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特開2024-35436排泄情報提供システム、排泄情報提供方法及び排泄情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035436
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】排泄情報提供システム、排泄情報提供方法及び排泄情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20240307BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20240307BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
G16H50/30
E03D9/00 Z
A47K17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139885
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】上田 江美
(72)【発明者】
【氏名】渡 光次郎
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
5L099
【Fターム(参考)】
2D037BA00
2D037EA00
2D038KA00
2D038ZA03
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】排泄場所を直感的に把握可能な排泄情報提供システム、排泄情報提供方法及び排泄情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、前記排泄による排泄物に関連する判定情報と、前記排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する生成部56と、表示部54と、前記ユーザ情報に対応付けて前記排泄情報を前記表示部54に表示させる表示制御部55とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、前記排泄による排泄物に関連する判定情報と、前記排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する生成部と、
表示部と、
前記ユーザ情報に対応付けて前記排泄情報を前記表示部に表示させる表示制御部と
を備える排泄情報提供システム。
【請求項2】
前記排泄場所情報は、便鉢内に排泄された前記排泄物を含む画像が有ることを示すことで前記排泄をした場所を示す、
請求項1に記載の排泄情報提供システム。
【請求項3】
前記便鉢内に排泄された前記排泄物が撮像された対象画像の画像情報を取得する取得部と、
前記対象画像における前記排泄物の性状及び量の少なくともいずれかを判定する判定部と、
を備え、
前記生成部は、前記判定部の判定結果を含めて前記排泄情報を生成する、
請求項2に記載の排泄情報提供システム。
【請求項4】
前記排泄場所情報は、前記排泄物が便鉢内に排泄されたか、前記排泄物が便鉢外に排泄されたかを示す情報である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の排泄情報提供システム。
【請求項5】
前記ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報に関する情報を入力可能な複数の入力装置を備え、
前記生成部は、前記入力装置に前記情報が入力されたときに、前記排泄場所情報と前記排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた前記排泄情報を生成する、
請求項4に記載の排泄情報提供システム。
【請求項6】
前記生成部は、前記入力装置を識別する識別情報を残さずに前記排泄情報を生成する、
請求項5に記載の排泄情報提供システム。
【請求項7】
ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、前記排泄による排泄物に関連する判定情報と、前記排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成し、
前記ユーザ情報に対応付けて前記排泄情報を表示する、
排泄情報提供方法。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、前記排泄による排泄物に関連する判定情報と、前記排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する生成部と、
表示部と、
前記ユーザ情報に対応付けて前記排泄情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
して機能させるための排泄情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排泄情報提供システム、排泄情報提供方法及び排泄情報提供プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、介護施設等で用いられる排便記録システムを開示する。特許文献1に開示された排便記録システムは、表示装置を備える。この表示装置は、便器内に排出された大便を検知する検知装置で検知されなかった排便に関する情報を入力する入力装置として機能する。特許文献1の排便記録システムは、履歴情報DBを有する記録装置を備える。履歴情報DBは、表示装置への入力に基づいて情報が取得されたかを示す取得態様といった項目が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-38640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
介護施設等では、被介護者ごとの細やかな対応が求められる。このような対応を可能にするためには、排泄の内容だけではなく、どのような状況で排泄がなされたかという時々の状況をより詳しく直感的に介護施設等のスタッフが把握することが重要である。例えば、特許文献1における「取得態様」は、便の性状がどのように取得されたかの態様を示す情報である。「取得態様」が表示装置に表示されたとしても、排便がなされた状況をスタッフ等の使用者が直感的に把握することが難しい。
