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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035283
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】攪拌装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 29/64 20220101AFI20240307BHJP
   B01F 23/60 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 35/45 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 35/53 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 35/33 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 35/75 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 29/63 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 27/112 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 27/61 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 27/213 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 27/70 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 27/63 20220101ALI20240307BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20240307BHJP
   A47J 43/044 20060101ALI20240307BHJP
   A47J 43/046 20060101ALI20240307BHJP
   B01F 101/06 20220101ALN20240307BHJP
【FI】
B01F29/64
B01F23/60
B01F35/45
B01F35/53
B01F35/33
B01F35/75
B01F29/63
B01F27/112
B01F27/61
B01F27/213
B01F27/70
B01F27/63
B01F35/71
A47J43/044
A47J43/046
B01F101:06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139647
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】322007419
【氏名又は名称】株式会社エフエムピー
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 博
【テーマコード(参考)】
4B053
4G035
4G036
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA14
4B053BC04
4B053BC13
4B053BE12
4B053BG05
4B053BL09
4G035AB36
4G035AB38
4G035AB43
4G035AB46
4G035AB48
4G035AE13
4G036AA04
4G036AA05
4G036AA25
4G037AA04
4G037AA12
4G037DA01
4G037EA03
4G037EA05
4G078AA01
4G078AA30
4G078AB09
4G078BA01
4G078BA03
4G078CA01
4G078CA08
4G078CA15
4G078DA01
4G078EA10
(57)【要約】
【課題】攪拌羽根を攪拌槽の外部から挿入する構成における攪拌槽の開口部のシール性を向上させることができる攪拌装置を提供する。
【解決手段】攪拌装置1は、支持体3と、支持体3に回転可能に支持されたドラム状の攪拌槽5と、支持体3に回動可能に支持され、一部が攪拌槽5内にその開口部5aから進入して被攪拌物を攪拌する攪拌ユニット9とを備え、攪拌ユニット9は、回動アーム45と、攪拌槽5内に進入する攪拌モータ49や第1の攪拌羽根51等を支持する固定軸47と、該固定軸47にベアリングユニット53を介して回転可能に設けられ、攪拌槽5の開口部5aを塞いだ状態で攪拌槽5と連れ回りする蓋部材55とを有している。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
