(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035351
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 9/445 20180101AFI20240307BHJP
G06F 8/65 20180101ALI20240307BHJP
【FI】
G06F9/445
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139763
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】若狹谷 要
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AC11
5B376CA47
5B376FA13
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性をより向上させる。
【解決手段】第1の接続状態または第2の接続状態に接続状態を切替可能な情報処理装置であって、前記情報処理装置は、前記第1の接続状態または前記第2の接続状態により、プログラムに関する情報を取得する取得部と、前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動する制御部と、を備え、前記制御部は、前記プログラムを更新した際の前記情報処理装置の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、情報処理装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続状態または第2の接続状態に接続状態を切替可能な情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、
前記第1の接続状態または前記第2の接続状態により、プログラムに関する情報を取得する取得部と、
前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記プログラムを更新した際の前記情報処理装置の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記第1の接続状態を基本状態として設定されており、
前記制御部は、
前記第2の接続状態に切り替えられた後に前記プログラムを更新した場合、前記第2の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記第1の接続状態を基本状態として設定されており、
前記制御部は、
第2の接続状態に切り替える場合、POSレジからの指示または操作表示部の操作によって切り替えできるように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2の接続状態に切り替えられた後に前記プログラムが前記取得部により取得された場合、前記第2の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記プログラムを更新せずに前記情報処理装置を再起動する場合、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記プログラムの更新に際して、前記情報処理装置のプログラムの更新を終了する操作が得られた場合、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記プログラムの更新に際して、前記情報処理装置のプログラムの更新を終了する指示がPOSレジから得られた場合、その指示に従い、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プログラムを保持する記憶部、
を更に備え、
前記制御部は、
前記記憶部に保持されるプログラムを前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
操作表示部、
を更に備え、
前記取得部は、
前記操作表示部により、前記情報処理装置のプログラムの更新に係る操作が得られた際に、前記プログラムに関する情報を取得する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報処理装置のプログラムの更新に係る操作を行うことが可能な更新操作画面は、前記操作表示部の基本画面から少なくとも1以上の遷移画面を経由した後に表示される、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記遷移画面は、前記情報処理装置を利用するユーザが前記操作表示部上で操作することに基づき経由される、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動した後、前記情報処理装置のプログラムの更新に係る操作が得られたと見做して、他のプログラムを前記取得部に取得させる、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記操作表示部は、
前記情報処理装置のプログラムの更新に係る操作が行われた後、前記プログラムの取得に係る取得画面を表示する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動した後、前記基本画面および前記遷移画面の表示を前記操作表示部に省略させる制御を行う、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動した後、前記操作表示部に前記取得画面を表示させる、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記取得画面は、前記情報処理装置のプログラムの更新を終了する操作を行うためのボタンを含む、
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記少なくとも1以上の遷移画面には、前記ユーザにより前記情報処理装置の利用に際した暗証番号を入力する画面を含む、
