(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035313
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】予混合装置およびこれを備えた燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23D 14/62 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
F23D14/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139694
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】小川 恭平
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017CA04
3K017CB10
3K017CE03
(57)【要約】
【課題】ターンダウン比を高くし、かつ混合気を適切な混合比に維持する性能にも優れた予混合装置を提供する。
【解決手段】予混合流路3の仕切り壁部40によって仕切られた第1および第2の流路3a,3bにおける空気流れにより発生する負圧を利用して第1および第2の流路3a,3bに燃料ガスを流出可能な第1および第2の燃料ガス流出口80a,80bを、備えている、予混合装置Aであって、第1の流路3a内に設けられ、かつ第1の燃料ガス流出口80aが空気流れ方向の下流側を向いて設けられている第1のブレード部41aと、空気流量に応じて開度が変化し、第1の流路3aおよび第1の燃料ガス流出口80aをともに開閉するフラッパ5と、第1の燃料ガス流出口80aおよび第1のブレード部41aを挟む配置となるようにフラッパ5に突設され、かつ第1のブレード部41aとの相互間に隙間97を形成する一対のフィン部55と、をさらに備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から空気が供給され、かつこの空気に燃料ガスを混合させて混合気を生成するための予混合流路と、
この予混合流路を空気流れ方向とは交差する方向に並ぶ第1および第2の流路に仕切る仕切り壁部と、
前記第1および第2の流路における空気流れにより発生する負圧を利用して前記第1および第2の流路に燃料ガスを流出可能な第1および第2の燃料ガス流出口と、
を備えている、予混合装置であって、
前記第1の流路内に設けられ、かつ前記第1の燃料ガス流出口が前記空気流れ方向の下流側を向いて設けられている第1のブレード部と、
前記第1の流路のうち、前記第1のブレード部よりも前記空気流れ方向の下流側に配され、前記第1の流路および前記第1の燃料ガス流出口をともに開閉するように揺動可能であり、かつ前記予混合流路の空気流量が少ない場合には多い場合よりも開度が小さくなるように前記空気流量に応じて開度が変化するフラッパと、
前記第1の燃料ガス流出口および前記第1のブレード部を前記空気流れ方向とは交差する方向において挟む配置となるように、前記フラッパに突設され、かつ前記第1のブレード部との相互間に空気の通過が可能な隙間を形成する一対のフィン部と、
をさらに備えていることを特徴とする、予混合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の予混合装置であって、
前記フラッパの揺動中心線方向視において、前記各フィン部のうち、少なくとも前記フラッパ寄りの領域は、先端部が前記揺動中心を中心とする円弧状であり、かつその半径は、前記揺動中心から前記第1の燃料ガス流出口までの距離以上である、予混合装置。
【請求項3】
請求項1に記載の予混合装置であって、
前記フラッパの全開状態時において、前記各フィン部は、前記第1のブレード部よりも前記空気流れ方向の下流側に位置し、前記第1のブレード部の両側に存在しない構成とされている、予混合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の予混合装置であって、
前記第1の流路の周壁内面部に設けられ、かつ前記周壁内面部の他の一般部分よりも前記第1の流路の中央寄りに部分的に突出する突出段部と、
この突出段部に取付けられて前記第1の流路内に配され、かつ前記フラッパを揺動可能に支持する支持部材と、
をさらに備えている、予混合装置。
【請求項5】
請求項1に記載の予混合装置であって、
前記予混合流路を形成する予混合流路形成部材と、
一端部が前記予混合流路形成部材の周壁部に繋がり、かつ他端部が前記仕切り壁部を介して前記第1のブレード部に繋がるようにして前記第2の流路内に設けられ、前記第2の燃料ガス流出口が前記空気流れ方向の下流側を向いて設けられている第2のブレード部と、
前記予混合流路形成部材の前記周壁部に設けられ、かつ外部から燃料ガスの供給を受ける燃料ガス受け部と、
この燃料ガス受け部に供給された燃料ガスの一部を前記第2の燃料ガス流出口に導くことが可能に前記第2のブレード部内に設けられた第2の燃料ガス流路と、
前記燃料ガス受け部に供給された燃料ガスの他の一部を前記第1の燃料ガス流出口に導くことが可能に前記第2のブレード部内から前記第1のブレード部内に延びて設けられた第1の燃料ガス流路と、
