(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035216
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ガス制御システム、製造装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20240306BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20240306BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240306BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240306BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240306BHJP
B29C 64/35 20170101ALI20240306BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/209
B33Y50/02
B33Y30/00
B33Y10/00
B29C64/35
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141128
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】17/901,334
(32)【優先日】2022-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロンバーグ、ヴァディム
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AP02
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL67
4F213WL74
4F213WL85
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プリントヘッドのノズル内の目詰まりに対処することができるように、プリントヘッドに向けられる圧力を制御するための代替プリントアセンブリおよびその構成要素を提供する。
【解決手段】ガス制御システム106は、正圧容器202と、負圧容器204と、プリントヘッドアセンブリの第1マニホルドとの間のガス流を制御するように構成された第1圧力制御バルブ206と、プリントヘッドアセンブリの第2マニホルドとの間のガス流を制御するように構成された第2圧力制御バルブ208とを含む。通常正圧モードの間、ガスは正圧容器から、第1圧力制御バルブおよび第2圧力制御バルブの各々の1つを通って、第1マニホルドおよび第2マニホルドに流れる。正圧パージモードの間、正圧容器からのガスは、第1圧力制御バルブおよび第2圧力制御バルブをバイパスして、第1マニホルドおよび第2マニホルドに流れる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正圧容器(202)と、
負圧容器(204)と、
プリントヘッドアセンブリ(102)の第1マニホルド(116)との間のガスの第1フローを制御するように構成されている第1圧力制御バルブ(206)と、
前記プリントヘッドアセンブリ(102)の第2マニホルド(118)との間のガスの第2フローを制御するように構成されている第2圧力制御バルブ(208)と、
を含み、
正圧通常モードの間、ガスの前記第1フローおよびガスの前記第2フローを形成するガスの1次フローは、前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)の各々の1つを通って、前記正圧容器(202)から前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)へ流れ、
正圧パージモードの間、前記正圧容器(202)からのガスの前記第1フローおよびガスの前記第2フローは、前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)へ流れるように、前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)をバイパスする、
ガス制御システム。
【請求項2】
負圧パージモードおよび負圧通常モードの間、ガスの前記第1フローおよびガスの前記第2フローは、前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)の各々の1つを通って、前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)から前記負圧容器(204)に引き込まれる、
請求項1に記載のガス制御システム。
【請求項3】
前記正圧容器(202)は、10psi以上20psi以下の正圧に較正され、
前記負圧容器(204)は、-10psi以下-15psi以上の負圧に較正される、
請求項1または請求項2に記載のガス制御システム。
【請求項4】
第1開状態と、第2開状態と、閉状態との間で位置付け可能な第1正圧バルブ(210)と、
第1開状態と、第2開状態と、閉状態との間で位置付け可能な制御側第1マニホルドバルブ(212)と、
をさらに含み、
前記第1正圧バルブ(210)が前記第1開状態にあるとき、前記正圧容器(202)からのガスの前記1次フローは前記制御側第1マニホルドバルブ(212)に導かれ、
前記第1正圧バルブ(210)が前記第2開状態にあるとき、前記正圧容器(202)からのガスの前記1次フローは前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)に導かれる、
請求項1または請求項2に記載のガス制御システム。
【請求項5】
開状態と閉状態との間で位置付け可能な第1負圧バルブ(214)、
をさらに含み、
前記第1負圧バルブ(214)が前記開状態にあるとき、前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)から前記負圧容器(204)にガスの2次フローを引き込むことが可能である、
請求項1または請求項2に記載のガス制御システム。
【請求項6】
第1開状態と、第2開状態と、閉状態との間で位置付け可能な制御側第2マニホルドバルブ(216)、
をさらに含み、
前記制御側第2マニホルドバルブ(216)が前記第1開状態にあるとき、前記正圧容器(202)からのガスの前記1次フローは前記制御側第2マニホルドバルブ(216)を通って、前記第2マニホルド(118)に流れることが可能であり、
前記制御側第2マニホルドバルブ(216)が前記第2開状態にあるとき、ガスの2次フローは、前記第2マニホルド(118)と前記第2圧力制御バルブ(208)との間を流れることが可能である、
請求項1または請求項2に記載のガス制御システム。
【請求項7】
第1マニホルド(116)と、第2マニホルド(118)と、プリントヘッドと、を含むプリントヘッドアセンブリ(102)であって、
前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)は前記プリントヘッドとの間でバインダの第1フローを導き、
前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)は、前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)の各々の1つにおけるバインダのレベルを検出するためのフロート(132A、132B、146A、146B)を各々含む、
プリントヘッドアセンブリ(102)と、
前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)へのバインダの第2フローを制御するためのバインダ制御システム(104)と、
請求項1に記載の前記ガス制御システムと、
を含む、製造装置(100)。
【請求項8】
負圧通常モードの間、前記フロート(132A、132B、146A、146B)が所定のしきい値を下回るバインダのレベルを検出した場合、前記負圧容器(204)は前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)から、前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)の各々の1つを通してガスを引き出す、
請求項7に記載の製造装置(100)。
【請求項9】
前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)の各々の前記フロート(132A、132B、146A、146B)は、
前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)の各々の1つのバインダの前記レベルが所定の上側閾値を上回るときを検出するように構成されている上側フロート(132A、146A)と、
前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)の各々の1つのバインダの前記レベルが所定の下側閾値を下回るときを検出するように構成されている下側フロート(132B、146B)と、
を含む、請求項7または請求項8に記載の製造装置(100)。
【請求項10】
負圧パージモードおよび負圧通常モードの間、ガスは、前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)の各々の1つを通して、前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)から前記負圧容器(204)に引き込まれる、
請求項7または請求項8のいずれか1項に記載の製造装置(100)。
【請求項11】
較正モードの間、前記負圧容器(204)からガスを引き出し、前記ガスを前記正圧容器(202)に戻して、前記負圧容器(204)の負圧および前記正圧容器(202)の正圧を確立するように構成されているデュアルピストンアセンブリ(244)、
をさらに含む、請求項7または請求項8に記載の製造装置(100)。
【請求項12】
前記正圧容器(202)と直接流体連通する外部ガスサプライ(252)と、
前記外部ガスサプライ(252)と流体連通するベンチュリ装置(256)と、
をさらに含み、
較正モードの間、前記外部ガスサプライ(252)は前記正圧容器(202)の正圧を確立するためにガスを前記正圧容器(202)に導き、
