(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035421
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6554 20140101AFI20240307BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240307BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240307BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240307BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240307BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20240307BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6556
H01M10/6568
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139863
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 裕
【テーマコード(参考)】
3D235
5H031
【Fターム(参考)】
3D235AA02
3D235BB12
3D235BB36
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC15
3D235DD35
3D235EE63
3D235EE64
3D235FF12
3D235HH26
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】二次電池セルの漏電を低減する。
【解決手段】車両のフロア下部に搭載される蓄電装置は、二次電池セルが収容される電池トレイと、電池トレイを囲む電池フレームと、電池トレイ及び電池フレームの上部に設けられ冷媒が流通する冷媒流路が形成されたプレート部と、電池フレームより外側において電池フレームと上下方向にオーバーラップするように配置され、冷媒流路と内部空間とが連通するようにプレート部に接続された主配管部とを有する冷却プレートと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロア下部に搭載される蓄電装置であって、
二次電池セルが収容される電池トレイと、
前記電池トレイを囲む電池フレームと、
前記電池トレイ及び前記電池フレームの上部に設けられ冷媒が流通する冷媒流路が形成されたプレート部と、前記電池フレームより外側において前記電池フレームと上下方向にオーバーラップするように配置され、前記冷媒流路と内部空間とが連通するように前記プレート部に接続された主配管部とを有する冷却プレートと、
を備える蓄電装置。
【請求項2】
前記電池フレーム及び前記冷却プレートは前記車両に固定され、
前記電池トレイは、下方から前記電池フレームに取付可能である
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記プレート部は、2枚の平板が合わされることにより前記冷媒流路が形成される
請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記プレート部は、前記冷媒流路が形成されるように押出成形によって形成される
請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記電池トレイは、前記二次電池セルを上方向に押し付けるバネ部材を備える
請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される蓄電装置は、二次電池セルが複数直列に接続された電池ブロックと、電池ブロックの下部に設けられ電池ブロックを冷却する冷却プレートと、電池ブロックを上部から覆うカバーとを備える(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような蓄電装置では、車両の衝突等によって外力が加えられた場合に冷却プレートが破損し、冷却プレート内を流れる冷媒によって二次電池セルが漏電するおそれがある。
【0005】
そこで本発明では、二次電池セルの漏電を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る蓄電装置は、二次電池セルが収容される電池トレイと、前記電池トレイを囲む電池フレームと、前記電池トレイ及び前記電池フレームの上部に設けられ冷媒が流通する冷媒流路が形成されたプレート部と、前記電池フレームより外側において前記電池フレームと上下方向にオーバーラップするように配置され、前記冷媒流路と内部空間とが連通するように前記プレート部に接続された主配管部とを有する冷却プレートと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、二次電池セルの漏電を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図2は、蓄電装置の構成を説明する分解斜視図である。
