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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035218
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ゴルフボール回収器
(51)【国際特許分類】
   A63B 47/02 20060101AFI20240306BHJP
   A63B 53/14 20150101ALI20240306BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240306BHJP
【FI】
A63B47/02 A
A63B53/14 C
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141226
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】17/900,381
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519359653
【氏名又は名称】エスエスジー インターナショナル,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ベルガラ
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA09
2C002GG06
2C002LL03
2C002LL04
(57)【要約】
【課題】本発明は、ゴルフボールの回収を容易にするために、ゴルフクラブグリップのグリップエンドに取り外し可能に取り付けることができるゴルフボール回収器に関する。
【解決手段】パターグリップに取り外し可能に取り付けられるように構成されたゴルフボール回収器が提供される。グリップキャップはゴルフボール回収器をパターグリップの雌ねじ付きポートに固定し、このポートは、カウンタウェイト及び他のアクセサリのための取り付け点として機能する。ゴルフボール回収器は収納位置から展開位置に移動可能な折り畳み式アームを含み、ゴルフボールを把持するための爪状ポケットを形成する。折り畳み式アームはパターの従来の使用のために、又はパターをゴルフバッグに戻すときに、展開位置から収納位置に手動で操作することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターグリップ内のねじ山付き開口部に取り付けるためのゴルフボール回収器であって、
側壁と環状フランジとを含む基部であって、前記側壁は第2のヒンジ部とは反対側の第1のヒンジ部を含み、前記環状フランジは前記側壁から半径方向内側に延在し、前記基部を通って延在する中央開口部を取り囲む、基部と、
第1のヒンジピンを介して前記側壁の第1のヒンジ部に回転可能に結合された第1の折り畳み式アームと、
第2のヒンジピンを介して前記側壁の第2のヒンジ部に回転可能に結合された第2の折り畳み式アームと、
頭部及びシャンクを含むグリップキャップであって、前記頭部は工具開口部を含み、前記シャンクは前記中央開口部を通って前記パターグリップ内のねじ山付き開口部内に延在するように寸法決めされ、前記頭部は前記側壁の内径よりも小さい外径を含む、グリップキャップと、を備え、
前記第1の折り畳み式アーム及び前記第2の折り畳み式アームは、展開位置にあるときにゴルフボールを把持するように互いに対向して配置され、
前記第1の折り畳み式アーム及び前記第2の折り畳み式アームは、前記第1の折り畳み式アームの一部分が前記第2の折り畳み式アームの一部分を覆う収納位置まで回転可能である、ゴルフボール回収器。
【請求項2】
前記第1の折り畳み式アーム又は前記第2の折り畳み式アームを前記展開位置に付勢するねじりばねをさらに含む、請求項1に記載のゴルフボール回収器。
【請求項3】
前記環状フランジは前記グリップキャップの前記頭部の外径よりも小さい内径を定め、前記基部を前記パターグリップに固定するために、前記グリップキャップの前記頭部が前記環状フランジの上に重なるようにする、請求項1に記載のゴルフボール回収器。
【請求項4】
第1の折り畳み式アームは第1及び第2のアームセグメントを含み、第2の折り畳み式アームは第3のアームセグメントを含み、
前記第3のアームセグメントは、前記第1及び第2の折り畳み式アームが前記収納位置にあるときに、前記第1及び第2のアームセグメントの間に配置される、請求項1に記載のゴルフボール回収器。
【請求項5】
前記第1及び第2のアームセグメントは、前記第1の折り畳み式アームを前記収納位置に保持するために、前記側壁内の第1及び第2の磁石に磁気的に引き付けられる第1及び第2の強磁性要素を含む、請求項4に記載のゴルフボール回収器。
