(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035296
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】特典付与装置、特典付与方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240307BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240307BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139666
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 慶
(72)【発明者】
【氏名】安原 真史
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 盛一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】充電設備の利用の促進に資する特典付与装置、特典付与方法およびプログラムを提供する
【解決手段】特典付与装置10は、グループに属するメンバーが利用する移動体が、前記グループが訪れた施設に備えられた充電設備により充電されたか否かを判定する充電判定部112と、前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定部114と、前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与部116と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループに属するメンバーが利用する移動体が、前記グループが訪れた施設に備えられた充電設備により充電されたか否かを判定する充電判定部と、
前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定部と、
前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与部と、
を備える、特典付与装置。
【請求項2】
請求項1に記載の特典付与装置であって、
前記グループは、複数の前記移動体を利用して前記施設を訪れ、
前記移動体の数が多いほど、前記移動体に対する前記充電を前記充電設備により行った前記メンバーに付与される前記特典が大きい、特典付与装置。
【請求項3】
請求項1に記載の特典付与装置であって、
前記グループは、複数の前記移動体を利用して前記施設を訪れ、
前記充電設備により充電された前記移動体の数が多いほど、前記移動体に対する前記充電を前記充電設備により行った前記メンバーの各々に付与される前記特典が大きい、特典付与装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の特典付与装置であって、
前記特典は、前記充電設備の利用料金に対する値引きである、特典付与装置。
【請求項5】
グループに属するメンバーが利用する移動体が、前記グループが訪れた施設に備えられた充電設備により充電されたか否かを判定する充電判定ステップと、
前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定ステップと、
前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与ステップと、
を備える、特典付与方法。
【請求項6】
グループに属するメンバーが利用する移動体が、前記グループが訪れた施設に備えられた充電設備により充電されたか否かを判定する充電判定ステップと、
前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定ステップと、
前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典付与装置、特典付与方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、手ごろで信頼でき、持続可能且つ先進的なエネルギーへのより多くの人々のアクセスを確保可能にするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池を搭載するモビリティにおける充給電に関する研究開発が行われている。
【0003】
特許文献1には電動車両の目的地周辺の普通充電装置を検索し、予約することが可能な充電サービスシステムが開示されている。利用者は、目的地で観光、食事、買い物等をする間に電動車両を充電することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
充電設備の利用の促進に資する技術が待望されている。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とし、延いてはエネルギーの効率化に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、特典付与装置であって、グループに属するメンバーが利用する移動体が、前記グループが訪れた施設に備えられた充電設備により充電されたか否かを判定する充電判定部と、前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定部と、前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与部と、を備える。
