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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035347
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/367 20210101AFI20240307BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20240307BHJP
   H01M 50/317 20210101ALI20240307BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240307BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240307BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/35 201
H01M50/317 201
H01M50/271 B
H01M50/204
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139757
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】高木 源太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 心一
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012BB08
5H012CC10
5H040AA28
5H040AS04
5H040AY04
5H040AY10
(57)【要約】
【課題】収容体から排出されるガスの温度を抑制する。
【解決手段】電池パック10は、電池モジュール100が収容される収容空間250と、収容空間250から発生したガスを通過させる中央内部空間260と、収容空間250と中央内部空間260とを互いに連通する複数の大型連通孔270L及び複数の小型連通孔270Sと、中央内部空間260からガスを外部空間に排出する圧力開放弁280と、を備えている。圧力開放弁280と各大型連通孔270Lとの間の中央内部空間260の長さは、圧力開放弁280と各小型連通孔270Sとの間の中央内部空間260の長さより長くなっている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールと、
前記電池モジュールが収容される収容空間と、前記収容空間から発生したガスを通過させる内部空間と、前記収容空間と前記内部空間とを互いに連通する複数の連通孔と、を画定する収容体と、
前記内部空間から前記ガスを外部空間に排出するガス排出部と、
を備え、
前記ガス排出部と、少なくとも1つの連通孔と、の間の前記内部空間の長さが、前記ガス排出部と、前記少なくとも1つの連通孔より小さい他の少なくとも1つの連通孔と、の間の前記内部空間の長さより長い、電池パック。
【請求項2】
前記収容体が、前記内部空間の周囲の少なくとも一部分に位置する他の内部空間を画定している、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記収容体の所定部分同士を互いに締結する締結具をさらに備え、
前記締結具の少なくとも一部分が前記他の内部空間に入り込んでいる、請求項2に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の様々な用途に用いられる電池パックが開発されている。電池パックは、少なくとも1つの電池モジュール及び当該少なくとも1つのモジュールが収容される収容体を備えている。
【0003】
特許文献1には、電池パックの一例について記載されている。この電池パックにおいて、収容体は、電池モジュールから発生したガスを通過させるガス通路を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2022-515674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば特許文献1に記載されているように、電池モジュールから発生したガスが収容体から排出されることがある。このガスは、比較的高温になることがある。高温ガスが収容体から単に排出されると、収容体の周囲の人や部材への影響を抑制することが難しいことがある。
【0006】
本発明の目的の一例は、収容体から排出されるガスの温度を抑制することにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、以下のとおりである。
