.05以上または0.1以上であってもよい。前記粘着剤組成物が前記範囲内の第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値を有する硬化物を形成する場合、高温で長時間放置しても優れた濡れ性を維持し、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる。また、粘着剤組成物に含まれるアクリレート化合物成分の特性に起因し、前記範囲内の第1の接触角の変化率(AR1)を有する硬化物を形成してもよい。
【0038】
[一般式1]
R1=[(C-C)/C]×100
【0039】
前記一般式1において、Cは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で500時間放置する前の水滴に対する常温接触角であり、Cは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で500時間放置した後の水滴に対する常温接触角である。常温接触角とは、常温で測定した接触角を意味し、前記接触角は、具体的に下記の物性測定方法の接触角測定方法により測定されてもよい。
【0040】
本開示の一例による粘着剤組成物は、下記一般式4による第2の接触角の変化率(AR2)の絶対値が2以下、1.95以下、1.9以下、1.85以下、1.8以下または1.75以下の硬化物を形成してもよい。下記一般式4による第2の接触角の変化率(AR2)の絶対値は、その下限が0に近いほど優れた物性であると評価することができ、具体的に下限は、0以上、0.01以上、0.05以上または0.1以上であってもよい。前記粘着剤組成物が前記範囲内の第2の接触角の変化率(AR2)の絶対値を有する硬化物を形成する場合、高温で長時間放置しても優れた濡れ性を維持し、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる。また、粘着剤組成物に含まれるアクリレート化合物成分の特性に起因し、前記範囲内の第2の接触角の変化率(AR2)を有する硬化物を形成してもよい。
【0041】
[一般式4]
R2=[(C4-C3)/C3]×100
【0042】
前記一般式4において、Cは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で240時間放置する前の水滴に対する常温接触角であり、Cは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で240時間放置した後の水滴に対する常温接触角である。
【0043】
本開示の一例による粘着剤組成物は、前記一般式1による第1の接触角の変化率(AR)の絶対値が前記範囲内を満たすか、及び/又は前記一般式4による第2の接触角の変化率(AR2)の絶対値を前記範囲内で満たしながら、表面で水滴に対する常温接触角が110°以上、110.2°以上、110.4°以上または110.6°以上であるか、130°以下、128°以下、126°以下、124°以下、122°以下、120°以下、118°以下または116°以下であるか、または前記上限及び下限の範囲内の硬化物を形成してもよい。ここで、前記常温接触角は、前記粘着剤組成物の硬化物に対する放置の有無と放置条件に関係なく、表面における水滴に対する常温接触角が前記範囲内を満たすことができる。前記粘着剤組成物は、前記範囲内の常温接触角を有する硬化物を形成することにより、優れた濡れ性を確保して気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる。また、本開示において接触角の測定は、特に言及しない限り、表面における水滴に対する接触角を意味する。
【0044】
本開示の一例による粘着剤組成物は、下記一般式2によるゲル分率(G)が85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上または92%以上の硬化物を形成してもよい。前記粘着剤組成物は、前記範囲内のゲル分率(G)を有する硬化物を形成することにより、適切な弾性を確保して段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。前記ゲル分率(G)は、常温で測定されてもよい。
【0045】
[一般式2]
G=100×W/W
【0046】
前記一般式2において、Wは、前記粘着剤組成物の硬化物に対する重量を表し、Wは、常温においてアセトンで24時間沈積させた後の前記粘着剤組成物の硬化物に対する不溶解分の乾燥重量を表す。前記Wは、具体的に常温でアセトンで24時間沈積させる前に前記粘着剤組成物の硬化物に対する重量を表す。
【0047】
本開示の一例による粘着剤組成物は、下記一般式3による第1のゲル分率変化率(GR1)の絶対値が2以上、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、2.6以上、2.7以上、2.8以上、2.9以上、3以上、3.1以上または3.2以上であるか、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下または5以下であるか、前記上限及び下限の範囲内である硬化物を形成してもよい。下記一般式3による第1のゲル分率変化率(GR1)の絶対値は、その下限が0に近いほど優れた物性であると評価することができ、具体的に下限は、0以上、0.01以上、0.05以上または0.1以上であってもよい。前記粘着剤組成物が前記範囲内の第1のゲル分率変化率(GR1)の絶対値を有する硬化物を形成する場合、高温で長時間放置しても適切な弾性を確保及び維持して段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。また、粘着剤組成物に含まれるアクリレート化合物成分の特性に起因し、前記範囲内の第1のゲル分率変化率(GR1)を有する硬化物を形成してもよい。
【0048】
[一般式3]
R1=[(G-G)/G]×100
【0049】
前記一般式3において、Gは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で500時間放置する前のゲル分率であり、Gは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で500時間放置した後のゲル分率である。ここで、ゲル分率は、前記一般式2によって測定されてもよい。
【0050】
本開示の一例による粘着剤組成物は、下記一般式5による第2のゲル分率変化率(GR2)の絶対値が1.5以上、1.6以上、1.7以上、1.8以上、1.9以上、2以上、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、2.6以上、2.7以上または2.8以上であるか、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下または4.5以下であるか、前記上限及び下限の範囲内の硬化物を形成してもよい。下記一般式5による第2のゲル分率変化率(GR2)の絶対値は、その下限が0に近いほど優れた物性であると評価することができ、具体的に下限は、0以上、0.01以上、0.05以上または0.1以上であってもよい。前記粘着剤組成物が前記範囲内の第2のゲル分率変化率(GR2)の絶対値を有する硬化物を形成する場合、高温で長時間放置しても適切な弾性を確保及び維持して段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。また、粘着剤組成物に含まれるアクリレート化合物成分の特性に起因し、前記範囲内の第2のゲル分率変化率(GR2)を有する硬化物を形成してもよい。
【0051】
[一般式5]
R2=[(G-G)/G]×100
【0052】
前記一般式5において、Gは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で240時間放置する前のゲル分率であり、Gは、前記粘着剤組成物の硬化物を105℃で240時間放置した後のゲル分率である。ここで、ゲル分率は、前記一般式2によって測定されてもよい。
【0053】
本開示の一例による粘着剤組成物は、ガラス転移温度が-20℃以下、-21℃以下、-22℃以下、-23℃以下、-24℃以下、-25℃以下、-26℃以下、-27℃以下、-28℃以下、-29℃以下、-30℃以下、-31℃以下、-32℃以下、-33℃以下、-34℃以下または-35℃以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、-100℃以上、-90℃以上、-80℃以上、-70℃以上、-60℃以上、-50℃以上、-40℃以上であるか、前記上限及び下限の範囲内に含まれてもよい。
【0054】
本開示の一例による粘着剤組成物は、常温粘着力が0.5kgf/inch以上、0.6kgf/inch以上、0.7kgf/inch以上、0.8kgf/inch以上、0.9kgf/inch以上または1kgf/inch以上であるか、5kgf/inch以下、4.5kgf/inch以下、4kgf/inch以下、3.5kgf/inch以下、3kgf/inch以下、2.5kgf/inch以下または2kgf/inch以下であるか、前記上限及び下限の範囲内の硬化物を形成してもよい。本開示で使用される用語の常温粘着力は、常温で測定した粘着力を意味し、具体的には約25℃で測定した粘着力を意味することができる。前記粘着剤組成物の硬化物に対して粘着力と耐熱性/耐光性は、互いにトレードオフ(trade-off)関係にある。すなわち、粘着力を向上させる場合、耐熱性/耐光性が減少するという問題があり、耐熱性/耐光性の特性を確保する場合、粘着力が低下するという問題がある。したがって、適切なレベルの粘着力を確保しながら、耐熱性/耐光性の特性を確保する必要がある。これに対して、前記粘着剤組成物は、常温粘着力が前記範囲内を満たす硬化物を形成することにより、適切なレベルの粘着力を確保しながらも耐熱性/耐光性の特性を有することができる。ここで、粘着剤組成物に含まれるアクリレート化合物成分の特性に起因し、前記範囲内の程度の適切な粘着力と耐熱性/耐光性の特性をすべて確保した硬化物を形成してもよい。前記常温粘着力は、具体的に下記の物性測定方法の常温放置後、粘着力測定方法により測定されてもよい。
【0055】