をさらに備えている、予混合装置。
【請求項6】
請求項5に記載の予混合装置であって、
前記第2のブレード部は、前記第1のブレード部よりも前記空気流れ方向の厚みが大きくされており、前記第2のブレード部内において、前記第1および第2の燃料ガス流路は、前記空気流れ方向にオーバラップした配置に設けられている、予混合装置。
【請求項7】
ファンと、
このファンの吸気側に設けられ、かつ空気と燃料ガスとを混合させた混合気を生成して前記ファンに送り込む予混合装置と、
前記ファンから前記混合気の供給を受けて前記燃料ガスを燃焼させるバーナと、
を備えている、燃焼装置であって、
前記予混合装置として、請求項1ないし6のいずれかに記載の予混合装置が用いられていることを特徴とする、燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予混合装置およびこれを備えた燃焼装置に関する。
ここで、「予混合」とは、予混合燃焼(Premixing combustion)を行なうことを目的として、空気と燃料ガスとを予め混合させ、可燃混合気を生成する処理である。
【背景技術】
【0002】
予混合装置の具体例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載された予混合装置は、一端側が外部に開口し、かつ他端側がファンの吸気側に接続され、ファンが駆動された際に、外部の空気を前記一端側の開口部から流入させて所定方向に流れさせるベンチュリ状の予混合流路を備えている。この予混合流路は、仕切り壁部によって第1および第2の流路に仕切られており、かつこれら第1および第2の流路の内周壁面には、第1および第2の燃料ガス流出口がそれぞれ設けられている。また、第1の流路には、この第1の流路を開閉するように揺動可能なフラッパが設けられている。このフラッパは、第1の流路の空気流量が少ない場合には空気流量が多い場合よりも開度が小さくなるように、前記空気流量に対応して開度が変更される。
【0003】
このような予混合装置においては、予混合流路に空気が流れ、第1および第2の燃料ガス流出口に負圧が作用することにより、それら第1および第2の燃料ガス流出口からは予混合流路に燃料ガスが流出する。この燃料ガスは、前記空気と混合され、混合気が生成される。一方、フラッパは、空気流量が少ない場合には、予混合流路の第1の流路を閉じる。このため、第2の流路における空気の流速は速くなり、第2の燃料ガス流出口に作用する負圧は強められる。その結果、空気流量が少ない場合においても、第2の燃料ガス流出口からは前記負圧によって適当量の燃料ガスを流出させることができる。このような作用は、ターンダウン比を高くする上で有効である。
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
【0005】
すなわち、フラッパが閉状態から開状態に変化する際には、予混合流路の実効流路面積は急変する。このため、その影響を受け、第2の流路においては、それ以前から生じている空気流れの流速が急低下する虞がある。これでは、混合気の混合比も急変することとなって、混合気が燃料リーンの不適切な混合比となる虞がある。
【0006】
また、前記フラッパは、第1の流路を開閉するに過ぎず、第1の燃料ガス流出口は開口したままである。このため、たとえばフラッパにより第1の流路が開状態から閉状態に切替えられたとしても、その後暫くの期間中は第1の燃料ガス流出口から燃料ガスが流出する虞がある。さらに、第1の流路が第2の流路の空気流れの影響を受けて圧力変動することにより、第1の流路の空気が第1の燃料ガス流出口に流入(逆流)したり、あるいは第1の燃料ガス流出口から燃料ガスが不必要に流出するなどの虞もある。これでは、混合気を所望の適切な混合比に維持することは難しい。
これを解消する手段としては、第1の燃料ガス流出口を開閉するための追加のフラッパをさらに設ける手段がある(特許文献2を参照)。ところが、このような手段によれば、第1の流路用および第1の燃料ガス流出口用の計2つのフラッパを用いるため、全体の部品点数が多くなり、その製造コストが高価となる。
【0007】
さらに、前記従来技術(特許文献1,2の双方)においては、たとえばフラッパの開度が余り大きくはなく、第1の流路の空気流量が比較的少ない場合には、第1の流路の空気
流れは低速であるため、第1の燃料ガス流出口に強い負圧を作用させることは難しいものとなる。したがって、そのような場合には、第1の燃料ガス流出口からの燃料ガスの流出量が不足気味となり、混合比が不適切となる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2021-99204号公報
【特許文献2】米国特許第9677759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、構成が簡易な手段により、ターンダウン比を高くし、かつ混合気を適切な混合比に維持する性能にも優れたものとすることが可能な予混合装置、およびこれを備えた燃焼装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