【
図3】
図3は、電池トレイに収容された二次電池セルを説明する図である。
【
図6】
図6は、第2の実施形態における蓄電装置の断面図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態における蓄電装置の断面図である。
【
図8】
図8は、変形例の蓄電装置の構成を説明する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.第1の実施形態>
[1.1.車両1の構成]
図1は、車両1の構成を示した図である。
図1に示すように、車両1は、モータ2、蓄電装置3、インバータ4を備える電気自動車である。なお、車両1は、ハイブリッド自動車であってもよい。
【0010】
モータ2は、車両1を走行させる動力源であり、例えば、三相交流モータである。モータ2は、蓄電装置3からインバータ4を介して電力が供給されると駆動力を発生させ、駆動力を駆動輪に伝達することで車両1を走行させる。なお、車両1がハイブリッド自動車である場合、動力源としてエンジンも備えることとなる。
【0011】
また、モータ2は、回生運転を行うことによって電気(電力)を生成する。モータ2の回生運転によって生成された電気は、インバータ4を介して蓄電装置3に供給される。
【0012】
蓄電装置3は、いわゆる高電圧バッテリであり、モータ2に供給するための電気を蓄電可能である。蓄電装置3は、例えば車両1のフロア下部に搭載されている。
【0013】
インバータ4は、蓄電装置3から供給される直流電流を三相の交流電流に変換してモータ2に供給する。また、モータ2が回生運転を行う場合、インバータ4は、モータ2から供給される交流電流を直流電流に変換して蓄電装置3に供給する。
【0014】
蓄電装置3は、モータ2による回生運転によって充電が可能である。また、蓄電装置3は、不図示の外部装置からの電気供給によっても充電が可能である。
【0015】
[1.2.第1の実施形態の蓄電装置の構成]
図2は、蓄電装置3の構成を説明する分解斜視図である。
図3は、電池トレイ12に収容された二次電池セル14を説明する図である。
図4は、蓄電装置3のA-A断面図である。
図5は、蓄電装置3のB-B断面図である。
【0016】
図2~
図5に示すように、蓄電装置3は、電池フレーム11、電池トレイ12、冷却プレート13及び複数の二次電池セル14を備えている。電池フレーム11及び電池トレイ12は、車体に固定されている。
【0017】
電池フレーム11は、例えばアルミニウム、鉄又は樹脂材によって形成されている。
電池フレーム11は、全体として車両1の前後方向に長く左右方向に短い略四角形の枠状となるように本体部11aが形成されている。
【0018】
電池フレーム11は、本体部11aに囲まれた内側の空間内に、前後方向に所定間隔だけ離隔して複数(図では2個)のリブ11bが設けられている。複数のリブ11bは、本体部11aに囲まれた空間内において、左右方向の両端がそれぞれ本体部11aに溶接等によって接着されている。
【0019】
これにより、電池フレーム11の内側には、電池トレイ12を収容する空間が複数(図では3個)分割するように形成される。なお、以下では、本体部11aに囲まれた空間であってリブ11bによって分割された空間を収容空間11cと表記する。
【0020】
本体部11aは、左右方向の両側であって前後方向に延びる部分に、前後方向に所定間隔だけ離隔して複数のネジ溝11dが形成されている。
【0021】
電池トレイ12は、例えば樹脂材によって形成されている。電池トレイ12は、底となる底部12aと、底部12aから略四角形の枠状となるように上方向に突出した枠部12bとが一体に成形されている。そして、底部12a及び枠部12bに囲まれた空間が二次電池セル14を収容する空間となる。
【0022】
底部12aは、収容空間11cよりも若干大きく形成された板状の部材である。底部12aには、左右方向の両端部におけるネジ溝11dと対向する位置に貫通孔12cが形成されている。
【0023】
枠部12bは、収容空間11c内に収まるように収容空間11cよりも若干小さく形成されている。
【0024】
したがって、電池トレイ12は、車体に固定された電池フレーム11に対して下方から収容空間11c内に挿入され、貫通孔12cを介して締結ボルト等がネジ溝11dに螺合されることで電池フレーム11に固定される。すなわち、電池トレイ12は、下方から電池フレーム11に取付可能である。
【0025】
