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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035281
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】暖房装置付きテント
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/12 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
E04H15/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139643
(22)【出願日】2022-09-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (イ) 公開開始日 :令和4年3月8日 公開場所 :時ノ寿の森クラブ(静岡県掛川市倉真7021) TAKI駐車場(静岡県浜松市天竜区上野1494) コハラ呉服町ビル1F(静岡県静岡市葵区呉服町2丁目8-5) いいとこ広場(静岡県掛川市大和田485) 大野路ファミリーキャンプ場(静岡県裾野市須山2934-2) つま恋リゾート彩の郷(静岡県掛川市満水2000) 宇久須キャンプ場(静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須2102-13) 新川モール(静岡県浜松市中区田町230-28) (ロ) 公開開始日 :令和4年4月25日 公開場所 :NAGAI DESIGN株式会社(静岡県袋井市愛野1344-3) よつばの杜(静岡県浜松市天竜区水窪町奥領家4192-2) ヴィラ阿多古(静岡県浜松市天竜区石神1458) エイケン工業株式会社(静岡県御前崎市門屋1370番地) 株式会社Re・lation(静岡県浜松市西区和地町6316) 御前崎市ロングビーチ(静岡県御前崎市御前崎) (ハ)ウェブサイト掲載開始日:令和4年5月15日 ウェブサイトアドレス :https://www.instagram.com/tent_sauna_eiken (ニ) 配布開始日 :令和4年6月17日 配布場所 :エイケン工業株式会社(静岡県御前崎市門屋1370番地)
(71)【出願人】
【識別番号】000102348
【氏名又は名称】エイケン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大成
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141BB01
2E141CC04
2E141DD02
2E141EE03
2E141GG03
2E141GG11
(57)【要約】
【課題】テントまたは暖房装置の設置または撤去が行い易くなる暖房装置付きテントを提供する。
【解決手段】暖房装置付きテント100は、テント本体101とサウナ用のストーブである暖房装置130とを備えている。テント本体101は、設置面G上に閉じられた空間を形成する本体フレーム102がシート状の覆い体110で覆われて小屋状に形成されている。テント本体101の表壁面111には、使用者が出入りするための出入り口112が形成されている。また、テント本体101における出入り口112に対向する部分に暖房装置130をテント本体101内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口114が形成されている。この場合、暖房装置出し入れ口114は、テント本体101における暖房装置130に隣接する部分に形成されている。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面または床面などの設置面上に閉じられた空間を形成するテント本体と、
前記テント本体内に設置されて同テント本体内の室温を上昇させる暖房装置と、
前記テント本体に形成されて同テント本体内に対して人が出入りするための出入り口と、
前記テント本体における前記出入り口に対向する部分に前記暖房装置を前記テント本体内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口とを備えることを特徴とする暖房装置付きテント。
【請求項2】
地面または床面などの設置面上に閉じられた空間を形成するテント本体と、
前記テント本体内に設置されて同テント本体内の室温を上昇させる暖房装置と、
前記テント本体に形成されて同テント本体内に対して人が出入りするための出入り口と、
