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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035274
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ワイヤーハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20240307BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/04 068
H01B7/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139632
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 泰輝
【テーマコード(参考)】
5G309
5G357
【Fターム(参考)】
5G309AA01
5G309AA09
5G357DA06
5G357DA10
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DD10
5G357DE03
5G357DE08
(57)【要約】
【課題】大径サイズのコルゲートチューブ用のプロテクタに、小径サイズのコルゲートチューブをしっかり保持できるようにすることを目的とする。
【解決手段】ワイヤーハーネス10は、電線20と、コルゲートチューブ30と、大径保持部48が設けられたプロテクタ40と、コルゲートチューブ30を保持する小径保持部61と、大径保持部48に保持される保持対象部分80とを含むホルダ60と、を備える。小径保持部61は、コルゲートチューブ30のうち周方向における互いに異なる部分を支持する第1支持部分63、第2支持部分64及び第3支持部分65を有する。第1支持部分63と第2支持部分64との間に、コルゲートチューブ30を抜き差しするための挿入口66が形成されている。第3支持部分65は、挿入口66とは反対側からコルゲートチューブ30を支持する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と、
前記電線を覆うコルゲートチューブと、
前記コルゲートチューブよりも大きいサイズの大径コルゲートチューブを保持可能な大径保持部が設けられたプロテクタと、
前記コルゲートチューブを保持する小径保持部と、前記大径保持部に保持される保持対象部分とを含むホルダと、
を備え、
前記小径保持部は、前記コルゲートチューブのうち周方向における互いに異なる部分を支持する第1支持部分、第2支持部分及び第3支持部分を有し、
前記小径保持部のうち前記第1支持部分と前記第2支持部分との間に、前記コルゲートチューブを抜き差しするための挿入口が形成され、
前記第3支持部分は、前記コルゲートチューブの軸方向における前記第1支持部分及び前記第2支持部分と同じ位置において、前記挿入口とは反対側から前記コルゲートチューブを支持する、ワイヤーハーネス。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤーハーネスであって、
前記小径保持部は、それぞれ前記軸方向と交差する方向に延在して先端が自由端部とされた第1ベース板部及び第2ベース板部を有し、
前記第1ベース板部における前記自由端部に前記第1支持部分が設けられ、
前記第2ベース板部における前記自由端部に前記第2支持部分が設けられている、ワイヤーハーネス。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネスであって、
前記プロテクタは、底部及び側壁を有し、前記底部とは反対側に開口する本体部と、前記本体部の開口を塞ぐ蓋部とを含み、
前記大径保持部は、前記本体部に形成された本体側大径保持部と、前記蓋部に形成された蓋側大径保持部とを有し、
前記保持対象部分が、前記本体側大径保持部及び前記蓋側大径保持部の両方に保持されている、ワイヤーハーネス。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネスであって、
前記コルゲートチューブの中心は、前記大径コルゲートチューブが前記ホルダを介さずに前記大径保持部に保持されたときの前記大径コルゲートチューブの中心と一致する、ワイヤーハーネス。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネスであって、
前記保持対象部分は、前記小径保持部の外面に設けられた第1保持対象部分と、前記軸方向に沿って前記小径保持部の隣に設けられた第2保持対象部分とを有し、
前記大径保持部は、前記第1保持対象部分と前記第2保持対象部分とのうち少なくとも一方を保持している、ワイヤーハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤーハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、大径サイズのコルゲートチューブを連結可能なプロテクタに、アダプタを介して小径サイズのコルゲートチューブを連結する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-244650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大径サイズのコルゲートチューブ用のプロテクタに、小径サイズのコルゲートチューブをしっかり保持できることが望まれている。