【0008】
本発明の第2の態様は、特典付与方法であって、グループに属するメンバーが利用する移動体が、前記グループが訪れた施設に備えられた充電設備により充電されたか否かを判定する充電判定ステップと、前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定ステップと、前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与ステップと、を備える。
【0009】
本発明の第3の態様は、プログラムであって、グループに属するメンバーが利用する移動体が、前記グループが訪れた施設に備えられた充電設備により充電されたか否かを判定する充電判定ステップと、前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定ステップと、前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、充電設備の利用の促進に資する特典付与装置、特典付与方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、特典付与装置の適用例を示す図である。
【
図2】
図2は、特典付与装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、移動体の数に応じて付与される特典の大きさが予め決定されたテーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4Aは、充電を行うメンバーに対するユーザ照合のためのコンテンツが、携帯端末の画面に表示された例を示す図である。
図4Bは、充電設備の利用料金に対する値引きを含むコンテンツが、携帯端末の画面に表示された例を示す図である。
【
図5】
図5は、特典付与装置が行う特典付与処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、充電される移動体の数に応じて付与される特典の大きさが予め決定されたテーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、充電を行うメンバーに対するユーザ照合のためのコンテンツが、携帯端末の画面に表示された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、特典付与装置10の適用例を示す図である。複数のメンバーで構成されるグループGが、移動体20Aおよび20Bを含む複数の移動体20を利用して施設30を訪れる。移動体20は、例えば電動車両である。本実施の形態では、移動体20が電動車両である場合を例に説明する。しかし、移動体20は、ロボット、飛行体等の他の移動体であってもよい。
【0013】
施設30は、グループGが少なくとも数時間程度をともに過ごす場所であって、例えば娯楽施設、運動施設等である。施設30は、駐車場(駐機場)32および建物34を有する。建物34内には、グループGの施設30への入場受付および施設30からの退場受付のための受付端末36が設置される。
【0014】
駐車場32には、充電設備38が設置される。施設30の運営事業者は、充電設備38の設置費用および維持管理費用を負担する。設置費用を小さくするため、充電設備38として、急速充電器よりも安価な普通充電器が設置されやすい。維持管理費用をまかなうため、充電設備38の利用が促進されることが好ましい。
【0015】
グループGに属する1人のメンバーM1は、移動体20Aに備えられたバッテリ40に対する充電を、充電設備38により行う。充電の際、メンバーM1は、メンバーM1に固有のユーザIDが記録された充電カードを充電設備38にセットする。充電設備38として普通充電器が設置された場合、充電スピードは比較的遅い。上述したように、グループGは施設30で少なくとも数時間程度を過ごすため、その間にバッテリ40に対する充電が行われる。
【0016】
バッテリ40に対する充電を行うメンバーM1は、携帯端末50を所持する。特典付与装置10には、通信ネットワーク60を介して、施設30の受付端末36と、充電設備38と、メンバーM1の携帯端末50とが接続される。充電設備38は、充電カードからユーザIDの情報を読み取る。充電設備38は、読み取ったユーザIDの情報を、充電通知情報70として、通信ネットワーク60を介して特典付与装置10へ転送する。
【0017】
メンバーM1は、施設30への入場時および施設30からの退場時に、携帯端末50の画面にユーザ照合のためのコンテンツを表示する。画面に表示されたコンテンツには、上述したメンバーM1のユーザIDと、移動体20の数とが含まれる。移動体20の数は、グループGが利用した複数の移動体20の数である。コンテンツの情報は、受付端末36により読み取られる。受付端末36は、読み取ったコンテンツの情報を、受付通知情報72として、通信ネットワーク60を介して特典付与装置10へ転送する。
【0018】