前記テント本体における前記暖房装置に隣接する部分に同暖房装置を前記テント本体内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口とを備えることを特徴とする暖房装置付きテント。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した暖房装置付きテントにおいて、
前記暖房装置出し入れ口は、
前記設置面付近から上方に向かって延びていることを特徴とする暖房装置付きテント。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載した暖房装置付きテントにおいて、
前記暖房装置出し入れ口は、
前記テント本体の下端部に繋がって形成されていることを特徴とする暖房装置付きテント。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載した暖房装置付きテントにおいて、
前記暖房装置出し入れ口は、
前記テント本体における天井付近まで延びていることを特徴とする暖房装置付きテント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テント内に暖房装置を有する暖房装置付きテントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テント内に暖房装置を有する暖房装置付きテントがある。例えば、下記特許文献1には、平面視で正八角形のテント内の中央部に暖炉を備える暖房装置付きテントとしての煙突付きテントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3086901号公報
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載した暖房装置付きテントにおいては、暖炉は天幕を張る前の基礎構造部を組み立てる過程で基礎構造部内に設置しなければならず、暖炉を自由にテント内に出し入れすることができないため、テントの組み立て、暖炉のメンテナンスまたは暖炉の交換の各作業が行い難いという問題がある。なお、上記特許文献1においては、天幕で覆われた出入り口から暖炉が出し入れできることは記載も示唆もされていないばかりでなく、上記したテントの組み立て構造から鑑みて天幕で覆われた出入り口から暖炉を出し入れ可能に構成しなければならない事情は見当たらない。
【0005】
また、上記特許文献1に記載した暖房装置付きテントにおいては、テントを撤去する場合、暖炉または煙突がある程度冷めるまで天幕を取り外すことができず、テントの撤去、暖炉のメンテナンスまたは暖炉の交換の各作業が行い難いという問題がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、テントまたは暖房装置の設置または撤去が行い易くなる暖房装置付きテントを提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、地面または床面などの設置面上に閉じられた空間を形成するテント本体と、テント本体内に設置されて同テント本体内の室温を上昇させる暖房装置と、テント本体に形成されて同テント本体内に対して人が出入りするための出入り口と、テント本体における出入り口に対向する部分に暖房装置をテント本体内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口とを備えることにある。
【0008】
これによれば、暖房装置付きテントは、テント本体における出入り口に対向する部分に暖房装置をテント本体内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口を備えているため、テント本体内に対する暖房装置の出し入れを容易にすることができテント本体および暖房装置の設置または撤去を行い易くすることができる。これは、テント本体内において暖房装置は出入り口の反対側、換言すれば出入り口に対して奥側に配置されることが多いことに起因している。また、本発明に係る暖房装置付きテントは、暖房装置の使用を終えた場合には、暖房装置出し入れ口を開口することで暖房装置を早期に冷ますことができるとともにテント本体の内壁に結露が生じることを抑えてテント本体および暖房装置の設置または撤去を行い易くすることができる。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、地面または床面などの設置面上に閉じられた空間を形成するテント本体と、テント本体内に設置されて同テント本体内の室温を上昇させる暖房装置と、テント本体に形成されて同テント本体内に対して人が出入りするための出入り口と、テント本体における暖房装置に隣接する部分に同暖房装置をテント本体内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口とを備えることにある。