【0005】
そこで、大径サイズのコルゲートチューブ用のプロテクタに、小径サイズのコルゲートチューブをしっかり保持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のワイヤーハーネスは、電線と、前記電線を覆うコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブよりも大きいサイズの大径コルゲートチューブを保持可能な大径保持部が設けられたプロテクタと、前記コルゲートチューブを保持する小径保持部と、前記大径保持部に保持される保持対象部分とを含むホルダと、を備え、前記小径保持部は、前記コルゲートチューブのうち周方向における互いに異なる部分を支持する第1支持部分、第2支持部分及び第3支持部分を有し、前記小径保持部のうち前記第1支持部分と前記第2支持部分との間に、前記コルゲートチューブを抜き差しするための挿入口が形成され、前記第3支持部分は、前記コルゲートチューブの軸方向における前記第1支持部分及び前記第2支持部分と同じ位置において、前記挿入口とは反対側から前記コルゲートチューブを支持する、ワイヤーハーネスである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、大径サイズのコルゲートチューブ用のプロテクタに、小径サイズのコルゲートチューブをしっかり保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は実施形態1にかかるワイヤーハーネスを示す平面図である。
図2図2はプロテクタ及びホルダを示す斜視図である。
図3図3はプロテクタ及びホルダを示す分解斜視図である。
図4図4図1のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5図1のV-V線に沿った断面図である。
図6図6図1のVI-VI線に沿った断面図である。
図7図7図1のVII-VII線に沿った断面図である。
図8図8はプロテクタが大径コルゲートチューブを保持する様子を示す断面図である。
図9図9はプロテクタが大径コルゲートチューブを保持する様子を示す断面図である。
図10図10は変形例に係るワイヤーハーネスを示す断面図である。
図11図11は変形例に係るワイヤーハーネスにおけるプロテクタ及びホルダを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示のワイヤーハーネスは、次の通りである。
【0011】
(1)電線と、前記電線を覆うコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブよりも大きいサイズの大径コルゲートチューブを保持可能な大径保持部が設けられたプロテクタと、前記コルゲートチューブを保持する小径保持部と、前記大径保持部に保持される保持対象部分とを含むホルダと、を備え、前記小径保持部は、前記コルゲートチューブのうち周方向における互いに異なる部分を支持する第1支持部分、第2支持部分及び第3支持部分を有し、前記小径保持部のうち前記第1支持部分と前記第2支持部分との間に、前記コルゲートチューブを抜き差しするための挿入口が形成され、前記第3支持部分は、前記コルゲートチューブの軸方向における前記第1支持部分及び前記第2支持部分と同じ位置において、前記挿入口とは反対側から前記コルゲートチューブを支持する、ワイヤーハーネスである。
【0012】
(1)のワイヤーハーネスによると、コルゲートチューブが第1支持部分、第2支持部分及び第3支持部分に支持されることによって、コルゲートチューブがホルダにしっかりと保持されることができる。これにより、大径サイズのコルゲートチューブ用のプロテクタに、小径サイズのコルゲートチューブをしっかり保持することが可能となる。
【0013】
(2)(1)のワイヤーハーネスにおいて、前記小径保持部は、それぞれ前記軸方向と交差する方向に延在して先端が自由端部とされた第1ベース板部及び第2ベース板部を有し、前記第1ベース板部における前記自由端部に前記第1支持部分が設けられ、前記第2ベース板部における前記自由端部に前記第2支持部分が設けられていてもよい。これにより、第1支持部分及び第2支持部分は、コルゲートチューブの抜き差し時に挿入口の幅が広がるように弾性変形することが容易となる。
【0014】
(3)(1)又は(2)のワイヤーハーネスにおいて、前記プロテクタは、底部及び側壁を有し、前記底部とは反対側に開口する本体部と、前記本体部の開口を塞ぐ蓋部とを含み、前記大径保持部は、前記本体部に形成された本体側大径保持部と、前記蓋部に形成された蓋側大径保持部とを有し、前記保持対象部分が、前記本体側大径保持部及び前記蓋側大径保持部の両方に保持されていてもよい。これにより、プロテクタにホルダがよりしっかりと保持されることができる。
【0015】