[1]
電池モジュールと、
前記電池モジュールが収容される収容空間と、前記収容空間から発生したガスを通過させる内部空間と、前記収容空間と前記内部空間とを互いに連通する複数の連通孔と、を画定する収容体と、
前記内部空間から前記ガスを外部空間に排出するガス排出部と、
を備え、
前記ガス排出部と、少なくとも1つの連通孔と、の間の前記内部空間の長さが、前記ガス排出部と、前記少なくとも1つの連通孔より小さい他の少なくとも1つの連通孔と、の間の前記内部空間の長さより長い、電池パック。
[2]
前記収容体が、前記内部空間の周囲の少なくとも一部分に位置する他の内部空間を画定している、[1]に記載の電池パック。
[3]
前記収容体の所定部分同士を互いに締結する締結具をさらに備え、
前記締結具の少なくとも一部分が前記他の内部空間に入り込んでいる、[2]に記載の電池パック。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記態様によれば、収容体から排出されるガスの温度を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る電池パックの斜視図である。
図2】実施形態に係る電池パックからアッパケースが取り外された状態の平面図である。
図3】実施形態に係る電池パックの一部分の平面図である。
図4図3において矢印Aから見たサイドフレームの内側面図である。
図5図3において矢印Bから見たサイドフレームの内側面図である。
図6図3の線C-Cに沿う電池パックの一部の断面図である。
図7図3の線D-Dに沿う電池パックの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る電池パック10の斜視図である。図2は、実施形態に係る電池パック10からアッパケース220が取り外された状態の平面図である。
【0012】
実施形態において、電池パック10は、自動車に搭載されている。具体的には、電池パック10は、自動車の前輪及び後輪の間に搭載されている。以下、特に断りがない限り、電池パック10が自動車に搭載されているものとして説明する。ただし、電池パック10は、自動車以外の用途にも適用可能である。
【0013】
各図には、説明のため、X方向、Y方向及びZ方向が示されている。X方向は、電池パック10の前後方向を示している。Y方向は、X方向に直交している。Y方向は、電池パック10の左右方向を示している。Z方向は、X方向及びY方向の双方に直交している。Z方向は、電池パック10の上下方向を示している。X方向を指し示す矢印、Y方向を指し示す及びZ方向を指し示す矢印は、それぞれ、電池パック10の前方向、左方向及び上方向を示している。図2において、Z方向を示す黒点付き白丸は、Z方向を指し示す矢印が紙面の奥から手前に向けて延びていることを示している。ただし、X方向、Y方向及びZ方向と、電池パック10の前後方向、左右方向及び上下方向と、の関係はこの例に限定されない。
【0014】
実施形態において、電池パック10の前後方向、左右方向及び上下方向は、電池パック10が搭載される自動車によって決定されている。X方向、Y方向及びZ方向は、それぞれ、自動車の前後方向、左右方向及び上下方向を示している。X方向を指し示す矢印、Y方向を指し示す矢印及びZ方向を指し示す矢印は、それぞれ、自動車の前方向、左方向及び上方向を示している。ただし、電池パック10の前後方向、左右方向及び上下方向と、自動車の前後方向、左右方向及び上下方向と、の関係はこの例に限定されない。
【0015】
以下、必要に応じて、Z方向に垂直な方向を水平方向という。
【0016】
電池パック10は、4つの電池モジュール100及び収容体200を備えている。4つの電池モジュール100は、X方向に並ぶ左側の一対の電池モジュール100と、X方向に並ぶ右側の一対の電池モジュール100と、を含んでいる。収容体200は、ロアケース210及びアッパケース220を有している。ロアケース210は、概して、例えば、トレイ又は本体部とも称されることがある。ロアケース210は、ロアプレート212及びサイドフレーム214を含んでいる。アッパケース220は、概して、例えば、カバー又は蓋部とも称されることがある。
【0017】
各電池モジュール100は、水平方向に積層された複数の電池セルを有している。例えば、各電池モジュール100では、並列に接続された複数の電池セルを含む電池セル群が複数直列に接続されている。或いは、単一の電池セルが複数直列に接続されていてもよい。
【0018】
