(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035211
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】材料搬送デバイス用押圧シリンダ
(51)【国際特許分類】
F15B 15/14 20060101AFI20240306BHJP
F15B 15/18 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
F15B15/14 350
F15B15/18
F15B15/14 365
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023140700
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】22193244.5
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523331681
【氏名又は名称】チェンダー ウント ゾマー アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Zehnder & Sommer AG
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】エーリヒ ローナー
(72)【発明者】
【氏名】ウルス ファンクハウザー
【テーマコード(参考)】
3H081
【Fターム(参考)】
3H081AA03
3H081BB03
3H081CC23
3H081CC24
3H081CC26
3H081CC28
3H081DD13
3H081DD35
3H081HH10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】構造的に簡単なデザインであり、操作がより簡単であり、異なるストリップ材料に対して自動調整が可能であり、材料摩耗がほとんどなく、費用対効果の良い押圧シリンダを提供する。
【解決手段】材料搬送デバイスの可動コンポーネントに係合するように構成されるピストンロッド110と、ピストンロッドを少なくとも部分的に案内するように構成されるシリンダ空間120と、シリンダ空間内に配置され、ピストンロッドに接続されるピストン130と、モータ280とを備え、ピストンロッドは、第1のピストンロッド要素111及び第2のピストンロッド要素112を有し、第1のピストンロッド要素及び第2のピストンロッド要素は、第1のピストンロッド要素の回転移動がピストンに対する第2のピストンロッド要素の並進移動を生じさせるように構成され、モータは、第1のピストンロッド要素の回転移動を生じさせるように構成される。
【選択図】
図3b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料搬送デバイス(1)用、特にローラ送り用の押圧シリンダ(100,200)であって、
前記材料搬送デバイス(1)の可動コンポーネント(2,5)に係合するように構成されるピストンロッド(110)と、
前記ピストンロッド(110)を少なくとも部分的に案内するように構成されるシリンダ空間(120)と、
前記シリンダ空間(120)内に配置され、前記ピストンロッド(110)に接続されるピストン(130)と、
モータ(280)と
を備え、
前記ピストンロッド(110)は、第1のピストンロッド要素(111)及び第2のピストンロッド要素(112)を有し、前記第1のピストンロッド要素(111)及び前記第2のピストンロッド要素(112)は、前記第1のピストンロッド要素(111)の回転移動が前記ピストン(130)に対する前記第2のピストンロッド要素(112)の並進移動を生じさせるように構成され、前記モータ(280)は、前記第1のピストンロッド要素(111)の前記回転移動を生じさせるように構成される、
押圧シリンダ(100,200)。
【請求項2】
前記第1のピストンロッド要素(111)は、前記ピストン(130)に対して回転可能に構成される、先行する請求項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項3】
前記モータ(280)は、前記第1のピストンロッド要素(111)の並進移動を生じさせないように構成される、先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項4】
前記モータ(280)のモータシャフト(281)に実質的に固定的に接続されるクラッチ(281)であって、前記第1のピストンロッド要素(111)に係合するクラッチ(281)
をさらに備え、
前記ピストンロッド(110)、特に前記第1のピストンロッド要素は、前記クラッチ(281)に対して軸方向に移動可能に構成され、
好ましくは前記ピストンロッド(110)、特に前記第1のピストンロッド要素は、前記クラッチ(281)に対して回転できないように構成される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項5】
前記ピストンロッド(110)は、5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下、さらにより好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.7mm以下、最も好ましくは0.5mm以下のストローク長(L3)を実現するように構成され、さらに/あるいは前記ピストンロッド(110)は、0.005mm以上、好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.05mm以上、最も好ましくは0.1mm以上のストローク長(L3)を実現するように構成される、先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項6】
前記第1のピストンロッド要素(111)の前記回転移動は、前記ピストンロッド(110)の長さ(L0)を変化させ、好ましくは第1の方向における前記回転移動は前記長さ(L0)を増加させ、第2の方向における前記回転移動は前記長さ(L0)を減少させる、先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項7】
前記第1のピストンロッド要素(111)及び前記第2のピストンロッド要素(112)は、ネジ接触(115)、特にネジ部を介して係合する、先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項8】
前記ピストン(130)は、前記ピストン(130)の並進移動中に前記ピストンロッド(110)の対応する並進移動を生じさせるように構成される、先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項9】
特に前記シリンダ空間(120)内における前記ピストン(130)の現在位置を検出するように構成されるセンサ(155)、好ましくは渦電流センサ
をさらに備え、
前記センサ(155)は、好ましくは前記センサ(155)と前記ピストン(130)の下側との間の距離を検出するように構成される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項10】
前記ピストンロッド(110)は空圧的に駆動され、
前記押圧シリンダ(100,200)は、好ましくは前記ピストン(130)及び/又は前記第1のピストンロッド要素(111)の並進移動が空圧的に排他的に生じるように構成される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項11】
前記シリンダ空間(120)内に配置されるスペーサディスク(121)
をさらに備え、
前記スペーサディスク(121)は、必要に応じて4.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.5mm以下、最も好ましくは2.0mm以下の厚さを有し、さらに/あるいは前記スペーサディスク(121)は、必要に応じて0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上、最も好ましくは2.0mm以上の厚さを有する、
先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項12】
前記第1のピストンロッド要素(111)はキャビティ(113)を有し、前記第2のピストンロッド要素(112)は、前記キャビティ(113)内に少なくとも部分的に配置され、
好ましくは前記第1のピストンロッド要素(111)及び前記第2のピストンロッド要素(112)は同軸上に配置される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項13】
前記押圧シリンダ(100,200)は、前記ピストン(130)が前記シリンダ空間(120)の軸方向全長にわたって並進移動を行うように構成される、先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)。
【請求項14】
先行する請求項のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)を備える、材料搬送デバイス(1)、特にローラ送り。
【請求項15】
材料搬送デバイス(1)内の空圧式押圧シリンダ(100,200)、特に請求項1から13のいずれか一項に記載の押圧シリンダ(100,200)のピストンロッドの長さを調整するための方法(1000)であって、
必要に応じて前記押圧シリンダ(100,200)を減圧し(1100)、
材料(10)、特にストリップ材料を前記材料搬送デバイス(1)に導入し(1300)、
前記押圧シリンダ(100,200)のピストンロッド(110)の第1のピストンロッド要素(111)を第1の方向に回転させて(1400)、前記押圧シリンダ(100,200)の前記ピストンロッド(110)の第2のピストンロッド要素(112)の並進移動を生じさせ、
前記材料搬送デバイス(1)の可動コンポーネント(2,5)と前記材料(10)との間が接触又は所定の距離に達したときに前記回転を終了し(1500)、
必要に応じて、好ましくは接触に達したときに、前記第1のピストンロッド要素(111)を第2の方向に回転させて(1600)、前記第2のピストンロッド要素(112)の反対方向の並進移動を生じさせる、
方法(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本発明は、材料搬送デバイス用、特にローラ送り用の押圧シリンダであって、押圧シリンダはピストンロッドを含み、ピストンロッドの長さが調整可能である、押圧シリンダに関するものである。
【0002】
本発明は、さらに、少なくとも1つの対応する押圧シリンダを含む材料搬送デバイスに加え、押圧シリンダのピストンロッドの長さを調整するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
2.技術水準