(4)(1)から(3)のいずれか1つのワイヤーハーネスにおいて、前記コルゲートチューブの中心は、前記大径コルゲートチューブが前記ホルダを介さずに前記大径保持部に保持されたときの前記大径コルゲートチューブの中心と一致してもよい。これにより、コルゲートチューブを用いる場合でも、大径コルゲートチューブを用いる場合と同様に経路長を設定しやすい。
【0016】
(5)(1)から(4)のいずれか1つのワイヤーハーネスにおいて、前記保持対象部分は、前記小径保持部の外面に設けられた第1保持対象部分と、前記軸方向に沿って前記小径保持部の隣に設けられた第2保持対象部分とを有し、前記大径保持部は、前記第1保持対象部分と前記第2保持対象部分とのうち少なくとも一方を保持していてもよい。これにより、ホルダが軸方向に沿っていずれの向きにも取付けられる。
【0017】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤーハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0018】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかるワイヤーハーネスについて説明する。図1は実施形態1にかかるワイヤーハーネス10を示す平面図である。図2はプロテクタ40及びホルダ60を示す斜視図である。図3はプロテクタ40及びホルダ60を示す分解斜視図である。図4図1のIV-IV線に沿った断面図である。図5図1のV-V線に沿った断面図である。図6図1のVI-VI線に沿った断面図である。図7図1のVII-VII線に沿った断面図である。なお、図1においてプロテクタ40の蓋部47が省略されている。また、各図のプロテクタ40において、端部が実線で示されており、端部よりも中間部が二点鎖線で示されている。
【0019】
ワイヤーハーネス10は、車両等に搭載される。ワイヤーハーネス10は、複数の電気機器同士を接続する。ワイヤーハーネス10は、電線20とコルゲートチューブ30とプロテクタ40とホルダ60とを備える。
【0020】
電線20は、電気機器に信号を送ったり、電力を供給したりする。電線20は、例えば金属製の芯線と、樹脂製の被覆とを含む被覆電線である。コルゲートチューブ30及びプロテクタ40は、いずれも電線20を覆って保護する部材である。コルゲートチューブ30は曲げ容易に形成されるのに対して、プロテクタ40は、通常、曲げ困難に形成される。コルゲートチューブ30は、例えば、ワイヤーハーネス10の組付け時などに電線20と共に曲げられる。プロテクタ40は、例えば、電線20が所定の経路に沿って延びた状態を維持できるように電線20の経路を規制する。
【0021】
電線20は、コルゲートチューブ30に覆われる区間と、プロテクタ40に覆われる区間とを有する。コルゲートチューブ30に覆われる区間と、プロテクタ40に覆われる区間とは、一部の重複区間で重複し、他の一部の非重複区間で重複していない。重複区間において、電線20及びコルゲートチューブ30がプロテクタ40に覆われる。重複区間において、コルゲートチューブ30がホルダ60を介してプロテクタ40に保持される。ホルダ60はコルゲートチューブ30とプロテクタ40との間に配置される。コルゲートチューブ30、プロテクタ40及びホルダ60は、それぞれ樹脂成形品である。
【0022】
コルゲートチューブ30は大径筒部31と小径筒部32とを含む。大径筒部31の外径は小径筒部32の外径よりも大きい。大径筒部31と小径筒部32とはコルゲートチューブ30の軸方向に交互に連続する。コルゲートチューブ30の外面及び内面において、大径筒部31及び小径筒部32に応じた凹凸形状が軸方向に連続している。コルゲートチューブ30の外面において、大径筒部31の部分が環状凸部をなし、小径筒部32の部分が環状凹部をなしている。コルゲートチューブ30の内面において、大径筒部31の部分が環状凹部をなし、小径筒部32の部分が環状凸部をなしている。
【0023】
プロテクタ40は、ここでは、本体部41と蓋部47とを含む。本体部41は、上部が開口する溝状に延在する。本体部41は、底部42と複数の側壁43とを有する。底部42の幅方向両側からそれぞれ側壁43が突出する。本体部41において、複数の側壁43の先端同士の間が上部開口44とされる。当該上部開口44を通じて、電線20、コルゲートチューブ30及びホルダ60が本体部41の内部に収容される。蓋部47は、本体部41の上部開口44を塞ぐ。ここでは、本体部41及び蓋部47は互いに別に金型成形された後に、組付けられる。一対の側壁43の一方と蓋部47とがヒンジなどを介してつながるように、本体部41及び蓋部47が一体的に金型成形されてもよい。もっとも、プロテクタ40において蓋部47は省略されてもよい。
【0024】
プロテクタ40には、大径保持部48が設けられている。大径保持部48は、大径コルゲートチューブを保持可能に形成されている。大径保持部48はプロテクタ40の端部に設けられている。ここで、大径コルゲートチューブ及び大径保持部48について図8及び図9をさらに参照しつつ説明する。図8及び図9はプロテクタ40が大径コルゲートチューブ90を保持する様子を示す断面図である。図8図4と同じ位置における断面図であり、図9図5と同じ位置における断面図である。
【0025】