サイドフレーム214の前方には、一対のターミナル110が設けられている。一対のターミナル110は、Y方向に略平行に並んでいる。各ターミナル110の前端部は、サイドフレーム214の前面から前方に向けて突出している。電気的な経路において、一対のターミナル110の間において、4つの電池モジュール100は直列に接続されている。
【0019】
ロアケース210及びアッパケース220は、シール材230を介して互いに取り付けられている。ロアケース210、アッパケース220及びシール材230は、収容空間250を形成している。収容空間250には、4つの電池モジュール100が収容されている。
【0020】
ロアプレート212は、収容空間250の底部を画定している。サイドフレーム214は、収容空間250の側方部を画定している。具体的には、Z方向から見て、サイドフレーム214は、ロアプレート212の最外周に沿って設けられている。アッパケース220は、収容空間250の頂部を画定している。
【0021】
シール材230は、例えば、ゴム等の弾性材である。Z方向から見て、シール材230は、サイドフレーム214の全周に亘って設けられている。これによって、Z方向から見て、シール材230は、収容空間250を囲んでいる。したがって、シール材230によって収容空間250を収容体200の外部の空間から封止することができる。
【0022】
電池モジュールの数及び配置は、実施形態に係る例に限定されない。例えば、電池モジュール100の数は2つのみ、3つのみ又は5つ以上であってもよい。
【0023】
図3は、実施形態に係る電池パック10の一部分の平面図である。図4は、図3において矢印Aから見たサイドフレーム214の内側面図である。図5は、図3において矢印Bから見たサイドフレーム214の内側面図である。図6は、図3の線C-Cに沿う電池パック10の一部の断面図である。図7は、図3の線D-Dに沿う電池パック10の一部の断面図である。図3図6及び図7では、説明の簡易のため、収容空間250に収容された電池モジュール100が図示されていない。
【0024】
図6及び図7を参照して、ロアプレート212及びサイドフレーム214の締結構造と、ロアプレート212及びアッパケース220の締結構造と、について説明する。
【0025】
図6に示すように、ロアプレート212の外周部と、サイドフレーム214の下部と、はロアボルト242によって互いに締結されている。例えば、ロアボルト242は、サイドフレーム214に設けられたナットに締結されている。実施形態では、Z方向から見て、サイドフレーム214の全周に亘って複数のロアボルト242が設けられている。ただし、サイドフレーム214の全周に設けられるロアボルト242の数は1つのみであってもよい。ロアプレート212及びサイドフレーム214を互いに締結する締結具は、ロアボルト242に限定されない。当該締結具としては、ボルトだけでなく、ねじも例示される。
【0026】
図6に示すように、サイドフレーム214の上部と、アッパケース220の外周部と、はシール材230を介してアッパボルト244によって互いに締結されている。図6に示す例において、アッパボルト244は、Z方向に略平行にシール材230を貫通している。例えば、アッパボルト244は、サイドフレーム214に設けられたナットに締結されている。実施形態では、Z方向から見て、サイドフレーム214の全周に亘って複数のアッパボルト244が設けられている。ただし、サイドフレーム214の全周に設けられるアッパボルト244の数は1つのみであってもよい。サイドフレーム214及びアッパケース220を互いに締結する締結具は、アッパボルト244に限定されない。当該締結具としては、ボルトだけでなく、ねじも例示される。
【0027】
図3図7を参照して、サイドフレーム214について説明する。サイドフレーム214は、中央内部空間260、ロア内部空間262、アッパ内部空間264、複数の大型連通孔270L及び複数の小型連通孔270Sを画定している。図3及び図7に示すように、サイドフレーム214の外側面には、複数の圧力開放弁280が設けられている。
【0028】
図6及び図7に示すように、中央内部空間260は、サイドフレーム214のZ方向の略中央に位置している。Z方向から見て、中央内部空間260は、サイドフレーム214の全周の少なくとも一部分に亘って延在している。実施形態において、Z方向から見て、中央内部空間260は、サイドフレーム214の矢印Aによって示される領域と、サイドフレーム214の矢印Bによって示される領域と、の間で連続的に延在している。実施形態において、Z方向から見て、中央内部空間260は、サイドフレーム214の矢印Aによって示される領域と、サイドフレーム214の矢印Bによって示される領域と、の間を除いては、部分的に途切れていてもよい。
【0029】