前記較正モードの間、前記外部ガスサプライ(252)はガスを前記ベンチュリ装置(256)に導き、
前記ベンチュリ装置(256)は、前記負圧容器(204)の負圧を確立するようにガスを前記負圧容器(204)から引き出すように構成されている、
請求項7または請求項8に記載の製造装置(100)。
【請求項13】
ガス制御システム(106)の正圧容器(202)を正圧に圧力調整し、
負圧容器(204)に真空を生成するために、前記ガス制御システム(106)の前記負圧容器(204)を負圧に圧力調整し、
前記正圧容器(202)と前記負圧容器(204)との間でガスを移動させて、完全に閉じたガス回路を達成し、
前記ガス制御システム(106)を動作させて、第1マニホルド(116)および第2マニホルド(118)のバインダのレベルを維持するために通常動作を実行し、
前記通常動作は、前記正圧容器(202)からのガスが第1圧力制御バルブ(206)を介して第1マニホルド(116)に導かれ、前記正圧容器(202)からのガスが第2圧力制御バルブ(208)を介して第2マニホルド(118)に導かれる、通常正圧通常モードを含み、
前記ガス制御システム(106)を動作させて、プリントヘッド(114)のノズルの目詰まりを解除するためのパージ動作を実行し、
前記パージ動作は、前記正圧容器(202)からのガスが前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)をバイパスしながら前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)に流れることを許可される正圧パージモードを含む、
方法。
【請求項14】
パージ動作の負圧パージモードおよび通常動作の通常負圧モードの間、前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)から、前記第1圧力制御バルブ(206)および前記第2圧力制御バルブ(208)の各々の1つを通して、前記負圧容器(204)にガスを引き込むことをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記パージ動作および前記通常動作の前に前記正圧容器(202)を正圧に較正し、前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)にガスを送達することを可能とし、
前記パージ動作および前記通常動作の前に前記負圧容器(204)を負圧に較正し、前記第1マニホルド(116)および前記第2マニホルド(118)からガスを引き出すことを可能とする、
請求項13または請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書はプリントアセンブリに関し、特に、製造装置のプリントヘッドの制御システム及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリントアセンブリを利用して、3次元の物体または部品などの物体を、ビルドマテリアルから、層状に「ビルド」することができる。プリントアセンブリの初期反復は、3次元部品のプロトタイピングに使用された。しかしながら、プリントアセンブリテクノロジーが改善されるにつれて、部品の大規模な商業的製造のためにプリントアセンブリを利用することに対する関心が高まっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の一態様は、正圧容器と、負圧容器と、プリントヘッドアセンブリの第1マニホルドとの間のガスの第1フローを制御するように構成されている第1圧力制御バルブと、前記プリントヘッドアセンブリの第2マニホルドとの間のガスの第2フローを制御するように構成されている第2圧力制御バルブと、を含み、正圧通常モードの間、ガスの前記第1フローおよびガスの前記第2フローを形成するガスの1次フローは、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブの各々の1つを通って、前記正圧容器から前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドへ流れ、正圧パージモードの間、前記正圧容器からのガスの前記第1フローおよびガスの前記第2フローは、前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドへ流れるように、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブをバイパスする、ガス制御システムである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、ガス制御システムおよびプリントヘッドアセンブリを含む製造装置を概略的に示す。
【
図2】
図2は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1の製造装置を動作させるための製造システムを概略的に示す。
【
図3】
図3は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図1のガス制御システムの斜視図を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図3のガス制御システムの構成要素および
図1のプリントヘッド装置のプリントヘッドを概略的に示す。
【
図5】
図5は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、正圧パージモード中の
図3のガス制御システムを通るガス流を概略的に示す。
【
図6】
図6は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、負圧パージモード中の
図3のガス制御システムを通るガス流を概略的に示す。
【
図7】
図7は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、通常の正圧モード中の
図3のガス制御システムを通るガス流を概略的に示す。
【
図8】
図8は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、通常の負圧モード中の
図3のガス制御システムを通るガス流を概略的に示す。
【
図9】
図9は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、較正モードの実施形態の間の、
図3のガス制御システムを通るガス流を概略的に描写する。
【
図10】
図10は本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、較正モードの別の実施形態中の
図3のガス制御システムを通るガス流を概略的に描写する。
【
図11】
図11は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、クリーニングモード中の
図3のガス制御システムを通るガス流を概略的に描写する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図面に示される実施形態は本質的に例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図するものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示されている図面と併せて読むと理解することができる。
【0006】
一般に、例えば、製造用途、ジェットプリント用途、および他のプリントタイプを含む、様々な状況で利用されるプリントアセンブリは、上述のものと並行した問題を含む。例えば、製造装置は一般に、プリントヘッドデバイスとも呼ばれるプリントアセンブリを含み、これは、製造工程中に噴射ノズルの配列を通してマテリアルを堆積させる。これらのプリントヘッド装置は、典型的には個々のプリントヘッドへの入口および出口の流れを制御するための二重容器を有するマニホルドを利用する。しかしながら、これらのノズルはバインダで目詰まりすることがあり、そのため、目詰まりを緩和するためにパージ動作が必要とされる。プリントヘッドノズルをパージするために、電気ポンプベースの圧力制御システムを利用することができる。しかしながら、このような電動ポンプベースシステムは、不活性ガス雰囲気中でバインダを用いて動作するのにはあまり適していない。具体的には、電動ポンプベースのシステムは可燃性材料と共に容易かつ安全に使用することができず、電動ポンプベースのシステムは一般に、圧力および流量の両方を増加および減少させるのが遅い。さらに、電気ポンプベースのシステムは、電気機械部品の故障をより起こしやすい。
【0007】
したがって、プリントヘッドのノズル内の目詰まりに対処することができるように、プリントヘッドに向けられる圧力を制御するための代替プリントアセンブリおよびその構成要素が必要とされている。
【0008】
ここで、製造装置の実施形態およびその構成要素を詳細に参照するが、その例は添付の図面に示されている。可能な場合は常に、同じまたは同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。
図1に概略的に例示されている製造装置の実施形態は、第1マニホルド、第2マニホルド、および1つまたは複数のプリントヘッドを含むプリントヘッドアセンブリと、バインダ制御システムと、ガス制御システムと、電源と、バインダ槽とを含む。電源は、バインダ制御システム、ガス制御システム、およびプリントヘッドアセンブリに電力を供給する。バインダ制御装置は、バインダ槽から第1マニホルド及び第2マニホルドの各々へのバインダの流れを制御する。ガス制御装置は外部ガスサプライから第1マニホルド及び第2マニホルドの各々へのガス流を制御し、並びにバインダの流れ動作中にガス流を調節する。パージ動作中、ガス制御システムとマニホルドとの間でガスを急速に循環させて、1つまたは複数のプリントヘッドの詰まったノズルをパージすることができる。以下、添付図面に基づいて、本発明の製造装置のプリントアセンブリ、プリントアセンブリを備える製造装置、及び、その使用方法の実施形態について、さらに詳しく説明する。本明細書に示され、説明される製造装置の実施形態は、3次元および/または非三次元の物体または部品をビルドするように構成され、動作可能であり得ることを理解されたい。
【0009】
