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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000354
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20231225BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20231225BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231225BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20231225BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20231225BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20231225BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L29/78 371
H01L21/88 T
H01L25/08 Y
H01L21/60 321Z
H01L21/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099096
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】武木田 秀人
(72)【発明者】
【氏名】柴田 潤一
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH01
5F033HH08
5F033HH11
5F033JJ18
5F033JJ33
5F033KK01
5F033MM30
5F033NN05
5F033NN12
5F033QQ09
5F033QQ10
5F033QQ19
5F033RR04
5F033VV07
5F033VV16
5F033XX03
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA09
5F083GA10
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR05
5F083PR40
5F083ZA01
5F083ZA29
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH15
(57)【要約】
【課題】半導体チップの面積を好適に縮小することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体装置は、第1基板と、前記第1基板の上面に設けられた第1トランジスタと、前記第1トランジスタの上方に設けられたメモリセルアレイとを備える。前記装置はさらに、前記メモリセルアレイの上方に設けられた第2基板と、前記第2基板の上面に設けられた第2トランジスタとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板の上面に設けられた第1トランジスタと、
前記第1トランジスタの上方に設けられたメモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイの上方に設けられた第2基板と、
前記第2基板の上面に設けられた第2トランジスタと、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第2基板の厚さは、前記第1基板の厚さより厚い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1トランジスタのゲート絶縁膜は、第1膜厚、または前記第1膜厚よりも大きい第2膜厚を有し、
前記第2トランジスタのゲート絶縁膜は、前記第2膜厚を有する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記メモリセルアレイを制御する回路をさらに備え、
前記回路は、前記第1トランジスタと、前記第2トランジスタとを含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2基板は、前記第2基板の上面から下面まで拡がる第1ウェルを含み、
前記第2トランジスタは、前記第1ウェル上に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2基板の下面に接しており、前記第1ウェルの下方に位置する第1プラグをさらに備える、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2基板内に設けられ、前記第2基板を貫通している素子分離絶縁膜をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2基板を貫通する第2プラグをさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記メモリセルアレイは、互いに離間された複数の電極層を含み、
前記第2プラグは、前記複数の電極層を貫通する半導体層と電気的に接続されている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2プラグは、前記第1トランジスタと電気的に接続されている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2プラグは、前記第2基板の上方に設けられたボンディングパッドと電気的に接続されている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記メモリセルアレイは、互いに離間された複数の電極層を含み、
前記第2プラグは、前記複数の電極層のうちの第1電極層と電気的に接続されている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2プラグは、前記複数の電極層のうちの第2電極層を貫通している、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第2電極層は、前記第2基板と前記第1電極層との間に位置している、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第2プラグの側面と、前記第2トランジスタ用の拡散層の側面とに接する金属層をさらに備える、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第2プラグは、前記第2トランジスタのゲート電極を含んでいる配線の下面に、前記ゲート電極以外の位置で接している、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記複数の電極層は、階段形状を有する部分を含む、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項18】