【0010】
これによれば、暖房装置付きテントは、テント本体における暖房装置に隣接する部分に同暖房装置をテント本体内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口を備えているため、テント本体内に対する暖房装置の出し入れを容易にすることができテント本体および暖房装置の設置または撤去を行い易くすることができる。また、本発明に係る暖房装置付きテントは、暖房装置の使用を終えた場合には、暖房装置出し入れ口を開口することで暖房装置を早期に冷ますことができるとともにテント本体の内壁に結露が生じることを抑えてテント本体および暖房装置の設置または撤去を行い易くすることができる。
【0011】
また、本発明の他の特徴は、前記暖房装置付きテントにおいて、暖房装置出し入れ口は、設置面付近から上方に向かって延びていることにある。
【0012】
これによれば、暖房装置付きテントは、暖房装置出し入れ口が設置面付近から上方に向かって延びて形成されているため、テント本体内に対する暖房装置の出し入れを容易にすることができる。
【0013】
また、本発明の他の特徴は、前記暖房装置付きテントにおいて、暖房装置出し入れ口は、テント本体の下端部に繋がって形成されていることにある。
【0014】
これによれば、暖房装置付きテントは、暖房装置出し入れ口がテント本体の下端部に繋がって形成されているため、テント本体を下端部から二方向に開いて暖房装置を出し入れすることができテント本体内に対する暖房装置の出し入れを容易にすることができる。
【0015】
また、本発明の他の特徴は、前記暖房装置付きテントにおいて、暖房装置出し入れ口は、テント本体における天井付近まで延びていることにある。
【0016】
これによれば、暖房装置付きテントは、暖房装置出し入れ口がテント本体における天井付近まで延びているため、暖房装置出し入れ口を開口することでテント本体を構成するシート状の覆い体をテント本体を構成する骨組みフレームに容易に設置または撤去することができる。また、本発明に係る暖房装置付きテントは、暖房装置の使用を終えた場合には、暖房装置出し入れ口を大きく開口させることができるため、暖房装置を早期に冷ますことができるとともにテント本体の内壁に結露が生じることを抑えてテントおよび暖房装置の設置または撤去を行い易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る暖房装置付きテントの外観構成の概略を出入り口側から示す斜視図である。
図2図1に示す暖房装置付きテントの外観構成の概略を暖房装置出し入れ口側から示す斜視図である。
図3図1に示す暖房装置付きテントのテント本体を構成する本体フレームの外観構成の概略を示す斜視図である。
図4図3に示す本体フレームに覆い体を被せる状態を示す斜視図である。
図5図1に示す暖房装置付きテントにおける暖房装置出し入れ口を開いて暖房装置をテント本体に対して出し入れする際の様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る暖房装置付きテントの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る暖房装置付きテント100の外観構成の概略を出入り口側から示す斜視図である。図2は、図1に示す暖房装置付きテント100の外観構成の概略を暖房装置出し入れ口側から示す斜視図である。
【0019】
(暖房装置付きテント100の構成)
この暖房装置付きテント100は、屋外または屋内などの地面または床などからなる設置面G上に設置されてサウナ室として使用されるものである。この暖房装置付きテント100は、主として、テント本体101と暖房装置130とをそれぞれ備えて構成されている。
【0020】
テント本体101は、暖房装置付きテント100において人を収容する閉じられた空間を形成する組立式の構造物であり、主として、本体フレーム102と覆い体110とで構成されている。
【0021】
本体フレーム102は、図3に示すように、テント本体101を支える骨格を構成する部品であり、金属製(例えば、鋼製またはアルミニウム製)の複数の棒体を立体的に組んで構成されている。本実施形態においては、本体フレーム102は、6つの支柱103、6つの下側水平部材104、6つの上側水平部材105、1つの棟部材106および6つの屋根支持部材107をそれぞれ備えて構成されている。
【0022】
支柱103は、設置面Gに起立した姿勢で設けられて本体フレーム102を支える棒状の部品であり、平面視で長方形の四隅および同長方形の長辺における中央部にそれぞれ配置されている。この場合、支柱103は、暖房装置付きテント100の使用者の身長程度の高さに形成されている。