特典付与装置10は、充電設備38から通知された充電通知情報70と、受付端末36から通知された受付通知情報72とに基づいて、メンバーM1のユーザ照合を行う。充電通知情報70および受付通知情報72に含まれるユーザIDが、予め保存されているユーザ登録情報に登録されている内容と一致した場合、メンバーM1のユーザ照合は成功である。
【0019】
メンバーM1のユーザ照合が成功すると、特典付与装置10は、充電通知情報70と受付通知情報72とに基づいて、特典付与条件が満たされているか否かを判定する。特典付与条件が満たされている場合、特典付与装置10は、受付通知情報72に含まれる移動体20の数の情報に基づいて、メンバーM1に付与する特典の大きさを決定する。特典付与装置10は、メンバーM1に付与する特典を示す特典情報80を、メンバーM1のユーザ登録情報に基づいて、携帯端末50に配信する。
【0020】
図2は、特典付与装置10の構成を模式的に示すブロック図である。特典付与装置10は、処理回路100と、記憶部102とを有する。処理回路100は、CPUまたはGPU等のプロセッサを含む。記憶部102は、RAM等の揮発性メモリと、ROMまたはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして用いられる。不揮発性メモリは、プロセッサが実行するプログラムと、その他必要なデータとを記憶する。
【0021】
処理回路100は、充電判定部112と、滞在時間判定部114と、特典付与部116とを有する。処理回路100が記憶部102に保存されたプログラムを実行することにより、充電判定部112と、滞在時間判定部114と、特典付与部116とが実現される。充電判定部112と、滞在時間判定部114と、特典付与部116とのうちの少なくとも一部は、ASICまたはFPGA等の集積回路、或いはディスクリートデバイスを含む電子回路によって実現されてもよい。
【0022】
充電判定部112は、充電設備38から通知された充電通知情報70と、受付端末36から通知された受付通知情報72とに基づいて、メンバーM1のユーザ照合を行う。充電判定部112は、充電通知情報70および受付通知情報72に含まれるユーザIDと、記憶部102に保存されているユーザ登録情報に登録されているユーザIDとを照合する。充電判定部112は、メンバーM1が利用する移動体20Aが、グループGが訪れた施設30に備えられた充電設備38により充電されたか否かを、ユーザ照合結果に基づいて判定する。
【0023】
メンバーM1が施設30への入場時および施設30からの退場時に提示した携帯端末50の画面に、上述したユーザ照合のためのコンテンツが表示される。受付通知情報72は、受付端末36により読み取られたそのコンテンツの情報と、受付端末36によりそのコンテンツが読み取られた時刻の情報とを含む。受付通知情報72は、メンバーM1の施設30への入場時および施設30からの退場時に、受付端末36から通知される。
【0024】
滞在時間判定部114は、充電判定部112により2回取得される受付通知情報72にそれぞれ含まれる上述した時刻情報に基づいて、施設30におけるグループGの滞在時間を推定する。施設30におけるグループGの滞在時間は、例えば、2回取得される受付通知情報72にそれぞれ含まれる時刻の差として得られる。滞在時間判定部114は、こうして推定した滞在時間が、予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する。予め決められた時間閾値は、記憶部102に保存されている。
【0025】
特典付与部116は、特典付与条件が充足されると、移動体20Aに対する充電を充電設備38により行ったメンバーM1に付与する特典を決定する。以下の2つの条件C1およびC2がともに充足された場合に、特典付与条件は充足される。グループGに属するメンバーM1が利用する移動体20Aが、グループGが訪れた施設30に備えられた充電設備38により充電されたと、判定されることが、条件C1である。施設30におけるグループGの滞在時間が、記憶部102に保存された時間閾値を越えたと判定されることが、条件C2である。
【0026】
上述したように、グループGは複数の移動体20を利用して施設30を訪れている。複数の移動体20の数は、受付端末36から通知された受付通知情報72に含まれている。特典付与部116は、複数の移動体20の数に応じて、メンバーM1に付与する特典の大きさを決定する。特典付与部116は、こうして決定した特典を示す特典情報80を、メンバーM1のユーザ登録情報に基づいて、携帯端末50に配信する。
【0027】
図3は、移動体20の数に応じて付与される特典の大きさが予め決定されたテーブル120の一例を示す図である。移動体20Aに対する充電を充電設備38により行ったメンバーM1に付与される特典は、例えば充電設備38の利用料金に対する値引きである。特典の大きさは、グループGが施設30を訪れる際に利用した複数の移動体20の数に応じて、特典付与部116により決定される。
【0028】
図3に示す例では、移動体20の数が2から5へと大きくなるにつれて、特典の大きさが5%から20%へと大きくなる。移動体20の数が5以上の場合、充電料金の通常料金に対して20%の値引きがなされる。
【0029】
図4Aは、充電を行うメンバーM1に対するユーザ照合のためのコンテンツが、携帯端末50の画面130に表示された例を示す図である。メンバーM1の施設30への入場時および施設30からの退場時の2回、この画面130に表示されたコンテンツが、施設30の受付端末36により読み取られる。読み取られたコンテンツの情報に基づいて、受付通知情報72が生成される。