第1基板上に第1トランジスタを形成し、
前記第1トランジスタの上方にメモリセルアレイを形成し、
第2基板を、前記第1トランジスタと前記メモリセルアレイとを介して前記第1基板と貼り合わせ、
前記貼り合わせの後に、前記第2基板上に第2トランジスタを形成する、
ことを含む半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1トランジスタと、前記第2トランジスタは、前記メモリセルアレイを制御する回路に含まれる、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記貼り合わせの後に、前記第2基板を貫通するプラグを形成し、
前記第2基板内で、前記プラグの側面に金属層を形成する、
ことを含み、
前記第2トランジスタ用の拡散層は、前記第2基板内に、前記金属層に接するように形成される、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元メモリの半導体チップの面積は、例えばメモリセルアレイの面積を縮小することで縮小することができる。しかしながら、メモリセルアレイの面積と共にCMOS回路の面積も縮小しないと、半導体チップの面積がCMOS回路の面積で決まってしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開US2020/0098776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体チップの面積を好適に縮小することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体装置は、第1基板と、前記第1基板の上面に設けられた第1トランジスタと、前記第1トランジスタの上方に設けられたメモリセルアレイとを備える。前記装置はさらに、前記メモリセルアレイの上方に設けられた第2基板と、前記第2基板の上面に設けられた第2トランジスタとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図2】第1実施形態の柱状部の構造を示す断面図である。
図3】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
図4】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
図5】第1実施形態の半導体装置の構成を示すブロック図である。
図6】第1実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図(1/4)である。
図7】第1実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図(2/4)である。
図8】第1実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図(3/4)である。
図9】第1実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図(4/4)である。
図10】第1実施形態の半導体装置の構造の例を示す断面図である。
図11】第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図12】第2実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
図13】第2実施形態の半導体装置の構造の例を示す断面図である。
図14】第2実施形態の半導体装置の構造の別の例を示す断面図と平面図である。
図15】第2実施形態の半導体装置の製造方法の例を示す断面図(1/3)である。
図16】第2実施形態の半導体装置の製造方法の例を示す断面図(2/3)である。
図17】第2実施形態の半導体装置の製造方法の例を示す断面図(3/3)である。
図18】第2実施形態の変形例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1図18において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0009】
本実施形態の半導体装置は例えば、3次元メモリを備える半導体チップである。本実施形態の半導体装置は、後述するように、回路チップ1を含む回路ウェハと、アレイチップ2を含むアレイウェハとを貼り合わせることにより製造される。図1は、回路チップ1とアレイチップ2との貼合面Sを示している。
【0010】
図1では、アレイチップ2が、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイを備え、回路チップ1が、メモリセルアレイの動作を制御するCMOS回路を備えている。ただし、本実施形態のCMOS回路は、後述するように、回路チップ1だけでなく、アレイチップ2にも含まれている。
【0011】
回路チップ1は、基板11と、複数のトランジスタ12と、層間絶縁膜13と、複数のプラグ14a~14fと、複数の配線層15a~15eと、複数の金属パッド16とを備えている。基板11は、第1基板の例であり、各トランジスタ12は、第1トランジスタの例である。各トランジスタ12は、ゲート絶縁膜12aと、ゲート電極12bと、拡散層12cと、拡散層12dとを含んでいる。
【0012】
アレイチップ2は、層間絶縁膜21と、積層膜22と、基板23と、複数のトランジスタ24と、層間絶縁膜25と、複数の金属パッド26と、複数のプラグ27a~27jと、複数の配線層28a~28eと、柱状部29とを備えている。基板23は、第2基板の例であり、各トランジスタ24は、第2トランジスタの例である。各トランジスタ24は、ゲート絶縁膜24aと、ゲート電極24bと、拡散層24cと、拡散層24dとを含んでいる。積層膜22は、複数の電極層31と、複数の絶縁膜32とを含んでいる。各柱状部29は、メモリ絶縁膜33と、チャネル半導体層34と、コア絶縁膜35と、コア半導体層36とを含んでいる。
【0013】
基板11は例えば、Si(シリコン)基板などの半導体基板である。図1は、基板11の表面に平行で互いに垂直なX方向およびY方向と、基板11の表面に垂直なZ方向とを示している。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差している。この明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していてもよいし、重力方向とは一致していなくてもよい。図1はさらに、基板11の厚さD1を示している。
【0014】
各トランジスタ12は、基板11上に順に形成されたゲート絶縁膜12aおよびゲート電極12bと、基板11内に形成された拡散層12c、12dとを含んでいる。拡散層12c、12dの一方はソース領域として機能し、拡散層12c、12dの他方はドレイン領域として機能する。回路チップ1は、基板11の上面に複数のトランジスタ12を備えており、これらのトランジスタ12は例えば、上記のCMOS回路を構成している。これらのトランジスタ12は例えば、ゲート絶縁膜12aが薄い膜厚を有するLV(低電圧)トランジスタと、ゲート絶縁膜12aが厚い膜厚を有するHV(高電圧)トランジスタの一方または両方を含んでいる。本実施形態では、これらのトランジスタ12が、LVトランジスタおよびHVトランジスタを含んでいるか、または、LVトランジスタのみを含んでいることが望ましい。薄い膜厚は、第1膜厚の例であり、厚い膜厚は、第2膜厚の例である。
【0015】
図1は、基板11内や基板11上の領域R1、R2、R3を含んでいる。領域R1内のトランジスタ12は例えば、センスアンプ(S/A)を構成している。領域R2内のトランジスタ12は例えば、ワード線スイッチ(WLSW)として機能する。領域R3内のトランジスタ12は例えば、上記のCMOS回路内のその他のトランジスタである。
【0016】
層間絶縁膜13は、基板11上に形成されており、これらのトランジスタ12を覆っている。層間絶縁膜13は例えば、SiO膜(シリコン酸化膜)と、その他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0017】
プラグ14a~14fおよび配線層15a~15eは、基板11上やトランジスタ12上に、プラグ14a、配線層15a、プラグ14b、配線層15b、プラグ14c、配線層15c、プラグ14d、配線層15d、プラグ14e、配線層15e、プラグ14fの順に形成されている。プラグ14aはコンタクトプラグに相当し、プラグ14b~14fはビアプラグに相当する。配線層15a~15eの各々は、1つの配線層内に複数の配線を含んでいる。プラグ14a~14fおよび配線層15a~15eは、層間絶縁膜13内に設けられている。
【0018】
上記複数の金属パッド16は、層間絶縁膜13内にて、プラグ14f上に配置されている。これらの金属パッド16や層間絶縁膜13は、回路チップ1の上面を形成しており、アレイチップ2の下面に接している。各金属パッド16は例えば、Cu(銅)層を含んでいる。
【0019】
層間絶縁膜21は、層間絶縁膜13上に形成されている。層間絶縁膜21は例えば、SiO膜と、その他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0020】
積層膜22は、層間絶縁膜21内に交互に設けられた複数の電極層31および複数の絶縁膜32を含んでいる。これらの電極層31は、Z方向に互いに離間している。これらの電極層31は例えば、複数のワード線および複数の選択線を含んでいる。各電極層31は例えば、W(タングステン)層を含む金属層である。各絶縁膜32は例えば、SiO膜である。積層膜22は、柱状部29などと共に、メモリセルアレイを構成している。
【0021】
基板23は、層間絶縁膜21上に配置され、積層膜22の上方に位置している。基板23は例えば、Si基板などの半導体基板である。図1はさらに、基板23の厚さD2を示している。
【0022】
各トランジスタ24は、基板23上に順に形成されたゲート絶縁膜24aおよびゲート電極24bと、基板23内に形成された拡散層24c、24dとを含んでいる。拡散層24c、24dの一方はソース領域として機能し、拡散層24c、24dの他方はドレイン領域として機能する。アレイチップ2は、基板23の上面に複数のトランジスタ24を備えており、これらのトランジスタ24は例えば、上記のCMOS回路を構成している。これらのトランジスタ24は例えば、ゲート絶縁膜24aが上記の薄い膜厚を有するLVトランジスタと、ゲート絶縁膜24aが上記の厚い膜厚を有するHVトランジスタの一方または両方を含んでいる。本実施形態では、これらのトランジスタ24が、HVトランジスタのみを含んでいることが望ましい。以上のように、本実施形態では、上記のCMOS回路が、トランジスタ12およびトランジスタ24により構成されている。
【0023】
図1では、基板23の厚さD2が、基板11の厚さD1より薄く設定されている。これには例えば、基板23を貫通するプラグを形成しやすいという利点がある。一方、トランジスタ12がLVトランジスタのみを含み、トランジスタ24がHVトランジスタのみを含む場合には、基板23の厚さD2が、基板11の厚さD1より厚く設定されていてもよい。この場合、空乏層が伸びにくいLVトランジスタのみが設けられた基板11の厚さD1を薄くし、空乏層が伸びやすいHVトランジスタのみが設けられた基板23の厚さD2を厚くすることが可能となる。これにより例えば、基板11を薄くして半導体装置を小型化することと、基板23を厚くして空乏層に好適に対処することを、両立することが可能となる。基板23の厚さD2が基板11の厚さD1より厚い場合、基板23の厚さD2は例えば10μm以上である。
【0024】
層間絶縁膜25は、基板24上に形成されており、トランジスタ23を覆っている。層間絶縁膜25は例えば、SiO膜と、その他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0025】
上記複数の金属パッド26は、層間絶縁膜21内にて、金属パッド16上に配置されている。これらの金属パッド26や層間絶縁膜21は、アレイチップ2の下面を形成しており、回路チップ1の上面に接している。各金属パッド26は例えば、Cu(銅)層を含んでいる。
【0026】
プラグ27a~27cおよび配線層28a~28bは、層間絶縁膜21内で金属パッド26上にプラグ27a、配線層28a、プラグ27b、配線層28b、プラグ27cの順に形成されている。プラグ27a~27cはビアプラグに相当する。配線層28a~28bの各々は、1つの配線層内に複数の配線を含んでいる。領域R1、R2内の配線層28bは、Y方向に延びる複数の配線を含んでおり、これらの配線はビット線に相当する。
【0027】
プラグ27d~27fおよび配線層28cも、層間絶縁膜21内に形成されている。プラグ27dは、プラグ27c上に設けられており、かつ、柱状部29内のコア半導体層36下に設けられている。プラグ27eは、プラグ27c上に設けられており、かつ、積層膜22内の電極層31下に設けられている。プラグ27fは、プラグ27c上に設けられており、かつ、プラグ27j下に設けられている。プラグ27d~27fはコンタクトプラグに相当する。図1では、配線層28c内の1つの配線(ソース線)が、上記複数の柱状部29上に設けられている。
【0028】
プラグ27g~27hおよび配線層28dは、層間絶縁膜25内で基板23上やトランジスタ24上にプラグ27g、配線層28d、プラグ27hの順に形成されている。配線層28eは、層間絶縁膜25およびプラグ27h上に形成されている。プラグ27gはコンタクトプラグに相当し、プラグ27hはビアプラグに相当する。配線層28d、28eの各々は、1つの配線層内に複数の配線を含んでいる。配線層28e内の少なくとも一部の配線は、本実施形態の半導体装置と他の装置とを電気的に接続するためのボンディングパッドとして機能する。配線層28eは、不図示のパッシベーション絶縁膜により部分的に覆われていてもよい。