【0023】
下側水平部材104は、前記した6つの支柱103を一体的に連結するための棒状の部品である。この下側水平部材104は、互いに隣接し合う2つの支柱103間においてこれらの支柱103の設置面Gの近くの下部部分間に連結部材を介して架設された状態で設けられている。
【0024】
上側水平部材105は、前記した6つの支柱103を一体的に連結するための棒状の部品である。この上側水平部材105は、互いに隣接し合う2つの支柱103間においてこれらの支柱103の上部部分間に連結部材を介して架設された状態で設けられている。
【0025】
棟部材106は、暖房装置付きテント100の最頂上部の棟を構成する棒状の部材である。この棟部材106は、平面視で長方形状に形成された本体フレーム102の短手方向の中央部に長手方向に延びて配置されている。
【0026】
屋根支持部材107は、暖房装置付きテント100の屋根を構成するための棒状の部品である。この屋根支持部材107は、前記した6つの支柱103の各上端部から前記した棟部材106に向かって上り傾斜の姿勢で設けられている。この場合、屋根支持部材107は、支柱103および棟部材106に対してそれぞれ連結部材を介して連結されている。
【0027】
覆い体110は、暖房装置付きテント100における壁および屋根をそれぞれ構成する部品であり、樹脂製(例えば、ナイロン製)のシート材で構成されている。本実施形態においては、覆い体110は、表壁面111、裏壁面113、左側壁面116、右側壁面118および屋根面120をそれぞれ備えて構成されている。
【0028】
表壁面111は、暖房装置付きテント100の出入り口112を有する壁面であり、平面視で長方形状に組まれた本体フレーム102における2つの短手方向のうちの一方の短手方向上に起立した状態で形成されている。この場合、表壁面111の下端部には、設置面G側に屈曲して延びて設置面G上に載置される下部延長部111aが形成されている。
【0029】
出入り口112は、テント本体101の内部に対して出入りするための部分であり、表壁面111の中央部に線ファスナによって開閉自在な開口部として形成されている。本実施形態においては、出入り口112は、横向きのJ字状に線ファスナが形成されて構成されている。
【0030】
裏壁面113は、暖房装置出し入れ口114を有する壁面であり、平面視で長方形状に組まれた本体フレーム102における2つの短手方向のうちの他方の短手方向上に起立した状態で形成されている。すなわち、この裏壁面113は、前記した表壁面111に対向して形成されている。この場合、裏壁面113の下端部には、表壁面111と同様に、設置面G側に屈曲して延びて設置面G上に載置される下部延長部113aが形成されている。また、裏壁面113には、暖房装置出し入れ口114のほかに換気口115が形成されている。
【0031】
暖房装置出し入れ口114は、テント本体101の内部に対して暖房装置130を出し入れするとともにテント本体101内の換気を行うための部分であり、裏壁面113の中央部に線ファスナによって開閉自在な開口部として形成されている。本実施形態においては、暖房装置出し入れ口114は、下部延長部113aの下端部から裏壁面113の上端部近くまで一直線に線ファスナが形成されて構成されている。この暖房装置出し入れ口114は、少なくとも暖房装置130をテント本体101内に対して出し入れ可能な大きさで開口するように形成されている。
【0032】
換気口115は、テント本体101内の換気を行うための部分であり、裏壁面113の下部分に正面視で方形状に開口して形成されている。この場合、換気口115は、テント本体101内において暖房装置130が設置される部分の近傍に形成される。また、この換気口115は、網目状のシートで覆われるとともに裏壁面113と同じシート材で換気口115の全体または一部を覆ったり、開放したりすることができるように構成されている。
【0033】
左側壁面116は、テント本体101において表壁面111側から見て左側の側壁を構成する壁面であり、平面視で長方形状に組まれた本体フレーム102における2つの長手方向のうちの一方の長手方向上に起立した状態で形成されている。この場合、左側壁面116の下端部には、表壁面111および裏壁面113と同様に、設置面G側に屈曲して延びて設置面G上に載置される下部延長部116aが形成されている。この左側壁面116には、窓117が形成されている。
【0034】