請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記情報処理装置は、
現金処理装置に備えられる、
請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記取得画面は、前記現金処理装置に関するログ情報を出力する出力ボタンを含み、
前記制御部は、
前記出力ボタンが選択された場合、前記情報処理装置のログ情報を出力し、前記情報処理装置を再起動する、
請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記制御部は、
前記出力ボタンが選択された場合、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、
請求項19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記取得部は、
前記情報処理装置のプログラムの更新数量に関する数量情報を取得し、
前記制御部は、
前記情報処理装置のプログラムを、前記数量情報に基づく最後のプログラムに更新した後、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、
請求項20に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記制御部は、
前記第2の接続状態に切り替えられた後に前記プログラムを更新した場合、前記情報処理装置を前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動した後に前記第2の接続状態に切り替える制御を行う、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項23】
前記第1の接続状態は、USB接続であり、
前記第2の接続状態は、LAN接続である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記プログラムは、ファームウェアを含む、
請求項1から請求項23までのうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項25】
第1の接続状態または第2の接続状態に接続状態を切替可能な情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、
前記第1の接続状態または前記第2の接続状態により、プログラムに関する情報を取得することと、
情報処理装置のプログラムを、取得されたプログラムに更新し、情報処理装置を再起動することと、
を含み、
前記情報処理装置を再起動することは、
前記プログラムを更新した際の前記情報処理装置の接続状態で、前記情報処理装置を再起動することを含む、
コンピュータにより実行される、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、装置のファームウェア等のプログラムを、他の装置との通信により更新する技術が開発されている。例えば、特許文献1では、複数のファームウェアを管理するサーバまたはホストコンピュータとの通信により、一のファームウェアを選択してダウンロードする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置が複数のファームウェアをダウンロードする場合、各ファームウェアをダウンロードした後に、都度当該装置を再起動する必要が生じる。ここで、ファームウェアをダウンロードする際の装置の接続状態が当該装置の基本となる接続状態と異なっていた場合に、管理者は、当該装置が再起動された後に、接続状態を都度変更する手間が生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの利便性をより向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1の接続状態または第2の接続状態に接続状態を切替可能な情報処理装置であって、前記情報処理装置は、前記第1の接続状態または前記第2の接続状態により、プログラムに関する情報を取得する取得部と、前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動する制御部と、を備え、前記制御部は、前記プログラムを更新した際の前記情報処理装置の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御する、情報処理装置が提供される。
【0007】
前記情報処理装置は、前記第1の接続状態を基本状態として設定されており、前記制御部は、前記第2の接続状態に切り替えられた後に前記プログラムを更新した場合、前記第2の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御してもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記第1の接続状態を基本状態として設定されており、前記制御部は、第2の接続状態に切り替える場合、POSレジからの指示または操作表示部の操作によって切り替えできるように制御してもよい。
【0009】
前記制御部は、前記第2の接続状態に切り替えられた後に前記プログラムが前記取得部により取得された場合、前記第2の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記プログラムを更新せずに前記情報処理装置を再起動する場合、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記プログラムの更新に際して、前記情報処理装置のプログラムの更新を終了する操作が得られた場合、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御してもよい。
【0012】