【0029】
プラグ27i~27jは、層間絶縁膜21、基板23、および層間絶縁膜25内に形成されており、基板23を貫通している。プラグ27iは、配線層28c上に設けられており、かつ、配線層28e下に設けられている。図1では、プラグ27iが、配線層28cを介して、柱状部29内のチャネル半導体層34と電気的に接続されている。プラグ27jは、プラグ27f上に設けられており、かつ、配線層28e下に設けられている。図1では、プラグ27jが、領域R3内のトランジスタ12の拡散層12cまたは12dと電気的に接続されている。プラグ27jは、領域R3内のトランジスタ12のゲート電極12bと電気的に接続されていてもよい。プラグ27iはコンタクトプラグに相当し、プラグ27jはビアプラグに相当する。なお、本実施形態のプラグ27i~27jの各々は、不図示の絶縁膜により、基板23と電気的に絶縁されている。プラグ27i~27jは、第2プラグの例である。
【0030】
各柱状部29は、積層膜22内に形成されており、Z方向に延びる柱状の形状を有している。各柱状部29は、積層膜22内に順に設けられたメモリ絶縁膜33、チャネル半導体層34、およびコア絶縁膜35と、コア絶縁膜35下に設けられたコア半導体層36とを含んでいる。チャネル半導体層34は例えば、ポリシリコン層である。コア絶縁膜35は例えば、SiO膜である。コア半導体層36は例えば、ポリシリコン層である。コア半導体層36は、チャネル半導体層34と電気的に接続されている。また、チャネル半導体層34は、配線層28c内の配線(ソース線)と電気的に接続されており、コア半導体層36は、プラグ27d、27cを介して、配線層28b内の配線(ビット線)と電気的に接続されている。
【0031】
本実施形態の半導体装置(半導体チップ)の面積は、例えばメモリセルアレイの面積を縮小することで縮小することができる。メモリセルアレイの面積は、おおむね積層膜22の面積で定められる。しかしながら、メモリセルアレイの面積と共にCMOS回路の面積も縮小しないと、本実施形態の半導体装置の面積がCMOS回路の面積で決まってしまうおそれがある。
【0032】
そこで、本実施形態のCMOS回路は、基板11上のトランジスタ12と、基板23上のトランジスタ24により構成されている。例えば、基板11上のM+N個のトランジスタ12でCMOS回路を構成すると、基板11上のCMOS回路の面積は、おおむねM+Nの値に依存する。一方、基板11上のM個のトランジスタ12と基板23上のN個のトランジスタ24でCMOS回路を構成すると、基板11上のCMOS回路の面積は、おおむねMの値に依存し、基板23上のCMOS回路の面積は、おおむねNの値に依存する。これらの場合において、半導体装置の面積がCMOS回路の面積で決まるとすると、前者の場合の半導体装置の面積は、おおむねM+Nの値に依存し、後者の場合の半導体装置の面積は、おおむねMの値とNの値の大きい方に依存する。M=Nの場合には、前者の場合の半導体装置の面積は、おおむね2Nの値に依存し、後者の場合の半導体装置の面積は、おおむねNの値に依存し、後者の面積は前者の面積の半分になる。よって、本実施形態によれば、CMOS回路をトランジスタ12、24により構成することで、半導体装置の面積を縮小することが可能となる。
【0033】
なお、基板11上のCMOS回路の面積や、基板23上のCMOS回路の面積が小さくなると、半導体装置の面積が、再びメモリセルアレイの面積で決まる場合がある。この場合でも、上記の効果は得ることができる。例えば、前者の場合の「基板11上のCMOS回路の面積」が2Nで、後者の場合の「基板11上のCMOS回路の面積」「基板23上のCMOS回路の面積」がいずれもNで、メモリセルアレイの面積が1.5Nの場合には、前者の場合の「半導体装置の面積」は2Nとなり、後者の場合の「半導体装置の面積」は1.5Nとなる。
【0034】
なお、本実施形態の半導体装置は、1つの回路チップ1と、1つのアレイチップ2とを備えているが、代わりに、1つの回路チップ1と、2つ以上のアレイチップ2とを備えていてもよい。この場合、CMOS回路を構成するトランジスタは、3枚以上の基板上に配置してもよい。
【0035】
図2は、第1実施形態の柱状部29の構造を示す断面図である。
【0036】
図2は、図1に示す複数の柱状部29のうちの1つを示している。図2に示す柱状部29は、メモリ絶縁膜33、チャネル半導体層34、コア絶縁膜35、およびコア半導体層36(図示せず)を含み、メモリ絶縁膜33は、積層膜22内に順に設けられたブロック絶縁膜33a、電荷蓄積層33b、およびトンネル絶縁膜33cを含んでいる。ブロック絶縁膜33aは例えば、SiO膜である。電荷蓄積層33bは例えば、SiN膜(シリコン窒化膜)である。トンネル絶縁膜33cは例えば、SiO膜である。
【0037】
図2はさらに、図1と同様に、積層膜22内に含まれる複数の電極層31および複数の絶縁膜32を示している。図2では、領域R2内の積層膜22が、これらの電極層31として、複数本のワード線WLと、ソース側選択線SGSと、ドレイン側選択線SGDとを含んでいる。これらのワード線WLは、メモリ絶縁膜33およびチャネル半導体層34と共に、複数のメモリセルを形成している。ソース側選択線SGSは、これらのワード線WLの上方に配置されており、ドレイン側選択線SGDは、これらのワード線WLの下方に配置されている。なお、図2では、これらのワード線WLの上方に、2本以上のソース側選択線SGSが配置されていてもよいし、これらのワード線WLの下方に、2本以上のドレイン側選択線SGDが配置されていてもよい。以上は、領域R1内などの積層膜22についても同様である。
【0038】
図3および図4は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0039】
図3は、回路チップ1を含む回路ウェハW1と、アレイチップ2を含むアレイウェハW2とを示している。図3はさらに、回路ウェハW1の上面S1と、アレイウェハW2の上面S2とを示している。図3に示すアレイウェハW2の向きは、図1に示すアレイチップ2の向きと逆向きになっている。本実施形態の半導体装置は、上述のように、回路ウェハW1とアレイウェハW2とを貼り合わせることにより製造される。図3は、貼合のために向きを反転される前のアレイウェハW2を示し、図4は、貼合のために向きを反転されて回路ウェハW1と貼り合わされた後のアレイウェハW2を示している。
【0040】
本実施形態の半導体装置は例えば、次のように製造される。まず、基板11上に、複数のトランジスタ12、層間絶縁膜13、複数のプラグ14a~14f、複数の配線層15a~15e、および複数の金属パッド16を形成する(図3)。また、基板23上に、層間絶縁膜21、積層膜22、複数の金属パッド26、複数のプラグ27a~27f、複数の配線層28a~28c、および複数の柱状部29を形成する(図3)。
【0041】