【0030】
図4Aに示すコンテンツの一番上には、タイトル140が配置される。タイトル140には、「ユーザ照合」と記載されている。タイトル140の下に、メッセージ152、154、156および158が配置される。メッセージ152は、ユーザIDを示す。メッセージ154は、グループ利用に関する問合せのメッセージである。メンバーM1は、「はい」または「いいえ」を選択する。
【0031】
メッセージ156は、グループGが施設30へ来場した際に利用した移動体20の数に関する問合せのメッセージである。メンバーM1は、メッセージ154に対して「はい」を選択した場合、メッセージ156に対して「1」、「2」、「3」、「4」または「5~(5以上)」を選択する。
【0032】
メッセージ158は、メンバーM1に対して、施設30への入場時および退場時に、コンテンツの一番下に配置されている二次元コード160を、受付端末36に向けて提示することを促すメッセージである。二次元コード160が受付端末36により読み取られると、その読み取りが行われた時刻と、メンバーM1のユーザIDと、施設30のグループ利用の有無と、グループGの移動体20の数とに関する情報を含む受付通知情報72が、受付端末36から特典付与装置10へ転送される。
【0033】
図4Bは、充電設備38の利用料金に対する値引きを含むコンテンツが、携帯端末50の画面130に表示された例を示す図である。特典付与装置10から携帯端末50へ特典情報80が配信されると、このコンテンツが表示される。
図4Bに示すコンテンツの一番上には、タイトル180が配置される。タイトル180には、「充電料金」と記載されている。
【0034】
タイトル180の下に、メッセージ192、194および196が配置される。メッセージ192は、値引き前の通常の充電料金が5,000円であることを示す。メッセージ194は、メンバーM1に付与された特典として、通常の充電料金から10%相当額である500円が値引きされることを示す。
【0035】
メッセージ196は、ユーザに対する請求金額が4,500円であることを示す。請求金額は、通常の充電料金から10%相当額が値引きされた金額である。コンテンツの一番下にボタン198が配置される。メンバーM1がボタン198を押すと、値引きされた充電料金4,500円が支払われる。
【0036】
図5は、特典付与装置10が行う特典付与処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理手順は、例えば特典付与装置10が有する処理回路100が、記憶部102に保存されたプログラムを実行することにより行われる。本処理手順が開始されると、ステップS10で、充電判定部112は、充電設備38から通知された充電通知情報70を取得する。
【0037】
ステップS12で、充電判定部112は、充電通知情報70に含まれるユーザIDと、記憶部102に保存されているユーザ登録情報に登録されているユーザIDとを照合する。ステップS14で、充電判定部112は、充電通知情報70に含まれるユーザIDが、ユーザ登録情報に登録されているか否かを判定する。ステップS14でYESとなった場合、本処理手順はステップS16へ進む。ステップS14でNOとなった場合、本処理手順はステップS50へ進む。
【0038】
ステップS14でNOとなった場合、ステップS50で、充電判定部112は、グループGのメンバーM1が利用する移動体20Aが、グループGが訪れた施設30に備えられた充電設備38により充電されていない、と判定する。ステップS50の処理が完了すると、本処理手順は終了する。
【0039】
ステップS14でYESとなった場合、ステップS16で、充電判定部112は、受付端末36から通知された受付通知情報72を取得する。メンバーM1の施設30への入場時に受付端末36から通知された受付通知情報72が取得される。受付通知情報72には、メンバーM1のユーザIDと、施設30のグループ利用の有無と、グループGの移動体20の数とに関する情報が含まれる。
【0040】
ステップS18で、充電判定部112は、受付通知情報72が施設30のグループ利用を示しているか否かを判定する。ステップS18における判定処理には、受付通知情報72に含まれる施設30のグループ利用の有無に関する情報が用いられる。ステップS18でYESとなった場合、本処理手順はステップS20へ進む。ステップS18でNOとなった場合、本処理手順は上述したステップS50へ進む。
【0041】
ステップS20で、充電判定部112は、受付通知情報72に含まれるユーザIDと、記憶部102に保存されているユーザ登録情報に登録されているユーザIDとを照合する。ステップS22で、充電判定部112は、受付通知情報72に含まれるユーザIDが、ユーザ登録情報に登録されているか否かを判定する。ステップS22でYESとなった場合、本処理手順はステップS24へ進む。ステップS22でNOとなった場合、本処理手順は上述したステップS50へ進む。
【0042】
ステップS24で、充電判定部112は、受付端末36から通知された受付通知情報72を取得する。メンバーM1の施設30からの退場時に受付端末36から通知された受付通知情報72が取得される。ステップS26で、充電判定部112は、受付通知情報72に含まれるユーザIDと、記憶部102に保存されているユーザ登録情報に登録されているユーザIDとを照合する。