本発明の第1の側面により提供される予混合装置は、外部から空気が供給され、かつこの空気に燃料ガスを混合させて混合気を生成するための予混合流路と、この予混合流路を空気流れ方向とは交差する方向に並ぶ第1および第2の流路に仕切る仕切り壁部と、前記第1および第2の流路における空気流れにより発生する負圧を利用して前記第1および第2の流路に燃料ガスを流出可能な第1および第2の燃料ガス流出口と、を備えている、予混合装置であって、前記第1の流路内に設けられ、かつ前記第1の燃料ガス流出口が前記空気流れ方向の下流側を向いて設けられている第1のブレード部と、前記第1の流路のうち、前記第1のブレード部よりも前記空気流れ方向の下流側に配され、前記第1の流路および前記第1の燃料ガス流出口をともに開閉するように揺動可能であり、かつ前記予混合流路の空気流量が少ない場合には多い場合よりも開度が小さくなるように前記空気流量に応じて開度が変化するフラッパと、前記第1の燃料ガス流出口および前記第1のブレード部を前記空気流れ方向とは交差する方向において挟む配置となるように、前記フラッパに突設され、かつ前記第1のブレード部との相互間に空気の通過が可能な隙間を形成する一対のフィン部と、をさらに備えていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、予混合流路に供給される空気流量が少ない場合には、フラッパにより第1の流路が閉状態とされ、第2の流路を流れる空気に第2の燃料ガス流出口から流出する燃料ガスが混合される。一方、空気流量が多い場合には、第1の流路においても空気が流れ、この空気に第1の燃料ガス流出口から流出する燃料ガスが混合される。このため、特許文献1と同様に、ターンダウン比を高くすることが可能である。さらに、本発明によれば、次のような効果が得られる。
第1に、フラッパは、第1の流路を開閉するだけではなく、第1の燃料ガス流出口をも開閉可能である。このため、第1の流路を閉状態としたときには、第1の燃料ガス流出口も同時に閉状態とし、その後に第1の燃料ガス流出口から不必要に燃料ガスが流出するといったことを適切に防止することが可能である。このようなことを達成するための手段として、第1の流路用および第1の燃料ガス流出口用の計2つのフラッパを用いる必要はないため、全体の構成を簡素とし、製造コストを廉価にすることが可能である。
第2に、フラッパが閉状態から開状態に変化した場合において、フラッパの開き始めの段階では、一対のフィン部によって第1の流路の一部が未だ塞がれた状態とし、予混合流路の実効流路面積が急変することを実質的に防止可能である。このため、フラッパが閉状態から開状態に変化したときに、第2の流路においてそれ以前から生じている空気流れの
流速が急低下しないようにすることができる。その結果、混合気の混合比が、燃料リーンの不適切な混合比となることを適切に抑制することが可能である。
第3に、第1および第2の燃料ガス流路が互いに連通した構造が採用されている場合においては、フラッパが閉状態から開状態に変化したときに、第1の流路の空気が、第2の流路において発生している負圧に起因して第1の燃料ガス流出口から第1および第2の燃料ガス流路に逆流する虞がある。これに対し、本発明においては、一対のフィン部が、そのような空気の流れに対する抵抗を生じさせる。したがって、前記逆流の現象も抑制され、混合気が燃料リーンの不適切な混合比となることは、より適切に抑制される。
第4に、フラッパが閉状態から開状態となったときには、一対のフィン部と第1のブレード部との相互間の隙間に、流速の速い空気流れを生じさせることが可能である。また、この空気流れは、第1の燃料ガス流出口の両側の近傍領域で生じさせることが可能である。したがって、第1の燃料ガス流出口には強い負圧を作用させ、第1の流路への燃料ガスの流出量を十分に確保することが可能となる。したがって、混合気が燃料リーンの不適切な混合比となることは、一層確実に抑制される。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記フラッパの揺動中心線方向視において、前記各フィン部のうち、少なくとも前記フラッパ寄りの領域は、先端部が前記揺動中心を中心とする円弧状であり、かつその半径は、前記揺動中心から前記第1の燃料ガス流出口までの距離以上である。
【0014】
このような構成によれば、フラッパが閉状態から開状態となるように揺動を開始した場合に、各フィン部の少なくともフラッパ寄りの領域については、第1の燃料ガス流出口および前記第1のブレード部の両側に確実に配置させることができ、本発明が意図する作用が適切に得られる。一方、そのような作用を得るための手段として、各フィン部を、不必要に大きなサイズ、および複雑な形状に形成する必要もなくすことができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、前記フラッパの全開状態時において、前記各フィン部は、前記第1のブレード部よりも前記空気流れ方向の下流側に位置し、前記第1のブレード部の両側に存在しない構成とされている。