前記制御部は、前記プログラムの更新に際して、前記情報処理装置のプログラムの更新を終了する指示がPOSレジから得られた場合、その指示に従い、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御してもよい。
【0013】
前記プログラムを保持する記憶部、を更に備え、前記制御部は、前記記憶部に保持されるプログラムを前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動してもよい。
【0014】
操作表示部、を更に備え、前記取得部は、前記操作表示部により、前記情報処理装置のプログラムの更新に係る操作が得られた際に、前記プログラムに関する情報を取得してもよい。
【0015】
前記情報処理装置のプログラムの更新に係る操作を行うことが可能な更新操作画面は、前記操作表示部の基本画面から少なくとも1以上の遷移画面を経由した後に表示されてもよい。
【0016】
前記遷移画面は、前記情報処理装置を利用するユーザが前記操作表示部上で操作することに基づき経由されてもよい。
【0017】
前記制御部は、前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動した後、前記情報処理装置のプログラムの更新に係る操作が得られたと見做して、他のプログラムを前記取得部に取得させてもよい。
【0018】
前記操作表示部は、前記情報処理装置のプログラムの更新に係る操作が行われた後、前記プログラムの取得に係る取得画面を表示してもよい。
【0019】
前記制御部は、前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動した後、前記基本画面および前記遷移画面の表示を前記操作表示部に省略させる制御を行ってもよい。
【0020】
前記制御部は、前記情報処理装置のプログラムを、前記取得部により取得されたプログラムに更新し、前記情報処理装置を再起動した後、前記操作表示部に前記取得画面を表示させてもよい。
【0021】
前記取得画面は、前記情報処理装置のプログラムの更新を終了する操作を行うためのボタンを含んでもよい。
【0022】
前記少なくとも1以上の遷移画面には、前記ユーザにより前記情報処理装置の利用に際した暗証番号を入力する画面を含んでもよい。
【0023】
前記情報処理装置は、現金処理装置に備えられてもよい。
【0024】
前記取得画面は、前記現金処理装置に関するログ情報を出力する出力ボタンを含み、前記制御部は、前記出力ボタンが選択された場合、前記情報処理装置のログ情報を出力し、前記情報処理装置を再起動してもよい。
【0025】
前記制御部は、前記出力ボタンが選択された場合、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御してもよい。
【0026】
前記取得部は、前記情報処理装置のプログラムの更新数量に関する数量情報を取得し、前記制御部は、前記情報処理装置のプログラムを、前記数量情報に基づく最後のプログラムに更新した後、前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動するように制御してもよい。
【0027】
前記制御部は、前記第2の接続状態に切り替えられた後に前記プログラムを更新した場合、前記情報処理装置を前記第1の接続状態で、前記情報処理装置を再起動した後に前記第2の接続状態に切り替える制御を行ってもよい。
【0028】
前記第1の接続状態は、USB接続であり、前記第2の接続状態は、LAN接続であってもよい。
【0029】
前記プログラムは、ファームウェアを含んでもよい。
【0030】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の接続状態または第2の接続状態に接続状態を切替可能な情報処理方法であって、前記情報処理方法は、前記第1の接続状態または前記第2の接続状態により、プログラムに関する情報を取得することと、情報処理装置のプログラムを、取得されたプログラムに更新し、情報処理装置を再起動することと、を含み、前記情報処理装置を再起動することは、前記プログラムを更新した際の前記情報処理装置の接続状態で、前記情報処理装置を再起動することを含む、コンピュータにより実行される、情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの利便性をより向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】本実施形態に係る釣銭機10の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図3】本実施形態に係る釣銭機10の起動時に表示される起動画面SSの一例を説明するための説明図である。
【
図4】本実施形態に係る操作表示部130により表示される基本画面BSの一例を説明するための説明図である。
【
図5】本実施形態に係る操作表示部130により表示される遷移画面TSの具体例を説明するための説明図である。
【
図6】本実施形態に係る操作表示部130により表示される遷移画面TSの具体例を説明するための説明図である。
【
図7】本実施形態に係る操作表示部130により表示される遷移画面TSの具体例を説明するための説明図である。
【
図8】本実施形態に係る操作表示部130により表示される取得画面ASの一例を説明するための説明図である。
【
図9A】本実施形態に係る釣銭機10の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【
図9B】本実施形態に係る釣銭機10の動作処理の他の例を説明するための説明図である。
【
図10】本実施形態に係る釣銭機10のハードウェア構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0034】
<<1.情報処理システムの概要>>
本発明の一実施形態は、装置のプログラムの更新に際して、ユーザの利便性をより向上させることを可能とする情報処理システムに関する。まず、