また、本開示の一例による粘着剤組成物は、硬化後105℃で240時間放置した後、常温で測定した粘着力が0.5kgf/inch以上、0.6kgf/inch以上、0.7kgf/inch以上、0.8kgf/inch以上、0.9kgf/inch以上または1kgf/inch以上であるか、または5kgf/inch以下、4.5kgf/inch以下、4kgf/inch以下、3.5kgf/inch以下、3kgf/inch以下、2.5kgf/inch以下、または2kgf/inch以下であるか、前記上限及び下限の範囲内の硬化物を形成してもよい。また、本開示の一例による粘着剤組成物は、硬化後、105℃で500時間放置した後、常温で測定した粘着力が0.2kgf/inch以上、0.3kgf/inch以上、0.4kgf/inch以上、0.5kgf/inch以上または0.6kgf/inch以上であるか、4kgf/inch以下、3.5kgf/inch以下、3kgf/inch以下、2.5kgf/inch以下または2kgf/inch以下であるか、前記上限及び下限の範囲内の硬化物を形成してもよい。ここで、粘着剤組成物に含まれるアクリレート化合物成分の特性に起因して高温で放置されても、前記範囲内の程度の適切な粘着力と耐熱性/耐光性の特性をすべて確保した硬化物を形成してもよい。前記高温放置後の粘着力は、具体的に下記の物性測定方法の高温放置後の粘着力測定方法により測定されてもよい。
【0056】
本開示の一例による粘着剤組成物は、常温表面張力が40mN/m以下、39mN/m以下、38mN/m以下、37mN/m以下、36mN/m以下または35mN/m以下であるか、または下限は特に制限されるものではないが、10mN/m以上、12mN/m以上、14mN/m以上、16mN/m以上、18mN/m以上、20mN/m以上、22mN/m以上、24mN/m以上または26mN/m以上であるか、前記上限及び下限の範囲内に含まれる硬化物を形成してもよい。本開示で使用される用語の常温表面張力は、常温で測定した表面張力を意味し、具体的には約25℃で測定した表面張力を意味することができる。
【0057】
本開示の一例による粘着剤組成物は、鎖状アルキルアクリレート化合物、環状アルキルアクリレート化合物及びヒドロキシ基含有アクリレート化合物を含んでもよい。すなわち、前記アクリレート化合物成分は、鎖状アルキルアクリレート化合物、環状アルキルアクリレート化合物及びヒドロキシ基含有アクリレート化合物を含んでもよい。前記粘着剤組成物で形成できる硬化物の特徴は、前記粘着剤組成物に含まれる鎖状アルキルアクリレート化合物、環状アルキルアクリレート化合物及びヒドロキシ基含有アクリレート化合物それぞれのガラス転移温度、常温表面張力、含量比率及び/又は種類などを制御することによって達成することができる。
【0058】
本開示で使用される用語の鎖状アルキルアクリレート化合物とは、前記アクリレート化合物のアルキル基が鎖状であることを意味し、前記鎖状は、直鎖状及び/又は分岐鎖状のみからなることを意味する。
【0059】
本開示で使用される用語の環状アルキルアクリレート化合物とは、前記アクリレート化合物のアルキル基が環状であることを意味し、前記環状は環状構造が含まれることを意味する。すなわち、鎖状アルキル基を含んでいても環状構造を有するアルキル基を含む場合、環状アルキルアクリレート化合物と定義することができる。
【0060】
本開示で使用される用語のヒドロキシ基含有アクリレート化合物とは、前記アクリレート化合物の分子構造において末端にヒドロキシ基が含まれていることを意味し、前記末端に位置するヒドロキシ基は、1つ以上、2つ以上または3つ以上であってもよく、特に制限されるものではない。
【0061】
本開示の一例による粘着剤組成物は、鎖状アルキルアクリレート化合物(P)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(P/Q)が1以上、1.25以上、1.5以上、1.75以上、2以上、2.25以上、2.5以上、2.75以上、3以上または3.25以上であるか、30以下、28以下、26以下、24以下、22以下、20以下、18以下、16以下、14以下、12以下、10以下または8以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。前記粘着剤組成物が鎖状アルキルアクリレート化合物(P)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(P/Q)を前記範囲に制御する場合、高熱で長時間放置されても耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。
【0062】
本開示の一例による粘着剤組成物は、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(R/Q)が1.35以上、1.36以上、1.37以上、1.38以上、1.39以上、1.4以上、1.41以上、1.42以上、1.43以上、1.44以上、1.45以上、1.46以上または1.47以上であるか、15以下、14.5以下、14以下、13.5以下、13以下、12.5以下、12以下、11.5以下、11以下、10.5以下、10以下、9.5以下、9以下、8.5以下、8以下、7.5以下、7以下、6.5以下、6以下、5.5以下、5以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、4.5以下、4.4以下、4.3以下、または4.2以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。前記粘着剤組成物は、前述の鎖状アルキルアクリレート化合物(P)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(P/Q)と同時に、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)と環状アルキルアクリレート化合物(Q)の重量比(R/Q)を前記範囲に制御する場合、高熱で長時間放置されても耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。
【0063】
本開示の一例による粘着剤組成物は、前記P/Qの割合とR/Qの割合を満たしながら、鎖状アルキルアクリレート化合物(P)とヒドロキシ基含有アクリレート化合物(R)の重量比(P/R)が0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上、1.6以上、1.7以上、または1.8以上であるか、3以下、2.9以下、2.8以下、2.7以下、2.6以下、2.5以下または2.4以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。前記粘着剤組成物は、前述のP/Q、R/Q及びP/Rを前記範囲ですべて制御する場合、特に高熱で長時間放置されても耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。
【0064】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれる鎖状アルキルアクリレート化合物は、全重量に対して40重量%以上、42重量%以上、44重量%以上、46重量%以上、48重量%以上、50重量%以上または52重量%以上であるか、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下または60重量%以下であるか、前記上限及び下限の範囲内に含まれてもよい。前記粘着剤組成物の鎖状アルキルアクリレート化合物は、前記重量範囲を満たすことにより、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。
【0065】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれる鎖状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以下、29mN/m以下、28mN/m以下、27mN/m以下、26mN/m以下または25mN/m以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、10mN/m以上であってもよい。また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が-10℃以下、-15℃以下、-20℃以下、-25℃以下、-30℃以下、-35℃以下、-40℃以下または-50℃以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、-100℃以上であってもよい。前記粘着剤組成物は、前記範囲内の常温表面張力とガラス転移温度を有する鎖状アルキルアクリレート化合物を使用することにより、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0066】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれる鎖状アルキルアクリレート化合物は、下記構造式1で表される化合物を1つ以上含んでもよい。前記粘着剤組成物は、鎖状アルキルアクリレート化合物が下記構造式1で表される化合物を1つ以上含むことで、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0067】
【化1】
【0068】
構造式1において、Rは、水素またはメチル基であってもよい。
【0069】
また、構造式1において、Rは、炭素数1~20、炭素数1~18、炭素数1~16、炭素数1~14、炭素数1~12または炭素数1~10のアルキル基であってもよい。具体的に前記アルキル基は、直鎖または分岐鎖のアルキル基であってもよい。ここで、前記構造式1で表される化合物が直鎖アルキル基を有する場合は、炭素数1~8、炭素数1~6または炭素数1~4の直鎖アルキル基であってもよい。また、前記構造式1で表される化合物が分岐鎖アルキル基を有する場合には、炭素数2~20、炭素数3~16、炭素数4~12または炭素数6~10の分岐鎖アルキル基であってもよい。前記分岐鎖アルキル基において前記アルキル基の主鎖にある炭素数(CM1)は、分岐鎖にある炭素数(CM2)の割合(CM1/CM2)は、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上または4以上であるか、10以下または9.5以下であってもよい。
【0070】
前記構造式1で表される化合物は、常温表面張力が30mN/m以下、29mN/m以下、28mN/m以下、27mN/m以下、26mN/m以下または25mN/m以下であってもよい。また、前記構造式1で表される化合物は、ガラス転移温度が-10℃以下、-15℃以下、-20℃以下、-25℃以下、-30℃以下、-35℃以下、-40℃以下または-50℃以下であってもよい。前記粘着剤組成物は、前記範囲内の常温表面張力とガラス転移温度を有する構造式1で表される化合物を使用することにより、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0071】