【0016】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、第1の流路における空気流量が相当に多くなり、フラッパが全開状態となった場合に、前記各フィン部が未だに第1のブレード部の両側に位置していたのでは、各フィン部が空気流れを妨げる大きな抵抗となる。前記構成によれば、このことを適切に防止することが可能である。なお、フラッパが全開状態となるほど、第1の流路における空気流量が多いのであれば、その空気流れの流速は本来的に速く、強い負圧を発生させ得るため、各フィン部と第1のブレード部との相互間に隙間が形成されていなくても、第1の燃料ガス流出口から適当量の燃料ガスを適切に流出させることが可能である。
【0017】
本発明において、好ましくは、前記第1の流路の周壁内面部に設けられ、かつ前記周壁内面部の他の一般部分よりも前記第1の流路の中央寄りに部分的に突出する突出段部と、この突出段部に取付けられて前記第1の流路内に配され、かつ前記フラッパを揺動可能に支持する支持部材と、をさらに備えている。
【0018】
このような構成によれば、第1の流路内に配された支持部材を利用して、フラッパを揺動可能に支持することができるため、全体のコンパクト化などを図る上で好ましい。前記構成とは異なり、フラッパの支持部材を第1の流路の外部に取付けた場合には、燃料ガスの外部への漏出を防止するためのシール手段が必要となるが、前記構成によれば、そのような必要を無くすことが可能である。
【0019】
本発明において、好ましくは、前記予混合流路を形成する予混合流路形成部材と、一端部が前記予混合流路形成部材の周壁部に繋がり、かつ他端部が前記仕切り壁部を介して前記第1のブレード部に繋がるようにして前記第2の流路内に設けられ、前記第2の燃料ガス流出口が前記空気流れ方向の下流側を向いて設けられている第2のブレード部と、前記予混合流路形成部材の前記周壁部に設けられ、かつ外部から燃料ガスの供給を受ける燃料ガス受け部と、この燃料ガス受け部に供給された燃料ガスの一部を前記第2の燃料ガス流出口に導くことが可能に前記第2のブレード部内に設けられた第2の燃料ガス流路と、前記燃料ガス受け部に供給された燃料ガスの他の一部を前記第1の燃料ガス流出口に導くことが可能に前記第2のブレード部内から前記第1のブレード部内に延びて設けられた第1の燃料ガス流路と、をさらに備えている。
【0020】
このような構成によれば、第1および第2のブレード部内に設けられた第1および第2の燃料ガス流路を利用し、予混合流路形成部材の外面部に設けられた燃料ガス受け部から第1および第2の燃料ガス流出口に燃料ガスを適切かつ合理的に導くことが可能とされている。燃料ガス受け部は、1箇所でよく、第1および第2の燃料ガス流出口のそれぞれに対応させて複数設ける必要もない。したがって、全体の構成を簡素とし、製造コストの低減などを図るのに適する。
また、前記構成においては、第2のブレード部およびこの第2のブレード部に設けられた第2の燃料ガス流出口の構成が、第1のブレード部およびこの第1のブレード部に設けられた第1の燃料ガス流出口の構成に似たものとされている。このような構成によれば、第1および第2のブレード部の付近を空気が流れる際に、負圧を効果的に発生させ、かつこの負圧を第1および第2の燃料ガス流出口に強く作用させて燃料ガスの流出量を十分に確保する上で好ましい。
【0021】
本発明において、好ましくは、前記第2のブレード部は、前記第1のブレード部よりも前記空気流れ方向の厚みが大きくされており、前記第2のブレード部内において、前記第1および第2の燃料ガス流路は、前記空気流れ方向にオーバラップした配置に設けられている。
【0022】
このような構成によれば、第1および第2のブレード部が、幅広状(空気流れ方向とは交差する方向の幅が広い形状)となることを抑制し、第1および第2の流路の流路開口面積を確保しつつ、第1および第2のブレード部内に、第1および第2の燃料ガス流路を適切に設けることが可能である。
【0023】
本発明の第2の側面により提供される燃焼装置は、ファンと、このファンの吸気側に設けられ、かつ空気と燃料ガスとを混合させた混合気を生成して前記ファンに送り込む予混合装置と、前記ファンから前記混合気の供給を受けて前記燃料ガスを燃焼させるバーナと、を備えている、燃焼装置であって、前記予混合装置として、本発明の第1の側面により提供される予混合装置が用いられていることを特徴としている。
【0024】
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される予混合装置について述べたのと同様な効果が得られる。
【0025】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る予混合装置を備えた燃焼装置の一例を示す概略説明図である。
【
図4】(a)は、
図1に示した予混合装置の正面断面図であり、(b)は、その予混合装置の(a)とは異なる箇所での断面図であり、(c)は、(b)のIVc-IVc要部断面図(右側面要部断面図)である。
【
図5】(a)は、
図4(a)に示す予混合装置のフラッパが半開き状態となった場合を示す正面断面図であり、(b)は、(a)の右側面要部断面図である。
【
図6】(a)は、
図4(a)に示す予混合装置のフラッパが全開状態となった場合を示す正面断面図であり、(b)は、(a)の右側面要部断面図である。