【請求項6】
前記側壁は、前記第1の折り畳み式アームを前記収納位置に保持するために、前記第1及び第2のアームセグメント内の第1及び第2の磁石に磁気的に引き付けられる第1及び第2の強磁性要素を含む、請求項4に記載のゴルフボール回収器。
【請求項7】
前記側壁は、前記第1の折り畳み式アームを前記収納位置に保持するために、前記第1及び第2のアームセグメント内の第3及び第4の磁石に磁気的に引き付けられる第1及び第2の磁石を含む、請求項4に記載のゴルフボール回収器。
【請求項8】
前記第1及び第2のアームセグメントの各々は、平坦な上面と、平坦な底面と、それらの間の湾曲した側面とを含む、請求項4に記載のゴルフボール回収器。
【請求項9】
前記第1及び第2のアームセグメントの各々は、前記湾曲した側面と前記平坦な底面とを相互接続する凹状の凹部を含む、請求項8に記載のゴルフボール回収器。
【請求項10】
前記第3のアームセグメントは、前記第1の折り畳み式アーム及び前記第2の折り畳み式アームが前記収納位置にあるときに、前記第1のアームセグメント及び前記第2のアームセグメントの下に位置する第1及び第2の横突起を含む、請求項4に記載のゴルフボール回収器。
【請求項11】
ゴルフボール回収システムであって、
遠位端と、近位端と、それらの間の細長いハンドルとを含むゴルフグリップであって、前記遠位端にゴルフクラブシャフトのための軸方向開口部を含み、前記遠位端の反対側の前記近位端に雌ねじ付き開口部を含む、ゴルフグリップと、
前記ゴルフグリップの前記近位端に結合されたゴルフボール回収器と、備え、
前記ゴルフボール回収器は、
側壁と環状フランジとを含む基部であって、前記側壁は第2のヒンジ部とは反対側の第1のヒンジ部を含み、前記環状フランジは前記側壁から半径方向内側に延在し、前記基部を通って延在する中央開口部を取り囲む、基部と、
第1のヒンジピンを介して前記側壁の前記第1のヒンジ部に回転可能に結合された第1の折り畳み式アームと、
第2のヒンジピンを介して前記側壁の前記第2のヒンジ部に回転可能に結合された第2の折り畳み式アームと、
雄ねじ付きシャンクと、該シャンクよりも幅広の頭部と、該頭部内の工具開口部とを含むグリップキャップと、を備え、
前記第1の折り畳み式アーム及び前記第2の折り畳み式アームは、展開位置にあるときにゴルフボールを把持するように互いに対向して配置され、
前記第1の折り畳み式アーム及び前記第2の折り畳み式アームは前記第1の折り畳み式アームの一部分が前記第2の折り畳み式アームの一部分に重なる収納位置まで回転可能である、ゴルフボール回収システム。
【請求項12】
前記第1の折り畳み式アーム又は前記第2の折り畳み式アームを前記展開位置に付勢するねじりばねをさらに含む、請求項11に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項13】
前記環状フランジは前記グリップキャップの前記頭部の外径よりも小さい内径を定め、前記基部をパターグリップに固定するために、前記グリップキャップの前記頭部が前記環状フランジの上に重なるようにする、請求項11に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項14】
前記第1の折り畳み式アームは第1及び第2のアームセグメントを含み、前記第2の折り畳み式アームは第3のアームセグメントを含み、
前記第3のアームセグメントは前記第1及び第2の折り畳み式アームが前記収納位置にあるときに、前記第1及び第2のアームセグメントの間に配置される、請求項11に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項15】
前記第1及び第2のアームセグメントは、前記第1の折り畳み式アームを前記収納位置に保持するために、前記側壁内の第1及び第2の磁石に磁気的に引き付けられる第1及び第2の強磁性要素を含む、請求項14に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項16】
前記側壁は、前記第1の折り畳み式アームを前記収納位置に保持するために、前記第1及び第2のアームセグメント内の第1及び第2の磁石に磁気的に引き付けられる第1及び第2の強磁性要素を含む、請求項14に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項17】
前記側壁は、前記第1の折り畳み式アームを前記収納位置に保持するために、前記第1及び第2のアームセグメント内の第3及び第4の磁石に磁気的に引き付けられる第1及び第2の磁石を含む、請求項14に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項18】