大径コルゲートチューブ90のサイズは、コルゲートチューブ30のサイズよりも大きい。具体的には、大径コルゲートチューブ90は、コルゲートチューブ30と同様に大径筒部91と小径筒部92とが軸方向に交互に連続する形状を有する。大径筒部91の外径は大径筒部31の外径よりも大きく、小径筒部92の外径は小径筒部32の外径よりも大きい。
【0026】
大径保持部48は、大径コルゲートチューブ90に対応する大きさに形成されている。大径保持部48は大径コルゲートチューブ90の凹凸外面に嵌合する凹凸内面を有する。
【0027】
大径保持部48は、嵌合リブ49を有する。嵌合リブ49は、小径筒部92の外側の環状凹部に嵌る。嵌合リブ49の先端面は、小径筒部92の外面に対応する凹面である。ここでは嵌合リブ49は軸方向に沿って複数設けられている。複数の嵌合リブ49のピッチは、複数の小径筒部92のピッチと同じである。隣り合う嵌合リブ49の間は、嵌合凹部50とされている。嵌合凹部50には、大径筒部91が嵌る。ここでは嵌合凹部50の内面は、大径筒部91の外面に対応する凹面とはされていない。
【0028】
ここでは大径保持部48として本体側大径保持部48Aと蓋側大径保持部48Bとが設けられている。本体側大径保持部48Aは、本体部41に形成されている。蓋側大径保持部48Bは、蓋部47に形成されている。本体側大径保持部48Aは4つの嵌合リブ49Aを有し、蓋側大径保持部48Bは4つの嵌合リブ49Bを有している。4つの嵌合リブ49Aと4つの嵌合リブ49Bとは、軸方向において同じ位置に設けられている。
【0029】
4つの嵌合リブ49Aのうち2つの嵌合リブ49A1は、一対の側壁43の一方から、底部42を経て他方の側壁43まで至る長さを有する。嵌合リブ49A1のうち本体部41の内部に突出する先端は、半周分の円弧状に延在する第1部分と、第1部分の端部から側壁43に沿って直線状に延在する第2部分を有する。嵌合リブ49A1のうち第2部分は、本体部41の上部開口44まで延びている。4つの嵌合リブ49Aのうち2つの嵌合リブ49A2は、底部42に形成されており、一対の側壁43には達していない。軸方向において、2つの嵌合リブ49A1の間に2つの嵌合リブ49A2が位置する。4つの嵌合リブ49Bは、嵌合リブ49A2と同様の形状に形成されている。
【0030】
嵌合リブ49A及び嵌合リブ49Bは、それぞれ連結リブ51によって連結されている。本体部41における連結リブ51は、4つの嵌合リブ49Aを軸方向に連結する。本体部41における連結リブ51は、嵌合リブ49A2の周方向両端部の位置にそれぞれ設けられている。蓋部47における連結リブ51は、4つの嵌合リブ49Bを軸方向に連結する。蓋部47における連結リブ51は、嵌合リブ49Bの周方向両端部の位置にそれぞれ設けられている。連結リブ51の高さ寸法は、連結リブ51とつながる部分の嵌合リブ49の高さ寸法よりも小さい。
【0031】
本体部41には、突起45が設けられている。突起45は、本体部41の上部開口44からの大径コルゲートチューブ90の抜けを抑制する。突起45は、一対の側壁43のそれぞれから内側に突出する。一対の側壁43の間隔は、大径筒部91の直径と同じかそれよりもわずかに大きい。一対の突起45は、大径コルゲートチューブ90の中心よりも上部開口44側に位置する。一対の突起45の間隔は、大径筒部91の直径よりも小さい。一対の突起45の間隔は、小径筒部92の直径と同程度である。上部開口44から大径コルゲートチューブ90が本体部41へ収容される際、大径コルゲートチューブ90と一対の突起45とが接触する。この状態で大径コルゲートチューブ90が本体部41に押し込まれることによって、大径コルゲートチューブ90及びプロテクタ40の少なくとも一方が弾性変形して、大径コルゲートチューブ90が一対の突起45の間を通過する。大径コルゲートチューブ90が一対の突起45の間を通過した後、大径コルゲートチューブ90及びプロテクタ40のうち弾性変形していた部分が弾性復帰して、大径コルゲートチューブ90に対して上部開口44側を一対の突起45が押さえる。
【0032】
一対の突起45は、軸方向において2つの嵌合リブ49A1の間に設けられる。一対の突起45は、軸方向において2つの嵌合リブ49A2と同じ位置に設けられる。軸方向における突起45の長さは、2つの嵌合リブ49A2の外面同士の間隔と同程度である。
【0033】
本体部41において、一対の突起45の下方にそれぞれ貫通孔46が形成されている。貫通孔46は、平面視において突起45と同じかそれよりも大きい。貫通孔46は、本体部41を金型成形する際、突起45をなす金型部分を抜くための孔である。平面視において嵌合リブ49A2は一対の貫通孔46の一方から他方まで延びている。
【0034】
コルゲートチューブ30は、例えば、電線20の数が少ないなどの理由により電線20束が細い場合に、大径コルゲートチューブ90の代わりに用いられる。ここで、コルゲートチューブ30及び大径コルゲートチューブ90は、通常、汎用品であるため、大径コルゲートチューブ90からコルゲートチューブ30への変更は大きなコストアップ要因とはなりにくい。これに対して、プロテクタ40は、通常、電線20の経路などに応じた専用品であるため、大径コルゲートチューブ90用のプロテクタ40からコルゲートチューブ30用のプロテクタへの変更は大きなコストアップ要因となりやすい。このため、本開示のワイヤーハーネス10では、コルゲートチューブ30に対しても大径コルゲートチューブ90用のプロテクタ40が共用されることが想定されている。しかしながら、プロテクタ40の大径保持部48は大径コルゲートチューブ90に対応する大きさに形成されているため、大径保持部48がコルゲートチューブ30を直接的に保持することが困難とされる。
