(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035410
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】表示制御装置、作業機械、表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20240307BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20240307BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240307BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240307BHJP
【FI】
G06F3/0482
E02F9/26 C
B60R16/02 640K
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139847
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 亮平
(72)【発明者】
【氏名】森安 淳吾
【テーマコード(参考)】
2D015
3D344
5E555
【Fターム(参考)】
2D015HA03
3D344AA16
3D344AA26
3D344AA27
3D344AB07
3D344AD05
3D344AD06
5E555AA03
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC07
5E555CA02
5E555CA04
5E555CC03
5E555DB04
(57)【要約】
【課題】操作性を高め、オペレータへの負荷を低減することができる表示制御装置、作業機械、表示制御方法を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、複数のグループ領域と、複数のグループ領域のそれぞれに表示される一以上の項目情報と、を記憶する記憶部と、操作入力部からの操作入力に基づき、表示領域上における操作モードを切替可能とするモード切替部と、切り替えられた操作モードに基づいて、表示領域に表示する情報を制御する表示制御部と、を備え、モード切替部は、複数のグループ領域のうちの一つを選択可能とするフォーカス操作モードと、表示領域上で、直接的に操作可能とするマウス操作モードと、を切替可能とする表示制御装置である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械に設けられたモニタの表示領域に、前記作業機械に関する情報を表示させる表示制御装置であって、
前記表示領域を区分することで設定された複数のグループ領域と、複数の前記グループ領域のそれぞれに配置される、所定の機能が割り当てられた一以上の項目情報と、を記憶する記憶部と、
前記作業機械の運転席に設けられた操作入力部からの操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部で受け付けた前記操作入力部からの操作入力に基づき、前記表示領域上における操作モードを切替可能とするモード切替部と、
前記モード切替部で切り替えられた前記操作モードに基づいて、前記入力受付部に入力された操作入力に応じ、案内画面に表示する情報を制御する表示制御部と、を備え、
前記モード切替部は、
複数の前記グループ領域のうちの一つを選択可能とするフォーカス操作モードと、
前記表示領域上で、直接的に操作可能とするマウス操作モードと、を切替可能とする、
表示制御装置。
【請求項2】
前記フォーカス操作モードでは、複数の前記グループ領域のうちの何れか一つが選択された場合に、選択された前記グループ領域に配置された一以上の前記項目情報を選択可能な状態とし、
前記マウス操作モードでは、前記表示領域上で、複数の前記グループ領域の全てに表示された前記項目情報を、前記操作入力部からの操作入力によって直接的に選択可能とする、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記操作入力部は、ジョグダイヤルであり、
前記モード切替部は、前記ジョグダイヤルからの操作入力に基づいて、前記フォーカス操作モードと前記マウス操作モードとを切り替える、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記フォーカス操作モードでは、前記入力受付部に入力された操作入力に基づいて、前記案内画面上における複数の前記グループ領域、及び前記項目情報のいずれか一つが選択された場合、選択された前記グループ領域、又は前記項目情報を、強調表示する、