次に、図4に示すように、回路ウェハW1とアレイウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜13と層間絶縁膜21とが接着される。次に、回路ウェハW1およびアレイウェハW2をアニールする。これにより、金属パッド16と金属パッド26とが接合される。
【0042】
その後、基板11、23を、必要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing)により薄膜化する。この際、基板23の厚さD2を、基板11の厚さD1より薄くしてもよいし、基板11の厚さD1より厚くしてもよい。さらには、基板23上に、複数のトランジスタ24、層間絶縁膜25、複数のプラグ27g~27j、および複数の配線層28d~28eを形成する(図1参照)。プラグ27i~27jは、基板23を貫通するように形成される。そして、回路ウェハW1およびアレイウェハW2を複数の半導体チップに切断する。このようにして、図1に示す半導体装置が製造される。
【0043】
なお、図1は、層間絶縁膜13と層間絶縁膜21との境界面や、金属パッド16と金属パッド26との境界面を示しているが、上記のアニール後はこれらの境界面が観察されなくなることが一般的である。しかしながら、これらの境界面のあった位置は、金属パッド16の側面の傾きや、金属パッド26の側面の傾きや、金属パッド16と金属パッド26との位置ずれを検出することで推定することができる。
【0044】
図5は、第1実施形態の半導体装置の構成を示すブロック図である。
【0045】
図5では、本実施形態の半導体装置は、メモリセルアレイ41、I/O(Input/Output)制御回路42、論理制御回路43、ステータスレジスタ44、アドレスレジスタ45、コマンドレジスタ46、制御回路47、レディー/ビジー回路48、電圧生成器49、ロウデコーダ51、センスアンプ52、データレジスタ53、およびカラムデコーダ54を備えている。
【0046】
メモリセルアレイ41は、上述の積層膜22や柱状部29により形成されており、複数のメモリセルを含んでいる。I/O制御回路42は、データ線DQ0-0~DQ7-0を介して入力信号や出力信号をコントローラ(図示せず)との間で授受する。論理制御回路43は、チップイネーブル信号BCE-0、コマンドラッチイネーブル信号CLE-0、アドレスラッチイネーブル信号ALE-0、ライトイネーブル信号BWE-0、リードイネーブル信号RE-0およびBRE-0を受信し、これらの信号に応じてI/O制御回路42や制御回路47の動作を制御する。
【0047】
ステータスレジスタ44は、リード動作、ライト動作、イレース動作などのステータスを格納し、これらの動作の完了をコントローラに通知するために使用される。アドレスレジスタ45は、I/O制御回路42がコントローラから受信したアドレス信号を格納するために使用される。コマンドレジスタ46は、I/O制御回路42がコントローラから受信したコマンド信号を格納するために使用される。
【0048】
制御回路47は、コマンドレジスタ46のコマンド信号に応じて、ステータスレジスタ44、レディー/ビジー回路48、電圧生成器49、ロウデコーダ51、センスアンプ52、データレジスタ53、およびカラムデコーダ54を制御して、リード動作、ライト動作、イレース動作などを行う。
【0049】
レディー/ビジー回路48は、制御回路47の動作条件に応じて、レディー/ビジー信号RY/BBY-0をコントローラに送信する。これにより、制御回路47がコマンドを受付可能か受付不能を通知することができる。電圧生成器49は、リード動作、ライト動作、イレース動作に必要な電圧を生成する。
【0050】
ロウデコーダ51は、メモリセルアレイ41のワード線WLに電圧を印加する。センスアンプ52は、メモリセルアレイ41のビット線BLに読み出されたデータを検知する。データレジスタ53は、I/O制御回路42やセンスアンプ52からのデータを格納するために使用される。カラムデコーダ54は、カラムアドレスをデコードし、デコード結果に基づいてデータレジスタ53内のラッチ回路を選択する。ロウデコーダ51、センスアンプ52、データレジスタ53、およびカラムデコーダ54は、メモリセルアレイ41に対するリード動作、ライト動作、イレース動作のインタフェースとして機能する。
【0051】
これらのブロックは、メモリセルアレイ41を除いて、上述のCMOS回路内に含まれており、トランジスタ12、24により形成されている。例えば、センスアンプ52、データレジスタ53、およびカラムデコーダ54は、基板11上でトランジスタ12により形成されており、その他のブロックは、基板23上でトランジスタ24により形成されている。
【0052】
本実施形態では、電圧生成器49およびロウデコーダ51が、HVトランジスタにより形成されており、その他のブロックが、LVトランジスタにより形成されている。そのため、基板23上に電圧生成器49およびロウデコーダ51を配置し、基板11上にその他のブロックを配置してもよい。これにより、基板11上にLVトランジスタのみを配置することや、基板23上にHVトランジスタのみを配置することが可能となる。
【0053】
また、センスアンプ52は例えば、ビット線BL用のスイッチとして機能するトランジスタを含んでいる。このトランジスタは、例えばHVトランジスタである。この場合、センスアンプ52の一部を基板11上に配置し、センスアンプ52の残部を基板23上に配置することで、このHVトランジスタを、トランジスタ24として基板23上に配置してもよい。
【0054】
また、電圧生成器49は例えば、キャパシタを含んでいる。そのため、電圧生成器49の面積は大きいことが多い。この場合、半導体装置の設計時に基板11上のブロックの一部を基板23上に移動させることを決定する際には、面積の大きい電圧生成器49を基板23上に移動させることが望ましい。
【0055】
図6図9は、第1実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図である。具体的には、図6図9は、アレイウェハW2に関する工程の詳細を示している。
【0056】
図6(a)は、貼合前のアレイウェハW2を示している。まず、基板23上に層間絶縁膜21(正確には層間絶縁膜の一部)を形成し、層間絶縁膜21および基板23内に開口部H1、H2を形成し、層間絶縁膜21および基板23上に配線層28c用の配線材28c1を形成する(図6(a))。その結果、配線材28c1が、開口部H1、H2内に形成される。開口部H1は、配線材28c1で完全に埋まっておらず、開口部H2は、配線材28c1で完全に埋まっている。図6(a)において、領域R4は、開口部H1を含むアライメントマーク領域であり、領域R5は、開口部H2を含むACP領域であり、領域R6は、エッジシール領域である。
【0057】
次に、配線材28c1上に絶縁膜61を形成し、絶縁膜61の一部をエッチングにより除去し、配線材28c1および絶縁膜61上に、配線層28c用の配線材28c2を形成する(図6(b))。その結果、互いに電気的に接続された配線材28c1、28c2を含む配線層28cが、層間絶縁膜21上に形成される。開口部H1は、配線材28c1、28c2で完全に埋まっていない。