図3に示すように、電池トレイ12には、複数の二次電池セル14が搭載されている。二次電池セル14は、例えばリチウムイオン電池等であり、充電及び放電を繰り返して使用することが可能である。
【0026】
二次電池セル14は、前後方向の長さが枠部12bよりも若干短く、左右方向の長さが枠部12bよりも十分に短く、上下方向の長さ(高さ)が枠部12bよりも若干短く形成されている。そして、複数の二次電池セル14は、枠部12b内において左右方向に複数(図では10個)並べて収容されている。
【0027】
複数の二次電池セル14は、バスバー15によって直列に接続されている。バスバー15は、伝導率が高い金属材によって形成されている。バスバー15は、二次電池セル14の上面における前後方向の両端部であって、左右方向に隣接して配置された二次電池セル14を接続するように配置されている。そして、前方向に配置されたバスバー15、及び、後方向に配置されたバスバー15は、それぞれ左右方向に一直線上に揃うように配置されている。
【0028】
二次電池セル14と電池トレイ12の底部12aとの間には、バネ部材16が設けられている。バネ部材16は、例えば皿バネや板バネ等でなり弾性変形が可能である。バネ部材16は、電池トレイ12が電池フレーム11内で固定された際に、二次電池セル14を上方向、即ち冷却プレート13に押し付ける。
【0029】
冷却プレート13は、プレート部21、及び、プレート部21の左右方向の両端にそれぞれ接続された主配管部22を備え、二次電池セル14を冷却する。
【0030】
プレート部21は、例えばアルミニウムでなる2枚の平板21a、21bが上下方向に重ね合わされた板合わせ構造となっている。プレート部21における上側の平板21aは、平らに形成されている。プレート部21における下側の平板21bは、所定の凹凸加工が施されている。そして、プレート部21は、このような2枚の平板21a、21bが上下方向から重ね合わされることで、2枚の平板21a、21b間に冷媒が流れる冷媒流路21c(隙間)が形成される。
【0031】
具体的には、冷媒流路21cは、二次電池セル14を接続するバスバー15に沿って形成されている。上記したように、バスバー15が左右方向に一直線上に揃うように配置されているため、バスバー15と対向するように左右方向に延びる冷媒流路21cが前後方向に離隔して複数(図では6個)形成されている。
【0032】
主配管部22は、電池フレーム11よりも剛性が低い部材により形成されている。主配管部22は、前後方向においてプレート部21と略同一の長さを有しており、冷媒が流通する内部空間22aが前後方向に沿って形成されている。
【0033】
そして、主配管部22は、プレート部21に形成された冷媒流路21cと内部空間22aとが連通するようにプレート部21に接続されている。
【0034】
また、主配管部22には冷媒配管を介して不図示のラジエターが接続されており、ラジエターで冷却された冷媒が一方の主配管部22に供給される。そして、一方の主配管部22に供給された冷媒は、プレート部21の冷媒流路21cに分配される。分配された冷媒は、それぞれの冷媒流路21cを通過した後に他方の主配管部22に集められる。その後、他方の主配管部22からラジエターに冷媒が排出され、ラジエターによって冷媒が冷却された後に一方の主配管部22に冷媒が供給される。
このように、冷媒は、一方の主配管部22、プレート部21、他方の主配管部22、ラジエター、一方の主配管部22と循環する。
【0035】
冷却プレート13は、電池フレーム11を上側から覆うように電池フレーム11に固定される。このとき、冷却プレート13は、冷媒流路21cを形成する平板21b部分が絶縁材17を介してバスバー15と接触するように電池フレーム11に対して固定される。絶縁材17は、熱伝統率が高い絶縁体である。これにより、蓄電装置3では、発熱が大きいバスバー15を効率よく冷却することができ、冷却効率を向上することができる。
【0036】
冷却プレート13が電池フレーム11に固定される際、主配管部22は、電池フレーム11よりも左右方向の外側に配置されている。また、主配管部22は、電池フレーム11の上面よりも下方向まで延びるように形成されている。すなわち、主配管部22は、上下方向で電池フレーム11とオーバーラップするように配置されている。
【0037】
そして、車両1が例えば側方(左右方向)から衝突した際に蓄電装置3に外力が働いたとする。このとき、主配管部22が電池フレーム11と上下方向にオーバーラップするように配置されることで、蓄電装置3に働いた外力は、左右方向において最も外側に配置された主配管部22に加えられることになる。
【0038】
そして、主配管部22に加えられた外力により主配管部22が破損すると、主配管部22から冷媒が漏れることになる。このとき、主配管部22が電池フレーム11より外側に配置されているため、電池フレーム11の内側に配置された電池トレイ12内に冷媒が浸入することを回避することができる。すなわち、二次電池セル14が冷媒に触れて漏電するおそれを低減することができる。
