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特開2024-3533取引取消プログラム、取引取消システム、及び取引取消方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003533
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】取引取消プログラム、取引取消システム、及び取引取消方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/02 20120101AFI20240105BHJP
【FI】
G06Q20/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102738
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】青木 芳憲
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 卓也
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】南井 享
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA03
(57)【要約】
【課題】より利便性が高い取引取消プログラム、取引取消システム、及び取引取消方法を提供する。
【解決手段】コンピュータに、顧客の取引に応じて生成される、取引の内容を証明する取引証明データ、及び所定の装置を通じて取得される、顧客による取引の取消しの申込みを示す情報に基づいて、取引の存否を照会する取引照会部と、照会の結果に応じて、取引証明データに基づいて、取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを、決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の外部事業者システムに送信する取消要求送信部と、を実現させる取引取消プログラム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
顧客の取引に応じて生成される、前記取引の内容を証明する取引証明データ、及び所定の装置を通じて取得される、前記顧客による前記取引の取消しの申込みを示す情報に基づいて、前記取引の存否を照会する取引照会部と、
前記照会の結果に応じて、前記取引証明データに基づいて、前記取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを、前記決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の外部事業者システムに送信する取消要求送信部と、
を実現させる取引取消プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記取引に応じて、前記取引の内容を示す取引内容データを取得する取引内容取得部と、
前記取引内容データに基づいて、前記取引証明データを生成する取引証明データ生成部と、
をさらに実現させる、
請求項1に記載の取引取消プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、前記照会の結果に応じて、前記取引の取消しにおける担当者の担当者装置から、前記取引の取消しにかかる承認を示す担当者承認情報を取得する担当者承認取得部をさらに実現させ、
前記取消要求送信部は、前記担当者承認情報にさらに基づいて、前記決済取消要求データを送信する、
請求項1又は2に記載の取引取消プログラム。
【請求項4】
顧客の取引に応じて生成される、前記取引の内容を証明する取引証明データ、及び所定の装置を通じて取得される、前記顧客による前記取引の取消しの申込みを示す情報に基づいて、前記取引の存否を照会する取引照会部と、
前記照会の結果に応じて、前記取引証明データに基づいて、前記取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを、前記決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の外部事業者システムに送信する取消要求送信部と、
を備える取引取消システム。
【請求項5】
コンピュータが、
顧客の取引に応じて生成される、前記取引の内容を証明する取引証明データ、及び所定の装置を通じて取得される、前記顧客による前記取引の取消しの申込みを示す情報に基づいて、前記取引の存否を照会し、
前記照会の結果に応じて、前記取引証明データに基づいて、前記取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを、前記決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の外部事業者システムに送信する、