図1を参照し、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明する。
【0035】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報処理システムは、現金処理装置1と、保守員端末30と、を有する。
【0036】
(現金処理装置1)
本実施形態に係る現金処理装置1は、紙葉類、硬貨類およびカード類等の各種の媒体を処理する装置である。また、媒体には、例えば紙幣、商品券等の金券、チケット、伝票等が含まれる。
【0037】
現金処理装置1は、
図1に示すように、釣銭機10と、POS(Point Of Sales)レジ20と、を有する。釣銭機10およびPOSレジ20は、それぞれ独立した装置であってもよいし、一体化した装置であってもよい。
【0038】
釣銭機10とPOSレジ20とは、第1の接続状態で接続される。例えば、釣銭機10と、POSレジ20とは、USBケーブルC1を介して接続する。このようなUSBケーブルC1を介して二つの装置が接続される状態を、USB接続と称する。釣銭機10は、第1の接続状態であるUSB接続時では、USBケーブルC1による通信手段が有効である。
【0039】
{釣銭機10}
釣銭機10は、情報処理装置の一例であり、硬貨および紙幣の入出金処理を行う装置である。また、釣銭機10は、保持しているファームウェアを、USB接続または後述するLAN接続によりダウンロードして得られたファームウェアに更新することが可能である。
【0040】
また、本実施形態に係る釣銭機10には、USB接続が基本状態として設定される。例えば、保守員が釣銭機10を起動すると、釣銭機10は、USB接続が有効である状態に自動的になる。また、釣銭機10は、後述するファームウェアの更新に係る操作が保守員により行われた際に、接続状態をUSB接続からLAN接続に切り替える。釣銭機10の機能構成に係る詳細については後述する。
【0041】
{POSレジ20}
本実施形態に係るPOSレジ20は、商品の売上額および販売場所等の販売情報を収集する。また、POSレジ20は、釣銭機10の上位AP(Application)装置である。POSレジ20は、上述したようにUSB接続で釣銭機10と接続される。
【0042】
(保守員端末30)
本実施形態に係る保守員端末30は、現金処理装置1の保守を担当する保守員により利用される端末である。保守員端末30は、例えば
図1に示すようなPC(Personal Computer)であってもよいし、タブレット端末またはスマートフォン等の他の通信端末であってもよい。
【0043】
保守員端末30は、少なくとも1以上のファームウェアに関する情報を保持している。ここで、ファームウェアに関する情報(プログラムに関する情報とも呼ぶ)とは、例えば、当該ファームウェアに関するプログラムを含む。
【0044】
釣銭機10と、複数のファームウェアを保持した保守員端末30とは、第2の接続状態で接続される。例えば、釣銭機10と、複数のファームウェアを保持した保守員端末30とは、LANケーブルC2を介して接続される。以下の説明では、このようなLANケーブルC2を介して二つの装置が接続される状態を、LAN接続と称する。釣銭機10は、第2接続状態であるLAN接続時では、LANケーブルC2による通信手段が有効である。
【0045】
保守員端末30は、LAN接続で保守員端末30と接続された釣銭機10に、ファームウェアを送信する。これにより、釣銭機10は、当該釣銭機10が保持しているファームウェアを新しいファームウェアに更新することが可能である。
【0046】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明した。続いて、
図2を参照し、本実施形態に係る釣銭機10の機能構成の一例を説明する。
【0047】
<<2.釣銭機10の機能構成例>>
図2は、本実施形態に係る釣銭機10の機能構成の一例を説明するための説明図である。
図2に示すように、本実施形態に係る釣銭機10は、通信部110と、記憶部120と、操作表示部130と、制御部140と、を備える。
【0048】
(通信部110)
本実施形態に係る通信部110は、POSレジ20、または保守員端末30と各種通信を行う。例えば、通信部110は、LAN接続により、保守員端末30からファームウェアを受信する。なお、通信部110は、取得部の一例である
【0049】
(記憶部120)
本実施形態に係る記憶部120は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部120は、釣銭機10の制御に用いるファームウェアを保持する。
【0050】
また、記憶部120は、釣銭機10の接続状態を保持する。例えば、記憶部120は、ファームウェアを更新した際の釣銭機10の接続状態を保持する。
【0051】
(操作表示部130)
本実施形態に係る操作表示部130は、ファームウェアの更新に係る操作入力を行うための入力部としての機能を包含する。また、操作表示部130は、後述する各種画面を表示するための表示部としての機能を包含する。
【0052】
入力部としての機能は、例えばタッチパネルにより実現される。また、表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。なお、入力部および表示部の機能は分離して構成されてもよい。
【0053】
(制御部140)
本実施形態に係る制御部140は、釣銭機10の動作全般を制御する。例えば、制御部140は、記憶部120に保持されるファームウェアに基づき、釣銭機10の動作を制御する。
【0054】
また、制御部140は、記憶部120に保持されるファームウェアを、通信部110により受信されたファームウェアに更新する制御を行う。また、制御部140は、釣銭機10のファームウェアを更新した後、釣銭機10を再起動するように制御する。
【0055】