窓117は、テント本体101内に採光する部分であり、左側壁面116の長手方向に沿って延びる正面視で長方形状の開口部を透明な樹脂製シートで覆って形成されている。この場合、窓117には、左側壁面116と同じシート材で窓117の全体または一部を覆ったり、開放したりすることができるように構成されている。
【0035】
右側壁面118は、テント本体101において表壁面111側から見て右側の側壁を構成する壁面であり、平面視で長方形状に組まれた本体フレーム102における2つの長手方向のうちの他方の長手方向上に起立した状態で形成されている。この場合、右側壁面118の下端部には、表壁面111、裏壁面113および左側壁面116と同様に、設置面G側に屈曲して延びて設置面G上に載置される下部延長部118aが形成されている。そして、これらの下部延長部111a,113a,116a,118aは、互いに隣接する部分が一体的に繋がって形成されている。
【0036】
屋根面120は、テント本体101の屋根を構成する傾斜面であり、平面視で長方形状に組まれた本体フレーム102を上方から覆う長方形状に形成されている。この場合、屋根面120は、棟部材106を境として左側壁面116側および右側壁面118側にそれぞれ下り傾斜する状態で棟部材106上および屋根支持部材107上にそれぞれ載置されている。これにより、テント本体101は、妻切り屋根(山形)に構成されている。
【0037】
この屋根面120には、テント本体101内に配置される暖房装置130の上方に位置する部分に暖房装置130の煙突131が貫通する煙突孔121が形成されている。また、屋根面120の外縁部には、環状のグロメットが嵌め込まれた貫通孔からなる鳩目122が支柱103に対応する位置にそれぞれ形成されている。そして、これらの表壁面111、裏壁面113、左側壁面116、右側壁面118および屋根面120は、各シート片が縫合されて1枚の覆い体110を構成している。
【0038】
暖房装置130は、テント本体101内に配置されてサウナを行うことができる程度までテント本体101内を高温多湿環境にするための加熱装置である。具体的には、暖房装置130は、木材を燃やした熱でサウナストーンを熱するストーブで構成されている。この暖房装置130には、燃料の燃焼によって生じる煙をテント本体101外に排出するための煙突131が垂直方向に起立した姿勢で暖房装置130に対して着脱自在に設けられている。
【0039】
(暖房装置付きテント100の作動)
次に、このように構成した暖房装置付きテント100の作動について説明する。まず、使用者は、暖房装置付きテント100の使用場所となる設置面G上にテント本体101を組み立てる。具体的には、使用者は、本体フレーム102を構成する棒材を用意して本体フレーム102を組み上げる(図3参照)。この場合、使用者は、本体フレーム102の内側に暖房装置130を配置しておく必要がないため、本体フレーム102を作業性良く組み上げることができる。
【0040】
次に、使用者は、図4に示すように、覆い体110を用意して本体フレーム102の外側に掛けて覆う。この場合、使用者は、覆い体110における裏壁面113に形成されている暖房装置出し入れ口114を全開または半開にすることで覆い体110を容易に本体フレーム102に掛けることができる。また、使用者は、覆い体110の内側面に複数設けられている紐(図示せず)を本体フレーム102に結ぶことで覆い体110を本体フレーム102に取り付けることができる。
【0041】
使用者は、覆い体110で本体フレーム102を完全に覆った後、暖房装置出し入れ口114を閉じることでテント本体101を組み立てることができる。すなわち、使用者は、本体フレーム102を覆い体110で覆うことで小屋状のテント本体101を形成することができる。
【0042】
この場合、使用者は、後工程における暖房装置130の搬入を考慮して暖房装置出し入れ口114を開けたままでテント本体101の組み立て作業を終えることもできる。この覆い体110で本体フレーム102を覆う作業においても、使用者は本体フレーム102の内側に暖房装置130を配置しておく必要がないため、覆い体110を作業性良く本体フレーム102に掛けることができる。
【0043】
次に、使用者は、暖房装置130を用意してテント本体101内に設置する。具体的には、使用者は、図5に示すように、テント本体101の覆い体110における暖房装置出し入れ口114を開いた状態としてこの暖房装置出し入れ口114から暖房装置130および煙突131をそれぞれテント本体101内に搬入する。この場合、使用者は、暖房装置出し入れ口114を境にして裏壁面113を左右に開くことで暖房装置出し入れ口114を開口することができる。この場合、裏壁面113は、下部延長部113aが設置面G上に載置されている際の摩擦によって暖房装置出し入れ口114が勝手に閉じてしまうことを防止することができる。また、使用者は、暖房装置出し入れ口114によって左右方向に広がった裏壁面113を鳩目122に紐などを用いて留めてもよい。