取引取消方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引取消プログラム、取引取消システム、及び取引取消方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が店舗に持参する、顧客が店舗と取引したことを示すレシートに基づいて、取引の取消処理を行う技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている端末は、取消対象の決済時に発行されたレシートから読み取られる売上情報に基づいて、売上情報を記憶する端末に対し、決済取消を依頼する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009―32036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている端末は、顧客が店舗に持参するレシートに基づいて、決済取消の依頼をする必要がある。そのため、顧客は、取消対象の決済時に発行されたレシートを保管し、店舗に持参する必要があり、また、店舗は、レシートを参照して取消処理を行う必要があるため、不便であった。
【0006】
そこで、本発明は、より利便性が高い取引取消プログラム、取引取消システム、及び取引取消方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る取引取消プログラムは、コンピュータに、顧客の取引に応じて生成される、取引の内容を証明する取引証明データ、及び所定の装置を通じて取得される、顧客による取引の取消しの申込みを示す情報に基づいて、取引の存否を照会する取引照会部と、照会の結果に応じて、取引証明データに基づいて、取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを、決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の外部事業者システムに送信する取消要求送信部と、を実現させる。
【0008】
本発明の一態様に係る取引取消システムは、顧客の取引に応じて生成される、取引の内容を証明する取引証明データ、及び所定の装置を通じて取得される、顧客による取引の取消しの申込みを示す情報に基づいて、取引の存否を照会する取引照会部と、照会の結果に応じて、取引証明データに基づいて、取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを、決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の外部事業者システムに送信する取消要求送信部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る取引取消方法は、コンピュータが、顧客の取引に応じて生成される、取引の内容を証明する取引証明データ、及び所定の装置を通じて取得される、顧客による取引の取消しの申込みを示す情報に基づいて、取引の存否を照会し、照会の結果に応じて、取引証明データに基づいて、取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを、決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の外部事業者システムに送信する。
【0010】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が、物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールの2つ以上の組み合わせにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が、1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より利便性が高い取引取消プログラム、取引取消システム、及び取引取消方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態である取引取消システム100における処理の概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態である取引取消システム100の構成を示す図である。
図3】記憶部111に記憶される取引内容データの例を示す図である。
図4】記憶部111に記憶される取引証明データの例を示す図である。
図5】取引取消システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である取引取消システム100における処理の概要を示す図である。
【0014】
取引取消システム100は、取引取消プログラムによって実現される情報処理システムであり、顧客の取引に応じて生成される、取引の内容を証明する取引証明データに基づいて、取引に対応する決済の取消しを要求する処理を行う情報処理システムである。
【0015】
まず、顧客は、加盟店と取引を行う(S101)。顧客は、加盟店において、例えば、商品又はサービスを購入する。なお、加盟店は、適宜、店舗や事業者と読み替えてもよい。続いて、取引取消システム100は、加盟店及び顧客の取引に応じて、取引の内容を示す取引内容データを、加盟店、顧客、及び外部事業者の少なくともいずれかから取得する(S102a、b、c)。取引取消システム100は、取引内容データに基づいて、取引の内容を証明する取引証明データを生成する(S103)。
【0016】