【0058】
次に、配線材28c2上に積層膜22を形成し、積層膜22内に複数のプラグ27fや複数の柱状部29を形成する(図6(b))。これらのプラグ27fは、積層膜22内に絶縁膜62を介して形成される。また、積層膜22内に絶縁膜63を介して配線層64が形成される(図6(b))。プラグ27f、柱状部29、および配線層64は、配線層28cに達するように形成される。なお、図6(b)に示すプラグ27fは、図1に示すプラグ27fとは異なり、積層膜22内に形成されている。また、積層膜22は、複数の犠牲層と複数の絶縁膜32とを交互に積層し、これらの犠牲層を複数の電極層31に置換することで形成されてもよい。積層膜22の一部は、開口部H1内に埋め込まれる。
【0059】
次に、アレイウェハW2を、不図示の回路ウェハW1と貼り合わせる(図7(a))。その結果、図7(a)に示すアレイウェハW2の向きが、図6(b)に示すアレイチップ2の向きと逆向きになっている。次に、基板23を、CMPにより薄膜化する(図7(b))。この薄膜化は、開口部H1、H2内の層が、基板23の上面に露出しないように行われる。
【0060】
次に、基板23上に、トランジスタ24と、層間絶縁膜25用の絶縁膜25aと、プラグ27gと、配線層28dとを形成する(図8(a))。次に、絶縁膜25aおよび配線層28d上に、層間絶縁膜25用の絶縁膜25bと、プラグ27hとを形成する(図8(b))。
【0061】
次に、絶縁膜25bおよびプラグ27h上に、配線層28eと、層間絶縁膜25用の絶縁膜25cとを形成する(図9(a))。図9(a)に示す配線層28eは、図1に示す配線層28eとは異なり、層間絶縁膜25内に形成されている。
【0062】
次に、層間絶縁膜25、基板23、層間絶縁膜21、配線層28c内などに、エッチングにより開口部H3、H4、H5を形成する(図9(b))。開口部H3、H4、H5はそれぞれ、領域R3、R5、R6内に形成される。
【0063】
次に、層間絶縁膜25上に絶縁膜65を形成し、絶縁膜65の一部などをエッチングにより除去する(図9(b))。その結果、開口部H3の底部にプラグ27fが露出し、開口部H4の底部に配線層28cが露出し、開口部H5の底部に配線層64が露出する。
【0064】
次に、絶縁膜65上に配線層66を形成し、配線層66の一部などをエッチングにより除去する(図9(b))。その結果、配線層66から配線66a~66dが形成される。配線66aは、領域R4内にて絶縁膜65上に形成される。配線66bは、領域R3内にて開口部H3の側面および底面に形成され、プラグ27f上に配置される。配線66cは、領域R5内にて開口部H4の側面および底面に形成され、配線層28c上に配置される。配線66dは、領域R6内にて開口部H5の側面および底面に形成され、配線層64上に配置される。配線層66は例えば、Al(アルミニウム)層を含む金属層である。図9(b)では、図1とは異なり、配線層66内の少なくとも一部の配線が、ボンディングパッドとして機能する。
【0065】
このようにして、本実施形態の半導体装置が製造される。図6(a)~図9(b)の説明にて説明を省略した工程は、図3および図4を参照して説明した工程と同様に行うことが可能である。
【0066】
図10は、第1実施形態の半導体装置の構造の例を示す断面図である。
【0067】
図10(a)に示す例では、基板23が、半導体層23aと、ウェル23b~23cと、拡散層23d~23fとを含んでおり、トランジスタ24がさらに、拡散層24e~24fを含んでいる。図10(a)はさらに、素子分離絶縁膜71を示している。
【0068】
ウェル23bは、半導体層23aの上面側に設けられたN型ウェルである。ウェル23cは、ウェル23bの上面側に設けられたP型ウェルである。図10(a)に示す基板23は、半導体層23a、ウェル23b、およびウェル23cを含むトリプルウェル構造を有している。
【0069】
拡散層23d、23e、23fはそれぞれ、基板23の上面付近で、半導体層23a、ウェル23b、およびウェル23c内に形成されており、プラグ27gと接している。拡散層23d、23e、23f上のプラグ27gはそれぞれ、半導体層23a、ウェル23b、およびウェル23cの電位を所定値に制御するために使用される。半導体層23a、ウェル23b、およびウェル23cの電位の所定値はそれぞれ、例えば0V、0~2V、および-2Vである。拡散層23d、23e、23fの各々は、素子分離絶縁膜71間に挟まれている。同様に、トランジスタ24の拡散層24c~24fも、素子分離絶縁膜71間に挟まれている。図10(a)に示す例では、拡散層23d、23e、23fはそれぞれ、p+型層、n+型層、およびp+型層である。
【0070】
拡散層24eは、拡散層24c内に設けられており、プラグ27gと接している。拡散層24fは、拡散層24d内に設けられており、プラグ27gと接している。図10(a)に示す例では、拡散層24c、24dはn-型層であり、拡散層24e、24fはn+型層である。図10(a)に示すトランジスタ24は、ウェル23c上に形成されている。
【0071】
図10(b)は、図10(a)に示す構造と同様の構造を示している。ただし、図10(b)に示す例では、基板23が、ウェル23b~23cと、拡散層23e’~23f’とを含んでおり、一部のプラグ27gがプラグ27g’に置き換えられている。この場合、ウェル23cは第1ウェルの例であり、プラグ27g’は第1プラグの例である。
【0072】
図10(b)に示す例では、ウェル23bは、基板23の上面から下面まで拡がるN型ウェルであり、ウェル23cは、基板23の上面から下面まで拡がるP型ウェルである。拡散層23e’、23f’はそれぞれ、基板23の下面付近でウェル23b、23c内に形成されており、プラグ27g’と接している。そのため、これらのプラグ27g’は、基板23の下面に接しており、それぞれウェル23b、23cの下方に位置している。拡散層23e’、23f’下のプラグ27g’はそれぞれ、ウェル23b、23cの電位を上記の所定値に制御するために使用される。図10(b)に示す例では、拡散層23e’、23f’はそれぞれ、n+型層およびp+型層である。
【0073】
本例によれば、一部のプラグ27gをプラグ27g’に置き換えることで、プラグ27g(および27g’)を配置するのに必要な面積を削減することが可能となる。また、本例によれば、半導体層23aを不要とすることが可能となる。
【0074】
図10(c)は、図10(b)に示す構造と同様の構造を示している。ただし、図10(c)に示す例では、基板23が、ウェル23cと拡散層23f’とを含んでおり、素子分離絶縁膜71が、基板23を貫通している。この場合、ウェル23cは第1ウェルの例であり、プラグ27g’は第1プラグの例である。
【0075】