【0005】
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、排泄の状況をより直感的に把握可能な排泄情報提供システム、排泄情報提供方法及び排泄情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、上記排泄による排泄物に関連する判定情報と、上記排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する生成部と、表示部と、上記ユーザ情報に対応付けて上記排泄情報を上記表示部に表示させる表示制御部とを備える排泄情報提供システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る判定システムの構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る便器装置と判定装置の構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る操作端末の構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る操作端末に表示される内容の例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る集約サーバに表示される内容の例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る判定システムが行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図7】第2実施形態に係る集約サーバに表示される内容の例を示す図である。
図8】第2実施形態に係る集約サーバに表示される内容の例を示す図である。
図9】第3実施形態に係る集約サーバの構成を示すブロック図である。
図10】第4実施形態に係る集約サーバに表示される内容の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本開示に係る排泄情報提供システム、排泄情報提供方法及び排泄情報提供プログラムの一実施形態について説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1に示すように、判定システム1は、例えば、複数の判定装置10(判定装置10-1、10-2、…、10-N)と、複数の操作端末20(操作端末20-1、20-2、…、20-N)と、集約サーバ50とを備える。判定装置10は、操作端末20と接続される。操作端末20と集約サーバ50とは通信ネットワークNWを介して接続する。判定システム1の構成は、この例に限定されることはない。判定システム1は、一組の判定装置10及び操作端末20を備える構成であってもよいし、複数の集約サーバ50を備える構成であってもよい。
【0010】
判定装置10は、排泄物が撮像された画像に基づいて、排泄物の有無について判定する。ここで言う、排泄物には、便や尿が含まれる。判定装置10は、便や尿の有無を画像に基づいて判定する。判定装置10は、排泄物が便である場合には、排泄物が撮像された画像に基づいて、その画像に撮像された排泄物の性状及び量の少なくともいずれかを判定する。排泄物の性状は、便における性質及び状態を示す指標である。排泄物の性状は、例えば、便における形状、色等である。排泄物の性状は、例えば、ブリストルスケールに基づいて7分類に分けられる。ブリストルスケールは便の性質及び状態を示し、医療現場でよく使われる、国際的な便の分類指標である。以下の説明では、便の性状が、硬便、普通便、軟便、泥状便、及び水様便の5つに区分される場合を例に説明する。以下の説明では、便の性状を、「便の形状」、或いは「便の形」と表現することもある。排泄物の量は、排泄物の大きさを含む。判定装置10は、排泄物の有無の判定と、排泄物の性状の判定と、排泄物の量の判定との全ての判定を行わなくてもよい。判定装置10は、排泄物の有無の判定と、排泄物の性状の判定と、排泄物の量の判定との少なくともいずれか一つを行う。
【0011】
操作端末20は、操作端末20の操作者による操作入力に基づいて、判定装置10による判定結果を示す判定情報が含まれた通知情報を集約サーバ50に通知する。操作入力は、例えば、通知情報が表示されたタッチパネル(図4参照)に、タッチ操作がなされることにより行われる。
【0012】
通知情報は、ユーザ(排泄者)における排泄物に関する情報を含む、排便記録として記録されていた内容を含む。例えば、通知情報は、排泄物の有無、排泄物の量、排泄物の性状、排泄者、排泄時刻などユーザ情報と対応付けた情報である。判定システム1が、高齢者施設に適用される場合、操作端末20の操作者は、例えば、高齢者を介護する介護者(施設従業者)である。この場合、介護者は、ユーザ(ここでは、入居する高齢者)についての排泄記録を行うために操作端末20を操作する。
【0013】
例えば、介護者は、ユーザの排泄を介抱し、後述する便器装置3の便鉢32で排泄が有った場合に、判定装置10による判定が妥当であるか判断し、必要であれば訂正して内容を確定させる。介護者は、ユーザの氏名等を入力して集約サーバ50に通知する操作を行う。これにより、操作端末20は、通知情報を集約サーバ50に通知する。便鉢32で排泄が有るとは、便鉢32内で排泄が行われたことを意味する。例えば、トイレの中であるが、便鉢32の外で排泄が行われた場合は、便鉢32外で排泄が行われたことになる。
【0014】
例えば、介護者は、便器装置3の便鉢32で排泄が有った場合に、排泄が便器装置3の便鉢32で行われた旨を示す情報(排泄場所情報)を操作端末20に入力できる。排泄場所情報は、排泄場所を明示する情報に限られない。排泄場所情報は、排泄場所を介護者が理解できる情報であればよく、排泄場所を暗示する情報であってもよい。例えば、排泄場所情報は、画像の有無を示す情報であってもよい。
【0015】