【0044】
使用者は、テント本体101内における暖房装置130の設置位置に暖房装置130を配置した後、煙突131を屋根面120の煙突孔121を貫通した状態で暖房装置130に取り付けて暖房装置130の設置を完了することができる。この場合においても、使用者は、暖房装置出し入れ口114が開口していることで暖房装置130の設置作業が行い易くなる。
【0045】
また、使用者は、暖房装置130に使用する木材などの燃料およびサウナストーンについても暖房装置出し入れ口114を介してテント本体101内に搬入することができる。そして、使用者は、テント本体101内に暖房装置130および燃料を設置または搬入した場合には、暖房装置出し入れ口114を閉じる。これにより、使用者は、暖房装置付きテント100をサウナとして使用できる状態にすることができる。
【0046】
次に、使用者は、出入り口112からテント本体101内に入って暖房装置130を操作することでサウナを愉しむことができる。そして、使用者は、サウナを終える場合には暖房装置出し入れ口114を開くことでテント本体101内の熱気および蒸気をテント本体101外に排出することができる。この場合、使用者は、暖房装置出し入れ口114に加えて出入り口112を開くことでテント本体101内の熱気および蒸気をテント本体101外により効果的に排出することができる。これらにより、使用者は、暖房装置130および本体フレーム102を早期に冷却できるとともに本体フレーム102および覆い体110の結露を早期に取り除いて乾燥させることができる。
【0047】
次に、使用者は、暖房装置130から煙突131を取り外した後、これらの暖房装置130および煙突131のほか、燃料およびサウナストーンをそれぞれテント本体101内から搬出する。次に、使用者は、覆い体110を本体フレーム102から取り外す。これらの場合においても使用者は、暖房装置出し入れ口114が開口していることで物品の搬出および覆い体110の取り外しの各作業を容易に行うことができる。そして、使用者は、本体フレーム102を解体することで暖房装置付きテント100を撤去することができる。
【0048】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、暖房装置付きテント100は、テント本体101における出入り口112に対向する部分に暖房装置130をテント本体101内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口114を備えているため、テント本体101内に対する暖房装置130の出し入れを容易にすることができテント本体101および暖房装置130の設置または撤去を行い易くすることができる。また、本発明に係る暖房装置付きテント100は、暖房装置130の使用を終えた場合には、暖房装置出し入れ口114を開口することで暖房装置130を早期に冷ますことができるとともにテント本体101の内壁に結露が生じることを抑えてテント本体101および暖房装置130の設置または撤去を行い易くすることができる。
【0049】
また、暖房装置付きテント100は、テント本体101における暖房装置130に隣接する部分に同暖房装置130をテント本体101内に出し入れできる大きさに開閉自在に形成された暖房装置出し入れ口114を備えているため、テント本体101内に対する暖房装置130の出し入れを容易にすることができテント本体101および暖房装置130の設置または撤去を行い易くすることができる。また、本発明に係る暖房装置付きテント100は、暖房装置130の使用を終えた場合には、暖房装置出し入れ口114を開口することで暖房装置130を早期に冷ますことができるとともにテント本体101の内壁に結露が生じることを抑えてテント本体101および暖房装置130の設置または撤去を行い易くすることができる。
【0050】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0051】
例えば、上記実施形態においては、暖房装置出し入れ口114は、テント本体101における出入り口112に対向する部分に形成した。これは、テント本体101内において暖房装置130が出入り口112の反対側、換言すれば出入り口112に対して奥側に配置されることが多いことに起因している。しかし、暖房装置出し入れ口114は、テント本体101内における暖房装置130に隣接する部分に形成されていればよい。この場合、テント本体101内における暖房装置130に隣接する部分とは、暖房装置130の外周面に対して1m以下、好ましくは50cm以下の範囲である。