前記支持体に回転可能に支持されたドラム状の攪拌槽と、
前記攪拌槽をその軸心回りに回転駆動する第1の駆動源と、
前記支持体に支持されて前記攪拌槽に接離自在に設けられ、一部が前記攪拌槽内に該攪拌槽の開口部から進入して被攪拌物を攪拌する攪拌位置と、前記攪拌槽から退避する退避位置とに任意に設定可能な攪拌ユニットとを備え、
前記攪拌ユニットが、前記攪拌槽内に進入する部分を支持する固定軸と、該固定軸に低摩擦部材を介して回転可能に設けられ、前記攪拌槽の前記開口部を塞いだ状態で前記攪拌槽と連れ回りする蓋部材とを有していることを特徴とする攪拌装置。
【請求項2】
請求項1に記載した攪拌装置において、
低摩擦部材がベアリングユニットであることを特徴とする攪拌装置。
【請求項3】
請求項2に記載した攪拌装置において、
ベアリングユニットの攪拌槽の底面側にダストシールが設けられていることを特徴とする攪拌装置。
【請求項4】
請求項1に記載した攪拌装置において、
蓋部材と攪拌槽の開口部のうち少なくとも一方にシール部材が設けられていることを特徴とする攪拌装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した攪拌装置において、
攪拌ユニットが、支持体に回動自在に支持された回動アームと、固定軸に固定された第2の駆動源と、該第2の駆動源で回転駆動される第1の攪拌羽根とを備えていることを特徴とする攪拌装置。
【請求項6】
請求項5に記載した攪拌装置において、
攪拌槽の内壁に第2の攪拌羽根が固定されていることを特徴とする攪拌装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載した攪拌装置において、
攪拌槽が支持体に上下方向に回動自在に支持され、攪拌槽を上下方向に回動する第3の駆動源を有していることを特徴とする攪拌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粉末状の食品を混合する場合等に用いられる攪拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の攪拌装置としては、例えば特許文献1に記載の食品ミキサーが知られている。
この装置は、L字型の架台の水平部に容器を回転可能に設け、垂直部の上側に二股状の攪拌羽根を回転駆動する駆動構成部を上下方向に回動自在に設けた構成を有している。
駆動構成部には容器の開口部を覆う蓋部材としての透明カバーが、攪拌羽根を貫通させた状態に設けられており、駆動構成部を下方に回動すると、容器の開口部が透明カバーで覆われ、容器内で攪拌羽根が上下方向の軸心回りに回転駆動するようになっている。透明カバーは駆動構成部に位置固定されている。
【0003】
特許文献2には、攪拌槽側に攪拌羽根を設けた攪拌装置が開示されている。この攪拌装置は、支持体に回転可能に支持されたドラム状の攪拌槽をその軸心回りにモータで回転駆動して攪拌槽の内壁に取り付けられた羽根部材で被攪拌物を攪拌する構成を有している。
また、被攪拌物の投入、排出を容易にすべく別のモータで攪拌槽を上下方向に任意の角度に回動して攪拌槽の開口部の位置を変えることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-165710号公報
【特許文献2】特開2011-20106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の食品ミキサーでは、容器内に攪拌羽根が存在しないので容器側の構成が簡易となって清掃し易いという利点を有している。
しかしながら、蓋部材としての透明カバーは容器の回転に対して位置固定されているので、回転する容器との間での摩擦を回避できず、ブラシシール等が採用されているものの、蓋部材と容器開口部との間のシール性が不十分であるという問題がある。
【0006】
ところで、特許文献1に記載の構成と特許文献2に記載の構成とを組み合わせれば、攪拌槽の内外に存在する攪拌動作が異質の攪拌羽根の組み合わせとなり、攪拌機能のさらなる向上が期待できる。
しかしながら、この場合にも上述のシール性が不十分であるという問題が避けられない。