排泄が便器装置3の便鉢32で行われた場合には、便鉢32にて排泄物の画像を取得することができる。介護者は、介護者が判定装置10の判定が妥当であるかの判断をした画像が存在することで、排泄が便器装置3の便鉢32で行われたことを理解できる。排泄場所情報は、介護者が判定装置10よる判定が妥当であるか否か判断した判断情報であってもよい。例えば、判断情報が排泄場所情報である場合には、自らが入力する情報が排泄場所情報であることを介護者が意識しないで入力したとしても、判断情報が排泄場所情報となる。介護者が排泄場所情報を入力することを意識せずに、排泄場所を判断することができる情報の入力作業を完了できるため、介護者の入力の作業負担を軽減できる。
【0016】
操作端末20は、排泄場所情報が操作端末20に入力された場合、排泄場所情報と、判定装置10の判定結果を示す判定情報と、ユーザを特定するユーザ情報とを対応付けた通知情報を生成する。操作端末20は、排泄場所情報を加えた通知情報を生成し、集約サーバ50に通知する。
【0017】
排泄場所情報は、操作端末20に入力されるとは限られない。排泄場所情報は、判定装置10から集約サーバ50に通知されてもよい。例えば、便鉢32にて撮像された画像を排泄場所情報にすることもできる。この場合には、排泄場所情報は、判定装置10から操作端末20を介することなく集約サーバ50に通知されてもよい。便鉢32にて撮像された画像を排泄場所情報にする場合には、操作端末20を介して、判定装置10から集約サーバ50に通知されてもよい。集約サーバ50は、排泄場所情報が判定装置10から操作端末20を介することなく通知される場合には、排泄場所情報を通知情報に加える。
【0018】
例えば、介護者は、ユーザの排泄を介抱し、便器装置3の便鉢32と異なる場所でユーザが排泄した場合に、排泄が便器装置3の便鉢32と異なる場所で行われた旨を示す情報(排泄場所情報)を操作端末20に入力できる。例えば、排泄場所情報は、便器装置3の便鉢32と異なる場所で排泄が行われたことを示す排泄場所の具体的な名称情報であってもよい。
【0019】
集約サーバ50は、操作端末20によって通知された通知情報を集約すると共に通知情報に基づく排泄情報を生成する。判定システム1が高齢者施設に適用される場合、集約サーバ50は、例えば、詰所に設置される。詰所は、いわゆる介護ステーションであり、介護者が待機したり、情報が交換されたり、介護方針が立てられたりする場所である。集約サーバ50は、高齢者施設における入所者全体の排泄記録を一括して管理し、操作入力に応じて排泄記録の全体や一部を表示する。
【0020】
集約サーバ50は、排泄場所情報と、判定情報と、ユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する。例えば、集約サーバ50は、通知情報を集積した排泄情報データベースDB(図1参照)を作成する。集約サーバ50は、入力情報に基づいて、排泄情報データベースDBから対応する判定情報やユーザ情報を抽出し、排泄場所情報と、判定情報と、ユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する。例えば、排泄場所情報は、画像の有無で示す画像有無情報である。例えば、排泄場所情報は、排泄が行われた具体的な場所の排泄場所名称情報である。集約サーバ50は、排泄場所情報として、画像有無情報と、排泄場所名称情報とを用いて排泄情報を生成する。
【0021】
集約サーバ50は、例えば、通信部51と、入力部52と、判定部53と、表示部54と、表示制御部55と、生成部56と、記憶部57とを備える。通信部51は、通信ネットワークNWを介して操作端末20と通信し、例えば、操作端末20から通知情報を受信する。通信部51は、取得した通知情報を判定部53、及び表示制御部55に出力する。
【0022】
入力部52は、集約サーバ50の操作者により操作入力された情報を取得する。集約サーバ50の操作者により行われる操作は、例えば、各種情報の入力、及び表示内容の操作である。判定システム1が、高齢者施設に適用される場合、集約サーバ50の操作者は、例えば、高齢者を介護する介護者(施設従業者)である。
【0023】
集約サーバ50の操作者により行われる操作は、操作端末20から通知された通知情報の訂正、及び判定装置10を用いずに人により判定された判定情報等を入力する操作である。判定装置10を用いずに人により判定された判定情報とは、高齢者施設などにおいて判定装置10が設けられていない場所(浴室や寝室など)で排泄が行われた場合に、介護者により便の性状等が判定された結果等である。判定装置10を用いずに人により判定された判定情報は、操作端末20に入力することもできる。表示内容の操作は、集約サーバ50に通知された全ての排泄情報を一覧で表示させたり、指定したユーザや、指定した日時に対応する排泄情報を表示させたりする操作である。入力部52は、取得した情報を表示制御部55に出力する。
【0024】
例えば、集約サーバ50の入力部52を用いて、排泄場所情報を入力してもよい。例えば、集約サーバ50の操作者は、ユーザ情報と対応付けるようにして、排泄場所情報を入力する。入力された排泄場所情報は、ユーザ情報と対応付けられて、記憶部57に記憶される。
【0025】
判定部53は、排泄情報等に基づいて、排泄に関する健康状態を判定する。ここでの排泄に関する健康状態とは、通知情報から判定可能なユーザの健康状態であって、定期的な排泄があるか否か、或いは排泄物の性状に偏り(硬便、或いは水様便)がないか等である。判定部53は、例えば、通知情報に基づいて、排便の間隔(排便間隔)を導出する。排便間隔は、排便がない時間の間隔であって、最新の排泄がなされた時刻(排泄時刻)から現時点までの経過時間である。判定部53は、排便間隔が、所定の閾値より長い場合、健康状態が低下していると判定する。判定部53は、例えば、水様便が排泄されることが連続して所定の回数続いた場合、健康状態が低下していると判定する。判定部53は、下剤を服用した後の排泄物が普通便でない偏りがある性状(硬便、或いは水様便)である場合、投薬量が適切でなく、健康状態が低下していると判定してもよい。判定部53は、健康状態が低下していると判定した場合、その旨を示す情報を、表示制御部55に出力する。
【0026】