請求項1から3の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記マウス操作モードでは、前記表示領域にマウスカーソルを表示させ、前記入力受付部に入力された操作入力に基づいて前記表示領域で前記マウスカーソルを移動させることで、前記項目情報のいずれか一つを選択可能とする、
請求項1から3の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記グループ領域には、前記作業機械の状態に関するビュー画像が表示され、
前記ビュー画像が表示された前記グループ領域が選択された場合、前記入力受付部に入力された操作入力に基づいて、前記ビュー画像の拡大縮小操作、前記ビュー画像の視点切替操作、前記作業機械による施工面の選択操作、のうちの少なくとも一つを実行可能とする、ビュー制御部、をさらに備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記ビュー制御部は、前記ビュー画像が表示された前記グループ領域が選択された場合、ビュー画面上に、基準点となる基準マーカを表示させる、
請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
請求項1から3の何れか一項に記載の表示制御装置を備える作業機械。
【請求項9】
作業機械に設けられたモニタにおける表示制御方法であって、
前記モニタの表示領域に、前記作業機械に関する情報を表示させるステップと、
前記作業機械の運転席に設けられた操作入力部からの操作入力を受け付けるステップと、
前記操作入力に基づき、前記表示領域上における、前記操作入力部による操作モードを切り替えるステップと、
切り替えられた前記操作モードに基づき、前記操作入力に応じて、前記表示領域に表示される前記情報を制御するステップと、を含み、
前記操作モードを切り替えるステップでは、
前記表示領域を区分することで設定された複数のグループ領域のうちの一つを選択可能とするフォーカス操作モードと、
前記表示領域上で、直接的に操作可能とするマウス操作モードと、を切替可能とする、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置、作業機械、表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械の運転席等に取り付けられて、当該作業機械の状態を表示することでオペレータの運転を支援可能な制御装置が知られている。制御装置は、モニタに、作業機械の運転の支援に必要な情報を表示する複数種類の表示画面を表示する。このようなモニタには、いわゆるタッチパネル方式のものも採用されている。
特許文献1に記載されている制御装置では、タッチパネルモニタに表示される表示画面にタッチ操作を受け付けて、タッチ操作に応じた制御を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている制御装置では、オペレータは、制御装置を操作する際、タッチパネルのモニタ画面を、手指で触れて操作する必要がある。制御装置の機能が多岐にわたる場合、モニタ画面の表示領域内に、各機能にそれぞれ関連付けられた多数のアイコン等が表示されることがある。このような場合、オペレータがタッチパネルモニタの表示画面に触れて、多数のアイコン等の中から所望のアイコンを選択するのが困難となる場合がある。
また、作業機械の運転席には、運転席のシートに着座したオペレータから手の届く範囲内に、作業機械の各部を操作するためのハンドル、スイッチ、レバー等が設けられている。このため、タッチパネルモニタを、ハンドル、スイッチ、レバー等を避けて配置した結果、オペレータがタッチパネルモニタを操作する際に、身体的な負荷がかかってしまう可能性がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、操作性を高め、オペレータへの負荷を低減することができる表示制御装置、作業機械、表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示の一態様は、作業機械に設けられたモニタの表示領域に、前記作業機械に関する情報を表示させる表示制御装置であって、前記表示領域を区分することで設定された複数のグループ領域と、複数の前記グループ領域のそれぞれに表示される、所定の機能が割り当てられた一以上の項目情報と、を記憶する記憶部と、前記作業機械の運転席に設けられた操作入力部からの操作入力を受け付ける入力受付部と、前記入力受付部で受け付けた前記操作入力部からの操作入力に基づき、前記表示領域上における操作モードを切替可能とするモード切替部と、前記モード切替部で切り替えられた前記操作モードに基づいて、前記入力受付部に入力された操作入力に応じ、前記表示領域に表示する情報を制御する表示制御部と、を備え、前記モード切替部は、複数の前記グループ領域のうちの一つを選択可能とするフォーカス操作モードと、前記表示領域上で、直接的に操作可能とするマウス操作モードと、を切替可能とする表示制御装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の各態様によれば、操作性を高め、オペレータへの負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係る作業機械の全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る作業機械の運転室の構成を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係るジョグダイヤルの外観を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る表示制御装置の機能構成を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態に係るモニタの表示領域に表示される案内画面の例を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る表示制御装置における、操作モードの遷移を模式的に示す図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る表示制御装置における、グループ領域の選択状態の遷移を模式的に示す図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る表示制御装置における、複数のアイコンの選択状態の遷移を模式的に示す図である。
【
図10】本開示の実施形態に係る表示制御装置における、ビュー画像の表示状態の遷移を模式的に示す図である。
【
図11】本開示の実施形態に係る表示制御装置における、マウス操作モードにおける案内画面を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態に係る表示制御装置の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0010】
(作業機械の構造)
図1は、本開示の実施形態に係る作業機械の構造を示す図である。
油圧ショベルである作業機械1は、作業現場等において土砂などを掘削、整地する。
図1に示すように、油圧ショベルである作業機械1は、走行するための下部走行体11と、下部走行体11の上部に設置され、鉛直方向の軸線周りに旋回可能な上部旋回体12とを有してなる。また、上部旋回体12には、運転室12A、作業機12B、及び、2つのGNSSアンテナN1、N2が設けられている。
【0011】
下部走行体11は、左側履帯CLと、右側履帯CRとを有する。作業機械1は、左側履帯CL及び右側履帯CRの回転により前進、旋回、後進する。
【0012】
運転室12Aは、作業機械1のオペレータが搭乗し、操作、操縦を行う場所である。運転室12Aは、例えば、上部旋回体12の前端部左側部分に設置される。作業機械1の運転室12Aには、モニタ22が搭載されている。
【0013】
作業機12Bは、ブームBM、アームAR及びバケットBKからなる。ブームBMは、上部旋回体12の前端部に装着される。また、ブームBMにはアームARが取り付けられる。また、アームARにはバケットBKが取り付けられる。また、上部旋回体12とブームBMとの間にはブームシリンダSL1が取り付けられる。ブームシリンダSL1を駆動することで上部旋回体12に対しブームBMを動作することができる。ブームBMとアームARとの間にはアームシリンダSL2が取り付けられる。アームシリンダSL2を駆動することで、ブームBMに対しアームARを動作することができる。アームARとバケットBKとの間にはバケットシリンダSL3が取り付けられる。バケットシリンダSL3を駆動することでアームARに対しバケットBKが動作することができる。
油圧ショベルである作業機械1が具備する上述の上部旋回体12、ブームBM、アームAR及びバケットBKは、作業機械1の可動部の一態様である。
【0014】
なお、本実施形態に係る作業機械1は、上述の構成を備えるものとして説明したが、他の実施形態においては、作業機械1は必ずしも上述の構成の全てを備えていなくともよい。例えば、他の実施形態に係る作業機械1は、GNSSアンテナN1、N2を具備しなくともよい。
【0015】
(運転室の構成)