【
図7】(a)は、
図2および
図3に示した予混合装置の予混合流路形成部材の平面図であり、(b)は、その平面断面図である。
【
図8】(a)は、
図1および
図2に示された予混合装置のフラッパの斜視図であり、(b)は、その正面図であり、(c)は、その右側面図である。
【
図9】(a)は、フラッパの他の例を示す斜視図であり、(b)は、その正面図であり、(c)は、その右側面図である。
【
図10】(a)は、本発明に係る予混合装置の他の例を示す平面断面図であり、(b)は、(a)の分解平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0028】
図1は、温水装置WHを示している。この温水装置WHは、給湯装置であり、予混合装置A、この予混合装置Aにファン1およびバーナ2を組み合わせて構成された燃焼装置B(予混合燃焼装置)、ならびにこの燃焼装置Bに1次熱交換器11aならびに2次熱交換器11bを組み合わせて構成されている。
【0029】
予混合装置Aの詳細については、後述するが、この予混合装置Aを利用して空気と燃料ガスとの混合気(可燃混合気)が生成され、かつこの混合気が、ファン1を経由してバーナ2に供給される。バーナ2は、複数の通気孔20(炎孔)を有する多孔状プレート21を具備する構成であって、ケース10内に収容されている。バーナ2には、不図示の点火用プラグや炎検知センサなどが付属して設けられている。前記混合気は、複数の通気孔20を通過し、多孔状プレート21の下方において燃焼する。バーナ2により発生される燃焼ガスは、顕熱回収用の1次熱交換器11a、および潜熱回収用の2次熱交換器11bに順次作用し、これら1次熱交換器11aおよび2次熱交換器11bの内部を通過する湯水は加熱される。このことにより温水が生成され、この温水は所望の給湯先に供給される。
【0030】
図2~
図4によく表れているように、予混合装置Aは、装置本体部A0、この装置本体部A0に組み付けられたフラッパ5、およびこのフラッパ5を揺動可能に支持するための左右一対の支持部材60ならびに軸体61を備えている。
【0031】
装置本体部A0は、予混合流路形成部材4、および管体継手部70を備えている。
予混合流路形成部材4は、ベンチュリ状の予混合流路3を内部に形成する筒状部49、この筒状部49の上端に連設されたフランジ部48、および筒状部49の外面部に突設された段状の台座部44を備えている。管体継手部70は、後述する燃料ガス制御プレート71を挟むようにして台座部44にビスなどのネジ部材90を用いて取付けられている。
【0032】
予混合装置Aは、
図1に示すように、管体継手部70がガス管99と接続され、不図示の燃料ガス供給部から均圧弁(ゼロガバナ)V1を経由して燃料ガスの供給を受ける。一方、予混合装置Aは、フランジ部48を利用してファン1の吸気側に直接接続され、または間接的に配管接続されている。ファン1が駆動されると、予混合流路3には、その一端側開口部から外部の空気が流入し、他端側開口部に向けて流れる。この空気の流れに起因して発生する負圧作用により、予混合流路3には、後述する第1および第2の燃料ガス流
出口80a,80bから燃料ガスが流出し、空気と燃料ガスとの混合気が生成され、ファン1に吸気される。
【0033】
図4(b)によく表われているように、予混合流路3には、上下高さ方向(空気流れ方向に相当)に延びる仕切り壁部40が設けられ、予混合流路3の一部は、仕切り壁部40によって水平方向(空気流れ方向とは交差する方向の一例に相当)に並ぶ第1および第2の流路3a,3bに仕切られている。これら第1および第2の流路3a,3bは、同一容積とされていてもよいが、本実施形態においては、仕切り壁部40が予混合流路3の中央部から
図4(b)の左側に偏った配置とされ、第2の流路3bの容積は、第1の流路3aの容積も小さい。
【0034】
図4(a)および
図7によく表われているように、予混合流路3には、第1および第2の燃料ガス流出口80a,80bが設けられた第1および第2のブレード部41a,41b(
図7では、網点模様の部分)がさらに具備されている。
第1および第2のブレード部41a,41bは、第1および第2の流路3a,3bをそれぞれ水平方向に横切るように延び、かつそれらの一端部は、予混合流路3の周壁内面部(筒状部49の周壁部の内面部)に繋がり、かつそれらの他端部どうしは、仕切り壁部40を挟んで互いに繋がっている。
図7によく合われているように、第1および第2の流路3a,3bは、第1および第2のブレード部41a,41bの左右両側が開口しており、この開口部分を空気が通過可能である。
第1および第2のブレード部41a,41bは、空気流れ方向の下流側を向く上向き面としての第1および第2の主面部42a,42bを有しており、かつこれらの部分に、第1および第2の燃料ガス流出口80a,80bが上向き開口状で設けられている。
【0035】
図4(a)において、管体継手部70は、外部から燃料ガスの供給を受ける燃料ガス受け部81を内部に形成しており、この燃料ガス受け部81に供給された燃料ガスは、燃料ガス制御プレート71の開口部71a,71b、ならびに第1および第2の燃料ガス流路8a,8bを経て、第1および第2の燃料ガス流出口80a,80bに導かれる。