表示部54は、表示制御部55の制御に従って、画像を表示する。表示制御部55は、表示部54に表示させる内容を制御する。表示制御部55は、入力部52に操作入力された表示に関する情報に基づいて、表示部54に表示させる表示内容、及び表示態様を決定する。表示制御部55は、決定した表示内容及び表示態様に基づいて、生成部56に対して、排泄情報を生成させる。生成部56は、排泄場所情報と、判定情報と、ユーザ情報とを対応づけた排泄情報を生成する。
【0027】
例えば、表示制御部55は、まず、ユーザごとに、時系列に沿って排泄の有無、排泄が有った場合における排泄物の性状、排泄場所名称、及び排泄画像の有無情報等を表示部54に表示させる(図5参照)。排泄が有った場所における排泄物の性状は、排泄情報に含まれる判定情報の一例である。排泄場所名称と、排泄画像の有無情報とは、各々が排泄情報に含まれる排泄場所情報の一例である。この場合、生成部56は、時系列に沿って排泄の有無、排泄が有った場合における排泄物の性状、排泄場所名称、及び排泄画像の有無情報等を含む排泄情報を生成する。
【0028】
表示制御部55は、選択された排泄に関する詳細情報を表示させるようにしてもよい。表示制御部55は、操作者の操作入力によって、特定のユーザが選択された場合、その選択されたユーザにおける排泄の記録を、カレンダー形式の表示態様にて表示させるようにしてもよい。表示制御部55は、選択されたユーザにおける所定期間(例えば、1か月)に渡る排泄物における性状の内訳を棒グラフ形式の表示態様にて表示させるようにしてもよい。
【0029】
記憶部57は、排泄情報データベースDBを有する。各々の判定装置10と、各々の操作端末20とは、排泄場所情報を集約サーバ50に入力可能な入力装置として機能する。例えば、各々の判定装置10は、各々の操作端末20を介して、排泄場所情報を集約サーバ50に入力する。本実施形態の判定システム1は、集約サーバ50へ情報の入力が可能なこれらの複数の入力装置を備える。本実施形態では、排泄情報データベースDBは、通知情報に含まれる情報が、どの入力装置から入力されたかを示すログ情報を含む。ログ情報は、入力装置を識別する識別情報の一例である。生成部56は、表示部54に排泄情報を生成する場合に、ログ情報を排泄情報に残さずに排泄情報を生成する。このような場合には、排泄情報は、ログ情報を含まない。
【0030】
記憶部57は、排泄情報提供プログラムPを有する。集約サーバ50は、例えばコンピュータで構成される。排泄情報提供プログラムPは、集約サーバ50を、例えば、表示部54、表示制御部55、或いは生成部56として機能させる。例えば、排泄情報提供プログラムPは、ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、排泄による排泄物に関連する判定情報と、排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する生成部56として集約サーバ50を機能させる。例えば、排泄情報提供プログラムPは、ユーザに対応付けて排泄情報を表示部54に表示させる表示制御部55として集約サーバ50を機能させる。
【0031】
図1に示すように、集約サーバ50は、排泄情報提供システム60を備える。この排泄情報提供システム60は、少なくとも、表示部54、表示制御部55及び生成部56を含む。この排泄情報提供システム60において表示制御部55は、ユーザ情報に対応付けて排泄情報を表示部54に表示させる。この排泄情報提供システム60において生成部56は、排泄場所を示す排泄場所情報と、排泄による排泄物に関連する判定情報と、排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する。
【0032】
排泄情報提供システム60は、入力装置として機能する各々の判定装置10を含んでもよい。排泄情報提供システム60は、入力装置として機能する各々の操作端末20を含んでもよい。このような場合には、排泄情報提供システム60は、排泄場所情報に関する情報を入力可能な複数の入力装置を備える。
【0033】
図2に示すように、判定装置10は、便器装置3を撮像する撮像装置4と接続される。これらの便器装置3及び撮像装置4の各々は、本実施形態の判定システム1に含まれていてもよいし、本実施形態の判定システム1の外部構成であってもよい。
【0034】
便器装置3は、例えば、便鉢32を有する便器30を備える。便器装置3は、便鉢32の内部空間34に設けられた開口部36に、洗浄水Sを供給可能に構成されている。
【0035】
撮像装置4は、排泄物を撮像することが可能な位置に設けられる。撮像装置4は、便器30の上側、例えば、便鉢32の後側における縁の内側などに、便鉢32の内部空間34の方向にレンズが向くように設置される。撮像装置4は、便鉢32の内部空間を撮像可能に設置される。撮像装置4は、例えば、判定装置10の指示に基づいて、便鉢の内部空間を撮像し、撮像した画像の画像情報を判定装置10に送信する。
【0036】
撮像装置4は、排泄中に時系列的に、繰り返し便鉢32の内部空間を撮像する。例えば、撮像装置4は、排泄の開始時、途中、終了時など、複数の画像を撮像する。これによって、画像を撮像された時系列に沿って解析でき、最初に排泄された便、途中に排泄された便、最後に排泄された便をそれぞれ判定ことができる。
【0037】
以下の説明では、撮像装置4は、便鉢32に落下した排泄物を、撮像する場合を例に説明するが、これに限定されることはない。撮像装置4は、例えば便座の裏側などに設置され、落下中の排泄物を、便鉢32の側面方向から撮像してもよい。撮像装置4が撮像する画像は、動画像であってもよいし、静止画像であってもよい。
【0038】
判定装置10は、例えば、画像情報取得部11と、解析部12と、判定部13と、出力部14と、画像情報記憶部15と、学習済みモデル記憶部16と、判定結果記憶部17と、を備える。画像情報取得部11は、「取得部」の一例である。
【0039】
画像情報取得部11は、便鉢32の内部空間34が撮像された画像(対象画像)の画像情報を取得する。画像情報取得部11は、取得した画像情報を、解析部12に出力すると。画像情報取得部11は、取得した画像情報を画像情報記憶部15に記憶させる。
【0040】