前記第1及び第2のアームセグメントの各々は、平坦な上面と、平坦な底面と、それらの間の湾曲した側面とを含む、請求項14に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項19】
前記第1及び第2のアームセグメントの各々は、前記湾曲した側面と前記平坦な底面とを相互接続する凹状の凹部を含む、請求項18に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項20】
前記第3のアームセグメントは、前記第1の折り畳み式アーム及び前記第2の折り畳み式アームが前記収納位置にあるときに、前記第1及び第2のアームセグメントの下に位置する第1及び第2の横突起を含む、請求項14に記載のゴルフボール回収システム。
【請求項21】
前記第3のアームセグメントはゴルフボールを把持するための傾斜した突出部を終端に有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
パターグリップに取り付けるためのゴルフボール回収器であって、
ゴルフボール回収器は、
側壁を含む基部であって、前記側壁は第2のヒンジ部とは反対側の第1のヒンジ部を含む、基部と、
第1のヒンジピンを介して前記側壁の前記第1のヒンジ部に回転可能に結合された第1の折り畳み式アームと、
第2のヒンジピンを介して前記側壁の前記第2のヒンジ部に回転可能に結合された第2の折り畳み式アームと、を備え、
前記第1の折り畳み式アーム及び前記第2の折り畳み式アームは、展開位置にあるときにゴルフボールを把持するために互いに対向して配置され、
前記第1の折り畳み式アーム及び前記第2の折り畳み式アームは、前記第1の折り畳み式アームの一部分が前記第2の折り畳み式アームの一部分の上に重なる収納位置まで回転可能であり、
前記第1の折り畳み式アームは、前記第1の折り畳み式アームを前記収納位置に保持するために前記側壁の一部分に磁気的に引き付けられる、ゴルフボール回収器。
【請求項23】
前記第1の折り畳み式アームは、前記基部内の磁石に磁気的に引き付けられる強磁性部分を含む、請求項22に記載のゴルフボール回収器。
【請求項24】
前記第1の折り畳み式アームは、前記基部の強磁性部分に磁気的に引き付けられる磁石を含む、請求項22に記載のゴルフボール回収器。
【請求項25】
前記第1の折り畳み式アームは、前記基部内の第2の磁石に磁気的に引き付けられる第1の磁石を含む、請求項22に記載のゴルフボール回収器。
【請求項26】
前記基部は、両面テープ、フックアンドループ接続、又はスナップフィット接続を介して前記パターグリップに取り外し可能に取り付け可能である、請求項22に記載のゴルフボール回収器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボールの回収を容易にするために、ゴルフクラブグリップのグリップエンドに取り外し可能に取り付けることができるゴルフボール回収器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、水の危険区域、密集した葉、バンカー、及び泥又は湿った土壌などの到達困難な場所からゴルフボールを回収するための様々なゴルフボール回収器を提供する。例えば、既存のスタンドアロンゴルフボール回収器は、テレスコ(登録商標)ピックハンドル及び回収ヘッドを含むことが多い。回収ヘッドはばね荷重グリップを含むことができ、又はゴルフボールを所定の位置に把持及び保持するためのゴム製ポケットを含むことができる。他のゴルフボール回収器は、パターシャフトが細長いハンドルとして機能するように、パターグリップのグリップエンドに直接取り付けられる。これらのゴルフボール回収器は、典型的には機械ねじを使用してパターグリップに固定されるか、又はパターグリップの弁とポート内に受容されるとげ付きの締結具を使用してパターグリップに固定される。しかしながら、市場におけるそれらの一般的な入手可能性にもかかわらず、改良されたゴルフボール回収器に対する継続的な必要性が残っている。特に、パターグリップを損傷することなくパターグリップに容易に取り付けることができ、パターグリップから取り外すことができる、改良されたゴルフボール回収器が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
パターグリップに取り外し可能に取り付けられるように構成されたゴルフボール回収器が提供される。グリップキャップは、ゴルフボール回収器をパターグリップの雌ねじ付きポートに固定し、カウンタウェイト及び他のアクセサリのための取り付け点として機能する。ゴルフボール回収器は収納位置から展開位置に移動可能な折り畳み式アームを含み、ゴルフボールを把持するための爪状ポケットを形成する。折り畳み式アームは、パターを通常使用するとき、又はパターをゴルフバッグに戻して後にパッティンググリーンで使用するときに、展開位置から収納位置まで手動で操作することができる。