【0036】
ここで、第2の燃料ガス流路8bは、第2のブレード部41bおよび台座部44の内部に設けられているのに対し、第1の燃料ガス流路8aは、第1および第2のブレード部41a,41bならびに台座部44の内部に設けられている。第2のブレード部41bは、第1のブレード部41aよりも上下厚みが大きくされており、第2のブレード部41b内において、第1および第2の燃料ガス流路8a,8bは、上下高さ方向にオーバラップしている。
【0037】
このような構成によれば、第1および第2の燃料ガス流出口80a,80bへの燃料ガス供給構造の簡素化を図ることができる。また、第1および第2の燃料ガス流路8a,8bを上下高さ方向にオーバラップさせれば、第2のブレード部41bの水平方向の幅(
図7に示す幅L1)が余り大きくならないようにし、第2のブレード部41bの左右両側の開口領域の面積を十分に確保することが可能である。
【0038】
燃料ガス制御プレート71は、
図3によく表われているように、ビスなどのネジ部材91を用いて台座部44に取付けられるものであり、かつ第1および第2の燃料ガス流路8a,8bの先端開口部に対面する上下2つの開口部71a,71bを有している。これらの開口部71a,71bをどのような開口面積とするかによって、燃料ガス受け部81から第1および第2の燃料ガス流路8a,8bへの燃料ガス流入量を制御可能である。本実施形態においては、既述したように、第2の流路3bが第1の流路3aよりも容積が小さくされているため、第2の流路3bに対応する第2の燃料ガス流出口80bおよび上側の開口部71bは、第1の流路3aに対応する第1の燃料ガス流出口80aおよび下側の開
口部71aよりも小面積に設定されている。
【0039】
なお、燃料ガス制御プレート71を用いる手段によれば、燃料ガスのガス種変更に容易に対応することが可能となる。すなわち、燃料ガス制御プレート71として、開口部71a,71bが所定の複数種類の燃料ガスに個々に対応した開口面積に設定された複数種類のものを準備しておく。予混合装置Aの組立に際しては、複数種類の燃料ガス制御プレート71の中から、実際に用いられる燃料ガスの種類に対応したものを選択して用いればよいこととなり、便利である。
【0040】
フラッパ5は、たとえば樹脂成形品であり、第1の流路3aのうち、第1のブレード部41aの上側(空気流れ方向の下流側)に配され、かつ第1の流路3aおよび第1の燃料ガス流出口80aを同時に開閉するように、第1のブレード部41aの第1の主面部42aと対向する方向に揺動可能である(
図4~
図6を参照)。このフラッパ5は、予混合流路3の空気流量が少ない場合には多い場合よりも開度が小さくなるように、前記空気流量に応じて開度が変化する。前記空気流量が少ない場合、フラッパ5は、その自重により横倒しとなり、
図4に示す閉状態となる。前記空気流量が増加すると、フラッパ5は、上向きの空気流れによって持ち上げられ、たとえば
図5,
図6に示すように変化していく。
【0041】
好ましくは、第1の燃料ガス流出口80aは、第1のブレード部41aの外端部(仕切り壁部40とは反対側の端部)寄りに設けられている。このような構成によれば、フラッパ5の先端寄り領域(フラッパ5の揺動中心である軸体61から遠い領域)によって第1の燃料ガス流出口80aを開閉でき、この第1の燃料ガス流出口80aを閉状態とする際のシール性をよくすることが可能である。
【0042】
図3において、一対の支持部材60は、既述したとおり、軸体61を利用してフラッパ5を揺動可能に支持する部材である。軸体61は、フラッパ5の一端部に設けられた孔部53を略水平方向に挿通している。各支持部材60は、たとえば側面視略L字状の形態であり、軸体61の端部を嵌入させて保持可能な凹部60aを備えている。また、一対の支持部材60は、第1の流路3aの周壁内面部に設けられた左右一対の突出段部43に取付けられている。この取付け手段としては、たとえば各突出段部43の上面部43aに開口するネジ孔43b、およびこれに螺合するビスなどのネジ部材92が用いられている。本実施形態においては、支持部材60や軸体61の取付けが、予混合流路3内において完結している。このため、予混合流路形成部材4の周壁部に孔部を貫通して設ける必要はなく、この孔部から外部に混合気が漏出することを防止するためのシール手段を別途設ける必要もない。
【0043】
一対の突出段部43は、第1の流路3aの周壁内面部のうち、他の一般部分よりも第1の流路3aの中央寄りに部分的に突出する部位である。また、各突出段部43の上面部43aの高さは、第1の主面部42aの高さよりも高くされている。フラッパ5は、
図4~
図6に示すように、一対の突出段部43の相互間領域を通過して揺動するように設けられている。
図5(a)に示す状態においては、フラッパ5が半開状態に開いているが、その際には、
図5(b)に示すように、フラッパ5の両側には一対の突出段部43が位置する。このため、フラッパ5に向けてその下方側から上昇してきた空気(および燃料ガス)が、フラッパ5の両側を通過して上方に流れることは抑制される。
【0044】
フラッパ5には、一対のフィン部55が一体成形されている。ただし、これに限定されず、別体で形成された一対のフィン部55がフラッパ5に組み付けられた構成とされていてもよい。