解析部12は、画像情報取得部11から得られた画像情報に基づいて、画像(対象画像)を解析する。解析部12による解析とは、排泄に関する画像を基に、排泄物に関する判定の項目(判定項目)について推定することである。判定項目は、少なくとも排泄物に関する物であればよく、例えば、便の性状及び量の少なくともいずれか一方である。
【0041】
解析部12は、例えば、判定部13の判定項目に応じた内容を学習した学習済みモデルを用いて、判定項目を推定する。学習済みモデルは、例えば、学習済みモデル記憶部16に記憶されたモデルであって、排泄物が撮像された画像(学習用画像)と、その画像に撮像された排泄物の判定項目に対する判定結果とを対応付けたデータセットを教師データとして学習したモデルである。このような学習によって、学習済みモデルは、入力された画像において判定項目を判定した結果を、推測値として出力することができる。
【0042】
学習済みモデルは、例えば、ディープラーニング(DL)の手法を用いて作成される。DLは、多層のニューラルネットワークで構成されるディープニューラルネットワーク(DNN)による機械学習の手法である。DNNは、神経科学における予測符号化の原理から発想を得たネットワークによって実現され、神経伝達網を摸した関数によって構築される。しかしながらこれに限定されない。学習済みモデルは、少なくとも画像と判定結果とを対応関係を学習したモデルであればよい。
【0043】
判定部13は、解析部12から得られた解析結果を用いて、対象画像に撮像された排泄物における判定項目を判定する。このような判定部13は、対象画像における排泄物の性状及び量の少なくともいずれかを判定する。
【0044】
出力部14は、判定部13による判定結果を出力する。出力部14は、例えば、排泄行動を行ったユーザの端末に判定結果を送信するようにしてもよい。これによって、ユーザが、排泄物の性状や量の判定結果を認識することが可能である。画像情報記憶部15は、画像情報取得部11によって取得された画像情報を記憶する。学習済みモデル記憶部16は、判定項目の各々に対応した学習済みモデルを記憶する。判定結果記憶部17は、判定部13による判定結果を記憶する。通信部18は、便器装置3、及び撮像装置4、或いは図示しない外部装置と通信する。通信部18は、例えば、便器装置3から便器30に設けられた機能部(不図示)によって、便器装置3の使用者による着座や脱座、局部洗浄の使用開始、及び排泄後における便鉢32の洗浄する操作などが検知された場合に、その検知結果を受信する。通信部18は、撮像装置4に撮像の指示を示す制御情報を送信する。
【0045】
判定装置10の全部あるいは一部は、排泄情報提供システム60に含まれてもよい。例えば、画像情報取得部11及び判定部13は、排泄情報提供システム60に含まれてよい。この場合、排泄情報提供システム60は、便鉢32内に排泄された排泄物が撮像された対象画像の画像情報を取得する画像情報取得部11と、対象画像における排泄物の性状及び量の少なくともいずれかを判定する判定部13とを備える。
【0046】
図3に示すように、操作端末20は、例えば、通信部21と、入力部22と、表示部23と、制御部24と、記憶部25とを備える。通信部21は、判定装置10と通信し、判定装置10から判定結果を示す判定情報を取得する。通信部21は、通信ネットワークNWを介して集約サーバ50と通信し、集約サーバ50に通知情報を送信する。入力部22は、操作端末20の操作者により操作入力された情報を取得する。
【0047】
入力部22は、操作端末20の操作者により操作入力された各種の情報を取得する。入力部22には、例えば、判定装置10による判定が妥当であるか否かを確定した結果を示す情報(確定情報)が入力される。入力部22には、判定装置10による判定を訂正する訂正内容を示す情報が入力される。入力部22には、ユーザの氏名等を示す情報が入力される。
【0048】
表示部23は、判定装置10により判定された判定結果を表示する。判定結果は、排泄物が撮像された画像から判定された、排便の有無、排泄物の形状、及び量である。表示部23は、操作入力に用いられる各種の画像を表示するようにしてもよい。この場合、表示部23は、画面に行われたタッチ操作等を取得することができるタッチパネルを備える。この場合のタッチパネルは、入力部22として機能する。
【0049】
操作入力に用いられる各種の画像は、例えば、判定装置10による判定が妥当であるか否かを確定させるための「確定」との文字が示された画像である。操作入力に用いられる各種の画像は、例えば、判定装置10による判定を訂正するための「訂正」との文字が示された画像である。操作入力に用いられる各種の画像は、例えば、ユーザの氏名等を入力するための「入力」との文字が示された画像である。操作入力に用いられる各種の画像は、排泄場所名称を入力するための「場所入力」との文字が示された画像である。操作入力に用いられる各種の画像は、例えば、排泄画像が無いことを入力するための「写真ナシ」との文字が示された画像である。
【0050】
制御部24は、判定装置10による判定結果と、ユーザに関するユーザ情報とを対応付けた通知情報を生成する。制御部24は、例えば、判定装置10から取得した判定結果に、入力部22から操作入力されたユーザ情報を対応付けることで、通知情報を生成する。
【0051】
制御部24は、判定装置10による判定結果が介護者等によって確定された旨の情報が入力部22から入力された場合、その旨を含む通知情報を生成するようにしてもよい。制御部24は、判定装置10による判定結果が確定されたか否かを示す情報を、判定結果に対応づけて通知情報を生成する。
【0052】
制御部24は、判定結果が判定装置10で判定されたものか否かを示す情報を含む通知情報を生成するようにしてもよい。通知情報に基づいて、判定結果が、便器装置3に設置された判定装置10で判定されたものか、判定装置10が設置されていない浴室等で行われた排泄に対して介護者等により判定されたものかを区別することができる。制御部24は、生成した通知情報を、通信部21を介して、集約サーバ50に通知する。
【0053】
制御部24は、集約サーバ50から排泄情報が入力された場合に、排泄情報を表示部23に表示させるようにしてもよい。表示部23に排泄情報が表示され、操作端末20を用いる介護者に排泄情報が提供される。記憶部25は、判定システム1が管理対象であるユーザのユーザ情報を記憶する。記憶部25は、判定装置10で判定された判定結果を記憶する。