【0007】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、攪拌羽根を攪拌槽の外部から挿入する構成における攪拌槽の開口部のシール性を向上させることができるとともに、攪拌槽側の攪拌羽根との組み合わせによっては攪拌機能のさらなる向上を図ることができる攪拌装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明は、支持体と、前記支持体に回転可能に支持されたドラム状の攪拌槽と、前記攪拌槽をその軸心回りに回転駆動する第1の駆動源と、前記支持体に支持されて前記攪拌槽に接離自在に設けられ、一部が前記攪拌槽内に該攪拌槽の開口部から進入して被攪拌物を攪拌する攪拌位置と、前記攪拌槽から退避する退避位置とに任意に設定可能な攪拌ユニットとを備え、前記攪拌ユニットが、前記攪拌槽内に進入する部分を支持する固定軸と、該固定軸に低摩擦部材を介して回転可能に設けられ、前記攪拌槽の前記開口部を塞いだ状態で前記攪拌槽と連れ回りする蓋部材とを有していることを特徴とする攪拌装置である。
【0009】
好ましくは、低摩擦部材がベアリングユニットであることを特徴とする攪拌装置である。
【0010】
好ましくは、ベアリングユニットの攪拌槽の底面側にダストシールが設けられていることを特徴とする攪拌装置である。
【0011】
好ましくは、蓋部材と攪拌槽の開口部のうち少なくとも一方にシール部材が設けられていることを特徴とする攪拌装置である。
【0012】
好ましくは、攪拌ユニットが、支持体に回動自在に支持された回動アームと、固定軸に固定された第2の駆動源と、該第2の駆動源で回転駆動される第1の攪拌羽根とを備えていることを特徴とする攪拌装置である。
【0013】
好ましくは、攪拌槽の内壁に第2の攪拌羽根が固定されていることを特徴とする攪拌装置である。
【0014】
好ましくは、攪拌槽が前記支持体に上下方向に回動自在に支持され、前記攪拌槽を上下方向に回動する第3の駆動源を有していることを特徴とする攪拌装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、攪拌羽根を攪拌槽の外部から挿入する構成における攪拌槽の開口部のシール性を向上させることができるとともに、攪拌槽側の攪拌羽根との組み合わせによっては攪拌機能のさらなる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態に係る攪拌装置の概要平面図で、攪拌ユニットが退避位置にある状態を示す図である。
図2図1で示した攪拌装置の攪拌ユニットを取り除いた状態の概要正面図である。
図3図1で示した攪拌装置の攪拌ユニットが攪拌位置にある状態の概要側面図である。
図4図1で示した攪拌装置の攪拌槽を示す斜視図である。
図5図1の状態から攪拌ユニットを回動させてその一部を攪拌槽内に進入させた状態を示す概要平面図である。
図6図5の状態から攪拌ユニットをさらに回動させて攪拌位置に設定した状態を示す概要平面図である。
図7図1で示した攪拌装置における蓋部材周辺の構造を示す分解斜視図である。
図8図1で示した攪拌装置における蓋部材周辺の断面図である。
図9図4のX-X線位置での概要断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係る攪拌装置を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る攪拌装置1は、平面視の輪郭がコ字状となる支持体3と、支持体3の内方に回転可能に支持されたドラム状の攪拌槽5と、攪拌槽5をその軸心回りに回転駆動する第1の駆動源としてのドラム回転モータ7と、支持体3に支持されて攪拌槽5に接離自在に設けられ、その一部が攪拌槽5内に該攪拌槽5の開口部5aから進入して被攪拌物を攪拌する攪拌位置P2(図6参照)と、攪拌槽5から退避する退避位置P1とに任意に設定可能な攪拌ユニット9とを備えている。
【0018】
以下の説明において、攪拌槽5が水平に支持された状態での開口部5a側を前方側、反対側である底面5b側を後方側とする。
支持体3は、外枠11と、攪拌槽5を回転可能に支持するとともに、外枠11に回動自在に支持された内枠13とを有している。
外枠11は、攪拌槽5の前方側から見て左側に位置する左サイドケース15と、右側に位置する操作盤ケース17及び右サイドケース19とを備え、これらは図2及び図3に示すように、底板21で連結固定されているとともに、後方側において横架部材23で連結固定されている。図1では底板21と横架部材23を省略している。
【0019】
図3に示すように、左サイドケース15は、2本の脚部25、27で支持されており、これらの脚部25、27が底板21に固定され、脚部25は横架部材23にも固定されている。
底板21の下面四隅には、攪拌装置1の移動を可能とするキャスター29が固定されているとともに、キャスター29を浮かせて自重で位置固定するための、ボルト・ナット等からなる位置止め具31が固定されている。図2では位置止め具31は省略している。
【0020】
図2では分り易くするために攪拌ユニット9の表示を省略する。
図3は攪拌ユニット9が攪拌位置P2にある状態の側面図である。
図1に示すように、内枠13は、断面が矩形の左側板33及び右側板35と、これらの後方側を連結するリアケース37とを備えている。
攪拌槽5の底面5bには回転軸38が固定されており、回転軸38はリアケース37に収容されたドラム回転モータ7により回転方向変換ギヤ列を介して回転駆動される。
左側板33は、左サイドケース15に支持された支持軸39で回動可能に支持されており、右側板35は、右サイドケース19に収容された、攪拌槽5を上下方向に回動する第3の駆動源としてのドラム上下モータ41により回転方向変換ギヤ列を介して回転駆動される駆動軸43に回動可能に支持されている。
【0021】
これにより、図3に示すように、攪拌槽5は内枠13と共に支持軸39と駆動軸43を中心として上下方向(矢印R方向)に回動可能となっている。すなわち、攪拌槽5は支持体3に上下方向に回動自在に支持されている。
【0022】
図1に示すように、攪拌ユニット9は、支持体3に回動自在に支持された回動アーム45と、回動アーム45に固定され、攪拌槽5内に進入する部分を支持する固定軸47と、固定軸47に固定された第2の駆動源としての攪拌モータ49と、該攪拌モータ49で回転駆動される第1の攪拌羽根51等を備えている。
また、攪拌ユニット9は、固定軸47に低摩擦部材としてのベアリングユニット53を介して回転可能に設けられ、攪拌槽5の開口部5aを塞いだ状態で攪拌槽5と連れ回りする蓋部材55とを有している。
【0023】
回動アーム45は、後方側を支持軸39に上下方向に回動可能に支持され、前方側に軸57を有するベース部材59と、軸57の上下端に該軸57と直交する方向に回動可能に支持された一対のリンク61a、61b(図3参照)と、一対のリンク61a、61bの自由端側に略直角に固定されたアーム本体63とを備えている。アーム本体63に固定軸47が固定されている。ベース部材59は支持軸39に対して内枠13とは独立して回動可能となっている。すなわち、攪拌ユニット9は内枠13とは独立して回動可能となっている。
【0024】
アーム本体63の長手方向両側にはL字状の金属製のブラケット65、67が固定されている。左側板33の前方端と右側板35の前方端にはブラケット65、67が当接する受け部69、71が固定されており、攪拌ユニット9が攪拌位置P2に設定されたときにこれらが不図示のボルト・ナットで締め付けられて攪拌ユニット9が攪拌槽5にロックされる。ロック後において攪拌ユニット9は攪拌槽5や内枠13と共に上下方向に回動可能となる。
第1の攪拌羽根51は、攪拌モータ49により回転方向変換ギヤ列を介して回転駆動される回転軸73と、回転軸73の先端部に固定された羽根本体75とを有している。
【0025】
図4に示すように、攪拌槽5は開口部5aに蓋部材55に当接する環状のフランジ部5cを有している。攪拌槽5の内壁には、径方向で対向する位置にそれぞれ第2の攪拌羽根77が着脱自在に固定されている。第2の攪拌羽根77としては、例えば特許文献2に記載の網目状の開口部を備えたプレート状のものを採用することができる。
【0026】
図1に示す状態から、攪拌ユニット9を攪拌槽5に向けて回動すると、図5に示すように、まず第1の攪拌羽根51が開口部5aから攪拌槽5内に入り始め、最終的には図6に示すように、攪拌ユニット9の一部である攪拌モータ49及び第1の攪拌羽根51等が攪拌槽5内に進入して攪拌ユニット9は攪拌位置P2に設定される。
攪拌ユニット9が攪拌位置P2に設定されると、攪拌槽5の開口部5aが蓋部材55で塞がれる。同時にブラケット65、67が受け部69、71に当接してロックされることにより、攪拌槽5内の被攪拌物が外部に漏れない状態での攪拌が可能となる。
【0027】
被攪拌物の攪拌槽5内への投入は、例えば攪拌槽5をその開口部5aが上を向くように攪拌槽5を上方に回動し、攪拌ユニット9を退避させた状態で行う。
攪拌後の被攪拌物を排出する場合には、攪拌ユニット9を退避させた状態で、例えば攪拌槽5をその開口部5aが下向きとなるように攪拌槽5を下方に回動させた状態で行う。
【0028】
攪拌ユニット9が攪拌位置P2に設定された状態では、図6に示すように、第1の攪拌羽根51の羽根本体75は第2の攪拌羽根77よりも攪拌槽5の底面5b側に位置し、且つ、攪拌槽5の内壁に僅かな隙間をおいて斜辺75aが平行に沿うように配置される。
これにより、第2の攪拌羽根77による攪拌を受けた被攪拌物は、さらに攪拌槽5の回転とは独立した第1の攪拌羽根51の回転による攪拌を受け、全体として異質の攪拌動作の組み合わせにより攪拌機能が高められる。
【0029】
次に、蓋部材55の連れ回り構成の詳細について説明する。
図7に示すように、固定軸47は基端側に矩形の固定用プレート79を一体に有しており、固定用プレート79の四隅に形成されたボルト挿通孔79a及びアーム本体63に形成された不図示のボルト挿通孔に挿通される4本のボルト81及びナット83(図8参照)でアーム本体63に固定されている。