【0043】
ステップS28で、充電判定部112は、受付通知情報72に含まれるユーザIDが、ユーザ登録情報に登録されているか否かを判定する。ステップS28でYESとなった場合、本処理手順はステップS30へ進む。ステップS28でNOとなった場合、本処理手順は上述したステップS50へ進む。ステップS28でYESとなった場合、ステップS30で、充電判定部112は、グループGのメンバーM1が利用する移動体20Aが、グループGが訪れた施設30に備えられた充電設備38により充電された、と判定する。
【0044】
ステップS32で、滞在時間判定部114は、施設30におけるグループGの滞在時間が、予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する。予め決められた時間閾値は記憶部102に保存されている。ステップS16で取得された受付通知情報72に、メンバーM1が提示した二次元コード160の読み取りが行われた時刻T1が含まれる。ステップS24で取得された受付通知情報72に、メンバーM1が提示した二次元コード160の読み取りが行われた時刻T2が含まれる。グループGの滞在時間は、二次元コード160の読み取りが行われた2つの時刻T2およびT1の差として得られる。
【0045】
ステップS32でYESとなった場合、本処理手順はステップS34へ進む。ステップS32でNOとなった場合、本処理手順は終了する。
【0046】
ステップS34で、特典付与部116は、移動体20Aに対する充電を充電設備38により行ったメンバーM1に付与する特典を決定する。ステップS16またはステップS24で取得された受付通知情報72に、グループGが施設30を訪れる際に利用した複数の移動体20の数が含まれる。本実施の形態において、特典付与部116は、テーブル120に基づき、複数の移動体20の数に応じて、メンバーM1に付与する特典の大きさを決定する。
【0047】
ステップS36で、特典付与部116は、メンバーM1に特典を付与する。特典付与部116は、メンバーM1に付与する特典を示す特典情報80を、上述したメンバーM1のユーザ登録情報に基づいて、携帯端末50に配信する。ステップS36の処理が完了すると、本処理手順は終了する。
【0048】
ステップS36でグループGのメンバーM1に特典が付与されるための特典付与条件は、以下の2つの条件C1およびC2を含む。ステップS30で、グループGに属するメンバーM1が利用する移動体20Aが、グループGが訪れた施設30に備えられた充電設備38により充電されたと、判定されることが、1つ目の条件C1である。ステップS32で、施設30におけるグループGの滞在時間が、予め決められた時間閾値を越えたと判定されることが、2つ目の条件C2である。
【0049】
メンバーM1が一人で施設30に滞在する滞在時間よりも、グループGが一緒に施設30に滞在する滞在時間の方が長いと考えられる。滞在時間が長くなることが計画されると、移動体20Aに対する充電が充電設備38により行われる可能性が高まる。充電が滞在の主目的ではないため、充電設備38が急速充電器ではなく普通充電器であっても、充電設備38の利用が促進され得る。グループ利用での滞在時間が長い場合に特典が付与されるため、長時間の滞在が計画されることが期待される。滞在時間の長時間化により、充電設備38の利用の促進が期待される。
【0050】
また、ステップS34で決定される特典の大きさは、テーブル120に基づいて決定される。
図3に示すテーブル120によると、グループGが施設30を訪れる際に利用した複数の移動体20の数が多いほど、移動体20Aに対する充電を充電設備38により行ったメンバーM1に付与される特典が大きい。そこで、グループGが利用する複数の移動体20の数の増加が期待される。複数の移動体20の数が増加するほど、充電設備38の利用の促進が期待される。
【0051】
移動体20Aに対する充電が完了した後、グループGに属する他のメンバーM2が、メンバーM2が利用する移動体20Bに対する充電を充電設備38により行った場合、メンバーM2にも特典が付与される。メンバーM2に付与される特典の大きさはテーブル120に基づいて決定されるため、メンバーM2にもメンバーM1と同様の大きさの特典が付与される。
【0052】
[変形例]
上記実施の形態は、以下のように変形されてもよい。
【0053】
特典の大きさは、充電される移動体20の数に応じて付与されてもよい。
図6は、充電される移動体20の数に応じて付与される特典の大きさが予め決定されたテーブル120Aの一例を示す図である。特典は、例えば充電設備38の利用料金に対する値引きである。特典の大きさは、充電設備38により充電される移動体20の数に応じて、特典付与部116により決定される。
【0054】
図6に示す例では、充電される移動体20の数が1から5へと大きくなるにつれて、特典の大きさが3%から20%へと大きくなる。充電される移動体20の数が5以上の場合、充電料金の通常料金に対して20%の値引きがなされる。
【0055】
図7は、充電を行うメンバーM1に対するユーザ照合のためのコンテンツが、携帯端末50の画面130に表示された例を示す図である。メンバーM1の施設30への入場時および施設30からの退場時の2回、この画面130に表示されたコンテンツが、施設30の受付端末36により読み取られる。読み取られたコンテンツの情報に基づいて、受付通知情報72が生成される。