【0035】
例えば、ここでは、コルゲートチューブ30と大径コルゲートチューブ90とのサイズ差が大きい。具体的には、小径筒部92の外径が、大径筒部31の外径よりも大きい。このため、大径保持部48の中心とコルゲートチューブ30の中心とが一致した状態で、径方向において大径保持部48とコルゲートチューブ30との間に隙間が生じる。このため、大径保持部48がコルゲートチューブ30を直接的に保持することが困難とされる。
【0036】
さらにここでは、大径コルゲートチューブ90における軸方向のピッチと、コルゲートチューブ30における軸方向のピッチとは互いに異なっており、一方が他方の整数倍の関係にもなっていない。このため、大径保持部48にコルゲートチューブ30を直接的に保持させることが試みられた際、大径保持部48における複数の嵌合リブ49のうちの1つが小径筒部32の外側に位置するときに、複数の嵌合リブ49のうちの他の1つが大径筒部31の外側に位置する。
【0037】
このように、大径コルゲートチューブ90に対応する大きさを有する大径保持部48の凹凸内面は、コルゲートチューブ30における凹凸外面に嵌合しにくい。そこで、大径保持部48に直接的にコルゲートチューブ30を保持させるのではなく、ホルダ60を介して間接的に大径保持部48にコルゲートチューブ30を保持させている。
【0038】
ホルダ60は、小径保持部61と保持対象部分80とを含む。小径保持部61は、コルゲートチューブ30を保持する。保持対象部分80は大径保持部48に保持される。
【0039】
小径保持部61は、第1小径保持部62及び第2小径保持部79を有する。第1小径保持部62は、周方向に離れた3点でコルゲートチューブ30を支持する。第2小径保持部79は、コルゲートチューブ30の下半周分を支持する。第2小径保持部79は、軸方向において第1小径保持部62の隣に設けられる。ここでは、第2小径保持部79は、軸方向において第1小径保持部62の両隣に設けられる。
【0040】
第1小径保持部62は、第1支持部分63、第2支持部分64及び第3支持部分65を有する。第1支持部分63、第2支持部分64及び第3支持部分65は、コルゲートチューブ30のうち周方向における互いに異なる部分を支持する。例えば、第1支持部分63、第2支持部分64及び第3支持部分65は、周を3つの領域に等分したときに互いに異なる領域に存在し得る。第1支持部分63と第2支持部分64との間に挿入口66が形成されている。挿入口66は、小径保持部61に対してコルゲートチューブ30を抜き差しするための開口である。第3支持部分65は、コルゲートチューブ30の軸方向における第1支持部分63及び第2支持部分64と同じ位置において、挿入口66とは反対側からコルゲートチューブ30を支持する。第1支持部分63、第2支持部分64及び第3支持部分65にそれぞれ嵌合リブ67が設けられている。
【0041】
嵌合リブ67は軸方向に沿って複数設けられる。ここでは嵌合リブ67は軸方向に沿って3つ設けられている。隣り合う嵌合リブ67の間は、嵌合凹部68とされている。嵌合リブ67は、小径筒部32の外側の環状凹部に嵌る。図5に示すように、嵌合リブ67の先端面は、小径筒部32の外面に対応する凹面である。嵌合凹部68には、大径筒部31が嵌る。図6に示すように、嵌合凹部68の内面は、大径筒部31の外面に対応する凹面である。
【0042】
第1支持部分63、第2支持部分64及び第3支持部分65は周方向に互いに分離している。第1支持部分63、第2支持部分64及び第3支持部分65は、連結部を介して一体となるようにつながる。係る連結部として、ここでは、連結板部70、第1ベース部分72、第2ベース部分73、第3ベース部分74、第1ベース板部75及び第2ベース板部76が設けられている。
【0043】
連結板部70は、C字板状に形成されている。連結板部70は、円板にU字状のスリット71が形成された形状を有する。図7に示すように、スリット71の幅寸法は、大径筒部31の外径と同程度である。スリット71の形状は、大径筒部31の外径と同程度の直径を有する円が、円板の中心から外縁まで平行移動した軌跡に対応する形状とされる。連結板部70は、軸方向に離れて一対設けられる。一対の連結板部70のうち一方の連結板部70Aは、軸方向においてホルダ60の一端部に位置する。ここでは一対の連結板部70のうち他方の連結板部70Bは、軸方向においてホルダ60の中間部に位置する。連結板部70Bから軸方向におけるホルダ60の他端部に向けて筒状部85が延びている。
【0044】
第1ベース部分72、第2ベース部分73、第3ベース部分74は、一対の連結板部70を軸方向につなぐ。第1ベース部分72、第2ベース部分73及び第3ベース部分74は、周方向に互いに離れて設けられる。第3ベース部分74に対して周方向一方側に第1ベース部分72が位置し、他方側に第2ベース部分73が位置する。第1ベース部分72、第2ベース部分73及び第3ベース部分74は、連結板部70に対して、スリット71の開口とは反対側に位置する。