【0054】
図4に示すように、操作端末20の表示部23は、判定装置10による判定結果を表示する。この例では、判定装置10による判定結果は、便の有無、便の量、便の形、のそれぞれについて判定された結果である。入力部22には、便の有無(あり/なし)、便の量(小/中/大)、便の形(硬便/普通便/軟便/泥状便/水様便)が文字や図(イラスト)で表示され、該当する文字や図(イラスト)を枠で囲むことにより、判定装置10による判定結果が示されている。この例では、表示部23における表画面の少なくとも一部がタッチパネルで構成され入力部22として機能する。例えば、判定写真を確認するための「写真確認」の画像209がタッチ操作されると、判定装置10が判定を行った写真を、確認することができる。この結果、判定結果によっては操作者が修正することが出来る。操作者により、訂正の画像210がタッチ操作されると、判定装置10による判定結果を訂正することができる。操作者により、確定の画像211がタッチ操作されると、判定装置10による判定結果を確定することができる。操作者により、登録の画像212がタッチ操作されると、判定装置10による判定結果を集約サーバ50に通知することができる。表示部23には、判定装置10による処理の経過を示すメッセージ、例えば「排泄チェックが終わりました」等が表示されてもよい。表示部23には、判定装置10による判定がなされた日時(判定時刻)が表示されてもよい。
【0055】
例えば、操作者により、場所入力の画像213がタッチ操作されると、排泄場所の名称を入力することができる。操作者は、排泄場所が便鉢32でない場合には、場所入力の画像213をタッチ操作し、排泄場所の名称を入力する。操作者により、写真ナシの画像214がタッチ操作されると、画像が無いことを入力することができる。操作者は、排泄場所が便鉢32でない場合には、写真ナシの画像214をタッチ操作し、画像が無いことを入力する。
【0056】
図5に示すように、集約サーバ50の表示部54は、ユーザごとに、排泄及び服薬の履歴を時系列に表示する。表示部54は、例えば、部屋、氏名、便無記録時間、時間軸等の各項目を表示する。
【0057】
部屋には、ユーザが入居する部屋番号が示される。氏名にはユーザの氏名が示される。これらの部屋及び氏名は、ユーザ情報の一例である。便無記録時間には、最新の排泄時刻から現時点までの時間が表示される。便無記録時間が所定の閾値時間(例えば、12時間)よりも長い場合、排便間隔の表示態様が変更され、より目立つように表示される。この例では、便無記録時間が、閾値時間(12時間)より長い15時間である場合、閾値時間より短い場合の表示と比較して、太字かつ大きい文字で表示される。
【0058】
時間軸の項目には、時系列に沿って、排泄の履歴が、文字や図形などで表示される。この例では、雫の画像540により排尿があったことが示されている。判定システム1では、排便のみならず、排尿の記録が集約されてよい。便を模した画像541により排便があったことが示される。カプセルの画像542により投薬がなされたことを示してもよい。画像541では画像の色や濃度により性状が示される。例えば、画像541は水様便、画像543は硬便、画像544は普通便であることを示す。
【0059】
各々の便の画像には、排泄場所名称を示す画像545が隣接して表示される。各々の便の画像には、写真アリの画像546或いは写真ナシの画像547が隣接して表示される。画像545は、排泄場所を示す排泄場所情報である。画像546及び画像547は、排泄場所を画像の有無で示す画像有無情報であり、排泄場所を示す排泄場所情報である。
【0060】
例えば、画像541や画像546が、操作者による操作に基づいて選択されると、具体的な内容が表示される。例えば、画像541が選択されると、画像541に対応付けられた具体的な判定内容、すなわち、排泄時刻、便の量、便の形、コメントの有無、排尿の有無等、が表示される。操作者は、判定内容を訂正したり、コメントを追加したりすることが可能である。画像546が選択されると、排便後における便鉢32の内部空間34が撮像された画像が表示される。この画像は、例えば、判定装置10による判定に用いられた、排泄物が撮像された画像である。閲覧者は、画像を表示させることで、改めて、ユーザにおける排便の状況を確認(追認)することが可能である。
【0061】
図5では、排泄場所名称を示す画像545が排泄場所情報として表示される。図5の表示を視認する者は、画像545が示す内容に基づいて、排泄場所を容易に判断できる。
【0062】
図5では、写真アリの画像546或いは写真ナシの画像547が排泄場所情報として表示される。図5の表示を視認する者は、画像546或いは画像547が示す内容に基づいて、排泄場所を容易に判断できる。例えば、写真アリの画像546の表示がある場合には、排泄場所が、撮像装置4が設置された場所であると判断できる。例えば、写真ナシの画像547の表示がある場合には、排泄が、撮像装置4が設置されていない場所であると判断できる。
【0063】
図5に示す詳細の画像548が選択されると、集約サーバ50の表示部54は、例えば、ユーザごとに、排泄及び服薬の履歴を時系列に表示する。表示部54は、例えば、時間軸、吹き出し等を表示する。時間軸には、選択されたユーザの排泄及び服薬の履歴が表示される。排泄及び服薬の履歴に対応する画像が選択されると、吹き出し形式の表示態様にて、排泄日時、排便、及び排尿に関する情報が表示される。
【0064】
判定システム1における処理の流れの一例を、図6を用いて説明する。判定装置10は、撮像装置4を介して便鉢32の内部空間を撮像した画像の画像情報を取得する(ステップS10)。判定装置10は、取得した対象画像を元に、排泄物の性状及び量の少なくとも一方を判定する(ステップS11)。判定装置10は、判定結果を操作端末20に出力する。
【0065】
操作端末20は、判定装置10から取得した判定結果を表示する(ステップS12)。表示結果を確認した操作者により、確定(或いは訂正等)の操作入力がなされると、操作端末20は、操作入力された内容に従って、必要に応じて内容を変更した上で、判定結果を確定させる(ステップS13)。操作者により、ユーザ情報の操作入力がなされると、操作端末20は、操作入力されたユーザ情報を取得し(ステップS14)、通知情報を生成する(ステップS15)。操作端末20は、生成した通知情報を集約サーバ50に通知する(ステップS16)。