本明細書で、範囲は「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表すことができる。そのような範囲が表される場合、別の実施形態は1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用によって値が近似値として表される場合、特定の値は別の実施形態を形成することが理解されよう。範囲の始点及び終点は各々他方の点(終点及び始点)との関連において重要な意味を持ち、且つ、当該他方の点とは独立した意味を有している。
【0010】
「実質的に」および「約」という用語は、本明細書では任意の定量的比較、値、測定、または他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために利用され得ることに留意されたい。これらの用語はまた、定量的表現が問題の主題の基本的機能の変化をもたらすことなく、記載された参照から変化し得る程度を表すために、本明細書において利用される。
【0011】
特に明示的に記載されない限り、本明細書に記載される任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図されない。したがって、方法クレームが実際にそのステップに従うべき順序を列挙していない場合、または任意の装置クレームが実際に個々の構成要素に対する順序または向きを列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていないことが、特許請求の範囲または説明において別段具体的に述べられていない場合、順序または向きがいかなる点においても推論されることは決して意図されていない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理の問題、文法的編成または句読点から導出される平易な意味、および本明細書に記載される実施形態の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的基礎に当てはまる。
【0012】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの」などは文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「1つの」構成要素への言及は文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0013】
本明細書に記載される実施形態は製造装置(例えば、付加製造装置)および製造装置のための構成要素、具体的には、バインダおよび他の噴射可能なマテリアルを堆積させるためのプリントアセンブリを対象とする。本明細書で説明される様々な実施形態は、プリントアセンブリの目詰まり除去動作を実行するように実装され得る。本明細書で開発され、説明される技術は製造に関連するが、本技術の態様は2Dプリントなどの関連産業における用途を有し得ることが理解される。
【0014】
ここで
図1を参照すると、本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態による製造装置100が示されている。製造装置100は一般に、プリントヘッドアセンブリ102と、プリントヘッドアセンブリ102へのバインダの流れを制御するためのバインダ制御システム104と、プリントヘッドアセンブリ102へのガス流を制御するためのガス制御システム106と、バインダ制御システム104、ガス制御システム106、およびプリントヘッドアセンブリ102に電力を供給するための電源108と、供給バインダを貯蔵するためのバインダ槽110とを含むことができる。プリントヘッドアセンブリ102は、マニホルドアセンブリ112およびプリントヘッド114を含む。
図1には1つのプリントヘッド114のみが示されているが、プリントヘッドアセンブリ102は複数のプリントヘッド114を含む任意の個数のプリントヘッドを含むことができることを理解されたい。
【0015】
マニホルドアセンブリ112に関して、マニホルドアセンブリ112は、入口または第1マニホルド116と、出口または第2マニホルド118とを含む。実施形態では、第1マニホルド116がプリントヘッド114に送達される前にバインダを記憶する。第2マニホルド118は、プリントヘッド114からの未使用バインダを格納する。いくつかの実施形態では、第2マニホルド118がプリントヘッド114を通って流れる未使用のバインダとは対照的に、第1マニホルド116から直接的にバインダを受け取る。実施形態において、バインダは溶媒系バインダである。
【0016】
第1マニホルド116は、第1マニホルド116をガス制御システム106と流体連通させる第1ガス入口ライン120を含む。第1ガス入口ライン120はガスをガス制御システム106から第1マニホルド116に導き、第1マニホルド116内のガスの圧力を検出するための第1ガスゲージ122を含む。
【0017】
第1マニホルド116はさらに、第1バインダ入口ライン124と、第1マニホルド116をバインダ制御装置104と連通させる第1バインダ出口ライン126とを含む。第1バインダ入口ライン124は、バインダ制御装置104、ひいてはバインダ槽110から第1マニホルド116へと導く。第1バインダ入口バルブ128は第1マニホルド116へのバインダの流れを制御するために、第1入口ライン124に設けられる。第1バインダ出口ライン126は、バインダが第1マニホルド116から流出することを可能にする。したがって、バインダはバインダ槽110の出口110Aから、バインダ制御装置104を通って、第1バインダ入口ライン124を通って第1マニホルド116に流れることができる。同様に、バインダは第1バインダ出口ライン126を通って第1マニホルド116から流出し、バインダ制御装置104を通って戻り、バインダ槽110の入口110Bに戻ることができる。第1バインダ出口バルブ130は第1マニホルド116から出るバインダの流れを制御するために、第1出口ライン126に設けられる。
【0018】
第1マニホルド116は、第1上側フロート132Aおよび第1下側フロート132Bをさらに含む。第1上側フロート132Aおよび第1下側フロート132Bは、第1マニホルド116内のバインダのレベル(高さ)を検出するように構成される。第1上側フロート132Aがバインダのレベルが所定の上側しきい値を超えたことを検出すると、ガス制御システム106は本明細書で論じられるように、第1マニホルド116内のガスの加圧を増大させるように動作される。あるいは第1下側フロート132Bがバインダの水準が所定の下側しきい値を下回ることを検出すると、ガス制御装置106は第1マニホルド116内のガスを減圧するように作動される。
【0019】
同様に、第2マニホルド118は、第2マニホルド118をガス制御システム106と流体連通させる第2ガス入口ライン134を含む。第2ガス入口ライン134はガスをガス制御システム106から第2マニホルド118に導き、第2マニホルド118内のガスの圧力を検出するための第2ガスゲージ136を含む。
【0020】
第2マニホルド118はさらに、第2バインダ入口ライン138と、第2マニホルド118をバインダ制御装置104と連通させる第2バインダ出口ライン140とを含む。第2バインダ入口ライン138は、バインダ制御装置104、ひいてはバインダ槽110から第2マニホルド118へとバインダを導く。第2バインダ入口バルブ142は、第2マニホルド118へのバインダの流れを制御するために第2バインダ入口ライン138に設けられる。第2バインダ出口ライン140は、バインダが第2マニホルド118から流出することを可能にする。したがって、バインダはバインダ槽110の出口110Aから、バインダ制御装置104を通って、第2バインダ入口ライン138を通って第2マニホルド118に流れることができる。同様に、バインダは第2バインダ出口ライン140を通って第2マニホルド118から流出し、バインダ制御装置104を通って戻り、バインダ槽110の入口110Bに戻ることができる。第2バインダ出口バルブ144は第2マニホルド118から出るバインダの流れを制御するために、第2出口ライン140に設けられる。実施形態では第2バインダ入口ライン138が第1バインダ入口ライン124と合流し、第2バインダ出口ライン140は第1バインダ出口ライン126と合流する。
【0021】
第2マニホルド118は、第2上側フロート146Aおよび第2下側フロート146Bをさらに含む。第2上側フロート146Aおよび第2下側フロート146Bは、第2マニホルド118内のバインダのレベルを検出するように構成される。第2上側フロート146Aがバインダのレベルが所定の上側しきい値を超えたことを検出すると、ガス制御システム106は本明細書で論じられるように、第2マニホルド118内のガス圧を上昇させるように動作される。あるいは第2下側フロート146Bがバインダの水準が所定の下側しきい値を下回ることを検出すると、ガス制御装置106は第2マニホルド118内のガスを減圧するように作動される。図示されていないが、第1マニホルド116および第2マニホルド118を互いに直接流体連通させるためにバイパスラインが設けられてもよいことを理解されたい。バイパスラインは、プリントヘッド114を通って流れる必要なく、バインダが第1マニホルド116から第2マニホルド118に流れることを可能にすることができる。これは、バインダ槽110から第1マニホルド116または第2マニホルド118に特別に圧送される追加のバインダを必要とすることなく、第1マニホルド116または第2マニホルド118のいずれかのバインダのレベルを調整するために必須であり得る。
【0022】
第1マニホルド116は第1マニホルド供給ライン148を介してプリントヘッド114と流体連通し、第2マニホルド118は、第2マニホルド供給ライン150を介してプリントヘッド114と流体連通する。プリントヘッド114と第1マニホルド116との間のバインダの流れを制御するために、第1マニホルド供給ライン148に第1マニホルド供給ラインバルブ152が設けられる。プリントヘッド114と第2マニホルド118との間のバインダの流れを制御するために、第2マニホルド供給ライン150に第2マニホルド供給ラインバルブ154が設けられる。実施形態ではバインダが第1マニホルド116から第1マニホルド供給ライン148を介してプリントヘッド114に流れ、バインダはプリントヘッド114の1つまたは複数のノズルから分配される。その後、未使用のバインダは、プリントヘッド114から第2マニホルド供給ライン150を介して第2マニホルド118に流れる。