前記構造式1で表される化合物は、イソブチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられ、前述の物性を満足すれば、これに特に制限されるものではない。
【0072】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれる鎖状アルキルアクリレート化合物は、直鎖状アルキルアクリレート化合物(LA)及び分岐鎖状アルキルアクリレート化合物(BA)を含んでもよい。前記粘着剤組成物は、直鎖状及び分岐鎖状アルキルアクリレート化合物を含む鎖状アルキルアクリレート化合物を含むことで、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0073】
前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、直鎖状アルキルアクリレート化合物(LA)及び分岐鎖状アルキルアクリレート化合物(BA)を含む場合、前記直鎖状アルキルアクリレート化合物(LA)を前記鎖状アルキルアクリレート化合物の全重量に対して30重量%以上、31重量%以上、32重量%以上、33重量%以上、34重量%以上、35重量%以上、または36重量%以上であるか、70重量%以下、68重量%以下、66重量%以下、64重量%以下、または62重量%以下であるか、前記上限及び下限の範囲内に含まれてもよい。前記重量範囲を満たすことにより、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。
【0074】
また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、直鎖状アルキルアクリレート化合物(LA)及び分岐鎖状アルキルアクリレート化合物(BA)を含む場合、前記直鎖状アルキルアクリレート化合物(LA)と分岐鎖状アルキルアクリレート化合物化合物(BA)の重量比(LA/BA)を0.3以上、0.35以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、0.55以上または0.6以上であるか、2以下、1.9以下、または1.8以下であるか、前記上限及び下限の範囲内を満たすように含んでもよい。前記重量比(LA/BA)を満たすことにより、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。
【0075】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれる環状アルキルアクリレート化合物は、全重量に対して1重量%以上、2重量%以上、3重量%以上、4重量%以上、5重量%以上、6重量%以上または7重量%以上であるか、25重量%以下、24重量%以下、23重量%以下、22重量%以下または21重量%以下であるか、前記上限及び下限の範囲内に含まれてもよい。前記粘着剤組成物の環状アルキルアクリレート化合物は、前記重量範囲を満たすことにより、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生又は合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、段差(step)及び異物(defect)をカバーすることができる。
【0076】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれる環状アルキルアクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m以上、31mN/m以上、32mN/m以上または33mN/m以上であってもよく、上限は、特に制限されるものではないが、50mN/m以下であってもよい。また、前記環状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が10℃以上、11℃以上、12℃以上、13℃以上、14℃以上または15℃以上であってもよく、上限は特に制限されるものではないが、200℃以下、150℃以下または120℃以下であってもよい。前記粘着剤組成物は、前記範囲内の常温表面張力とガラス転移温度を有する環状アルキルアクリレート化合物を使用することにより、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を効率的にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0077】
前記環状アルキルアクリレート化合物は、環状アルキル基を有し、前記物性を満たすアクリレート化合物であればよく、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどがあるが、その種類が特に制限されるものではない。
【0078】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれるヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が40mN/m以下、39mN/m以下、38mN/m以下、37mN/m以下、36mN/m以下または35mN/m以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、10mN/m以上であってもよい。また、前記鎖状アルキルアクリレート化合物は、ガラス転移温度が0℃以下、-5℃以下、-10℃以下または-15℃以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、-100℃以上であってもよい。前記粘着剤組成物は、前記範囲内の常温表面張力とガラス転移温度を有するヒドロキシ基含有アクリレート化合物を使用することにより、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0079】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれるヒドロキシ基含有アクリレート化合物は、下記構造式2で表される化合物を1つ以上含んでもよい。前記粘着剤組成物は、ヒドロキシ基含有アクリレート化合物が下記構造式2で表される化合物を1つ以上含むことで、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0080】
【化2】
【0081】
構造式2において、Rは、水素またはメチル基であってもよい。
【0082】
また、構造式2において、Lは、炭素数1~20、炭素数1~18、炭素数1~16、炭素数1~14、炭素数1~12、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6または炭素数1~4のアルキレン基、炭素数2~20、炭素数2~18、炭素数2~16、炭素数2~14、炭素数2~12、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数2~6または炭素数2~4のアルケニレン基、または、炭素数2~20、炭素数2~18、炭素数2~16、炭素数2~14、炭素数2~12、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数2~6または炭素数2~4のアルカイニレン基であってもよい。
【0083】
前記構造式2で表される化合物は、常温表面張力が40mN/m以下、39mN/m以下、38mN/m以下、37mN/m以下、36mN/m以下または35mN/m以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、10mN/m以上であってもよい。また、前記構造式2で表される化合物は、ガラス転移温度が0℃以下、-5℃以下、-10℃以下または-15℃以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、-100℃以上であってもよい。前記粘着剤組成物は、前記範囲内の常温表面張力とガラス転移温度を有する構造式2で表される化合物を使用することにより、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0084】
前記構造式2で表される化合物は、2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート及び2-ヒドロキシ-1-メチルエチルアクリレートなどが挙げられ、前述の物性を満足すれば、これに特に制限されるものではない。
【0085】
本開示の一例による粘着剤組成物は、環状エーテル基含有アクリレート化合物をさらに含んでもよい。前記粘着剤組成物は、環状エーテル基含有アクリレート化合物を使用することにより弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0086】
前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、常温表面張力が30mN/m超過、30.5mN/m以上または31mN/m以上であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、10mN/m以上であってもよい。また、前記環状エーテル基含有アクリレート化合物は、ガラス転移温度が10℃以下、5℃以下、0℃以下、-5℃以下または-10℃以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、-100℃以上であってもよい。前記粘着剤組成物は、前記範囲内の常温表面張力とガラス転移温度を有する環状エーテル基含有アクリレート化合物を使用することにより、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0087】
本開示の一例による粘着剤組成物に含まれる環状エーテル基含有アクリレート化合物は、下記構造式3で表される化合物を1つ以上含んでもよい。前記粘着剤組成物は、環状エーテル基含有アクリレート化合物が下記構造式3で表される化合物を1つ以上含むことで、弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0088】
【化3】
【0089】
構造式3において、Rは、水素またはメチル基であってもよい。
【0090】
また、構造式3において、L及びLは、それぞれ独立して単結合または炭素数1~20、炭素数1~18、炭素数1~16、炭素数1~14、炭素数1~12、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6または炭素数1~4のアルキレン基であってもよい。