また、本実施形態に係る制御部140は、ファームウェアを更新した際の釣銭機10の接続状態で、釣銭機10を再起動するように制御する。例えば、釣銭機10の接続状態がUSB接続からLAN接続に切り替えられた後、通信部110は、LAN接続により保守員端末30からファームウェアを受信する。次に、制御部140は、LAN接続のまま、釣銭機10のファームウェアを更新する。そして、制御部140は、LAN接続で、釣銭機10を再起動するように制御する。即ち、意図的にUSB接続で再起動させるための所定の操作が行われた場合を除き、制御部140は、ファームウェアを更新した際の接続状態であるLAN接続で釣銭機10が再起動された後、当該釣銭機10の接続状態が、LAN接続からUSB接続に切り替わらないように制御する。
【0056】
なお、本実施形態に係る制御部140は、LAN接続を維持した状態で、釣銭機10を起動してもよいし、USB接続で釣銭機10を起動した後に、釣銭機10の接続状態をUSB接続からLAN接続に切り換えてもよい。
【0057】
また、本実施形態に係る制御部140は、ファームウェアを更新せずに釣銭機10を再起動する場合、基本状態であるUSB接続で、釣銭機10を再起動するように制御してもよい。
【0058】
以上、本実施形態に釣銭機10の機能構成の一例を説明した。続いて、本実施形態に係るファームウェアの更新に係る詳細を説明する。
【0059】
<<3.ファームウェアの更新に係る詳細>>
<3.1.課題の整理>
本実施形態に係る釣銭機10には、上述したようにUSB接続が基本状態として設定される。これにより、釣銭機10が起動されると、当該釣銭機10は自動的にUSB接続が有効になる。
【0060】
また、LAN接続に切り替える操作が得られた際、釣銭機10はLAN接続を有効にする。例えば、釣銭機10がファームウェアのダウンロードまたはログ情報を出力する際に、釣銭機10と保守員端末30との間で直接通信させることで保守員の作業性が向上する場合がある。このような場合に、保守員により釣銭機10の接続状態がUSB接続からLAN接続に切り替えられ得る。
【0061】
また、釣銭機10は、POSレジ20または操作表示部130からLAN接続に切り替える指示が送信された際、LAN接続を有効にしてもよい。
【0062】
そして、LAN接続に切り替えられた後、釣銭機10が備える通信部110は、LANケーブルに接続された保守員端末30からファームウェアを受信する。そして、制御部140は、記憶部120に保持するファームウェアを保守員端末30から受信したファームウェアに更新し、再起動する。
【0063】
ここで、ある既存の釣銭機(以下、既存釣銭機と称する。)は、ファームウェアを更新し、再起動すると、基本状態として設定されたUSB接続が有効(即ち、LAN接続が無効)である状態で起動していた。
【0064】
しかし、保守員端末30が保持するファームウェアが複数であった場合、既存釣銭機は、保守員端末30から複数のファームウェアに含まれる1のファームウェアを受信し、更新する処理を、ファームウェアの数量に応じた回数だけ繰り返し行う場合がある。このような場合、既存釣銭機は、1のファームウェアを更新するごとに、再起動する必要が生じる。そのため、保守員は、更新するファームウェアの数量だけ、既存釣銭機の接続状態をUSB接続からLAN接続に切り替える操作を行う必要が生じ得た。
【0065】
そこで、本実施形態に係る釣銭機10は、ファームウェアの更新に係る保守員の操作上の負担を減らすことが可能である。より具体的には、本実施形態に係る釣銭機10が備える制御部140がファームウェアを更新した際の釣銭機10の接続状態(例えば、LAN状態)で、釣銭機10を再起動するように制御することで、上述したような保守員の操作上の負担が減らされ得る。
【0066】
続いて、
図3~
図8を参照し、ファームウェアの更新に係る表示画面の具体例について順次説明する。
【0067】
<3.2.ファームウェアの更新に係る表示画面の一例>
図3は、本実施形態に係る釣銭機10の起動時に表示される起動画面SSの一例を説明するための説明図である。まず、保守員は、釣銭機10の起動に係る操作を行う。この場合、操作表示部130は、
図3に示すような起動画面SSを表示する。
【0068】
図4は、本実施形態に係る操作表示部130により表示される基本画面BSの一例を説明するための説明図である。操作表示部130は、例えば起動画面SSが表示された後、一定の時間が経過した後に、
図4に示すような基本画面BSを表示する。また、基本画面BSは、例えば、
図4に示すような、各種金種に関する情報、および各種ボタンを含む。
【0069】
例えば、基本画面BSは、釣銭機10に収納される各種金種の数量に関する情報を含む。
図4に示す基本画面BSには、100枚の五千円札が収納可能な釣銭機10に、60枚の五千円札が収納されている状況を示す情報が含まれる。また、基本画面BSは、補充ボタンや、両替ボタン等の各種ボタンを含む。保守員は、補充ボタンを選択することで、釣銭機10に紙幣または硬貨の補充を行うことが可能である。
【0070】
保守員は、釣銭機10が備える操作表示部130を用いて各種操作を行い、USB接続をLAN接続に切り替え、ファームウェアの更新を行うことが可能である。
【0071】
例えば、ファームウェアの更新に係る操作を行うことが可能な更新操作画面は、基本画面BSから少なくとも1以上の遷移画面を経由した後に表示される。
【0072】
以下では、ファームウェアの更新に係る操作を行うまでの画面遷移の一例を説明する。まず、保守員が基本画面BSに含まれるローカルボタンB1を選択すると、操作表示部130により表示される基本画面BSは、遷移画面TS1(
図5)に遷移する。
【0073】
図5、
図6および
図7は、本実施形態に係る操作表示部130により表示される遷移画面TSの具体例を説明するための説明図である。遷移画面TS1は、例えば
図5に示すような、釣銭機10の操作者を選択するボタンを含む。
【0074】
保守員が遷移画面TS1に含まれる保守員専用ボタンB2を選択すると、操作表示部130により表示される遷移画面TS1は、遷移画面TS2(
図6)に遷移する。
【0075】
遷移画面TS2は、例えば、
図6に示すような、保守員が釣銭機10の利用に際して暗証番号を入力するボタンを含む。