【0023】
第1マニホルド116から第2マニホルド118へのプリントヘッド114を通るバインダの流れは、第1マニホルド116内の圧力が第2マニホルド118内の圧力よりも大きいことに部分的に起因する。例えば、第1マニホルド116内の圧力は-150mmH2Oと-250mmH2Oとの間であってもよく、第2マニホルド118内の圧力は-200mmH2Oと-300mmH2Oとの間であってもよい。より具体的には例えば、第1マニホルド116内の圧力は-175mmH2Oと-225mmH2Oとの間であってもよく、第2マニホルド118内の圧力は-225mmH2Oと-275mmH2Oとの間であってもよい。しかしながら、プリントヘッド114のノズルはノズルの目詰まりを除去するために、プリントヘッド114がパージ動作を受ける必要があり得るように、詰まることがある。本明細書に記載されるように、ガス制御システム106は第1マニホルド116および第2マニホルド118内の圧力がプリントヘッド114のノズル内のバインダを詰まらせるために、繰り返し増加および減少され得るように、パージ動作を実行するように動作され得る。本明細書で提供される圧力はゲージ圧力、すなわち、プリントヘッドアセンブリ102を囲む周囲に対する圧力であることを理解されたい。
【0024】
ここで
図2を参照すると、バインダ制御システム104、ガス制御システム106、電源108、バインダ槽110、およびマニホルドアセンブリ112およびプリントヘッド114を含むプリントヘッドアセンブリ102、ならびにそれらの個々の構成要素を動作させるための製造システム180が、本明細書でより詳しく論じるように提供され得る。製造装置180は、電子制御ユニット182と、ネットワークインターフェースハードウエア184と、これらの構成要素に通信可能に結合された通信経路186とを備えることができる。
【0025】
電子制御ユニット182は、プロセッサ188と、様々な構成要素が通信可能に結合される非一時的電子メモリ190とを備える。いくつかの実施形態では、プロセッサ188および非一時的電子メモリ190および/または他の構成要素が単一のデバイス内に含まれる。他の実施形態では、プロセッサ188および非一時的電子メモリ190および/または他の構成要素が通信可能に結合された複数のデバイス間で分散され得る。電子制御ユニット182は、機械可読命令のセットを記憶する非一時的電子メモリ190を含む。プロセッサ188は、非一時的電子メモリ190に記憶された機械可読命令を実行する。非一時的電子メモリ190は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または機械可読命令がプロセッサ188によってアクセスされ得るように機械可読命令を記憶することが可能な任意のデバイスを備え得る。したがって、本明細書で説明される製造システム180は、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で、事前にプログラムされたハードウェア要素として、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組合せとして実装され得る。非一時的電子メモリ190は、1つのメモリモジュールまたは複数のメモリモジュールとして実装され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、非一時的電子メモリ190が製造システム180の機能を実行するための命令を含む。命令は、バインダ制御システム104、ガス制御システム106、電源108、バインダ槽110、およびマニホルドアセンブリ112およびプリントヘッド114を含むプリントヘッドアセンブリ102、ならびにそれらの個々の構成要素を動作させるための命令を含むことができる。
【0027】
プロセッサ188は、機械可読命令を実行することが可能な任意のデバイスであり得る。たとえば、プロセッサ188は、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または任意の他のコンピューティングデバイスであり得る。非一時的電子メモリ190およびプロセッサ188は、製造システム180の様々な構成要素および/またはモジュール間の信号相互接続性を提供する通信経路186に結合される。したがって、通信経路186は任意の数のプロセッサを互いに通信可能に結合することができ、通信経路186に結合されたモジュールが分散コンピューティング環境で動作することを可能にする。具体的には、モジュールの各々がデータを送信および/または受信することができるノードとして動作することができる。本明細書で使用されるとき、「通信可能に結合された」手段という語は、例えば、導電性媒体を介した電気信号、空中を介した電磁気信号、光導波路を介した光信号などの、互いにデータ信号を交換することができる結合された構成要素を意味する。
【0028】
図2に概略的に示されるように、通信経路186は、電子制御ユニット182のプロセッサ188および非一時的電子メモリ190を製造システム180の複数の他の構成要素と通信可能に結合する。例えば、
図2に示す製造システム180は、プロセッサ188と、バインダ制御システム104、ガス制御システム106、電源108、バインダ槽110、マニホルドアセンブリ112、およびプリントヘッド114と通信可能に結合された非一時的電子メモリ190とを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、製造システム180が製造システム180を、ネットワークを介して、コンピューティングデバイスに通信可能に結合するためのネットワークインターフェースハードウエア184を含む。コンピューティングデバイスは、限定はしないが、スマートフォン、タブレット、パーソナルメディアプレーヤ、またはワイヤレス通信機能を含む任意の他の電気装置を含み得る。提供される場合、コンピューティングデバイスは、電子制御ユニット182とネットワークを介して無線通信することによって、電子制御ユニット182にユーザ命令を遠隔で提供するように機能し得ることを理解されたい。実施形態では、製造システム180が、ユーザがバインダ制御システム104、ガス制御システム106、電源108、バインダ槽110、マニホルドアセンブリ112、及びプリントヘッド114の動作を制御することを可能にする操作デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、操作デバイスがスイッチ、トグル、ボタン、またはユーザ操作を提供するための制御の任意の組合せであってもよい。操作デバイスは通信経路186が操作デバイスを製造システム180の他のモジュールに通信可能に結合するように、通信経路186に結合される。
【0030】
ここで
図3および
図4を参照すると、ガス制御システム106は、パネル200と、ブラケットおよび他の締結具を利用するなど、任意の適切な方法でパネル200に取り付けられた複数の様々な構成要素と、を含む。構成要素は一般に、マニホルドアセンブリ112の第1マニホルド116および第2マニホルド118の各々に不活性ガスなどのガスを供給するための正圧容器202と、マニホルドアセンブリ112の第1マニホルド116および第2マニホルド118の各々から不活性ガスなどのガスを引き出すための負圧容器204と、第1マニホルド116内の圧力を制御するための第1圧力制御バルブ206と、第2マニホルド118内の圧力を制御するための第2圧力制御バルブ208と、を含む。正圧容器202は、正圧のガスを含むプレナムチャンバを画定するように構成された任意の適切な容器であってもよいことが理解されるのであろう。負圧容器204は、負圧のガスを含む真空チャンバを画定するように構成された任意の適切な容器であってもよいことが理解されるであろう。
【0031】
第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208は、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208を通って流れるガスの速度を制御することによって、各々、第1マニホルド116および第2マニホルド118に出入りするガスの量を制御する。実施形態では、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208は比例バルブである。マニホルドアセンブリ112のパージ動作を実行する前に、またはガス制御システム106の通常動作中に、正圧容器202は正に加圧(圧力調整)され、例えば、0psiを超え、負圧容器204は負に加圧(圧力調整)されて、真空、すなわち、0psi未満を提供する。より具体的には例えば、正圧容器202は10psi以上20psi以下の圧力に正圧されてもよく、負圧容器204は大気に対して-10psi以上-15psi以下の圧力に負圧されてもよい。しかしながら、正圧容器202が第1マニホルド116及び第2マニホルド118にガスを放出し、負圧容器204がガスを回収するパージ動作の後、正圧容器202及び負圧容器204が減圧される、すなわち、正圧容器202及び負圧容器204内の圧力が0psiになることがある。したがって、本明細書でより詳細に論じられるように、正圧容器202および負圧容器204は後続のパージ動作を実行するか、または通常動作を実行し続けるために、減圧状態から較正された状態に再較正されなければならない。
【0032】
実施形態では、ガス制御システム106が第1正圧バルブ210と、制御側第1マニホルドバルブ212と、第1負圧バルブ214と、制御側第2マニホルドバルブ216とをさらに含む。第1正圧バルブ210は、第1開状態と、第2開状態と、閉状態との間に位置付け可能である。第1正圧バルブ210が閉状態にあるとき、ガスは、正圧容器202の出口202Bから第1正圧バルブ210を通って流れることを防止され得る。
【0033】
第1正圧バルブ210が第1開状態にあるとき、正圧容器202からのガスは第1正圧バルブ210を通って流れることが可能であり、第1正圧分配器218を介して制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216の両方に分配される。第1正圧分配器218は正圧容器202から第1正圧バルブ210を介してガスを受け取り、そのガスを制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216に向け直す。実施形態では、第1正圧分配器218が制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216のいずれか一方または両方に流れるガスの量を制御するための制御可能なバルブ機構を含むことができる。他の実施形態では、第1正圧分配器218が、ガスが制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216に均等に分配されるように固定されてもよい。