【0091】
また、構造式3において、Lは、単結合または炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、炭素数1~3のアルキレン基であってもよい。
【0092】
また、構造式3においてL及びLに存在する炭素数の合計は、1~8の範囲内であってもよい。前記炭素数の合計は、7以下、6、以下、5以下、4以下または3以下であるか、1以上、2以上または3以上であってもよい。前記L及びLの炭素数の合計は、Lがアルキレン基であり、Lが単結合の場合には前記Lのアルキレン基の炭素数であり、Lがアルキレン基であり、Lもアルキレン基の場合にLのアルキレン基の炭素数とLのアルキレン基の炭素数の合計である。また、前記アルキレン基に置換基が存在する場合には、その置換基に存在する炭素数は前記合計に含まれない。
【0093】
前記構造式3で表される化合物は、常温表面張力が30mN/m超過、30.5mN/m以上または31mN/m以上であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、10mN/m以上であってもよい。また、前記構造式3で表される化合物は、ガラス転移温度が10℃以下、5℃以下、0℃以下、-5℃以下または-10℃以下であってもよく、下限は特に制限されるものではないが、-100℃以上であってもよい。前記粘着剤組成物は、前記範囲内の常温表面張力とガラス転移温度を有する構造式3で表される化合物を使用することにより、高温でも弾性貯蔵率を維持し、段差(step)及び異物(defect)を優秀にカバーする硬化物を形成してもよい。
【0094】
前記構造式3で表される化合物は、オキシランイル(メタ)アクリレート(oxiranyl(meth)acrylate)、オキセタニル(メタ)アクリレート(oxetanyl(meth)acrylate)、テトラヒドロフランイル(メタ)アクリレート(tetrahydrofuranyl(meth)acrylate)、テトラヒドロ-2H-ピランイル(メタ)アクリレート(tetrahydro-2H-pyranyl(meth)acrylate)、オキシランイルメチル(メタ)アクリレート(oxiranylmethyl(meth)acrylate、またはグリシジル(メタ)アクリレート)、オキセタニルエチル(メタ)アクリレート(oxetanylethyl(meth)acrylate)及びテトラヒドロフランイルメチル(メタ)アクリレート(または、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート)などが挙げられ、前述の物性を満足すれば、これに特に制限されるものではない。
【0095】
本開示の一例による粘着剤組成物は、活性エネルギー線による硬化のために光開始剤をさらに含んでもよい。ここで、光開始剤は、活性エネルギー線の放出スペクトル付近での高い吸収率と前述の化合物との間の相溶性を考慮して選ばれてもよく、前記活性エネルギー線は、粘着剤組成物の速硬化のために紫外線であることが好ましい。
【0096】
光開始剤は、ベンゾフェノン系開始剤及びα-ヒドロキシケトン類開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよく、α-ヒドロキシケトン類開始剤を選択することが好ましい。具体的には、光開始剤は、α-ヒドロキシケトン類開始剤のうち、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン(1-hydroxy-cyclohexylphenyl ketone)、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオペノン(2-hydroxy-4’-(2-hydroxyethoxy)-2-methylpropiophenone)及び1-ヒドロキシ-1-メチルエチルフェニルケトン(1-hydroxy-1-methylethyl phenyl ketone)を少なくとも1つ以上含んでもよく、これに限定されるものではない。
【0097】
また、光開始剤の含量は、粘着剤組成物が適切に硬化できるものであれば、特に制限されるものではないが、粘着剤組成物の全重量に対して0.01重量%以上、0.015重量%以上、0.02重量%以上または0.025重量%以上であってもよく、他の例では、0.05重量%以下、0.04重量%以下または0.03重量%以下であってもよい。
【0098】
光開始剤を含む粘着剤組成物は、活性エネルギー線による硬化が可能であり、前述したように前記活性エネルギー線は、紫外線であってもよい。前記紫外線の光量は、5J/cm以上、6J/cm以上、7J/cm以上、8J/cm以上、9J/cm以上または10J/cm以上であってもよく、他の例では、20J/cm以下、18J/cm以下、16J/cm以下、14J/cm以下または12J/cm以下であってもよい。硬化時間とは、粘着剤組成物が完全に硬化するまでの時間を意味し、粘着剤組成物の厚さ及び前記紫外線の光量などに応じて異なってもよい。
【0099】
本開示の一例による粘着剤組成物は、必要に応じてレベリング剤、粘着付与剤、カップリング剤及び粘度調整剤などをさらに含んでもよい。例えば、粘度を高めるか、または下げるために、または剪断力による粘度調整のために粘度調整剤、例えば、可塑剤、チキソトロピー付与剤、希釈剤または分散剤などをさらに含んでもよい。チキソトロピー付与剤は、粘着剤組成物の剪断力による粘度を調整することができる。使用できるチキソトロピー付与剤としては、ヒュームドシリカ、ベントナイトなどが挙げられる。希釈剤または分散剤は、通常、粘着剤組成物の粘度を下げるために使用されるもので、前記のような作用を示すことができるものであれば、公知の様々な種類のものを制限なく使用してもよい。
【0100】
また、粘着剤組成物は、前記で列挙した各構成要素を混合して形成してもよく、必要な成分をすべて含んでいれば、混合順序については特に制限されるものではない。
【0101】
本開示の一例によるフィルムは、本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物そのものであるか、または前記粘着剤組成物の硬化物を含んでもよい。また、前記フィルムは、下記のような物性のうちの少なくとも1つ以上の物性を有してもよく、光学粘着剤(optically clear adhesive,OCA)として使用されてもよく、光学フィルムと呼ばれることもある。
【0102】
本開示の一例において、フィルムは、ディスプレイ製品または透明電極製品の光学粘着剤として使用されてディスプレイ製品または透明電極製品の合紙層の間に位置する異物(defect)をカバーでき、これによって気泡の形成を防止することができる。
【0103】
下記の各物性は、独立的なもので、いずれかの物性が他の物性を優先せず、フィルムは、下記の物性のうち少なくとも1つまたは2つ以上を満たすことができる。下記の物性を少なくとも1つ以上を満たすフィルムは、粘着剤組成物の各構成要素の組み合わせによって起因する。本開示の一例によるフィルムは、下記の各物性のうちいずれか1つまたは2つ以上を満たすことにより濡れ性、耐光性及び耐熱性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーでき、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、高熱で長時間放置されても耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる。
【0104】
本開示の一例によるフィルムは、下記一般式1による第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値が3以下、2.9以下、2.8以下、2.7以下、2.6以下、2.5以下、2.4以下、2.3以下、2.2以下または2.1以下であってもよい。また、下記一般式1による第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値は、その下限が0に近いほど優れた物性であると評価でき、具体的に下限は、0以上、0.01以上、0.05以上または0.1以上であってもよい。
【0105】
[一般式1]
R1=[(C-C)/C]×100
【0106】
前記一般式1において、Cは、本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムを105℃で500時間放置する前の水滴に対する常温接触角であり、Cは、前記フィルムを105℃で500時間放置した後の水滴に対する常温接触角である。常温接触角とは、常温で測定した接触角を意味し、前記接触角は、具体的に以下の物性測定方法の接触角測定方法により測定されてもよい。
【0107】
本開示の一例によるフィルムは、下記一般式4による第2の接触角の変化率(AR2)の絶対値が2以下、1.95以下、1.9以下、1.85以下、1.8以下、または1.75以下であってもよい。下記一般式4による第2の接触角の変化率(AR2)の絶対値は、その下限が0に近いほど優れた物性であると評価でき、具体的に下限は、0以上、0.01以上、0.05以上または0.1以上であってもよい。
【0108】
[一般式4]
R2=[(C4-C3)/C3]×100
【0109】
前記一般式4において、Cは、本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムを105℃で240時間放置する前の水滴に対する常温接触角であり、Cは、本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムを105℃で240時間放置した後の水滴に対する常温接触角である。
【0110】
本開示の一例によるフィルムは、前記一般式1による第1の接触角の変化率(AR1)の絶対値を前記範囲内を満たすか、及び/又は前記一般式4による第2の接触角の変化率(AR2)の絶対値を前記範囲内で満たしながら、表面で水滴に対する常温接触角が110°以上、110.2°以上、110.4°以上または110.6°以上、130°以下、128°以下、126°以下、124°以下、122°以下、120°以下、118°以下または116°以下であるか、または前記上限及び下限の範囲内であってもよい。本開示で使用される用語の常温接触角とは、常温で測定した接触角を意味し、具体的には約25℃で測定した接触角を意味しうる。
【0111】