【0004】
一実施形態では、第1の折り畳み式アームが第2の折り畳み式アームに向かって延びる2つのアームセグメントを有する略U字形である。第2の折り畳み式アームは、第1の折り畳み式アームの2つのアームセグメントの間に配置された単一のアームセグメントを含む。第1の折り畳み式アームのアームセグメントは収納位置にあるとき、基部に磁気的及び/又は機械的に固定される。第2の折り畳み式アームは、ヒンジばねによって展開位置に付勢され、両方の折り畳み式アームが収納位置にあるときに第1の折り畳み式アームの下にある横突起を含む。この点に関して、第1の折り畳み式アームは第2の折り畳み式アームを収納位置に保持し、第2の折り畳み式アームが展開位置に跳ね上がるのを防止する。
【0005】
別の実施形態では、基部がパターグリップの延長部として現れるように、パターグリップの外径に概ね対応する外径を含む。基部は、第1の折り畳み式アームのアームセグメント内の強磁性要素を磁気的に引き付けるための第1及び第2の磁石を含む。基部はまた、パターグリップのねじ山付きポートと配列された中央開口部を含む。グリップキャップは、中央開口部を通って挿入され、基部をパターグリップにクランプするためのねじ山付きポートにねじ込まれる。
【0006】
ゴルフボールを回収するために、利用者は、第1の折り畳み式アームの片持ち縁部を押圧するか、又は第1の折り畳み式アームの各側に凹状の凹部を把持して、第1の折り畳み式アームを直立位置に枢動させる。第1の折り畳み式アームが第2の折り畳み式アームから自由に回転すると、第2の折り畳み式アームは、ねじりばねの作用によって直立する。この完全に展開された位置では、各折り畳み式アームがその最大可動範囲にあり、それによって、爪状ポケットを形成する。次いで、利用者はパターを反転させ、ゴルフボール回収器をゴルフボール上に下ろし、折り畳み式アームがゴルフボールを機械的に把持するまで、折り畳み式アームをゴルフボールの周りにわずかに偏向させることができる。ゴルフボールがゴルフボール回収器のポケットに固定されると、利用者はゴルフクラブを直立位置に戻し、ゴルフボールを回収することができる。折り畳み式アームは収納位置に戻され、パターはゴルフバッグに戻され、又は通常の遊びの過程で使用することができる。
【0007】
本発明のこれら及び他の特徴は、実施形態の説明及び図面を参照することによって、より完全に理解され、認識されるのであろう。
【0008】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される動作の詳細、又は構成の詳細、及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は様々な他の実施形態で実施することができ、本明細書に明確に開示されていない代替的な方法で実施又は実行することができる。さらに、本明細書で使用される表現及び用語は説明の目的のためのものであり、限定するものとみなされるべきではないことを理解されたい。「含む(including)」及び「備える(comprising)」並びにその変形の使用は、その後に列挙される項目及びその均等物、ならびに追加の項目及びその均等物を包含することを意味する。さらに、列挙は、様々な実施形態の説明において使用され得る。特に明記しない限り、番号を付けられたリストの使用は、本発明を構成要素の任意の特定の順序又は数に限定するものと解釈されるべきではない。また、番号を付けられたリストの使用は、番号を付けられたリストのステップ又は構成要素と組み合わされ得るか、又はそれらに組み込まれ得る任意の追加のステップ又は構成要素を、本発明の範囲から除外するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1はパターグリップに結合されたゴルフボール回収器の斜視図である。
図2図2図1のゴルフボール回収器の分解図である。
図3図3はグリップキャップを含む図1のゴルフボール回収器を示す。
図4図4は全開位置にある図1のゴルフボール回収器を示す。
図5図5は部分的に閉じた位置にある図1のゴルフボール回収器を示す。
図6図6は全閉位置にある図1のゴルフボール回収器を示す。
図7図7はゴルフボールを回収するプロセスにおけるゴルフボール回収器を示す。
図8図8図7のゴルフボール回収器の拡大図である。
図9図9はゴルフボールを把持する図7のゴルフボール回収器の拡大図である。
図10図10図7のゴルフボール回収器がゴルフボールを把持した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