【0034】
第1正圧バルブ210が第2開状態にあるとき、正圧容器202からのガスは、第1正圧バルブ210を通って流れることが許可され、第2正圧分配器220を介して第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208の両方に分配される。第2正圧分配器220は正圧容器202から第1正圧バルブ210を介してガスを受け取り、そのガスを第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208に向け直す。第1正圧分配器218と同様に、実施形態では、第2正圧分配器220が第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208のいずれか一方または両方へのガスの量を制御するための制御可能なバルブ機能を含むことができる。他の実施形態では、第2正圧分配器220が、ガスが第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208に均等に分配されるように固定されてもよい。本明細書でより詳細に説明するように、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208は、正圧容器202から第1マニホルド116および第2マニホルド118に導かれるガスの量を制御する。
【0035】
制御側第1マニホルドバルブ212は、第1開状態と、第2開状態と、閉状態との間で位置付け可能である。制御側第1マニホルドバルブ212が閉状態にあるとき、正圧容器202によって第1マニホルド116に提供されるか、または負圧容器204によって第1マニホルド116から引き出されるガスは、制御側第1マニホルドバルブ212を通って流れることが禁止される。制御側第1マニホルドバルブ212が第1開状態にあるとき、正圧容器202によって第1マニホルド116に提供されるか、または負圧容器204によって第1マニホルド116から引き出されるガスは、制御側第1マニホルドバルブ212を通って流れることができる。より詳細には制御側第1マニホルドバルブ212が第1開状態にあるとき、第1正圧バルブ210によって提供されるガスは制御側第1マニホルドバルブ212を通って第1正圧バルブ210からプリントヘッド側第1マニホルドバルブ222に流れることができる。制御側の第1マニホルドバルブ212が第2開状態にあるとき、ガスは、制御側の第1マニホルドバルブ212を通って第1圧力制御バルブ206に導かれる。しかしながら、プリントヘッド側第1マニホルドバルブ222が閉状態に位置付けられると、ガスがプリントヘッド側第1マニホルドバルブ222を通って第1マニホルド116へ、またはそこから流れることが禁止される。
【0036】
同様に、制御側第2マニホルドバルブ216は、第1開状態と、第2開状態と、閉状態との間で位置付け可能である。制御側第2マニホルドバルブ216が閉状態にあるとき、正圧容器202によって第2マニホルド118に提供されるか、または負圧容器204によって第2マニホルド118から引き出されるガスは、制御側第2マニホルドバルブ216を通って流れることが禁止される。制御側の第2マニホルドバルブ216が第1開状態にあるとき、正圧容器202によって第2マニホルド118に提供されるか、または負圧容器204によって第2マニホルド118から引き出されるガスは、制御側の第2マニホルドバルブ216を通って流れることができる。より詳細には制御側第2マニホルドバルブ216が第1開状態にあるとき、第1正圧バルブ210によって提供されるガスは制御側第2マニホルドバルブ216を通って第1正圧バルブ210からプリントヘッド側第2マニホルドバルブ224に流れることができる。制御側の第2マニホルドバルブ216が第2開状態にあるとき、ガスは、制御側の第2マニホルドバルブ216を通って第2圧力制御バルブ208に導かれる。しかしながら、プリントヘッド側の第2マニホルドバルブ224が閉状態に位置付けられると、ガスがプリントヘッド側の第2マニホルドバルブ224を通って第2マニホルド118へ、またはそこから流れることが禁止される。
【0037】
また、第1負圧バルブ214は、開状態と閉状態との間で位置付け可能である。第1負圧バルブ214が閉状態にあるとき、ガスは、第1負圧バルブ214を通って負圧容器204の入口204Aに流れることを防止され得る。
【0038】
第1負圧バルブ214が開状態にあるとき、ガス、すなわち、ガスの2次流は第1負圧バルブ214を通って、例えば、負圧分配器226から流れることができる。負圧分配器226は、第1マニホルド116および第2マニホルド118から各々受け取られる、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208の各々から流れるガスを受け取る。本明細書でより詳細に論じられるように、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208は、第1マニホルド116および第2マニホルド118から引き出され、真空回復モードまたは通常の動作モード中に負圧容器204に向けられるガスの量を制御する。
【0039】
実施形態では、ガス制御システム106が正圧計228を含み、それを通って、ガスが正圧容器202から第1正圧バルブ210に流れる。正圧センサ230は正圧計228と流体連通しており、正圧計228を通るガスの流量を検出する。いくつかの実施形態では、停電または完全なシステムシャットダウン中に、正圧計228を動作させて、全てのガスを正圧容器202から外部ガス容器232に導いて、ガス制御システム106を減圧することができる。外部バルブ234は、正圧計228から外部ガス容器232へのガス流を可能にするために設けられてもよい。
【0040】
同様に、実施形態では、ガス制御システム106はまた、負圧計236を含む。ガスは、負圧計236を通って、第1負圧バルブ214から負圧容器204に流れる。負圧センサ238は負圧計236と流体連通しており、負圧計236を通るガスの流量を検出する。
【0041】
上述の構成要素は、正圧容器202および負圧容器204の各々とマニホルドとの間のガス流を制御する。しかしながら、本明細書で論じるように、正圧容器202および負圧容器204は正圧容器202が0psiを超える正圧のガスを含み、負圧/真空、すなわち0psi未満を有するように負圧容器204が減圧されるように、減圧状態から較正状態へのパージ動作後に再較正される必要がある。したがって、本明細書に記載される以下の構成要素は、正圧容器202および負圧容器204の両方を減圧状態から較正状態に較正するために利用される。
【0042】
実施形態では、ガス制御システム106がクリーニング動作中、または正圧容器202を較正して較正状態に戻すときなどに、正圧容器202にガスを流入させるための第2正圧バルブ240をさらに含む。第2正圧バルブ240は、開状態と閉状態との間で位置付け可能である。第2正圧バルブ240が開状態にあるとき、ガスは、正圧容器202の入口202Aに流入することができる。第2正圧バルブ240が閉バルブ状態である場合、正圧容器202の入口202Aへのガスの流入は禁止される。同様に、ガス制御システム106は第2負圧バルブ242をさらに含み、これは、クリーニング動作中などに、負圧容器204の出口204Bから、負圧容器204内に真空を生成し、負圧容器204を較正して較正状態に戻すためなどに、負圧容器204の出口204B内にガスが流れることを可能にする。第2負圧バルブ242は、開状態と閉状態との間で位置付け可能である。第2負圧バルブ242が開状態にあるとき、ガスは第2負圧バルブ242を通って、例えば、負圧容器204の出口204Bへ、またはそこから流れることができる。第2負圧バルブ242が閉バルブ状態である場合、負圧容器204の出口204Bへのガスの流出は禁止される。
【0043】
本明細書でより詳細に論じられるパージ動作の後、正圧容器202および負圧容器204の両方が減圧状態にあるとき、ガスは正圧容器202が正に加圧され、負圧容器204が負に加圧されるように、正圧容器202および負圧容器204を各々の較正状態に較正するために、負圧容器204から正圧容器202に再分配され得る。実施形態では本明細書でより詳しく説明するように、ガス制御システム106はデュアルピストンアセンブリ244、圧縮エアタンク246、第1ピストンバルブ248、および第2ピストンバルブ250を含むことができる。デュアルピストンアセンブリ244は負圧容器204の出口204Bからガスを引き出し、正圧容器202の入口202Aにガスを導くように動作する。より具体的には、実施形態ではデュアルピストンアセンブリ244がピストンを含み、第1位置と第2位置との間でピストンを繰り返し交互に入れ替えて、圧縮エアタンク246からガスを引き込み、ガスを正圧容器202に向ける吸引力を生成することによって動作する。デュアルピストンアセンブリ244は
図6~
図11において同じ位置に示されているが、デュアルピストンアセンブリ244が作動されるとき、ピストンは繰り返し作動されることを理解されたい。デュアルピストンアセンブリ244は、正圧容器202と負圧容器204との間でガスを循環させて、完全に閉じたガス循環を達成するように動作されてもよい。これにより、オペレータに対するリスクの度合いが低減される。
【0044】
第1ピストンバルブ248は、開状態と閉状態との間で位置付け可能であってもよい。第1ピストンバルブ248が開状態にあるとき、圧縮空気タンク246からの圧縮空気は、デュアルピストンアセンブリ244に送達されて、デュアルピストン244を作動させることができる。第1ピストンバルブ248が閉状態にあるとき、圧縮エアは、デュアルピストンアセンブリ244に送達されなくてもよい。第2ピストンバルブ250が開状態にあるとき、ガスは負圧容器204からデュアルピストンアセンブリ244に入り、デュアルピストンアセンブリ244に入り、デュアルピストンアセンブリ244から出て、正圧容器202に送達されることが可能になる。第2ピストンバルブ250が閉位置にあるとき、ガスは負圧容器204からデュアルピストンアセンブリ244に入ることが禁止され、ガスはデュアルピストンアセンブリ244から正圧容器202に送達されることが禁止される。