例えば、ストリップ材料又はテープ材料のようなワークピースの搬送及び送りのため、特にクロック送りのために材料搬送デバイス、特にローラ送りが使用されている。例えば、ローラ送りは、パンチングの用途で用いられている。ワークピースがクロック送りされ、このクロック送りがパンチングツールと同期される。
【0004】
同様に、他の用途においてもローラ送りが知られている。例えば、ローラ送りは、プロファイルドローラを有することができ、ワークピースを送る際に、対応するプロファイリングをワークピースに押し付けるか打ち込むことができる。
【0005】
ローラ送りの原理は、少なくとも2つのローラに基づき得るものであり、少なくとも1つの第1のローラが、搬送されるワークピースの第1の側(例えば上方)に配置され、第2のローラが、搬送されるワークピースの反対側(例えば下方)に配置される。
【0006】
これらのローラのうち少なくとも1つは被駆動ローラである。送り/搬送のために、ローラ間に形成された間隙にワークピースが導入される。そして、ローラの同期回転によってワークピースが送られる/搬送される。ローラの回転速度が搬送又は送り速度を決定する。
【0007】
材料搬送デバイスは、通常、複数の機能を実現することを意図された押圧シリンダを有している。
【0008】
一方で、押圧シリンダは、ローラに、例えば上側ローラに接触圧力を与えることを意図しているものである。この接触圧力によって、材料搬送デバイスに導入されたストリップ材料をできるだけ滑らせないで移送することが可能となる。この圧力は、通常、押圧シリンダによって、その後にローラに圧力を与える可動ロッカに与えられる。ロッカは、転心を中心として回転可能である。
【0009】
また、押圧シリンダは、新しいストリップ材料を導入することができるように、ローラを持ち上げられることを意図しているものでもある。この持ち上げは、例えば、ロッカ及び上側ローラが上方に移動する結果として上方に移動するシリンダ内のピストンによって行われる。
【0010】
また、押圧シリンダは、中間通気を可能にすることを意図しているものでもある。この中間通気は「開放」とも呼ぶことができる。中間通気は、続く切断ツールのためにストリップ材料を開放するために、ストリップ材料のそれぞれの送りサイクルの後にローラを持ち上げる。続く切断ツール、例えばパンチングツールをこのようにより良く中央に配置することができ、前もって開けた孔に整列させることができる。例えば、ストリップ材料を中間通気により前もって開けたパイロット孔によりパイロットピンを介して整列させることができる。
【0011】
上述した機能を実現するために、押圧シリンダは、少なくとも以下の要件を満足する必要がある。例えば、単位時間当たりのクロックサイクル(またフィードクロックサイクル)の数は、材料搬送デバイスにおける重要なパラメータを表している。クロックサイクルは、押圧シリンダ内のピストンを昇降させるプロセス(ストローク)である。単位時間当たりのクロックサイクル数は、サイクル速度としても理解されるべきものであり、通常、ストローク/分として表現される。サイクル速度を増加させることにより、材料搬送デバイスの効率をかなり上昇させることができる。したがって、押圧シリンダのサイクル速度を増加させなければならない。加えて、ストリップ材料の多数の異なる材料厚さを処理できなければならない。加えて、その構成は、構造的に簡単で費用対効果のあるものでなければならない。
【0012】
従来の構成は、この要求プロファイルを満足しない。従来の構成は、例えば標準的な空気圧シリンダ又はサーボモータを有している。標準的な空気圧シリンダは、通常、長いストロークを有するものである。この長いストロークは、サイクル速度を制限する(例えばたった300ストローク/分が実現可能である)。長いストローク及び関連する摩擦面がより大きくなる結果として、材料の摩耗が望ましくないことに目立つようになる。より頻繁に故障が生じ、これが、構成が全体としてコストが高くなる理由である。加えて、シリンダを異なるストリップ材料厚さに柔軟に適合させることができない。サーボモータによる従来の構成は、ローラとストリップ材料との間の距離を設定するためにロッカの位置を変更することを可能にする。しかしながら、このために、通常、押圧シリンダに加えてロッカにサーボモータが取り付けられる。このように、サーボモータは、押圧シリンダの接触圧力とは反対向きの力を加えるものである。したがって、この構成は、非常に非効率的であり、コストが高くなり、構造的に難しく、追加の構成要素がある結果として故障しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、上記技術水準における欠点を克服することにある。特に、本発明は、材料搬送デバイス用の押圧シリンダを提供するという目的に向けられている。この押圧シリンダはサイクル速度を上げることを可能にする。加えて、材料搬送デバイス内で異なるストリップ材料を処理することを可能にするために、柔軟に調整可能な押圧シリンダを設ける必要がある。概して、本発明の目的は、構造的に簡単なデザインであり、操作がより簡単であり、異なるストリップ材料に対して自動調整が可能であり、材料摩耗がほとんどなく、費用対効果の良い押圧シリンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
3.本発明の概要
上記目的及び以下の説明から生じるさらなる目的は、独立請求項の主題により達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題であり、当業者であれば、本出願の開示の中に本発明の他の好適な実施形態の暗示を見出すことができる。
【0015】
本発明の目標及び目的は、特に押圧シリンダに加え、対応する材料搬送デバイス、押圧シリンダのピストンロッドの長さを調整するための方法により実現される。押圧シリンダに対して以下に示される技術的特性、押圧シリンダ及び技術水準を超える改良物の利点は、材料搬送デバイス及び方法に等しく適用される。
【0016】
押圧シリンダ-ピストンに対して回転可能な第1のピストンロッド要素
本発明の第1の実施形態は、材料搬送デバイス用、特にローラ送り用の押圧シリンダであって、上記材料搬送デバイスの可動コンポーネントに係合するように構成されるピストンロッドと、上記ピストンロッドを少なくとも部分的に案内するように構成されるシリンダ空間と、上記シリンダ空間内に移動可能に配置され、上記ピストンロッドに接続されるピストンとを備え、上記ピストンロッドは、第1のピストンロッド要素及び第2のピストンロッド要素を有し、上記第1のピストンロッド要素及び上記第2のピストンロッド要素は、上記第1のピストンロッド要素の回転移動がピストンに対する上記第2のピストンロッド要素の並進移動を生じさせるように構成され、上記第1のピストンロッド要素は、上記ピストンに対して回転可能に構成される、押圧シリンダに関係している。
【0017】
本発明に係る押圧シリンダは、上記ピストンロッドの長さを変更、特に設定することを可能にする。これは、上記ピストンに対する上記ピストンロッドの上記長さが変更されるように理解されるべきである。したがって、主として上記ピストンの位置にかかわらず上記ピストンロッドの上記長さを設定することができる。有利なことに、これにより上記シリンダ空間内で上記ピストンが機能する経路長(ストローク長)を短くすることができる。したがって、上記シリンダ空間(シリンダ容積としても理解される)を小さくすることができる。例えば、上記シリンダ空間の軸方向長さを短くできる。したがって、技術水準と比べて(ストローク/分で表される)サイクル速度を大幅に高めることができる。例えば、1000ストローク/分以上、好ましくは1500ストローク/分以上、最も好ましくは2000ストローク/分以上のサイクル速度を実現することができる。これは、ストリップ材料のスループットの上昇に大きく貢献するものである。従来の空圧式押圧シリンダは、ピストンロッドを変更せずにストローク長を制限するために付加的なコンポーネントを必要とする。これらの従来押圧シリンダにおいては上記シリンダ容積が依然として大きく、これは欠点であり不効率である。
【0018】
また、本発明に係る押圧シリンダは、異なる厚さのストリップ材料に対して柔軟に設定することができ、さらに、サイクル速度を上げることができる。これにより、後続の切断ツール、例えばパンチングツールを有する材料搬送デバイスでの、特にローラ送りでのストリップ材料のより効率的な全体的な加工が保証される。
【0019】
上記材料搬送デバイスの可動コンポーネントへの上記ピストンロッドの係合は、接触が存在し、特に上記押圧シリンダの動作中に上記可動コンポーネントを移動させるために上記ピストンロッドにより上記材料搬送デバイスの上記可動コンポーネントに圧力が作用するように理解することができる。ここで、上記押圧シリンダの上記「動作」は、上記シリンダの上記ピストンが移動するように理解すべきである。したがって、その結果として中間通気を実現することができる。この「動作」は、上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動及び/又は上記ピストンに対する上記第2のピストンロッド要素の上記並進移動によって必ずしも理解されるとは限らない。後者は、上記ピストンロッドの長さを設定する役割を有する。しかしながら、動作中に後者が起こることが除外されるものではない。
【0020】
上記シリンダ空間は、上記ピストンロッドを少なくとも部分的に案内する。これは、上記ピストンロッドが少なくとも部分的に上記シリンダ空間と接触しているように理解することができる。例えば、上記シリンダ空間を通じて中央に上記ピストンロッドを案内することができる。
【0021】
上記ピストンは、通常、上記押圧シリンダの動作中に上記シリンダ空間内で移動し、好ましくは上方及び下方に移動する。上記動作は、例えば空圧的に、したがって圧縮空気を用いて行われ得る。上記ピストンは上記ピストンロッドに接続される。これは、上記ピストンの移動中に上記ピストンロッドが同様に移動できるように理解することができる。上記接続は、有利なことに、(本明細書では回転可能デバイスによって説明されるように)すべての方向における上記ピストン及び上記ピストンロッドの互いの相対移動を阻止する固定接続ではない。
【0022】
上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動は、例えば、上記第1のピストンロッド要素の縦軸を中心とする、好ましくは上記ピストンロッドの縦軸を中心とする回転移動である。
【0023】
上記第2のピストンロッド要素の上記並進移動は、特に上記第1のピストンロッド要素に対する並進移動として理解することができる。
【0024】
上記第1のピストンロッド要素は、上記ピストンに対して回転可能に構成される。これは、例えば軸受により実現することができる。上記第1のピストンロッド要素が上記ピストンに対して回転可能に構成されているので、上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動は、通常、上記ピストンの回転移動を生じさせない。したがって、(例えば、上記ピストンが同時に回転する場合には)上記ピストンが上記シリンダ空間の壁で摩擦力を生じることを有利に防止することができる。したがって、上記構成は、摩耗の低減に貢献し、上記ピストンロッドの長さの調整を容易にする。したがって、材料を節約しつつ上記ピストンロッドの上記長さを変えることができ、寿命を長くすることができる。