図10(c)に示す例では、ウェル23cは、基板23の上面から下面まで拡がるP型ウェルであり、基板23を貫通する素子分離絶縁膜71間に挟まれている。拡散層23f’は、基板23の下面付近でウェル23c内に形成されており、プラグ27g’と接している。そのため、このプラグ27g’は、基板23の下面に接しており、ウェル23cの下方に位置している。拡散層23f’下のプラグ27g’は、ウェル23cの電位を上記の所定値に制御するために使用される。図10(c)に示す例では、拡散層23f’は、p+型層である。
【0076】
本例によれば、図10(b)に示す例と同様に、一部のプラグ27gをプラグ27g’に置き換えることで、プラグ27g(および27g’)を配置するのに必要な面積を削減することが可能となる。また、本例によれば、半導体層23aおよびウェル23bを不要とすることが可能となる。
【0077】
以上のように、本実施形態の半導体装置は、回路チップ1用の基板11上のトランジスタ12と、アレイチップ2用の基板23上のトランジスタ24とを備えている。よって、本実施形態によれば、半導体装置(半導体チップ)の面積を好適に縮小することが可能となる。
【0078】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0079】
本実施形態の半導体装置(図11)は、第1実施形態の半導体装置(図1)と同様の構造を有している。ただし、本実施形態の半導体装置の構造は、以下で説明するように、いくつかの点で第1実施形態の半導体装置の構造と異なっている。なお、図11は、アレイチップ2を図示しているが、回路チップ1の図示は省略している。
【0080】
図11に示すプラグ27e、27fの配置は、図1に示すプラグ27e、27fの配置と異なっている。図11に示すプラグ27eは、図1に示すプラグ27eと同様に電極層31と電気的に接続されているが、積層膜22の下側ではなく上側に配置されている。図11に示すプラグ27fは、図1に示すプラグ27fと同様に積層膜22のZ方向の厚さよりも長いZ方向の長さを有しているが、積層膜22外ではなく積層膜22内に配置されている。図11に示すプラグ27e~27fは、第2プラグの例である。本実施形態の半導体装置はさらに、複数のプラグ27b’と、配線層28b’と、複数のプラグ27b”と、配線層28b”とを備えている。
【0081】
以下、図11に示すプラグ27eの詳細を説明する。
【0082】
図11は、3つのプラグ27eを例示している。これらのプラグ27eの各々は、絶縁膜81を介して積層膜22および基板23内に形成されており、1つの電極層31と1つのプラグ27gとに電気的に接続している。具体的には、左のプラグ27eは、上から1番目および2番目の電極層31(第2電極層)を貫通し、上から3番目の電極層31(第1電極層)と電気的に接続されている。右のプラグ27eは、上から1番目の電極層31(第2電極層)を貫通し、上から2番目の電極層31(第1電極層)と電気的に接続されている。中央のプラグ27eは、上から1番目から4番目の電極層31(第2電極層)を貫通し、上から5番目の電極層31(第1電極層)と電気的に接続されている。本実施形態によれば、プラグ27eを積層膜22の上側に配置することで、電極層31(例えばワード線)とトランジスタ24(例えばワード線スイッチ)とを容易に電気的に接続することが可能となる。ワード線スイッチは例えば、ローデコーダ81(図5)内に設けられたHVトランジスタである。
【0083】
次に、図11に示すプラグ27fの詳細を説明する。
【0084】
プラグ27fは、絶縁膜82を介して積層膜22および基板23内に形成されており、1つのプラグ28b”と1つのプラグ27gとに電気的に接続している。具体的には、プラグ27fは、金属パッド26に対し、プラグ27a、配線層28a、プラグ27b、配線層28b、プラグ27b’、配線層28b’プラグ27b”、および配線層28b”を介して電気的に接続されている。この金属パッド26は例えば、不図示のトランジスタ12と電気的に接続されている。また、プラグ27fは、プラグ27g、配線層28d、プラグ27h、配線層28e、およびプラグ83を介して、ボンディングパッド84と電気的に接続されている。ボンディングパッド84は、層間絶縁膜25上に形成されている。
【0085】
図12は、第2実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0086】
本比較例の半導体装置(図12)は、第2実施形態の半導体装置(図11)と同様の構造を有している。ただし、本比較例のプラグ27e、27fの配置は、第2実施形態のプラグ27e、27fの配置と異なっている。
【0087】
本比較例のプラグ27eは、階段構造を有する積層膜22の下側に配置されている。そのため、本比較例の各プラグ27eは、配線層28b”と、プラグ27e’と、配線層86とを介して、プラグ27gと電気的に接続されている。図12では、配線層86内の各配線が、絶縁膜85を介して基板23内に形成されている。このように、本比較例の各プラグ27eは、複雑な配線構造を介してプラグ27gと電気的に接続されている。一方、本実施形態によれば、各プラグ27eを単純な配線構造を介してプラグ27gと電気的に接続することが可能となる。
【0088】
本比較例のプラグ27fは、階段構造を有する積層膜22の外側に配置されている。また、本比較例のプラグ27fは、本比較例のプラグ27eと同様に、配線層86を介してプラグ27gと電気的に接続されている。一方、本実施形態によれば、プラグ27fを直接、プラグ27gと電気的に接続することが可能となる。
【0089】
図13は、第2実施形態の半導体装置の構造の例を示す断面図である。
【0090】
図13(a)は、図11のトランジスタ24やプラグ27eを示す拡大断面図である。図13(a)に示す例では、プラグ27eが、右のプラグ27gと、配線層28eと、中央のプラグ27gとを介して、トランジスタ24の拡散層24dと電気的に接続されている。
【0091】
図13(b)は、1つのトランジスタ24と、2つのプラグ27eとを示している。図13(b)に示す例では、左のプラグ27eが、金属層87を介して、トランジスタ24の拡散層24cと電気的に接続されており、右のプラグ27eが、金属層87を介して、トランジスタ24の拡散層24dと電気的に接続されている。各金属層87は、プラグ27eの側面にリング状に設けられており、プラグ27eと拡散層27c(または27d)とに接している。各金属層87は例えば、Ti(チタン)層とTiN膜(チタン窒化膜)とを含む積層膜である。本例によれば、各プラグ27eを単純な配線構造を介してトランジスタ24と電気的に接続することが可能となる。
【0092】
図14は、第2実施形態の半導体装置の構造の別の例を示す断面図と平面図である。
【0093】
図14(c)は、トランジスタ24の構造の例を示す平面図である。図14(a)および図14(b)はそれぞれ、図14(c)に示すA-A’断面とB-B’断面とを示している。図14(a)および図14(b)の各々は、積層膜22および基板23内に形成された1つのプラグ27eを示している。
【0094】