【0045】
別の実施形態では、ガス制御システム106が負圧容器204から引き出されるガスとは無関係に、正圧容器202にガスを送達するための外部ガス供給(ガスサプライ)源252を含む。外部ガス供給源252はクリーニング動作中などに、正圧容器202および負圧容器204の両方にガスを送達するように構成され得る。この実施形態では本明細書でより詳細に説明するが、外部ガス供給源252は外部ガス供給分配器254を介して、正圧容器202および負圧容器204にガスを供給する。外部ガス供給分配器254は外部ガス供給源252からガスを受け取り、ガスを正圧容器202および負圧容器204の両方に向け直す。実施形態では、外部ガス供給分配器254が正圧容器202および負圧容器204のいずれか一方または両方に流れるガスの量を制御するための制御可能なバルブ機構を含むことができる。他の実施形態では、外部ガス供給分配器254が、ガスが正圧容器202および負圧容器204に均等に分配されるように固定されてもよい。
【0046】
他の実施形態では、ガス制御システム106が外部ガス供給源252からガスまたは他の流体を受け取り、負圧容器204からガスを引き出して負圧容器204内に負圧を生成し、それによって負圧容器204を較正状態に戻すように構成されたベンチュリ装置256を含むことができる。ガス制御システム106は、外部ガス供給源252とベンチュリ装置256との間に設けられ、開位置と閉位置との間に位置付け可能な第1ベンチュリバルブ258を含むことができる。第1ベンチュリバルブ258が開位置にあるとき、外部ガス供給源252からの流体流は、ベンチュリ装置256に流入することができる。第1ベンチュリバルブ258が閉位置にあるとき、外部ガス供給源252からの流体の流れは、ベンチュリ装置256に入ることを禁止される。実施形態では、ガス制御システム106がベンチュリ装置256と負圧容器204との間に設けられた第2ベンチュリバルブ260をさらに含む。第2ベンチュリバルブ260は、ガスがベンチュリ装置256と負圧容器204との間で一方向のみに流れることを可能にするように構成される。具体的には第2ベンチュリバルブ260が、ガスが負圧容器204から引き出され、ベンチュリ装置256に供給されるが、負圧容器204に逆流しないようにする。
【0047】
ガス制御システム106は例えば、パージ動作中の正圧パージモード、パージ動作中の負圧パージモードまたは真空回復モード、通常動作中の通常の正圧モード、通常動作中の通常の負圧モード、較正モード、およびクリーニングモードなどの複数のモードの間で動作可能である。
【0048】
本明細書に記載されるように、製造システム180は、電子制御ユニット182を含む。電子制御ユニット182は、ガス制御システム106の個々の構成要素を動作させるように構成されることを理解されたい。例えば、電子制御ユニット182は、少なくとも第1正圧バルブ210、制御側第1マニホルドバルブ212、第1負圧バルブ214、制御側第2マニホルドバルブ216、第1圧力制御バルブ206、および第2圧力制御バルブ208を、様々な動作位置および状態の間で制御する役割を果たす。
【0049】
ここで
図5を参照すると、パージ動作の正圧パージモード中のガス流が実線で示されている。具体的には、プリントヘッド114の1つ以上のノズル内で目詰まりが検出されたときなど、プリントヘッドアセンブリ102のプリントヘッド114がパージを必要とすると判定されたとき、ガス制御装置106はパージ動作を実行する。パージ動作は、本明細書では真空回復モードとも呼ばれる、正圧パージモードおよび負圧パージモードを含む。パージ動作の正圧パージモード中、正圧容器202からのガスは、第1マニホルド116および第2マニホルド118内に放出される。より詳細には正圧パージモードの間、第1正圧バルブ210はガスが第1正圧分配器218を通して制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216の両方に向けられる第1開状態に位置付けられる。正圧パージモードでは、制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216が両方とも、ガスがプリントヘッド側第1マニホルドバルブ222およびプリントヘッド側第2マニホルドバルブ224に流れることを可能にするように、第1開状態に位置付けられる。その後、プリントヘッド側第1マニホルドバルブ222およびプリントヘッド側第2マニホルドバルブ224は、両方とも開状態に位置付けされ、ガスが各々第1マニホルド116および第2マニホルド118に流入することを可能にする。正圧容器202から第1マニホルド116および第2マニホルド118の両方にガスが制限されずに流れることを可能にすることによって、第1マニホルド116および第2マニホルド118内の圧力が上昇し、プリントヘッド114に追加のバインダが押し出される。さらに、ガスは、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208をバイパスすることができる。
【0050】
ここで
図6を参照すると、パージ動作の負圧パージモードまたは真空回復モード中のガス流が実線で示されている。正圧パージモードが完了した後、正圧容器202が減圧され、ガスが第1マニホルド116および第2マニホルド118に送達されるように、ガス制御システム106は、負圧パージモードまたは真空回復モードを実行するように動作される。上述のように、正圧パージモードの間、プリントヘッド側第1マニホルドバルブ222、プリントヘッド側第2マニホルドバルブ224、制御側第1マニホルドバルブ212、及び制御側第2マニホルドバルブ216は、各々開状態にある。しかしながら、負圧パージモードでは、制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216が第1マニホルド116および第2マニホルド118からのガスが各々第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208に導かれ得るように、第2開状態に位置付けられる。次いで、第1負圧バルブ214は負圧容器204内の真空が第1マニホルド116および第2マニホルド118の各々から、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208を通ってガスを引き出すように、開状態に位置付けられる。負圧パージモードの間、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208は、第1マニホルド116および第2マニホルド118から負圧容器204へのガスの完全な無制限の流れを可能にするように構成され得る。正圧パージモードにあるとき、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208を通ってガスが流れて、第1マニホルド116および第2マニホルド118にガスの直接の流れを提供せず、さらに、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208に接続された追加のガスラインの必要性を排除することを理解されたい。
【0051】
パージ動作中、ガス制御システム106はプリントヘッド114をパージするために、互いに短い間隔内で所定の回数、正圧パージ状態と負圧パージ状態との間で繰り返し交互になってもよいことを理解されたい。
【0052】
ここで
図7を参照すると、通常動作の通常正圧モード中のガス流が示されている。ガス制御装置106の通常動作中、ガスは第1マニホルド116及び第2マニホルド118内のバインダを所定の範囲内に維持するために、第1マニホルド116及び第2マニホルド118に供給される。これは、目詰まりを除去するために、増加した量のガスが第1マニホルド116および第2マニホルド118に提供される正圧パージモードとは異なる。上述のように、第1マニホルド116内のバインダのレベルは、第1上側フロート132Aおよび第1下側フロート132Bによって決定される。同様に、第2マニホルド118内のバインダのレベルは、第2上側フロート146Aおよび第2下側フロート146Bによって決定される。第1マニホルド116または第2マニホルド118のいずれかの内部のバインダのレベルが所定のレベルを超えると、対応する第1マニホルド116または第2マニホルド118の内部の圧力が上昇する。例えば、第1マニホルド116および第2マニホルド118の両方のバインダのレベルが所定のレベルを超えた場合、第1マニホルド116および第2マニホルド118の両方の圧力は、正圧容器202から第1マニホルド116および第2マニホルド118にガスを導くことによって上昇する。より具体的には、本例では第1正圧バルブ210が第2開状態に位置付けられ、ガスが正圧容器202から流れることを可能にする。その後、ガス、すなわち、第1ガス流(第1ガスフロー)および第2ガス流(第2ガスフロー)を形成するように発散する1次ガス流は、第1正圧分配器218を通って第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208の両方に導かれる。第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208は、第1マニホルド116および第2マニホルド118の各々の内部で検出されたバインダのレベルに基づいて、第1マニホルド116および第2マニホルド118への流入を許容されるガスの量を各々制御するように動作される。例えば、バインダのレベルが第2マニホルド118内のバインダのレベルと比較して、第1マニホルド116内でより高い場合、第1圧力制御バルブ206は、第2圧力制御バルブ208によって第2マニホルド118に流れることが許可されるガスの量と比較して、より多くの量のガスを第1マニホルド116に流れることを許可し得る。通常の正圧モードの間、制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216は両方とも、第2開状態に位置付けられ、ガスが第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208から流れることを可能にする。さらに、プリントヘッド側の第1マニホルドバルブ222およびプリントヘッド側の第2マニホルドバルブ224は両方とも、ガスが各々第1マニホルド116および第2マニホルド118に入ることを可能にするように、開状態に位置付けられる。