一対のフィン部55は、
図8によく表われているように、互いに間隔を隔てて平行に対面したかたちでフラッパ5の下面部から下向きに突出しており、フラッパ5の正面視にお
いて、たとえば1/4円の扇形状である。ここで、フラッパ5の正面視とは、
図8(b)が相当し、本発明でいう「フラッパの揺動中心線方向視」に相当する。揺動中心線は、たとえば
図3の符号CLの線であり、前記揺動中心線方向視とは、
図3においては、矢視D方向視が相当する。
【0045】
一対のフィン部55は、
図4に示すように、フラッパ5が閉状態にあるときには、第1の燃料ガス流出口80aおよび第1のブレード部41aの左右両側を挟む配置となるように設けられている。
【0046】
一方、フラッパ5が閉状態から開状態に変化するときには、
図5に示すように、一対のフィン部55と第1のブレード部41aとの相互間に空気の通過が可能な幅L3の隙間97が形成されるように構成されている。なお、
図4においても、隙間97は形成されている(ただし、
図4では、フラッパ5が閉状態にあるため、空気は隙間97を通過しない)。
各フィン部55は、既述したように、正面視において1/4円としての扇形状であって、その先端部55aは、フラッパ5の揺動中心(軸体61)を中心とする円弧状であるが、その半径Rは、揺動中心(軸体61)から第1の燃料ガス流出口80aまでの距離(好ましくは、第1の燃料ガス流出口80aのうち、揺動中心から最も遠い部分までの距離)以上の寸法とされている。このような構成によれば、フラッパ5が閉状態から開状態に変化し、その開度が増大する過程において、比較的長い期間にわたり、一対のフィン部55を第1の燃料ガス流出口80aおよび第1のブレード部41aの両側を挟む配置に維持させることが可能である。また、フィン部55のサイズが無駄に大きくならないようにすることもできる。
【0047】
フラッパ5は、全開状態時には、このフラッパ5に設けられている凸部54が仕切り壁部40に当接し、
図6に示すような角度となる。これに対し、各フィン部55は、フラッパ5がそのような角度となったときには、第1のブレード部41aよりも上側に位置し、第1のブレード部41aの両側には存在しない構成とされている。
【0048】
次に、前記した予混合装置A、およびこれを備えた燃焼装置Bの作用について説明する。
【0049】
燃焼装置Bのバーナ2の駆動燃焼の開始時や、その後の通常の駆動燃焼中においては、ファン1の駆動速度が変更され、予混合装置Aからバーナ2に供給される混合気の流量が変更されることにより、バーナ2の駆動燃焼火力の制御が実行される。
ここで、ファン1の駆動速度が低速であって、予混合流路3の空気流量が少ない場合には、
図4に示したように、フラッパ5が閉状態となり、第1の流路3aには空気が流れず、第2の流路3bのみに空気が流れる。したがって、この空気の流れを高速化し、第2の燃料ガス流出口80bには強い負圧を作用させ、空気流量に対応した適当量の燃料ガスを第2の流路3bに流出させることができる。一方、ファン1の駆動速度が高速である場合には、
図5および
図6に示したように、フラッパ5が開状態となり、第1および第2の流路3a,3bの双方に空気が流れ、第1および第2の燃料ガス流出口80a,80bの双方から、空気流量に対応した適当量の燃料ガスを流出させることができる。このようなことから、ターンダウン比を高くすることができる。
【0050】
フラッパ5は、第1の流路3aを開閉させるだけではなく、第1の燃料ガス流出口80aもそれと同時に開閉させる。したがって、たとえば第1の流路3aが閉状態されたときには、第1の燃料ガス流出口80aも同時に閉状態となるため、その後第1の燃料ガス流出口80aから不必要に燃料ガスが流出するといった不具合は適切に防止される。このようなことを達成するための手段として、第1の流路3a用および第1の燃料ガス流出口8
0a用の計2つのフラッパは用いられていないため、予混合装置Aの全体の構成を簡素とし、製造コストを廉価にすることが可能である。
【0051】
予混合流路3の空気流量が所定未満の状態から所定以上に増加した際には、既述したように、フラッパ5は、
図4に示した閉状態から
図5に示した開状態に変化する。このような段階において、本実施形態とは異なり、たとえばフラッパ5に一対のフィン部55が設けられていないとすると、予混合流路3の実効流路面積が急変(急拡大)するため、第2の流路3bにおける空気流れの流速が急低下し、混合気が燃料リーンの混合比に急変する虞がある。これに対し、本実施形態によれば、フラッパ5が開状態になった際に、第1の流路3aの一部が一対のフィン部55によって塞がれた状態にあるため、予混合流路3の実効流路面積が急変することを実質的に抑制したのと同様な効果が得られる。その結果、前記した虞を解消し、混合気の混合比が燃料リーンの不適切な値にならないようにすることが可能である。
【0052】
第1および第2の燃料ガス流路8a,8bは、燃料ガス受け部81を介して互いに連通している。このため、本来ならば、フラッパ5が閉状態から開状態に変化した際に、第1の流路3aの空気が、第2の流路3bにおいて発生している負圧に起因して、第1の燃料ガス流出口80aから第1および第2の燃料ガス流路8a,8b内に逆流する虞がある。これに対し、本実施形態によれば、一対のフィン部55が、そのような空気の流れに対する抵抗を生じさせる。したがって、前記逆流の現象も抑制され、混合気が燃料リーンの不適切な混合比となることは一層確実に抑制される。