次に、取引取消システム100は、加盟店又は顧客から、取引の取消しの申込みを受け付ける(S104a、b)。取引取消システム100は、取消しの申込みにかかる取引を照会し、照会結果を加盟店に提供する(S105)。加盟店は、照会結果を参照して、取引取消システム100に対し、取引の取消しを要求する取消要求を行う(S106)。
【0017】
そして、取引取消システム100は、取引証明データに基づいて、取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを生成し(S107)、外部事業者に送信する(S108)。
【0018】
なお、以下では、本発明の好適な実施形態として、顧客が加盟店との取引の取消しを対面で行う場合を想定して記載するが、本発明を適用可能な実施形態はこれに限られるものではない。また、顧客が取引に際して用いる決済手段は特に限定されないが、例えば、クレジットカード又は電子マネーカードを用いた決済、若しくは、加盟店に設置されるワレットアクセス情報(例えば、URL又はQRコード(登録商標))を利用した顧客のオンラインワレット(ネットワーク上で管理される決済用の口座又はアカウント)を用いた決済であってもよい。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態である取引取消システム100の構成を示す図である。取引取消システム100は、加盟店装置200、顧客装置300、及び外部事業者システム400とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。取引取消システム100の詳細については、後述する。
【0020】
加盟店装置200は、顧客と取引を行う加盟店の装置である。加盟店は、加盟店装置200を通じて、取引取消システム100に対し、取引内容データの提供、取消しの申込み、及び取引取消システム100から取得する照会結果に応じた取消しの要求を行うことができる。
【0021】
加盟店装置200は、例えば、加盟店に設置される、決済に関する処理を行うための端末であってもよく、例えば、レジ端末等、決済に際して商品に関する情報(例えば、商品番号又は価格等の情報)を登録するための情報(例えば、商品に付されているバーコード情報又はタグ情報)を読み込むための端末を含んでもよい。すなわち、加盟店装置200は、それぞれ、商品のバーコード情報又はタグ情報等を読み取るための読取装置、また、後述する顧客装置300の情報を取得するための取得装置を備えていてもよい。
【0022】
また、加盟店装置200は、後述する担当者承認情報を取得するための担当者装置(例えば、担当者のID、指紋、又はサインを取得するための機器)を備えていてもよい。
【0023】
顧客装置300は、加盟店を利用する顧客が利用する装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報端末であってもよく、また、クレジットカード又は電子マネーカード等の決済用の装置であってもよい。顧客は、顧客装置300を通じて、取引取消システム100に対し、取引内容データの提供、及び取消しの申込みを行うことができる。
【0024】
外部事業者システム400は、決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の情報処理システムである。決済の取消しに関する処理を行う外部事業者は、例えば、顧客が取引において利用した決済手段に対応する決済事業者(例えば、決済カード事業者又は資金移動業者)であってもよい。
【0025】
外部事業者システム400は、取引取消システム100から決済取消要求データを取得し、決済取消要求データに基づく決済取消処理を行う。
【0026】
なお、図2において、加盟店装置200、顧客装置300、外部事業者システム400は、それぞれ1つずつ示されているが、それぞれ複数の加盟店装置200、顧客装置300、外部事業者システム400であってもよい。
【0027】
続いて、取引取消システム100の詳細について説明する。取引取消システム100は、記憶部111、取引内容取得部112、取引証明データ生成部113、取消申込み取得部121、取引照会部122、照会結果送信部123、取消要求取得部131、担当者承認取得部132、取消要求送信部133を備える。図2に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納された取引取消プログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0028】
記憶部111は、取引取消システム100において処理される情報を記憶する。記憶部111は、例えば、後述する、取引内容データ及び取引証明データを記憶することができる。
【0029】
取引内容取得部112は、加盟店及び顧客の取引に応じて、取引の内容を示す取引内容データを取得して、記憶部111に格納する。
【0030】
取引内容データは、加盟店及び顧客の取引の内容を示すデータである。取引内容データは、例えば、取引ID、顧客識別情報、取引額情報、取引商品等情報、取引日時情報、及び外部事業者IDを含む。
【0031】
取引IDは、記憶部111に記憶される取引内容データを識別する情報である。
【0032】
顧客識別情報は、取引を行った顧客を識別可能な情報であればよく、例えば、取引において顧客が利用した顧客装置300を識別する情報(例えば、決済カードのカード番号、電子マネーのアカウント情報、又は顧客の情報端末を識別する情報)、あるいは顧客のオンラインワレットを識別する情報であってもよい。