固定軸47には、ベアリングユニット53、蓋部材55及びダストシール85が挿通されている。
【0030】
ベアリングユニット53は、固定軸47の挿通孔53aを有し、固定軸47に固定される内輪部材53Aと、内輪部材53Aに対して転動体を介して回転自在な外輪部材53Bとから構成されている。外輪部材53Bの後方側の面には4つのネジ孔53bが形成されている。
蓋部材55は断面がアーム本体63側に凸となる台形容器状をなす蓋本体部55aと、蓋本体部55aの外縁から水平に延びる環状の鍔部55bとを備え、鍔部55bにはシール部材としての環状のパッキン87が貼り付けられている。
【0031】
蓋本体部55aには固定軸47の挿通孔55cが形成されているとともに、外輪部材53Bのネジ孔53bに対応して4つのネジ挿通孔55dが形成されている。ネジ孔53bとネジ挿通孔55dとを介して止めネジ89により蓋部材55は外輪部材53Bの後方側の面に固定されている。
【0032】
図8は、攪拌ユニット9が攪拌位置P2に設定されて攪拌槽5の開口部5aが蓋部材55で塞がれた状態の要部断面図である。蓋部材55はベアリングユニット53の外輪部材53Bに固定されているので、攪拌槽5がドラム回転モータ7で回転駆動されると攪拌槽5と連れ回りする。したがって、攪拌槽5の回転時において蓋部材55と攪拌槽5との間には摩擦は生じない。
摩擦が生じない連れ回り状態で蓋部材55と攪拌槽5の開口部5aとの間はパッキン87でシールされているので、高いシール性を確保できる。パッキン87は蓋部材55と攪拌槽5の開口部5aのうち少なくとも一方に設けられていればよい。
また、ベアリングユニット53における攪拌槽5の底面5b側(後方側)に配置されたダストシール85によって、固定軸47回りのシール性も高精度に維持される。
【0033】
ベアリングユニット53の外輪部材53Bに対する蓋部材55の固定は外輪部材53Bの前方側の面でもよいが、本実施の形態の如く後方側の面に固定することにより、蓋部材55及びダストシール85でベアリングユニット53への被攪拌物の侵入を抑制でき、ベアリングユニット53の経時的汚損・劣化を防止できる。
【0034】
図9に第1の攪拌羽根51と第2の攪拌羽根77による攪拌動作を示す。例えば攪拌槽5は反時計回りに回転駆動され、第2の攪拌羽根77は攪拌槽5の回転に伴って移動し、粉末状の食品等の被攪拌物91を攪拌する。第1の攪拌羽根51は攪拌槽5の回転とは逆向きの時計回り方向に回転駆動される。
攪拌槽5の内壁に位置固定された第2の攪拌羽根77の静的な攪拌に対し、攪拌槽5の中心から内壁側に偏心した位置で逆向きに回転する第1の攪拌羽根51の動的な攪拌が組み合わさって複雑な攪拌動作が得られ、攪拌機能が高められる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では攪拌槽5内に第2の攪拌羽根77が設けられている構成としたが、第2の攪拌羽根77が設けられていない攪拌槽5であってもよい。この場合には蓋部材55と攪拌槽5の開口部5aとの間のシール性を向上させることができるとともに、攪拌槽5の清掃の容易化を図ることができる。
また、上記の実施の形態では、ダストシール85を設ける構成としたが必ずしも必要ではなく、ダストシール85を設けない構成としてもよい。
また、被攪拌物91は粉末状の食品に限らず、液体どうし、液体と粉末等であってもよく、また食品に限定されないのは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1…攪拌装置 3…支持体 5…攪拌槽
5a…開口部 5b…底面 5c…フランジ部
7…ドラム回転モータ(第1の駆動源) 9…攪拌ユニット
11…外枠 13…内枠 15…左サイドケース
17…操作盤ケース 19…右サイドケース 21…底板
23…横架部材 25、27…脚部 29…キャスター
31…位置止め具 33…左側板 35…右側板
37…リアケース 38…回転軸 39…支持軸
41…ドラム上下モータ(第3の駆動源) 43…駆動軸
45…回動アーム 47…固定軸
49…攪拌モータ(第2の駆動源) 51…第1の攪拌羽根
53…ベアリングユニット 53a…挿通孔
53b…ネジ孔 53A…内輪部材 53B…外輪部材
55…蓋部材 55a…蓋本体部 55b…鍔部
55c…挿通孔 55d…ネジ挿通孔 57…軸
59…ベース部材 61a、61b…リンク
63…アーム本体 65、67…ブラケット
69、71…受け部 73…回転軸 75…羽根本体
75a…斜辺 77…第2の攪拌羽根
79…固定用プレート 79a…ボルト挿通孔
81…ボルト 83…ナット 85…ダストシール
87…パッキン(シール部材) 89…止めネジ
91…被攪拌物
P1…退避位置 P2…攪拌位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9