【0053】
また、フラッパ5が開き始めてから全開状態に至るまでの途中段階においては、フラッパ5が、たとえば
図5に示すような角度となるが、このような段階では、一対のフィン部55と第1のブレード部41aとの相互間の隙間97に、流速の速い空気流れを生じさせることができる。この空気流れは、第1の燃料ガス流出口80aの両側の接近した領域に生じる。したがって、第1の燃料ガス流出口80aには強い負圧を作用させ、第1の流路3aへの燃料ガスの流出量を十分に確保することが可能となる。したがって、混合気が燃料リーンの不適切な混合比となることは、一層確実に抑制される。
【0054】
一方、フラッパ5が、
図6に示す全開状態にある場合、一対のフィン部55は第1のブレード部41aの上側の離間した配置にある。この状態によれば、一対のフィン部55が空気抵抗となることを抑制し、圧力損失を少なくすることが可能である。フラッパ5が全開状態にある際には、空気流れの流速は十分な高速であるため、
図5に示した場合とは異なり、フィン部55と第1のブレード部41aとを利用してより高速の空気流れを発生させる必要はない、または少ない。
【0055】
図9および
図10は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。
【0056】
図9に示す一対のフィン部55Aは、フラッパ5の上下高さ方向の幅L2が、
図8に示したフィン部55のそれと比較して小さくされている。このような構成によれば、フラッパ5が閉状態から開状態に変化し、その開度が増大していく場合において、
図8に示したフィン部55よりも早いタイミングで、フィン部55Aが第1のブレード部41aの両側から離反する。これは、フィン部55Aが空気抵抗になって圧力損失を生じさせることを回避する上で、一層好ましい。
【0057】
図8および
図9のいずれにおいても、各フィン部55,55Aの先端部55aの全域が所定の半径Rの円弧状であるが、本発明はこれに限定されない。本発明におけるフィン部
は、フラッパ寄りの一部の領域のみの先端部を所定の円弧状とし、かつそれ以外の領域の先端部が非円弧状とされた構成とすることもできる。もちろん、フィン部の先端部の全長域を非円弧状とすることもできる。
【0058】
図10に示す実施形態においては、フラッパ5が平面視略半円状とされている他、フラッパ5の一端部の孔部53には、ボルト状の軸体61Aが貫通している。この軸体61Aは、予混合流路形成部材4の筒状部49の周壁部に設けられた一対の貫通孔46に差し込まれて支持されている。また、軸体61Aは、その先端部に設けられたネジ部610に螺合されたナット62の締め付けにより、予混合流路形成部材4に固定され、フラッパ5は、この軸体61Aを中心として揺動可能である。
図示説明は省略するが、貫通孔46に対する軸体61Aの差し込み箇所には、予混合流路形成部材4内からその外部に混合気が漏出することを防止するためのシール部材が設けられる。
【0059】
本実施形態においても、前記実施形態と同様に、簡易な構成によって、フラッパ5を適切に揺動可能に支持することが可能である。
なお、本発明において、フラッパを揺動可能とする手段としては、フラッパとは別体の金属製などの軸体を用いる手段に代えて、たとえばフラッパの揺動中心として役立つ凸部を、フラッパまたはフラッパの支持部材の一方に設け、かつ他方に前記凸部が嵌入する凹部を設ける手段を用いることができる。
【0060】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る予混合装置、および燃焼装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0061】
予混合流路は、ベンチュリ状であることが好ましいが、これに限定されない。第1および第2のブレード部や、フラッパ、一対のフィン部などの具体的な形状、サイズ、材質などは上述した実施形態に限定されない。第1および第2の燃料ガス流出口は、1ずつではなく、たとえば複数ずつ設けられていてもよい。
【0062】
燃料ガスは、たとえばナチュラルガスあるいはLPガスであるが、その具体的な種類は問わない。本発明に係る燃焼装置は、温水装置用に限定されず、たとえば暖房用や焼却用などの他の用途の燃焼装置とすることもできる。また、燃焼ガスを下向きに進行させるタイプに限らず、燃焼ガスをたとえば上向きに進行させるタイプとすることもできる。
【符号の説明】
【0063】
A 予混合装置
B 燃焼装置
1 ファン
2 バーナ
3 予混合流路
3a,3b 第1および第2の流路
4 予混合流路形成部材
40 仕切り壁部
41a,41b 第1および第2のブレード部
43 突出段部
5 フラッパ
55,55A フィン部
55a 先端部
60 支持部材
61 軸体(揺動中心)
8a,8b 第1および第2の燃料ガス流路
80a,80b 第1および第2の燃料ガス流出口
81 燃料ガス受け部
97 隙間