【0076】
保守員が遷移画面TS2で暗証番号を入力し、決定ボタンB3を選択し、入力された暗証番号があらかじめ登録された暗証番号と一致すると、操作表示部130により表示される遷移画面TS2は、遷移画面TS3(
図7)に遷移する。
【0077】
遷移画面TS3は、例えば、保守員により操作可能な各種ボタンを含む。例えば、遷移画面TS3は、
図7に示すようなLAN接続ボタンB4を含む。なお、LAN接続ボタンB4は、釣銭機10の接続状態をUSB接続からLAN接続に切り替えるためのボタンである。
【0078】
ここで、LAN接続ボタンB4が保守員により選択されることは、釣銭機10のファームウェアの更新に係る操作の一例であってもよい。この場合、遷移画面TS3は、釣銭機10のファームウェアの更新に係る操作を行うことが可能な更新操作画面の一例である。但し、更新操作画面は、遷移画面TS3に限定されない。更新操作画面は、LAN接続ボタンB4が選択された後に表示されてもよく、例えば、LAN接続に関する確定ボタンおよび接続するLANの設定ボタン等のLAN接続に関する各種ボタンを含むような画面であってもよい。
【0079】
保守員が遷移画面TS1に含まれるLAN接続ボタンB4を選択すると、操作表示部130により表示される遷移画面TS3は、取得画面AS(
図8)に遷移し、釣銭機10は、LAN接続される保守員端末30からファームウェアのダウンロードを開始する。
【0080】
図8は、本実施形態に係る操作表示部130により表示される取得画面ASの一例を説明するための説明図である。取得画面ASは、例えば、
図8に示すような、LAN接続に係る各種情報を含む。例えば、取得画面ASには、LAN接続中の保守員端末30のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、ポート番号およびMACアドレス等の各種情報が含まれてもよい。
【0081】
取得画面ASが表示されている際に、釣銭機10が備える通信部110は、保守員端末30からファームウェアを受信し、制御部140は、記憶部120に保持されるファームウェアを、保守員端末30から受信したファームウェアに更新する。
【0082】
ファームウェアの更新が完了した後、制御部140は、釣銭機10を再起動する。なお、既存釣銭機の場合、保守員は、既存釣銭機が再起動された後に、上述したような基本画面BSから遷移画面TS1~TS3までの各種画面遷移に要する操作を、全てのファームウェアの更新が終わるまで繰り返し行う必要が生じた。
【0083】
一方、本実施形態に係る釣銭機10は再起動された後もLAN接続が維持されているため、操作表示部130は、釣銭機10が再起動した後に基本画面BSから遷移画面TS1~TS3の表示を省略してもよい。
【0084】
より具体的には、本実施形態に係る釣銭機10が再起動した後、操作表示部130は、
図3に示したような起動画面SSを表示する。そして、操作表示部130は、一定の時間が経過した後に、取得画面ASを表示してもよい。
【0085】
このように、保守員端末30が保持する複数のファームウェアが釣銭機10により更新完了されるまで、本実施形態に係る釣銭機10は、ファームウェアのダウンロードおよびインストールに係る処理と、LAN接続で再起動する処理を繰り返し行ってもよい。
【0086】
また、制御部140は、釣銭機10のファームウェアの更新を終了する操作が得られた場合、USB接続で、釣銭機10を再起動するように制御してもよい。
【0087】
例えば、取得画面ASは、釣銭機10のファームウェアの更新を終了するボタンである終了ボタンB5を含んでもよい。例えば、保守員は、LAN接続からUSB接続に戻す場合、取得画面ASにおいて終了ボタンB5を選択する。
【0088】
取得画面ASにおいて終了ボタンB5が選択されると、制御部140は、USB接続で、釣銭機10を再起動するように制御してもよい。また、釣銭機10が再起動した後、操作表示部130は、
図3に示したような起動画面SSを表示する。そして、操作表示部130は、一定の時間が経過した後に、基本画面BSを表示してもよい。
【0089】
また、取得画面ASは、
図8に示すような、釣銭機10に関するログ情報を出力するログ収集ボタンB6を含んでもよい。ログ収集ボタンB6が選択されると、釣銭機10は、LAN接続される保守員端末30に対し、釣銭機10のログ情報を送信する。なお、ログ情報は、例えば釣銭機10による取引履歴に関する情報を含む。
【0090】
また、保守員端末30に対してログ情報が送信された後、制御部140は、USB接続で、釣銭機10を再起動するように制御してもよい。
【0091】
以上、本実施形態に係るファームウェアの更新に係る詳細を説明した。続いて、
図10を参照し、本実施形態に係る釣銭機10の動作処理の一例を説明する。
【0092】
<<4.本実施形態に係る釣銭機10の動作処理の一例>>
図9Aは、本実施形態に係る釣銭機10の動作処理の一例を説明するための説明図である。まず、制御部140は、LAN接続に切り替えられる操作が得られたか否かを判定する(S101)。LAN接続に切り替えられる操作が得られたと判定された場合(S101:YES)、処理はS105に進められ、LAN接続に切り替えられる操作が得られていないと判定された場合(S101:NO)、本実施形態に係る釣銭機10はファームウェアの更新に係る動作処理を終了する。
【0093】
LAN接続に切り替えられる操作が得られたと判定された場合(S101:YES)、通信部110は、LAN接続で保守員端末30からファームウェアを受信する(S105)。
【0094】
続いて、制御部140は、記憶部120に保持されるファームウェアを、通信部110が受信したファームウェアに更新する(S109)。
【0095】
そして、制御部140は、取得画面で終了ボタンが選択されていたか否かを判定する(S113)。取得画面で終了ボタンが選択されていなかった場合(S113:NO)、処理はS117に進められ、取得画面で終了ボタンが選択されていた場合(S113:YES)、処理は、S121に進められる。
【0096】