図2は、本開示の実施形態に係る作業機械の運転室の構成を示す図である。
図2に示すように、運転室12Aには、操作レバーL1、L2と、フットペダルF1、F2と、走行レバーR1、R2と、が設けられている。
操作レバーL1及び操作レバーL2は、運転室12A内の運転席のシートSTの左右に配置される。また、フットペダルF1及びフットペダルF2は、運転室12A内、シートSTの前方、床面に配置される。
【0016】
運転室前方に向かって左側に配置される操作レバーL1は、上部旋回体12の旋回動作、及び、アームARの掘削/ダンプ動作を行うための操作機構である。また、運転室前方に向かって右側に配置される操作レバーL2は、バケットBKの掘削/ダンプ動作、及び、ブームBMの上げ/下げ動作を行うための操作機構である。
【0017】
また、走行レバーR1、R2は、下部走行体11の動作制御、すなわち作業機械1の走行制御を行うための操作機構である。運転室前方に向かって左側に配置される走行レバーR1は、下部走行体11の左側履帯CLの回転駆動に対応する。運転室前方に向かって右側に配置される走行レバーR2は、下部走行体11の右側履帯CRの回転駆動に対応する。なお、フットペダルF1、F2は、それぞれ、走行レバーR1、R2と連動しており、フットペダルF1、F2によって、走行制御することもできる。
【0018】
モニタ22は、例えば、運転室前方に向かって前方右側に設置される。モニタ22は、情報を視認可能に表示可能な一つのディスプレイパネルであって、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどである。モニタ22は、タッチパネル式であり、モニタ22の表示領域22aを、オペレータが手指で触れることによって、オペレータが触れた表示領域22a上の位置を認識可能な入力デバイスである。
【0019】
モニタ22は、表示領域22aに、作業機械1に関する案内画面Zを表示する。モニタ22は、例えば、作業機械1の状態を案内画面Zに表示することでオペレータによる作業機械1の運転を支援する。モニタ22は、作業機械1に関する各種の情報を案内画面Zに表示する。モニタ22に表示される案内画面Zの表示内容は、後述する表示制御装置2により制御される。
【0020】
また、運転室12Aには、操作入力部であるジョグダイヤル50が配置されている。ジョグダイヤル50は、モニタ22に表示された案内画面Zに対する操作入力を行うデバイスである。ジョグダイヤル50は、オペレータが容易に操作できるよう、モニタ22よりもオペレータに近い位置に配置されている。ジョグダイヤル50は、例えば、操作レバーL2の近傍に配置されている。ジョグダイヤル50の位置は、適宜変更可能である。
【0021】
図3は、本開示の実施形態に係るジョグダイヤルの外観を示す図である。
図3に示すように、ジョグダイヤル50は、ダイヤル51と、第一ボタン52~第四ボタン55と、を有している。ダイヤル51は、例えば上方から見て円形をなしている。ダイヤル51は、上下方向(
図3における紙面に直交する方向)に延びる中心軸C回りに回転操作が可能とされている。また、ダイヤル51は、中心軸Cに対し、前方、後方、左方、右方に、それぞれ傾動操作が可能とされている。ダイヤル51は、中心軸Cに沿って、上下方向に沿って押下操作が可能とされている。なお、ダイヤル51に代えて、ジョイスティックを設けるようにしてもよい。
第一ボタン52~第四ボタン55は、ダイヤル51の周囲に配置されている。第一ボタン52~第四ボタン55は、それぞれ、上下方向に押下操作が可能とされている。
【0022】
ジョグダイヤル50は、オペレータの手指によるダイヤル51、第一ボタン52~第四ボタン55の操作入力を受け付けることによって、その操作入力の内容に応じた操作信号を、表示制御装置2に出力する。
【0023】
(表示制御装置の構成)
図4は、本開示の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。
以下、表示制御装置2の機能について詳細に説明する。
図4に示すように、モニタ22、及びジョグダイヤル50は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車内ネットワークを介して表示制御装置2に接続されている。なお、表示制御装置2は、例えばモニタ22の筐体内に収容されていてもよい。
【0024】
表示制御装置2は、CPU20と、メモリ21と、通信インタフェース24と、記憶部25とを備えている。なお、CPU20は、FPGA、GPU等、これに類するものであれば如何なる態様のものであってもよい。
【0025】
CPU20は、表示制御装置2の動作全体の制御を司るプロセッサである。CPU20が有する各種機能については後述する。