【0033】
取引額情報は、加盟店及び顧客の取引における取引額を示す情報である。取引商品等情報は、加盟店及び顧客の取引において取り引きされた商品等を示す情報である。取引日時情報は、加盟店及び顧客の取引が行われた日時を示す情報である。
【0034】
外部事業者IDは、加盟店及び顧客の取引の決済に関する処理を行う外部事業者システム400を識別する情報である。
【0035】
取引内容取得部112は、加盟店装置200、顧客装置300、及び外部事業者システム400の少なくともいずれかから、取引内容データを取得してもよい。
【0036】
取引内容取得部112が加盟店装置200から取引内容データを取得する場合は、例えば、顧客が、顧客装置300として決済カードを用いて決済した場合に起こりうる。この場合、例えば、加盟店装置200は、顧客装置300としての決済カードの情報、及び顧客が購入しようとする商品等の情報を読み込み、取引内容データを生成する。そして、加盟店装置200は、生成した取引内容データを取引取消システム100に提供する。
【0037】
取引内容取得部112が顧客装置300から取引内容データを取得する場合は、例えば、顧客が、顧客装置300として情報端末を用いて決済した場合に起こりうる。この場合、例えば、顧客は、顧客装置300としての情報端末から所定のサイトにアクセスして又は所定のアプリケーションを通じて、顧客自身のオンラインワレットを用いた決済を行う。そして、顧客は、顧客装置300としての情報端末を用いて、顧客自身のオンラインワレットを通じて、当該決済に対応する取引内容データを取引取消システム100に提供する。
【0038】
取引内容取得部112が外部事業者システム400から取引内容データを取得する場合は、例えば、加盟店及び顧客の取引の決済に関する処理が、外部事業者システム400によって行われる場合に起こりうる。この場合、例えば、加盟店装置200又は顧客装置300は、取引の決済に際して、取引に関する情報を外部事業者システム400に提供する。続いて、外部事業者システム400が、当該取引の決済を承認し、承認結果を加盟店装置200又は顧客装置300に提供して、加盟店及び顧客の取引の決済が完了する。このとき、外部事業者システム400は、さらに、取引内容データを取引取消システム100に提供する。
【0039】
取引内容取得部112が加盟店装置200から取引内容データを取得することにより、取引取消システム100は、加盟店において管理される取引内容データに基づいて、続く処理を行うことができる。また、取引内容取得部112が顧客装置300から取引内容データを取得することにより、顧客は、顧客装置300を通じて取引取消システム100を利用することができる。また、取引内容取得部112が外部事業者システム400から取引内容データを取得することにより、取引取消システム100は、加盟店及び顧客とは異なる第三者において管理される取引内容データに基づいて、続く処理を行うことができる。
【0040】
また、取引取消システム100は、取引内容取得部112によって、加盟店装置200、顧客装置300、及び外部事業者システム400のいずれか2以上から取得される取引内容データが相互に一致する場合に、続く処理を行うこととしてもよい。これにより、取引取消システム100は、真正な取引内容データに基づいて、続く処理を行うことができる。
【0041】
図3は、記憶部111に記憶される取引内容データの例を示す図である。記憶部111に記憶される取引内容データは、例えば、取引ID、顧客識別情報、取引額情報、取引商品等情報、取引日時情報、外部事業者IDを含む。
【0042】
取引証明データ生成部113は、取引内容データに基づいて、取引の内容を証明する取引証明データを生成して、記憶部111に格納する。ここで、取引証明データは、取引の内容を証明する電子証明書であってもよい。
【0043】
取引証明データ生成部113は、例えば、取引内容データに含まれる少なくとも1つの項目に所定の処理を行い、取引証明データを生成することができる。ここで、所定の処理は、取引証明データが示す取引内容の一部又は全部が改ざんされていないことを証明するための処理であってもよく、具体的には、例えば、タイムスタンプを付与する処理又は取引内容データに含まれる少なくとも1つの項目をハッシュ化する処理であってもよい。これにより、加盟店、顧客、又は第三者により、取引取消処理の悪用を防止することができる。
【0044】
また、所定の処理は、取引証明データが示す取引内容の一部又は全部を、権限なき者には参照できない形式で記憶する暗号化処理であってもよい。これにより、権限なき者(例えば、権限なき加盟店の担当者、顧客又は第三者)に、取引内容データに含まれる秘匿すべき情報(例えば、顧客識別情報)が漏洩することを防止することができる。
【0045】
すなわち、取引証明データは、取引内容に関する情報に加え、さらに、例えば、証明情報を含んでもよい。証明情報は、取引証明データが示す取引内容が、改ざんされていないことを証明する情報である。また、取引証明データは、所定の暗号化処理がされた情報であってもよい。
【0046】
また、取引証明データ生成部113によって生成された取引証明データは、加盟店装置200に備わる記憶部に記憶されてもよい。これにより、記憶部111に記憶される取引証明データと、加盟店装置200に備わる記憶部に記憶される取引証明データとを突合することで、取引証明データの真正性を担保することができる。なお、加盟店装置200に備わる記憶部に記憶される取引証明データは、取引取消システム100とは異なる情報処理システムによって生成される取引証明データであってもよい。