取得画面で終了ボタンが選択されていなかった場合(S113:NO)、制御部140は、LAN接続で、釣銭機10を再起動し(S117)、S113において取得画面で終了ボタンが選択されるまでS105~S117の処理が繰り返し行われる。
【0097】
取得画面で終了ボタンが選択されていた場合(S113:YES)、制御部140は、USB接続で、釣銭機10を再起動する(S121)。
【0098】
そして、操作表示部130は、基本画面を表示し(S125)、本実施形態に係る釣銭機10は、ファームウェアの更新に係る動作処理を終了する。
【0099】
以上説明した釣銭機10によれば、ダウンロードおよびインストールするファームウェアの数量に応じた回数の接続状態を切り替えるための操作が省略されるため、保守員の利便性がより向上され得る。
【0100】
なお、保守員端末30は、釣銭機10にUSB接続またはLAN接続による再起動指示を送信してもよい。そして、制御部140は、釣銭機10のファームウェアを、保守員端末30から受信した再起動指示に基づき、USB接続またはLAN接続で釣銭機10を再起動するように制御してもよい。この場合、釣銭機10は、
図8に示した終了ボタンB5が選択されなくても、自動的にUSB接続またはLAN接続で再起動され得る。以下、
図9Bを参照し、制御部140が保守員端末30から受信した再起動指示に基づき、USB接続またはLAN接続で釣銭機10を再起動する動作処理の一例を説明する。
【0101】
図9Bは、本実施形態に係る釣銭機10の動作処理の他の例を説明するための説明図である。なお、
図9Aに示したS101~S109およびS117~S125の処理は、
図9Bでも同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
【0102】
記憶部120に保持されるファームウェアが、通信部110が受信したファームウェアに更新され(S109)、制御部140は、保守員端末30からの再起動指示がUSB接続であるかLAN接続であるかを判定する(S213)。LAN接続が指示された場合(S213:LAN接続)、処理はS117に進められ、USB接続が指示された場合(S213:USB)、処理は、S121に進められる。
【0103】
保守員端末30からLAN接続が指示された場合(S213:LAN接続)、制御部140は、LAN接続で、釣銭機10を再起動し(S117)、S213において保守員端末30からのUSB接続による再起動指示があるまでS105~S117およびS213の処理が繰り返し行われる。
【0104】
保守員端末30からUSB接続が指示された場合(S213:USB)、制御部140は、USB接続で、釣銭機10を再起動する(S121)。
【0105】
<<5.本実施形態に係る釣銭機10のハードウェア構成>>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する釣銭機10のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は釣銭機10および保守員端末30にも適用可能である。
【0106】
図10は、本実施形態に係る釣銭機10のハードウェア構成を示したブロック図である。釣銭機10は、CPU(Central Processing Unit)102と、ROM(Read Only Memory)104と、RAM(Randome Access Memory)106と、内部バス108と、入出力インターフェース111と、表示部121と、入力部113と、音声出力部114と、記憶装置115と、ドライブ116と、ネットワークインターフェース117と、外部インターフェース118と、を備えることができる。
【0107】
CPU102は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って釣銭機10内の動作全般を制御する。CPU102が後述するROM104、RAM106及びソフトウェアと協働することにより、例えば、制御部140などの機能が実現され得る。
【0108】
ROM104は、CPU102が使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶する。RAM106は、CPU102の実行において使用するプログラム、およびその実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。
【0109】
CPU102、ROM104、RAM106は、内部バス108によって相互に接続され、さらに入出力インターフェース111を介して後述する表示部121、入力部113、音声出力部114、記憶装置115、ドライブ116、ネットワークインターフェース117、外部インターフェース118と接続される。
【0110】
表示部121は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED装置などの表示装置であり、映像データを映像に変換して出力する。また、入力部113は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサ、スイッチ及びレバーなどメンバーが情報を入力するための入力手段と、メンバーによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU102に出力する入力制御回路などから構成され得る。また、音声出力部114は、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置であり、音声データなどを音声に変換して出力する。
【0111】
記憶装置115は、データ記憶用の装置である。記憶装置115は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。記憶装置115は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。この記憶装置115は、ストレージを駆動し、CPU102が実行するプログラムや各種データを記憶する。