【0045】
第1ベース板部75は、第1ベース部分72から軸方向と交差する方向に延在する。第2ベース板部76は、第2ベース部分73から軸方向と交差する方向に延在する。第1ベース板部75の先端及び第2ベース板部76の先端は、それぞれ自由端部とされる。ここでは第1ベース板部75及び第2ベース板部76は、スリット71の開口がある側に向けて互いに平行に延在する。第1ベース板部75及び第2ベース板部76は、第1ベース部分72及び第2ベース部分73よりも薄肉に形成されている。これにより、第1ベース板部75及び第2ベース板部76は、第1ベース部分72及び第2ベース部分73と同じ肉厚を有する場合と比べて、第1ベース部分72及び第2ベース部分73との連結部分を起点として先端同士の間隔が広がるような弾性変形が容易とされる。
【0046】
第1支持部分63は、第1ベース板部75における自由端部の内面に設けられている。第2支持部分64は、第2ベース板部76における自由端部の内面に設けられている。第3支持部分65は、第3ベース部分74の内面に設けられている。第1支持部分63及び第2支持部分64は、コルゲートチューブ30のうち第2小径保持部79が支持していない上半周分の一部を支持する。第3支持部分65は、コルゲートチューブ30のうち第2小径保持部79が支持する下半周分の一部を支持する。
【0047】
第1ベース部分72と第3ベース部分74との間に貫通孔77が形成されている。貫通孔77は、平面視において第1支持部分63と同じかそれよりも大きい。貫通孔77は、ホルダ60を金型成形する際、第1支持部分63をなす金型部分を抜くための孔である。同様に第2ベース部分73と第3ベース部分74との間にも第2支持部分64をなす金型部分を抜くための貫通孔77が形成されている。
【0048】
連結板部70におけるスリット71の内面から嵌合リブ78が突出する。嵌合リブ78は、嵌合リブ78と同様にU字状に延在する。連結板部70及び嵌合リブ78が第2小径保持部79をなしている。嵌合リブ78の周方向における端部は、挿入口66よりも上方まで延びる。嵌合リブ78の周方向における端部は、スリット71の開口近くまで延びる。これにより、コルゲートチューブ30がホルダ60に保持される際、挿入口66に挿入される前に、嵌合リブ78が小径筒部32に嵌ることができる。これにより、挿入口66に挿入される前に、コルゲートチューブ30とホルダ60とを軸方向及びスリット71の幅方向に位置決めできる。
【0049】
保持対象部分80は、ホルダ60の外面に設けられている。保持対象部分80は、軸方向において大径コルゲートチューブ90の外面と同様の凹凸外面とされている。つまり、保持対象部分80は、大径筒部91の外面に相当する大径外面部81と、小径筒部92の外面に相当する小径外面部82とを有する。大径外面部81と小径外面部82とが軸方向に交互に連続する。
【0050】
保持対象部分80は、第1保持対象部分83と第2保持対象部分84とを有する。第1保持対象部分83は、小径保持部61の外面に設けられている。第2保持対象部分84は、軸方向に沿って小径保持部61の隣に設けられている。
【0051】
ここでは軸方向に沿ってホルダ60の一端部から他端部まで、凹凸外面が連続している。当該凹凸外面のうち小径保持部61の外面に設けられた部分が第1保持対象部分83とされ、小径保持部61でない部分の外面に設けられた部分が第2保持対象部分84とされる。ここでは、連結板部70Bから軸方向に沿ってホルダ60の他端部に向けて延びる筒状部85が小径保持部61でない部分である。
【0052】
具体的には、図4に示すように、筒状部85の内面には凹凸は形成されていない。筒状部85は、一様な内径で軸方向に連続する。筒状部85の内径は、大径筒部31の外径よりも大きい。ホルダ60の凹凸外面のうち筒状部85に形成された部分が、第2保持対象部分84とされる。筒状部85ののうち外面が凹部となっている位置における肉厚は、大径コルゲートチューブ90の肉厚よりも厚い。筒状部85のうち外面が凸部となっている位置における肉厚は、筒状部85ののうち外面が凹部となっている位置における肉厚よりも厚い。
【0053】
連結板部70、第1ベース部分72、第2ベース部分73及び第3ベース部分74の外面に設けられた凹凸外面が第1保持対象部分83とされる。第1ベース部分72、第2ベース部分73及び第3ベース部分74の外面に大径外面部81が設けられている。図4に示すように、大径外面部81が本体部41の嵌合凹部50に嵌る。ここでは、軸方向に沿って複数(ここでは3つ)の大径外面部81が設けられている。複数の大径外面部81の間は、小径外面部82とされている。図4に示すように、小径外面部82に本体部41の嵌合リブ49が嵌る。連結板部70の外面は、小径外面部82とされている。図7に示すように、連結板部70の外側に嵌合リブ49A1及び嵌合リブ49Bが位置する。保持対象部分80が、本体側大径保持部48A及び蓋側大径保持部48Bの両方に保持されている。
【0054】
第1ベース部分72の大径外面部81の一端から第2ベース部分73の大径外面部81の一端までの長さは、大径筒部91の半周分の長さよりも短い。第1ベース部分72の大径外面部81の一端から第2ベース部分73の大径外面部81の一端までの長さは、環状凸部の4分の1周分の長さよりも長い。第1ベース部分72の大径外面部81の一端から第2ベース部分73の大径外面部81の一端までの長さは、環状凸部の3分の1周分の長さよりも長い。