【0047】
取引取消システム100は、取引の内容を、取引内容データではなく、取引証明データを用いて、続く処理を行う。これにより、加盟店及び顧客の取引の決済を行う事業者の情報処理システム(例えば、外部事業者システム400)とは異なる情報処理システム(例えば、取引取消システム100)において、内容の改ざん若しくは漏洩、加盟店若しくは顧客の取引取消処理の過誤、又は取引の取消しに関して利害関係を有する加盟店若しくは顧客の悪意ある取引取消処理を防止した上で、取引取消処理を実現することができる。
【0048】
図4は、記憶部111に記憶される取引証明データの例を示す図である。記憶部111に記憶される取引証明データは、例えば、取引ID、顧客識別情報、取引額情報、取引日時情報、取引商品等情報、取引日時情報、外部事業者ID、証明情報を含む。
【0049】
なお、図4に示す例では、取引証明データは暗号化されていないが、記憶部111は、一部又は全部が暗号化された取引証明データを記憶してもよい。
【0050】
取消申込み取得部121は、所定の装置(例えば、加盟店装置200又は顧客装置300)から、顧客による取引の取消しの申込みを示す取消申込み情報を取得する。
【0051】
ここで、取消申込み情報は、例えば、顧客が取消しを希望する旨の情報であってもよく、また、さらに、顧客が取消しを希望する取引に対応する取引証明データを照会することを希望する旨の情報を含んでもよい。
【0052】
また、取消申込み情報は、後述する取引照会部122が、顧客が取消しを希望する取引を特定するための情報(例えば、取引証明データに含まれる情報)を含んでもよい。この場合、取引照会部122は、例えば、取引証明データに含まれる情報に基づいて、顧客が取消しを希望する取引を特定する。
【0053】
加盟店装置200は、例えば、加盟店の担当者の操作に基づいて、取消申込み情報を取引取消システム100に提供することができる。具体的には、加盟店の担当者は、例えば、顧客による取引の取消しの要求に応じて、加盟店装置200を操作し、取消申込み情報を取引取消システム100に提供してもよい。このとき、加盟店装置200が、取引証明データに含まれる情報を顧客又は顧客装置300から取得し、取得した取引証明データに含まれる情報を取引取消システム100に提供してもよい。
【0054】
さらに具体的には、例えば、加盟店が、顧客に対し、顧客識別情報(例えば、決済に用いた決済カードやオンラインワレットに関する情報)の提供を要求し、加盟店装置200が、顧客の決済カードや顧客の情報端末を読み込んで、顧客識別情報を取得してもよい。また、例えば、加盟店が、顧客に対し、取消しを希望する取引の取引額、取引商品等、又は取引日時に関する情報の提供を依頼し、加盟店装置200が、対応する取引額情報、取引商品等情報、取引日時情報を取得してもよい。
【0055】
顧客装置300は、例えば、顧客の操作に基づいて、取消申込み情報を取引取消システム100に提供することができる。このとき、顧客は、加盟店の指示にしたがって、顧客装置300を操作してもよい。すなわち、例えば、顧客は、顧客装置300を用いて、取消処理のために設定されているURL又はQRコード(登録商標)を読み込んでもよい。
【0056】
具体的には、例えば、顧客は、取消処理のために設定されているURL又はQRコード(登録商標)を通じて、顧客識別情報、取引額情報、取引商品等情報、又は取引日時情報を取引取消システム100に提供してもよい。
【0057】
取引照会部122は、取引証明データ及び取消しの申込みに基づいて、取消しの申込みに対応する取引の存否を照会する。
【0058】
取引照会部122は、例えば、記憶部111に記憶される取引証明データのうち、取消しの申込みに対応する取引証明データを特定して、照会結果情報を生成する。
【0059】
取引照会部122は、例えば、取消申込み情報に含まれる顧客識別情報に基づいて、顧客識別情報に対応する顧客による取引の取引証明データを抽出して特定してもよい。また、取引照会部122は、例えば、取消申込み情報に含まれる取引額情報、取引商品等情報、又は取引日時情報に基づいて、対応する取引の取引証明データを抽出して特定してもよい。
【0060】
なお、取引照会部122は、特定される1つの取引証明データに基づいて、照会結果情報を生成してもよく、特定される複数の取引証明データに基づいて、複数の照会結果を示す照会結果情報を生成してもよい。
【0061】
ここで、照会結果情報は、取消しの申込みに対応する取引の存否を示す、加盟店装置200において参照可能な形式のデータであり、例えば、取引証明データの一部又は全部であってもよい。
【0062】
照会結果送信部123は、照会結果情報を加盟店装置200に送信する。
【0063】
取消要求取得部131は、加盟店装置200から、取引の取消しを要求する取引取消要求を取得する。
【0064】
加盟店装置200は、例えば、照会結果情報を参照して、取り消すべき取引を特定し、特定される取引の取消しを要求する取引取消要求を取引取消システム100に提供する。
【0065】