【0025】
押圧シリンダの第2の実施形態は、上記ピストンと上記第1のピストンロッド要素とが2つの別個のコンポーネントである、先の実施形態に関係している。
【0026】
これは、上記ピストンを害することなく、例えば上記ピストンを移動させることなく上記ピストンロッドの長さを調整することを可能にする。上記2つのコンポーネントのうちの1つの摩耗が生じた場合には、上記摩耗したコンポーネントを交換するだけで十分である。摩耗していないコンポーネントをさらに使用することができる。これは、材料を節約することになり、コストを低減するものである。
【0027】
この実施形態においては、特に相当な力を付与することなく、上記第2のピストンロッド要素を並進的に移動させてもよい。本発明者等は、上記シリンダ空間に圧力がかかっている場合(上記ピストンに圧力がかかっている場合)であっても、相当な力を付与することなく、これを可能とすることに成功している。例えば、上記押圧シリンダに圧力をかけてもよく、その結果、上記ピストンが上記シリンダ空間内で上側位置又は下側位置に配置される。そのような位置では、(例えば、上記ピストンの端面が側面に加えて接触面を構成するので)上記ピストンと上記シリンダ空間の壁との間の接触面を増やすことができる。したがって、上記第1のピストンロッド要素の回転移動中に上記第1のピストンロッド要素との一体コンポーネントとして上記ピストンが同時に回転する場合には、摩擦力が著しく増加する。このため、著しく増加させた力が必要になる。分離の結果、この大きな欠点を克服することができる。
【0028】
押圧シリンダの第3の実施形態は、上記ピストンロッド内に少なくとも部分的に配置され、上記第2のピストンロッド要素に実質的に固定的に接続されるネジ付ロッドをさらに備える、先の実施形態に関係している。
【0029】
上記ネジ付ロッドは、少なくとも部分的にネジ部を有するロッド、例えば細長いコンポーネントとして理解することができる。上記ネジ付ロッドは、本明細書で述べられるような上記第1のピストンロッド要素の意図しない回転移動を防止するのに貢献し得る。例えば、意図しない回転移動は、上記押圧シリンダの動作中に起こり得る。上記ネジ付ロッドと上記第2のピストンロッド要素との間の固定接続は、動作中に上記固定が開放されないように理解することができる。しかしながら、これが望まれる場合(例えばコンポーネントの交換の場合)、さらなる手段を用いて両方のコンポーネントを開放することができる。
【0030】
上記ピストンロッド内に上記ネジ付ロッドを少なくとも部分的に配置することは、省スペースを促進し、ネジ部を汚れから保護することができる。
【0031】
押圧シリンダの第4の態様は、上記ピストンロッドの一端部に実質的に上記ピストンロッドの縦方向に配置され、上記ピストンロッドの調整可能な長さをロックするように構成される開放可能なロックデバイスをさらに備え、上記ロックデバイスは、好ましくは上記ネジ付ロッドと必要に応じて係合するネジ接続を有する、先の実施形態に関係している。
【0032】
上記ロックデバイスは、例えば、ナット、ロックナット又は刻み付きナットを含み得る。ロックデバイスは、可動コンポーネントを固定すること、ロックすること及び/又はブロックすることとして理解すべきである。上記ロックデバイスは、特に上記ピストンロッドの上記第1のピストンロッド要素の一端部に配置される。この端部は、典型的には、上記押圧シリンダが上記材料搬送デバイス内で使用されるときに上記材料搬送デバイスの上記可動コンポーネントから離れた方に向く端部である。横ロックデバイスを有する構成と比較すると、この構成は、例えば、コンポーネントが横寸法を不必要に超えて突出しないという利点を実現する。加えて、この構成は、上記ピストンロッドの長さを電動及び/又は自動で調整することを可能にする。
【0033】
上記ロックデバイスによって、上記ピストンロッドの長さの設定長さにおける(望ましくない)変化を低減又は実質的に阻止することができる。上記ネジ付ロッドを有する構成により、上記ロックデバイスと上記第2のピストンロッド要素との間の距離を実質的に一定に保持することができる。このように、上記押圧シリンダの動作中の上記第1のピストンロッド要素の回転移動が有利なことに実質的に阻止される。
【0034】
上記ロックデバイスと上記ピストンロッドとの間にワッシャを配置することができる。上記ネジ付ロッドは、上記ワッシャを貫通して突出することができる。
【0035】
好ましくは、回転移動中に、上記第1のピストンロッド要素上に対応して方向付けられる回転移動を生じさせる手動輪を設けることができる。これは、上記ピストンロッドの長さの調整を容易にすることができる。上記手動輪と上記第1のピストンロッド要素との間の接続は、四角形接続を介して行うことができる。通常、この接続は、上記押圧シリンダの動作中に、上記手動輪が(例えば中間通気中に)上記ピストンロッド及び上記ピストンとともに並進的に移動するように行われる。このために、上記手動輪と上側シリンダコンポーネントの壁との間にエアギャップを設けることができ、その結果、摩擦損失を大幅に避けることができる。好ましくは、上記エアギャップのギャップ幅は、汚れが上記エアギャップを実質的に通過しないほど小さくなるように選択される。
【0036】
押圧シリンダ-モータ付
本発明の第5の実施形態は、材料搬送デバイス用、特にローラ送り用の押圧シリンダであって、上記材料搬送デバイスの可動コンポーネントに係合するように構成されるピストンロッドと、上記ピストンロッドを少なくとも部分的に案内するように構成されるシリンダ空間と、上記シリンダ空間内に配置され、上記ピストンロッドに接続されるピストンと、モータとを備え、上記ピストンロッドは、第1のピストンロッド要素及び第2のピストンロッド要素を有し、上記第1のピストンロッド要素及び上記第2のピストンロッド要素は、上記第1のピストンロッド要素の回転移動が上記ピストンに対する上記第2のピストンロッド要素の並進移動を生じさせるように構成され、上記モータは、上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動を生じさせるように構成される、押圧シリンダに関係している。
【0037】
有利なことに、この実施形態では、モータが設けられており、これにより上記ピストンロッドの長さの上記調整を最適化することができる。従来の標準的な空気圧シリンダは、ピストンロッドの長さの調整を可能にするものではなく、したがって、電動の調整を可能にするものではなかった。上記モータは、制御の意味ある統合化を可能にするものである。ストリップ材料を変更した場合に上記ピストンロッドの長さの改善された調整を実現することができる。そして、コストを削減するように複雑な手動による調整をなくすことができる。ストリップ材料の変更を自動化することができる。上記モータは、例えば電気モータであり得る。サーボモータ、ステッピングモータ又は直流(DC)モータを使用することが考えられる。本明細書に列挙されるモータの例は、制限するものとして決して理解されるべきではなく、理解のためだけの役割を有する。さらなる技術的に意味のある多数のモータを使用することができる。
【0038】
特に、(本明細書で述べられるような)上記ピストンロッドの長さを調整するためのモータを(本明細書で述べられるような)上記押圧シリンダの空圧動作と組み合わせることにより、(本明細書で述べられるような)従来の純粋な空圧式押圧シリンダ又は純粋な電気シリンダからは得られない実質的な利点が得られる。
【0039】
押圧シリンダの第6の実施形態は、上記モータが、上記第1のピストンロッド要素の並進移動を生じさせないように構成される、先の実施形態に関係している。
【0040】
上記モータは、本明細書で述べられる上記押圧シリンダの動作のために、特に上記中間通気のために必要である必要はない。上記押圧シリンダの動作は、好ましくは本明細書で述べられるように空圧により行われ、その結果として、例えば中間通気が実現される。したがって、上記押圧シリンダの動作中に上記第1のピストンロッド要素の並進移動が行われる。これは、有利なことに、上記モータにより提供される必要はない。
【0041】
押圧シリンダの第7の実施形態は、上記モータが、上記ピストンロッドの一端部に実質的に上記ピストンロッドの縦方向に配置される、先の実施形態5又は6のいずれかに関係している。
【0042】
一例においては、上記モータは、ピストンロッドの長さを調整するための手動輪の機能を有し得る。
【0043】
押圧シリンダの第8の実施形態は、上記ピストンロッド、特に上記第1のピストンロッド要素が、上記クラッチに対して軸方向に移動可能に構成され、好ましくは上記ピストンロッド、特に上記第1のピストンロッド要素が、上記クラッチに対して回転できないように構成される、上記先の実施形態5から7のうち1つに関係している。
【0044】
上記モータは、モータシャフトを有し得る。また、上記モータは、トルクを上記クラッチに伝達することができ、そして、このトルクは、上記ピストンロッドに、特に上記第1のピストンロッド要素にのみに伝達され、上記第2のピストンロッド要素には伝達されない。上記押圧シリンダの(空圧)動作中に、上記ピストンロッドは、上記クラッチに対して、したがって上記モータに対して並進的に、特に軸方向に移動することができる。このために、クリアランス、例えばエアギャップを形成することができる。上記エアギャップは、上記相対並進移動を可能にする程度に大きければよい。上記エアギャップは、上記クラッチの回転移動(及び上記トルク)を上記第1のピストンロッド要素に伝える程度に小さくてもよい。
【0045】
上記ピストンロッド、特に上記第1のピストンロッド要素は、上記クラッチに対して回転できないように構成される。これは、上記第1のピストンロッド要素が上記クラッチに対して実質的に回転しないように理解されるべきである。したがって、上記ピストンロッドの設定長さにおける(望ましくない)変化を低減又は実質的に阻止することができる。したがって、上記モータを有する実施形態においては、ナット、ロックナット又は刻み付きナットによるロックデバイスが、必ずしも必須のものとは限らない。
【0046】
押圧シリンダの第9の実施形態は、上記クラッチは、並進移動を行わないように構成される、先の実施形態に関係している。
【0047】
上記押圧シリンダの(空圧)動作中に、上記クラッチは、通常、移動しない(回転移動も並進移動もしない)。これは、複雑性を低減し、移動機構を簡略化するものである。例えば、上記クラッチは、軸方向に実質的に固定されるコンポーネントとして理解され得る。したがって、同じことを上記モータにも適用することができる。したがって、上記押圧シリンダの動作中のこれらの位置は、有利に実質的に固定的に定まり、これが上記構成に対しての利点を提供する。
【0048】
押圧シリンダ-一般的な実施形態
押圧シリンダの第10の実施形態は、上記押圧シリンダが、上記実施形態1から4のいずれかによる押圧シリンダである、先の実施形態5から9のいずれかに関係している。