【0026】
メモリ21は、いわゆる主記憶装置である。メモリ21には、CPU20がプログラムに基づいて動作するために必要な命令及びデータが展開される。
【0027】
通信インタフェース24は、モニタ22、ジョグダイヤル50、及び外部サーバとの間で通信するための通信インタフェースである。
【0028】
記憶部25は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージ装置である。
【0029】
なお、他の実施形態においては、表示制御装置2は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0030】
図5は、本開示の実施形態に係る表示制御装置の機能構成を示す図である。
図5に示すように、CPU20は、所定のプログラムに基づいて動作することで、入力受付部31と、モード切替部32と、表示制御部33と、ビュー制御部34と、を機能的に備えている。なお、上記所定のプログラムは、表示制御装置2に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、記憶部25に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。
【0031】
入力受付部31は、ジョグダイヤル50からの操作入力を受け付ける。入力受付部31は、ジョグダイヤル50のダイヤル51、第一ボタン52~第四ボタン55のいずれかに対する、オペレータによる操作入力を受け付けた場合に、ジョグダイヤル50から出力される、操作入力の内容に応じた操作信号の入力を受け付ける。
【0032】
表示制御部33は、ジョグダイヤル50でなされた操作入力に応じ、案内画面Zに表示する情報を制御する。表示制御部33は、案内画面Zをモニタ22に表示するための表示信号を生成する。
【0033】
図6は、本開示の実施形態に係るモニタの表示領域に表示される案内画面の例を示す図である。
記憶部25には、案内画面Zに設定される複数のグループ領域Gと、複数のグループ領域Gのそれぞれに、項目情報として配置される、複数のアイコンJ11~J15、J51~J55、アラーム情報J21とに関する情報が記憶されている。
図6に示すように、モニタ22の表示領域22aには、表示制御部33が生成する信号に基づいて、案内画面Zが表示される。案内画面Zには、例えば、複数のグループ領域Gが設定されている。複数のグループ領域Gは、表示領域22aを複数に区分することによって設定されている。本実施形態では、例えば、案内画面Zには、5つのグループ領域G1~G5が設定されている。各グループ領域Gは、ジョグダイヤル50で所定の操作を行うことによって、選択可能に設定されている。
【0034】
案内画面Zの上部に設定されたグループ領域G1には、項目情報である複数のアイコンJ11~J15が配置されている。複数のアイコンJ11~J15のそれぞれには、所定の機能が割り当てられている。複数のアイコンJ11~J15は、ジョグダイヤル50の操作によって選択可能とされている。複数のアイコンJ11~J15の各々は、ジョグダイヤル50の操作によって選択された場合、CPU20が、予め割り当てられた所定の機能を発現するための処理を実行させる。
【0035】
グループ領域G2には、項目情報として、例えばアラーム情報J21が表示される。アラーム情報J21は、作業機械1の状態に応じて、何らかの異常が発生した場合等に、その内容をオペレータに報知するためのものである。ジョグダイヤル50の操作によって、オペレータがアラーム情報J21を選択した場合、例えば、発生した異常の詳細情報等が表示されるようにしてもよい。
【0036】
グループ領域G3、G4には、作業機械1の状態に関するビュー画像V3、V4が表示される。ビュー画像V3、V4には、例えば、作業機械1の状態が表示される。
【0037】
グループ領域G3、G4に表示されるビュー画像V3、V4には、作業機械1の状態として、例えば、作業機械1の可動部の動作状態が表示される。ビュー画像V3、V4としては、例えば、側面図、上面図、正面図、3D画面を表示できる。側面図は、作業機械1の車体およびその周辺地形を側面から見た状態を示す画像である。上面図は、作業機械1の車体およびその周辺地形を上面から見た状態を示す画像である。正面図は、作業機械1のバケットBKおよびその周辺地形を、シートSTに着座したオペレータから見た状態を示す画像である。3D画面は、作業機械1の車体およびその周辺地形を三次元映像として表示した画像である。表示制御部33は、グループ領域G3に表示されるビュー画像V3、V4として、側面図、上面図、正面図、3D画面のうち、ジョグダイヤル50の操作によって選択されたものを表示する。また、ビュー画像V3、V4における視点(視線の方向)は、ジョグダイヤル50の操作によって変更可能である。