本開示の一例によるフィルムは、下記一般式2によるゲル分率(G)が85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上または92%以上であってもよい。
【0112】
[一般式2]
G=100×W/W
【0113】
前記一般式2において、Wは本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムに対する重量を表し、Wは、常温においてアセトンで24時間沈積させた後の前記本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムに対する不溶解分の乾燥重量を表す。前記Wは、具体的に常温においてアセトンで24時間沈積させる前に、前記本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムに対する重量を表す。
【0114】
本開示の一例によるフィルムは、下記一般式3による第1のゲル分率変化率(GR1)の絶対値が2以上、2.05以上、2.1以上、2.15以上、2.2以上、2.25以上、2.3以上、2.35以上、2.4以上、2.45以上、2.5以上、2.55以上、2.6以上、2.65以上、2.7以上、2.75以上、2.8以上、2.85以上、2.9以上、2.95以上、3以上、3.05以上、3.1以上、3.15以上または3.2以上であるか、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下または5以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。
【0115】
[一般式3]
R1=[(G-G)/G]×100
【0116】
前記一般式3において、Gは、本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムを105℃で500時間放置する前のゲル分率であり、Gは、本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムを105℃で500時間放置した後のゲル分率である。ここで、ゲル分率は、前記一般式2によって測定されてもよい。
【0117】
本開示の一例によるフィルムは、下記一般式5による第2のゲル分率変化率(GR2)の絶対値が1.5以上、1.55以上、1.6以上、1.65以上、1.7以上、1.75以上、1.8以上1.85以上、1.9以上、1.95以上、2以上、2.05以上、2.1以上、2.15以上、2.2以上、2.25以上、2.3以上、2.35以上、2.4以上、2.45以上、2.5以上、2.55以上、2.6以上、2.65以上、2.7以上、2.75以上または2.8以上であるか、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下または4.5以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。
【0118】
[一般式5]
R2=[(G-G)/G]×100
【0119】
前記一般式5において、Gは、本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムを105℃で240時間放置する前のゲル分率であり、Gは、本開示の一例による粘着剤組成物の硬化物を含むフィルムを105℃で240時間放置した後のゲル分率である。ここで、ゲル分率は、前記一般式2によって測定されてもよい。
【0120】
本開示の一例によるフィルムは、常温粘着力が0.5kgf/inch以上、0.6kgf/inch以上、0.7kgf/inch以上、0.8kgf/inch以上、0.9kgf/inch以上または1kgf/inch以上であるか、5kgf/inch以下、4.5kgf/inch以下、4kgf/inch以下、3.5kgf/inch以下、3kgf/inch以下、2.5kgf/inch以下または2kgf/inch以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。前記常温粘着力は、具体的に下記の物性測定方法の常温放置後、粘着力測定方法により測定されてもよい。
【0121】
また、本開示の一例によるフィルムは、105℃で240時間放置した後、常温で測定した粘着力が0.5kgf/inch以上、0.6kgf/inch以上、0.7kgf/inch以上、0.8kgf/inch以上、0.9kgf/inch以上または1kgf/inch以上であるか、5kgf/inch以下、4.5kgf/inch以下、4kgf/inch以下、3.5kgf/inch以下、3kgf/inch以下、2.5kgf/inch以下または2kgf/inch以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。また、本開示の一例によるフィルムは、105℃で500時間放置した後、常温で測定した粘着力が0.2kgf/inch以上、0.3kgf/inch以上、0.4kgf/inch以上、0.5kgf/inch以上または0.6kgf/inch以上であるか、4kgf/inch以下、3.5kgf/inch以下、3kgf/inch以下、2.5kgf/inch以下または2kgf/inch以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。
【0122】
本開示の一例によるフィルムは、引張率が0.002kgf/mm以上、0.003kgf/mm以上、0.004kgf/mm以上、0.005kgf/mm以上または0.006kgf/mm以上であるか、0.012kgf/mm以下、0.011kgf/mm以下、0.01kgf/mm以下または0.009kgf/mm以下であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。このとき、前記引張率は、σ/εと定義してもよく、前記σは、引張強度(Tensile stress)/断面積であり、εは、前記フィルムが破断したストレインから標点距離(初期ストレイン)までの値/標点距離であってもよい。
【0123】
本開示の一例によるフィルムは、常温貯蔵弾性率が0.15MPa以下及び80℃貯蔵弾性率が0.1MPa以下であってもよい。すなわち、前記フィルムは、常温貯蔵弾性率が0.15MPa以下であり、80℃貯蔵弾性率が0.1MPa以下であってもよい。
【0124】
前記フィルムは、常温貯蔵弾性率が0.15MPa以下、0.14MPa以下、0.13MPa以下、0.12MPa以下、0.11MPa以下であるか、0.02MPa以上、0.025MPa以上、0.03MPa以上、0.035MPa以上、0.04MPaまたは0.045MPa以上であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。また、このとき、常温とは約25℃を意味しうる。また、前記フィルムは、80℃貯蔵弾性率が0.10MPa以下、0.09MPa以下または0.08MPa以下であるか、0.005MPa以上、0.01MPa以上、0.015MPa以上または0.02MPa以上であるか、前記上限及び下限の範囲内であってもよい。
【0125】
本開示の一例によるフィルムが前記範囲内の引張率及び貯蔵弾性率(常温及び80℃)を満たす場合、高温、低温、熱衝撃及び高温/高湿評価において優れた安定性を確保することができる。
【0126】
本開示の一例によるフィルムは、常温表面張力が40mN/m以下、39mN/m以下、38mN/m以下、37mN/m以下、36mN/m以下または35mN/m以下であるか、下限は特に制限されるものではないが、10mN/m以上、12mN/m以上、14mN/m以上、16mN/m以上、18mN/m以上、20mN/m以上、22mN/m以上、24mN/m以上または26mN/m以上であるか、前記上限及び下限の範囲内に含まれてもよい。
【0127】
本開示の一例によるディスプレイまたは透明電極は、粘着剤層として前述した本開示の一例によるフィルムを含んでもよい。また、ディスプレイは、前記フィルムを含む透明電極を含んでもよい。
【0128】
ディスプレイ(またはディスプレイ製品)または透明電極製品(透明電極を含むディスプレイ)は、異物をカバーするフィルムが含まれているため、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化でき、高熱でも同様の効果を達成することができる。ここで、ディスプレイは、CRT(陰極線管)ディスプレイ、PDP(plasma display panel)、LCD(liquid crystal display)、LED(light emitting diode)ディスプレイ、OLED(organic emitting diode)ディスプレイ及び量子ドット(quantum dot)ディスプレイが挙げられ、これに限定されるものではない。また、透明電極製品は、透明電極が含まれたディスプレイが挙げられ、前記透明電極は、ガラス基材などの透明rigid基板と、PET(polyethylene terephthalate)、PES(polyether sulfone)及びPEN(Polyethylene naphthalate)などのようにフレキシブル基板上に成膜させた高伝導度及び可視光領域の高い透過度を有する電極物質を意味する。
【発明の効果】
【0129】
本開示は、濡れ性、耐光性及び耐熱性に優れており、段差(step)及び異物(defect)をカバーできる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することができる。
【0130】
また、本開示は、耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することができる。
【0131】
また、本開示は、高熱で長時間放置されても耐久性及び粘着力など基本的に要求される物性を満たしながら、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できる光学粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することができる。
【0132】
また、本開示は、ディスプレイ製品または透明電極製品の合体層の間に位置する異物(defect)をカバーできる光学粘着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
図1】実施例1による粘着剤組成物の硬化物の温度に対する貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示したグラフである。
図2】実施例2による粘着剤組成物の硬化物の温度に対する貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示したグラフである。