【0049】
当業者は、技術水準を上回る、上記実施形態1から4の上記押圧シリンダの特徴、技術的特性、利点及び改良は、技術的に意味のあることであれば、上記実施形態5から9のいずれかの上記押圧シリンダに対して同様に適用されることを理解する。
【0050】
押圧シリンダの第11の実施形態は、上記ピストンロッドが、5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.7mm以下、最も好ましくは0.5mm以下のストローク長を実現するように構成され、さらに/あるいは上記ピストンロッドが、0.005mm以上、好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.05mm以上、最も好ましくは0.1mm以上のストローク長を実現するように構成される、先の実施形態のいずれかに関係している。
【0051】
このストローク長(上記押圧シリンダの動作中に上記ピストンが上記シリンダ空間内で機能する経路長)は、技術水準と比べるとかなり短い。したがって、従来の構成に比べて、材料搬送デバイス用の上記押圧シリンダのサイクル速度(ストローク/分又は毎分のストローク数)をかなり増加させることができる。したがって、ストリップ材料の搬送速度を増加させることができ、その結果、ストリップ材料のより効率的な処理が可能となる。上記ストローク長は、例えば、上記シリンダ空間の軸方向長さにより、さらに/あるいは上記シリンダ空間内の上記ピストンの軸方向長さにより規定され得る。通常、上記シリンダ空間の軸方向長さを短くすることを選択することができ、その結果、上記ストローク長を短くすることができる。これは材料の節約になる。
【0052】
最小ストローク長及び/又はより長いストローク長を提供することが有利であり得る。これは、例えば、より広いローラ送りの場合、さらに/あるいは上記ローラ送りの可動コンポーネント(例えばロッカ)が柔軟である場合、さらに/あるいは柔軟なストリップ材料(例えばプラスチック)が搬送される場合に生じ得る。柔軟なことは、曲げることが可能なこと及び/又は弾性のあることとして理解することができる。したがって、より長いストローク長は、システム許容範囲を補償することができ、これは場合によっては有利になり得る。
【0053】
押圧シリンダの第12の実施形態は、上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動が、上記ピストンロッドの長さを変化させ、好ましくは第1の方向における上記回転移動が上記長さを増加させ、第2の方向における上記回転移動が上記長さを減少させる、先の実施形態のいずれかに関係している。
【0054】
上記ピストンロッドの上記ストローク長は短いが、上記ピストンロッドの長さを増加及び減少させることにより異なる厚さのストリップ材料を処理することができる。このため、本発明に係る押圧シリンダは、上記ピストンロッドの長さを調整可能であることにより柔軟に使用され得る。したがって、異なる押圧シリンダを設ける必要がない。本明細書で述べるような幅広い範囲の要件を満たす押圧シリンダで十分である。
【0055】
上記ピストンロッドの長さを増加させることは、例えば、材料搬送デバイスの2つのローラ間の距離を短くすることにつながる。上記ピストンロッドの長さを減少させることは、例えば、材料搬送デバイスの2つのローラ間の距離を長くすることにつながる。
【0056】
好ましくは、最小長に設定された上記ピストンロッドの長さに対する最大長に設定された上記ピストンロッドの長さの比率は、およそ110%から150%、好ましくは110%から140%、さらに好ましくは115%から130%、最も好ましくは115%から120%(あるいは125%まで)である。したがって、例えば、上記ピストンロッドの長さを10%から50%延長することを実現することができる。
【0057】
好ましくは、上記ピストンロッドの上記最小長は、86mmから106mm、例えば96mmであり得る。好ましくは、上記ピストンロッドの上記最大長は、110mmから120mm、例えば115mmであり得る。これは、本明細書で述べられる115mm/96mm=119.8%(~120%)の比率に対応し得る。これらの値(比率)により、本発明者等は、異なる通路領域の多数のローラ送り用の押圧シリンダを使用することを可能にしている。
【0058】
押圧シリンダの第13の実施形態は、上記第1のピストンロッド要素及び上記第2のピストンロッド要素が、ネジ接触、特にネジ部を介して係合している、先の実施形態の1つに関係している。
【0059】
上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動は、ネジ接触、例えばネジ接続を用いて、上記ピストンに対する上記第2のピストンロッド要素の並進移動を生じさせる。このように、上記第2のピストンロッド要素は、上記ネジ接触のネジ部を介して駆動される。これは、単純化された信頼性の高い移動機構を表している。
【0060】
押圧シリンダの第14の実施形態は、上記ピストンが、上記ピストンの並進移動中に上記ピストンロッドの対応する並進移動を生じさせるように構成される、先の実施形態の1つに関係している。
【0061】
上記ピストンの並進移動を行う際に、上記ピストンロッドは、対応する、すなわち同様及び/又は同一の並進移動を行う。上記第1のピストンロッド要素及び上記第2のピストンロッド要素は同様に移動する。
【0062】
押圧シリンダの第15の実施形態は、特に上記シリンダ空間内における上記ピストンの現在位置を検出するように構成されるセンサ、好ましくは渦電流センサをさらに備え、上記センサは、好ましくは上記センサと上記ピストンの下側との間の距離を検出するように構成される、先の実施形態の1つに関係している。
【0063】
上記センサは、例えばアナログセンサである。上記センサは、好ましくは非接触センサである。渦電流センサは、磁場によって距離を確実に測定することができる。有利なことに、これらの測定値は非常に正確である。
【0064】
現在位置は、特に上記センサと上記ピストンの下側との間の上記距離を含み得る。上記検出は、測定としても理解され得る。有利なことに、上記押圧シリンダのコンポーネントの寸法は既知であり、その結果、上記センサによる測定を用いて上記ピストンが移動した範囲を測定することができる。このように、ストリップ材料の異なる厚さを有利に測定することができる。これは、ストリップ材料が変化した場合に上記ピストンロッドの長さの調整に有益であり得る。
【0065】
加えて、上記測定は、品質の目的に役立ち得る。制御を介して評価を行うことができる。さらに、上記現在位置の検出を使って、中間通気が行われたか否かを決定することができる。これは、特に本発明による高サイクル速度の場合に有利である。したがって、上記押圧シリンダがまだ所望の動作中であるか否かをチェックすることができる。
【0066】
また、上記測定は、材料搬送デバイスを介した上記ストリップ材料の供給中におけるストリップ材料の材料厚さの変動を検出するのにも役立つ。上記ピストンロッドの長さの(必要な)さらなる調整プロセス(例えば再調整)を示すために上記測定結果を用いてもよい。
【0067】
押圧シリンダの第16の実施形態は、上記ピストンロッドが空圧的に駆動され、上記押圧シリンダが好ましくは上記ピストン及び/又は上記第1のピストンロッド要素の並進移動が排他的に空圧的に行われるように構成される、先の実施形態の1つに関係している。
【0068】
空圧駆動は、信頼性の高い技術を代表するものであり、これにより、上記押圧シリンダの上記動作、特に上記中間通気を効率的に行うことができる。本明細書で述べられているように、上記第2のピストンロッド要素は、上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動により並進移動を行うこともできる。これは、上記ピストンロッドの長さを設定するために上記空圧駆動に加えて考えられることであり有利なことである。
【0069】
押圧シリンダの第17の実施形態は、上側空気ポートと、好ましくは下側空気ポートとをさらに備え、上記シリンダ空間は、上記ピストンにより実質的に上記上側空気ポートと実質的に排他的に連絡する上側シリンダ空間領域と、好ましくは上記下側空気ポートと実質的に排他的に連絡する下側シリンダ空間領域とに分割される、先の実施形態の1つに関係している。
【0070】
上記空気ポートは、上記シリンダ空間内で上記ピストンの移動を引き起こし得る上記シリンダ空間内の圧力を提供するのに役立つ。有利なことに、2つの空気ポートが設けられ、それぞれがシリンダ空間領域と連絡している。この連絡は、空気の交換が可能であるように理解すべきである。このため、狙ったように圧縮空気をそれぞれのシリンダ空間領域に導入することができる。
【0071】
2つの空気ポートは、1つの空気ポートと比べると二重の作用の利点を提供する。例えば、上記ピストン及び/又は上記ピストンロッドの基本/初期設定位置は必要とされない。これは、圧力の調整により行うことができる。
【0072】
上記押圧シリンダが適切な動作をしている場合には、上記上側シリンダ空間領域は、圧力がかかっているときに、上記ピストン及び上記ピストンロッドが接触圧力を増加させるように理解することができる。上記押圧シリンダが適切な動作をしている場合には、上記下側シリンダ空間領域は、圧力がかかっているときに、上記ピストン及び上記ピストンロッドが接触圧力減少させるように理解することができる。例えば、上記上側シリンダ空間領域を上記下側シリンダ空間領域の垂直方向上方に配置することができる。
【0073】
押圧シリンダの第18の実施形態は、上記シリンダ空間内に配置されるスペーサディスクをさらに備え、上記スペーサディスクは、必要に応じて4.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.5mm以下、最も好ましくは2.0mm以下の厚さを有し、さらに/あるいは上記スペーサディスクは、必要に応じて0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上、最も好ましくは2.0mm以上の厚さを有する、先の実施形態の1つに関係している。
【0074】
上記スペーサディスクにより上記ストローク長を個別かつ柔軟に適合することができる。一例においては、厚さ2.0mmのスペーサディスクを用いて上記ピストンの上記ストローク長を2.7mmから0.7mmに短くすることができる。さらなる例においては、厚さ2.0mmのスペーサディスクを用いて上記ピストンの上記ストローク長を2.5mmから0.5mmに短くすることができる。したがって、有利なことに、サイクル速度の上昇を実現することができる。このため、10mmのストローク長を有する押圧シリンダが示されている技術水準と比べると、実質的な利点が得られる。
【0075】
上記スペーサディスクは、好ましくは上記シリンダ空間の上側壁上、例えば上記上側シリンダ空間領域の上側壁上に配置される。
【0076】