【0038】
図6に示すように、グループ領域G4に表示されるビュー画像V4には、作業機械1の状態として、例えば、作業機械1と周辺地形(設計面)との位置関係を示す情報が表示される。作業機械1の位置は、GNSSアンテナN1、N2および通信インタフェース24等を介して取得される。ここで、作業機械1の位置を示す情報とは、グローバル座標系で示される三次元の座標情報である。
記憶部25には、三次元データとして取得された地形データである設計面が事前に記録されている。表示制御部33は、この地形データ、及び、GNSSアンテナN1、N2に基づく作業機械1の測位情報に基づいて、作業機械1の周辺地形を、ビュー画像V4に表示する。周辺地形には、作業機械1によって施工される施工面Dの情報が含まれる。施工面Dの情報には、施工面Dを特定するための座標情報等が含まれる。
【0039】
ビュー画像V4に表示される周辺地形は、ジョグダイヤル50の操作によって、拡大縮小可能である。また、ビュー画像V4に表示される施工面Dは、ジョグダイヤル50の操作によって選択可能である。ジョグダイヤル50の操作によって、特定の施工面Dが選択された場合、その施工面Dに関する各種情報を、表示するようにしてもよい。
【0040】
グループ領域G5には、項目情報である複数のアイコンJ51~J55が配置されている。複数のアイコンJ51~J55のそれぞれには、所定の機能が割り当てられている。複数のアイコンJ51~J55は、ジョグダイヤル50の操作によってよって選択可能とされている。複数のアイコンJ51~J55の各々は、ジョグダイヤル50の操作によって選択された場合、予め割り当てられた所定の機能を発現する。
【0041】
図7は、本開示の実施形態に係る表示制御装置における、操作モードの遷移を模式的に示す図である。
モード切替部32は、入力受付部31で受け付けたジョグダイヤル50からの操作入力に基づき、表示領域22aに表示された案内画面Z上における操作モードを切り替える。モード切替部32は、ジョグダイヤル50からの操作入力に基づいて、
図7に示すように、フォーカス操作モードM1とマウス操作モードM2とを交互に切り替える。本実施形態では、例えば、第四ボタン55を押下操作することによって、フォーカス操作モードM1とマウス操作モードM2との切替が行われる。
【0042】
(フォーカス操作モードの説明)
図8は、本開示の実施形態に係る表示制御装置における、グループ領域の選択状態の遷移を模式的に示す図である。
フォーカス操作モードM1では、まず、グループ領域選択状態M11に遷移する。グループ領域選択状態M11では、複数のグループ領域G1~G5のうちの一つを選択可能とする。グループ領域選択状態M11では、ジョグダイヤル50の操作により、案内画面Zに表示された複数のグループ領域G1~G5を順次選択する。本実施形態では、ダイヤル51の回転操作により、グループ領域G1~G5を順次選択する。
図8に示すように、例えば、ダイヤル51を、時計回りに右回転させると、グループ領域G1~G5を、グループ領域G1→G2→G3→G4→G5の順で選択する。また、ダイヤル51を、反時計回りに左回転させると、グループ領域G1~G5を、グループ領域G5→G4→G3→G2→G1の順で選択する。表示制御部33では、グループ領域G1~G5のうち、ダイヤル51の操作によって選択されたものをフォーカスするため、例えば、選択枠W1の表示によって強調表示する。強調表示は、他に、表示色の変化、表示輝度の変化等によって行ってもよい。
グループ領域選択状態M11では、グループ領域G1~G5のうちの何れか一つが選択された状態で、例えば、ダイヤル51が押下操作された場合、モード切替部32が、項目情報選択状態M12、又はビュー操作状態M13に遷移させる。
【0043】
図9は、本開示の実施形態に係る表示制御装置における、複数のアイコンの選択状態の遷移を模式的に示す図である。
フォーカス操作モードM1では、グループ領域G1、G2、G5の何れかが選択された状態で、ダイヤル51が押下操作された場合、項目情報選択状態M12に移行する。
【0044】
項目情報選択状態M12では、例えば、グループ領域G1が選択された場合、選択されたグループ領域G1に配置されたアイコンJ11~J15のうちの一つが選択可能な状態とされる。