【0056】
図7に示すコンテンツには、
図4Aに示したコンテンツに配置されるメッセージ156に代えて、メッセージ156Aが配置される。メッセージ156Aは、グループGが施設30へ来場した際に利用した移動体20のうち、充電設備38により充電される移動体20の数に関する問合せのメッセージである。メンバーM1は、「1」、「2」、「3」、「4」または「5~(5以上)」を選択する。
【0057】
メンバーM1が利用する移動体20Aと、メンバーM2が利用する移動体20Bとが、充電設備38により充電される場合、充電設備38により充電される移動体20の数は2である。テーブル120Aによると、充電設備38により充電される移動体20の数が2の場合、付与される特典の大きさは5%である。
【0058】
すなわち、移動体20Aに対する充電を充電設備38により行ったメンバーM1に対して、その充電に要した充電設備38の利用料金に対する5%の値引きという特典が付与される。移動体20Bに対する充電を充電設備38により行ったメンバーM2に対しても、その充電に要した充電設備38の利用料金に対する5%の値引きという特典が付与される。
【0059】
本変形例による特典付与装置10が行う特典付与処理の処理手順を示すフローチャートは、
図5に一致する。ただし、ステップS34において、特典付与部116は、テーブル120に代えてテーブル120Aに基づき、充電される移動体20の数に応じて、メンバーM1に付与する特典の大きさを決定する。メンバーM2にもメンバーM1と同様の大きさの特典が付与される。したがって、充電設備38により充電される移動体20の数の増加が期待される。すなわち、充電設備38の利用の促進が期待される。
【0060】
[実施の形態から得られる発明]
上記実施の形態および変形例から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0061】
(1)特典付与装置(10)は、グループ(G)に属するメンバー(M1)が利用する移動体(20、20A)が、前記グループが訪れた施設(30)に備えられた充電設備(38)により充電されたか否かを判定する充電判定部(112)と、前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定部(114)と、前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与部(116)と、を備える。これにより、充電設備の利用の促進に資することができる。
【0062】
(2)前記グループは、複数の前記移動体を利用して前記施設を訪れ、前記移動体の数が多いほど、前記移動体に対する前記充電を前記充電設備により行った前記メンバーに付与される前記特典が大きくてもよい。これにより、充電設備の利用の促進に資する可能性が、より高まる。
【0063】
(3)前記グループは、複数の前記移動体を利用して前記施設を訪れ、前記充電設備により充電された前記移動体の数が多いほど、前記移動体に対する前記充電を前記充電設備により行った前記メンバーの各々に付与される前記特典が大きくてもよい。これにより、充電設備の利用の促進に資する可能性が、より高まる。
【0064】
(4)前記特典は、前記充電設備の利用料金に対する値引きであってもよい。これにより、特典を簡便に実現することができる。
【0065】
(5)特典付与方法は、グループ(G)に属するメンバー(M1)が利用する移動体(20、20A)が、前記グループが訪れた施設(30)に備えられた充電設備(38)により充電されたか否かを判定する充電判定ステップと、前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定ステップと、前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与ステップと、を備える。これにより、充電設備の利用の促進に資することができる。
【0066】
(6)プログラムは、グループ(G)に属するメンバー(M1)が利用する移動体(20、20A)が、前記グループが訪れた施設(30)に備えられた充電設備(38)により充電されたか否かを判定する充電判定ステップと、前記施設における前記グループの滞在時間が予め決められた時間閾値を越えたか否かを判定する滞在時間判定ステップと、前記移動体が前記充電設備により充電され、且つ、前記滞在時間が前記時間閾値を越えた場合に、前記移動体に対する充電を前記充電設備により行った前記メンバーに特典を付与する特典付与ステップと、をコンピュータに実行させる。これにより、充電設備の利用の促進に資することができる。
【0067】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0068】
10…特典付与装置 20…移動体
30…施設 32…駐車場
34…建物 36…受付端末
38…充電設備 40…バッテリ
50…携帯端末 60…通信ネットワーク
70…充電通知情報 72…受付通知情報
80…特典情報 100…処理回路
102…記憶部 112…充電判定部
114…滞在時間判定部 116…特典付与部
120…テーブル 130…画面
140、180…タイトル
152、154、156、158、192、194、196…メッセージ
160…二次元コード 198…ボタン