【0039】
また、プレート部21には、前後方向における冷媒流路21cの間に、二次電池セル14と上下方向に離隔した排気流路21dが形成される。排気流路21dは、プレート部21の平板21bが上方向に窪むように形成されている。これにより、二次電池セル14から煙が発生しても、排気流路21dを通して煙を外部に排出することが可能となる。
【0040】
<2.第2の実施形態>
図6及び
図7は、第2の実施形態における蓄電装置103の断面図である。なお、
図6は、第1の実施形態における
図4と同一方向の断面図(A-A断面図)である。また、
図7は、第1の実施形態における
図5と同一方向の断面図(B-B断面図)である。
【0041】
第2の実施形態における蓄電装置103は、第1の実施形態における蓄電装置3と比べて、冷却プレート113が異なり、他の構成は同一である。そこで、ここでは、主に冷却プレート113の構造について説明し、第1の実施形態と同一の構造には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
図6及び
図7に示すように、蓄電装置103は、電池フレーム11、電池トレイ12、冷却プレート113及び複数の二次電池セル14を備えている。
【0043】
冷却プレート113は、プレート部121、及び、プレート部121の左右方向の両端にそれぞれ接続された主配管部22を備える。
【0044】
プレート部121は、左右方向に延びる複数の冷媒流路121a、及び、左右方向に延びる複数の排気流路121bが形成されるように、例えばアルミニウムが左右方向に押し出される押出成形により形成されている。
【0045】
具体的には、冷媒流路121aは、二次電池セル14を接続するバスバー15に沿って形成されている。上記したように、バスバー15が左右方向に一直線上に揃うように配置されているため、バスバー15と対向するように左右方向に延びる冷媒流路121aが前後方向に離隔して複数(図では6個)形成されている。
【0046】
冷媒流路121aは、主配管部22の内部空間22aと連通している。したがって、冷媒は、一方の主配管部22、プレート部121の冷媒流路121a、他方の主配管部22、ラジエター、一方の主配管部22と循環する。
【0047】
冷却プレート113は、電池フレーム11を上側から覆うように電池フレーム11に固定される。このとき、冷却プレート113は、冷媒流路121aを形成するプレート部121部分が絶縁材17を介してバスバー15と接触するように電池フレーム11に対して固定される。これにより、蓄電装置103では、発熱が大きいバスバー15を効率よく冷却することができ、冷却効率を向上することができる。
【0048】
また、車両1が例えば側方から衝突した際に蓄電装置3に外力が働いたとする。このとき、第1の実施形態と同様に、主配管部22が電池フレーム11と上下方向にオーバーラップするように配置されることで、蓄電装置103に働いた外力は、左右方向において最も外側に配置された主配管部22に加えられることになる。
【0049】
そして、主配管部22に加えられた外力により主配管部22が破損すると、主配管部22から冷媒が漏れることになる。このとき、主配管部22が電池フレーム11より外側に配置されているため、電池フレーム11の内側に配置された電池トレイ12内に冷媒が浸入することを回避することができる。すなわち、二次電池セル14が冷媒に触れて漏電するおそれを低減することができる。
【0050】
また、プレート部121が左右方向に押し出される押出成形により形成されているため、左右方向の外力に対して剛性が高いので、二次電池セル14の圧壊を低減することができる。
【0051】
排気流路121bは、前後方向における冷媒流路121aの間であって、プレート部121が上方向に窪むように形成されている。これにより、二次電池セル14から煙が発生しても、排気流路121bを通して煙を外部に排出することが可能となる。
【0052】
<3.変形例>
なお、以上の実施形態は本発明を実施する一例で有り、本発明の実施は以上の例に限定されず、各種の変形例が考えられる。
【0053】
例えば、上記した実施形態では、プレート部21、121がバスバー15に絶縁材17を介して接触するようにした。しかしながら、プレート部21、121は、バスバー15及び二次電池セル14の上面に接触するようにしてもよい。また、プレート部21、121は、二次電池セル14の上面に接触するようにしてもよい。
【0054】
また、上記した実施形態では、複数の電池トレイ12が設けられるようにしたが、電池トレイ12は1つであってもよい。ただし、複数の電池トレイ12が設けられることにより、車種ごとに大きさの異なる電池トレイ12を製造する必要がなく、搭載する電池トレイ12の数によりバッテリ容量を変更することができる。また、蓄電装置3、103が故障したときに、故障した電池トレイ12のみを交換するだけでよく、作業効率を向上することができる。さらに、電池トレイ12(二次電池セル14)をリパーパスして使用する場合に、電池トレイ12を分割して組み替えることが可能となる。