【0052】
したがって、暖房装置出し入れ口114は、例えば、左側壁面116または右側壁面118に形成することができる。また、暖房装置出し入れ口114は、2か所以上設けることもできる。
【0053】
また、上記実施形態においては、暖房装置出し入れ口114は、裏壁面113の下端部、具体的には下部延長部113aの下端部から上方に向かって延びるように形成した。これにより、暖房装置出し入れ口114は、下端部から二方向(左右方向)に開いて暖房装置130を出し入れすることができテント本体101内に対する暖房装置130の出し入れを容易にすることができる。しかし、暖房装置出し入れ口114は、必ずしも覆い体110の下端部から形成する必要はない。例えば、暖房装置出し入れ口114は、裏壁面113における下部延長部113aの上端部(つまり、設置面G付近)またはこの上端部よりも上方の部分から上方に向かって延びるように形成することもできる。すなわち、暖房装置出し入れ口114は、覆い体110における外縁部より内側部分にのみ形成(換言すれば、外縁部に繋がらないように形成)することもできる。これによれば、暖房装置出し入れ口114は、開口した際に覆い体110が暖房装置出し入れ口114を境にして必要以上に広がることを防止することができる。
【0054】
また、暖房装置出し入れ口114は、裏壁面113の下端部から上方に向かって直線状に延びて形成した。しかし、暖房装置出し入れ口114は、水平方向に延びて形成されていてもよいし、曲線状に形成されていてもよい。
【0055】
また、暖房装置出し入れ口114は、裏壁面113の下端部から裏壁面113の上端部付近まで延びて形成した。これにより、暖房装置出し入れ口114は、テント本体101内に対する暖房装置130の出し入れを容易にすることができるとともにテント本体101内の換気を効果的に行うことができる。しかし、暖房装置出し入れ口114は、裏壁面113の下端部から裏壁面113の上端部まで延びて形成してもよいし、上端部を超えて屋根面120まで延びて形成されていてもよいし、暖房装置出し入れ口114を出し入れできる最小限の高さ(例えば、暖房装置130の高さ)の範囲で形成されていてもよい。
【0056】
また、上記実施形態においては、覆い体110は、4つの下部延長部111a,113a,116a,118aを設けて構成した。これにより、テント本体101は、テント本体101内の気密性を向上させることができる。また、テント本体101は、裏壁面113における暖房装置出し入れ口114を開口した際に下部延長部113aが設置面Gに接触していることで暖房装置出し入れ口114が意図せず自然に閉じてしまうことを防止することができる。しかし、覆い体110は、4つの下部延長部111a,113a,116a,118aのうちの一部または全部を省略して構成することもできる。
【0057】
また、上記実施形態においては、暖房装置130は、燃料を燃やして発熱する炉で構成した。しかし、暖房装置130は、テント本体101内の空気を温めることができればよい。したがって、暖房装置130は、例えば、電気ヒータ構成されていてもよい。また、暖房装置130は、テント本体101内をサウナが行える程度に高温多湿にできる仕様に限定されるものではなく、テント本体101内を単に温める仕様で構成されていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態においては、テント本体101は、平面視で長方形状に形成した。しかし、テント本体101は、平面視において方形以外の形状、例えば、六角形などの多角形のほか円形(だ円を含む)の各形状で構成することができる。また、テント本体101は、直方体または立方体などの柱状またはボックス型のほか、円錐または角錐などの錐形状に形成することもできる。
【0059】
また、上記実施形態においては、本体フレーム102は、棒状の剛体で構成した。しかし、本体フレーム102は、棒材以外の線材または板状体で構成できるとともに可撓性を有する金属製または樹脂製の棒体、線材、板状体で構成することができる。
【符号の説明】
【0060】
G…設置面、
100…暖房装置付きテント、
101…テント本体、102…本体フレーム、103…支柱、104…下側水平部材、105…上側水平部材、106…棟部材、107…屋根支持部材、
110…覆い体、111…表壁面、111a…下部延長部、112…出入り口、113…裏壁面、113a…下部延長部、114…暖房装置出し入れ口、115…換気口、116…左側壁面、116a…下部延長部、117…窓、118…右側壁面、118a…下部延長部、
120…屋根面、121…煙突孔、122…鳩目、
130…暖房装置、131…煙突。
図1
図2
図3
図4
図5