収容空間250及び中央内部空間260は、複数の大型連通孔270L及び複数の小型連通孔270Sを介して互いに連通している。中央内部空間260は、収容空間250から発生したガスを通過させている。例えば、電池モジュール100の充放電等の所定の条件において、電池モジュール100からは高温ガスが発生する可能性がある。中央内部空間260は、例えば、収容空間250から発生した当該高温ガスを通過させている。ただし、中央内部空間260が通過させるガスの例は、当該高温ガスに限定されない。
【0030】
収容空間250から発生したガスは、複数の大型連通孔270L及び複数の小型連通孔270Sを通じて中央内部空間260に入り込む。図3に示す矢印Bから見た各小型連通孔270Sの大きさは、図3に示す矢印Aから見た各大型連通孔270Lの大きさより小さくなっている。実施形態では、図4に示すように、矢印Aから見て、各大型連通孔270Lは、略四角形形状となっている。図5に示すように、矢印Bから見て、各小型連通孔270Sは、略四角形形状となっている、ただし、各大型連通孔270Lの形状及び各小型連通孔270Sの形状は、この例に限定されない。中央内部空間260の内部の圧力が収容空間250からのガスの発生等の要因によって一定の値を超えると、各圧力開放弁280が動作し、当該ガスが各圧力開放弁280を介して外部空間に排出される。このようにして、圧力開放弁280は、ガス排出部として動作している。なお、中央内部空間260を通過するガスを外部空間に排出するガス排出部は、圧力開放弁280に限定されない。
【0031】
図6及び図7に示すように、ロア内部空間262は、中央内部空間260の下方に位置している。実施形態において、ロア内部空間262は、中空空間となっている。したがって、ロア内部空間262は、中央内部空間260を通過するガスを冷却させる冷却構造として機能することができる。このため、中央内部空間260を介して圧力開放弁280から排出されるガスの温度を抑制することができる。さらに、ロア内部空間262が中空空間である場合、ロア内部空間262が中実である場合と比較して、サイドフレーム214を軽量化することができる。
【0032】
図6に示すように、ロア内部空間262には、ロアボルト242の先端が入り込んでいる。中央内部空間260及びロア内部空間262は、サイドフレーム214の全周の少なくとも一部分において、ロア隔壁266を介して物理的に互いに隔てられている。このため、中央内部空間260を通過する高温ガスの影響をロアボルト242の先端が受けにくくすることができる。ロア隔壁266は、サイドフレーム214の全周において部分的に途切れていてもよい。例えば、ロア隔壁266は、ロアボルト242とZ方向に重なる領域に設けられ、ロアボルト242とZ方向に重ならない領域の少なくとも一部分には設けられていなくてもよい。
【0033】
ロア内部空間262は、液体等の冷媒によって中実であってもよい。この場合においても、ロア内部空間262は、中央内部空間260を通過するガスを冷却させる冷却構造として機能することができる。なお、当該冷却構造は、ロア内部空間262に限定されない。
【0034】
図6及び図7に示すように、アッパ内部空間264は、中央内部空間260の上方に位置している。実施形態において、アッパ内部空間264は、中空空間となっている。したがって、アッパ内部空間264は、中央内部空間260を通過するガスを冷却させる冷却構造として機能することができる。このため、中央内部空間260を介して圧力開放弁280から排出されるガスの温度を抑制することができる。ロア内部空間262と同様にして、アッパ内部空間264は、液体等の冷媒によって中実であってもよい。
【0035】
図6に示すように、アッパ内部空間264には、アッパボルト244の先端が入り込んでいる。中央内部空間260及びアッパ内部空間264は、サイドフレーム214の全周の少なくとも一部分において、アッパ隔壁268を介して物理的に互いに隔てられている。このため、中央内部空間260を通過する高温ガスの影響をアッパボルト244の先端が受けにくくすることができる。アッパ隔壁268は、サイドフレーム214の全周において部分的に途切れていてもよい。例えば、アッパ隔壁268は、アッパボルト244とZ方向に重なる領域に設けられ、アッパボルト244とZ方向に重ならない領域の少なくとも一部分には設けられていなくてもよい。
【0036】
中央内部空間260、ロア内部空間262及びアッパ内部空間264の断面は、図6及び図7に示す例に限定されない。上述の冷却構造は、中央内部空間260の周囲の少なくとも一部分に位置させることができる。例えば、ロア内部空間262及びアッパ内部空間264の一方は、存在しなくてもよい。また、中央内部空間260は、サイドフレーム214のZ方向の略中央から下方又は上方にずれていてもよい。