【0055】
また、上記した実施形態では、二次電池セル14と電池トレイ12の底部12aとの間にバネ部材16が設けられるようにしたが、バネ部材16は設けられていなくてもよい。
【0056】
また、上記した実施形態では、電池フレーム11及び電池トレイ12の上部に冷却プレート13、113が設けられるようにした場合について説明した。しかしながら、
図8に示すように、変形例としての蓄電装置203のように、冷却プレート213は、電池フレーム11及び電池トレイ12の下部に設けられるようにしてもよい。
蓄電装置203は、電池フレーム11、電池トレイ12、冷却プレート213及びアッパーカバー18を備える。冷却プレート213は、電池フレーム11及び電池トレイ12の下部に設けられ、下側から二次電池セル14を冷却する。この場合であっても、主配管部22は、電池フレーム11より外側において電池フレーム11と上下方向にオーバーラップするように配置されている。また、蓄電装置203では、電池トレイ12の上部の開口を塞ぐアッパーカバー18が取り付けられている。なお、電池トレイ12には、
図8に示すように、底部12aに貫通孔が設けられ、冷却効果を向上させるようにしてもよい。また、蓄電装置203は、アッパーカバー18を設けることなく、電池トレイ12を下方向に開口させて冷却プレート213でその開口を塞ぐようにしてもよい。また、二次電池セル14は、バスバー15が下面に配置されるようにしてもよい。
【0057】
<4.まとめ>
上記のように実施形態の蓄電装置3、103は、車両1のフロア下部に搭載される蓄電装置3、103であって、二次電池セル14が収容される電池トレイ12と、電池トレイ12を囲む電池フレーム11と、電池トレイ12及び電池フレーム11の上部に設けられ冷媒が流通する冷媒流路21cが形成されるプレート部21、121と、電池フレーム11より外側において電池フレーム11と上下方向にオーバーラップするように配置され、冷媒流路21cと内部空間22aとが連通するようにプレート部21に接続された主配管部22とを有する冷却プレート13、113と、を備える。
【0058】
これにより、蓄電装置3、103では、車両1が側方から衝突した際に外力が左右方向において最も外側に配置された主配管部22に加えられることになる。そのため、主配管部22に加えられた外力により主配管部22が破損しても、電池フレーム11の内側に配置された電池トレイ12内に冷媒が浸入することを回避することができる。かくして、蓄電装置3、103は、二次電池セル14が冷媒に触れて漏電するおそれを低減することができる。
【0059】
また、蓄電装置3、103では冷却プレート13、113が上蓋を兼ねているため、上蓋を別途設ける場合と比較して、部品点数を減らすことができるとともに、軽量化及びコスト削減を図ることができる。
【0060】
また、プレート部21、121がバスバー15に絶縁材17を介して接触しているため、発熱が大きいバスバー15を効率よく冷却することができ、冷却効率を向上することができる。
【0061】
また、電池フレーム11及び冷却プレート13が車両1に固定され、電池トレイ12は、下方から電池フレーム11に取付可能である。
これにより、例えば二次電池セル14の故障時に、冷却配管を外さないで、電池トレイ12だけを車両1から取り外すことができる。かくして、蓄電装置3、103は、整備性を向上することができる。
【0062】
プレート部21は、2枚の平板21a、21bが合わされることにより冷媒が流通する冷媒流路21cが形成される。
これにより、プレート部21は、冷媒流路21cを任意の形状に容易にすることができる。
【0063】
プレート部121は、冷媒が流通する冷媒流路121aが形成されるように押出成形によって形成される。
これにより、プレート部121は、左右方向に延びる冷媒流路121aを容易に形成することができる。また、プレート部121は、左右方向の外力に対する剛性を高めることができる。かくして、蓄電装置103は、二次電池セル14が冷媒に触れて漏電するおそれをさらに低減することができる。
【0064】
電池トレイ12は、二次電池セル14を上方向に押し付けるバネ部材16を備える。
これにより、二次電池セル14を冷却プレート13、113に押し付けることができ、より安定して二次電池セル14を冷却プレート13、113に密着させることができる。かくして、蓄電装置3、103は、冷却性能を向上することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 車両
3 蓄電装置
11 電池フレーム
12 電池トレイ
13 冷却プレート
14 二次電池セル
15 バスバー
16 バネ部材
21、121 プレート部
22 主配管