以下、図14(c)に示す符号24bを「配線24b」と呼ぶことにする。A-A’線上の配線24bは、トランジスタ24のゲート電極として機能する。一方、B-B’線上の配線24bは、トランジスタ24のゲート電極に信号を供給する引き回し配線として機能する。図14(c)に示すB-B’線上の黒丸は、図14(b)に示すプラグ27eの位置を示している。
【0095】
図14(b)は、基板23内に設けられた素子分離絶縁膜88を示している。図14(b)に示すプラグ27eは、素子分離絶縁膜88を介して基板23内に設けられており、配線24bの下面に接している。本例によれば、このプラグ27を単純な配線構造を介してトランジスタ24と電気的に接続することが可能となる。
【0096】
図15図17は、第2実施形態の半導体装置の製造方法の例を示す断面図である。具体的には、図15図17は、図13(b)に示すトランジスタ24やプラグ27eを形成する工程を示している。
【0097】
まず、回路ウェハW1(不図示)とアレイウェハW2とを貼り合わせた後に、基板23および積層膜22内に複数のコンタクトホールを形成し、これらのコンタクトホール内に絶縁膜81を介して複数のプラグ27eを形成する(図15(a))。
【0098】
次に、基板23内の絶縁膜81をエッチングにより除去する(図15(b))。その結果、基板23とプラグ27eとの間に、複数のリング状の開口部Hが形成される。このエッチングは例えば、希フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングである。
【0099】
次に、基板23の全面に、金属層87を形成する(図16(a))。その結果、開口部Hの内部や基板23の上面に、金属層87が形成される。
【0100】
次に、基板23や金属層87をアニールする(図16(b))。このアニールは例えば、550℃で行われる。その結果、金属層87付近の基板23が例えば、シリコンから金属シリサイド(例:チタンシリサイド)に変化する。
【0101】
次に、開口部H内の金属層87を除去する(図17(a))。その結果、基板23の上面が再び露出する。
【0102】
次に、基板23上にゲート絶縁膜24aとゲート電極24bとを順に形成し、基板23内に拡散層24c、24dを形成する(図17(b))。その結果、基板23の上面にトランジスタ24が形成される。拡散層24c、24は、ゲート電極24bを挟むように形成され、かつ、金属層87に接するように形成される。
【0103】
図18は、第2実施形態の変形例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0104】
本変形例の半導体装置(図18)は、第2実施形態の半導体装置(図11)と同様の構造を有している。ただし、本変形例の積層膜22の形状は、第2実施形態の積層膜22の形状と異なっている。
【0105】
本変形例の積層膜22は、図18に示すように、階段構造と非階段構造とを組み合わせた構造を有している。具体的には、上から1番目~6番目の電極層31は非階段形状を有しており、上から7番目~8番目の電極層31は階段形状を有している。上から1番目~6番目の電極層31は、例えばワード線WLとソース側選択線SGSとを含んでいる(図2を参照)。上から7番目~8番目の電極層31は、例えばドレイン側選択線SGDを含んでいる(図2を参照)。
【0106】
図18では、一部のプラグ27eが、図11と同様に積層膜22の上側に配置されており、残部のプラグ27eが、図12と同様に積層膜22の下側に配置されている。前者のプラグ27eの各々は、上から1番目~6番目の電極層31のいずれかと電気的に接続されており、後者のプラグ27eの各々は、上から7番目~8番目の電極層31のいずれかと電気的に接続されている。図18はさらに、図12と同様に、プラグ27e’と、絶縁膜85と、配線層86とを示している。ただし、図18に示すプラグ27e’は、絶縁膜89を介して積層膜22内に設けられている。
【0107】
積層膜22の上側にプラグ27eを配置する場合には、積層膜22の下面付近にある電極層31上にプラグ27eを正しく配置できない場合がある。理由は、このようなプラグ27e用のコンタクトホールが深くなるからである。例えば、上から7番目の電極層31上に配置すべきプラグ27eが、上から8番目の電極層31上に配置されてしまうおそれがある。
【0108】
そこで、本変形例では、積層膜22の下面付近にある電極層31用のプラグ27eは、積層膜22の上側ではなく下側に配置する。例えば、上から7番目~8番目の電極層31用のプラグ27eは、積層膜22の下側に配置する。これにより、これらのプラグ27eを容易に正しく配置することが可能となる。
【0109】
以上のように、本実施形態の半導体装置は、回路チップ1用の基板11上のトランジスタ12と、アレイチップ2用の基板23上のトランジスタ24とを備えている。よって、本実施形態によれば、半導体装置(半導体チップ)の面積を好適に縮小することが可能となる。さらに、本実施形態によれば、少なくとも一部のプラグ27eを積層膜22の上側に配置することで、電極層31とトランジスタ24とを容易に電気的に接続することが可能となる。
【0110】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0111】
1:回路チップ、2:アレイチップ、
11:基板、12:トランジスタ、12a:ゲート絶縁膜、
12b:ゲート電極、12c~12d:拡散層、13:層間絶縁膜、
14a~14f:プラグ、15a~15e:配線層、16:金属パッド、
21:層間絶縁膜、22:積層膜、23:基板、23a:半導体層、
23b~23c:ウェル、23d~23f:拡散層、23e’:拡散層、
23f’:拡散層、24:トランジスタ、24a:ゲート絶縁膜、
24b:ゲート電極、24c~24f:拡散層、25:層間絶縁膜、
25a~25c:絶縁膜、26:金属パッド、27a~27j:プラグ、
27b’:プラグ、27b”:プラグ、27e’:プラグ、27g’:プラグ、
28a~28e:配線層、28b’:配線層、28b”:配線層、
28c1~28c2:配線材、29:柱状部、
31:電極層、32:絶縁膜、33:メモリ絶縁膜、33a:ブロック絶縁膜、
33b:電荷蓄積層、33c:トンネル絶縁膜、34:チャネル半導体層、
35:コア絶縁膜、36:コア半導体層、
41:メモリセルアレイ、42:I/O制御回路71、43:論理制御回路、
44:ステータスレジスタ、45:アドレスレジスタ、46:コマンドレジスタ、
47:制御回路、48:レディー/ビジー回路、49:電圧生成器、
51:ロウデコーダ、52:センスアンプ、
53:データレジスタ、54:カラムデコーダ、
61:絶縁膜、62:絶縁膜、63:絶縁膜、64:配線層、65:絶縁膜、
66:配線層、66a~66d:配線、71:素子分離絶縁膜、
81:絶縁膜、82:絶縁膜、83:プラグ、84:ボンディングパッド、
85:絶縁膜、86:配線層、87:金属層、88:素子分離絶縁膜、89:絶縁膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18