図9に示すように、項目情報選択状態M12では、ジョグダイヤル50の操作により、アイコンJ11~J15を順次選択する。本実施形態では、ダイヤル51の回転操作により、アイコンJ11~J15を順次選択する。例えば、ダイヤル51を、時計回りに右回転させると、アイコンJ11~J15を、アイコンJ11→J12→J13→J14→J15の順で選択する。また、ダイヤル51を、反時計回りに左回転させると、アイコンJ11~J15を、アイコンJ15→J14→J13→J12→J11の順で選択する。表示制御部33では、アイコンJ11~J15のうち、ダイヤル51の操作によって選択されたものをフォーカスするため、例えば、選択枠W2の表示によって強調表示する。強調表示は、他に、表示色の変化、表示輝度の変化等によって行ってもよい。
項目情報選択状態M12では、アイコンJ11~J15のうちの何れか一つが選択された状態で、例えば、ダイヤル51が押下操作された場合、CPU20は、選択されたアイコンJ11~J15に割り当てられた所要の機能を実行させる。
【0045】
項目情報選択状態M12では、例えば、グループ領域G2が選択された場合、例えば、ダイヤル51の押下操作により、アラーム情報J21の詳細情報の表示等に移行する。
【0046】
また、項目情報選択状態M12では、例えば、グループ領域G5が選択された場合、グループ領域G1と同様、ダイヤル51の回転操作、及び押下操作を順次行うことで、アイコンJ51~J55の何れか一つを選択し、CPU20は、所要の機能を実行させる。
【0047】
また、項目情報選択状態M12では、例えば、第一ボタン52が押下操作された場合、グループ領域選択状態M11に復帰する。
【0048】
フォーカス操作モードM1では、グループ領域G3、G4が選択された状態で、ダイヤル51が押下操作された場合、ビュー操作状態M13に移行する。
【0049】
ビュー操作状態M13では、例えば、グループ領域G3が選択された場合、ビュー制御部34は、選択されたグループ領域G3に表示されたビュー画像V3をアクティブな状態に遷移させる。アクティブな状態とは、ビュー画像V3に対する、ジョグダイヤル50による操作が可能な状態を指す。例えば、ダイヤル51を前方に傾動させた場合、ビュー制御部34は、ビュー画像V3の視点を上方に移動させる。また、ダイヤル51を後方に傾動させた場合、ビュー制御部34は、ビュー画像V3の視点を下方に移動させる。ダイヤル51を左方に傾動させた場合、ビュー制御部34は、ビュー画像V3の視点を左方に移動させる。ダイヤル51を右方に傾動させた場合、ビュー制御部34は、ビュー画像V3の視点を右方に移動させる。
また、例えば、ダイヤル51を右回転させると、ビュー制御部34は、ビュー画像V3を拡大させる。ダイヤル51を左回転させると、ビュー制御部34は、ビュー画像V3を縮小させる。
【0050】
また、例えば、第一ボタン52、第二ボタン53を押下操作することによって、ビュー画像V3を、側面図、上面図、正面図、3D画面の間で順次切り替えることができる。
【0051】
ビュー操作状態M13では、例えば、グループ領域G4が選択された場合、ビュー制御部34は、選択されたグループ領域G4に表示されたビュー画像V4がアクティブな状態に遷移させる。アクティブな状態とは、ビュー画像V4に対する、ジョグダイヤル50による操作が可能な状態を指す。
【0052】
図10は、本開示の実施形態に係る表示制御装置における、ビュー画像の表示状態の遷移を模式的に示す図である。
図10に示すように、ビュー操作状態M13では、ビュー画像V4の所定の位置に、基準マーカKを表示する。例えば、ダイヤル51を前方に傾動させた場合、ビュー制御部34は、ビュー画像V4に表示される周辺地形の領域を、基準マーカKを中心として上方に移動させる。また、ダイヤル51を後方に傾動させた場合、ビュー制御部34は、ビュー画像V4に表示される周辺地形の領域を、基準マーカKを中心として下方に移動させる。ダイヤル51を左方に傾動させた場合、ビュー制御部34は、ビュー画像V4に表示される周辺地形の領域を、基準マーカKを中心として左方に移動させる。ダイヤル51を右方に傾動させた場合、ビュー制御部34は、ビュー画像V4に表示される周辺地形の領域を、基準マーカKを中心として右方に移動させる。
【0053】
また、ダイヤル51を適宜傾動させることによって、基準マーカKを基準として周辺地形の表示領域を調整し、基準マーカKを施工面Dに重ねた状態で、ダイヤル51を押下操作すると、ビュー制御部34は、その施工面Dに関する各種情報を表示させることができる。
また、例えば、ダイヤル51を右回転させると、ビュー制御部34は、ビュー画像V4を拡大させる。ダイヤル51を左回転させると、ビュー制御部34は、ビュー画像V4を縮小させる。
【0054】
また、ビュー操作状態M13では、例えば、第一ボタン52が押下操作された場合、グループ領域選択状態M11に復帰する。
【0055】
(マウス操作モードの説明)
図11は、本開示の実施形態に係る表示制御装置における、マウス操作モードを模式的に示す図である。