上記厚さは、上記スペーサディスクの軸方向寸法として理解することができる。一例では、上記スペーサディスクは、上記シリンダ空間の形状に対する形状を有することができる。上記スペーサディスクは、典型的には円筒状に作製され得る。上記スペーサディスクの半径は、通常、上記スペーサディスクの厚さよりも例えば少なくとも3、5又は8の因数だけ実質的に大きい。上記スペーサディスクは、上記シリンダ空間内に配置される場合には、上記シリンダ空間の側面に少なくとも部分的に接触し得る。組立のために、上記スペーサディスクが上記シリンダ空間よりも小さい半径を有することが有利であり得る。
【0077】
押圧シリンダの第19の実施形態は、上記ピストンロッドを受けるように構成される1つ、好ましくは2つの平軸受と、上側シリンダコンポーネント及び下側シリンダコンポーネントとをさらに備え、上記上側シリンダコンポーネント及び上記下側シリンダコンポーネントは、互いに固定的に接続され、上記シリンダ空間を備え、好ましくは上記シリンダ空間を実質的に気密状態で取り囲み、上記ピストンロッド、上記上側シリンダコンポーネント及び好ましくは上記下側シリンダコンポーネントは同軸に配置され、好ましくは上記ピストンロッドは、少なくとも部分的に上記下側シリンダコンポーネントを超えて突出する、先の実施形態の1つに関係している。
【0078】
上側/下側シリンダコンポーネントの配置は、上側/下側シリンダ空間領域の配置と同様に理解することができる。例えば、上記上側シリンダコンポーネントを上記下側シリンダコンポーネントの垂直方向上方に配置することができる。
【0079】
気密な封止は、上記押圧シリンダの動作中に圧力損失が実質的に生じないように理解することができる。しかしながら、(意図された)空気の交換が上記空気ポートを介して行われることは理解される。上記下側シリンダ空間領域と上記上側シリンダ空間領域との間の空気の交換は実質的に阻止される。
【0080】
同軸の配置は、コンポーネントが共通の軸を実質的に有することを意味している。例えば、これは縦軸である。これにより、上記押圧シリンダの単純化された構成を実現することができる。
【0081】
押圧シリンダの第20の実施形態は、上記第1のピストンロッド要素はキャビティを有し、上記第2のピストンロッド要素は、上記キャビティ内に少なくとも部分的に配置され、好ましくは上記第1のピストンロッド要素及び上記第2のピストンロッド要素は同軸上に配置される、先の実施形態の1つに関係している。
【0082】
上記キャビティは省スペースの構成を可能にし、この結果、材料及び資源を節約することができる。このため、特に上記第2のピストンロッド要素へのダメージが生じない。ネジ付ロッドが設けられる場合には、同様にこれを上記第1のピストンロッド要素の上記キャビティ内に配置することができる。
【0083】
上記ピストンロッドの長さが増加すると、上記キャビティ内に配置される上記第2のピストンロッド要素の部分が減少する。上記ピストンロッドの長さが減少すると、上記キャビティ内に配置される上記第2のピストンロッド要素の部分が増加する。
【0084】
一例において、上記ピストンロッドの長さが最大長に設定される場合には、上記キャビティ内に配置される上記第2のピストンロッド要素の部分は、上記第2のピストンロッド要素の長さの5%以上、好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上、またさらに好ましくは30%以上、最も好ましくは35%以上を含み得るし、さらに/あるいは上記第2のピストンロッド要素の長さの80%以下、好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下、またさらに好ましくは45%以下、最も好ましくは40%以下を含み得る。
【0085】
さらなる例においては、上記ピストンロッドの長さが最小長に設定される場合には、上記キャビティ内に配置される上記第2のピストンロッド要素の部分は、上記第2のピストンロッド要素の長さの20%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上、またさらに好ましくは60%以上、最も好ましくは65%以上を含み得るし、さらに/あるいは上記第2のピストンロッド要素の長さの95%以下、好ましくは90%以下、さらに好ましくは85%以下、さらに好ましくは80%以下、またさらに好ましくは75%以下、最も好ましくは70%以下を含み得る。
【0086】
本発明者等は、上記キャビティ内に配置された上記第2のピストンロッド要素の部分の最適値を決定することに成功した。これは、上記ピストンロッドの長さの考えられる変化は、多数のストリップ材料の厚さに対応可能なほど十分に大きい必要があるという事実から得られるものである。同時に、上記ピストンロッドの十分な安定性を確保する必要がある。上記キャビティ内の上記第2のピストンロッド要素の部分について本明細書で述べられている値は、これらの相反する要求から得られるものである。
【0087】
上記キャビティは上記第1のピストンロッド要素の全長にわたって延びていることが考えられる。
【0088】
有利なことに、上記ネジ接触は、上記第1のピストンロッド要素の雌ネジと上記第2のピストンロッド要素の雄ネジとを含む。
【0089】
押圧シリンダの第21の実施形態は、上記第2のピストンロッド要素は、上記材料搬送デバイスの上記可動コンポーネントに係合するが、上記第1のピストンロッド要素には係合せず、上記材料搬送デバイスの上記可動コンポーネントは、好ましくは移動中に上記材料搬送デバイスのローラの並進移動を生じさせるように構成されるロッカである、先の実施形態の1つに関係している。
【0090】
このため、上記第2のピストンロッド要素との係合のみが実現される。したがって、上記第2のピストンロッド要素を好ましくはこの係合のために機械的に設計することができる。この結果、上記第1のピストンロッド要素をこれと異なるように機械的に設計することができる。これは、柔軟性を増加するものである。
【0091】
一例においては、上記第1のピストンロッド要素は、上側ピストンロッド要素として理解することができ、上記第2のピストンロッド要素は下側ピストンロッド要素として理解することができる。これは、(上記押圧シリンダの通常動作中の)上記構成を説明するのに役立ち、制限的に適用されることを意図しているものでは全くない。上記2つのピストンロッド要素は、好ましくは(本明細書で述べられるような)それぞれの軸方向寸法の意味において、調整可能な重なり領域を有している。
【0092】
上記押圧シリンダの動作中は、上記押圧シリンダによって圧力をロッカに伝達することができる。上記ロッカは、好ましくは上記圧力を上記ローラに伝える可動ロッカである。
【0093】
押圧シリンダの第22の実施形態は、上記ピストンロッドは、上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動が、上記シリンダ空間に対する上記第1のピストンロッド要素の並進移動を実質的に生じさせないように構成される、先の実施形態の1つに関係している。
【0094】
この構成により、上記第1のピストンロッド要素が回転移動をするときに上記第1のピストンロッド要素が軸方向に変位しないことを保証することができる。これは、そうでなければ本明細書で述べられる上記回転移動がより困難になることが考えられるので都合が良い。加えて、上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動は、上記第2のピストンロッド要素のみを並進的に移動又は変位させるのに役立つ。
【0095】
押圧シリンダの第23の実施形態は、上記ピストンと上記第2のピストンロッド要素とが2つの別個のコンポーネントであり、好ましくは上記第1のピストンロッド要素と上記第2のピストンロッド要素とが2つの別個のコンポーネントである、先の実施形態の1つに関係している。
【0096】
別個のコンポーネントは、上記コンポーネントのうちの1つが摩耗した場合に、摩耗したコンポーネントだけを交換すればよいという利点を提供する。これはコストを低減する。加えて、分離による配置は、上記ピストンロッドの長さを調整できることを簡略化することができる。
【0097】
押圧シリンダの第24の実施形態は、上記並進移動は互いに平行に行われ、上記並進移動は、好ましくは上記材料搬送デバイスにより搬送される材料に対して実質的に直角で行われる、先の実施形態の1つに関係している。
【0098】
上記並進移動は、本明細書で述べられる並進変位/移動及び/又は軸方向変位/移動を含み得る。上記並進移動は、上記押圧シリンダの普通の動作の場合には、好ましくは垂直に行われる。
【0099】
押圧シリンダの第25の実施形態は、上記押圧シリンダは、上記ピストンが上記シリンダ空間の軸方向全長にわたって並進移動を行うように構成される、先の実施形態の1つに関係している。
【0100】
これは、例えばストローク全長にわたって上記押圧シリンダを動作させることができるという利点を提供する。したがって、上記ピストンは、好ましくは上記ストローク中に移動せず、上記シリンダ空間の中央軸領域で移動の逆転が行われる。上記軸方向長さは、(本明細書で述べられるように)並進移動方向に平行であるものとして理解することができる。したがって、別個のコンポーネントを必ずしも設ける必要はなく、その結果、動作中に上記ピストンの並進移動が阻害されるか低減さえされる。上記押圧シリンダは、有利なことに、搬送することを意図されたストリップ材料の厚さとは関係なく、このように同様に常に動作させることができる。
【0101】
本発明の第26の実施形態は、先の実施形態のいずれか1つによる押圧シリンダを備える材料搬送デバイス、特にローラ送りに関係している。
【0102】
当業者は、押圧シリンダについて本明細書で示されている技術的特性、押圧シリンダの利点及び技術水準を超える改良は同様に材料搬送デバイスに適用できることを理解する。
【0103】
したがって、サイクル速度を相当上げて上記材料搬送デバイスを動作させることができる。本発明に係る押圧シリンダの柔軟な調整可能性により、材料搬送デバイスにおいて異なるストリップ材料を加工することができる。これは、効率的で費用対効果に優れた材料搬送デバイスに貢献する。
【0104】
第27の実施形態によれば、先の実施形態の上記材料搬送デバイスは、ロッカ及びローラをさらに備え、上記押圧シリンダの上記ピストンロッドは、上記材料搬送デバイスにより搬送される材料に上記ローラの並進移動を向けるために、上記ロッカ上の圧力を増加させるように構成され、上記押圧シリンダの上記ピストンロッドは、上記材料搬送デバイスにより搬送される上記材料から上記ローラの並進移動を遠ざけるために、上記ロッカ上の圧力を減少させるようにさらに構成される。
【0105】
本発明による材料搬送デバイスは、上述した押圧シリンダの利点をすべてローラ及び場合によってはロッカと組み合わせたものである。
【0106】
上記押圧シリンダの動作中に、中間通気を行うことができる(これは、この実施形態では上記圧力の上昇/減少として理解すべきである)。上記中間通気は、例えば、後続の切断ツールのために上記ストリップ材料を開放するために、上記ストリップ材料のそれぞれの供給サイクルの後にローラを持ち上げる役割を有する。上記ロッカは、上記ロッカ上の圧力が減少すると(例えば、上記ピストンの表面の圧力が反転すると、例えば上記ピストンが上方に移動すると)、上記ロッカが上方に移動するように構成され得る。上記ピストンロッドの長さの延長は、必ずしも本明細書に述べられている圧力の増加を生じるわけではない。上記ピストンロッドの長さの延長は、好ましくは本明細書に述べられている圧力の増加を生じない。本明細書に述べられている圧力は、好ましくは上記ピストンにより空圧的に生じる。