現在の実施形態はゴルフボールが到達困難領域から容易に回収されることを可能にするために、パターグリップのねじ山付きポートに取り外し可能に取り付けられるように適合されたゴルフボール回収器を含む。ねじ山付きポートはカウンタウェイト及び他のアクセサリのためのねじ付き開口部を提供し、また、ゴルフボール回収器のための取り付け点を提供する。ゴルフボール回収器は収納位置から展開位置に移動可能な折り畳み式アームを含み、ゴルフボールを把持するための爪状ポケットを形成する。ゴルフボール回収器は以下のパートIで論じられ、その設置及び動作は以下のパートIIで論じられる。
【0011】
I.ゴルフボール回収器
最初に図1図2を参照すると、例示的な実施形態によるゴルフボール回収器10が示され、全体的に10と指定されている。ゴルフボール回収器10は、基部12と、第1の折り畳み式アーム14と、第2の折り畳み式アーム16と、グリップキャップ18とを含む。グリップキャップ18は、基部12をパターグリップ100のグリップエンドに雌ねじ開口部を備えるねじ山付きポート102aに固定するように適合され、一方、第1及び第2の折り畳み式アーム14、16は協働して、ゴルフボールを把持するための爪状ポケットを画定する。そのような特徴のそれぞれについて、以下で別々に説明する。
【0012】
基部12は、ゴルフボール回収器10がパターグリップ100の延長部として現れるように、パターグリップ100の外形に概ね対応する外形を含む。基部12は本実施形態では略円筒形であるが、他の実施形態では基部12がパターグリップ100の形状に一致する他の形状、例えば多角形断面、さらに任意選択で四辺形断面又は五角形断面を含むことができる。基部12は側壁20を含み、側壁20は、外側面22と、内側面24と、上下面26、28と、第2のヒンジ部32の反対側の第1のヒンジ部30とを含む。第1のヒンジ部30及び第2のヒンジ部32はそれぞれ、ヒンジピンを受け入れるための開口部を有する第1及び第2の離間したホーン34、36を備える。第1のヒンジピン38は第1のヒンジ結合部を形成する第1のヒンジ部30に受容され、第2のヒンジピン40は第2のヒンジ結合部を形成する第2のヒンジ部32に受容される。側壁20はまた、第1及び第2の磁石46、48のための第1及び第2の凹部42、44を含む。磁石46、48は、第1の折り畳み式アーム14内の第1及び第2の強磁性要素50、52に磁気的に引き付けられる。基部12はまた、その最下部で側壁20から半径方向内向きに延在する環状フランジ54を含み、その結果、フランジ54は、基部12を通って延在する中央開口部56を画定する。基部12は本実施形態では成形されたガラス充填熱可塑性樹脂から形成されているが、他の実施形態では他の物質から製造することができる。
【0013】
図2にも示されるように、グリップキャップ18は、頭部58とシャンク60とを含む。頭部58は、工具開口部62、例えば六角工具用の六面開口部、又は平らなねじ回し用の四面開口部を含む。シャンク60は外側にねじ切りされ、パターグリップ100のねじ山付きポート102aとねじ係合するために、基部12の中央開口部56を通過するように寸法決めされる。頭部58は中央開口部56の内径よりも大きいが側壁20の内径以下の外径を含み、頭部58がフランジ54に当接して基部12をパターグリップ100にクランプするようになっている。グリップキャップ18は本実施形態ではアルミニウムnねじ頭部を含むが、他の実施形態では他の物質、例えば他の金属、熱可塑性樹脂、又は複合材料から形成することができる。さらに、任意選択的に、グリップキャップ18はDingmanらの米国特許第9,463,363号明細書に記載されているようなものであり得、その開示はその全体が参照により組み込まれる。グリップキャップ18は例えば、基部12をパターグリップ100に固定するために使用されていないときに、パターグリップ100内に収容された錘インサート入又は他の特徴にねじ係合するためのねじ付き延長部を含むことができる。
【0014】
上述のように、ゴルフボール回収器10は、ゴルフボールを把持するために収納位置から展開位置に移動可能な第1及び第2の折り畳み式アーム14、16を含む。第1の折り畳み式アーム14は第1のヒンジ部30に回転可能に結合され、第1及び第2の離間したアームセグメント64、66を含み、その結果、第1の折り畳み式アーム14は、ほぼU字形である。第1及び第2のアームセグメント64、66は、平坦な底面68と、平坦な上面70と、それらの間の湾曲した側面72とを含む。第1及び第2のアームセグメント64、66はまた、湾曲した側面72と平坦な底面68とを相互接続する凹状の凹部74を含む。以下のパートIIで説明するように、凹状の凹部74は、収容位置から展開位置への第1の折り畳み式アーム14の操作のための把持点を提供する。
【0015】