【0053】
ここで
図8を参照すると、通常動作の通常負圧モード中のガス流が示されている。通常動作の通常負圧モード中のガス流の方向は、パージ動作の負圧パージモード中のガス流の方向と同じであることを理解されたい。ガス制御装置106の通常動作中、通常の負圧状態にある間、ガスは第1マニホルド116及び第2マニホルド118内のバインダを所定の範囲内に維持するために、第1マニホルド116及び第2マニホルド118に吸い込まれる。これは、目詰まりを除去するために、増加した量のガスが第1マニホルド116および第2マニホルド118から引き出される負圧パージモードとは異なる。第1マニホルド116または第2マニホルド118で検出されたバインダのレベルが所定のレンジを下回ると判定された場合、対応する第1マニホルド116または第2マニホルド118の圧力は、バインダのレベルが上昇することを可能にするように低減されなければならない。例えば、第1マニホルド116及び第2マニホルド118の両方のバインダのレベルが所定のレベルを下回る場合、第1マニホルド116及び第2マニホルド118の両方の圧力は、負圧容器204によって第1マニホルド116及び第2マニホルド118からガスを引き出すことによって低下する。通常負圧モードの間、制御側第1マニホルドバルブ212および制御側第2マニホルドバルブ216は両方とも、第2開状態に位置付けられ、ガスが第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208に流れることを可能にする。さらに、プリントヘッド側の第1マニホルドバルブ222およびプリントヘッド側の第2マニホルドバルブ224は両方とも、ガスが第1マニホルド116および第2マニホルド118から各々引き出されることを可能にするように、開状態に位置付けられる。より具体的には、本例では第1負圧バルブ214が負圧容器204内に生成された負圧または真空によって引き起こされた負圧容器204内へのガスの流入を可能にするように、開状態に位置付けられる。その後、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208は、第1マニホルド116および第2マニホルド118からのガス流を、負圧分配器226を通して負圧容器204に方向付けるように構成される。より詳細には、第1圧力制御バルブ206および第2圧力制御バルブ208が第1マニホルド116および第2マニホルド118の各々の内部で検出されたバインダのレベルに基づいて、第1マニホルド116および第2マニホルド118から引き出されることが可能なガスの量を制御するように動作する。例えば、第2マニホルド118内のバインダのレベルと比較して第1マニホルド116内のバインダのレベルがより高い場合、第1圧力制御バルブ206は、第2圧力制御バルブ208によって第2マニホルド118から引き出されることが可能なガスの量と比較して、より少ないガスが第1マニホルド116から引き出されることを可能にし得る。
【0054】
ガス制御システム106は第1マニホルド116および第2マニホルド118内の圧力を調整するために、任意の時点で通常正圧モードと通常負圧モードとを交互に行うことができることを理解されたい。さらに、実施形態では、ガス制御システム106が、ガスが負圧容器204によって第1マニホルド116または第2マニホルド118の他方から引き出されている間に、正圧容器202から第1マニホルド116または第2マニホルド118の一方にガスが流れることを可能にするように動作され得ることを理解されたい。
【0055】
ここで
図9を参照すると、較正モードの実施形態の間のガス流が示されている。ここで説明するように、パージ動作が実行された後、正圧容器202及び負圧容器204は減圧される。具体的には、正圧容器202および負圧容器204内の圧力が0psiまで枯渇する。したがって、別のパージ動作を行う前に、正圧容器202および負圧容器204は正圧容器202が正圧を有し、負圧容器204が負圧を有するか、または真空に維持されるように、較正された状態に戻されなければならない。実施形態では、較正モード中に、負圧容器204内のガスを正圧容器202に移送して、負圧容器204内に真空を生成し、正圧容器202を正に加圧することができる。より具体的には、本明細書に記載されるように、デュアルピストンアセンブリ244はガスを負圧容器204から引き出し、ガスを正圧容器202内に戻すように動作させることができる。このとき、第2正圧バルブ240及び第2負圧バルブ242は、いずれもガスが流通可能な開状態となる。加えて、第1ピストンバルブ248は圧縮空気槽246からの空気がデュアルピストンアセンブリ244に供給され、それを作動させることを可能にするように、開状態に位置付けされる。第2ピストンバルブ250はまた、ガスがデュアルピストンアセンブリ244に流入し、そこから流出することを可能にするように、開いた状態に位置付けされる。デュアルピストンアセンブリ244は正圧容器202および負圧容器204が各々の較正状態に加圧されて戻されるまで作動され、これらの較正状態は各々、正圧センサ230および負圧センサ238によって検出され得る。
【0056】
ここで
図10を参照すると、較正モードの別の実施形態の間のガス流が示されている。較正モードの上記実施形態で論じたように、負圧容器204から正圧容器202にガスを移送するのではなく、外部ガスを正圧容器202に別々に提供し、負圧容器204からガスを引き出すために使用することができる。具体的には第2正圧バルブ240が開状態に位置付けられてもよく、外部ガス供給源252は外部ガス供給分配器254を通して正圧容器202内にガスを送達するように動作されてもよい。本実施形態では、外部ガス供給分配器254が負圧容器204ではなく、正圧容器202のみにガス流を導くように構成されることを理解されたい。あるいは、第2負圧バルブ242が外部ガス供給分配器254からガスを受け取らないように構成されてもよい。実施形態では、正圧センサ230が、正圧容器202が較正状態に戻されるときを検出することができ、それに応答して、第2正圧バルブ240は追加のガスが正圧容器202に入るのを防ぐために、閉状態に位置付けられ得る。さらに、外部ガス供給源252は第1ベンチュリバルブ258が開状態にあるときに、ガス流をベンチュリ装置256に向けるように動作されてもよい。その後、第2負圧バルブ242および第2ベンチュリバルブ260はベンチュリ装置256を通るガス流が負圧容器204からガスを引き出すように、開状態に位置付けされる。実施形態では、負圧センサ238が、負圧容器204が較正された状態に戻されるときを検出することができ、それに応答して、第2負圧バルブ242は追加のガスが負圧容器204から引き出されることを防止するために、閉状態に位置付けられ得る。その後、外部ガス供給部252を停止することができる。
【0057】
ここで
図11を参照すると、クリーニングモード中のガス流が示されている。実施形態では、ガス制御システム106内に、またはガス制御システム106全体を不活性にするために漏れがないことを確実にするために、正圧容器202と負圧容器204の両方にガスを供給する必要があり得る。このように、外部ガス供給部252は、正圧容器202と負圧容器204の両方にガスを供給するように動作する。より具体的には、外部ガス供給分配器254が正圧容器202と負圧容器204の両方にガス流を導くように構成される。加えて、第2正圧バルブ240および第2負圧バルブ242は両方とも、外部ガス供給源252からのガスが正圧容器202および負圧容器204に入ることを可能にするように、開位置に位置付けられる。クリーニングモードが完了した後、外部ガス供給部252は非活性化されてもよい。
【0058】
上記から、本明細書では、第1マニホルド、第2マニホルド、および1つまたは複数のプリントヘッドを含むプリントヘッドアセンブリと、バインダ制御システムと、ガス制御システムと、電源と、バインダ槽とを含む製造装置が定義されることを理解されたい。電源は、バインダ制御システム、ガス制御システム、およびプリントヘッドアセンブリに電力を供給する。バインダ制御装置は、バインダ槽から第1マニホルド及び第2マニホルドの各々へのバインダの流れを制御する。ガス制御システムは、外部ガス供給源から第1マニホルド及び第2マニホルドの各々へのガス流を制御する。パージ動作中、ガス制御システムとマニホルドとの間でガスを急速に循環させて、1つまたは複数のプリントヘッドの詰まったノズルをパージすることができる。
【0059】
これは、例えば、改善された安全性、プリントヘッドの安定性、堅牢性、および制御性、ならびに迅速な加圧およびパージによるコストおよび応答時間の低減などのいくつかの利点を提供する。より詳細には、正圧容器および負圧容器が流体のバックパージおよび真空ベースのメニスカス制御に要求される必要なガス圧力をプリントヘッドに供給する。これはまた、第1圧力制御バルブおよび第2圧力制御バルブによって達成される超精密なプリントヘッドガス圧力制御を可能にする。ピストンアセンブリは、ガスが完全に閉じたガス循環路内の正圧容器に流れることを可能にする。
【0060】
本明細書に記載される実施形態のさらなる態様は、以下の付記によって提供される。
【0061】
(付記1)
正圧容器と、
負圧容器と、
プリントヘッドアセンブリの第1マニホルドとの間のガスの第1フローを制御するように構成された第1圧力制御バルブと、
前記プリントヘッドアセンブリの第2マニホルドとの間のガスの第2フローを制御するように構成された第2圧力制御バルブと、
を含み、
正圧通常モードの間に、ガスの前記第1フローおよびガスの前記第2フローを形成するガスの1次フローは、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブの各々の1つを通って、前記正圧容器から前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドへ流れ、
正圧パージモードの間に、前記正圧容器からのガスの前記第1フローおよびガスの前記第2フローは、前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドへ流れるように、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブをバイパスする、
ガス制御システム。
【0062】
(付記2)