図3】実施例3による粘着剤組成物の硬化物の温度に対する貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示したグラフである。
図4】比較例1による粘着剤組成物の硬化物の温度に対する貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示したグラフである。
図5】比較例3による粘着剤組成物の硬化物の温度に対する貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示したグラフである。
図6】実施例1による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図7】実施例2による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図8】実施例3による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図9】実施例2による粘着剤組成物について、耐光性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図10】実施例3による粘着剤組成物について、耐光性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図11】比較例1による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図12】比較例2による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図13】比較例3による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図14】比較例4による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図15】比較例5による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図16】比較例6による粘着剤組成物について、耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図17】比較例1による粘着剤組成物について、耐光性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図18】比較例2による粘着剤組成物について、耐光性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図19】比較例3による粘着剤組成物について、耐光性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
図20】比較例4による粘着剤組成物について、耐光性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物との間を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0134】
以下、実施例及び比較例を通じて本開示を説明するが、本開示の範囲が下記の内容により限定されるものではない。
【0135】
実施例1.
イソデシルアクリレート(IDA,isodecyl acrylate)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA,2-Ethylhexyl acrylate)、ブチルアクリレート(BA,butyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate),2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)及びテトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA,tetrahydrofurfuryl acrylate)を15:10:29:7:29:10(IDA:2-EHA:BA:IBOA:2-HEA:THFA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0136】
実施例2.
イソデシルアクリレート(IDA,isodecyl acrylate)、ブチルアクリレート(BA、butyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate)及び2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)を24:34:17:25(IDA:BA:IBOA:2-HEA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0137】
実施例3.
2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA,2-Ethylhexyl acrylate)、ブチルアクリレート(BA、butyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)及びテトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA,tetrahydrofurfuryl acrylate)を32:20:9:28:11(2-EHA:BA:IBOA:2-HEA:THFA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0138】
比較例1.
2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA,2-Ethylhexyl acrylate)、イソステアリルアクリレート(ISTA,isostearyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA,tetrahydrofurfuryl acrylate)及びN,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA,N,N-dimethyl acrylamide)を38:20:14:17:5:6(2-EHA:ISTA:IBOA:2-HEA:THFA:DMAA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.18重量部の光開始剤(Ciba社,IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0139】
比較例2.
2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA,2-Ethylhexyl acrylate)、イソステアリルアクリレート(ISTA,isostearyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA,tetrahydrofurfuryl acrylate)及びN,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA,N,N-dimethyl acrylamide)を33:17:13:14:11:12(2-EHA:ISTA:IBOA:2-HEA:THFA:DMAA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.18重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0140】
比較例3.
2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA,2-Ethylhexyl acrylate)、イソステアリルアクリレート(ISTA,isostearyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA,tetrahydrofurfuryl acrylate)及びN,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA,N,N-dimethyl acrylamide)を39:20:14:17:5:5(2-EHA:ISTA:IBOA:2-HEA:THFA:DMAA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.05重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0141】
比較例4.
2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA,2-Ethylhexyl acrylate)、イソステアリルアクリレート(ISTA,isostearyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA,tetrahydrofurfuryl acrylate)及びN,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA,N,N-dimethyl acrylamide)を39:18:14:17:5:7(2-EHA:ISTA:IBOA:2-HEA:THFA:DMAA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0142】
比較例5.
イソデシルアクリレート(IDA,isodecyl acrylate)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA,2-Ethylhexyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA,tetrahydrofurfuryl acrylate)及びN,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA,N,N-dimethyl acrylamide)を11:39:16:21:7:6(IDA:2-EHA:IBOA:2-HEA:THFA:DMAA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0143】
比較例6.