【0055】
ホルダ60は、大径保持部48に保持されることによって、プロテクタ40に対する軸方向の移動及び軸方向と交差する方向の移動が規制されている。コルゲートチューブ30は、小径保持部61に保持されることによって、ホルダ60に対する軸方向の移動及び軸方向と交差する方向の移動が規制されている。ホルダ60は、大径保持部48に保持されても、プロテクタ40に対する軸回りの回転は規制されていない。コルゲートチューブ30は、小径保持部61に保持されても、ホルダ60に対する軸回りの回転は規制されていない。
【0056】
ホルダ60がプロテクタ40に対して軸回りに回転しても、第1ベース部分72、第2ベース部分73及び第3ベース部分74のうち少なくとも1つに設けられた保持対象部分80は、大径保持部48に保持される。ここでは、ホルダ60がプロテクタ40に対して軸回りに回転しても、第1ベース部分72、第2ベース部分73及び第3ベース部分74のうち少なくとも2つに設けられた保持対象部分80は、大径保持部48に保持される。
【0057】
大径保持部48は、第1保持対象部分83と第2保持対象部分84とのうち少なくとも一方を保持している。ここでは大径保持部48は、第1保持対象部分83を保持している。
【0058】
図4に示すように、本体部41とホルダ60とにおいて、嵌合リブ49Aが第1小径保持部62の小径外面部82の外側に位置し、第1小径保持部62の大径外面部81が嵌合凹部50に嵌る。これにより、軸方向に沿った両向きへのホルダ60の移動が規制される。
【0059】
また、図4に示すように、蓋部47とホルダ60とにおいて、連結板部70Bの径方向外側に位置する嵌合リブ49A1に対して、軸方向内側に第2小径保持部79の大径外面部81が位置する。これにより、軸方向に沿った一方向き(コルゲートチューブ30がプロテクタ40の外に引っ張られる向き)へのホルダ60の移動が規制される。蓋部47とホルダ60とにおいて、軸方向に沿った他方向き(コルゲートチューブ30がプロテクタ40内に挿入される向き)へのホルダ60の移動は規制されていない。
【0060】
また、図7に示すように、プロテクタ40において、連結板部70の小径外面部82のほぼ全周が、嵌合リブ49A1の先端面と嵌合リブ49Bの先端面とに対向する。これにより、軸方向と交差する方向へのホルダ60の移動が規制される。
【0061】
コルゲートチューブ30の中心は、大径コルゲートチューブ90がホルダ60を介さずに大径保持部48に保持されたときの大径コルゲートチューブ90の中心と一致する。コルゲートチューブ30は、コルゲートチューブ30の中心と大径保持部48の中心とが一致するように大径保持部48に保持されている。
【0062】
突起45の位置に第1ベース板部75及び第2ベース板部76が位置しており、この部分の保持対象部分80が周方向において半周よりも短くされている。これにより、本体部41に突起45が設けられる場合でも、ホルダ60を本体部41に収めることが容易となる。
【0063】
具体的には、ホルダ60の保持対象部分80は大径コルゲートチューブ90と比べて厚肉であるため、大径コルゲートチューブ90と比べて弾性変形しにくい。突起45の位置の保持対象部分80が周方向において半周よりも短くされていることによって、保持対象部分80が突起45を通過する際、プロテクタの幅方向において保持対象部分80と突起45とが干渉する寸法を小さくできる。これにより、保持対象部分80が突起45を通過する際の必要な弾性変形量を小さくでき、保持対象部分80が突起45を通過しやすくなる。
【0064】
<効果等>
以上のように構成されたワイヤーハーネス10によると、コルゲートチューブ30が第1支持部分63、第2支持部分64及び第3支持部分65に支持されることによって、コルゲートチューブ30がホルダ60にしっかりと保持されることができる。これにより、大径コルゲートチューブ90用のプロテクタ40に、小径サイズのコルゲートチューブ30をしっかり保持することが可能となる。ワイヤーハーネス10において、電線20のうちプロテクタ40から延び出る端部に端末部が位置する。当該端末部の接続時などに端末部を取り回す際、電線20と一緒にコルゲートチューブ30が曲げられたりねじられたりし得る。このとき、コルゲートチューブ30に係る力は、コルゲートチューブ30をホルダ60から外す力として作用し得る。この場合でも、コルゲートチューブ30がホルダ60にしっかり保持されていることによって、コルゲートチューブ30がホルダ60から外れることを抑制できる。
【0065】
さらに、大径コルゲートチューブ90用のプロテクタ40を小径サイズのコルゲートチューブ30用に流用できることによって、回路数が異なる複数種のワイヤーハーネス10において、部品種類数の増加及びコストアップを抑制できる。
【0066】
また、第1ベース板部75における自由端部に第1支持部分63が設けられ、第2ベース板部76における自由端部に第2支持部分64が設けられている。これにより、第1支持部分63及び第2支持部分64は、コルゲートチューブ30の抜き差し時に挿入口66の幅が広がるように弾性変形することが容易となる。
【0067】