第1の折り畳み式アーム14を収納位置に保持するために、第1及び第2のアームセグメント64、66はそれぞれ、保持ラッチ76を含む。保持ラッチ76は側壁20の外側半径方向表面の切り欠き78と機械的に係合し、それぞれの第1及び第2の磁石46、48に磁気的に引き付けられるそれぞれの第1及び第2の強磁性要素50、52(例えば、ステンレス鋼又は他の耐食性鋼)を収容する。他の実施形態では、磁石46、48が保持ラッチ76内に収容され、強磁性要素50、52が基部12内に収容されるように、この構成は逆にされる。さらに他の実施形態では、強磁性要素50、52の代わりに2つの永久磁石が使用され、永久磁石は基部12内の第1及び第2の磁石46、48に磁気的に引き付けられるように、正しいN-S極性で配向される。
【0016】
第1の折り畳み式アーム14はまた、第1のヒンジピン38を受容するためのチャネル部80を含む。チャネル部80は、第1のヒンジ部30の第1のホーン34と第2のホーン36との間に挿入される。第1の折り畳み式アーム14は片持ち縁部82を押し下げることによって開くことができ、磁気引力に打ち勝つことができ、そうでなければ第1の折り畳み式アーム14を収納位置に保持する。第1の折り畳み式アーム14の底面68は、第1のヒンジ部30の第1及び第2のホーン34、36と機械的に干渉して、第1の折り畳み式アーム14を展開位置にロックする。第1のホーン34及び第2のホーン36の最も外側の部分は第1の折り畳み式アーム14が展開位置(図9に最も良く示されている)にあるときに90度よりも大きく配向されるように、外側に傾斜している。例えば、第1の折り畳み式アーム14は、少なくとも90度、さらに任意選択で95度~130度の最大運動範囲を有することができる。
【0017】
上述のように、ゴルフボール回収器10はまた、第2の折り畳み式アーム16を含む。第2の折り畳み式アーム16は、第1の折り畳み式アーム14によって収納位置に保持され、ヒンジばね84によって展開位置に付勢される。第2の折り畳み式アーム16は、第1の折り畳み式アーム14のアームセグメント64、66の間の隙間に配置された単一のアームセグメント86を含む。第2の折り畳み式アーム16は、両方の折り畳み式アーム14、16が収納位置にあるときに第1の折り畳み式アーム14の下にある第1及び第2の横突起88、90を含む。この点に関して、第1の折り畳み式アーム14は第2の折り畳み式アーム16を収納位置に保持し、ヒンジばね84の動作によって、第2の折り畳み式アーム16が展開位置に跳ね上がることを防止する。第2の折り畳み式アーム16は、ゴルフボールを把持するために内側に湾曲する傾斜突起94で終端する。ヒンジばね84は第2のヒンジピン40の周りに延在し、これは、第2のヒンジ部32の第1のホーン34と第2のホーン36との間に介在するチャネル92内に受容される。第1の折り畳み式アーム14と同様に、第2の折り畳み式アーム16は、少なくとも90度、さらに任意選択で95度~130度の最大運動範囲を有することができる。第2の折り畳み式アーム16は第1の折り畳み式アーム14と概ね同じ長さであり、3つのアームセグメント64、66、86は、ゴルフボールを手の届きにくい場所からつかむための3本指の爪を集合的に含む。第1及び第2の折り畳み式アーム14、16は本実施形態ではガラス充填熱可塑性樹脂から形成されるが、他の実施形態では他の物質から形成することができる。
【0018】
3つのアームセグメントを有するものとして上述したが、他の実施形態では折り畳み式アーム14、16は異なる数のアームセグメントを提供する。一代替実施形態では第1の折り畳み式アーム14はT字形であり、第2の折り畳み式アーム16はI字形であり、その結果、折り畳み式アームはゴルフボールを把持するための2本指の爪を備える。別の代替実施形態では、両方の折り畳み式アーム14、16はU字形であり、互いに横方向にオフセットされており、その結果、折り畳み式アームはゴルフボールを把持するための4本指の爪を備える。さらに別の代替実施形態では、第2の折り畳み式アーム16がW字形の折り畳み式アーム16及びU字形の折り畳み式アーム14が協働してゴルフボールを把持するための5本指の爪を提供するように、ほぼW字形である3つのアームセグメントを含む。他の実施形態では、さらに他の構成が可能である。
【0019】
基部12をパターグリップ100に取り外し可能に確保するためのグリップキャップ18に関連して主に上述したが、代替実施形態ではグリップキャップ18は省略される。これらの代替の実施形態では、基部12が代わりに、両面テープ、面ファスナ、スナップ嵌めコネクタ、又はそれらの組み合わせを介してパターグリップ100に取り外し可能に固定される。他の実施形態では、基部12をパターグリップ100に取り付けるさらに他の方法が可能である。
【0020】
II.設置と動作