【0107】
上記材料に向かう上記移動方向は、一例においては、垂直方向下方を向いているものとして理解することができる。上記材料から遠ざかる上記移動方向は、一例においては、垂直方向上方を向いているものとして理解することができる。
【0108】
第28の実施形態は、上記第1のピストンロッド要素の上記回転移動は、上記ピストンロッド及び/又は上記ローラから上記材料搬送デバイスにより搬送される材料までの距離、好ましくは軸方向距離を変化させ、好ましくは第1の方向における上記回転移動は上記距離を減少させ、第2の方向における上記回転移動は上記距離を増加させる、先の実施形態26又は27のいずれかによる上記材料搬送デバイスに関係している。
【0109】
例えば、上記ロッカ及び/又は上記ローラの基本/初期設定位置を変更するために、上記ピストンロッドの長さを変えることができる。本明細書で述べられているように、上記第1の方向における上記回転移動は、上記ピストンロッドの長さを増加させる。したがって、上記ピストンロッド、上記ロッカ及び/又は上記ローラからストリップ材料までの距離を減少させることができる。本明細書で述べられているように、上記第2の方向における上記回転移動は、上記ピストンロッドの長さを減少させる。したがって、上記ピストンロッド、上記ロッカ及び/又は上記ローラからストリップ材料までの距離を増加させることができる。
【0110】
第29の実施形態は、上記圧力上昇及び/又は上記圧力降下が空圧的に生じ、上記回転移動は空圧的に生じない、先の実施形態26から28のいずれかによる材料搬送デバイスに関係している。
【0111】
本発明の第30の実施形態は、材料搬送デバイス内の空圧式押圧シリンダ、特に上記実施形態1から25のいずれかによる押圧シリンダのピストンロッドの長さを調整するための方法であって、必要に応じて上記押圧シリンダを減圧し、材料、特にストリップ材料を上記材料搬送デバイスに導入し、上記押圧シリンダのピストンロッドの第1のピストンロッド要素を第1の方向に回転させて、上記押圧シリンダの上記ピストンロッドの第2のピストンロッド要素の並進移動を生じさせ、上記材料搬送デバイスの可動コンポーネントと上記材料との間が接触又は所定の距離に達したときに上記回転を終了し、必要に応じて、好ましくは接触に達したときに、上記第1のピストンロッド要素を第2の方向に回転させて、上記第2のピストンロッド要素の反対方向の並進移動を生じさせる、方法に関係している。
【0112】
上記減圧は、上記ピストンが一方向に、例えば上方に、好ましくは全体的に上方に移動するのを可能にするのに役立ち得る。したがって、上記ピストンは、上記シリンダ空間の上端に達する。これは、例えば、厚いストリップ材料のための上記ピストンロッドの長さの調整を容易にする。
【0113】
また、所定の距離に達した場合に、上記第1の方向への上記回転を終了することができる。この距離は、上記ロッカ及び/又はローラ(好ましくはローラ)と上記ストリップ材料(材料)との間の例えば軸方向距離、好ましくは垂直方向距離であり得る。
【0114】
特に、モータが設けられている場合には、上記方法を自動で行うことができる。上記第1の方向への上記回転は上記モータを用いて有利に行われる。上記ローラと上記ストリップ材料との間が接触に達するまで上記第1の方向への上記回転を自動的に行うことができる。この接触は、例えば上記モータの電流消費の増加により測定することができる。また、好ましくは上記シリンダ空間内に配置されたセンサにより上記接触を測定することも可能である。このセンサは渦電流センサであり得る。
【0115】
その後、上記第2の方向への回転を行うことができる。この上記第2の方向への回転は、好ましくは上記ストリップ材料が開放される程度においてのみ行うべきである。有利なことに、上記ローラと上記ストリップ材料との間の距離は、上記ストローク長にわたる上記ピストンの並進移動中(上記押圧シリンダの動作中)に、上記ローラと上記ストリップ材料との間に十分な圧力を形成することができるほど短い必要がある。この圧力は、上記ストリップ材料の供給移動に十分な牽引力を提供するのに十分である必要がある。上記圧力は、ストリップ材料に固有な振る舞いで変化し得るもので、圧力コントローラにより設定され得る。1.5バールから8バールの範囲、好ましくは2バールから6バールの範囲の圧力が考えられる。
【0116】
好ましくは、圧力が上記ピストンにかけられ、その結果、上記材料搬送デバイスは、ストリップ材料を搬送するために即時動作可能に構成される。
【0117】
第31の実施形態は、上記材料の導入の前に上記第1のピストンロッド要素を上記第2の方向に回転させることをさらに含む、先の実施形態による方法に関係している。
【0118】
これは、上記ピストンロッドを短い長さに、好ましくは最短長に設定することができるという利点を提供する。したがって、これは、大きな厚さを有するストリップ材料を搬送できる可能性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0119】
4.図面の簡単な説明
以下では、好ましい実施形態が例としてのみ述べられる。以下の添付図面が参照される。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による材料搬送デバイス内の押圧シリンダを示すものであり、
【
図2】
図2は、本発明の第1の態様による押圧シリンダを斜視図で示すものであり、
【
図2b】
図2bは、ピストンロッドが延長された、
図2aによる押圧シリンダを示すものであり、
【
図2c】
図2cは、ピストンが並進的に下方に移動した(ピストンロッドの長さが
図2aに関して最小に短くされた)、同様に
図2aによる押圧シリンダを示すものであり、
【
図3】
図3は、本発明の第2の態様による押圧シリンダを斜視図で示すものであり、
【
図3c】
図3cは、ピストンロッドが延長された、
図3bによる押圧シリンダを示すものであり、
【
図3d】
図3dは、ピストンが並進的に下方に移動した、
図3bによる押圧シリンダを示すものであり、
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による押圧シリンダを示すものであり、
【
図5】
図5は、本発明のさらなる実施形態による押圧シリンダを示すものであり、
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態によるピストンロッドの長さを調整するための方法の模式的フローチャートを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0120】
5.図面の詳細な説明
定義
本明細書では、回転移動、回転及び転回を同義に理解することができる。
【0121】
また、ストローク長は、経路長として、特に押圧シリンダの動作中にシリンダ空間内でピストンが機能する全経路長として理解することができる。また、これをピストンストロークとしても理解することができる。例えば、これは、ピストンとシリンダ空間の壁との間の軸方向長さであり得る。場合によっては、本明細書で好ましい場合には、ストローク長は、(ピストンにより占有される部分を引いた)シリンダ空間の軸方向全長に対応し得る。
【0122】
本発明の押圧シリンダは、中間通気シリンダとしても理解することができる。押圧シリンダは、押圧シリンダが必ず押圧動作を行うという事実に関して限定するものとして理解されることを意図するものでは決してない。しかしながら、押圧シリンダは、材料搬送デバイスに好適なものとなることを意図しており、したがって、例えば、モータ車両及び/又はピストン機械の動作において通常使用されるシリンダとは異なる。
【0123】
図面の説明
以下では、本発明のいくつかの考えられる実施形態のみが詳細に述べられる。しかしながら、本発明はこれらに限られるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、多数の他の実施形態を使用することができる。適合するときは、提示されている実施形態を多くの方法で修正し互いに組み合わせることができ、ある特徴が不必要なものであると思われる限りにおいてその特徴を省略することができる。特に、一実施形態のある特徴を他の実施形態の1以上の特徴に組み合わせることにより、開示されている実施形態を修正することができる。
【0124】
図面及び説明の全体において、同一の参照符号は同一の要素を意味している。第1の態様の図の参照符号(100-199)を同様に第2の態様の図について(参照符号200-299により)使用でき、概略を理解する目的のためだけなので別個に列挙しないことは言うまでもない。図面は縮尺通りでない場合があり、図中の要素の相対サイズ、比率及び図示が、明確化のため、説明のため及び便宜上誇張されている場合がある。
【0125】
図1は、本発明の一実施形態による材料搬送デバイス1における(特にローラ送りにおける)押圧シリンダ100,200(以下では、参照符号200は別個に挙げられないが、同様に適用可能であることを意図している)を示している。
【0126】
材料搬送デバイス1は、ロッカ2とローラ5とを備えている。特に、材料搬送デバイス1は、下側ローラ6をさらに備えている。材料搬送デバイス1のローラ5,6は、ストリップ材料10(
図1には示されておらず、参照符号が単に示されているだけである)を搬送方向Fに搬送することができる。
【0127】
押圧シリンダ100は、材料搬送デバイス1の可動コンポーネント2に係合するように構成されるピストンロッド110を備えている。さらに、押圧シリンダ100は、ピストンロッド110を少なくとも部分的にガイドするように構成されるシリンダ空間120を有している。これは、例えば、ピストンロッド110がシリンダ空間120を貫通して延びていることを意味している。さらに、シリンダ空間120内で移動可能に配置され、(例えばフォームフィットにより少なくとも部分的に)ピストンロッド110に接続されるピストン130が設けられている。
【0128】
ピストンロッド110は、第1のピストンロッド要素111及び第2のピストンロッド要素112を含んでおり、これらは、第1のピストンロッド要素111の回転移動がピストン130に対する第2のピストンロッド要素112の並進移動を生じさせるように構成されている。このようにして、ピストンロッド110の長さを変更することができる。
【0129】
押圧シリンダ100のピストンロッド110は、ローラ5の並進移動を材料搬送デバイス1により搬送されるストリップ材料10に向かわせるためにロッカ2上の圧力を増加させるように構成される。ロッカ2は、転心3を中心として回転することができる。押圧シリンダ100のピストンロッド110は、ローラ5の並進移動を材料搬送デバイス1により搬送されるストリップ材料10から離すためにロッカ2上の圧力を減少するようにさらに構成される。圧力の増加又は減少は、駆動シリンダ100の空気圧動作により行われ、例えば1500ストローク/分以上又は2000ストローク/分以上又は2500ストローク/分以上で中間通気中に生じることもある。