2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA,2-Ethylhexyl acrylate)、イソボルニルアクリレート(IBOA,isobornyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA,2-hydroxyethyl acrylate)、テトラヒドロフルードフリルアクリレート(THFA,tetrahydrofurfuryl acrylate)及びN,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA,N,N-dimethyl acrylamide)を71:2:5:5:17(2-EHA:IBOA:2-HEA:THFA:DMAA)の重量比で均一に混合し、前記混合物100重量部に対して約0.03重量部の光開始剤(Ciba社、IRGCURE 184)をさらに添加して粘着剤組成物を製造した。
【0144】
<物性測定方法>
1.粘着剤組成物の硬化物に対するガラス転移温度測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を紫外線ランプ(波長領域:約10~250nm、以下、紫外線ランプを使用する場合、この波長領域を有する光を用いる)を用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を製造した。
【0145】
前記粘着剤組成物の硬化物に対するガラス転移温度(T)は、ISO 1135762によって示差走査熱量測定器(Differential Sacnning Calorimetery;DSC)を用いて測定した。具体的に示差走査熱量測定器で試料の温度を徐々に一定の速度で上昇させながら、前記試料の温度と供給される熱流(heat flow)の関係に関するグラフを得て、グラフの傾きが急激に変化する部分で変化する前と後のグラフに延長線を引いた後、2つの延長線を連結するとき、グラフと出会う部分を通じてガラス転移温度を求めることができる。
【0146】
2.粘着剤組成物の硬化物に対する常温表面張力測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物の表面張力は、白金リング(ring)を使用する表面張力測定装置(surface tension meter)を通じてISO 304基準に従って測定した。
【0147】
3.引張率測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0148】
前記製造された光学フィルムを幅2.5cm、長さ7cm(標点距離3.5cm)及び厚さ325μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した(硬化物のみの厚さ:約200μm)。以後、前記測定サンプルを300mm/minの速度で長手方向に破断するまで変形を加え、このときのストレイン(strain(l)、単位:mm)と引張強度(tensile stress(F)、単位:kgf)を測定して引張率(単位:kgf/mm)を計算した。
【0149】
ここで引張率はσ/εと定義した。σは、F/Aと定義し、F(Tensile stress)は、引張強度で、Aは、断面積である。εは、Δl/lと定義し、lは、測定サンプルが破断したストレインにおいて標点距離(初期ストレイン)値の差であり、lは、標点距離である。
【0150】
4.温度による貯蔵弾性率(Storage Modulus)測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0151】
前記製造された光学フィルムの2つの離型フィルムを除去して組成物の硬化物のみを残し、直径8mm及び厚さ1mmで裁断してディスク(disk)状の測定サンプル(sample)を製造した。
【0152】
回転型レオメータ(TA社、製品名:ARES-G2)を用いて、前記測定サンプルに1%ストレイン(strain)及び1Hzの回転速度を加えながら、-50℃~120℃の温度範囲で貯蔵弾性率を測定した。-50℃から120℃に昇温するとき、昇温速度は、1分あたり5℃とした。また、常温貯蔵弾性率は、25℃の貯蔵弾性率を基準とした。
【0153】
5.粘着力測定方法
(1)常温放置後の粘着力測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0154】
前記製造された光学フィルムを幅2.5cm、長さ11cm及び厚さ325μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した(硬化物のみの厚さ:約200μm)。前記測定サンプルの軽剥離離型フィルムを除去し、前記軽剥離離型フィルムが除去された面に幅2.5cm以上、長さ25cm及び厚さ75μmのPET(polyethylene terephthalate)フィルムを付着した。PETフィルムが付着した測定サンプルを幅2.5cmで裁断した。
【0155】
以後、裁断された測定サンプルから重剥離離型フィルムを除去し、幅12.5cm、長さ12.5cm及び厚さ700μmのガラス基材(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)の一面に前記重剥離離型フィルムが除去された面が接触するように前記裁断された測定サンプルを付着した。ガラス基材と裁断された測定サンプルの付着は、約2kgのローラーを使用し、付着後には常温で約30分間放置した。
【0156】
以後、粘着力測定装置(テウォンテック社、モデル名:TW-D2000)を通じて前記PETフィルムをつかみ、300mm/minの剥離速度及び180°の剥離角度で常温で剥離して粘着力を測定した。測定された粘着力は、反復実験を通じて平均値で表した。本開示の一例において、繰り返し実験を通じて平均値で表したという意味は、少なくとも5回の繰り返し実験で示された値を算術平均で表したという意味である。
【0157】
(2)高温放置後の粘着力測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0158】
前記製造された光学フィルムを幅2.5cm、長さ11cm及び厚さ325μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した(硬化物のみの厚さ:約200μm)。前記測定サンプルの軽剥離離型フィルムを除去し、前記軽剥離離型フィルムが除去された面に幅2.5cm以上、長さ25cm及び厚さ75μmのPET(polyethylene terephthalate)フィルムを付着した。PETフィルムが付着した測定サンプルを幅2.5cmに裁断した。
【0159】
以後、裁断された測定サンプルから重剥離離型フィルムを除去し、幅12.5cm、長さ12.5cm及び厚さ700μmのガラス基材(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)の一面に前記重剥離離型フィルムが除去された面が接触するように前記裁断された測定サンプルを付着した。ガラス基材と裁断された測定サンプルの付着には、約2kgのローラーを使用し、付着後は常温で約30分間放置した。以後、約105℃で約240時間または500時間さらに放置した。
【0160】
以後、粘着力測定装置(テウォンテック社、モデル名:TW-D2000)を通じて前記PETフィルムをつかみ、300mm/minの剥離速度及び180°の剥離角度で常温において剥離して粘着力を測定した。測定された粘着力は反復実験を通じて平均値で表した。
【0161】
6.耐光性評価方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0162】
前記製造された光学フィルムを幅10cm、長さ10cm、厚さ325μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した(硬化物のみの厚さ:約200μm)。
【0163】
測定サンプルの軽剥離離型フィルムを除去し、幅10cm、長さ10cm及び厚さ700μmのガラス基板(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)の一面に前記軽剥離離型フィルムが除去された面が接触するように前記測定サンプルを付着した。ガラス基材と測定サンプルの接着は、約2kgのローラーを用いた。
【0164】
保護フィルム、TAC(tri-acetyl-cellulose)フィルム、PVA(poly vinyl alcohol)フィルム、TACフィルム、PSA(pressure sensitive adhesives)フィルム及び剥離フィルムの順に積層された構造を有する幅10cm、長さ10cm及び厚さ258μmの偏光板を用意し、保護フィルムを除去した。
【0165】
ガラス基材に付着した測定サンプルの重剥離離型フィルムを除去し、保護フィルムが除去された偏光板のTACフィルム面と前記重剥離離型フィルムが除去された面が接触するようにローラーを用いて積層して積層サンプルを製造した。
【0166】
以後、約97kPaの真空環境を造成できる真空合紙装置(MRK社、製品名:M-Tool vacuum laminator & autoclave)で積層サンプルのガラス基材が底を向くように置き、偏光板の離型フィルムを除去してPSAフィルムを露出させた。幅10cm、長さ10cm及び厚さ700μmのガラス基板(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)を前記露出したPSAフィルム上に載せて温度約40℃で約30秒間放置し、前記ガラス基板と偏光板の剥離フィルムが除去された積層サンプルを合紙した。
【0167】
すなわち、合紙された積層サンプルは、ガラス基板、保護フィルム及び離型フィルムが除去された偏光板、硬化した粘着剤組成物及びガラス基材が順に積層された構造を有している。
【0168】
合紙された後、約50℃の温度及び約0.5MPaの圧力で約15分間オートクレーブ(autoclave)を行った。以後、光発生装置(フィリップス社、製品名:Arenavision MVF403)を用いて約830~1,000W/mの光量で約500時間露出させ、このとき、前記光発生装置で発生する光が合紙された積層サンプルのガラス基材に最初に届くようにした。
【0169】
以後、ガラス基材と粘着剤組成物の硬化物の間に気泡が発生したか確認し、下記基準に従って耐光性を評価した。
【0170】
[耐光性評価基準]
PASS:気泡が発生しない
NG:気泡が発生する
【0171】
7.段差評価方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0172】