負圧パージモードおよび負圧通常モードの間、ガスの前記第1フローおよびガスの前記第2フローは、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブの各々の1つを通って、前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドから前記負圧容器に引き込まれる、
付記1のガス制御システム。
【0063】
(付記3)
前記正圧容器は、10psi以上20psi以下の正圧に較正され、
前記負圧容器は、-10psi以下-15psi以上の負圧に較正される、
付記1または付記2のガス制御システム。
【0064】
(付記4)
第1開状態と、第2開状態と、閉状態との間に位置付け可能な第1正圧バルブと、
第1開状態と、第2開状態と、前記第1マニホルドに向かってガスの前記1次フローを導くための閉状態との間に位置付け可能な制御側第1マニホルドバルブと、
をさらに含み、
前記第1正圧バルブが前記第1開状態にあるとき、前記正圧容器からのガスの前記1次フローは前記制御側第1マニホルドバルブに導かれ、
前記第1正圧バルブが前記第2開状態にあるとき、前記正圧容器からのガスの前記1次フローは前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブに導かれる、
付記1~付記3のいずれかのガス制御システム。
【0065】
(付記5)
開状態と閉状態との間に位置付け可能な第1負圧バルブ、
をさらに含み、
前記第1負圧バルブが前記開状態にあるとき、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブから前記負圧容器にガスの2次フローを引き込むことが可能である、
付記1~付記4のいずれかのガス制御システム。
【0066】
(付記6)
第1開状態と、第2開状態と、閉状態の間で位置付け可能な制御側第2マニホルドバルブ、
をさらに含み、
前記制御側第2マニホルドバルブが前記第1開状態にあるとき、前記正圧容器からのガスの前記1次フローは前記制御側第2マニホルドバルブを通って前記第2マニホルドに流れることが可能であり、
前記制御側第2マニホルドバルブが前記第2開状態にあるとき、ガスの2次フローは、前記第2マニホルドと前記第2圧力制御バルブとの間を流れることが可能である、
付記1~付記5のいずれかのガス制御システム。
【0067】
(付記7)
前記正圧容器の圧力を検出するように構成されている正圧センサと、
前記負圧容器の圧力を検出するように構成されている負圧センサと、
前記正圧センサおよび前記負圧センサからデータを受信するように構成されている電子制御ユニットと、
をさらに含む、付記1~付記6のいずれかのガス制御システム。
【0068】
(付記8)
前記負圧容器からガスを引き出し、前記ガスを前記正圧容器に戻して、前記負圧容器の負圧および前記正圧容器の正圧を確立するように構成されたデュアルピストンアセンブリ、
をさらに含む、付記1~付記7のいずれかのガス制御システム。
【0069】
(付記9)
前記正圧容器と直接流体連通する外部ガスサプライと、
前記外部ガスサプライと流体連通するベンチュリ装置と、
をさらに含み、
較正モード中、前記外部ガスサプライは前記外部ガスサプライからのガスを前記正圧容器に導いて前記正圧容器内の正圧を確立し、
前記較正モード中、前記外部ガスサプライは前記外部ガスサプライからのガスを前記ベンチュリ装置に導き、
前記ベンチュリ装置は前記負圧容器の負圧を確立するために、前記負圧容器からガスを引き出すように構成される、
付記1~付記8のいずれかのガス制御システム。
【0070】
(付記10)
第1マニホルドと、第2マニホルドと、プリントヘッドと、を含むプリントヘッドアセンブリであって、
前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドは前記プリントヘッドとの間でバインダの第1フローを導き、
前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドは、前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドの各々の1つにおけるバインダのレベルを検出するためのフロートを各々含む、
プリントヘッドアセンブリと、
前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドへのバインダの第2フローを制御するためのバインダ制御システムと、
請求項1の前記ガス制御システムと、
を含む、製造装置。
【0071】
(付記11)
負圧通常モード中に、前記フロートが所定のしきい値を下回るバインダのレベルを検出した場合、前記負圧容器は前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドから、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブの各々の1つを通してガスを引き出す、
付記10の製造装置。
【0072】
(付記12)
前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドの各々の前記フロートは、
前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドの各々の1つのバインダの前記レベルが所定の上側閾値を上回るときを検出するように構成された上側フロートと、
前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドの各々の1つのバインダの前記レベルが所定の下側閾値を下回るときを検出するように構成された下側フロートと、
を含む、付記10または付記11の製造装置。
【0073】
(付記13)
負圧パージモードおよび負圧通常モードの間、ガスは、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブの各々の1つを通して、前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドから前記負圧容器に引き込まれる、
付記13の製造装置。
【0074】
(付記14)
前記正圧容器は前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドにガスを送達するために正圧に較正され、
前記負圧容器は前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドからガスを引き出すために負圧に較正される、
付記10~付記13のいずれかの製造装置。
【0075】
(付記15)
較正モードの間、前記負圧容器からガスを引き出し、前記ガスを前記正圧容器に戻して、前記負圧容器の負圧および前記正圧容器内の正圧を確立するように構成されたデュアルピストンアセンブリ、
をさらに含む、付記10~付記14のいずれかの製造装置。
【0076】
(付記16)
前記正圧容器と直接流体連通する外部ガスサプライと、
前記外部ガスサプライと流体連通するベンチュリ装置と、
をさらに含み、
較正モードの間、前記外部ガスサプライは前記正圧容器内の正圧を確立するためにガスを前記正圧容器に導き、
前記較正モードの間、前記外部ガスサプライはガスを前記ベンチュリ装置に導き、
前記ベンチュリ装置は、前記負圧容器の負圧を確立するためにガスを前記負圧容器から引き出すように構成される、
付記10~付記15のいずれかの製造装置。
【0077】
(付記17)
ガス制御システムの正圧容器を正圧に圧力調整し、
前記負圧容器に真空を生成するために、前記ガス制御システムの負圧容器を負圧に圧力調整し、
前記正圧容器と前記負圧容器との間でガスを移動させて、完全に閉じたガス回路を達成し、
前記ガス制御システムを動作させて、第1マニホルドおよび第2マニホルドのバインダのレベルを維持するために通常動作を実行し、
前記通常動作は、前記正圧容器からのガスが第1圧力制御バルブを介して第1マニホルドに導かれ、前記正圧容器からのガスが第2圧力制御バルブを介して第2マニホルドに導かれる、通常正圧通常モードを含み、
前記ガス制御システムを動作させて、プリントヘッドのノズルの目詰まりを解除するためのパージ動作を実行し、
前記パージ動作は、前記正圧容器からのガスが前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力をバイパスしながら前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドに流れることを許可される正圧パージモードを含む、
方法。
【0078】
(付記18)
パージ動作の負圧パージモードおよび通常動作の通常負圧モードの間に、前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドから、前記第1圧力制御バルブおよび前記第2圧力制御バルブの各々の1つを通して、前記負圧容器にガスを引き込むことをさらに含み、
前記ガスが不活性ガスであり、
前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドの前記バインダが溶媒ベースのバインダである、
付記17または付記18の方法。
【0079】
(付記19)
前記パージ動作および前記通常動作の前に前記正圧容器を正圧に較正し、前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドにガスを送達することを可能とし、
前記パージ動作および前記通常動作の前に前記負圧容器を負圧に較正し、前記第1マニホルドおよび前記第2マニホルドからガスを引き出すことを可能とする、
付記17または付記18の方法。
【0080】
(付記20)
較正モードの間、デュアルピストンアセンブリを作動させて、前記負圧容器からガスを引き出し、前記ガスを前記正圧容器に戻して、前記負圧容器内の負圧および前記正圧容器内の正圧を確立する、
ことをさらに含む、付記17~付記19のいずれかの方法。
【0081】
本明細書では特定の実施形態を例示し説明したが、特許請求される主題の範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正を行うことができることを理解されたい。さらに、特許請求される主題の様々な態様が本明細書で説明されたが、そのような態様は組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を包含することが意図される。