このとき、加盟店装置200は、加盟店装置200に備わる記憶部に記憶される取引証明データと、照会結果情報とを突合して、両者が一致する場合に、取引取消要求を取引取消システム100に提供してもよい。これにより、加盟店装置200は、取消対象の取引が当該加盟店において処理された取引であることを確認した上で、取引取消要求を提供することができる。
【0066】
担当者承認取得部132は、照会の結果に応じて、取引の取消しにおける担当者の担当者装置から、取引の取消しにかかる承認を示す担当者承認情報を取得する。
【0067】
ここで、担当者装置は、例えば、加盟店装置200に備わる、担当者承認情報(例えば、担当者のID、指紋、又はサイン)を取得するための機器であってもよい。担当者承認情報は、権限ある担当者が承認していることを示す情報であればよく、例えば、担当者のID、指紋、又はサインであってもよい。
【0068】
取消要求送信部133は、照会の結果に応じて、取引証明データに基づいて、取引に対応する決済の取消しを要求する決済取消要求データを、決済の取消しに関する処理を行う外部事業者の外部事業者システム400に送信する。
【0069】
ここで、決済取消要求データは、取引に対応する決済の取消しを、外部事業者に要求する情報である。決済取消要求データは、例えば、取り消すべき取引を特定するための情報を含む。取り消すべき取引を特定するための情報は、例えば、取引証明データの一部又は全部の項目に対応する情報であってもよい。
【0070】
取消要求送信部133は、例えば、取引証明データに含まれる外部事業者IDに対応する外部事業者システム400に対し、決済取消要求データを送信する。外部事業者システム400は、取得する決済取消要求データに基づいて、決済を取り消すことができる。
【0071】
また、取消要求送信部133は、加盟店装置200から取得する取引取消要求に応じて、外部事業者システム400に対し決済取消要求データを送信することができる。これにより、取引取消システム100は、加盟店の取引取消要求に基づいた取引取消処理を行うことができる。
【0072】
また、取消要求送信部133は、担当者承認取得部132が取得した担当者承認情報に基づいて、決済取消要求データを送信することができる。
【0073】
この場合、例えば、取引取消システム100は、事前に、取引の取消しの承認において権限のある担当者の担当者承認情報を記憶しておく。そして、事前に記憶された権限ある担当者の担当者承認情報と、担当者承認取得部132が取得する担当者承認情報とが一致した場合に、担当者の承認が得られたとして、取消要求送信部133は、決済取消要求データを送信することができる。
【0074】
図5は、取引取消システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【0075】
まず、取引内容取得部112が、加盟店装置200、顧客装置300、及び外部事業者システム400の少なくともいずれかから取引内容データを取得する(S501)。取引証明データ生成部113は、取引内容データに基づいて、取引の内容を証明する取引証明データを生成する(S502)。
【0076】
続いて、取消申込み取得部121が、取消しの申込みを示す情報を取得し、取引照会部122が、取引証明データに基づいて、取消しにかかる取引の存否の照会を行う(S503)。照会結果送信部123が送信する照会結果に応じて、加盟店装置200から、取消要求取得部131が取消要求を取得し、担当者承認取得部132が担当者承認情報を取得する(S504)。そして、取消要求送信部133が、外部事業者システム400に、決済取消要求データを送信する(S505)。
【0077】
以上、本発明の一実施形態について説明した。取引取消システム100は、取引証明データ及び取引の取消しの申込みを示す情報に基づいて、取引の存否を照会し、照会の結果に応じて、取引証明データに基づいて、決済取消要求データを外部事業者システム400に送信することができる。これにより、より利便性が高く、また、顧客及び加盟店が行う煩雑な処理が不要な、加盟店及び顧客における取引の決済取消処理を行うことができる。
【0078】
また、取引取消システム100は、取引に応じて取引内容データを取得し、取引内容データに基づいて、取引証明データを生成することができる。これにより、取引取消システム100において生成される取引証明データに基づいて、より利便性が高い決済取消処理を行うことができる。
【0079】
また、取引取消システム100は、取引の取消しにおける担当者の担当者装置から、取引の取消しにかかる承認を示す担当者承認情報を取得し、担当者承認情報にさらに基づいて、決済取消要求データを送信することができる。これにより、加盟店の権限ある担当者の承認の下、決済取消処理を行うことができる。
【0080】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0081】
100 取引取消システム、111 記憶部、112 取引内容取得部、113 取引証明データ生成部、121 取消申込み取得部、122 取引照会部、123 照会結果送信部、131 取消要求取得部、132 担当者承認取得部、133 取消要求送信部、200 加盟店装置、300 顧客装置、400 外部事業者システム
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図2
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図5