ゴルフボール回収器10の設置及びその動作を、図3図10に関連して説明する。第1及び第2の折り畳み式アーム14、16は、第1の折り畳み式アーム14上の片持ち縁部82を押し下げることによって展開位置に移動される。又は、利用者が第1の折り畳み式アーム14の両側の凹状の凹部74を把持し、第1の折り畳み式アーム14を直立位置に枢動させることができる。第1の折り畳み式アーム14が約30度を超えて回転すると、第2の折り畳み式アーム16は、ねじりばね84のばね力に応答して直立する。第1の折り畳み式アーム14は、第1のヒンジ部30と機械的に干渉して、第1の折り畳み式アーム14を完全に展開された位置にロックする。
【0021】
図3に示されるように、第1及び第2の折り畳み式アーム14が完全に展開された位置にある状態で、使用者は、基部12の中央開口部56をパターグリップ100のねじ山付きポート102aと位置合わせすることができる。次いで、使用者はグリップキャップ18をねじ山付きポート102aにねじ込み、ゴルフボール回収器10をパターグリップ100に固定することができる。第1及び第2の折り畳み式アーム14、16は第2の折り畳み式アーム16を折り畳み、その後、第1の折り畳み式アーム14を折り畳むことによって、収納位置に戻すことができる。保持ラッチ76は、第1の折り畳み式アーム14を基部12に機械的かつ磁気的に固定する。第2の折り畳み式アーム16は第1の折り畳み式アーム14の下にある第1及び第2の横突起88、90を含むため、第1の折り畳み式アーム14は第2の折り畳み式アーム16を、概して図6に示される収納位置に保持する。
【0022】
ゴルフボールを回収するために、利用者は、上述の方法で折り畳み式アーム14、16を展開する。利用者は、第1の折り畳み式アーム14上の片持ち縁部82を押し下げるか、又は第1の折り畳み式アーム14のいずれかの側の凹状の凹部74を把持して、第1の折り畳み式アーム14を直立位置に枢動させることができる。第1の折り畳み式アーム14が第2の折り畳み式アーム16から自由に回転すると、第2の折り畳み式アーム16は、ねじりばね84のばね力に応答して直立する。この完全に展開された位置では、各折り畳み式アーム14、16はその最大運動範囲にあり、それによって、爪状ポケットを形成する。パター(パターグリップ100、シャフト102、及びヘッド104を含む)は、図7~8に示されるように反転され、ゴルフボール110に向かって移動され得る。次に、利用者は図9に示すように、ゴルフボール回収器10をゴルフボール110上に下ろし、第1の折り畳み式アーム14の保持ラッチ76及び第2の折り畳み式アーム16の傾斜突起94がゴルフボール110を機械的に把持するまで、折り畳み式アーム14、16をゴルフボール110の周りにわずかに偏向させる。
【0023】
ゴルフボール110がゴルフボール回収器10のポケットに固定されると、利用者は図10に示すようにゴルフクラブを直立位置に戻し、ゴルフボール110を手動で除去する。次いで、使用者は第2の折り畳み式アーム16を基部12に対して折り畳み、その後、保持ラッチ76が第1の折り畳み式アーム14を基部12に機械的かつ磁気的に確保するまで、第1の折り畳み式アーム14を折り畳む。第2の折り畳み式アーム16は第1の折り畳み式アーム14の下にある第1及び第2の横突起88、90を含むため、第1の折り畳み式アーム14は第2の折り畳み式アーム16を収納位置に保持する。次いで、パターは、ゴルフバッグに戻され得るか、又は利用者によって所望される通常の遊びの過程で使用され得る。
【0024】
上記の説明は、本発明の現在の実施形態の説明である。請求項に規定した発明の技術的思想及び、より広い態様から逸脱せずに、本発明に対し、種々に代替と変更を行うことができる。これらは、均等論を含む特許法の原則に則り解釈されるものである。本開示は、例示を目的として提示され、本発明のすべての実施形態の網羅的な説明として、又はこれらの実施形態に関連して図示又は説明される特定の要素に特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明は発行された特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り、これらの特徴のすべてを含むか、又は記載された利益のすべてを提供する実施形態のみに限定されない。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」、又は「said」を使用する、単数形における請求項の構成要素へのいかなる参照も、構成要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
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図10