図11に示すように、マウス操作モードM2では、表示制御部33は、表示領域22aに表示された案内画面Z上に、マウスカーソルPを表示させる。マウス操作モードM2では、ジョグダイヤル50による操作に応じて、表示制御部33は、案内画面Z上で、マウスカーソルPの位置を移動させる。例えば、ダイヤル51を前方に傾動させた場合、表示制御部33は、案内画面Z上で、マウスカーソルPを上方に移動させる。ダイヤル51を後方に傾動させた場合、表示制御部33は、マウスカーソルPを下方に移動させる。ダイヤル51を左方に傾動させた場合、表示制御部33は、マウスカーソルPを左方に移動させる。ダイヤル51を右方に傾動させた場合、表示制御部33は、マウスカーソルPを右方に移動させる。このように、マウス操作モードM2では、ジョグダイヤル50による操作に応じて、表示領域22a上で、直接的に操作可能とする。
【0056】
マウス操作モードM2では、複数のグループ領域Gの全てに表示された項目情報、すなわち、アイコンJ11~J15、J51~J55の何れか一つを、ジョグダイヤル50によるマウスカーソルPの操作によって直接的に選択可能とする。
【0057】
例えば、マウス操作モードM2では、マウスカーソルPを、アイコンJ11~J15、J51~J55の何れか一つに重ねた状態で、ダイヤル51を押下すると、CPU20は、選択されたアイコンに割り当てられた所要の機能を実行させる。
また、マウス操作モードM2では、マウスカーソルPを、アラーム情報J21に重ねた状態で、ダイヤル51を押下すると、CPU20は、アラーム情報J21の詳細情報の表示等を実行する。
【0058】
また、マウスカーソルPを、ビュー画像V3、V4の何れか一つに重ねた状態で、ダイヤル51を押下すると、マウスカーソルPを重ねたビュー画像V3、V4を、アクティブ状態とすることもできる。
【0059】
(制御装置の処理フロー)
図12は、本開示の実施形態に係る表示制御装置の処理フローを示す図である。
図12に示す処理フローは、オペレータによって表示制御装置2に電源が投入された後、実行される。なお、表示制御装置2は、作業機械1の電源が投入されたことをきっかけに、自動的に起動するものであってもよい。
【0060】
まず、CPU20は、モニタ22の表示領域22aに、作業機械1に関する案内画面Zを表示させる(ステップS11)。その後、入力受付部31が、作業機械1の運転室12Aに設けられたジョグダイヤル50からの操作入力を受け付けると(ステップS12)、モード切替部32が、操作入力に基づき、表示領域22a上におけるジョグダイヤル50による操作モードを、フォーカス操作モードM1と、マウス操作モードM2とで切り替える(ステップS13)。次いで、表示制御部33が、切り替えられた操作モードに基づいて、ジョグダイヤル50からの操作入力に応じて、表示領域22aに表示される案内画面Zの情報を制御する(ステップS14)。
【0061】
(作用・効果)
本実施形態によれば、表示制御装置2における操作性を高め、オペレータへの負荷を低減することが可能となる。
【0062】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0063】
上述した実施形態では、ジョグダイヤル50における各種操作の例を説明したが、ジョグダイヤル50のダイヤル51、第一ボタン52~第四ボタン55に割り当てられた機能は、適宜変更可能である。
また、上述した実施形態では、案内画面Zの例を示したが、案内画面Zにおける表示内容は、適宜変更可能である。
上述した実施形態では、モニタ22は、タッチパネル式ではないものであってもよい。
【0064】
上述した実施形態では、作業機械1は、油圧ショベルであるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る作業機械1は、例えば、ダンプトラック、ブルドーザ、ホイルローダなどの他の作業機械であってもよい。
【0065】
また、上記実施形態でコンピュータが実行するプログラムの一部または全部は、コンピュータ読取可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…作業機械 2…表示制御装置 22…モニタ 22a…表示領域 25…記憶部 31…入力受付部 32…モード切替部 33…表示制御部 34…ビュー制御部 50…ジョグダイヤル D…施工面 G、G1~G5…グループ領域 J11~J15、J51~J55(項目情報) J21…アラーム情報(項目情報) K…基準マーカ M1…フォーカス操作モード M2…マウス操作モード P…マウスカーソル ST…シート(運転席) V3、V4…ビュー画像 Z…案内画面