また、保持対象部分80が、本体側大径保持部48A及び蓋側大径保持部48Bの両方に保持されている。これにより、プロテクタ40にホルダ60がよりしっかりと保持されることができる。
【0068】
また、コルゲートチューブ30の中心は、大径コルゲートチューブ90がホルダ60を介さずに大径保持部48に保持されたときの大径コルゲートチューブ90の中心と一致する。これにより、コルゲートチューブ30を用いる場合でも、大径コルゲートチューブ90を用いる場合と同様に経路長を設定しやすい。また、ホルダ60における小径保持部61の中心がプロテクタ40における大径保持部48の中心と一致するようにホルダ60がプロテクタ40に保持される。このため、ホルダ60とプロテクタ40とが固定されておらずホルダ60がプロテクタ40に対して中心軸周りに回転した場合でも、ホルダ60がコルゲートチューブ30を径方向に押しにくい。
【0069】
また、大径保持部48は、第1保持対象部分83と第2保持対象部分84とのうち少なくとも一方を保持している。これにより、ホルダ60が軸方向に沿っていずれの向きにも取付けられる。これについて、図10及び図11をさらに参照しつつ説明する。図10は変形例に係るワイヤーハーネス110を示す断面図である。図10図4と同様の位置での断面図である。図11は変形例に係るワイヤーハーネス110におけるプロテクタ40及びホルダ60を示す分解斜視図である。
【0070】
図10に示すワイヤーハーネス110において、ホルダ60の向きが、ワイヤーハーネス10におけるホルダ60の向きとは異なる。ワイヤーハーネス110において、ホルダ60は、ワイヤーハーネス10のホルダ60とは一端部と他端部とが逆向きとなるようにプロテクタ40に保持されている。ワイヤーハーネス110に示す例では、大径保持部48は、第2保持対象部分84を保持している。
【0071】
ワイヤーハーネス110では、第2保持対象部分84における大径外面部81が本体部41の嵌合凹部50及び蓋部47の嵌合凹部50の両方に嵌っている。また、第2保持対象部分84における小径外面部82に本体部41の嵌合リブ49A及び蓋部47の嵌合リブ49Bの両方に嵌っている。これにより、大径保持部48が大径コルゲートチューブ90を保持する場合と同様に、本体部41及び蓋部47のそれぞれに対して、軸方向の両向きへのホルダ60の移動が規制される。また第2保持対象部分84における大径外面部81の外側に突起45が位置することができる。これにより、大径保持部48が大径コルゲートチューブ90を保持する場合と同様に、突起45がホルダ60の抜けを抑制できる。
【0072】
[付記]
これまで、第1支持部分63及び第2支持部分64の両方が自由端部に設けられるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1支持部分63及び第2支持部分64の両方が自由端部に設けられていなくてもよい。この場合、例えば、第1ベース部分72に第1支持部分63が設けられ、第2ベース部分73に第2支持部分64が設けられてもよい。また例えば、第1支持部分63及び第2支持部分64のいずれか一方のみが自由端部に設けられてもよい。
【0073】
またこれまで、保持対象部分80が本体側大径保持部48A及び蓋側大径保持部48Bの両方に保持されているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、保持対象部分80が、本体側大径保持部48Aにのみ保持されていてもよい。
【0074】
またこれまで、コルゲートチューブ30の中心は、大径コルゲートチューブ90がホルダ60を介さずに大径保持部48に保持されたときの大径コルゲートチューブ90の中心と一致するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。コルゲートチューブ30の中心は、大径コルゲートチューブ90がホルダ60を介さずに大径保持部48に保持されたときの大径コルゲートチューブ90の中心と一致していなくてもよい。
【0075】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0076】
10、110 ワイヤーハーネス
20 電線
30 コルゲートチューブ
31 大径筒部
32 小径筒部
40 プロテクタ
41 本体部
42 底部
43 側壁
44 上部開口
45 突起
46 貫通孔
47 蓋部
48 大径保持部
48A 本体側大径保持部
48B 蓋側大径保持部
49、49A、49A1、49A2、49B 嵌合リブ
50 嵌合凹部
51 連結リブ
60 ホルダ
61 小径保持部
62 第1小径保持部
63 第1支持部分
64 第2支持部分
65 第3支持部分
66 挿入口
67 嵌合リブ
68 嵌合凹部
70、70A、70B 連結板部
71 スリット
72 第1ベース部分
73 第2ベース部分
74 第3ベース部分
75 第1ベース板部
76 第2ベース板部
77 貫通孔
78 嵌合リブ
79 第2小径保持部
80 保持対象部分
81 大径外面部
82 小径外面部
83 第1保持対象部分
84 第2保持対象部分
85 筒状部
90 大径コルゲートチューブ
91 大径筒部
92 小径筒部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11