【0066】
集約サーバ50は、必要に応じて任意のタイミングで、判定装置10で判定されていない(図6ではトイレ以外、と記載)、つまり介護者などの人で判定された結果に基づく判定情報を取得する。集約サーバ50は、操作入力による判定情報を取得する(ステップS17)と、取得した情報を記憶部57に記憶する。集約サーバ50は、必要に応じて任意のタイミングで、操作入力による投薬情報を取得する(ステップS18)と、取得した投薬情報を記憶部57に記憶する。
【0067】
表示制御部55は、取得した操作入力に応じて、生成部56に排泄情報を生成させる(ステップS19)。排泄情報には、各々が対応付けられた排泄場所情報と、判定情報と、ユーザ情報とが含まれる。表示制御部55は、排泄情報が生成されると、操作入力に応じた内容を表示部54に表示させる(ステップS20)。この表示には、排泄情報が含まれる。
【0068】
以上のような本実施形態の判定システム1(排泄情報提供システム60)は、生成部56と、表示部54と、表示制御部55とを備える。生成部56は、ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、排泄による排泄物に関連する判定情報と、排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する。表示制御部55は、ユーザ情報に対応付けて排泄情報を表示部54に表示させる。
【0069】
判定システム1によれば、排泄場所情報を含む排泄情報が表示される。表示を視認する者は、排泄場所情報に基づいて、排泄が行われた場所を直感的に把握することができる。
【0070】
判定システム1において、排泄場所情報は、例えば便鉢32内に排泄された排泄物を含む画像の有無で示す画像有無情報である。判定システム1によれば、画像有無情報に基づいて排泄場所を容易に把握できる。画像有無情報は、集約サーバ50に判定装置10で取得された画像(排泄場所情報)が存在するか否かに基づいて生成することができる。介護者等は、排泄場所情報の入力作業を行う必要がない。介護者の入力作業の負担が軽減される。
【0071】
判定システム1において、画像有無情報は、便鉢32内に排泄された排泄物を含む画像が有ることを示すことで排泄場所を示す。判定システム1によれば、画像有無情報を用いて判定装置10で取得された画像が有ることを示すことで、介護者等に排泄場所を直感的に把握させることができる。
【0072】
判定システム1は、画像情報取得部11と、判定部13とを備えてもよい。画像情報取得部11は、便鉢32内に排泄された排泄物が撮像された対象画像の画像情報を取得する。判定部13は、対象画像における排泄物の性状及び量の少なくともいずれかを判定する。判定システム1によれば、排泄物の性状及び量の少なくともいずれかを自動的に判定することができる。
【0073】
判定システム1において生成部56は、判定部13の判定結果を含めて排泄情報を生成する。判定システム1によれば、排泄情報を視認することで、判定部13の判定結果を容易に確認することができる。
【0074】
判定システム1において、排泄場所情報は、排泄物が便鉢32内に排泄されたか、排泄物が便鉢32の外に排泄されたかを示す情報であってもよい。排泄物が便鉢32内に排泄されたとの情報を確認することで、介護者等は排泄が便器装置3の設置場所で行われたことを容易に把握できる。また、排泄物が便鉢32内に排泄されていないとの情報を確認することで、介護者等は排泄が便器装置3の設置されていない場所で行われたことを容易に把握できる。
【0075】
判定システム1は、排泄場所情報に関する情報を入力可能な複数の入力装置として機能する判定装置10や操作端末20を備える。生成部56は、入力装置を識別する識別情報を残さずに排泄情報を生成する。判定システム1によれば、排泄情報を生成する場合の処理負荷を低減できる。排泄情報に識別情報が表示されてないため、排泄情報を視認する者が識別情報に惑わされることなく、排泄場所情報に基づいて、排泄場所を把握することができる。
【0076】
本実施形態における排泄情報提供方法は、ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、排泄による排泄物に関連する判定情報と、排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成し、ユーザ情報に対応付けて排泄情報を表示する。排泄情報提供方法によれば、排泄場所情報を含む排泄情報が表示される。表示を視認する者は、排泄場所情報に基づいて、排泄場所を直感的に把握することができる。
【0077】
本実施形態の排泄情報提供プログラムPは、コンピュータである集約サーバ50を、生成部56として機能させる。生成部56は、ユーザが排泄した場所を示す排泄場所情報と、排泄による排泄物に関連する判定情報と、排泄を行ったユーザ情報とを対応付けた排泄情報を生成する。排泄情報提供プログラムPは、コンピュータである集約サーバ50を、表示部54として機能させる。排泄情報提供プログラムPは、コンピュータである集約サーバ50を、表示制御部55として機能させる。表示制御部55は、ユーザに対応付けて排泄情報を表示部54に表示させる。排泄情報提供プログラムPによれば、排泄場所情報を含む排泄情報が表示される。表示を視認する者は、排泄場所情報に基づいて、排泄場所を直感的に把握することができる。
【0078】
本実施形態の判定システム1では、生成部56、表示部54及び表示制御部55を集約サーバ50が備える。例えば、生成部56、表示部54及び表示制御部55の全て、或いは一部を操作端末20が備えてもよい。操作端末20は、排泄情報提供プログラムPを有する記憶部57を備えてもよい。排泄情報提供プログラムPは、コンピュータである操作端末20を、生成部56、表示部54及び表示制御部55として機能させる。
【0079】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0080】
図7に示すように、集約サーバ50の表示部54は、ユーザごとに、排泄及び服薬の履歴を時系列に表示する。表示部54は、例えば、部屋、氏名、便無記録時間、時間軸等の各項目を表示する。