【0037】
図3図7に示すように、実施形態では、圧力開放弁280と各大型連通孔270Lとの間の中央内部空間260の長さは、圧力開放弁280と各小型連通孔270Sとの間の中央内部空間260の長さより長くなっている。電池モジュール100の充放電等の所定の条件において、電池モジュール100からは高温ガスとともに微粒子が発生することがある。当該ガス及び当該微粒子は、一緒に中央内部空間260を通過する。この場合、ガス及び微粒子が中央内部空間260を通過する期間が長いほど、当該微粒子によって当該ガスの温度を低下させることができる。このため、大型連通孔270Lから中央内部空間260に入り込んだガスの温度は、小型連通孔270Sから中央内部空間260に入り込んだガスの温度よりも、上述した微粒子によって低下させやすくなっている。
【0038】
実施形態では、比較的多量のガスが収容空間250から発生した場合、大型連通孔270L及び小型連通孔270Sの双方を介してガスを排出することができる。この場合、各大型連通孔270L及び各小型連通孔270Sの大きさの差に起因して、大型連通孔270Lから中央内部空間260に入り込むガスの量を、小型連通孔270Sから中央内部空間260に入り込むガスの量より多くすることができる。このため、実施形態では、中央内部空間260を通過するガスの温度を上述した微粒子によって効率的に低下させることで、圧力開放弁280から排出されるガスの温度を抑制することができる。
【0039】
実施形態では、比較的少量のガスが収容空間250から発生した場合、大型連通孔270Lを介してよりも、主に小型連通孔270Sを介して、ガスを排出することができる。小型連通孔270Sから圧力開放弁280までの中央内部空間260の長さは、大型連通孔270Lから圧力開放弁280までの中央内部空間260の長さより短くなっている。このため、実施形態では、圧力開放弁280の初期動作において、少量のガスを圧力開放弁280から効率的に排出することができる。
【0040】
収容空間250及び中央内部空間260を互いに連通させる連通孔は、大型連通孔270L及び小型連通孔270Sに限定されない。例えば、複数の連通孔の大きさは、いずれも同じであってもよい。また、図3の矢印Aによって示される領域と、図3の矢印Bによって示される領域と、の一方のみに連通孔が設けられていてもよい。
【0041】
図7を参照して、圧力開放弁280について説明する。
【0042】
圧力開放弁280は、ロア取付面280a及びアッパ取付面280bを有している。ロア取付面280a及びアッパ取付面280bは、サイドフレーム214の外側面に取り付けられている。
【0043】
圧力開放弁280の上部の少なくとも一部分及び側部の少なくとも一部分は、アウタカバー282aによって覆われている。圧力開放弁280の下部の少なくとも一部分は、インナカバー282bによって覆われている。アウタカバー282aの下端及びインナカバー282bの下端は、排出開口282cを画定している。排出開口282cは、圧力開放弁280の略下方に向けて開口されている。したがって、圧力開放弁280から排出されたガスは、排出開口282cを介して、圧力開放弁280の略下方に向けて排出される。
【0044】
インナカバー282bは、遮蔽部282b1を含んでいる。遮蔽部282b1の少なくとも一部分は、ロア取付面280aと排出開口282cとの間に位置している。電池パック10が搭載される自動車の洗浄等の所定の条件において、高圧の水が収容体200の外側から噴射される可能性がある。実施形態では、収容体200の斜め下から排出開口282cに向けて高圧の水が噴射されても、遮蔽部282b1は、当該水がロア取付面280aの直接噴射されることを防ぐ構造体として機能することができる。
【0045】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
10 電池パック
100 電池モジュール
110 ターミナル
200 収容体
210 ロアケース
212 ロアプレート
214 サイドフレーム
220 アッパケース
230 シール材
242 ロアボルト
244 アッパボルト
250 収容空間
260 中央内部空間
262 ロア内部空間
264 アッパ内部空間
266 ロア隔壁
268 アッパ隔壁
270L 大型連通孔
270S 小型連通孔
280 圧力開放弁
280a ロア取付面
280b アッパ取付面
282a アウタカバー
282b インナカバー
282b1 遮蔽部
282c 排出開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7