【0130】
この例示的な構成においては、材料10に向かう方向は、垂直方向下方を向いていると理解することができる。材料10から離れる方向は、垂直方向上方を向いていると理解することができる。
【0131】
厚さ0.05mmから15mm、好ましくは0.05mmから10mm、さらに好ましくは0.05mmから8mm、最も好ましくは0.1mmから5mmのストリップ材料を処理することができる。
【0132】
図2は、本発明の第1の態様による押圧シリンダ100を斜視図で示すものである。
【0133】
押圧シリンダ100は、上側シリンダコンポーネント140と下側シリンダコンポーネント145とを有しており、これら例えばネジ接続を介しては互いに固定的に接続されている。2つのシリンダコンポーネント140,145は、実質的に気密的にシリンダ空間(図示せず)を取り囲んでいる。
【0134】
押圧シリンダ100は、上側空気ポート141と下側空気ポート146とをさらに有している。これらの空気ポート141,146を通じてシリンダ空間に(又は上側シリンダ空間領域及び下側シリンダ空間領域に)圧縮空気を導入する(圧力上昇)ことができ、シリンダ空間から圧縮空気を出す(圧力減少)ことができる。
【0135】
押圧シリンダ100は、ピストンロッドの一端部で実質的にピストンロッド(ピストンロッドの第2のピストンロッド要素112のみが示されている)の縦方向に配置された開放可能なロックデバイス170を有している。ロックデバイス170は、ピストンロッドの調整可能な長さをロックするように構成される。ロックデバイス170は、ネジ付ロッド(図示せず)に係合する刻み付きナット171を有している。押圧シリンダ100は、回転移動中に、第1のピストンロッド要素(図示せず)上に対応して方向付けられる回転移動を生じさせる手動輪180を有している。
【0136】
図2aは、
図2による押圧シリンダ100を横方向の断面図で示すものである。
【0137】
第1のピストンロッド要素111及び第2のピストンロッド要素112が図示されている。両方のピストンロッド要素が一体となってピストンロッド110を形成している(別個に示していない)。
【0138】
シリンダ空間120は、ピストン130によって、実質的に排他的に上側空気ポート141と連絡している上側シリンダ空間領域142と、実質的に排他的に下側空気ポート146と連絡している下側シリンダ空間領域147とに実質的に分割されている。この図では、ピストン130が上端位置に図示されているため、上側シリンダ空間領域142が示されておらず、シリンダ空間120のピストン130によって占有されていない空間は、下側シリンダ空間領域147によって実質的に規定されている。
【0139】
押圧シリンダ100は、ピストンロッド110を受けるように構成される2つの平軸受150を有している。特に、第1のピストンロッド要素111がこれら2つの平軸受150により受けられている。
【0140】
押圧シリンダ100は、ピストンロッド110の内部、特に第1のピストンロッド要素111の内部に少なくとも部分的に配置されるネジ付ロッド160を有している。ネジ付ロッド160は、実質的に固定的に第2のピストンロッド要素112に接続されている。
【0141】
ワッシャ172が、ロックデバイス170とピストンロッド110(111及び112で示される)との間に配置されている。ネジ付ロッド160は、ワッシャ172を貫通して突出している。したがって、ネジ付ロッド160は、第1のピストンロッド要素111及び刻み付きナット171の内部に配置されている。刻み付きナット171は、ネジ付ロッド160の上側ネジ部161を介してネジ止めすることができ、そして、手動輪180の回転位置をロックすることができる。このため、例えば、押圧シリンダ100の動作中に、ピストンロッド110の設定長さを有利に変化させないでいることができる。
【0142】
ネジ付ロッド160と第2のピストンロッド要素112との間の固定接続は、ネジ接続を介して、特にネジ付ロッド160の下側ネジ部162を介して行うことができる。この接続は、好ましくは接着材、例えばロックタイト(Loctite)を用いて行うことができる。
【0143】
ピストンロッド110(111及び112で示される)、上側シリンダコンポーネント140及び下側シリンダコンポーネント145は、同軸上に配置されている。加えて、ピストンロッド110、特に第2のピストンロッド要素112は、下側シリンダコンポーネント145を超えて少なくとも部分的に突出している。
【0144】
図2bは、ピストンロッド110が延長された、
図2aによる押圧シリンダ100を示している。概略を理解するだけなので、先の図のすべての参照符号が再び付されているわけではない。先の図の対応する参照符号が、明示的に示されていない構成要素に適用される。
【0145】
この図は、ピストンロッド110の長さL0が延長されている構成を示している。先の図と比較すれば、第2のピストンロッド要素112が並進的に(図では軸方向下方に)変位していることがわかる。第1のピストンロッド要素111の回転移動がピストンロッド110の長さの変化を生じさせる。第1の方向の回転移動は長さL0を増加させ、第2の方向の回転移動は長さL0を減少させる。第1の方向と第2の方向は反対である。回転移動は、第1のピストンロッド要素111の縦軸を中心とする回転により生じる。第1のピストンロッド要素111と第2のピストンロッド要素112とはネジ部115を介して係合している。回転移動は、このネジ部115を介して第1のピストンロッド要素111から第2のピストンロッド要素112に伝達される。
【0146】
回転移動中に、第1のピストンロッド要素111上に対応して方向付けられる回転移動を生じさせる手動輪180が示されている。これは、第1のピストンロッド要素111よりも大きな半径を有しており、このため一定のトルクではより小さな力で済むことになるので、ピストンロッド110の長さの調整を容易にするものである。手動輪180と第1のピストンロッド要素111との間の接続は、四角形接続を介して行うことができる。
【0147】
第1のピストンロッド要素111はキャビティ113を有しており、第2のピストンロッド要素112は、キャビティ113の内部に少なくとも部分的に配置されている。第1のピストンロッド要素111と第2のピストンロッド要素112とは同軸上に配置されている。
【0148】
ピストンロッド110の長さL0が(
図2cと同様に)最小長に設定される場合には、キャビティ113内に配置される第2のピストンロッド要素112の部分L2(
図2cに印を見ることができる)は、第2のピストンロッド要素112の長さL1(
図2cに印を見ることができる)の20%以上及び/又は95%以下、好ましくは30%以上及び/又は90%以下、例えば63%である。
【0149】
ピストンロッド110の長さL0が(
図2bと同様に)最大長L0に設定される場合には、キャビティ113内に配置される第2のピストンロッド要素112の部分L2(
図2cに印を見ることができる)は、第2のピストンロッド要素112の長さL1(
図2cに印を見ることができる)の5%以上及び/又は80%以下、好ましくは10%以上及び/又は70%以下、例えば38%である。
【0150】
最大長(
図2b)に設定されたピストンロッド110の長さL0を最小長(
図2c)に設定されたピストンロッド110の長さL0と比較すると、110%から150%の範囲の値となることがわかる。この例では、120%の値が現れ、この結果、ピストンロッド110をその最短長の20%だけ有利に延長することができることになる。絶対値で表すと、最大長L0は115mm、最小長L0は95mmとなり得る。
【0151】
図2cは、ピストン130が下方に移動した、
図2aによる押圧シリンダ100を示している。また、ピストンロッド110の長さL0が最小値まで減少している(
図2aにおいては、ピストンロッド110の長さL0は、まだ全体として最小値まで減少していない)。
【0152】
押圧シリンダ100の(空圧)動作中に、空気ポートは、シリンダ空間120内に圧力を供給する役割を有しており、この圧力は、シリンダ空間120内でのピストン130の移動を生じさせる。シリンダ空間120の下端でのピストン130の位置が示されている。したがって、この図では、下側シリンダ空間領域147が図示されておらず、ピストン130によって占有されていないシリンダ空間120は、上側シリンダ空間領域142によって実質的に規定されている。
【0153】
押圧シリンダ100の(空圧)動作中に、手動輪180が(例えば中間通気中に)ピストンロッド110及びピストン130とともに並進的に移動される。このため、手動輪180と上側シリンダコンポーネント140の壁との間にエアギャップが形成され得る。その結果、摩擦損失を大幅に避けることができる。
図2aと
図2cとを比べると、押圧シリンダ100のピストン130の2つの異なる位置における手動輪180の配置がわかる。
【0154】
ストローク長L3は、シリンダ空間120の軸方向長さによって規定される。特に、図示されているようなストローク長L3は、ピストン130とシリンダ空間120の上端との間の(軸方向)距離により表すことができる。この図によるストローク長L3は、上側シリンダ空間領域142の軸方向長さにより規定される。
【0155】
有利なことに、(ここでわかるように、上側シリンダ空間領域142による)シリンダ空間120の短い軸方向長さが存在しており、その結果、ストローク長L3が短くなっている。したがって、サイクル速度の増加を実現することができる。
【0156】
ピストン130は、有利なことに、シリンダ空間120の軸方向全長L3の(ピストン130により占有されるシリンダ空間120の軸方向長さを除く)にわたって並進移動を行う。この軸方向全長は、ストローク長L3により図示されている。
【0157】
図3は、本発明の第2の態様による押圧シリンダ200,100(以下では200としてのみ言及する)を斜視図で示すものである。当業者は、同一の参照符号は第1の態様の同一の構成要素を対応して示していることを理解する。例えば、112は第2のピストンロッド要素112を表している。したがって、第1の態様の同一構成要素を第2の態様に対しても使用することができる。第2の態様においては、ネジ付ロッド、手動輪及び/又は別個のロックデバイスは、有利なことに、必ずしも必要なものとは限らない。第2の態様においては、第1のピストンロッド要素111は、有利なことに、ピストン130に対して回転可能に構成され得る(あるいは、ピストン130が、第1のピストンロッド要素111に対して回転可能に構成され得る)。
【0158】
第2のピストンロッド要素112は、固定コンポーネントを含んでおり、この固定コンポーネントは横断ピンであり得る。この結果、第1のピストンロッド要素111の回転中の第2のピストンロッド要素112の回転を実質的に防止することができる。固定コンポーネントは、ピストンロッドの側面を少なくとも部分的に超えて横方向に突出している。固定コンポーネントは、材料搬送デバイス1の可動コンポーネント2に係合可能である。固定コンポーネントは、本明細書で述べられているすべての第2のピストンロッド要素112に設けられ得る。これに代えて、あるいはこれに加えて、材料搬送デバイス1の可動コンポーネント2における第2のピストンロッド要素112の設置位置も、第1のピストンロッド要素111の回転中の第2のピストンロッド要素112の回転を実質的に防止することができる。