前記製造された光学フィルムを幅7cm、長さ14cm、厚さ325μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した(硬化物のみの厚さ:約200μm)。
【0173】
測定サンプルの軽剥離離型フィルムを除去し、幅10cm、長さ17cmに裁断した厚さ75μmのPETの一面に前記軽剥離離型フィルムが除去された面が接触するように前記サンプルを付着した。
【0174】
測定サンプルの重剥離離型フィルムを除去し、段差がHμmで設計された段差ガラス基材(サムスンテクノガラス製)の一面に前記重剥離離型フィルムが除去された面と前記段差部分が接触するように前記サンプルを付着した。段差ガラス基材とサンプルの付着は、合紙機を用いて付着した。
【0175】
合紙された後、約50℃の温度及び約0.5MPaの圧力で約15分間オートクレーブ(autoclave)を行った。常温で3日間放置後、ガラス基材の段差部分と粘着剤組成物の間に気泡が発生したか確認し、粘着剤組成物の硬化物の厚さ(200μm)に対して気泡が発生しない最大段差Hの百分率値であるRstepを基準とし、下記基準に従って段差を評価した。
【0176】
[段差評価基準]
PASS:Rstepが30%以上
NG:Rstepが30%未満
【0177】
前記Rstepは、下記のように計算されてもよい。
【0178】
[Rstep計算方法]
step=H/200×100、ここでHの単位はμmであり、段差ガラス基材の段差を意味する。
【0179】
8.耐熱性評価方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0180】
前記製造された光学フィルムを幅10cm、長さ10cm及び厚さ325μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した(硬化物のみの厚さ:約200μm)。
【0181】
測定サンプルの軽剥離離型フィルムを除去し、幅10cm、長さ10cm、厚さ700μmのガラス基材(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)の一面に前記軽剥離離型フィルムが除去された面が接触するよう前記に測定サンプルを付着した。ガラス基材と測定サンプルの付着は、約2kgのローラーを用いた。
【0182】
保護フィルム、TAC(tri-acetyl-cellulose)フィルム、PVA(poly vinyl alcohol)フィルム、TACフィルム、PSA(pressure sensitive adhesives)フィルム及び剥離フィルムの順に積層された構造を有する幅10cm、長さ10cm及び厚さ258μmの偏光板を用意し、保護フィルムを除去した。
【0183】
ガラス基材に付着した測定サンプルの重剥離離型フィルムを除去し、保護フィルムが除去された偏光板のTACフィルム面と前記重剥離離型フィルムが除去された面が接触するようにローラーを用いて積層して積層サンプルを製造した。
【0184】
以後、約97kPaの真空環境を造成できる真空合紙装置(MRK社、製品名:M-Tool vacuum laminator & autoclave)で積層サンプルのガラス基材が底を向くように置き、偏光板の離型フィルムを除去してPSAフィルムを露出させた。幅10cm、長さ10cm及び厚さ700μmのガラス基板(コーニング社、製品名:Eagle XG glass)を前記露出したPSAフィルム上に載せて温度約40℃で約30秒間放置し、前記ガラス基板と偏光板の剥離フィルムが除去された積層サンプルを合紙した。
【0185】
すなわち、合紙された積層サンプルは、ガラス基板、保護フィルム及び離型フィルムが除去された偏光板、硬化した粘着剤組成物及びガラス基材が順に積層された構造を有している。
【0186】
合紙された後、約50℃の温度及び約0.5MPaの圧力で約15分間オートクレーブ(autoclave)を行った。以後、105℃で500時間放置し、ガラス基材と粘着剤組成物の硬化物の間に気泡が発生したか確認し、下記基準に従って耐熱性を評価した。
【0187】
[耐熱性評価基準]
PASS:気泡が発生しない
NG:気泡が発生する
【0188】
9.接触角(contact angle)測定方法
(1)常温放置後の接触角測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。
【0189】
前記製造された光学フィルムの離型フィルムのうち1つを除去し、前記離型フィルムが除去された表面上に水滴を落とし、ASTM D 5946によって常温で静的接触角を測定した。
【0190】
(2)高温放置後の接触角測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。
【0191】
前記製造された光学フィルムを105℃で240時間または500時間放置した後、前記光学フィルムの1つの離型フィルムを除去し、前記離型フィルムが除去された表面に水滴を落とし、ASTM D 5946によって常温で静的接触角を測定した。
【0192】
10.ゲル分率(gel fraction)測定方法
(1)常温放置後のゲル分率測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0193】
前記製造された光学フィルムの2つの離型フィルムを除去し、粘着剤組成物の硬化物のみを残し、幅6cm、長さ7cm、厚さ200μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した。このとき、前記測定サンプルの質量を測定した。
【0194】
また、前記測定サンプルをアセトンに完全に浸かるように入れた後、常温で24時間保管した。以後、アセトンに溶解していない部分(不溶解分)を得て、これを85℃で3時間乾燥して質量(不溶解分の乾燥質量)を測定した。
【0195】
次に、前記測定結果を下記一般式2に代入してゲル分率(単位:%)を測定した。
【0196】
[一般式2]
G=100×W/W
【0197】
前記一般式2において、Wは常温でアセトンに24時間沈積させる前の前記粘着剤組成物の硬化物に対する重量を表し、Wは常温でアセトンに24時間沈積させた後の前記粘着剤組成物の硬化物に対する不溶解分の乾燥重量を表す。
【0198】
(2)高温放置後のゲル分率測定方法
実施例または比較例で製造された粘着剤組成物を2つの離型フィルムの間に入れ、紫外線ランプを用いて9~11J/cmの光量で光硬化方式を通じて硬化させ、前記粘着剤組成物の硬化物を含む光学フィルムを製造した。ここで、前記光学フィルムに含まれる2つの離型フィルムのうちの1つは軽剥離離型フィルムであり、もう1つは重剥離離型フィルムである。
【0199】
前記製造された光学フィルムを幅6cm、長さ7cm及び厚さ325μmで裁断して測定サンプル(sample)を製造した(硬化物のみの厚さ:約200μm)。前記測定サンプルを105℃で240時間または500時間放置した後、2つの剥離フィルムを除去して厚さ200μmの前記粘着剤組成物の硬化物に対する質量を測定した。
【0200】
また、前記粘着剤組成物の硬化物をアセトンに完全に浸かるように入れた後、常温で24時間保管した。その後、アセトンに溶解していない部分(不溶解分)を得て、これを85℃で3時間乾燥して質量(不溶解分の乾燥質量)を測定した。
【0201】
次に、前記測定結果を下記一般式2に代入してゲル分率(単位:%)を測定した。
【0202】
[一般式2]
G=100×W/W
【0203】
前記一般式2において、Wは常温でアセトンに24時間沈積させる前の前記粘着剤組成物の硬化物に対する重量を表し、Wは常温でアセトンに24時間沈積させた後の前記粘着剤組成物の硬化物に対する不溶解分の乾燥重量を表す。
【0204】
前記実施例及び比較例について測定した物性は、下記表1及び2に示す通りである。表において、>a(aは、任意の数字)と記載されているのは、該当値がa超過という意味である。また、図1~3は、実施例1~3による粘着剤組成物の硬化物の温度に対する貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示したグラフであり、図4及び5は、実施例1及び3による粘着剤組成物の硬化物の温度に対する貯蔵弾性率(Storage Modulus)、損失弾性率(Loss Modulus)及びタンジェント値(tanδ)を-50℃~120℃の温度範囲で示したグラフである。他の例示に対するグラフは、下記表1においてその値を表示することで代わりとした。
【0205】
【表1】
【0206】
【表2】
【0207】
表1及び2を参照すると、実施例1~3は、耐光性評価、段差評価及び耐熱性評価においてすべてPASSと評価されたことが分かり、これにより高熱で長時間放置されても優れた耐久性を有していることが分かる。
【0208】
また、実施例1~3は、ガラス転移温度、常温表面張力、引張率、貯蔵弾性率及び粘着力が所望のレベルを満たすことにより、基本的な耐久性及び粘着力を有するとともに、気泡の発生や合紙層間の浮き上がり現象を最小化できることが分かる。
【0209】
また、図6~8は、実施例1~3による粘着剤組成物について耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物の間を示した写真で、気泡がないことが分かる。また、図9及び図10は、実施例2及び3による粘着剤組成物について耐光性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物の間を示した写真で、やはり気泡がないことが分かる。
【0210】
ただし、表1及び2を参照すると、比較例1~5は耐光性評価においてNGと評価されたことが分かり、比較例2~6は段差評価においてNGと評価されたことが分かり、比較例6は耐熱性評価においてNGと評価されたことが分かる。
【0211】
また、図11図16は、比較例1~6による粘着剤組成物について耐熱性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物の間を示した写真で、異物があり、これをカバーできず気泡が発生したことが分かる。また、図17図20は、比較例1~4による耐光性の評価後にガラス基材と硬化した粘着剤組成物の間を示した写真で、異物があり、これをカバーできず、気泡が発生したことが分かる。
【0212】
以上、本開示の一例による実施例に基づいて本開示の構成と特徴を説明したが、本開示はこれに限定されず、本開示の思想と範囲内で多様に変更または変形できることは、本開示が属する技術分野の通常の技術者にとって明白であり、したがって、このような変更または変形は、添付の特許請求の範囲に属することを明らかにする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20