【0112】
ドライブ116は、記憶媒体用リーダライタであり、釣銭機10に内蔵、または外付けされる。ドライブ116は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体に記憶されている情報を読み出して、RAM106に出力する。また、ドライブ116は、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むことも可能である。
【0113】
ネットワークインターフェース117は、例えば、インターネットなどの通信網に接続するためのデバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース117は、有線LAN(Local Area Network)または無線LAN対応通信装置であってもよいし、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0114】
外部インターフェース118は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS-232Cポートまたは光オーディオ端子などのような外部接続機器を接続するための接続ポートで構成された接続インターフェースである。
【0115】
<<6.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0116】
例えば、本明細書では、USB接続が第1の接続状態であり、LAN接続が第2の接続状態である例を主に説明したが、第1の接続状態および第2の接続状態は係る例に限定されない。例えば、LAN接続が第1の接続状態であってもよいし、USB接続が第2の接続状態であってもよい。また、第1の接続状態または第2の接続状態は、Bluetooth(登録商標)通信またはシリアル通信(RS―232C)等の他の通信に対応する接続状態であってもよい。
【0117】
また、本明細書では、USB接続の例として、釣銭機10がUSBケーブルC1に接続されている状態を主に説明したが、USB接続には釣銭機10がUSBメモリ等のUSB端子を有する記憶デバイスに接続された状態が含まれ得る。また、LAN接続の例として、釣銭機10がLANケーブルC2に接続されている状態を説明したが、LAN接続には釣銭機10と保守員端末30とが無線LANにより接続された状態が含まれ得る。
【0118】
また、保守員端末30は、釣銭機10に更新させるファームウェアの更新数量に関する数量情報を送信してもよい。そして、制御部140は、釣銭機10のファームウェアを、保守員端末30から受信した数量情報に基づく最後のファームウェアを更新した後、USB接続で釣銭機10を再起動するように制御してもよい。この場合、釣銭機10は、
図8に示した終了ボタンB5が選択されなくても、自動的にUSB接続で再起動され得る。
【0119】
また、操作表示部130は、ダウンロードするファームウェアの数量に応じて表示画面の一部を変更してもよい。例えば、操作表示部130は、ダウンロードするファームウェアの数量が複数ある場合にのみ、
図8に示した取得画面ASにおいて終了ボタンB5を表示してもよい。また、操作表示部130は、ダウンロードするファームウェアの数量が複数であった場合、取得画面ASにおいて、ダウンロードする残りのファームウェア数を表示してもよい。
【0120】
また、
図8に示した取得画面ASにおいて終了ボタンB5が選択された際に、制御部140は、USB接続に戻す旨のメッセージを操作表示部130に表示させ、釣銭機10をUSB接続で、再起動するように制御してもよい。
【0121】
また、ファームウェアの更新に係る表示画面は、
図3~
図8に示した例に限定されない。例えば、操作表示部130は、ファームウェアのダウンロードまたはインストールの進捗状況を示す表示画面を表示してもよい。
【0122】
また、制御部140は、通信回線との接続状況に基づき、USB接続またはLAN接続を選定してもよい。そして、通信部110は、制御部140により選定されたUSB接続またはLAN接続により、保守員端末30からファームウェアを受信してもよい。
【0123】
また、本明細書では、釣銭機10がLAN接続により保守員端末30からファームウェアを受信(ダウンロード)および更新する例を主に説明したが、本実施形態に係る釣銭機10は、USB接続によりファームウェアをダウンロードおよび更新してもよい。この場合、釣銭機10と保守員端末30とをUSB接続し、釣銭機10は、保守員端末30から直接ファームウェアをダウンロードし、更新に係る処理を実行してもよい。また、保守員端末30は、POSレジ20の記憶部にファーウェアを保存してもよい。この場合、釣銭機10は、POSレジ20を介して、ファームウェアをダウンロードし、更新に係る処理を実行してもよい。
【0124】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、釣銭機10に限定されない。本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、例えば、接続状態を切り替えてプログラムを更新する装置に対して適用可能である。
【0125】
また、本実施形態に係る釣銭機10の動作処理におけるステップは、必ずしも説明図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、釣銭機10の動作処理における各ステップは、説明図として記載した順序と異なる順序で処理されてもよい。
【0126】
また、釣銭機10および保守員端末30に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した釣銭機10および保守員端末30の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。
【符号の説明】
【0127】
1 現金処理装置
10 釣銭機
110 通信部
120 記憶部
130 操作表示部
140 制御部
20 POSレジ
30 保守員端末