【0081】
時間軸の項目には、時系列に沿って、排泄の履歴が、文字や図形などで表示される。各々の便の画像には、排便が便鉢32内に排泄されたことを示す第1色画像550或いは排便が便鉢32の外に排泄されたことを示す第2色画像551が重なるように表示される。
【0082】
第1色画像550と第2色画像551とは、排泄場所を色で示す色情報であり、排泄場所情報である。第1色は、特に限定されないが、背景色や便の画像と異なる色である。第2色は、特に限定されないが、背景色、便の画像及び第1色と異なる色である。図7では、第1色画像550と第2色画像551とを有色で表すことができないため第1色と第2色とをハッチングを用いて便宜的に示す。
【0083】
図7の例では、第1色画像550或いは第2色画像551が排泄場所情報として表示される。図7の表示を視認する者は、第1色画像550或いは第2色画像551が示す色に基づいて、排泄場所を容易に判断できる。
【0084】
生成部56は、通知情報に含まれる排泄場所に基づいて、第1色画像550及び第2色画像551を含む排泄情報を生成する。表示制御部55は、生成部56が生成した排泄情報を含む内容を表示部54に表示させる。
【0085】
以上のような本実施形態の判定システム1においても、排泄場所情報を含む排泄情報が表示される。表示を視認する者は、排泄場所情報に基づいて、排泄場所を直感的に把握することができる。
【0086】
判定システム1において、排泄場所情報は、排泄場所を色で示す色情報である。判定システム1によれば、色情報に基づいて排泄場所を容易に把握できる。色情報は、例えば集約サーバ50に判定装置10で取得された画像(排泄場所情報)が存在するか否かに基づいて生成することができる。色情報は、例えば集約サーバ50に記憶された排泄場所名称に基づいて生成することができる。このような場合には、介護者等は、排泄場所情報の入力作業を行う必要がない。介護者の入力作業の負担が軽減される。
【0087】
図8の例では、第1色画像550或いは第2色画像551に加えて、上記第1実施形態における排泄場所名称を示す画像545、写真アリの画像546、及び写真ナシの画像547が表示されている。図8に示すように、色情報に加えて、排泄場所名称を示す画像545、写真アリの画像546、及び写真ナシの画像547を表示してもよい。このような場合には、生成部56は、通知情報に含まれる排泄場所情報との少なくともいずれか一方に基づいて、第1色画像550、第2色画像551、排泄場所名称を示す画像545、写真アリの画像546、及び写真ナシの画像547を含む排泄情報を生成する。表示制御部55は、生成部56が生成した排泄情報を含む内容を表示部54に表示させる。
【0088】
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0089】
図9に示すように、判定システム1において集約サーバ50は、ログ情報消去部58を備える。ログ情報消去部58は、操作端末20から集約サーバ50に入力される通知情報に含まれる入力装置の識別情報(ログ情報)を消去する。入力装置(判定装置10や操作端末20)の識別情報は、通知情報に含まれる。ログ情報消去部58は、通知情報から識別情報を消去し、記憶部57に記憶させる。記憶部57の排泄情報データベースDBは、入力装置の識別情報を含まない。
【0090】
排泄情報データベースDBに入力装置の識別情報が含まれないことで、排泄情報データベースDBの容量を小さくすることができる。また、排泄情報を生成する生成部56の処理負担を軽減することができる。
【0091】
ログ情報消去部58を各々の入力装置に持たせることもできる。このような場合には、各々の入力装置から出力される通知情報に、入力装置の識別情報が含まれない。通知情報に識別情報が含まれないため、排泄情報データベースDBにも入力装置の識別情報が含まれない。
【0092】
(第4実施形態)
次に、本開示の第4実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0093】
図10に示すように、集約サーバ50の表示部54は、便を模した画像(例えば、画像541、画像543、画像544、画像550及び画像551)の大きさを、便の量に応じて変更して表示する。便の量が基準の量よりも多い場合には、図10に示すように、便を模した画像が大きく示される。便の量が基準の量(普通)である場合には、図10に示すように、便を模した画像が中程度に示される。便の量が基準の量よりも少ない場合には、図10に示すように、便を模した画像が小さく示される。
【0094】
便を模した画像の大きさを、便の量に応じて変更して表示することで、便の量を画像の大きさに基づいて直観的に理解することが可能になる。
【0095】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。
【0096】
例えば、排泄場所情報は、排泄場所名称、画像有無情報、色情報に限定されない。排泄場所情報は、マークであってもよい。また、排泄場所名称、画像有無情報、色情報の表示位置は、上記実施形態に限定されず、変更してもよい。
【0097】
例えば、画像有無情報を排泄場所情報として用いないことも可能である。介護者等が操作端末で画像を撮像できる場合やトイレ以外の場所に撮像装置が設置された場合には、場所に関する情報を含めずに排泄物の画像を取得することができる。このようにして取得した画像の有無を排泄情報に含めて表示してもよい。このような場合には、排泄場所に関わらず画像を一覧で表示することで、表示を視認する者が画像の有無を容易に把握できる。様々な場所の画像が含まれる可能性がある場合には、排泄場所情報として排泄場所名称や色情報用いるとよい。
【符号の説明】
【0098】
1……判定システム、3……便器装置、4……撮像装置、10……判定装置(入力装置)、11……画像情報取得部(取得部)、20……操作端末(入力装置)、23……表示部、32……便鉢、50……集約サーバ、54……表示部、55……表示制御部、56……生成部、57……記憶部、58……ログ情報消去部、60……排泄情報提供システム、DB……排泄情報データベース、P……排泄情報提供プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10