【0159】
押圧シリンダは、第1のピストンロッド要素111の回転移動を生じさせるように構成されるモータ280をさらに備えている。
【0160】
図3aは、
図3による押圧シリンダ200をさらなる斜視図で示すものである。
【0161】
この図では、押圧シリンダ200は、説明のためにモータ280がない状態で示されている。第1のピストンロッド要素111は、モータ280のクラッチ281に対するポジティブロッキング四角形接続(positively locking square connection)を可能にする四角形状を有していることがわかる。
【0162】
図3bは、
図3による押圧シリンダ200を横方向の断面図で示すものである。この図は、当業者にとって特に
図2~
図2cから明らかであり、概略を理解するという理由のために再び列挙しない符号を有するコンポーネントを示している。
【0163】
モータ280は、モータ280のモータシャフト282に実質的に固定的に接続されるクラッチ281をさらに含んでおり、クラッチ281は、第1のピストンロッド要素111と係合している。ピストンロッド110、特に第1のピストンロッド要素111は、クラッチ281に対して軸方向に移動可能に構成されている。ピストンロッド110、特に第1のピストンロッド要素111は、クラッチ281に対して回転できないように構成されている。これにより、これら2つのコンポーネントは、(本明細書では四角形接続を介して)回転に関して固定された状態で実質的に接続されている。このため、クラッチ281は、第1のピストンロッド要素111の(望ましくない)回転移動を防止し、さらに/あるいは第1のピストンロッド要素111の(望ましい)回転移動を生じさせることができる。したがって、ピストンロッド110の設定長さL0における(望ましくない)変化を実質的に防止することができる。
【0164】
図3cは、ピストンロッド110が延長された、
図3bによる押圧シリンダ200を示すものである。この図の参照符号を理解するために
図2bの対応する説明が適用される。特に、当業者は、
図2bと
図2cとの間(及び
図2bと
図2aとの間)のピストンロッド110の長さL0の変化を使って、
図3bと
図3cとの間のピストンロッド110の長さL0の変化を理解する。
【0165】
しかしながら、有利なことに、
図3b及び
図3cを参照すると、第1のピストンロッド要素111の回転移動はモータ280により生じる。
【0166】
ピストンロッド110の長さL0が(
図3b又は
図3dと同様に)最小長に設定される場合、キャビティ113内に配置される第2のピストンロッド要素112の部分L2は、第2のピストンロッド要素112の長さL1の20%以上及び/又は95%以下、好ましくは30%以上及び/又は90%以下、例えば66%である。
【0167】
ピストンロッド110の長さL0が最大長に設定される場合、キャビティ113内に配置される第2のピストンロッド要素112の部分L2は、第2のピストンロッド要素112の長さL1の5%以上及び/又は80%以下、好ましくは10%以上及び/又は70%以下、例えば36%である。
【0168】
最大長(
図3c)に設定されたピストンロッド110の長さL0を最小長(
図3b及び
図3d)に設定されたピストンロッド110の長さL0と比較すると、110%から150%の範囲の値となることがわかる。この例では、120%の値が現れ、この結果、ピストンロッド110をその最短長の20%だけ有利に延長することができることになる。
【0169】
図3dは、ピストンが下方に移動した、
図3bによる押圧シリンダ200を示すものである。ピストンロッド110の長さL0が
図3bと同様に最小値まで減少している。したがって、長さL1に対する長さL2の比率が最も高い。
【0170】
図2cにおける説明と同様に、ピストン130は、
図3dにおいて下方位置に示されている。例えば、これは、押圧シリンダ200の空圧動作によって実現される。この結果として、ピストン130が並進的に下方に移動する(下側空気ポートに与えられる圧力により、これに対応してピストン130を上方に移動させることができる)。
図2cの対応する説明が同様に
図3dに適用される。
【0171】
図4は、本発明の実施形態による押圧シリンダ100,200を示している。この実施形態は、両方の態様に対して同様に用いられる。
【0172】
押圧シリンダ100,200は、シリンダ空間120内に配置されたスペーサディスク121を含んでいる。スペーサディスク121は、4.0mm以下及び/又は0.5mm以上の厚さを有している。この例においては、スペーサディスク121は2.0mmの厚さを有している。この例におけるストローク長L3は0.7mmである(スペーサディスク121がないと2.7mm)。したがって、ストローク長L3を有利に短くすることができる。これにより、サイクル速度を上げることが可能となる。例えば、ストローク長L3が0.7mmであることは、押圧シリンダ100,200が提供する中間通気開口が0.7mmであることも意味し得る。
【0173】
スペーサディスク121は、上側シリンダ空間領域141(別個に示されていない)の上側壁上に配置されており、この壁は上側シリンダコンポーネント140の下側壁と一致する。
【0174】
シリンダ空間120内のピストン130の(軸方向)端部位置は、上側シリンダコンポーネント140(又は本明細書で述べられるようなスペーサディスク121)の下側壁及び下側シリンダコンポーネント145の上側壁を介して提供される。
【0175】
例えば、押圧シリンダ100,200は、1500ストローク/分以上、あるいは2000ストローク/分以上を実現することができる。これは、有利なことに、高速のサイクル速度を提供する。一例では、ストロークを行うためにどれくらいの時間が利用できるのかも関係があり得る。これは、中間通気角度及び/又は必要な(空気)圧力による影響を受け得る。
【0176】
中間通気角度は、中間通気ストロークを行う(例えば、ピストンを上方に移動し、ピストンを下方に移動する)のに利用可能な時間に影響を与え得る。例えば、(0.12秒/ストロークを意味する500ストローク/分であるとして)中間通気角度60°は、時間のたった360°/60°=1/6が中間通気を行うのに利用可能である(0.12秒/ストローク/6=0.02秒/ストローク)ことを意味している。したがって、一例においては、より大きな中間通気角度では、(より多くの時間が利用可能であるため)より高速なサイクル速度(より大きなストローク/分)を実現することができる。この例は、理解のためだけに役立つものであり、限定するものと理解すべきではない。
【0177】
圧力による影響を次のように理解することができる。より低い空気圧が必要とされるときには、シリンダ空間はより速く充填される。より高い空気圧が必要とされるときには、簡略化した仮定の下での理想気体の法則によれば空気を圧縮することができるので、より多くの空気容量がシリンダ空間に導入される必要がある。
【0178】
図5は、本発明のさらなる実施形態による押圧シリンダ100,200を示すものである。
【0179】
押圧シリンダ100,200は、シリンダ空間120内でのピストン130の現在位置を検出するように構成されるセンサ155、好ましくは渦電流センサ155を備えている。センサ155は、センサ155とピストン130の下面との間の距離を検出するように構成される。
【0180】
渦電流センサ155による測定の原理は以下のように理解することができる。磁場内で導電体が移動すると、導電体内に電圧が誘起されるので、この磁場内に渦電流が発生する。したがって、特に導電コンポーネントの寸法、距離及び/又は位置を測定することができる。
【0181】
図6は、本発明の実施形態による材料搬送デバイス1内の空圧押圧シリンダ100,200のピストンロッド110の長さL0を調整するための方法1000の模式的フローチャートを示すものである。方法1000は、必要に応じて押圧シリンダ100,200を減圧し1100、必要に応じて第1のピストンロッド要素111を第2の方向に回転し1200、材料10、特にストリップ材料を材料搬送デバイス1に導入し1300、押圧シリンダ100,200のピストンロッド110の第1のピストンロッド要素111を第1の方向に回転して1400、押圧シリンダ100,200のピストンロッド110の第2のピストンロッド要素112の並進移動を生じさせ、材料搬送デバイス1の可動コンポーネント2,5と材料10との間が接触又は所定の距離に達すると回転を終了し1500、必要に応じて、好ましくは接触に達した場合に、第1のピストンロッド要素111を第2の方向に回転して1600、第2のピストンロッド要素112の反対方向への並進移動を生じさせることを含んでいる。
【0182】
上記実施形態においては、厚いストリップ材料10の場合、ピストンロッド110の長さは通常短くなることは特に有利であり得る。薄いストリップ材料10の場合、ピストンロッド110の長さは通常増加する。
【0183】
(中間通気のために)押圧シリンダの動作中に与えられる圧力(接触圧力)は、時としてストリップ材料、特にストリップ材料の表面、ストリップ材料に対する材料搬送デバイスの加速度及び多数のさらなるパラメータに依存し得る。
【0184】
保護の範囲は、特許請求の範囲によって決定され、例示的な実施形態及び/又は図によって制限されるものではない。
【符号の説明】
【0185】
6.参照符号の一覧
1 材料搬送デバイス、特にローラ送り
2 ロッカ
3 ロッカの転心
5,6 ローラ
10 ストリップ材料
F ストリップ材料の搬送方向
L0 ピストンロッドの長さ
L1 第2のピストンロッド要素の長さ
L2 第1のピストンロッド要素のキャビティ内に配置された第2のピストンロッド要素の部分
L3 ストローク長
100,200 押圧シリンダ
110 ピストンロッド
111 第1のピストンロッド要素
112 第2のピストンロッド要素
113 第1のピストンロッド要素のキャビティ
115 ネジ部
120 シリンダ空間
121 スペーサディスク
130 ピストン
140 上側シリンダコンポーネント
141 上側空気ポート
142 上側シリンダ空間領域
145 下側シリンダコンポーネント
146 下側空気ポート
147 下側シリンダ空間領域
150 平軸受
155 センサ
160 ネジ付ロッド
161 ネジ付ロッドの上側ネジ部
162 ネジ付ロッドの下側ネジ部
170 ロックデバイス
171 刻み付きナット
180 手動輪
280 モータ
281 クラッチ
282 モータシャフト
1000 方法
1100 方法ステップ:任意的な減圧
1200 方法ステップ:任意的な第2の方向への回転
1300 方法ステップ:材料の導入
1400 方法ステップ:第1の方向への回転
1500 方法ステップ:回転の終了
1600 方法ステップ:任意的な第2の方向への回転
【外国語明細書】